(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-22
(45)【発行日】2024-04-01
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
D06F 39/08 20060101AFI20240325BHJP
【FI】
D06F39/08 331
(21)【出願番号】P 2022160729
(22)【出願日】2022-10-05
(62)【分割の表示】P 2020572540の分割
【原出願日】2019-06-25
【審査請求日】2022-11-04
(31)【優先権主張番号】10-2018-0074380
(32)【優先日】2018-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2018-0074387
(32)【優先日】2018-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2018-0074357
(32)【優先日】2018-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2018-0074353
(32)【優先日】2018-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0075433
(32)【優先日】2019-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】LG ELECTRONICS INC.
【住所又は居所原語表記】128, Yeoui-daero, Yeongdeungpo-gu, 07336 Seoul,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100109841
【氏名又は名称】堅田 健史
(74)【代理人】
【識別番号】230112025
【氏名又は名称】小林 英了
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ホサン
(72)【発明者】
【氏名】キム,クヮンヒョン
(72)【発明者】
【氏名】キム,サンフン
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ジェヒョン
(72)【発明者】
【氏名】カン,ヨファン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ハンソル
(72)【発明者】
【氏名】リュ,フワンチャン
(72)【発明者】
【氏名】リ,ヒュンジェ
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-139815(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02719814(EP,A1)
【文献】国際公開第2016/136154(WO,A1)
【文献】特開2012-070810(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 39/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯機であって、
前面に形成された投入口を備えるケーシング;
前記ケーシング内に備えられ、洗濯水を収容するように構成され、前面に形成された投入口を備えたタブ;
前記タブ内に回転可能に備えられたドラム;
前記投入口と前記タブの前記投入口とを連結する通路を形成するガスケットボディを備えるガスケット;
前記ガスケットボディの内周部に配置され、前記ドラム内に洗濯水を噴霧するように構成された複数のノズル;
前記ガスケットボディが、前記ケーシングの幅方向(widethwise direction)において、第1の領域と第2の領域とに両側に分かれるとき、前記複数のノズルは、前記第1の領域に、下端から上端の方向に(bottom to top direction)、順次配置される第1のノズル及び第2のノズルを備え、
前記タブから排出された前記洗濯水を汲み出すように構成されたポンプ;
前記ポンプに連結された循環管;
前記循環管に連結され、前記洗濯水を前記複数のノズルに供給する分配管;を備えてなり、
前記分配管は、
前記循環管に連結された流入ポートと、
前記ガスケットボディの外周部上に、前記第1の領域内に、配置され、前記流入ポートから前記ガスケットボディの前記外周部に沿って延びる第1の管路部と、及び、
前記第1の管路部上に、下端から上端の方向に、順次整列され、前記第1のノズル及び前記第2のノズルに連結された、第1の吐出ポート及び第2の吐出ポートと、を備えてなり、
前記第1の吐出ポート及び前記第2の吐出ポートは、前記第1の管路部から前記ガスケットボディの外周面に拡張され、互いに平行である、ことを特徴とする、洗濯機。
【請求項2】
前記第1の吐出ポート、前記第2の吐出ポート、第3の吐出ポート、及び第4の吐出ポートは、平行に拡張されることを特徴とする、請求項1に記載の洗濯機。
【請求項3】
前記第1の管路部は、前記ガスケットボディに対向する内周部上に平坦面を備え、
前記第1の吐出ポート及び前記第2の吐出ポートの少なくとも1つは、前記平坦面から突出し、前記平坦面に対して直角であることを特徴とする、請求項1に記載の洗濯機。
【請求項4】
前記第1の管路部は、前記第1の吐出ポートと前記第2の吐出ポートの間に折り曲げられることを特徴とする、請求項1に記載の洗濯機。
【請求項5】
前記第1の管路部は、前記ガスケットの前記外周部に沿って拡張され、前記第1の吐出ポートと前記第2の吐出ポートの間に配置された、曲線部(curved part)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の洗濯機。
【請求項6】
前記第1の管路部は、前記曲線部から下向きに拡張する直線部(linear part)を更に備えることを特徴とする、請求項5に記載の洗濯機。
【請求項7】
前記第1の吐出ポートは、前記直線部から突出することを特徴とする、請求項6に記載の洗濯機。
【請求項8】
前記ガスケットボディの中心に対応する高さで、前記曲線部及び前記直線部は互いに連結されることを特徴とする、請求項6に記載の洗濯機。
【請求項9】
前記第1の管路部は、前記曲線部の上端から上向きに拡張する上部ポート連結部を更に備え、
前記第2の吐出ポートは、前記上部ポート連結部から突出することを特徴とする、請求項5に記載の洗濯機。
【請求項10】
前記第2の吐出ポートは、前記ガスケットボディの高さの半分より高く配置されることを特徴とする、請求項1に記載の洗濯機。
【請求項11】
前記第1の吐出ポートは、前記ガスケットボディの高さの半分より低く配置されることを特徴とする、請求項1に記載の洗濯機。
【請求項12】
前記第1の吐出ポートの出口は、前記第2の吐出ポートの出口より前記ガスケットボディから更に遠くに配置されることを特徴とする、請求項1に記載の洗濯機。
【請求項13】
前記第1の吐出ポートと前記第1の吐出ポートの上流に配置された前記第1の管路部の一部との間の第1の角度は、前記第2の吐出ポートと前記第2の吐出ポートの上流に配置された前記第1の管路部との間の第2の角度よりも小さいことを特徴とする、請求項1に記載の洗濯機。
【請求項14】
前記複数のノズルは、前記第2の領域内に、下端から上端の方向に、順次配置された第3のノズル及び第4のノズルを備え、
前記分配管は、
前記第2の領域内に、前記ガスケットボディの外周部上に、配置され、前記流入ポートから前記ガスケットボディの外周部に沿って拡張される第2の管路部と、
前記第2の管路部上に、下端から上端の方向に、順次整列され、前記第3のノズル及び前記第4のノズルに連結される第3の吐出ポート及び第4の吐出ポートと、を備え、
前記第3の吐出ポート及び前記第4の吐出ポートは、前記第2の管路部から前記ガスケットボディの前記外周面に拡張されることを特徴とする、請求項1に記載の洗濯機。
【請求項15】
前記第3の吐出ポート及び前記第4の吐出ポートは、互いに平行であることを特徴とする、請求項14に記載の洗濯機。
【請求項16】
前記第1の吐出ポート、前記第2の吐出ポート、前記第3の吐出ポート、及び前記第4の吐出ポートは、平行に拡張されることを特徴とする、請求項15に記載の洗濯機。
【請求項17】
前記第1の吐出ポートは、前記第3の吐出ポートの高さと同じ高さに配置され、
前記第2の吐出ポートは、前記第4の吐出ポートの高さと同じ高さに配置されることを特徴とする、請求項14に記載の洗濯機。
【請求項18】
前記第2の吐出ポートの流路断面積(DA2)は、前記第1の吐出ポートの流路断面積(DA1)より大きいことを特徴とする、請求項1~17の何れか一項に記載の洗濯機。
【請求項19】
前記ガスケットは、第1のポート挿入管及び第2のポート挿入管を更に備え、
前記第1のポート挿入管及び前記第2のポート挿入管は、前記ガスケットボディの前記外周部から突出し、前記第1のノズル及び前記第2のノズルに連結され、
前記第1の
吐出ポート及び前記第2の
吐出ポートは、前記第1のポート挿入管及び前記第2のポート挿入管に挿入されることを特徴とする、請求項1~18の何れか一項に記載の洗濯機。
【請求項20】
前記複数のノズルは、前記第2の領域に、下端から上端の方向に、順次配置された第3のノズル及び第4のノズルを更に備え、
前記循環管は、第1の循環管及び
第2の循環管を備え、
前記分配管は、
前記第1の循環管に連結された第1の分配管と、
前記第2の循環管に連結された第2の分配管と、を備え、
前記第1の分配管は、
前記流入ポートと、
前記第1の管路部、
前記第1の突出ポート、及び
前記第2の突出ポート、を備え、
前記第2の分配管は、
前記第2の循環管に連結された第2の流入ポートと、
前記第2の領域内に、前記ガスケットボディの外周部上に、配置され、前記第2の流入ポートから前記ガスケットの前記外周部に沿って拡張される第2の管路部と、
前記第2の管路部上に、下端から上端の方向に、順次整列され、前記第3のノズル及び第4のノズルに連結される第3の吐出ポート及び第4の吐出ポートと、を備え、
前記第3の吐出ポート及び前記第4の吐出ポートは、前記第2の管路部から前記ガスケットボディの外周面に向かって拡張され、互いに平行である、ことを特徴とする、請求項1に記載の洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯機に関し、より詳細には、ドラム内に循環水を噴射するノズルがガス
ケットに備えられた洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
韓国公開特許10-2018-0131893は(2018年12月11日公開:以下、「従来技術」という。)は、ポンプにより圧送された循環水をドラム内に噴射するノズルを備えた洗濯機を開示している。前記洗濯機は、外観を形成するケーシングと水が入れられるタブとの間に介在されたガスケットの内周面に沿って複数個のノズルが備えられ、前記ガスケットの外周面から突出された複数個のポート挿入管が前記ノズルと各々連通される。
【0003】
前記ポンプにより圧送された水(循環水)を案内する案内管が備えられ、前記案内管
は、環形の流路から突出された複数個の吐出ポートが前記複数個のポート挿入管に各々挿
入される。
【0004】
それぞれの前記ポート挿入管は、前記ガスケットの外周面から略半径方向外側に突出
された形態であり、これに対応して、それぞれの前記吐出ポートも前記環形の流路から半
径方向内側に突出されている。
【0005】
それぞれの前記ポート挿入管に前記吐出ポートが挿入される方向が相違するので、2
つ以上のノズル給水ポートを2つ以上のポート挿入管に同時に組み立てることができず、
製造工程も複雑になるという問題があった。
【0006】
また、このように放射状にポート挿入管が延びる形態からなるガスケットを成形する
ためには、各ポート挿入管が延びる方向に金型の移動がなされなければならず、金型構造
が複雑になるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、第1に、ドラム内に循環水を噴射する複数のノズ
ルがガスケットに備えられ、前記複数のノズルに循環水を供給する分配管を有する洗濯機
を提供し、前記分配管を前記ガスケットに容易に設けることができる構造を提供すること
である。
【0008】
第2に、前記分配管に備えられた2つ以上の吐出ポートを前記ガスケットに形成され
たポート挿入管に容易に脱着できる洗濯機を提供することである。
【0009】
本発明の課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されていないさらに他の課
題は、下記の記載から当業者に明確に理解され得るであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の洗濯機は、回転ドラムを収容するタブから排出された洗濯水がポンプにより
圧送され、分配管に沿って案内されてガスケットに配置された複数のノズルに供給される
。
【0011】
前記ガスケットは、ケーシングに形成された投入口と前記タブの入口を連結する通路
を形成するガスケットボディとを備え、前記複数のノズルは、前記ガスケットボディの内
周面に備えられる。
【0012】
前記複数のノズルは、前記ガスケットボディを左右に配分した第1、2の領域のうち
、前記第1の領域に下から上へと順に配置される第1、2のノズルと、前記第2の領域に
下から上へと順に配置される第3、4のノズルとを備える。
【0013】
前記ポンプから吐出された洗濯水が循環管を介して案内され、前記循環管を介して案
内された洗濯水は、前記分配管を介して前記第1ないし4のノズルに分配される。
【0014】
前記分配管は、前記循環管と連結される流入ポートと、前記ガスケットボディの外周
面上で前記第1の領域に配置されて、前記流入ポートに流入した洗濯水のうち、一部を案
内する第1の管路部と、前記ガスケットボディの外周面上で前記第2の領域に配置されて
、前記流入ポートに流入した洗濯水のうち、他の一部を案内する第2の管路部とを備える
。
【0015】
第1、2の吐出ポートが前記第1の管路部上で下から上へと順に配置されて、前記第
1の管路部に沿って案内された洗濯水を前記第1、2のノズルに供給する。前記第1、2
の吐出ポートは、互いに平行に配置される。
【0016】
第3、4の吐出ポートが前記第2の管路部上で下から上へと順に配置されて、前記第
2の管路部に沿って案内された洗濯水を前記第3、4のノズルに供給する。前記第3、4
の吐出ポートは、互いに平行である。
【0017】
前記第1ないし第4の吐出ポートは、水平に延びることができる。
【0018】
前記第1の吐出ポートと前記第2の吐出ポートとは、前記ガスケットボディの半分の
高さより下側に位置することができ、前記第3の吐出ポートと前記第4の吐出ポートとは
、前記ガスケットボディの半分の高さより上側に位置することができる。
【0019】
前記第1の吐出ポートと前記第2の吐出ポートとは、同じ高さに位置することができ
、前記第3の吐出ポートと前記第4の吐出ポートとは、同じ高さに位置することができる
。
【0020】
前記第1の吐出ポートの出口は、前記第2の吐出ポートの出口より前記ガスケットボ
ディからさらに遠く位置することができる。
【0021】
前記第1の管路部は、前記ガスケットボディに対向する内径部上に平らに形成された
第1のフラット面を備えることができ、前記第1の吐出ポートは、前記第1のフラット面
から突出されることができる。前記第1の吐出ポートは、前記第1のフラット面と直交す
ることができる。
【0022】
前記第2の管路部は、前記ガスケットボディに対向する内径部上に平らに形成された
第2のフラット面を備えることができ、前記第2の吐出ポートは、前記第2のフラット面
から突出されることができる。前記第2の吐出ポートは、前記第2のフラット面と直交す
ることができる。
【0023】
前記第1の吐出ポートと前記第3の吐出ポートとは、前記ガスケットボディを左右に
両分する対称基準線に対して対称に配置されることができる。
【0024】
前記第2の吐出ポートと前記第4の吐出ポートとは、前記対称基準線に対して対称に
配置されることができる。
【0025】
前記第2の吐出ポートの流路断面積は、前記第1の吐出ポートの流路断面積より大き
いことができる。前記第4の吐出ポートの流路断面積は、前記第2の吐出ポートの流路断
面積より大きいことができる。
【0026】
本発明の他の側面によれば、洗濯機は、前面に投入口が形成されたケーシングと、前
記ケーシング内に備えられて洗濯水を収容し、前面に入口が形成されたタブと、前記タブ
内に回転可能に備えられるドラムと、前記投入口と前記タブの入口を連結する通路を形成
するガスケットボディと、前記ガスケットボディの内周面に備えられて、前記ドラム内に
洗濯水を噴射する複数のノズルとを備え、前記複数のノズルは、前記ガスケットボディを
左右に配分した第1、2の領域のうち、第1の領域に下から上へと順に配置される第1、
2のノズルを備えるガスケットと、前記タブから排出された洗濯水を圧送するポンプと、
前記ポンプから吐出された洗濯水を案内する第1の循環管と、前記循環管を介して案内さ
れた洗濯水を前記第1、2のノズルに分配する第1の分配管とを備え、前記第1の分配管
は、前記第1の循環管と連結される第1の流入ポートと、前記ガスケットボディの外周面
上で前記第1の領域に配置されて、前記流入ポートに流入した洗濯水を下から上へと案内
する第1の移送管路と、前記移送管路上で下から上へと順に配置されて、前記第1の移送
管路に沿って案内された洗濯水を前記第1、2のノズルに供給し、互いに平行に前記第1
の移送管路から前記ガスケットボディの外周面側に延びる第1、2の吐出ポートとを備え
る。
【0027】
前記複数のノズルは、前記第2の領域に下から上へと順に配置される第3、4のノズ
ルをさらに備えることができ、前記洗濯機は、前記ポンプから吐出された洗濯水を案内す
る第2の循環管と、前記第2の循環管を介して案内された洗濯水を前記第1、2のノズル
に分配する第2の分配管とを備えることができ、前記第2の分配管は、前記第2の循環管
と連結される第2の流入ポートと、前記ガスケットボディの外周面上で前記第2の領域に
配置されて、前記流入ポートに流入した洗濯水を下から上へと案内する第2の移送管路と
、前記第2の移送管路上で下から上へと順に配置されて、前記第2の移送管路に沿って案
内された洗濯水を前記第3、4のノズルに供給し、互いに平行に前記第2の移送管路から
前記ガスケットボディの外周面側に延びる第3、4の吐出ポートとをさらに備えることが
できる。
【発明の効果】
【0028】
本発明に係る洗濯機は、次のような効果が1つあるいはそれ以上ある。
【0029】
第1に、本発明の洗濯機は、ガスケットに一体に形成された2つ以上のポート挿入管
が互いに平行に配置されるので、前記2つ以上のノズルを1つの移動金型を用いて射出し
ても、開型や脱型作業が円滑になされることができる。
【0030】
第2に、前方から眺めるとき、前記ガスケットを両分した第1、2の領域のうち、い
ずれか1つに2つ以上のポート挿入管が互いに平行に形成されるので、分配管を前記ガス
ケットに設けるとき、前記分配管に備えられた吐出ポートを実質的に同じ方向に移動させ
て前記吐出ポートを同時にポート挿入管に挿入することができ、組立性が向上する。
【0031】
特に、前記分配管が循環水連結ポートから分岐された第1の管路部と第2の管路部と
を有し、前記第1の管路部と前記第2の管路部とのうち、いずれか1つに各々2つ以上の
前記吐出ポートが形成され、前記2つ以上の吐出ポートが各々半径方向に沿って延び、こ
れに対応して、前記2つ以上のポート挿入官も各々半径方向に延びる構造の場合、前記吐
出ポート間の挿入方向が異なり、前記吐出ポートを同時に前記ポート挿入管に挿入するの
が容易でなかったが、本発明は、ポート挿入管(または、吐出ポート)を互いに平行に配
置することにより、このような問題を解決した。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本発明の一実施形態に係る洗濯機を示した斜視図である。
【
図3】
図2に示された洗濯機の一部分を示した斜視図である。
【
図7】ガスケットと分配管とが組み立てられた状態を示した斜視図である。
【
図10】
図7のA-A´に沿って切り取った断面図である。
【
図14】本発明の一実施形態に係るガスケットを製作するための射出成形機の平面図である。
【
図15】
図7のB-B´に沿って切り取った断面図である。
【
図16】
図9のIII-III´に沿って切り取った断面図である。
【
図17】
図9のIV-IV´に沿って切り取った断面図である。
【
図18】ガスケットと分配管との組立体を示したものであって、特に、ノズルの位置とノズルの噴射幅を表示したものである。
【
図19】本発明の他の実施形態に係る洗濯機に適用されるポンプを部分的に切り欠いて示したものである。
【
図20】本発明の他の実施形態に係る洗濯機に適用される第1の分配管と第2の分配管とを示したものである。
【
図21】ガスケットに分配管が設けられた状態を示した部分図であって、特に、ガスケットに形成された残水排出ポートと残水回収口とを見せる図である。
【
図22】ガスケットに分配管が設けられた状態を示した部分図であって、特に、ガスケットに形成された残水排出ポートと残水回収口とを見せる図である。
【
図23】本発明の実施形態に係る分配管において吐出ポートに圧入突起が形成された構造を拡大したものである。
【
図24】本発明のさらに他の実施形態に係る分配管において吐出ポートを見せる部分図である。
【
図25】
図24に示された分配管の吐出ポートがポート挿入管に挿入された状態を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明の利点及び特徴、そして、それらを達成する方法は、添付される図面とともに
詳細に後述されている実施形態を参照すれば、明確になるであろう。しかしながら、本発
明は、以下において開示される実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる様々な
形態で実現されることができ、単に本実施形態は、本発明の開示が完全なようにし、本発
明の属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために
提供されるものであり、本発明は、請求項の範疇により定義されるだけである。明細書全
体にわたって同一参照符号は、同一構成要素を称する。
【0034】
以下、添付された図面を参照して本発明について具体的に説明する。
【0035】
図1~
図4に示すように、本発明の一実施形態に係る洗濯機は、外観を形成するケー
シング10と、ケーシング10内に配置され、洗濯水が貯留されるタブ30と、タブ30
内に回転可能なように設けられて洗濯物が投入されるドラム40と、ドラム40を回転さ
せるモータ50とを備える。
【0036】
ケーシング10の前面には、投入口12が形成された前方パネル11が配置され、前
方パネル11には、投入口12を開閉するドア20が配置され、洗剤が投入されるディス
ペンサ14が設けられ得る。
【0037】
また、ケーシング10の内部には、給水バルブ15、給水管16、給水ホース17が
設けられ得る。給水の際、給水バルブ15、給水管16を通過した洗濯水がディスペンサ
14で洗剤と混合された後、給水ホース17を介してタブ30に供給されることができる
。
【0038】
一方、給水バルブ15に直水供給管18が連結されて、直水供給管18を介して洗濯
水が洗剤と混合されずにタブ30内に直接供給されることができる。
【0039】
ケーシング10内部には、水が溜められるタブ30が配置され得る。タブ30は、洗
濯物が投入され得るように前面に入口(または、開口部31h)が形成される。キャビネ
ット11とタブ30とは、環形のガスケット60により連結されることができる。
【0040】
タブ30は、単一のタブ体で形成されることができ、第1、2のタブ体30a、30
bが互いに締め付けられて形成されることもできる。本発明の実施形態においては、第1
、2のタブ体30a、30bが締め付けられてタブ30を形成することを例に挙げて説明
する。以下では、第1のタブ体30aを単に「タブ30」と称して説明する。
【0041】
ガスケット60は、タブ30に溜められた水が漏れることを防止するためのものであ
る。ガスケット60は、環形の前端部から環形の後端部に延び、投入口12と開口部31
hとを連結する管状の通路を形成できる。ガスケット60の前記前端部は、ケーシング1
0の前方パネル11に固定され、前記後端部は、タブ30の開口部31h周りに固定され
ることができる。
【0042】
ガスケット60は、柔軟なまたは弾性を有する材質からなることができる。ガスケッ
ト60は、天然ゴムまたは合成樹脂で形成されることができる。ガスケット60は、ゴム
のような柔軟性の材質で形成されることができる。ガスケット60は、EPDM(Eth
ylenePropyleneDieneMonomer)、TPE(ThermoPl
asticElastomer)などの材質からなることができる。以下、ガスケット6
0の管状の形態の内側を限定する部分をガスケット60の内周部(または、内周面)とい
い、その反対側部分をガスケット60の外周部(または、外周面)という。
【0043】
タブ30内には、洗濯物が収容されるドラム40が回転可能に備えられることができ
る。タブ30内の水がドラム40内に流入し得るように、ドラム40には、複数の通孔が
形成され得る。
【0044】
ドラム40は、洗濯物が投入される入口が前面に位置するように配置され、略水平な
回転中心線Cを中心に回転される。ただし、ここでの「水平」は、数学的に厳密な意味と
して使用された用語ではない。すなわち、実施形態のように、回転中心線Cが水平に対し
て所定の角度で傾いた場合も垂直よりは水平に近接するので、実質的に水平であるという
ことができる。
【0045】
ドラム40の内側面には、複数のリフタ34が備えられ得る。複数のリフタ34は、
ドラム40の中心に対して一定の角度で配置されることができる。ドラム40の回転の際
、洗濯物がリフタ34により持ち上げられてから落下することを繰り返す。
【0046】
ドラム40を回転させるための駆動部50がさらに備えられ得るし、駆動部50によ
り回転される駆動軸51がタブ30の後面部を通過してドラム40と結合されることがで
きる。
【0047】
望ましくは、駆動部50は、直結式洗濯モータを備えて構成され、前記洗濯モータは
、タブ30の後方に固定されたステータと、前記ステータとの間に作用する磁気力により
回転されるロータとを備えることができる。駆動軸51は、ロータと一体に回転されるこ
とができる。
【0048】
タブ30は、ベース15に設けられたダンパ19により支持されることができる。ド
ラム40の回転の際に誘発されるタブ30の振動がダンパ19により減衰される。図示さ
れてはいないが、実施形態によって、タブ30をケーシング10内に吊り下げるハンガー
(例えば、ばね)がさらに備えられ得る。
【0049】
ディスペンサ14には、添加剤がその種類に応じて区分されて収容され得る。ディス
ペンサ14は、洗剤を収容する洗剤収容部(図示せず)と、繊維柔軟剤を収容する柔軟剤
収容部(図示せず)とを備えることができる。
【0050】
また、ケーシング10内には、ポンプ901が設けられ得る。ポンプ901は、排出
ホース72によりタブ30と連結されることができる。ガスケット60には、分配管80
が設けられ、分配管80は、循環管86によりポンプ901と連結されることができる。
タブ30から排出ホース72を介して排出された洗濯水がポンプ901により圧送されて
、分配管80に沿って案内された後、ガスケット60に備えられたノズル65a、65b
、65c、65dを介してドラム40内に噴射されることができる。
【0051】
一方、ポンプ901は、排水管74とも連結されており、排水管74を介して洗濯水
が外部に排出され得る。すなわち、本発明の実施形態に係るポンプ901は、洗濯水を外
部に排出させる排水ポンプと洗濯水を循環させる循環ポンプとしての機能を果たすが、こ
れとは異なり、排水ポンプ及び循環ポンプが別に設けられることができ、排水ポンプと循
環ポンプとが別に設けられる場合には、排水ポンプに排水管74が連結され、循環ポンプ
に循環管86が連結されることができる。
【0052】
図3~
図4に示すように、タブ30の前方面31にバランサ90が締め付けられるこ
とができる。バランサ90は、タブ30の前方面31左側に配置される第1のバランサ9
0a及びタブ30の前方面31右側に配置される第2のバランサ90bを備えることがで
きる。
【0053】
第1のバランサ90aの上端と第2のバランサ90bの上端とは、互いに離間される
ことができる。第1のバランサ90aの下端と第2のバランサ90bの下端とは、互いに
離間されることができる。第1、2のバランサ90a、90bは、互いにガスケットの中
心を通る基準線Lを基準に左右対称の形状でありうるし、位置的にも基準線Lを基準に左
右対称に配置されることができる。
【0054】
本発明の実施形態においては、バランサ90が左右バランサ90a、90bで構成さ
れて、各々タブ30の前方面31上で左側と右側に締め付けられているが、バランサ90
は、単一体で形成されることができ、上下バランサで形成されて、タブ30の前方面31
上で上側及び下側に締め付けられることもでき、これに限定されず、前記バランサは、他
の形態に変形されるか、タブの他の位置に設けられることができる。
【0055】
バランサ90は、タブの前面左側に配置される第1のバランサ90a及びタブ30の
前面右側に配置される第2のバランサ90bを備えることができ、第1のバランサ90a
と第2のバランサ90bとは、上側及び下側で互いに離間されることができる。第1、2
のバランサ90a、90bは、互いにガスケットの中心を通る基準線Lを基準に左右対称
の形状でありうるし、基準線Lを基準に左右対称の位置に配置されることができる。
【0056】
図3~
図4に示すように、ポンプ901は、ポンプハウジング91、第1のポンプモ
ータ92、第1のインペラ915(
図19参照)、第2のポンプモータ93、及び第2の
インペラ(図示せず)を備えることができる。
【0057】
ポンプハウジング91には、水入りポート911(
図19参照)、循環ポート912
、及び排水ポート913が形成され得る。ポンプハウジング91内には、第1のインペラ
915が収容される第1のチャンバ914(
図19参照)と、前記第2のインペラが収容
される第2のチャンバ(図示せず)とが形成され得る。第1のインペラ915は、第1の
ポンプモータ92により回転され、前記第2のインペラは、第2のポンプモータ93によ
り回転される。
【0058】
第1のチャンバ914と循環ポート912とは、第1のインペラ915の回転方向に
巻かれたボリュート(volute)形態の流路をなし、前記第2のチャンバと排水ポー
ト913とは、前記第2のインペラの回転方向に巻かれたボリュート形態の流路をなす。
ここで、各インペラの回転方向は、制御部により制御が可能なものであって、予め決めら
れたことである。前記制御部は、プログラムが記録された媒体に接近して、記録されたプ
ログラムにしたがって演算を処理するプロセッサ(processor)を備えることが
できる。さらには、前記制御部は、ポンプモータ92、93だけでなく、洗濯機を構成す
る他の電装品に対する制御を兼ねることができる。
【0059】
水入りポート911は、排出ホース72と連結され、第1のチャンバ914と前記第
2のチャンバとは水入りポート911と連通される。排出ホース72を介してタブ30か
ら排出された水が、水入りポート911を介して第1のチャンバ914と前記第2のチャ
ンバとに供給される。
【0060】
第1のチャンバ914は、循環ポート912と連通され、前記第2のチャンバは、排
水ポート913と連通される。したがって、第1のポンプモータ92が作動されて、第1
のインペラ915が回転されれば、第1のチャンバ914内の水が循環ポート912を介
して排出される。そして、第2のポンプモータ93が作動されるときには、前記第2のイ
ンペラが回転されて、前記第2のチャンバ内の水が排水ポート913を介して排出される
。循環ポート912は、循環管86と連結され、排水ポート913は、排水管74と連結
される。
【0061】
ポンプ901は、流量(または、吐出水圧)可変が可能なものである。このために、
ポンプモータ92、93は、回転速度制御が可能な可変速モータであることができる。そ
れぞれのポンプモータ92、93は、BLDCモータ(BrushlessDirect
CurrentMotor)が適当であるが、必ずしもこれに限定されるべきものではな
い。ポンプモータ92、93の速度制御のためのドライバがさらに備えられ得るし、前記
ドライバは、インバータドライバでありうる。インバータドライバは、AC電源をDC電
源に変換して、目標とした周波数でモータに入力する。
【0062】
ポンプモータ92、93を制御する制御部(図示せず)がさらに備えられ得る。制御
部は、比例-積分制御機(PIcontroller:Proportional-In
tegralcontroller)、比例-積分-微分制御機(PIDcontrol
ler:Proportional-Integral-Derivativecont
roller)などを備えて構成されることができる。前記制御機は、ポンプモータの出
力値(例えば、出力電流)を入力として受け、これに基づいてポンプモータの回転数が予
め設定された目標回転数を追従するように前記ドライバの出力値を制御できる。
【0063】
図10、
図15~
図17に示すように、ガスケット60は、前方パネル11の投入口
12周りに結合されるケーシング結合部61と、開口部31h周りに結合されるタブ結合
部62と、ケーシング結合部61とタブ結合部62との間で延びるガスケットボディ63
とを備えることができる。
【0064】
前方パネル11は、投入口12の周りが外側に巻かれており、このように巻かれた部
分により形成された凹んだ部分内にケーシング結合部61が挟まれ得る。ケーシング結合
部61には、針金が巻かれる環形の溝61rが形成され得る。溝61rに沿って針金が巻
かれた後、針金の両端が結束されることにより、ケーシング結合部61が投入口12周り
に強固に固定される。
【0065】
タブ30は、入口周りが外側に巻かれており、このように巻かれた部分により形成さ
れた凹んだ部分内にタブ結合部62が挟まれる。タブ結合部62には、針金が巻かれる環
形の溝62rが形成され得る。溝62rに沿って針金が巻かれた後、針金の両端が結束さ
れることにより、タブ結合部62がタブ30の入口周りに強固に結合される。
【0066】
一方、ケーシング結合部61は、前方パネル11に固定されるが、タブ結合部62は
、タブ30の動きによって変位される。したがって、ガスケットボディ63は、タブ結合
部62の変位に対応して変形がなされ得なければならない。このような変形が円滑になさ
れ得るように、ガスケット60は、ケーシング結合部61とタブ結合部62との間の区間
に、タブ30が偏心により移動される方向(または、半径方向)に移動されることによっ
て折り畳まれる折り畳み部63bを備えることができる。
【0067】
より詳細に、ガスケットボディ63には、ケーシング結合部61からタブ結合部62
に向かって(または、後方に向かって)延びる管状のリム部63aが形成され、折り畳み
部63bは、リム部63aとタブ結合部62との間に形成されることができる。
【0068】
一方、ガスケット60は、リム部63aの前端から外側に折り曲げられてドア20が
閉まった状態で、投入口12の外側でドア20の背面と密着される外側ドア密着部68を
備えることができる。ケーシング結合部61は、外側ドア密着部68の外側端から延びた
部分に前述した溝61rが形成され得る。
【0069】
ガスケット60は、リム部63aの前端から内側に折り曲げられて、ドア20が閉ま
った状態で投入口12の内側でドア20の背面と密着される内側ドア密着部66をさらに
備えることができる。
【0070】
一方、ドラム40は、回転過程で振動(すなわち、ドラム40の回転中心線Cが移動
)することになり、それにより、タブ30の中心線(略ドラム40の回転中心線Cと同一
である。)も移動し、このときの移動方向(以下、「偏心方向」という。)は、半径方向
成分を有する。
【0071】
折り畳み部63bは、タブ30が偏心方向に移動するとき、折り畳まれるか、拡げら
れる。折り畳み部63bは、リム部63aからケーシング結合部61側に折り曲げられた
内径部631と、内径部631からタブ結合部62側に折り曲げられてタブ結合部62と
連結される外径部632とを備えることができる。前方から眺めるとき、内径部631は
、外径部632により囲まれた内側に位置する。
図17に示されたように、リム部63a
と折り畳み部63bは、略「S」字形態の断面をなすことができる。
【0072】
タブ30の中心が偏心方向に移動されるとき、折り畳み部63bの一部分が折り畳ま
れれば、その部分で内径部631と外径部632との間が狭くなり、それに対し、このよ
うに折り畳まれる部分の反対側では、折り畳み部63bが拡げられて、内径部631と外
径部632との間が広がる。
【0073】
前方から眺めるとき、外径部632の左側部及び/又は右側部には、複数個のポート
挿入管64a、64b、64c、64dが配置され得る。ポート挿入管64a、64b、
64c、64dは、外径部632から外側に突出されることができる。実施形態において
ポート挿入管64a、64b、64c、64dは、外径部632の左側部に2個64a、
64b、右側部に2個64c、64dが配置される。区分のために、これらを各々第1の
ポート挿入管64a、第2のポート挿入管64b、第3のポート挿入管64c、及び第4
のポート挿入管64dと称する。
【0074】
具体的に、前方から眺めるとき、ガスケットボディ63を左右に配分した第1、2の
領域のうち、前記第1の領域(例えば、基準線Lの左側領域)で下から上へと順に第1、
2のポート挿入管64a、64bが配置され、前記第2の領域(例えば、基準線Lの右側
領域)で下から上へと順に第3、4のポート挿入管64c、64dが備えられる。
【0075】
一方、
図8~
図9に示すように、ガスケット60の内周面には、複数のノズル65が
配置され得る。望ましくは、ノズル65は、外径部632の内周面に配置されることがで
きる。4個のポート挿入管64a、64b、64c、64dに対応して4個のノズル65
a、65b、65c、65d(
図9参照)が備えられ得る。それぞれのポート挿入管64
a、64b、64c、64dは、対応するノズル65a、65b、65c、65dと連通
される。すなわち、各ポート挿入管64a、64b、64c、64dに形成された中空が
ノズル65a、65b、65c、65dの入口と連通される。
【0076】
第1のポート挿入管64aの上側に第2のポート挿入管64bが配置される。第1の
ポート挿入管64aと第2のポート挿入管64bとは、互いに平行に配置されることがで
きる。第1のポート挿入管64aと第2のポート挿入管64bとは、水平方向(または、
左右方向)に延びることができる。第1のポート挿入管64aと第2のポート挿入管64
bとに各々形成された中空も水平に延びて互いに平行であることができる。
【0077】
第3のポート挿入管64cの上側に第4のポート挿入管64dが配置される。第3の
ポート挿入管64cと第4のポート挿入管64dとは、互いに平行に配置されることがで
きる。第3のポート挿入管64cと第4のポート挿入管64dとは、水平方向(または、
左右方向)に延びることができる。第3のポート挿入管64cと第4のポート挿入管64
dとに各々形成された中空も水平に延びて互いに平行であることができる。
【0078】
一方、外径部632の下部には、ガスケット60に溜まった洗濯水を排水するための
残水排出ポート69(
図20参照)が備えられ得る。残水排出ポート69は、外径部63
2の外周面から下側へ突出されることができる。残水排出ポート69を介して折り畳み部
63bに溜まった洗濯水が排水され得る。
【0079】
一方、ガスケット60は、射出成形機1000を用いて形成することができる。具体
的に、射出成形機1000は、
図14に示すように、固定金型1500と、固定金型15
00に対して相対移動される移動金型1100、1200、1300、1400を備える
。移動金型1100、1200、1300、1400は、第1の移動金型1100、第2
の移動金型1200、第3の移動金型1300、及び第4の移動金型1400を備えるこ
とができる。
【0080】
固定金型1500、第1の移動金型1100、第2の移動金型1200、第3の移動
金型1300、及び第4の移動金型1400により形成されるキャビティ(cavity
)内に射出機(図示せず)から吐出された溶融状態の合成樹脂が注入される。
【0081】
固定金型1500は、中央に配置され、第1、2、3、4の移動金型1100、12
00、1300、1400は、固定金型1500の周りに配置されることができる。開型
の際、固定金型1500に対して第1の移動金型1100は、前方(
図14を基準に上側
)へ移動され、第2の移動金型1200は、右側へ移動され、第3の移動金型1300は
、後方(
図14を基準に下側)へ移動され、第4の移動金型1400は、左側へ移動され
る。
【0082】
ガスケット60の下部に配置された残水排出ポート69(
図21~
図22参照)は、
第3の移動金型1300により成形されることができる。残水排出ポート69が第3の移
動金型1300の移動方向に延びるので、脱型作業が円滑になされることができる。
【0083】
ガスケット60の左側に配置された第1のポート挿入管64aと第2のポート挿入管
64bとは、第4の移動金型1400により成形されることができる。第4の移動金型1
400は、左側へ移動され、第1のポート挿入管64aと第2のポート挿入管64bとは
、第4の移動金型1400の移動方向と同じ方向(すなわち、左側)に突出されることが
できる。
【0084】
第1のポート挿入管64aと第2のポート挿入管64bとは、互いに平行に配置され
ることができる。言い換えれば、第1のポート挿入管64aが外径部632の外周面から
突出された方向と第2のポート挿入管64bが外径部632の外周面から突出された方向
とが互いに同一でありうる。
【0085】
ガスケット60の右側に配置された第3のポート挿入管64cと第4のポート挿入管
64dとは、第2の移動金型1200により形成されることができる。第2の移動金型1
200は、右側へ移動され、第3のポート挿入管64cと第4のポート挿入管64dとは
、第2の移動金型1200の移動方向と同じ方向(すなわち、右側)に突出されて形成さ
れる。
【0086】
第3のポート挿入管64cと第4のポート挿入管64dとは、互いに平行に配置され
ることができる。言い換えれば、第3のポート挿入管64cが外径部632の外周面から
突出された方向と第4のポート挿入管64dが外径部632の外周面から突出された方向
とが互いに同一でありうる。
【0087】
第1の移動金型1100、第2の移動金型1200、第3の移動金型1300、及び
第4の移動金型1400が互いに異なる方向に移動(または、第1の移動金型1100と
第3の移動金型1300とが互いに反対方向に移動され、第2の移動金型1200及び第
4の移動金型1400が互いに反対方向に移動される。)されるので、ガスケット60の
上側、左側、右側、及び下側に各々挿入管またはポートを形成させることができる。
【0088】
ガスケットボディ63は、対称基準線Lに対して対称構造であることができる。第1
のポート挿入管64aと第3のポート挿入管64cとは、同じ高さに配置されることがで
きる。第2のポート挿入管64bと第4のポート挿入管64dとは、同じ高さに配置され
ることができる。第1のポート挿入管64a及び第3のポート挿入管64cは、左右対称
構造、すなわち、対称基準線Lに対して対称される構造であることができる。同様に、第
2のポート挿入管64bと第4のポート挿入管64dも左右対称構造であることができる
。
【0089】
一方、
図9に示すように、リム部63aは、上側へ行くほど次第に幅(または、前後
方向にの長さ)が広くなり得る。この場合、内径部631の幅が次第に増加することに対
応して、外径部632が上側へ行くほど益々後方に位置するようになるので、
図9に示さ
れたように、第3のポート挿入管64cが第4のポート挿入管64dよりさらにタブ30
と近接しており、反対側も同様に、第1のポート挿入管64aが第2のポート挿入管64
bよりさらにタブ30に近接している。
【0090】
図5~
図7及び
図18に示すように、循環水をドラム40内部に吐出させる複数のノ
ズル65a、65b、65c、65dが備えられ得る。複数のノズル65a、65b、6
5c、65dは、第1のポート挿入管64a、第2のポート挿入管64b、第3のポート
挿入管64c、第4のポート挿入管64dと各々連結される。以下、第1のポート挿入管
64aと連通されて循環水の供給を受けるノズルを第1のノズル65aといい、第2のポ
ート挿入管64bと連通されて循環水の供給を受けるノズルを第2のノズル65bといい
、第3のポート挿入管64cと連通されて循環水の供給を受けるノズルを第3のノズル6
5cといい、第4のポート挿入管64dと連通されて循環水の供給を受けるノズルを第4
のノズル65dという。
【0091】
前述したように、複数のポート挿入管64a、64b、64c、64dは、各々水平
に延び、これに対応して、後述する複数の吐出ポート8484a、84b、84c、84
dも各々水平に延び、したがって、各吐出ポート84a、84b、84c、84dによる
循環水の供給または案内は、水平な方向からなる。
【0092】
ノズル65a、65b、65c、65dは、上記のように、水平な方向に供給された
循環水を水平に対して所定の角度をなす方向に吐出するように構成されることができる。
すなわち、各吐出ポート84a、84b、84c、84d/ポート挿入管64a、64b
、64c、64dを介して水平方向に循環水が供給されても、各ノズル65a、65b、
65c、65dによる吐出方向は、水平に対して所定角度で上向きまたは下向きにするこ
とができる。
【0093】
図18は、ガスケットと分配管との組立体を示したものであって、特に、ノズルの位
置とノズルの噴射幅を表示したものである。
図18を参照すれば、前述したように、ガス
ケット60には、4個のノズル65が備えられ得る。以下、4個のノズル65のうち、上
側に位置する2個のノズル65b、65dを各々上部ノズル65b、65dといい、これ
らを再度前方から眺めるとき、左側に位置するものを第1の上部ノズル65bといい、右
側に位置するものを第2の上部ノズル65dという。
【0094】
上部ノズル65b、65dは、ガスケット60の中心Oより上側に位置して下方に循
環水を噴射する。ここで、中心Oは、ガスケット60の左右対称基準線L上に位置する所
定の点であり、望ましくは、ガスケット60の高さHの半分に位置するが、必ずしもこれ
に限定されるものではない。
【0095】
前方から眺めるとき、第1の上部ノズル65bは、基準線Lの左側領域に配置されて
、基準線Lの右側領域に下方に循環水を噴射する。前方から眺めるとき、第2の上部ノズ
ル65bは、基準線Lの右側領域に配置されて、基準線Lの左側領域に下方に循環水を噴
射する。
【0096】
第1の上部ノズル65bと第2の上部ノズル65dとは、基準線Lを基準に左右対称
の形態で構成されることができ、したがって、第1の上部ノズル65bと第2の上部ノズ
ル65dとを介して噴射される水流の形態も基準線Lに対して対称である。
【0097】
また、上部ノズル65b、65dの下側に位置する2個のノズルを下部ノズル65a
、65cといい、これらを再度前方から眺めるとき、左側に位置するものを第1の下部ノ
ズル65aといい、右側に位置するものを第2の下部ノズル65cという。
【0098】
前方から眺めるとき、第1の下部ノズル65aは、基準線Lの左側領域に配置されて
、基準線Lの右側領域に上方に循環水を噴射する。
【0099】
前方から眺めるとき、第2の下部ノズル65cは、基準線Lの右側領域に配置されて
、基準線Lの左側領域に上方に循環水を噴射する。
【0100】
第1の下部ノズル65aと第2の下部ノズル65cとは、基準線Lを基準に左右対称
の形態で構成されることができ、したがって、第1の下部ノズル65aと第2の下部ノズ
ル65cとを介して噴射される水流の形態も基準線Lに対して対称である。
【0101】
図15~
図17に示すように、ノズル65aは、ガスケット60のガスケットボディ
63に形成されることができ、望ましくは、外径部632の内周面から突出される。ノズ
ル65aは、ノズル流入管651とノズルヘッド652とを備えることができる。具体的
に、ノズル流入管651は、管状の形態であって、外径部632の内周面から突出されて
対応するノズルヘッド652と連結される。
【0102】
ノズルヘッド652は、吐出ポート84から吐出された水が衝突する衝突面652a
と、衝突面652aの両側に位置する第1の側面652b(
図9参照)と第2の側面65
2cとを備えることができる。衝突面652a、第1の側面652b、第2の側面652
cにより漏斗形態の空間が形成され、ノズル流入管651から排出された水が前記空間内
で衝突面652aとぶつかった後、噴射口657を介して吐出される。
【0103】
第1の側面652bと第2の側面652cとは、衝突面652aの左側辺と右側辺か
ら各々延び、衝突面652aに沿って流動する水流の左側と右側境界を限定することがで
きる。
【0104】
第1の側面652bと第2の側面652cとがなす角度γは、略45度~55度であ
り、望ましくは50度であるが、必ずしもこれに限定されるべきものではない。
【0105】
ノズル65を介して噴射される水流の噴射幅を噴射幅角度と定義するとき、前記噴射
幅角度は、第1の側面652bと第2の側面652cとにより規定されることができる。
具体的に、前記噴射幅角度は、衝突面652aと第1の側面652bとが会う第1の境界
と、衝突面652aと第2の側面652cとが会う第2の境界とがなす角度と定義される
ことができる。
【0106】
図17に示すように、上部ノズル65b、65dの噴射幅角度β1は、下部ノズル6
5a、65cの噴射幅角度β2より小さいことができる。流入ポート81に供給された循
環水は、分配管801に沿って上昇する途中に一部が下部ノズル65a、65cを介して
噴射され、残りが上部ノズル65b、65dを介して噴射されるので、上部ノズル65b
、65dを介しての吐出流量は、下部ノズル65a、65cを介しての吐出流量より小さ
い。したがって、上部ノズル65b、65dの噴射幅を下部ノズル65a、65cの噴射
幅より小さくすることで(β1<β2)、上部ノズル65b、65dの吐出水圧を相対的
に補償して、全てのノズル65a、65b、65c、65dから実質的に均一な水圧で水
が吐出されるようにすることができる。
【0107】
下部ノズル65a、65cの噴射幅角度β2と上部ノズル65b、65dの噴射幅角
度β1との差(β2-β1)は、略4度~6度であり、望ましくは、5度である。このと
き、β1は、略38~42度であり、望ましくは、40度であり、β2は、略43~47
度であり、望ましくは、45度である。
【0108】
一方、上部ノズル65b、65dの噴射方向は、上部ノズル65b、65dとガスケ
ット60との中心Oを連結する線R(以下、「ノズル配置線」という。)に対して上向き
に上向き偏差角Фをなすことができる。ここで、上部ノズル65b、65dの噴射方向D
Rは、第1の側面652bと第2の側面652cとがなす角を等分する直線に沿って定義
し、噴射方向DRは、ノズル配置線Rより上向いている。上向き偏差角Фは、5度~9度
であることができ、望ましくは、7度である。
【0109】
上部ノズル65b、65dの高さ、位置、噴射幅角度β1などの種々の条件により、
場合によっては、上部ノズル65b、65dを介して十分な水圧で噴射がなされず、噴射
された水流が遠くまで直進できなくなることがある。このような理由のため、上部ノズル
65b、65dの噴射方向を上向き偏差角Фの分だけノズル配置線Rより上向くようにす
ることで、上部ノズル65b、65dの水圧が十分でない場合にも、ノズル配置線Rが通
る領域に水流が触れ得るようにし、望ましくは、
図17に示されたように、上部ノズル6
5b、65dを介して噴射された水流の形態と下部ノズル65a、65cを介して噴射さ
れた水流の形態とが実質的に上下対称になるようにすることができる。
【0110】
一方、ガスケット60の最低点から下部ノズル65a、65cまでの角度をα1とす
るとき、上部ノズル65b、65dは、角度α1と対応する位置からガスケット60の最
高点Hの間に配置され、180-α1を等分した角度と対応する地点よりは上側に位置す
ることができる。すなわち、
図17においてα2は、α3より大きい値を有する。α2-
α3は、18度~22度であることができ、望ましくは、20度である。このとき、α2
は、63度~67度であることができ、望ましくは、65度である。
【0111】
一方、下部ノズル65a、65cは、ガスケット60の高さHの略1/3地点(1/
3H)に位置することができる。この場合、α2は、上部ノズル65b、65dがガスケ
ット60の高さの2/3(2/3H)より上側に位置する範囲で設定されることが好まし
く、このとき、α2は、65度であることができる。
【0112】
ドラム40内で上下に均等に循環水が噴射されるためには、上部ノズル65b、65
dと下部ノズル65a、65cとが高さ方向に等間隔に配置されることが好ましいが、こ
の場合、重力による噴射水流の弱化のため、上部ノズル65b、65dから噴射された水
流が実際には幾何学的に予測したことより下側の領域に至るようになるという問題がある
。したがって、このような重力による水流の弱化を考慮するとき、上部ノズル65b、6
5dは、2/3Hより上側に配置する必要があるものである。
【0113】
一方、ポンプ901が作動されて下部ノズル65a、65cを介して循環水が噴射さ
れるとき、タブ30内の水位は、1/3H地点を越えないことが好ましい。
【0114】
一方、
図9に示すように、前方から眺めるとき、下部ノズル65aの噴射方向DRa
は、ポート挿入管64aの長さ方向(または、ノズル65aに水が流入する方向、すなわ
ち、入水方向)に対して角aをなすことができる。
【0115】
ノズル65aとノズル65cとは、対称に配置される関係であるから、ノズル65c
の噴射方向DRcがポート挿入管64cとなす角度もaである。
【0116】
前方から眺めるとき、上部ノズル65bの噴射方向DRbは、ポート挿入管64bの
長さ方向(または、ノズル65bに水が流入する方向、すなわち、入水方向)に対して角
bをなすことができる。ここで、角度bは、133~138度であることができる。角度
bは、角度aより小さいことができる。
【0117】
ノズル65bとノズル65dとは、対称に配置される関係であるから、ノズル65d
の噴射方向DRdがポート挿入管64dとなす角度もbである。
【0118】
一方、ノズル流入管651は、水平に延びて水を水平な方向に案内する。したがって
、水流がノズルヘッド652に至る前まで重力の影響を受けずに一定に進行された後、衝
突面652aにより拡散されるので、各ノズル65a、65b、65c、65dから一定
の形態で水流が噴射され得る。
【0119】
仮りに、ノズル流入管651の長さ方向が略水平に配置されずにガスケット60の中
心Oに向けて配置されるならば、上部ノズル65b、65dのノズル流入管651を流動
する水は、下に流れる過程で重力が加えられて下部ノズル65a、65cより早くドラム
40内に噴射され、下部ノズル65a、65cのノズル流入管651を流動する水は、上
に流れる過程で重力が加えられて上部ノズル65b、65dより遅くドラム40内に噴射
されるので、複数のノズル65a、65b、65c、65dからドラム40内に噴射され
る水の噴射形態が一定に維持され難くなるが、本実施形態では、ノズル流入管651の長
さ方向が略水平に配置されて、水を水平な方向に案内するので、複数のノズル65a、6
5b、65c、65dからドラム40内に噴射される水の噴射形態が一定に維持され得る
ものである。
【0120】
一方、ノズル流入管651の入口651aの面積は、出口651bの面積より広く形
成されることができる。出口651bから吐出された循環水は、ノズルヘッド652の衝
突面652aにぶつかった後、噴射口657を介してドラム40内に噴射される。噴射口
657が向かう方向とノズル流入管651の長さ方向とは、互いに交差されることができ
る。
【0121】
ガスケット60は、ガスケットボディ63の内周面から突出された突出部655を備
えることができる。複数のノズル65a、65b、65c、65dに対応して複数の突出
部655が円周方向に沿って形成され得る。各ノズル65a、65b、65c、65dの
噴射口657は、対応する突出部655に形成されることができる(
図9参照。)。
【0122】
図15に示すように、ノズル流入管651は、水流の進行方向に内径が次第に狭くな
る流路縮小部651cを備えることができる。流路縮小部651cの内径は、ノズルヘッ
ド652に至るまで次第に小さくなることができる。
【0123】
一方、分配管801は、少なくとも一部分がガスケット60の外周面とバランサ90
a、90bとの間に配置され得る。分配管801の設置のための別の空間を確保する必要
なしに、既存の空間(すなわち、ガスケット60の外周面とバランサ90a、90bとの
間)に設けられることができる。
【0124】
一対の上部ノズル65b、65dは、流入ポート81より上側に形成され、流入ポー
ト81を基準に左右両側に各々配置されることができる。一対の上部ノズル65b、65
dは、中心O(
図9参照。)を通る基準線Lに対して対称に配置され、したがって、それ
ぞれの上部ノズル65b、65dの噴射方向も基準線Lに対して対称である。
【0125】
一対の上部ノズル65a、65cは、中心Oまたはドラム40の中心Cよりは上側に
位置することができる。それぞれの上部ノズル65b、65dは、下向きに循環水を噴射
するので、ドラム40を正面から眺めるとき、循環水は、ドラム40の入口側では、ドラ
ム40の中心Cより上側領域を通過し、ドラム40内に深く入るほど、下向き傾斜した形
態で噴射される。
【0126】
一対の下部ノズル65a、65cは、流入ポート81よりは上側であるが、一対の上
部ノズル65b、65dよりは下側に配置される。一対の下部ノズル65a、65cは、
流入ポート81を基準に左右両側に各々配置されることができ、望ましくは、基準線Lに
対して対称に配置されて、各下部ノズル65a、65cの噴射方向が基準線Lに対して対
称である。
【0127】
一対の下部ノズル65b、65cは、中心Oまたはドラム40の中心よりは下側に位
置することができる。それぞれの下部ノズル65b、65cは、上向きに循環水を噴射す
るので、ドラム40を正面から眺めるとき、循環水がドラム40の入口側では、ドラム4
0の中心Cより下側領域を通過し、ドラム40内に深く入るほど、上向き傾斜した形態で
噴射される。
【0128】
図17を参照して第1のノズル65aを例に挙げれば、ノズル流入管651の一端は
、第1のポート挿入管64aと連通され、他端は、タブ30内部に開放される。ノズル流
入管651の一端より他端の断面積が狭く形成される。ノズル流入管651は、内側に中
空651aが形成される。
【0129】
ノズルヘッド652は、噴射された循環水と干渉し、前記循環水の噴射方向を変更さ
せる。ノズルヘッド652は、タブ30の後方内側に循環水を噴射させる。
【0130】
ノズルヘッド652の他端653は、前記ノズル流入管651の吐出側(他端)と離
間される。ノズルヘッド652は、前記ノズル流入管651の他端と離間された状態でノ
ズル流入管651を遮るように配置される。循環水は、ノズルヘッド652の内側面にぶ
つかり、吐出方向が変更される。ノズルヘッド652の他端653は、タブ30の後方に
向かうように配置される。
【0131】
ノズル流入管吐出口651cに吐出された循環水は、ノズルヘッド652の衝突面6
52aにぶつかった後、噴射口657を介してタブ30内部に噴射される。噴射口657
が向かう方向とノズル流入管651が延びる方向とは、交差される。
【0132】
図6に示すように、分配管801は、循環管86と連結される流入ポート81と、流
入ポート81を介して流入した水を案内する移送管路80と、移送管路80から突出され
た複数の吐出ポート84a、84b、84c、84dとを備える。
【0133】
分配管801は、循環管86から排出された循環水を分枝させて、第1部分流FL1
(
図13参照。)と第2部分流FL2(
図8参照。)とを形成する。分配管801は、第
1部分流FL1が案内される第1の流路上に少なくとも1つの吐出ポート84b、84c
が形成されて、対応する吐出ポート84b、84cを介して対応するノズル65b、65
cに循環水を吐出する。同様に、第2部分流FL2が案内される第2の流路上に少なくと
も1つの吐出ポート84d、72eが形成されて、対応する吐出ポート84d、72eを
介して対応するノズル65dに循環水を吐出する。移送管路80は、前記第1の流路を形
成する第1の管路部80aと、前記第2の流路を形成する第2の管路部80bとを備える
ことができる。
【0134】
第1の管路部80aの一端と第2の管路部80bの一端とは、互いに連結されており
、このように連結された部分で流入ポート81が突出される。しかし、第1の管路部80
aの他端と第2の管路部80bの他端とは、互いに分離されている。すなわち、移送管路
80は、全体的に「Y」字形態からなり、1つの入口(すなわち、流入ポート81)を介
して流入した循環水を2つの流路に分枝させて案内する構造である。
【0135】
ノズル65a、65b、65c、65dは、ガスケット60上での高さによって上部
ノズル65a、65dと下部ノズル65b、65cとに区分されることができる。実施形
態において、ノズル65a、65b、65c、65dは、4個が備えられ、これらは、ガ
スケット60の下部に配置される第1の下部ノズル65bと第2の下部ノズル65c、下
部ノズル65b、65cより上側に配置される第1の上部ノズル65aと第2の上部ノズ
ル65dを備えることができる。
【0136】
吐出ポート84a、84b、84c、84dは、ノズル65a、65b、65c、6
5dと対応する個数で備えられ、それぞれの吐出ポート84a、84b、84c、84d
が対応するノズル65a、65b、65c、65dに循環水を供給する。
【0137】
吐出ポート84a、84b、84c、84dは、第1の上部ノズル65aに循環水を
供給する第1の上部吐出ポート84b、第2の上部ノズル65dに循環水を供給する第2
の上部吐出ポート72e、第1の下部ノズル65bに循環水を供給する第1の下部吐出ポ
ート84c、第2の下部ノズル65cに循環水を供給する第2の下部吐出ポート84dを
備えることができる。
【0138】
移送管路80は、ガスケット60の外周部周りに配置され、循環管86を介してポン
プ901と連結されている。それぞれの吐出ポート84a、84b、84c、84dは、
移送管路80から半径方向に沿って内側に突出され、ガスケット60に挿管されて対応す
るノズル65a、65b、65c、65dに循環水を供給する。
【0139】
分配管801は、移送管路80から突出されて循環管86と連結される流入ポート8
1を備えることができる。流入ポート81は、移送管路80から半径方向に沿って外側に
突出されることができる。
【0140】
図11は、分配管の正面図である。
図11に示すように、第1の管路部80aは、第
1の区間851ないし第4の区間854を備えることができる。第2の管路部80bは、
第1の管路部80aと対称される形態であって、その構成は、実質的に第2の管路部80
bと同様なので、以下、第1の管路部80aについての説明は、第2の管路部80bにも
適用されることができる。
【0141】
第1の区間851は、流入ポート81から延びる。第1の区間851は、所定の曲率
で延びる弧形態(または、アーク形態)の区間である。実施形態において、第1の区間8
51は、略一定の曲率を有する曲線形であるが、これに限らずに、実施形態によって互い
に異なる曲率を有する2つ以上の曲線が連結された形態でありうる。
【0142】
第2の区間852は、第1の区間851から連続され、第1の区間851から外側に
広がる形態からなることができる。言い換えれば、第2の区間852は、第1の区間85
1の上端で外側(すなわち、中心Oから遠くなる方向)に折り曲げられた後、距離L2の
分だけ延びる部分に該当する。第2の区間852の長さL2は、第1の区間851の長さ
L1に比べて短いことができる。
【0143】
第3の区間853は、第2の区間852から内側(すなわち、中心Oと近くなる方向
)に折り曲げられた後、距離L3の分だけさらに延びる部分である。第3の区間853は
、第2の区間852から実質的に鉛直上方向に延びることができる。下部吐出ポート84
aは、第3の区間853に形成され、水平な方向(または、第2の区間852と直交する
方向)に延びることができる。
【0144】
第3の区間853において、下部吐出ポート84aが突出された第1のフラット面8
60aは、平らに形成されることができる。第1のフラット面860aは、垂直方向に延
びることができる。第1のフラット面860aは、少なくとも一部分がガスケットボディ
63の外周面と接触され得る。さらには、ポート挿入管64aの端部が第1のフラット面
860aと密着され得る。
【0145】
第4の区間854は、第3の区間853から内側(すなわち、中心Oと近くなる方向
)に折り曲げられた後、距離L4の分だけさらに延びて、第1の管路部80aの端部にま
で至る。上部吐出ポート84bは、第4の区間854に形成されることができ、望ましく
は、実施形態のように、第4の区間854の端部に形成される。第4の区間854は、所
定の曲率を有する曲線形態であることができ、上部吐出ポート84bの長さ方向と交差さ
れる方向に延びることができる。
【0146】
第1の管路部80aの端部(または、第4の区間854の端部)において、上部吐出
ポート84bが突出された第2のフラット面860bは、平らに形成されることができる
。第2のフラット面860bは、垂直方向に延びることができる。この場合、面860a
と第2のフラット面860bとは、互いに平行である。第2のフラット面860bは、少
なくとも一部分がポート挿入管64bの端部と密着されることができる。
【0147】
一方、第4の区間854が第3の区間853から内側に折り曲げられた形態であるか
ら、前方から眺めるとき、上部吐出ポート84bが形成された第2のフラット面860b
は、下部吐出ポート84aが形成された第2のフラット面860aよりさらに対称基準線
Lと近く位置する。さらには、望ましくは、第2のフラット面860bが第1のフラット
面860aよりさらにガスケットボディ63の外周面と近い。
【0148】
一方、
図11で説明されていない860cは、下部吐出ポート84cが突出されるフ
ラット面であり、860dは、上部吐出ポート84dが突出されるフラット面である。
【0149】
また、前方から眺めるとき、上部吐出ポート84bの終端は、下部吐出ポート84a
の終端より距離Sの分だけさらに対称基準線Lに近い地点に位置する。
【0150】
図11~
図12に示すように、第1の管路部80aは、下部吐出ポート84aと連結
される部分に下部ポート連結部858が形成され、上部吐出ポート84bと連結される部
分に上部ポート連結部857が形成され得る。
【0151】
同様に、第2の管路部80bは、下部吐出ポート84cと連結される部分に下部ポー
ト連結部868が形成され、上部吐出ポート84dと連結される部分に上部ポート連結部
867が形成され得る。
【0152】
それぞれのポート連結部857、858、867、868は、
図12に示されたよう
に、側面から眺めるとき、周辺部に比べて前方に膨らんだ形態からなることができる。各
ポート連結部857、858、867、868の幅Pは、前記周辺部の幅Wより大きいこ
とができる。言い換えれば、管路部80a、80bは、流入ポート81から一定の幅Wに
延び、ポート連結部858、868から前方に膨らんで突出された後、再度幅がWに狭く
なり、ポート連結部857、878まで延びる。一方、ポート連結部857、858、8
67、868の幅Pは、吐出ポート84aの直径tより大きいことができる。
【0153】
一方、
図15に示すように、それぞれの吐出ポート84a、84b、84c、84d
の外周面には、円周方向に延びるリング形の圧入突起869が形成され得る。圧入突起8
69は、吐出ポート84a、84b、84c、84dの長さ方向に沿って複数個が配置さ
れ得る。圧入突起869は、断面が楔形態からなることができる。吐出ポート84a、8
4b、84c、84dをポート挿入管64a、64b、64c、64dに挿入するとき、
圧入突起869がポート挿入管64a、64b、64c、64dの内周面を押すので、結
合力が増加される。
【0154】
吐出ポート84a、84b、84c、84dがポート挿入管64a、64b、64c
、64dに挿入される方向を第1方向と定義すれば、圧入突起869は、垂直面と、前記
垂直面から第1方向に行くほど、次第に高さが低くなるように傾斜をなす傾斜面とを備え
ることができる。吐出ポート84a、84b、84c、84dがポート挿入管64a、6
4b、64c、64dに挿入されるときには、前記傾斜面により圧入が容易になり、圧入
が完了した後には、前記垂直面により吐出ポート84a、84b、84c、84dがポー
ト挿入管64a、64b、64c、64dから容易に抜け出さないようになる。結束部材
(例えば、クランプ)を用いなくとも、分配管801をガスケット60に結合できるので
、前記結束部材を締めるための作業所要時間が必要でない。
【0155】
一方、ポート挿入管64a、64b、64c、64dに挿入された状態で吐出ポート
84a、84b、84c、84dの端部は、ノズル流入管651にまで至ることができ、
このとき、吐出ポート84a、84b、84c、84dの内周面とノズル流入管651の
内周面とは、実質的に連続した面を形成することによって循環水の抵抗を減らす。ノズル
流入管651は、管状の形態であって、外径部632の内周面から突出され、対応するノ
ズルヘッド652と連結される。
【0156】
図19は、本発明の他の実施形態に係る洗濯機に適用されるポンプを部分的に切り欠
いて示したものである。
図20は、本発明の他の実施形態に係る洗濯機に適用される第1
の分配管と第2の分配管とを示したものである。
【0157】
図19~
図20に示すように、前述した実施形態とは異なり、ガスケット60には、
2つの分配管802、803が設けられ得る。2つの分配管802、803は、基準線L
を基準に一側に配置される第1の分配管802と他側に配置される第2の分配管803と
を備えることができる。
【0158】
2つの分配管802、803に循環水を供給するためのポンプ902が備えられる。
ポンプ902は、2つの循環ポート912a、912bを備えることができ、図示されて
はいないが、2つの循環管が循環ポート912a、912bを各々分配管802、803
と連結する。
【0159】
より詳細に、ポンプ902は、ポンプハウジング91と、ポンプハウジング91内に
配置されるインペラ915と、回転力を提供してインペラ915を回転させるポンプモー
タ92とを備える。
【0160】
ポンプハウジング91は、インペラ915が収容されるチャンバを形成する。ポンプ
ハウジング91は、排出ホース72と連結されて、前記チャンバ内に循環水を案内する水
入りポート911と、インペラ915により圧送された水を吐出する第1の循環ポート9
12aと第2の循環ポート912bとを備えることができる。
【0161】
ポンプモータ92によりインペラ915が回転されながら形成された水流が第1の循
環ポート912aと第2の循環ポート912bとを介して同時に吐出され、このとき、第
1の循環ポート912aを介して吐出された水は、第1の循環管(図示せず)を介して第
1の分配管802に供給され、第2の循環ポート912bを介して吐出された水は、第2
の循環管(図示せず)を介して第2の分配管803に供給される。
【0162】
第1の分配管912aは、第1のノズル65aと第2のノズル65bとに循環水を供
給する。第1の分配管912aは、前記第1の循環管により第1の循環ポート912aと
連結される第1の流入ポート81aと、第1の流入ポート81aを介して流入した循環水
を案内する第1の管路部80aと、第1の管路部80a上に配置される2つの吐出ポート
84a、84bとを備えることができる。
【0163】
2つの吐出ポート84a、84bは、各々第1のポート挿入管64aと第2のポート
挿入管64bとに挿入されることができる。
【0164】
第2の分配管803は、第3のノズル65cと第4のノズル65dとに循環水を供給
する。第2の分配管803は、前記第2の循環管により第2の循環ポート912bと連結
される第2の流入ポート73bと、第2の流入ポート73bを介して流入した循環水を案
内する第2の管路部80bと、第2の管路部80b上に配置される2つの吐出ポート84
c、84dとを備えることができる。
【0165】
2つの吐出ポート84c、84dは、各々第3のポート挿入管64cと第4のポート
挿入管64dとに挿入されることができる。
【0166】
一方、ポンプハウジング91は、排水管74と連結された排水排出ポート913をさ
らに備えることができ、前述した実施形態と同様に、ポンプ901は、水入りポート91
1を介して循環水が流入し、排出ポート913と連通されたチャンバ916と、チャンバ
916内で回転されるインペラ917と、インペラ917を回転させる第2のポンプモー
タ93とをさらに備えることができる(以上、
図3~
図4参照)。
【0167】
図23は、本発明の実施形態に係る分配管において吐出ポートに圧入突起が形成され
た構造を拡大したものである。
図24は、本発明のさらに他の実施形態に係る分配管にお
いて吐出ポートを見せる部分図である。
図25は、
図24に示された分配管の吐出ポート
がポート挿入管に挿入された状態を示した断面図である。
図26は、
図25のA部分を拡
大したものである。
【0168】
以下、
図23~
図25を参照して、上部吐出ポート84bに形成された圧入突起86
9と終端突起842とを説明するが、これらの突起869、842は、
図1~
図22を参
照して前述した他の吐出ポートにも適用され得ることを明示する。
【0169】
図23~
図25に示すように、圧入突起869は、吐出ポート84bの外部周り面に
形成されることができる。終端突起842は、吐出ポート84bの終端に形成されること
ができる。
【0170】
実施形態によって、吐出ポート84bには、
図23のように、圧入突起869のみ形
成されることができ、
図24のように、圧入突起869と終端突起842とが共に形成さ
れることもできる。
【0171】
ノズル65bは、入口部661から出口部662へ行くほど、ノズルの直径が次第に
減少できる。吐出ポート84bがノズル65bの出口部662側に圧入されるほど、小さ
い直径の出口部662が吐出ポート84bの終端部をより強く圧迫して吐出ポート84b
とノズル65bとの間が強く結合され得る。
【0172】
出口部662は、ドラム40の内部に向かう環形の段差部662aを備える。終端突
起842は、吐出ポート84bの終端に形成されて、吐出ポート84bのノズル65bへ
の圧入結合の際、段差部662aに係合される。
【0173】
終端突起842は、吐出ポート64bの終端に沿ってリング形状に突出形成され、吐
出ポート64bの圧入方向には、所定の傾斜面842aが形成され、吐出ポート84bの
圧入反対方向には、垂直面842bが形成されて、垂直面842bと段差部662aとが
当接しながら同時に係合される。
【0174】
吐出ポート84bの圧入方向に傾斜面842aが形成されるので、終端突起842が
段差部662aに係止するまで柔らかく移動されることができる。また、垂直面842b
が段差部662aと面接触されるので、垂直面842bと段差部662aとの密着性が向
上して、吐出ポート84bに前記圧入方向の反対方向に力が作用されても容易に脱去され
ない。
【0175】
一方、段差部662aは、ドラム40内への循環水供給による吐出ポート84aが受
ける力の方向と反対方向に形成されており、吐出ポート84aの脱去を防止し、吐出ポー
ト84bをガスケット60に固定させる。
【0176】
結論的に、入口部661では、圧入突起869により吐出ポート84aの動きが制限
され、出口部662でも、終端突起842と段差部662aとの間の係合により固定がな
されるので、循環水の循環過程で水圧、振動、及びその他、種々の外力が加えられても、
分配管801、802、803がガスケット60から容易に脱去されない。
【0177】
一方、上述した圧入突起689及び終端突起842、そして、前記突起等の結合関係
に関する内容は、本実施形態及び他の実施形態に全て適用可能である。
【0178】
図11に示されたように、第1の吐出ポート84aの外径をt1といい、内径をD1
といい、内側断面積をDA1という。第2の吐出ポート84bの外径をt2といい、内径
をD2といい、内側断面積(または、流路断面積)をDA2という。そして、流入ポート
81の内径(または、流路断面積)をD3といい、内側断面積をDA3という。
【0179】
流入ポート81を介して流入した洗濯水は、第1の管路部80aと第2の管路部80
bとに分配された後、上側に案内される。第1の管路部80aに沿って上昇案内される洗
濯水は、第1の吐出ポート84aと第2の吐出ポート84bとを介して順に吐出され、同
様に、第2の管路部80bに沿って上昇案内される洗濯水は、第3の吐出ポート84cと
第4の吐出ポート84dとを介して順に吐出される。
【0180】
管路部80a、80bに沿って水流が上昇する過程で水圧が次第に低くなり、具体的
には、
図12に示されたように、流入ポート81で水圧PA(
図11でAに表示された地
点での水圧)が最も大きく、第1、3の吐出ポート84a、84cでの水圧PB(
図11
でBに表示された地点での水圧)がその次であり、第2、4の吐出ポート84b、84d
での水圧PC(
図11でCに表示された地点での水圧)が最も小さい。(PA>PB>P
C)
【0181】
上記のように、下側に位置する吐出ポート84a、84c(以下、下部吐出ポートと
いう。)と上側に位置する吐出ポート84b、84d(以下、上部吐出ポートという。)
との間に水圧差が発生するので、内径が同じ場合、上側吐出ポート84b、84dの吐出
流量が下部吐出ポート84a、84cより小さいしかない。
【0182】
このような、上/下部吐出ポート84a、84b、84c、84dの吐出流量に差が
発生することを補正するために、本実施形態では、上部吐出ポート84b、84dの流路
断面積DA2が下部吐出ポート84a、84cの流路断面積DA1より大きいようにした
。望ましくは、PB*DA1=PC*DA2である。また、望ましくは、DA1>DA2
>DA3である。
【0183】
一方、分配管80は、ガスケットボディ63の外周面及びバランサ90間に配置され
る。より詳細には、
図10に示すように、分配管80は、少なくとも一部分がガスケット
ボディ63の外周面に形成された陥没部67に配置されることができる。第1の管路部8
0a及び第2の管路部80bと各々対応するように、陥没部67は、ガスケットボディ6
3の両方に各々形成されることができる。(
図5の67(1)、
図7の67(2)参照。
)
【0184】
循環管86の一端は、分配管80の下部から突出された流入ポート81と連結され、
他端は、ポンプ901の吐出ポート84と連結される。ポンプが吐出ポートの流入ポート
81と一直線上で向かい合う位置に備えられた場合、循環管86は、一直線のパイプ状で
ありうる。ただし、それ以外の場合には、折り曲げられて形成されることができる。
【0185】
循環管86は、柔軟であるものの、形状が維持される材質からなることができ、本発
明の実施形態では、EPDM(ethylenepropylenedienemono
merrubber)からなることができる。
【0186】
陥没部67は、ガスケットボディ63の外周面61に形成され、移送管路80a、8
0bの少なくとも一部分が陥没部67内に定着されることができる。陥没部67は、ガス
ケットボディ63の外周面61の一部が内側に陥没されて形成されることができる。具体
的に、ガスケットボディ63の外周面61上には、部分的に外側に隆起した部分が形成さ
れ得るし、前記隆起した部分に陥没部67が形成され得る。
【0187】
ドラム40の回転過程でタブ30が振動することになり、タブ30の振動によって柔
軟な材質のガスケット60は、折り畳まれるか、拡げられることができ、これにより振動
することもできる。
【0188】
ケーシング10とタブ30とは、剛体とみなすことができるので、ガスケット60が
ケーシング10やタブ30と連結される部分での変形は、微々たる程度である。したがっ
て、ケーシング結合部61よりは、タブ結合部62と近接した位置に陥没部67を形成す
ることにより(
図10参照。)、陥没部67の過度な変形を防止し、移送管路80を陥没
部67に安定的に定着させることができる。このような側面で、陥没部67は、外径部6
32に形成されることが好ましい。
【0189】
陥没部67は、ガスケットボディ63の周りから円周方向に延びることができる。陥
没部67は、溝の底をなす底面63aと、底面63aから半径外側方向に延びて溝の側面
をなす側面63bとを備えることができる。陥没部67は、タブ30に向かう後方面が開
放され、前方パネル11に向かう前方面は、側面63bにより規定されることができる。
【0190】
移送管路80a、80bの断面は、半径方向に定義した高さが、ガスケット60の長
さ方向(または、洗濯機の前後方向)に定義した幅より短い外形をなすことができる。す
なわち、移送管路80a、80bの断面は、陥没部67の底面63aと対応する幅が陥没
部の側面63bと対応する高さより長く形成されることができる。例えば、移送管路80
a、80bの断面は、略長方形をなすことができ、この場合、長方形の長辺は、前記幅に
なり、短辺は、前記高さになる。
【0191】
移送管路80の外形で、高さは、ガスケット60とバランサ60との間の間隔と対応
するので、上記のように、高さが幅より短い外形は、ガスケット60とバランサ90との
間の狭い間隔内に移送管路80を容易に設けることができるようにするという効果がある
。
【0192】
移送管路80a、80bが陥没部67内に位置できるように、陥没部の底面63aの
幅は、移送管路80の幅と同じであるか、大きく形成されることができる。
【0193】
陥没部67は、移送管路80と同様に、略U字形態からなり、U字形態の両方上端は
、移送管路80の両方上端(すなわち、第1の管路部80aの上端と第2の管路部80b
の上端)より各々さらに上側まで延びることができる。言い換えれば、陥没部67は、ガ
スケット60の最下側で円周方向に沿って両方に各々延びるものの、一方は、第1の管路
部80aの上端よりさらに高くまで延び、他の一方は、第2の管路部80bの上端よりさ
らに高くまで延びることができる。
【0194】
または、基準線Lを中心に左右両側に各々陥没部67が形成され得るし、この場合、
両側の陥没部67は、互いに分離されている。左側に形成された陥没部には、第1の移送
管路80の少なくとも一部分が定着し、右側に形成された陥没部には、第2の移送管路8
0の少なくとも一部分が定着することができる。
【0195】
望ましくは、ガスケット60の中心Oを通る水平線が上記のように、ガスケット60
の両方に各々形成された陥没部67を通るようになる。ケーシング10は、左右方向より
上下方向にさらに長い直六面体状であり、この場合、タブ30とケーシング10との間の
間隔は、タブ30の上下側よりは、左右側でより狭小である。したがって、ケーシング1
0とタブ30との間の間隔が最も狭い前記水平線が通る部分に陥没部を位置させることに
より、第1、2の管路部80(a)、800(b)とケーシング10の側面が最大限離間
させることができる。
【0196】
図21と
図22は、ガスケットに分配管が設けられた状態を示した部分図であって、
特に、ガスケットに形成された残水排出ポートと残水回収口とを見せる図である。
【0197】
図21~
図22に示すように、ガスケット60には、ガスケットボディ63の内周面
に残存する水(以下、「残水」ともいう。)を排出するための残水排出口69hが形成さ
れ得る。
【0198】
残水排出口69hは、所定の管路を介して洗濯機の外部またはポンプ901と連結さ
れることができる。後者の場合、残水排出口69hは、第2のインペラが回転されるとき
、排水管74を介して排出されることができる。
【0199】
ただし、これに限らずに、残水排出口69hをタブ30と連結して残水をタブ30に
回収することもでき、この点について、以下でより詳細に説明する。
【0200】
タブ30には、残水回収口39hが形成され得る。残水回収口39hは、タブ30の
前方面31に形成されることができる。残水回収口39hと残水排出口69hとを連通す
る残水回収管100が備えられ得る。
【0201】
残水回収口39hは、残水排出口69hより下側に位置し、したがって、ガスケット
ボディ63の内周面に溜まった残水が残水排出口69hと残水回収管100とを介して残
水回収口39hに自然排水されることができる。
【0202】
ガスケットボディ63の外周面61には、残水排出口69hと連通される残水排出ポ
ート69が下側に突出され得る。タブ30の前方面31には、残水回収口39hと連通さ
れる残水回収ポート39が前方に突出され得る。
【0203】
残水排出ポート69は、残水回収管100の上端と連結されることができ、残水回収
ポート39は、残水回収管100の下端と連結されることができる。具体的に、残水回収
管100の両端が各々残水排出ポート69と残水回収ポート39とに内挿され得る。この
場合、残水排出ポート69及び残水回収ポート39と各々重なる残水回収管100の両端
部をクランプを用いて締めることにより、残水回収管100と残水回収管100とを固定
できる。
【0204】
分配管801の流入ポート81は、残水排出ポート69の一側に位置する。前方から
眺めるとき、流入ポート81と残水排出ポート69とが互いに重ならない領域に各々配置
されるので、残水回収管100を設けるとき、流入ポート81と干渉されることが防止さ
れ得る。
【0205】
一方、残水排出ポート69は、第1のバランサ90aの下端と第2のバランサ90b
の下端との間に配置されることができる。流入ポート81は、残水排出ポート69と第1
のバランサ90aとの間、または残水排出ポート69と第2のバランサ90bとの間に配
置されることができる。
【0206】
残水排出ポート69は、吐出ポート84またはノズル66から噴射された循環水がガ
スケット内周面に溜まる場合、これを円滑に排出するために、前記複数の吐出ポート84
a、84b、84c、84dのうち、最も下側に位置した吐出ポート84a、84c及び
/又は最も下側に位置したノズル65a、65cより下側に配置されることができる。
【0207】
ガスケット60は、前方から眺めるとき、基準線Lと会う下側中央部位がガスケット
60の最低点になることができる。残水排出ポート69は、前記下側中央部位に形成され
ることができる。
【0208】
分配管80は、タブ30に近いようにガスケットボディ63の外周面61に配置され
、残水排出ポート69は、分配管80との干渉を避けるために、移送管路80a、80b
より前方に配置されることができる。
【0209】
残水回収口39hまたは残水回収ポート39は、移送管路80a、80bより下側に
形成されることができる。残水回収管100は、循環水給水管80の前方に配置されて、
残水排出ポート69と残水回収ポート39とを連結することができる。
【0210】
一方、残水排出ポート69がガスケットボディ63の下側中央に形成され、残水回収
口39hも残水排出ポート69の鉛直下方に配置される場合、残水回収管100は、前方
から眺めるとき、垂直線に沿って配置される形態になり、この場合、流入ポート81は、
残水回収管100との干渉を避けるために、残水排出ポート69から側に(例えば、右側
)所定距離離間されなければならない。
【0211】
流入ポート81が前記中央から遠く離れるほど、第1の管路部80aと第2の管路部
80bとの両方に均等に流量を配分するのに困難が生じる場合がある。この点を考慮する
とき、残水回収ポート39を前記中央を通る垂直線上に整列することでなく、残水排出ポ
ート69の一側(例えば、左側)に配置することで、流入ポート81をできるだけ前記垂
直線と近接した位置に配置することができる。
【0212】
一方、残水排出ポート69は、ガスケットボディ63に形成されることができる。残
水排出ポート69は、ガスケットボディ63の外周面上で下部領域から突出されることが
できる。残水排出ポート69は、望ましくは、外径部632から突出されるが、これに限
らずに、内径部631から突出されることも可能である。
【0213】
以上、添付された図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明は、前記実
施形態に限定されるものではなく、互いに異なる様々な形態で製造されることができ、本
発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想や必須的な
特徴を変更せずに他の具体的な形態で実施され得るということが理解できるであろう。し
たがって、以上で記述した実施形態は、あらゆる面において例示的なものであり、限定的
でないことと理解しなければならない。