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特許7459211基板処理装置、そして、基板処理装置を制御する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-22
(45)【発行日】2024-04-01
(54)【発明の名称】基板処理装置、そして、基板処理装置を制御する方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/175 20060101AFI20240325BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20240325BHJP
【FI】
B41J2/175 171
B41J2/175 121
B41J2/01 451
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022164900
(22)【出願日】2022-10-13
(65)【公開番号】P2023060830
(43)【公開日】2023-04-28
【審査請求日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】10-2021-0138773
(32)【優先日】2021-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518162784
【氏名又は名称】セメス カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】チョウ,チョン ス
【審査官】高松 大治
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-060056(JP,A)
【文献】特開2015-167934(JP,A)
【文献】特開2014-034194(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0320331(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
板処理装であって
基板にインクを吐出するヘッドユニットと、
内部空間を有するリザーバーを含み、前記ヘッドユニットに前記インクを供給する供給ユニットと、
前記内部空間の圧力を調節する圧力調節ユニットを含み、
前記圧力調節ユニットは、
第1圧力調節部と
単位時間当り前記内部空間の圧力を変化させる大きさが前記第1圧力調節部より大きい第2圧力調節部を含む、基板処理装置。
【請求項2】
前記装置は、
前記圧力調節ユニットを制御する制御機をさらに含み、
前記制御機は、
前記内部空間の圧力を第1圧力から前記第1圧力と相異な第2圧力転換時前記第2圧力調節部が前記内部空間の圧力を変化させた以後、前記第1圧力調節部が前記内部空間の圧力を変化させるように前記圧力調節ユニットを制御する、ことを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記制御機は、
前記内部空間の圧力を大気圧または陽圧から陰圧に転換時前記第2圧力調節部が前記内部空間の圧力を変化させた以後、前記第1圧力調節部が前記内部空間の圧力を変化させるように前記圧力調節ユニットを制御する、ことを特徴とする請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記供給ユニットは、
前記内部空間の圧力を測定する圧力測定センサーをさらに含む、ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記制御機は、
前記第2圧力調節部が前記内部空間の圧力を調節し、前記圧力測定センサーが測定する前記内部空間の圧力があらかじめ設定された圧力に至れば、前記第1圧力調節部が前記内部空間の圧力を調節するように前記圧力調節ユニットを制御する、ことを特徴とする請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記第2圧力調節部は、
作動する間に常時減圧を提供する減圧部材と、
前記減圧部材が提供する減圧を前記内部空間に伝達する減圧ラインと
前記減圧ラインに設置される減圧バルブを含む、ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちで何れか一つに記載の基板処理装置。
【請求項7】
第1圧力調節部は、
前記内部空間に陽圧を提供する陽圧提供部材と、
前記内部空間に陰圧を提供する陰圧提供部材と
前記陽圧提供部材または前記陰圧提供部材が提供する圧力を前記内部空間に伝達する圧力ラインを含む、ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちで何れか一つに記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記第1圧力調節部は、
前記陽圧提供部材及び/または前記陰圧提供部材、そして、前記リザーバーの間に設置されるサーボバルブをさらに含む、ことを特徴とする請求項7に記載の基板処理装置。
【請求項9】
基板処理装置を制御する方法において、
ヘッドユニットが吐出するインクを貯蔵するリザーバーの内部空間の圧力を高める昇圧段階と、
前記昇圧段階以後、前記内部空間の圧力を第1圧力で調節する第1圧力調節段階と
前記第1圧力調節段階以後、前記内部空間の圧力を前記第1圧力と相異な第2圧力で調節する第2圧力調節段階を含み、
前記第1圧力調節段階で単位時間当り前記内部空間の圧力変化量は、
前記第2圧力調節段階で単位時間当り前記内部空間の圧力変化量より大きい、方法。
【請求項10】
前記昇圧段階では、
前記内部空間の圧力を陰圧から大気圧に昇圧するか、または陰圧から陽圧に昇圧させる、ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記昇圧段階には、
前記内部空間に貯蔵された前記インクを前記ヘッドユニットに伝達して前記ヘッドユニットをパージ(Purge)するために前記内部空間の圧力が陽圧になるように前記内部空間を加圧する、ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記昇圧段階には、
キャニスターから前記内部空間に前記インクを供給するために前記内部空間の圧力が大気圧になるように前記内部空間を大気開放する、ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置、そして、基板処理装置を制御する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、高解像度を有する液晶ディスプレイ素子、有機ELディスプレイ素子などのようなディスプレイ素子の製造が要求されている。高解像度を有するディスプレイ素子を製造するためにはガラスなどの基板上に単位面積当たりさらに多いピクセルを形成しなければならないし、このように稠密に配置されるピクセルらそれぞれに液滴形態のインクを正確な位置に、そして、正確な量を吐出することが重要である。
【0003】
インクを精密に吐出するためにはインクを吐出するインクジェットヘッドの状態をインクを吐出するインクジェットヘッドのノズル面にインクが垂れ下がるか、またはインクジェットヘッドのノズル端部にインクが結ばれることを防止しなければならない。インクジェットヘッドのノズル面にインクが垂れ下がるとか、またはインクがノズル端部に結ばれる場合、インクは外部空気に露出されて固化されることがあるためである。固化されたインクはガラスなどの基板に伝達されて基板を汚染させることがある。場合によっては固化されたインクがヘッドのノズルを塞ぐことがある。このような問題を解決するために、インクを吐出しない待機状態にはインクを貯蔵するリザーバー(Reservoir)の内部空間に少しの陰圧を加えてインクがノズル端部の内側を向けて凹な形態の液膜を形成するメニスカス(Meniscus)状態を維持することが重要である。
【0004】
一方、ヘッドがインクを供給時リザーバーの内部空間は加圧され、以後メニスカス状態を維持するためにリザーバーの内部空間は減圧される。すなわち、リザーバーの内部空間は陽圧と陰圧との間で転換される。内部空間の圧力が陽圧から陰圧に転換される時間が長ければ、インクは重力によってノズル端部に結ばれるウェッティング(Wetting)現象が発生されることがある。
【0005】
内部空間の圧力が転換されることに所要される時間を縮めさせるために、リザーバーの内部空間の圧力を調節する圧力コントローラー(Pressure Controller)のサーボバルブ(Survo Valve)のホールサイズを大きくする方法を考慮することがある。しかし、サーボバルブのホールサイズを大きくするようになれば、圧力コントローラーがリザーバーの内部空間の圧力を精密に調節することが難しくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、リザーバーの内部空間の圧力を効果的に制御することができる基板処理装置、そして、基板処理装置を制御する方法を提供することを一目的とする。
【0007】
また、本発明はリザーバーの内部空間の圧力を陽圧と陰圧との間で転換時、圧力転換に所要される時間を縮めさせることができる基板処理装置、そして、基板処理装置を制御する方法を提供することを一目的とする。
【0008】
また、本発明はヘッドのノズル面にインクが結ばれるウェッティング(Wetting)現象が発生することを最小化することができる基板処理装置、そして、基板処理装置を制御する方法を提供することを一目的とする。
【0009】
本発明の目的はこれに制限されないし、言及されなかったまた他の目的らは下の記載らから通常の技術者が明確に理解されることができるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、基板処理装置を提供する。基板処理装置は、基板にインクを吐出するヘッドユニットと、前記ヘッドユニットに前記インクを供給する供給ユニット-前記供給ユニットは内部空間を有するリザーバーを含む-と、及び前記内部空間の圧力を調節する圧力調節ユニットを含み、前記圧力調節ユニットは、第1圧力調節部と、及び単位時間当り前記内部空間の圧力を変化させる大きさが前記第1圧力調節部より大きい第2圧力調節部を含むことができる。
【0011】
一実施例によれば、前記装置は、前記圧力調節ユニットを制御する制御機をさらに含み、前記制御機は、前記内部空間の圧力を第1圧力で前記第1圧力と相異な第2圧力に転換時前記第2圧力調節部が前記内部空間の圧力を変化させた以後、前記第1圧力調節部が前記内部空間の圧力を変化させるように前記圧力調節ユニットを制御することができる。
【0012】
一実施例によれば、前記制御機は、前記内部空間の圧力を大気圧または陽圧から陰圧に転換時前記第2圧力調節部が前記内部空間の圧力を変化させた以後、前記第1圧力調節部が前記内部空間の圧力を変化させるように前記圧力調節ユニットを制御することができる。
【0013】
一実施例によれば、前記供給ユニットは、前記内部空間の圧力を測定する圧力測定センサーをさらに含むことができる。
【0014】
一実施例によれば、前記制御機は、前記第2圧力調節部が前記内部空間の圧力を調節し、前記圧力測定センサーが測定する前記内部空間の圧力があらかじめ設定された圧力に至れば、前記第1圧力調節部が前記内部空間の圧力を調節するように前記圧力調節ユニットを制御することができる。
【0015】
一実施例によれば、前記第2圧力調節部は、作動される間に常時減圧を提供する減圧部材と、前記減圧部材が提供する減圧を前記内部空間に伝達する減圧ラインと、及び前記減圧ラインに設置される減圧バルブを含むことができる。
【0016】
一実施例によれば、第1圧力調節部は、前記内部空間に陽圧を提供する陽圧提供部材と、前記内部空間に陰圧を提供する陰圧提供部材と、及び前記陽圧提供部材または前記陰圧提供部材が提供する圧力を前記内部空間に伝達する圧力ラインを含むことができる。
【0017】
一実施例によれば、前記第1圧力調節部は、前記陽圧提供部材及び/または前記陰圧提供部材、そして、前記リザーバーの間に設置されるサーボバルブをさらに含むことができる。
【0018】
また、本発明は基板処理装置を制御する方法を提供する。基板処理装置を制御する方法は、ヘッドユニットが吐出するインクを貯蔵するリザーバーの内部空間の圧力を高める昇圧段階と、前記昇圧段階以後、前記内部空間の圧力を第1圧力で調節する 第1圧力調節段階と、及び前記第1圧力調節段階以後、前記内部空間の圧力を前記第1圧力と相異な第2圧力で調節する第2圧力調節段階を含み、前記第1圧力調節段階で単位時間当り前記内部空間の圧力変化量は、前記第2圧力調節段階で単位時間当り前記内部空間の圧力変化量と相異なことがある。
【0019】
一実施例によれば、前記第1圧力調節段階で単位時間当り前記内部空間の圧力変化量は、前記第2圧力調節段階で単位時間当り前記内部空間の圧力変化量より小さいことがある。
【0020】
一実施例によれば、前記昇圧段階では、前記内部空間の圧力を陰圧から大気圧に昇圧するか、または陰圧から陽圧に昇圧させることがある。
【0021】
一実施例によれば、前記昇圧段階には、前記内部空間に貯蔵された前記インクを前記ヘッドユニットに伝達して前記ヘッドユニットをパージ(Purge)するために前記内部空間の圧力が陽圧になるように前記内部空間を加圧することができる。
【0022】
一実施例によれば、前記昇圧段階には、キャニスターから前記内部空間に前記インクを供給するために前記内部空間の圧力が大気圧になるように前記内部空間を大気開放することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の一実施例によれば、リザーバーの内部空間の圧力を効果的に制御することができる。
【0024】
また、本発明の一実施例によれば、リザーバーの内部空間の圧力を陽圧と陰圧との間で転換時、圧力転換に所要される時間を縮めさせることができる。
【0025】
また、本発明の一実施例によれば、ヘッドのノズル面にインクが結ばれるウェッティング(Wetting)現象が発生することを最小化することができる。
【0026】
本発明の効果が前述した効果らに限定されるものではなくて、言及されない効果らは本明細書及び添付された図面らから本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者に明確に理解されることができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の一実施例による基板処理装置を見せてくれる図面である。
図2図1のヘッドのノズル面を下から眺めた図面である。
図3図1のヘッドユニット、供給ユニット、そして、圧力調節ユニットを概略的に示したブロック図である。
図4】本発明の一実施例による基板処理装置の制御方法を見せてくれるフローチャートである。
図5図4の第1圧力調節段階でヘッドユニット、供給ユニット、そして、圧力調節ユニットの姿を見せてくれる図面である。
図6図4の第2圧力調節段階の第1時期で、ヘッドユニット、供給ユニット、そして、圧力調節ユニットの姿を見せてくれる図面である。
図7図4の第2圧力調節段階の第2時期で、ヘッドユニット、供給ユニット、そして、圧力調節ユニットの姿を見せてくれる図面である。
図8】第2圧力調節段階でノズル端部に存在するインクがメニスカス状態に転換される姿を見せてくれる図面である。
図9】第2圧力調節段階でノズル端部に存在するインクがメニスカス状態に転換される姿を見せてくれる図面である。
図10図4の第1圧力調節段階でヘッドユニット、供給ユニット、そして、圧力調節ユニットの他の例を見せてくれる図面である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下では添付した図面を参照にして本発明の実施例に対して本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者が容易に実施できるように詳しく説明する。しかし、本発明はいろいろ相異な形態で具現されることができるし、ここで説明する実施例で限定されない。また、本発明の望ましい実施例を詳細に説明するにおいて、関連される公知機能または構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要に曇ることがあると判断される場合にはその詳細な説明を略する。また、類似機能及び作用をする部分に対しては図面全体にかけて等しい符号を使用する。
【0029】
ある構成要素を‘包含'するということは、特別に反対される記載がない限り他の構成要素を除くことではなく、他の構成要素をさらに含むことができるということを意味する。具体的に,“含む”または“有する”などの用語は明細書上に記載した特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとすることであって、一つまたはその以上の他の特徴らや数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加可能性をあらかじめ排除しないものとして理解されなければならない。
【0030】
単数の表現は文脈上明白に異なるように志さない限り、複数表現を含む。また、図面で要素らの形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0031】
第1、第2などの用語は多様な構成要素らを説明するのに使用されることができるが、前記構成要素らは前記用語によって限定されてはいけない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的で使用されることができる。例えば、本発明の権利範囲から離脱されないまま第1構成要素は第2構成要素で命名されることができるし、類似第2構成要素も第1構成要素に命名されることができる。
【0032】
ある構成要素が異なる構成要素に“連結されて”いるか、または“接続されて”いると言及された時には、その他の構成要素に直接的に連結されているか、または接続されていることもあるが、中間に他の構成要素が存在することもあると理解されなければならないであろう。反面に、ある構成要素が異なる構成要素に“直接連結されて”いるか、または“直接接続されて”いると言及された時には、中間に他の構成要素が存在しないことで理解されなければならないであろう。構成要素らとの関係を説明する他の表現ら、すなわち“~間に”と“すぐ~間に”または“~に隣合う”と“~に直接隣合う”なども同じく解釈されなければならない。
【0033】
異なるように定義されない限り、技術的であるか科学的な用語を含んでここで使用されるすべての用語らは、本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者によって一般的に理解されることと等しい意味である。一般に使用される前もって定義されているもののような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味であることで解釈されなければならないし、本出願で明白に定義しない限り、理想的や過度に形式的な意味で解釈されない。
【0034】
以下では、図1乃至図10を参照して本発明の実施例に対して説明する。
【0035】
図1は、本発明の一実施例による基板処理装置を見せてくれる図面である。
【0036】
図1を参照すれば、本発明の一実施例による基板処理装置100は基板(S)上にインクのような処理液を供給して基板を処理するインクジェット装置であることがある。基板(S)は被処理物である第1基板(S1)、そして、第1基板(S1)上に吐出される液滴形態のインク(I)の弾着位置、吐出タイミングなどを補正するために利用されるダミー基板である第2基板(S2)を含むことができる。また、基板(S)はガラス(Glass)であることがある。基板処理装置100は基板(S)上にインク液滴を吐出して基板(S)に対するプリンティング工程を遂行することができる。
【0037】
基板処理装置100はプリンティング部10、メンテナンス部20、ガントリ30、ヘッドユニット40、ノズルアライメント部50、供給ユニット60、圧力調節ユニット70、キャニスター80、そして、制御機90を含むことができる。
【0038】
プリンティング部10は上部から眺める時、その長さ方向が第1方向(X)であることがある。以下では、上部から眺める時、第1方向(X)と垂直な方向を第2方向(Y)といって、第1方向(X)及び第2方向(Y)に垂直な方向を第3方向(Z)という。第3方向(Z)は地面に垂直な方向であることがある。また、第1方向(X)は後述する第1基板(S1)が移送部材12によって移送される方向であることがある。プリンティング部10では後述するヘッドユニット40が第1基板(S1)にインクを吐出することで第1基板(S1)に対するプリンティング工程がなされることができる。
【0039】
また、プリンティング部10で移送される第1基板(S1)は浮上された状態を維持することができる。これに、プリンティング部10では第1基板(S1)を移送時第1基板(S1)を浮上させることができる浮上ステージが具備されることができる。浮上ステージは第1基板(S1)の下面にエア(Air)を供給して第1基板(S1)が浮上されるようにできる。
【0040】
移送部材12はプリンティング部10では第1基板(S1)の一側または両側を把持し、第1基板(S1)を第1方向(X)に沿って移動させることができる。移送部材12は真空吸入方式で第1基板(S1)の縁領域の下面を把持することができる。移送部材12はプリンティング部10の長さ方向に沿って具備されるガイドレールに沿って移動することができる。すなわち、移送ユニット70は浮上ステージの一側または両側に沿って具備されるガイドレール及び第1基板(S1)の一側面または両側面を把持した状態でガイドレールに沿って滑走するグリッパーなどを含むことができる。
【0041】
また、メンテナンス部20にもプリンティング部10に提供される移送部材12と同一または類似な構造及び/または機能を有する移送部材が提供され、メンテナンス部20で第2基板(S2)を第1方向(X)に沿って移動させることができる。
【0042】
メンテナンス部20では主に、後述するヘッドユニット40に対するメイントノンスがなされることがある。例えば、メンテナンス部20ではヘッドユニット40の状態を確認するか、またはヘッドユニット40に対する洗浄が遂行されることがある。メンテナンス部20は上部から眺める時、その長さ方向が第1方向(X)であることがある。また、メンテナンス部20はプリンティング部10と並んで配置されることができる。例えば、メンテナンス部20とプリンティング部10は第2方向(Y)に沿って並んで配列されることができる。
【0043】
また、メンテナンス部20の場合にも後述するヘッドユニット40が吐出する液滴形態のインク(I)らの弾着位置補正、インク(I)のボリューム調節、インク(I)の吐出量制御などのためのインク(I)吐出がなされることができるため、メンテナンス部20はプリンティング部10と同一または類似な工程環境を有することができる。
【0044】
ガントリ30は後述するヘッドユニット40または後述する第4ビジョン部33aが直線往復移動ができるように具備されることができるものである。ガントリ30は第1ガントリ31、第2ガントリ32、そして、第3ガントリ33を含むことができる。第1ガントリ31と第2ガントリ32はプリンティング部10及びメイントノンス部20に沿って延長される構造を有するように具備されることができる。また、第1ガントリ31と第2ガントリ32は第1方向(X)に沿ってお互いに離隔されて配置されることができる。すなわち、第1ガントリ31と第2ガントリ32は後述するヘッドユニット40が第2方向(Y)に沿って移動することができるようにプリンティング部10及びメイントノンス部20が配置される第2方向(Y)に沿って延長される構造を有するように具備されることができる。
【0045】
また、第3ガントリ33はプリンティング部10を第2方向(Y)に沿って延長される構造を有するように具備されることができる。すなわち、第3ガントリ33は第4ビジョン部33aが第2方向(Y)に沿って移動することができるように延長される構造を有するように具備されることができる。第4ビジョン部33aは第3ガントリ33に沿って往復移動しながら、後述するヘッドユニット40がメイントノンス部20から吐出するインク(I)の弾着位置、インク(I)液滴のボリュームなどを確認することができるイメージを獲得することができる。例えば、ヘッドユニット40はメイントノンス部20に提供されることができるキャリブレーションボード、例えば、第2基板(S2)にインク液滴を吐出することができる。第2基板(S2)は第4ビジョン部33aの下部領域に移動され、第4ビジョン部33aはインク液滴が吐出された第2基板(S2)のイメージを獲得することができる。第4ビジョン部33aが獲得したイメージは制御機90に伝達することができる。第4ビジョン部33aはイメージ獲得モジュールを含むカメラであることがある。
【0046】
図2は、図1のヘッドが有するノズルフレートの姿を見せてくれる図面である。
【0047】
図1及び図2を参照すれば、ヘッドユニット40は基板(S)にインク(I)を液滴形態で吐出することができる。ヘッドユニット40は基板(S)にインク(I)を吐出して基板(S)に対するプリンティング工程を遂行することができる。例えば、ヘッドユニット40は第2方向(Y)に沿って往復移動しながら基板(S)にインク(I)を吐出して基板(S)に対するプリンティング工程を遂行することができる。例えば、第1方向(X)に沿って移動する第1基板(S1)にヘッドユニット40はインク(I)を吐出することができる。第1基板(S1)がヘッドユニット40の下の領域で進入し、以後ヘッドユニット40の下の領域から脱すれば、ヘッドユニット40は第2方向(Y)に沿って移動してインク(I)吐出位置を変更することができる。ヘッドユニット40のインク(I)吐出位置が変更されれば、第1基板(S1)は第1方向(X)に沿って移動するが、以前に移動された方向に逆方向に移動することができる。第1基板(S1)が逆方向に移動する間ヘッドユニット40はインク(I)を吐出することができる。
【0048】
ヘッドユニット40はヘッド42、ヘッドフレーム44、第1ビジョン部46、そして、第2ビジョン部48を含むことができる。ヘッドユニット40は前述した移送ユニット70を一速度で移動させる基板(S)にインク(Ink)を液滴(Droplet)形態で吐出することができる。
【0049】
ヘッド42は複数で提供されることができる。複数のヘッド42は第1方向(X)に沿って並んで配列されることができる。複数のヘッド42らはヘッドフレーム44に挟まれることができる。また、ヘッド42には少なくとも一つ以上のノズル42bが形成されることができる。ノズル42bらが形成されたノズル面41aは基板(S)の上面に対して平行であることがある。
【0050】
また、ヘッドユニット40はインク(I)を吐出するための吐出部材(図示せず)を含むことができる。吐出部材は圧電素子であることがある。例えば、吐出部材はピエゾ素子であることがある。吐出部材は制御機90から液滴吐出信号の伝達を受けて、ヘッドユニット40の液吐出動作を具現することができる。
【0051】
第1ビジョン部46と第2ビジョン部48は、ヘッドフレーム44に設置されることができる。また、上部から眺める時第1ビジョン部46と第2ビジョン部48はヘッド42の一側に結合されることができる。第1ビジョン部46と第2ビジョン部48はヘッドユニット40が基板(S)に吐出するインク(I)液滴の弾着位置、そして、インク(I)液滴のボリュームなどを確認することができるイメージを獲得することができる。例えば、ヘッドユニット40がプリンティング部10に提供される基板(S)にインク液滴を吐出すれば、第1ビジョン部46と第2ビジョン部48は基板(S)を撮像し、撮像されたイメージは制御機90に伝達されることができる。使用者は制御機90に伝達された第1ビジョン部46と第2ビジョン部48が撮像したイメージを通じて基板(S)に吐出されたインク液滴の弾着位置、またはインク液滴のボリュームなどを確認することができる。第1ビジョン部46と第2ビジョン部48は第1方向(X)に沿って並んで配置されることができる。第1ビジョン部46と第2ビジョン部48はヘッド42が吐出するインク液滴らを確認することができるカメラであることがある。
【0052】
ヘッド42はヘッドフレーム44を媒介で第1ガントリ31と第2ガントリ32に移動可能に結合されることができる。例えば、ヘッド42は第1ガントリ31と第2ガントリ32の長さ方向である第2方向(Y)に沿って移動可能に提供されることができる。また、ヘッド42は第1ガントリ31と第2ガントリ32の長さ方向である第2方向(Y)に沿ってプリンティング部10、そして、メイントノンス部20の間を直線往復移動することができる。
【0053】
再び図1を参照すれば、ノズルアライメント部50はメイントノンス部20に提供されることができる。ノズルアライメント部50は上部から眺める時第1ガントリ31と第2ガントリ32との間に提供されることができる。これに、ノズルアライメント部50はヘッド42に形成されたノズル42bらの状態を確認することができる。例えば、ノズルアライメント部50は移動レール52、そして、第3ビジョン部54を含むことができる。移動レール52はその長さ方向が第1方向(X)であることがある。第3ビジョン部54は移動レール52の長さ方向である第1方向(X)に沿って直線往復移動することができる。第3ビジョン部54は移動レール52の長さ方向に沿って移動しながらヘッド42のノズル42bらを撮像することができる。
【0054】
図3は、図1のヘッドユニット、供給ユニット、そして、圧力調節ユニットを概略的に示したブロック図である。
【0055】
図3を参照すれば、供給ユニット60はヘッドユニット40にインク(I)を供給することができる。供給ユニット60はリザーバー61(Reservoir)、圧力測定センサー63、供給ライン64、そして、供給バルブ65を含むことができる。
【0056】
リザーバー61は内部空間62を有することができる。リザーバー61はヘッドユニット40に伝達されるインク(I)を貯蔵することができる。リザーバー61はヘッドユニット40、そして、後述するキャニスター80の間に配置されることができる。リザーバー61の内部空間62には圧力測定センサー63が配置されることができる。圧力測定センサー63は内部空間62の圧力を測定することができる。圧力測定センサー63は内部空間62の圧力を測定し、測定された内部空間62の圧力測定値を後述する制御機90に送ることができる。また、内部空間62にはインク(I)の流動性を維持させる流動部材(図示せず)が設置されることができる。インク(I)が内部空間62で流動しない場合、内部空間62で固化されることがあるが、流動部材は内部空間62でインク(I)を流動させてインク(I)に固化現象が発生することを最小化することができる。
【0057】
供給ライン64はリザーバー61の内部空間62に貯蔵/収容されたインク(I)をヘッドユニット40に伝達することができる。供給ライン64は内部空間62に貯蔵/収容されたインク(I)をヘッドユニット40に伝達し、インク(I)の伝達を受けたヘッドユニット40は基板(S)にインク(I)を吐出することができる。供給ライン64には供給バルブ65が設置されることができる。供給バルブ65はオン/オフバルブであるか、または供給ライン64を通じてヘッドユニット40に伝達される単位時間当りインクの量を調節することができる流量調節バルブであることができる。
【0058】
圧力調節ユニット70は内部空間62の圧力を調節することができる。圧力調節ユニット70は内部空間62に非活性ガス、例えば、窒素ガスのような加圧ガスを供給して内部空間62の圧力を高めることができる。また、圧力調節ユニット70は内部空間62に真空吸入方式で内部空間62に減圧を提供して内部空間62の圧力を低めることができる。また、圧力調節ユニット70は内部空間62の圧力が大気圧に至るように、内部空間62を大気圧開放することもできる。圧力調節ユニット70は内部空間62の圧力を陽圧、そして、陰圧の間で切り替えることができる。例えば、圧力調節ユニット70はヘッドユニット40のケアのためにパージ(Purge)時内部空間62を加圧することができる。例えば、圧力調節ユニット70はヘッドユニット40に対するパージを遂行する時、内部空間62の圧力が200Kpaになるように、内部空間62を加圧することができる。また、圧力調節ユニット70はノズル42b端部でメニスカス状態を維持するために、内部空間62を減圧することができる。例えば、圧力調節ユニット70は内部空間62の圧力が-5Kpaになるように、内部空間62を減圧することができる。
【0059】
圧力調節ユニット70は第1圧力調節部71、そして、第2圧力調節部76を含むことができる。第1圧力調節部71は内部空間62の圧力を調節することができる。第1圧力調節部71は内部空間62に陽圧または陰圧を提供することができる。第2圧力調節部76は内部空間62の圧力を調節することができる。第2圧力調節部71は内部空間62に陽圧及び陰圧のうちで陰圧を提供することができる。第1圧力調節部71は第2圧力調節部76より精密に内部空間62の圧力を調節することができる。例えば、第2圧力調節部76が単位時間当たり内部空間62の圧力を変化させる大きさは、第1圧力調節部71より大きくなることができる。第1圧力調節部71は後述するノズル41b端部のメニスカス状態を維持させるための器材であることがある。例えば、第1圧力調節部71はMeniscus Pressure Controller(MPC)と呼ばれることができる。また、第2圧力調節部76は電工レギュレーターと呼ばれることもある。また、第1圧力調節部71は内部空間62の圧力が大気圧に至るように、内部空間62を大気開放させることができる。
【0060】
第1圧力調節部71は陽圧提供部材72、陰圧提供部材73、圧力ライン74、そして、サーボバルブ75を含むことができる。
【0061】
陽圧提供部材72は内部空間62に陽圧を提供することができる。陽圧提供部材72は内部空間62に非活性ガス、例えば、窒素ガスを供給して内部空間62を加圧することができる。陰圧提供部材73は内部空間62に陰圧を提供することができる。陰圧提供部材73は真空吸入方式で内部空間62に陰圧を提供することができる。圧力ライン74は陽圧提供部材72または陰圧提供部材73が提供する圧力(陽圧または陰圧)を内部空間62に伝達することができる。圧力ライン74にはサーボバルブ75が設置されることができる。サーボバルブ75が有するホールサイズは、略Φ0.4~Φ1.5mmであることがある。例えば、サーボバルブ75が有するホールサイズは略Φ0.4であることがある。サーボバルブ75が有するホールサイズが小さいほど、第1圧力調節部71が提供する圧力の制御を精密に遂行することができる。第1圧力調節部71が提供する圧力の精密度は略±15Paであることがある。
【0062】
第2圧力調節部76は内部空間62を減圧することができる。第2圧力調節部76は減圧部材77、減圧ライン78、そして、減圧バルブ79を含むことができる。減圧部材77は真空吸入方式で内部空間62に減圧を提供することができる。減圧部材77は真空ポンプを含むことができる。減圧部材77は作動される間に常時減圧を提供することができる。減圧部材77が提供する圧力は減圧ライン78を通じて内部空間62に伝達されることができる。減圧ライン78には減圧バルブ79が設置されることができる。減圧バルブ79はオン/オフバルブであることができる。減圧部材77は作動される間に常時減圧を提供するので、減圧部材77が発生させる減圧が内部空間62に伝達するかの如何は減圧バルブ79のオン/オフによって変わることがある。例えば、減圧バルブ79がオン(On)になる場合、減圧部材77が発生させる減圧が内部空間62に伝達されることができる。反対に減圧バルブ79がオフ(Off)になる場合、減圧バルブ79が発生させる減圧が内部空間62に伝達しないで遮られることができる。
【0063】
また、前述したように第2圧力調節部76は単位時間当り内部空間62の圧力を変化させる大きさが第1圧力調節部71より大きくなることができる。また、第1圧力調節部71は第2圧力調節部76より内部空間62の圧力制御に対する制御精密度が第2圧力調節部76より大きくなることができる。
【0064】
キャニスター80は内部空間62にインク(I)を供給するように構成されることができる。キャニスター80はリザーバー61にインク(I)を供給するためのものであり、主にインク(I)を貯蔵する貯蔵タンクなどのような構造を有するように構成されることができる。キャニスター80は貯蔵タンクのような構造で構成されるため、リザーバー61とは少し離隔された場所に配置されることができる。また、キャニスター80はリザーバー61と少し離隔された場所に配置されるため加圧を利用してリザーバー61にインク(I)を供給するように構成されることができる。
【0065】
キャニスター80は伝送ライン82を通じて内部空間62にインクを供給することができる。キャニスター80は内部空間62に直接インク(I)を供給することができる。選択的にキャニスター80とリザーバー61との間にはバッファーリザーバー(図示せず)が配置され、キャニスター80は内部空間62に間接的にインク(I)を供給することができる。キャニスター80はバッファーリザーバーにインク(I)を供給し、バッファーリザーバーがリザーバー61にインクを供給することができる。
【0066】
制御機90は基板処理装置100を制御することができる。制御機90は基板処理装置100が基板(S)に対するプリンティング工程を遂行できるように基板処理装置100を制御することができる。また、制御機90は基板処理装置100のヘッドユニット40が基板(S)でインク液滴を吐出して基板(S)、例えば、第1基板(S1)に対するプリンティング工程を遂行できるようにヘッドユニット40を制御することができる。
【0067】
また、制御機90は基板処理装置100の制御を実行する一つ以上のプロセッサ、そして、このようなプロセッサにとって基板処理装置100を制御するための動作を遂行するようにする命令らを含む、コンピューター判読可能媒体に記憶されたコンピュータープログラムで構成されることができる。また、制御機90はオペレーターが基板処理装置100を管理するためにコマンド入力操作などを実行するキーボードや、基板処理装置100の稼働状況を可視化して表示するディスプレイなどでなされるユーザーインターフェースを具備することができる。また、ユーザーインターフェース及び記憶部はプロセッサに接続されてあり得る。
【0068】
図4は、本発明の一実施例による基板処理装置の制御方法を見せてくれるフローチャートである。以下で説明する基板処理装置100の制御方法を遂行するために制御機90は基板処理装置100が有する構成らを制御することができる。
【0069】
図4を参照すれば、本発明の一実施例による基板処理装置の制御方法は、昇圧段階(S00)、第1圧力調節段階(S10)、そして、第2圧力調節段階(S20)を含むことができる。昇圧段階(S00)、第1圧力調節段階(S10)、そして、第2圧力調節段階は順次に遂行されることができる。
【0070】
昇圧段階(S00)は内部空間62の圧力を高める段階であることができる。昇圧段階(S00)には内部空間62の圧力を陰圧から大気圧に昇圧させる段階であることができる。例えば、キャニスター80で内部空間62にインク(I)を供給する時には、内部空間62を陰圧(例えば、略-5Kpa、後述するメニスカス状態を維持するため)から大気圧状態に切り替えることが必要である。第1圧力調節部71は内部空間62を大気開放させて内部空間62の圧力を陰圧から大気圧状態に昇圧させることができる(図5参照)。
【0071】
第1圧力調節段階(S10)には内部空間62の圧力を第1圧力で調節することができる。第1圧力調節段階(S10)は前述した第2圧力調節部76によって遂行されることができる。第1圧力調節段階(S10)で内部空間62の圧力は初期圧力(例えば、大気圧)で、初期圧力より低い圧力である第1圧力で調節されることができる。第1圧力は陽圧または陰圧であることができる。第1圧力調節段階(S10)での単位時間当り内部空間62の圧力変化量は、後述する第2圧力調節段階(S20)で単位時間当り内部空間62の圧力変化量より大きくなることができる。すなわち、第1圧力調節段階(S10)では初期圧力より低い圧力である第1圧力に早い速度で至ることができる(図6参照)。
【0072】
第2圧力調節段階(S20)は第1圧力調節段階(S10)以後に遂行されることができる。第1圧力調節段階(S10)で第2圧力調節段階(S20)への転換は、圧力測定センサー63が測定する圧力値に根拠してなされることができる。例えば、圧力測定センサー63が測定する圧力値があらかじめ設定された圧力(例えば、-3Kpa)に至れば、減圧バルブ79とサーボバルブ75の開閉状態が転換されることができる。制御機90は圧力測定センサー63が測定する圧力値に根拠して減圧バルブ79とサーボバルブ75の開閉状態が転換させる制御信号を発生させることができる。
【0073】
第2圧力調節段階(S20)には内部空間62の圧力を第1圧力から第2圧力に調節することができる。第2圧力は第1圧力及び初期圧力と相異な圧力であることができる。第2圧力は第1圧力より低い圧力であることができる。第2圧力は陰圧であることができる。例えば、第2圧力は-5Kpa程度の圧力であることができる。第2圧力調節段階(S20)は第1圧力調節部71によって遂行されることができる。第2圧力調節段階(S20)での単位時間当り内部空間62の圧力変化量は、前述した第1圧力調節段階(S10)で単位時間当り内部空間62の圧力変化量より大きくなることができる。また、前述したように第2圧力調節段階(S20)は圧力制御精密度が相対的に優秀な第1圧力調節部71によって遂行される(図7参照)。これに、第2圧力調節段階(S20)では内部空間62の圧力を精密に制御することができる。
【0074】
内部空間62の圧力が陰圧に至れば、ノズル42b端部のインク(I)は上の方向に吸入されながら、インク(I)がノズル42b 内側に内側を向けて凹な形態の液膜を形成するメニスカス(Meniscus)状態を維持するようになる(図8及び図9参照)。
【0075】
また、内部空間62の圧力が陽圧から陰圧に転換されることに多くの時間が所要されるようになれば、インク(I)は重力によっての下方向に引き寄せられ、ノズル42b端部でインク(I)が結ばれて固化されるか、またはインク(I)がノズル面42aに沿って垂れ下がる問題が発生することがあるが、本願発明は圧力を早く変化させる第2圧力調節部76と圧力を精密に制御する第1圧力調節部71を利用して2個のシステムで内部空間62の圧力を制御し、前述した問題が発生することを最小化することができる。
【0076】
また、前述した例では昇圧段階(S00)が内部空間62の圧力を陰圧から大気圧に切り替えることを例を挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、ヘッドユニット40は必要によってパージ(Purge)が必要なことがある。ヘッドユニット40のノズル42bに残留する未使用インク(I)をヘッドユニット40が吐き出すために、ヘッドユニット40に対するパージ(Purge)作業が要求されることがある。パージ作業は内部空間62に貯蔵されたインクをヘッドユニット40に伝達して遂行されることができる。例えば、パージ作業は第1圧力調節部71が内部空間62に陽圧を提供して遂行されるか、またはキャニスター80が内部空間62にインクを供給して内部空間62を加圧することで遂行されることもできる。
【0077】
ヘッドユニット40のパージを遂行することは、内部空間62に非活性ガス、例えば、窒素ガスを供給して内部空間62を200Kpa程度の高い圧力で加圧して遂行されることができる(図10参照)。内部空間62が200Kpa程度の高い圧力で加圧された以後、再び-5Kpa程度の陰圧に転換されることに多くの時間が所要されることがある。しかし、本発明は、単位時間当り圧力変化量が大きい第2圧力調節部76を具備し、大きい圧力転換に所要される時間を効果的に縮めさせることができる。
【0078】
前述した例では基板(S)に対するプリンティング工程時基板(S)が移送ユニット70によって移送され、ヘッドユニット40の位置は固定されることを例を挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、プリンティング工程時基板(S)の位置は固定され、ヘッドユニット40の位置が変化されることもある。すなわち、基板(S)が移動することは基板(S)とヘッドユニット40の相対的な位置が変化する概念で理解されなければならないであろう。
【0079】
以上の詳細な説明は本発明を例示するものである。また、前述した内容は本発明の望ましい実施形態を示して説明するものであり、本発明は多様な他の組合、変更及び環境で使用することができる。すなわち、本明細書に開示された発明の概念の範囲、著わした開示内容と均等な範囲及び/または当業界の技術または知識の範囲内で変更または修正が可能である。著わした実施例は本発明の技術的思想を具現するための最善の状態を説明するものであり、本発明の具体的な適用分野及び用途で要求される多様な変更も可能である。したがって、以上の発明の詳細な説明は開示された実施状態で本発明を制限しようとする意図ではない。また、添付された請求範囲は他の実施状態も含むことで解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0080】
100 基板処理装置
10 プリンティング部
20 メンテナンス部
30 ガントリ
40 ヘッドユニット
70 移送ユニット
80 制御機
81 データ記憶部
82 条件受信部
83 予測部
84補正部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10