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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-22
(45)【発行日】2024-04-01
(54)【発明の名称】ワイヤレス通信におけるリンク回復
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/19 20180101AFI20240325BHJP
   H04W 72/21 20230101ALI20240325BHJP
   H04W 74/0833 20240101ALI20240325BHJP
   H04W 52/10 20090101ALI20240325BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20240325BHJP
【FI】
H04W76/19
H04W72/21
H04W74/0833
H04W52/10
H04W16/28
【請求項の数】 22
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022183414
(22)【出願日】2022-11-16
(62)【分割の表示】P 2021506502の分割
【原出願日】2018-08-07
(65)【公開番号】P2023025064
(43)【公開日】2023-02-21
【審査請求日】2022-12-06
(73)【特許権者】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ガオ,ボー
(72)【発明者】
【氏名】チェン,イージエン
(72)【発明者】
【氏名】ヂャン,シュージュエン
(72)【発明者】
【氏名】ルー,ヂャオフア
【審査官】中元 淳二
(56)【参考文献】
【文献】Sharp,Identification of Contention based random access for beam failure recovery[online],3GPP TSG RAN WG2 #101 R2-1803045,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_101/Docs/R2-1803045.zip>,2018年02月16日
【文献】Remaining Issues on Beam Management,3GPP TSG RAN WG1 #93 R1-1806788,2018年05月12日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24-7/26
H04W4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス通信方法であって、
ユーザデバイスが、ネットワークノードへのランダムアクセスプリアンブル送信を実行するステップと、
前記ユーザデバイスが、前記ランダムアクセスプリアンブル送信の後に、前記ネットワークノードに応答メッセージを送信するステップであって、前記応答メッセージが、前記ユーザデバイスがリンク回復手順を実行していることを示すリンク回復確認情報を保持する、応答メッセージを送信するステップと、
前記ユーザデバイスが、前記応答メッセージの送信後に、第1のタイプの無線ネットワーク仮識別子によってスクランブルされた巡回冗長検査(CRC)を有する下りリンク制御情報を監視するステップと、
前記ユーザデバイスが、前記第1のタイプの無線ネットワーク仮識別子によってスクランブルされた前記CRCを有する前記下りリンク制御情報を検出した後に、前記ランダムアクセスプリアンブル送信のための空間フィルタと同一の空間フィルタ、およびインデックスq new の基準信号と関連付けられた経路損失推定に基づいて決定された電力を使用して、前記ランダムアクセスプリアンブル送信のセルと同一セルのチャネル上の前記ネットワークノードへの送信を実行するステップとを備える、方法。
【請求項2】
前記チャネルは、物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ランダムアクセスプリアンブル送信の前記セルおよび前記チャネルの前記セルは、リンク回復条件が発生するセルと同一であり、
前記リンク回復条件は、
ビーム障害指標の数が第1の閾値以上である、または
基準信号のチャネル品質が第2の閾値以上である、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記チャネルに沿った前記送信は、前記チャネルに関連付けられた空間関係の再構成または起動まで実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記チャネルに関連付けられた目標電力は、目標電力セットにおける目標電力を示す特定インデックスに基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記チャネルの閉ループ電力制御は、特定インデックスを有しているか、または、前記ランダムアクセスプリアンブル送信に関連付けられた増大値と1つの下りリンク制御情報における送信電力コマンド(TPC)によって示される値との組み合わせに等しく、前記特定インデックスはゼロである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のタイプの無線ネットワーク仮識別子は、セル無線ネットワーク仮識別子(C-RNTI)である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ワイヤレス通信方法であって、
ネットワークノードが、ユーザデバイスからランダムアクセスプリアンブル送信を受信するステップと、
前記ユーザデバイスが、前記ランダムアクセスプリアンブル送信の受信後に、前記ユーザデバイスからの応答メッセージを受信するステップであって、前記応答メッセージが、前記ユーザデバイスがリンク回復手順を実行していることを示すリンク回復確認情報を保持する、応答メッセージを受信するステップと、
前記ユーザデバイスに、第1のタイプの無線ネットワーク仮識別子によってスクランブルされた巡回冗長検査(CRC)を有する下りリンク制御情報を送信するステップと、
前記ネットワークノードが、前記第1のタイプの無線ネットワーク仮識別子によってスクランブルされた前記CRCを有する前記下りリンク制御情報を送信した後に、前記ランダムアクセスプリアンブル送信のための空間フィルタと同一の空間フィルタを使用して、前記ランダムアクセスプリアンブル送信のセルと同一セルのチャネル上の前記ユーザデバイスからの送信を受信するステップとを備え、前記ユーザデバイスによって使用される送信電力は、インデックスq new の基準信号と関連付けられた経路損失推定に基づいて決定される、方法。
【請求項9】
前記チャネルに関連付けられた目標電力は、目標電力セットにおける目標電力を示す特定インデックスに基づく、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記ランダムアクセスプリアンブル送信の前記セルおよび前記チャネルの前記セルは、リンク回復条件が発生するセルと同一であり、
前記リンク回復条件は、
ビーム障害指標の数が第1の閾値以上である、または
基準信号のチャネル品質が第2の閾値以上である、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のタイプの無線ネットワーク仮識別子は、セル無線ネットワーク仮識別子(C-RNTI)である、請求項に記載の方法。
【請求項12】
プロセッサを備える装置であって、前記プロセッサは、
ネットワークノードへのランダムアクセスプリアンブル送信を実行し、
前記ランダムアクセスプリアンブル送信の後に、前記ネットワークノードに応答メッセージを送信するように構成され、前記応答メッセージが、前記装置がリンク回復手順を実行していることを示すリンク回復確認情報を保持し、前記プロセッサは、さらに、
前記応答メッセージの送信後に、第1のタイプの無線ネットワーク仮識別子によってスクランブルされた巡回冗長検査(CRC)を有する下りリンク制御情報を監視し、
前記第1のタイプの無線ネットワーク仮識別子によってスクランブルされた前記巡回冗長検査(CRC)を有する前記下りリンク制御情報を検出した後に、前記ランダムアクセスプリアンブル送信のための空間フィルタと同一の空間フィルタ、およびインデックスq new のダウンリンク基準信号と関連付けられた経路損失推定に基づいて決定された電力を使用して、前記ランダムアクセスプリアンブル送信のセルと同一セルのチャネル上の前記ネットワークデバイスへの送信を実行する、
ように構成される、装置。
【請求項13】
前記プロセッサは、前記チャネルに沿った前記送信を、前記チャネルに関連付けられた空間関係の再構成または起動まで実行するように構成される、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記チャネルは、物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)である、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記ランダムアクセスプリアンブル送信の前記セルおよび前記チャネルの前記セルは、リンク回復条件が発生するセルと同一であり、
前記リンク回復条件は、
ビーム障害指標の数が第1の閾値以上である、または、
基準信号のチャネル品質が第2の閾値以上である、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項12に記載の装置。
【請求項16】
前記チャネルに関連付けられた目標電力は、目標電力セットにおける目標電力を示す特定インデックスに基づく、請求項12に記載の装置
【請求項17】
前記チャネルの閉ループ電力制御は、特定インデックスを有しているか、または、前記ランダムアクセスプリアンブル送信に関連付けられた増大値と1つの下りリンク制御情報における送信電力コマンド(TPC)によって示される値との組み合わせに等しく、前記特定インデックスはゼロである、請求項12に記載の装置
【請求項18】
前記第1のタイプの無線ネットワーク仮識別子は、セル無線ネットワーク仮識別子(C-RNTI)である、請求項12に記載の装置。
【請求項19】
プロセッサを備える装置であって、前記プロセッサは、
ユーザデバイスからランダムアクセスプリアンブル送信を受信し、
前記ランダムアクセスプリアンブル送信の受信後に、前記ユーザデバイスからの応答メッセージを受信するように構成され、前記応答メッセージが、前記ユーザデバイスがリンク回復手順を実行していることを示すリンク回復確認情報を保持し、前記プロセッサは、さらに、
第1のタイプの無線ネットワーク仮識別子によってスクランブルされた巡回冗長検査(CRC)を有する下りリンク制御情報を前記ユーザデバイスに送信し、
前記第1のタイプの無線ネットワーク仮識別子によってスクランブルされた前記CRCを有する前記下りリンク制御情報を送信した後に、前記ランダムアクセスプリアンブル送信のための空間フィルタと同一の空間フィルタを使用して、前記ランダムアクセスプリアンブル送信のセルと同一セルのチャネル上の前記ユーザデバイスからの送信を受信する、
ように構成され、前記ユーザデバイスによって使用される送信電力は、インデックスq new の基準信号と関連付けられた経路損失推定に基づいて決定される、装置。
【請求項20】
前記ランダムアクセスプリアンブル送信の前記セルおよび前記チャネルの前記セルは、リンク回復条件が発生するセルと同一であり、
前記リンク回復条件は、
ビーム障害指標の数が第1の閾値以上である、または
基準信号のチャネル品質が第2の閾値以上である、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記チャネルに関連付けられた目標電力は、目標電力セットにおける目標電力を示す特定インデックスに基づく、請求項19に記載の装置
【請求項22】
前記第1のタイプの無線ネットワーク仮識別子は、セル無線ネットワーク仮識別子(C-RNTI)である、請求項19に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
この特許文献は、通信の分野に関し、特にデータ信号、制御信号および基準信号の構成および送信に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
さらなるデプロイメントの柔軟性、多数のデバイスおよびサービスに対するサポート、ならびに効率的な帯域幅利用のためのさまざまな技術を提供する次世代のワイヤレス通信ネットワークを定義するための取り組みが現在進行中である。よりよい帯域幅利用のために、複数のアンテナの使用ならびに送信および/または受信の空間的選択性などの技術も使用されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
概要
ユーザデバイスからネットワークノードへのチャネルでの効率的なリンク回復のための技術が開示されている。1つの有利な局面では、基地局は、上りリンクチャネルを効果的に受信することができ、それによって、リンク回復プロセス全体の効果を保証して、システムの柔軟性を大幅に向上させている。
【0004】
1つの例示的な局面において、ワイヤレス通信方法が開示されている。上記方法は、第1の通信ノードが、第1のタイプのランダムアクセスプリアンブルを送信するステップと、上記第1の通信ノードが、リンク回復確認情報を監視するステップと、上記第1の通信ノードが、第1のタイプの条件を満たした後に動作を実行するステップとを含み、上記第1のタイプの条件は、上記リンク回復確認情報を検出することを含み、上記動作は、上記第1のタイプのランダムアクセスプリアンブルによって決定された空間フィルタを使用して、アウトバウンドチャネルに沿った第2の通信ノードへの送信を実行するステップを含む。
【0005】
別の例示的な局面において、ワイヤレス通信方法が開示されている。上記方法は、第1の通信ノードが、第1のタイプのランダムアクセスプリアンブルを送信するステップと、上記第1の通信ノードが、リンク回復確認情報を監視するステップと、上記第1の通信ノードが、第1のタイプの条件を満たした後に動作を実行するステップとを含み、上記第1のタイプの条件は、上記リンク回復確認情報を検出することを含み、上記動作は、アウトバウンドチャネルに沿って送信される第2のタイプの信号によって決定された空間フィルタを使用して、上記アウトバウンドチャネルに沿った第2の通信ノードへの送信を実行するステップを含む。
【0006】
さらに別の局面において、別のワイヤレス通信方法が開示されている。上記方法は、第1の通信ノードが、第1のタイプのランダムアクセスプリアンブルを送信するステップと、上記第1の通信ノードが、リンク回復確認情報を監視するステップと、上記第1の通信ノードが、第1のタイプの条件を満たした後に動作を実行するステップとを含み、上記第1のタイプの条件は、上記リンク回復確認情報を検出することを含み、上記動作は、アウトバウンドチャネルに沿った第2の通信ノードへの送信を実行するステップを含み、上記アウトバウンドチャネルに沿った上記送信のための構成情報は未提供である。
【0007】
さらに別の例示的な局面において、別のワイヤレス通信方法が開示されている。上記方法は、端末がリンク回復を試みているとの表示を受信するステップと、上記表示に応答して、上記リンク回復を容易にするためのリンク回復確認情報メッセージを上記端末に送信するステップとを含む。
【0008】
さらに別の例示的な局面において、ワイヤレス通信装置が開示されている。上記装置は、上記の方法を実行するように構成されたプロセッサを含む。
【0009】
さらに別の例示的な局面において、コンピュータプログラム記憶媒体が開示されている。上記コンピュータプログラム記憶媒体は、格納されたコードを含む。上記コードは、プロセッサによって実行されると、上記プロセッサに記載されている方法を実行させる。
【0010】
これらのおよび他の局面は、本文献に記載されている。
図面は、本文献をさらに理解してもらうよう意図されており、本文献の一部であるよう意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本文献に係るリンク回復プロセスの一例の概略図である。
図2】本文献に係る別の例示的なリンク回復プロセスの概略図である。
図3】本文献に係る物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)空間関係を決定する実施形態の図である。
図4】本文献に係るPUCCH空間関係を決定する別の実施形態の図である。
図5】本文献に係る物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)送信モードを決定する実施形態の図である。
図6】本文献に係る上りリンク基準信号送信の概略図である。
図7】ワイヤレス通信方法の一例のためのフローチャートである。
図8】ワイヤレス通信方法の一例のためのフローチャートである。
図9】ワイヤレス通信方法の一例のためのフローチャートである。
図10】ワイヤレス通信装置の実現例の一例のブロック図である。
図11】ワイヤレス通信ネットワークの一例のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
詳細な説明
ワイヤレスデータ通信の需要の高まりを満たすために使用することができる追加スペクトルを提供するために、将来的な移動体通信の開発の方向として超広帯域幅高周波数帯域(たとえば、ミリ波通信)が台頭してきており、世界中の学界および産業界の注目を集めている。特に、ますます混雑するようになっているスペクトルリソースおよび物理ネットワークに大量にアクセスする場合には、ミリ波の利点はますます魅力的になる。IEEEおよび3GPP(登録商標)などの多くの標準化団体では、対応する標準化作業が始まっている。たとえば、3GPP標準化グループでは、高周波数通信が5G新無線アクセス技術(新RAT)の重要な特徴であり、その主な利点は帯域幅が大きいことである。
【0013】
基地局などのネットワークノードには、複数のアンテナパネルが存在し得て、各アンテナパネルは、複数のビームを生成し得る。UE側では、同様の状況が生じ得る。したがって、混合アナログおよびデジタル領域複数ビームスキームを提供し、これを使用して、基準信号、データチャネルおよび制御チャネルを送信または受信することが有益である。
【0014】
既存の5G通信規格では、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)の受信チャネル品質が閾値よりも低く、かつ、1つの閾値以上のチャネル品質を有する1つの基準信号が見つけ出されると、UEは、その基準信号に関連付けられた物理ランダムアクセスチャネ
ル(PRACH)リソースを送信することによって基準信号を表示するためのリンク回復手順を積極的に開始し得る。しかし、UEは依然としてRRC CONNECTモードであるので、上りリンク制御チャネルによって構成される空間関係(たとえば、上りリンクビーム情報)は依然として有効であるが、実際には、空間関係によって示されるビームを使用した物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)は基地局によって受信されない可能性があり、リンク回復の問題が依然として生じ得る。
【0015】
本文献に記載されている技術を使用して、上記の問題などを解決することができる。5G技術を参照してさまざまな実施形態の例について説明するが、これらの技術は他のワイヤレスシステムでも実現可能である。さらに、上りリンクチャネルおよび下りリンクチャネルという語は、5Gの枠組みの中での理解を容易にするために使用されている。しかし、一般に、ユーザデバイスの観点から、上りリンクチャネルは、単に、ユーザデバイスが信号を送信する「チャネルから」を意味し得て、下りリンクチャネルは、単に、ユーザデバイス(UEまたは端末と呼ばれることもある)が信号を受信する「チャネルへ」を意味し得る。
【0016】
いくつかの開示されている実施形態では、UE側のリンク回復PRACHに従ってPUCCHおよび他の上りリンクチャネルの空間関係またはビーム情報を決定し、PUCCHおよび他の上りリンクチャネルの上りリンク電力制御パラメータおよびプロセスを決定して、リンク回復プロセスが開始された後に基地局が効果的に上りリンクチャネルを受信できることを保証し、それによって、リンク回復プロセス全体の効果を保証して、システムの潤滑性を大幅に向上させている。
【0017】
リンク回復としても知られているビーム回復は、リンクにおける突然の劣化を解消するためのプロセスである。ビーム回復は、無競合ビーム回復と競合ベースのビーム回復とを両方含んでいる。特に、いくつかの詳細は以下の通りである。
【0018】
・無競合リンク回復手順:高速UE起動報告プロセスが物理層によって開始され、UEはまず元のPDCCHリンク品質(q_0とも称される)を検出する。第1のタイプの閾値を下回ると、第2のタイプの閾値(q_newと呼ばれる)よりも高いリンクが、予め構成された潜在的なビーム/リンクセット(q_1とも称される)から見つけ出されて、UE側は、PRACHを介して積極的に報告する。PRACHを受信した後、基地局は、C-RNTI(セル無線ネットワーク仮識別子)でスクランブルされたDCI(下りリンク制御インジケータ)をリンク回復専用検索空間または制御リソースセット(CORESET)に沿って送信することによってUEのリンク回復要求を承認する。
【0019】
・競合ベースのリンク回復手順:無競合リンク回復手順と同様に、PRACHを介してリンク回復要求が送信されるが、PRACHリソースはUEに特有のリソースではない。すなわち、基地局は、PRACHリソースを受信した後にUEの特定のアイデンティティ、アイデンティティ情報を確認することができない。したがって、PRACHを受信した後、基地局は、RA-RNTIでスクランブルされたDCIを送信してPRACH情報の受信を確認し、次いで、Msg3において、UEはそれ自体のC-RNTI情報を報告し、それによって、基地局にそれ自体のアイデンティティ情報を通知する。その後、PDCCHおよびPDSCHは、RRC CONNECTモードで通常送信モードを介して送信され得る。
【0020】
ビームは、リソース(たとえば、送信端における空間フィルタ、受信端における空間フィルタ、送信端におけるプリコーディング、受信端におけるプリコーディング、アンテナポート、アンテナ重みベクトル、アンテナ重み行列など)であると考えられてもよく、ビームインデックスは、リソースインデックス(たとえば、基準信号リソースインデックス
)と置換されてもよい。また、ビームは、送信(送信/受信)モードに関連付けられてもよく、送信モードは、空間分割多重化、周波数領域/時間領域多様性、または別の送信技術を含んでもよい。空間フィルタは、送信の空間選択性を提供してもよい。
【0021】
基準信号は、上りリンク基準信号と下りリンク基準信号とを含む。上りリンク基準信号は、サウンディング基準信号(SRS)であってもよい。上りリンク基準信号は、位相トラッキング基準信号(PT-RS)であってもよい。上りリンク基準信号は、復調基準信号(DMRS)であってもよい。
【0022】
いくつかの実施形態では、下りリンク基準信号は、チャネル状態情報基準信号(CSI-RS)であってもよい。いくつかの実施形態では、下りリンク基準信号は、PT-RSであってもよい。いくつかの実施形態では、下りリンク基準信号は、同期信号ブロック(SSB)であってもよい。いくつかの実施形態では、下りリンク基準信号は、同期信号/物理ブロードキャストチャネル(SS/PBCH)であってもよい。いくつかの実施形態では、下りリンク基準信号は、DMRSであってもよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、1回のランダムアクセス応答(RAR)上りリンク許可またはリンク回復確認情報に使用されるDCIフォーマット0_0もしくは0_1によってスケジューリングされる、UEからの1回のPUSCH送信は、Msg3 PUSCHとも呼ばれる。
【0024】
図1は、リンク回復プロセスの概略図である。図1は、無競合モードに基づくリンク回復手順を示している。基地局の事前構成を通じて、新たな候補リンクセットq_1は、PRACHリソースと明確な関係を有している。q_0に関連付けられたリンクが機能しなくなって、q_1から選択されたq_newが第2のタイプの閾値以上になった後、UEは、q_newに関連付けられたランダムアクセスプリアンブルをgNBに送信する。対応する検出窓のもとで、UEは、承認情報をgNBから受信しようと試みる。すなわち、C-RNTIでスクランブルされたDCIフォーマットが制御リソースセット(CORESET)のリンク回復専用検索空間上で検出される。このDCIまたはこのDCIの後の1つのDCIがPDSCH送信をトリガする場合、PUCCHは、PDSCHが成功裏に復調されるか否かを示すHARQ/ACK情報を保持している。
【0025】
PDCCHのTCI状態が再構成または再起動されるまで、PDSCHもPDCCHも、空間パラメータとしてのq_newによって示される下りリンク基準チャネルに従う。
【0026】
図2は、本文献に係るリンク回復の別の概略フローチャートであり、競合ベースのリンク回復手順を示している。基地局の事前構成を通じて、新たな候補ビームセットq_1の各ビームは、各PRACHリソースと明確な関係を有している。q_0に関連付けられたビームが機能しなくなって、第2のタイプの閾値以上の新たなビームq_newが見つけ出されると、UEは、PRACH情報に関連付けられたq_newをgNBに送信する。対応する検出窓のもとで、UEは、Msg2をgNBから受信しようと試みる。すなわち、RA-RNTIでスクランブルされた1つのDCIのシグナリングであって、それが時刻nで行われると想定する。時刻n+iにおいて、UEは、Msg3を基地局にフィードバックし、Msg3は、C-RNTI情報またはリンク回復表示情報を保持しており、この情報は、現在の手順がC-RNTIを有するUEからのリンク回復手順であることを示すために使用される。
【0027】
PDCCHのTCI状態が再構成または再起動されるまで、PDSCHもPDCCHも、空間パラメータとしてのq_newによって示される下りリンク基準チャネルに従う。
【0028】
DCIフォーマット1_0/1_1がPDSCH送信をトリガすると、PUCCHは、PDSCH関連付けを伝えるためのHARQ/NACK情報を送信する。
【0029】
また、DCIフォーマット0_0/0_1は、PUSCHの送信をトリガすることができる。
【0030】
実施形態の例
基準信号を送信する方法が第1の通信ノードに適用され、この方法は、
第1のタイプの条件が満たされると、第1の通信ノードが、以下のこと、すなわち、
♯1 上りリンクチャネルが第1のタイプのPRACHと同一の空間フィルタを使用すること、
♯2 第1のタイプのPRACHに従って上りリンクチャネルの空間関係または空間フィルタを決定すること、
♯3 上りリンクチャネルの空間関係の構成情報を無視または解放すること、または
♯4 上りリンクチャネルの空間関係の構成情報がデフォルトもしくは未構成もしくは未提供であること、または、第1の通信ノード専用の上りリンクチャネルの構成情報がデフォルトもしくは未構成もしくは未提供であること、
のうちの少なくとも1つに従って上りリンクチャネルの送信モードを決定することを含む。
【0031】
上りリンクチャネルは、第2の通信ノードに送信される。
さらに、第1のタイプの条件は、以下のこと、すなわち、
♯1 第1の通信ノードがPRACHを送信すること、
♯2 構成された窓および構成された検索空間において、第1のタイプのRNTIでスクランブルされたDCIを検出すること、
♯3 第2の通信ノードからリンク回復確認情報またはリンク回復確認情報を受信すること、のうちの少なくとも1つを含む。
【0032】
上りリンクチャネルは、PUCCHまたはPUSCHである。
さらに、第1のタイプのRNTIは、以下のもの、すなわち、C-RNTI、TC-RNTIおよびRA-RNTI、のうちの少なくとも1つである。
【0033】
さらに、基準信号の空間関係または空間フィルタは、PRACHに従って決定される。
上りリンクチャネルまたは基準信号の空間関係または空間フィルタは、第1のタイプのPRACHに従って決定され、以下のこと、すなわち、
・PRACHのインデックス情報に関連付けられるように上りリンクチャネルの空間関係情報を更新すること、
・上りリンクチャネルまたは基準信号の空間フィルタが、PRACHと併用される空間フィルタまたはPRACHに関連付けられた空間フィルタと同一であること、
・上りリンクチャネルまたは基準信号の空間フィルタが、PRACHと併用される空間フィルタまたはPRACHに関連付けられた空間フィルタと同様であること、のうちの少なくとも1つを示す。
【0034】
さらに、PRACHはリンク回復に使用される。
代替的に、構成された窓がリンク回復に使用される。
【0035】
代替的に、構成された検索空間がリンク回復もしくはビーム回復に使用され、または、関連付けられた制御チャネルリソースセットの構成された検索空間がリンク回復もしくはビーム回復に使用される。
【0036】
さらに、PRACHのセルは一次セルであり、またはPRACHのキャリアは一次キャリアであり、またはPRACHはMCGに属している。
【0037】
さらに、上りリンクチャネルのセルは一次セルであり、または上りリンクチャネルのキャリアは一次キャリアであり、または上りリンクチャネルはMCGに関連付けられる。
【0038】
PUCCHリソースは、専用のPUCCHリソースであってもよく、専用のPUCCHリソースは、第1のタイプの条件が満たされて初めて有効になる。さらに、PUCCHリソースは、リンク回復プロセスにしか使用されない。
【0039】
代替的に、PUCCHは、UEが専用のUEに特有のPUCCH構成を受信しなかった場合にはデフォルトPUCCHリソースであり、またはデフォルトPUCCHリソースはデフォルトPUCCHのために構成され、またはPUCCHはコモンPUCCHリソースである。
【0040】
さらに、コモンPUCCHリソースは、SIB1におけるコモンPUCCHリソースフィールドによって示される。
【0041】
代替的に、PUCCHリソースは、現在のUEによって構成されたPUCCHリソースでもあるが、その空間関係情報は再構成され、またはPRACHに関連付けられた空間フィルタはデフォルトで使用される。
【0042】
二次セルまたは他のセルグループのことを考えたとき、UEもリンク回復を実行したいと思うかもしれないが、一次セルのPRACHリソースがその出来事に使用され、またはMAC-CEシグナリングを使用してフィードバックが実行される。場合によっては、一次セルビームは問題がなく、その結果、二次セルに対してのみリンク回復が実行されてもよい。二次セルの上りリンクチャネルを更新しなければならないだけであり、または第1の通信ノードは、二次セルのための以前に構成された空間関係情報が解放されると考える。
【0043】
さらに、第1のタイプの条件は、以下のこと、すなわち、
(1)PRACHのキャリアが、リンク回復条件を有するキャリアと同一であること、または、PRACHのキャリアインデックスが、リンク回復条件が発生するキャリアグループと同一であること、
(2)PRACHのセルが、リンク回復条件が発生するセルと同一であること、または、PRACHのセルインデックスが、リンク回復条件が発生するセルグループと同一であること、のうちの少なくとも1つをさらに含む。
【0044】
さらに、アウトバウンドまたは上りリンクチャネルは、以下の特徴、すなわち、
(1)PRACHのキャリアが上りリンクチャネルのキャリアと同一であること、または、PRACHのキャリアインデックスが上りリンクチャネルのキャリアグループと同一であること、
(2)PRACHのセルが上りリンクチャネルのセルと同一であること、または、PRACHのキャリアインデックスが上りリンクチャネルのセルグループと同一であること、
(3)アウトバウンドまたは上りリンクチャネルが、リンク回復条件を満たすセルまたはキャリア内に位置していること、を有する。
【0045】
リンク回復プロセスは、リンク障害の問題を解決するための一時的なプロセスに過ぎない。したがって、第1のタイプの事象と称される、リンク回復プロセスの1つの終了時刻
または条件を設計することが有用である。プロセスが終了すると、通常のRRC CONNECT状態における構成情報に従って上りリンクおよび下りリンク送信が実行される。
【0046】
さらに、第1のタイプの事象が発生するまで、第1の通信ノードは、以下のことのうちの少なくとも1つに従って上りリンクチャネルの送信モードを決定する。以下のこととは、すなわち、♯1 上りリンクチャネルが第1のタイプのPRACHと同一の空間フィルタを使用すること、♯2 第1のタイプのPRACHに従って上りリンクチャネルの空間関係を決定すること、♯3 上りリンクチャネルの空間関係の構成情報を無視または解放すること、♯4 上りリンクチャネルの空間関係の構成情報がデフォルトまたは未構成または未提供であることである。さまざまな実施形態において、チャネルの構成情報は、デフォルトであるか、または未構成であるか、または未提供である。
【0047】
第1のタイプの事象の一例は、TCI状態が再構成または再起動されるときである。第1のタイプの事象の別の例は、上りリンクチャネルに関連付けられた空間関係が再構成または再起動されるというものである。
【0048】
さらなる例としては、上りリンクチャネルがPUCCHである場合に、上りリンクチャネルに関連付けられた空間関係が再構成または再起動される上りリンクチャネルもPUCCHであるということが挙げられる。
【0049】
さらなる例としては、上りリンクチャネルがPUSCHである場合に、上りリンクチャネルに関連付けられた空間チャネルが再構成または再起動されて上りリンクチャネルがPUCCHであってもよいということ、または、上りリンクチャネルに関連付けられた空間関係が、PUSCHのコードブックまたは非コードブック送信モードに使用されるSRSの空間関係であるということが挙げられる。
【0050】
図3は、本文献に係るPUCCH空間関係を決定する実施形態の図である。UEは、PRACHによってトリガされたリンク回復要求を送信して、C-RNTIでスクランブルされたPDCCHを受信した後、リンク回復要求が承認されたと考える。第1の通信ノード(たとえば、UE)は、PUCCHリソースがPRACHと同一の空間フィルタを使用することになると想定して、PUCCHリソースのために以前に構成または起動された空間関係情報は、無視または解放される。しかし、想定された終了時刻は、PDCCHのTCIが再構成または再起動される時刻であり、その後、PUCCHは、再構成または再起動された空間関係情報を使用することになる。したがって、PUCCHの空間情報も、PDCCHのTCIが再構成または再起動される前に、対応するRRCまたはMAC-CEシグナリングによって更新される。したがって、図3に示されるプロセスは、条件が発生したとUEが判断するステップと、この判断に基づいて、事象(たとえば、PDCCH TCIが再構成または再起動される)が発生したとUEが判断するときまで、PRACHのビームを使用してPUCCHの送信を実行するステップとを含む。
【0051】
図4は、本文献に係るPUCCH空間関係を決定する別の実施形態の図である。UEは、PRACHによってトリガされたリンク回復要求を送信して、C-RNTIでスクランブルされたPDCCHを受信した後、リンク回復要求が承認されたと考える。第1の通信ノード(たとえば、UE)は、PUCCHリソースがPRACHと同一の空間フィルタを使用することになると想定して、PUCCHリソースのために以前に構成または起動された空間関係情報は、無視または解放される。しかし、想定された終了時刻は、PUCCHの空間関係が再構成または再起動される時刻であり、その後、PUCCHは、再構成または再起動された空間関係情報を使用することになる。
【0052】
図5は、本文献に係るPUSCH送信モードを決定する実施形態の図である。UEは、
PRACHによってトリガされたリンク回復要求を送信して、C-RNTIでスクランブルされたPDCCHを受信した後、リンク回復要求が承認されたと考える。第1の通信ノードは、PUCCHの空間関係が再構成または再起動されるまでPUSCHがPRACHまたはPUCCHと同一の空間フィルタを使用すると想定する。PUCCHの空間関係が再起動または再構成されると、PUSCHは、コードブックまたは非コードブックオプションのPUSCH送信構成に従ってその送信モードを決定する。
【0053】
上りリンクビーム(たとえば、上りリンク空間関係または上りリンク空間フィルタ)は変化するので、上りリンクパラメータを保証して干渉を回避するために、上りリンクチャネルの電力制御パラメータもそれに従って調整されてもよい。
【0054】
さらに、上りリンクチャネルの電力制御パラメータは、以下のこと、すなわち、
♯1 上りリンクチャネルの経路損失基準RSセット構成がデフォルトと見なされるか、または未構成であるか、またはデフォルトで解放されること、
♯2 PUCCH目標電力セットの構成がデフォルトと見なされるか、または未構成であるか、またはデフォルトで解放されること、
♯3 PUSCHの目標電力の構成および重み係数αのセットがデフォルトと見なされるか、または未構成であるか、またはデフォルトで解放されること、のうちの少なくとも1つによって実行されてもよい。
【0055】
さらに、上りリンクチャネルに関連付けられた経路損失推定の基準信号は、以下のこと、すなわち、
♯1 PRACHに関連付けられた下りリンク基準信号、
♯2 上層が、インデックスq_newに関連付けられた下りリンク基準信号を提供すること、
♯3 基準信号のチャネル測定メトリックが第1のタイプの閾値よりも大きいという結果、
♯4 上りリンクチャネルの経路損失が、RSセットにおける特定のインデックスによって示される下りリンク基準信号を意味すること、のうちの少なくとも1つであってもよい。
【0056】
チャネル測定メトリックは、以下のもの、すなわち、BLER、RSRP、RSRQ、CQI、チャネル容量、信号対雑音比および信号対雑音比、のうちの少なくとも1つを含む。
【0057】
さらに、上りリンクチャネルに関連付けられた目標電力は、以下のもの、すなわち、
♯1 目標電力セットにおける特定のインデックスを有する1つの目標電力、
♯2 1つのプリアンブル受信目標電力、または、1つのプリアンブル受信目標電力とDCIにおける送信電力コマンド(TPC)によって示される値との組み合わせ、
♯3 上りリンクチャネルに関連付けられた目標電力が未構成またはデフォルト値であること、のうちの少なくとも1つであり、
目標電力は、UEに特有の目標電力であり、
デフォルト値はゼロである。
【0058】
さらに、上りリンクチャネルの閉ループ電力制御は、
♯1 特定のインデックスを有している、または
♯2 ランダムアクセスプリアンブルに関連付けられた増大値、もしくは、ランダムアクセスプリアンブルに関連付けられた増大値と下りリンク制御情報における送信電力コマンド(TPC)によって示される値との組み合わせである、または
♯3 リセットされる。
【0059】
さらに、特定のインデックスは、以下のこと、すなわち、インデックスがゼロであること、最低のインデックスであること、および最高のインデックスであること、のうちの少なくとも1つである。
【0060】
さらに、空間関係情報に加えて、第1の通信ノードに関連付けられた専用のパラメータは、デフォルトまたは未提供であると想定され、専用のパラメータは、以下のもの、すなわち、下りリンク基準信号、上りリンク基準信号、PUCCH、PUSCH、電力制御パラメータ、のうちの少なくとも1つを含む。
【0061】
さらに、周期的もしくは半永続的な上りリンク基準信号もしくは上りリンクチャネルは、第1の通信ノードによって送信されず、または、第1の通信ノードは、周期的もしくは半連続的な下りリンク基準信号もしくは下りリンクチャネルを受信しない。
【0062】
いくつかの実施形態では、基準信号は、コードブックのためのSRSまたは非コードブックのためのSRSであってもよい。いくつかの実施形態では、基準信号は、非コードブックのためのCSI-RSであってもよい。
【0063】
図6は、本文献に係る上りリンク基準信号送信の概略図である。UEがgNBリンク回復の承認情報を受信した後、コードブック送信に使用されるSRSは、PRACH/PUCCHと同一の空間フィルタを使用し、これにより、元のSRSに対応する送信チェーンを考慮に入れて、上りリンク送信品質の保証が容易になる。もはや効果的に通信できない可能性が非常に高い。PUCCHの空間関係が再構成または再起動されると、上層の空間関係情報に基づいてSRSの空間フィルタが決定される。
【0064】
図7は、ワイヤレス通信方法の一例700のためのフローチャートである。方法700は、第1の通信ノードが、第1のタイプのランダムアクセスプリアンブルを送信するステップ(702)と、第1の通信ノードが、リンク回復確認情報を監視するステップ(704)と、第1の通信ノードが、第1のタイプの条件を満たした後に動作を実行するステップ(706)とを含み、第1のタイプの条件は、リンク回復確認情報を検出することを含み、上記動作は、第1のタイプのランダムアクセスプリアンブルによって決定された空間フィルタを使用して、アウトバウンドチャネルに沿った第2の通信ノードへの送信を実行するステップ(708)を含む。
【0065】
図8は、ワイヤレス通信方法の一例800のためのフローチャートである。方法800は、第1の通信ノードが、第1のタイプのランダムアクセスプリアンブルを送信するステップ(802)と、リンク回復確認情報を監視するステップ(804)と、第1のタイプの条件を満たした後に動作を実行するステップ(806)とを含み、第1のタイプの条件は、リンク回復確認情報を検出することを含み、上記動作は、アウトバウンドチャネルに沿った第2の通信ノードへの送信を実行するステップ(808)を含み、アウトバウンドチャネルに沿った送信のための構成情報は、未提供である。
【0066】
いくつかの実施形態では、第1の通信ノードによって実行されるワイヤレス通信方法は、第1のタイプのランダムアクセスプリアンブルを送信するステップと、リンク回復確認情報を監視するステップと、第1のタイプの条件を満たした後に動作を実行するステップとを含み、第1のタイプの条件は、リンク回復確認情報を検出することを含み、上記動作は、アウトバウンドチャネルに沿って送信される第2のタイプの信号によって決定された空間フィルタを使用して、アウトバウンドチャネルに沿った第2の通信ノードへの送信を実行するステップを含む。
【0067】
図9は、ワイヤレス通信方法の一例900のフローチャートである。方法900は、ワイヤレスネットワーク内の基地局などのネットワークノードによって実行されてもよい。方法900は、端末がリンク回復を試みているとの表示を受信するステップと、上記表示に応答して、リンク回復を容易にするためのメッセージを端末に送信するステップとを含む。本文献に開示されているように、メッセージは、暗号化されたDCIの形式であってもよく、時間窓内で送信されてもよい。
【0068】
いくつかの実施形態では、送信されるメッセージは、本特許文献全体を通して説明されているリンク回復のさまざまな局面を容易にし得る。これらは、たとえば、端末によるリンク回復の試みを承認するために、RNTIを使用して巡回冗長検査を提供すること、構成された窓内で信号を提供することなどを含む。他の例としては、システム情報ブロックにおける情報の送信が挙げられる。本文献にさらに開示されているように、ネットワークノードは、一次セル内にあって、一次キャリア上で受信を行ってもよい。端末(たとえば、ユーザデバイスまたは第1の通信ノード)は、ランダムアクセスチャネルに沿ったネットワークノードへの送信を行ってもよい。
【0069】
700、800および900を含む上記の方法に関して、以下の特徴はさまざまな実施形態において実現され得る。
【0070】
いくつかの実施形態では、アウトバウンドチャネルの空間関係の構成情報は、デフォルトまたは未提供である。
【0071】
いくつかの実施形態では、上りリンクチャネルの構成情報は、デフォルトまたは未提供である。
【0072】
いくつかの実施形態では、リンク回復確認情報は、第1のタイプのRNTIによってスクランブルされたCRCを有するDCIを含む。
【0073】
いくつかの実施形態では、リンク回復情報の監視は、リンク回復プロセスが開始したことを第2の通信デバイスが認識したことを示す第2の通信デバイスから第1の通信デバイスへのインバウンド送信を監視することによって実行されてもよい。いくつかの実施形態では、第2のタイプの信号は、Msg3信号を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第2のタイプの信号は、PUSCHであってもよい。いくつかの実施形態では、第2のタイプの信号は、リンク回復確認情報に応答してPUSCHであってもよい。いくつかの実施形態では、第2のタイプの信号は、リンク回復確認情報に応答してPUCCHであってもよい。
【0074】
いくつかの実施形態では、アウトバウンドチャネルは、物理上りリンク制御チャネルを含む。いくつかの実施形態では、アウトバウンドチャネルは、物理上りリンク共有チャネルを含む。いくつかの実施形態では、送信は、一次セルの物理ランダムアクセスチャネルに沿って実行される。たとえば、第1の通信ノードは、一次セルと二次セルとを有するセルラーネットワーク内で動作していてもよい。このような構成の一例は、3GPPのRelease15に記載されている。
【0075】
いくつかの実施形態では、送信は、一次キャリアに対応する物理ランダムアクセスチャネルに沿って実行される。いくつかの実施形態では、送信は、マスタセルグループに対応する物理ランダムアクセスチャネルに沿って実行される。
【0076】
いくつかの実施形態では、アウトバウンドチャネルは一次セル内にあり、またはアウトバウンドチャネルのキャリアは一次キャリアであり、またはアウトバウンドチャネルはマ
スタセルグループに関連付けられる。いくつかの実施形態では、アウトバウンドチャネルは、第1のタイプの条件を満たすと専用の送信リソースを有する専用の物理上りリンク制御チャネルである。
【0077】
いくつかの実施形態では、アウトバウンドチャネルは、物理上りリンク制御チャネルのための専用のリソースが未構成または未提供である場合には、デフォルト物理上りリンク制御チャネルである。いくつかの実施形態では、アウトバウンドチャネルは、コモン物理上りリンク制御チャネルリソースである。
【0078】
いくつかの実施形態では、コモン物理上りリンク制御チャネルリソースは、システムブロードキャストメッセージにおけるコモン物理上りリンク制御チャネルリソースフィールドによって提供される。
【0079】
いくつかの実施形態では、第1のタイプの条件は、送信のキャリアが、リンク回復条件が満たされるキャリアと同一であること、または、送信のキャリアが、リンク回復条件が満たされるキャリアグループ内にあることを含む。
【0080】
いくつかの実施形態では、第1のタイプの条件は、送信のセルが、リンク回復条件が満たされるセルと同一であること、または、送信のセルが、リンク回復条件が満たされるセルグループ内にあることを含む。
【0081】
いくつかの実施形態では、第1のタイプの条件は、送信のキャリアがアウトバウンドチャネルのキャリアと同一であること、または、送信のキャリアがアウトバウンドチャネルとしてのキャリアグループ内にあることを含む。
【0082】
いくつかの実施形態では、リンク回復条件は、ビーム障害インスタンス表示の数が第1の閾値以上であるというものであってもよい。いくつかの実施形態では、リンク回復条件は、第2のプールからの第2のタイプの基準信号のチャネル品質が第2の閾値以上であるというものであってもよい。いくつかの実施形態では、リンク回復条件は、第3のプールからの第3のタイプの基準信号のチャネル品質が第2の閾値未満であるというものであってもよい。これらのさまざまな閾値は、第1および第2の通信ノードが動作するワイヤレスネットワークの動作のために予め規定されていてもよく、または第2の通信ノードによって指定されてもよい。
【0083】
いくつかの実施形態では、第1のタイプの条件は、送信のセルがアウトバウンドチャネルのセルと同一であること、または、送信のキャリアがアウトバウンドチャネルのセルグループ内にあることを含む。
【0084】
いくつかの実施形態では、上記方法はさらに、第1のタイプの事象の発生まで実行される。
【0085】
いくつかの実施形態では、第1のタイプの事象は、送信構成インジケータ(TCI)の再構成もしくは起動、または、アウトバウンドチャネルに関連付けられた空間関係の再構成もしくは起動である。
【0086】
いくつかの実施形態では、アウトバウンドチャネルの経路損失基準信号セット構成は、デフォルトと見なされるか、または未提供であるか、またはデフォルトで解放される。
【0087】
いくつかの実施形態では、アウトバウンドチャネルの目標電力セットの構成は、デフォルトと見なされるか、または未提供であるか、またはデフォルトで解放される。
【0088】
いくつかの実施形態では、アウトバウンドチャネルの共有制御チャネルの目標電力の構成および重み係数αのセットは、デフォルトと見なされるか、または未提供であるか、またはデフォルトで解放される。
【0089】
いくつかの実施形態では、アウトバウンドチャネルに関連付けられた経路損失推定の基準信号は、第1のタイプのランダムアクセスプリアンブルに関連付けられた下りリンク基準信号である。
【0090】
いくつかの実施形態では、アウトバウンドチャネルに関連付けられた経路損失推定の基準信号は、下りリンク基準信号インデックスq_newの情報を含む上位層メッセージによって提供される。
【0091】
いくつかの実施形態では、アウトバウンドチャネルに関連付けられた経路損失推定の基準信号は、基準信号のチャネル測定メトリックが第1のタイプの閾値以上であるという結果である。
【0092】
いくつかの実施形態では、アウトバウンドチャネルに関連付けられた経路損失推定の基準信号は、基準信号セットにおける特定のインデックスによって示される下りリンク基準信号を意味する。
【0093】
いくつかの実施形態では、チャネル測定メトリックは、以下のもの、すなわち、BLER(ブロック誤り率)、RSRP(基準信号受信電力)、RSRQ(基準信号受信品質)、CQI(チャネル品質インジケータ)、チャネル容量、受信端における信号対雑音比、および信号対雑音比、のうちの少なくとも1つを含む。
【0094】
いくつかの実施形態では、アウトバウンドチャネルに関連付けられた目標電力は、目標電力セットにおける特定のインデックスによって示される目標電力である。目標電力セットは、ネットワークから第1の通信ノードに通信されてもよい。
【0095】
いくつかの実施形態では、アウトバウンドチャネルに関連付けられた目標電力は、1つのプリアンブル受信目標電力、または、1つのプリアンブル受信目標電力と下りリンク制御情報における送信電力コマンド(TPC)によって示される値との組み合わせである。
【0096】
いくつかの実施形態では、アウトバウンドチャネルに関連付けられた目標電力は、未提供であるか、またはデフォルト値を有する。いくつかの実施形態では、目標電力は、第1の通信ノード専用である。いくつかの実施形態では、(目標電力の)デフォルト値はゼロである。
【0097】
いくつかの実施形態では、アウトバウンドチャネルの閉ループ電力制御は、特定のインデックスを有する。いくつかの実施形態では、アウトバウンドチャネルの閉ループ電力制御は、ランダムアクセスプリアンブルに関連付けられた増大値、または、ランダムアクセスプリアンブルに関連付けられた増大値と下りリンク制御情報における送信電力コマンド(TPC)によって示される値との組み合わせである。いくつかの実施形態では、アウトバウンドチャネルの閉ループ電力制御は、リセットされる。いくつかの実施形態では、特定のインデックスは、ゼロ、または最低のインデックス、または最高のインデックスである。
【0098】
いくつかの実施形態では、以下の信号、すなわち、DL基準信号、UL基準信号、物理上りリンク制御チャネル、物理上りリンク共有チャネル、または電力制御パラメータ、の
うちの少なくとも1つに関連付けられた専用のパラメータは、未提供であるか、またはデフォルトである。
【0099】
いくつかの実施形態では、周期的もしくは半連続的なアウトバウンド基準信号は未送信であり、または、周期的もしくは半連続的なインバウンド基準信号もしくはインバウンドチャネルは未監視もしくは未受信である。
【0100】
いくつかの実施形態では、基準信号の空間関係は、ランダムアクセスプリアンブルに従って決定される。いくつかの実施形態では、基準信号は、コードブックのためのサウンディング基準信号または非コードブックのためのサウンディング基準信号である。
【0101】
いくつかの実施形態では、基準信号の擬似コロケーションは、ランダムアクセスプリアンブルに関連付けられた1つの下りリンク基準信号に従って決定され、基準信号は、非コードブックのためのチャネル状態情報基準信号である。
【0102】
いくつかの実施形態では、第1のタイプの無線ネットワーク仮識別子(RNTI)は、C-RNTIまたはTC-RNTIまたはRA-RNTIである。
【0103】
いくつかの実施形態では、「未提供」または「未構成」についての記載は、対応するパラメータがネットワークから受信されていないことを意味し得る。このようなパラメータは、基地局などのネットワークノードによって、ブロードキャストメッセージまたは端末に特有のメッセージの状態で、第1の通信ノードに送信されてもよい。
【0104】
図10は、ワイヤレス通信装置1000の一例のブロック図である。装置1000は、本明細書に記載されている技術のうちの1つを実現するように構成され得るプロセッサ1010と、アンテナ1020を使用して信号を送受信することができるトランシーバ電子機器1015と、プロセッサ1010によって実行可能な命令の格納および/またはデータの格納に使用され得る1つまたは複数のメモリ1005とを含む。装置1000は、本明細書に記載されているように、ネットワークノードまたは通信デバイスもしくは端末のさまざまな機能を実現し得る。たとえば、この装置は、スマートフォン、携帯型通信デバイス、コンピュータ、モノのインターネット(IoT)デバイス、または別のワイヤレス通信デバイスとして具体化されてもよい。代替的に、この装置は、複数のユーザデバイスへのワイヤレス接続を提供する基地局などのネットワークノードとして具体化されてもよい。
【0105】
図11は、ワイヤレス通信ネットワークの一例1100を示す図である。ネットワーク1100は、送信媒体1104を介して互いに通信することができる基地局BS1102および複数のユーザデバイス1106を含む。BS1102からデバイス1106への送信は、一般に下りリンク送信または下り送信と呼ばれる。デバイス1106からBS1102への送信は、一般に上りリンク送信または上り送信と呼ばれる。伝送媒体1104は、一般にワイヤレス(無線)媒体である。また、BS1102は、バックホールまたはアクセスネットワーク接続1112を介してネットワーク内の他の基地局または他の機器に通信可能に結合されてもよい。
【0106】
要約すると、開示されている実施形態のうちのいくつかによって提供される技術的解決策に基づいて、PUCCHおよび他の上りリンクチャネルの空間関係またはビーム情報は、UE側のリンク回復PRACHに従って決定され、PUCCHおよび他の上りリンクチャネルの上りリンク電力制御パラメータが決定される。このプロセスは、リンク回復プロセスが開始された後に基地局が上りリンクチャネルを効果的に受信できることを保証し、それによって、リンク回復プロセス全体の効果を保証して、システムの魅力を大幅に向上
させている。
【0107】
上記のステップの全てまたは一部が、リードオンリメモリ、磁気ディスクまたは光ディスクなどの関連付けられたハードウェアに指示するプログラムによって実現されてもよいということを当業者は理解するであろう。任意に、上記の実施形態のステップの全てまたは一部は、1つまたは複数の集積回路を使用して実現されてもよい。したがって、上記の実施形態における各モジュール/ユニットは、ハードウェアの形式で実現されてもよく、またはソフトウェア機能モジュールを使用して実現されてもよい。正式な実現。本発明は、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせの具体的形態に限定されるものではない。
【0108】
本発明は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく本発明の実施形態に対してさまざまな他の変形および変更を行ってもよい、ということを理解すべきである。対応する変更および変形は、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれるよう意図されている。
図1
図2
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図4
図5
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図7
図8
図9
図10
図11