(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-22
(45)【発行日】2024-04-01
(54)【発明の名称】自動挿入注射器
(51)【国際特許分類】
A61M 5/20 20060101AFI20240325BHJP
A61M 5/32 20060101ALI20240325BHJP
【FI】
A61M5/20 550
A61M5/20 510
A61M5/32 500
A61M5/20 572
A61M5/20 500
A61M5/32 510K
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022197842
(22)【出願日】2022-12-12
(62)【分割の表示】P 2020567084の分割
【原出願日】2019-06-07
【審査請求日】2023-01-11
(32)【優先日】2018-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502142703
【氏名又は名称】アンタレス・ファーマ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】スワンソン,ケビン
(72)【発明者】
【氏名】ホア,アーロン・ブイ
【審査官】上石 大
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/178237(WO,A1)
【文献】特表2014-526298(JP,A)
【文献】特表2016-508402(JP,A)
【文献】特表2010-540059(JP,A)
【文献】国際公開第2012/137803(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/20
A61M 5/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端部
と、遠位端部
と、戻り止め開口(61)とを有するハウジング
(32)と、
薬剤を内包する薬剤チャンバと、
前記ハウジングの内部
に位置するシェル
(52)であって、
前記薬剤チャンバの少なくとも一部を受容するための空洞を有し、前記ハウジングに対して初期位置から注入位置に移動可能であるシェル
(52)と、
前記注入位置にある前記シェル
(52)に対して移動可能であるラム
(58)と、
前記薬剤チャンバに対して移動可能であるプランジャ
(70)と、
突起(84)を備え、延長位置および退縮位置の間で移動可能である針ガード
(78)と、
第1の位置から第2の位置に移動可能である戻り止め(62)と、レッジ(85)とを備える、前記ハウジングの内部の第1の部材
(48)と、
前記ハウジングおよび前記シェルに結合された作動組立体と
を含む、注射器であって、
前記第1の部材(48)の前記戻り止め(62)は、前記第1の位置にある場合に、前記ハウジング(32)に対して前記第1の部材の位置を少なくとも一時的に保持するように、前記ハウジングの前記戻り止め開口(61)に係合し、
前記針ガード(78)の前記突起(84)は、前記針ガードが前記延長位置にある場合に、前記第1の部材(48)の前記戻り止め(62)を前記第1の位置に保持し、
前記針ガード
(78)は、前記針ガードが前記延長位置から前記退縮位置に動くときに、前記ハウジング
(32)に対して前記第1の部材
(48)を動かし、
前記作動組立体は、前記第1の部材
(48)が前記ハウジング
(32)に対して動くときに、前記シェル
(52)を前記初期位置から前記注入位置に動かし、
前記シェル
(52)が前記初期位置から前記注入位置に動かされるときに、前記ラム
(58)の位置は前記薬剤チャンバに対して固定され、
前記ラム
(58)は、前記シェル
(52)が前記注入位置にあるときに、前記プランジャ
(70)を前記薬剤チャンバに対して動かす、
注射器。
【請求項2】
前記針ガードの近位方向の動きは、前記第1の部材を前記ハウジングに対して近位方向に動かす、
請求項1に記載の注射器。
【請求項3】
前記シェルは、前記針ガードの動きに応答して前記ハウジングに対して動く、
請求項1に記載の注射器。
【請求項4】
前記シェルは、前記第1の部材が前記ハウジングに対して近位方向に動くときに、前記ハウジングに対して遠位方向に動く、
請求項2に記載の注射器
。
【請求項5】
前記針ガードは、前記針ガードが前記延長位置にあるときに、前記第1の位置から前記第2の位置への前記戻り止めの動きを防止する、
請求項
1に記載の注射器。
【請求項6】
前記ハウジングに固定された第2の部材、
を更に含み、
前記第2の部材は、前記ハウジングに対する前記シェルの動きを防止するために、前記シェルと係合可能なキャッチを含む、
請求項1に記載の注射器。
【請求項7】
前記第2の部材は、前記シェルを少なくとも部分的に囲む、
請求項
6に記載の注射器。
【請求項8】
前記シェルは、凹所を含み、
前記キャッチは、前記キャッチが第1の位置にあるときに、前記凹所の内部に配置される、
請求項
6に記載の注射器。
【請求項9】
前記キャッチは、第1の部材が前記ハウジングに対して動くときに、前記凹所から出る、
請求項
8に記載の注射器。
【請求項10】
前記作動組立体は、前記ハウジングおよび前記シェルに動作可能に関連付けられた第1の付勢要素を含み、
前記第1の付勢要素は、前記第1の部材が前記ハウジングに対して動くときに、前記シェルを前記ハウジングに対して前記初期位置から前記注入位置に動かす、
請求項1に記載の注射器。
【請求項11】
前記作動組立体は、前記シェルおよび前記ラムに動作可能に関連付けられた第2の付勢要素を含み、
前記第2の付勢要素は、前記シェルが前記注入位置にあるときに、前記ラムを前記シェルに対して動かす、
請求項
10に記載の注射器。
【請求項12】
前記シェルは、係合部材を含み、
前記係合部材は、ラムの動きを防止する係合位置から、前記ラムが前記シェルに対して動くことのできる係合解除位置に移動可能である、
請求項
11に記載の注射器。
【請求項13】
前記係合部材は、前記シェルが前記初期位置にあるときに、前記係合位置にあり、
前記係合部材は、前記シェルが前記注入位置にあるときに、前記係合解除位置にある、
請求項
12に記載の注射器。
【請求項14】
前記ハウジングに固定された第2の部材、
を更に含み、
前記第2の部材は、前記ハウジングに対する前記シェルの動きを防止するために、前記シェルと係合可能なキャッチを含み、
前記第2の部材は、前記シェルが前記初期位置にあるときに、前記係合位置から前記係合解除位置への前記係合部材の動きをブロックする、
請求項
12に記載の注射器。
【請求項15】
シリンジと、
第1の端部、第2の端部、前記第1の端部から前記第2の端部に延びる長手軸、および前記第1の端部から前記第2の端部に向けて延びる側壁、を有するシリンジホルダと
を更に含み、
前記側壁は、前記シリンジのための受容エリアを画定し、
前記側壁は、前記シリンジが前記シリンジホルダの側面から前記シリンジホルダの中に装填され得るように、側壁開口を含む、
請求項1に記載の注射器。
【請求項16】
前記シリンジは、前記シリンジホルダの後部開口を通して軸方向に動くことなく、前記シリンジホルダの中に装填される、
請求項
15に記載の注射器。
【請求項17】
針シールドは、前記シリンジに結合され、
前記シリンジは、前記針シールドを前記シリンジホルダに通過させることなく、前記シリンジホルダの中に装填される、
請求項
15に記載の注射器。
【請求項18】
前記側壁開口は、前記第1の端部から前記第2の端部に延びる、
請求項
15に記載の注射器。
【請求項19】
前記シリンジは、薬剤チャンバを画定するボディと、前記薬剤チャンバに流体結合された針と、前記針を受容する針シールドと、を含み、
前記針シールドは、針シールド直径を有し、
前記シリンジホルダは、前記針シールド直径より小さい端部壁開口直径を有する端部壁開口を有する端部壁を含む、
請求項
15に記載の注射器。
【請求項20】
前記シリンジは、前記シリンジの近位端部のシリンジフランジを含み、
前記シリンジが前記シリンジホルダに結合されるときに、前記シリンジの遠位端部は、前記端部壁に係合し、前記シリンジフランジは、前記側壁の前記第2の端部から離隔される、
請求項
19に記載の注射器。
【請求項21】
前記針シールドの近位端部と前記シリンジの前記遠位端部との間に配置される突起を有する針シールドリムーバを更に含む、
請求項
19に記載の注射器。
【請求項22】
前記ハウジングに結合されたキャップを更に含み、
前記針シールドリムーバは、前記キャップが前記ハウジングから結合解除されるときに、前記針シールドが取り外されるように、前記キャップに結合される、
請求項
21に記載の注射器。
【請求項23】
前記キャップは、前記針ガードを前記延長位置に少なくとも一時的に維持する、
請求項
22に記載の注射器。
【請求項24】
前記プランジャの動きは、薬剤を前記薬剤チャンバから前記針を通して押し出す、
請求項
19に記載の注射器。
【請求項25】
前記針ガードは、ロックアウト位置に移動可能であり、
前記針ガードは、前記針ガードが前記ロックアウト位置にあるときに前記針ガードの近位方向の動きを防止するためにロックアウト表面に係合する針ガードロックを含む、
請求項1に記載の注射器。
【請求項26】
前記針ガードロックは、前記針ガードが前記ロックアウト位置にあるときに、前記ロックアウト表面に係合するために、半径方向外向きに屈曲するロックアウトアームを含む、
請求項
25に記載の注射器。
【請求項27】
前記ハウジングに結合されたカラーを更に含み、
前記カラーは、前記ロックアウト表面を含む、
請求項
25に記載の注射器。
【請求項28】
前記カラーおよび前記針ガードに結合された付勢要素、
を更に含み、
前記付勢要素は、前記針ガードを前記延長位置に向けて付勢する、
請求項
27に記載の注射器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0002]本出願は、「Auto-Insert Injector」と題する、2018年6月8日に出願された米国仮特許出願第62/682,816号の利益を主張し、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0003]本発明は、概して注射器に関し、より詳細には、患者または使用者に針を自動挿入し得る注射器に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
[0004]一実施形態では、近位端部および遠位端部を有するハウジングと、シェルと、プランジャと、針ガードと、第1の部材と、作動組立体と、を含む注射器が存在する。シェルは、ハウジングの内部にあってもよく、薬剤チャンバの少なくとも一部を受容するための空洞を有することができる。シェルは、ハウジングに対して初期位置から注入位置に移動可能であってもよい。プランジャは、シェルに対して移動可能であってもよい。針ガードは、延長位置および退縮位置の間で移動可能であってもよい。第1の部材は、ハウジングの内部にあって、ハウジングに結合できる。作動組立体は、ハウジングおよびシェルに結合できる。針ガードは、針ガードが延長位置から退縮位置に動くときに、ハウジングに対して第1の部材を動かすことができる。作動組立体は、第1の部材がハウジングに対して動くときに、シェルを初期位置から注入位置に動かすことができる。作動組立体は、シェルが注入位置にあるときに、プランジャをシェルに対して動かすことができる。
【0004】
[0005]針ガードの近位方向の動きは、第1の部材をハウジングに対して近位方向に動かすことができる。シェルは、針ガードの動きに応答してハウジングに対して動くことができる。針ガードの動きは、注射器をトリガできる。シェルは、第1の部材がハウジングに対して近位方向に動くときに、ハウジングに対して遠位方向に動くことができる。第1の部材は、第1の位置から第2の位置に移動可能である戻り止めを含むことができる。戻り止めは、戻り止めが第1の位置にあるときに、第1の部材の動きを防止するために、ハウジングに係合できる。戻り止めは、戻り止めが第2の位置にあるときに、ハウジングから係合解除できる。針ガードは、針ガードが延長位置にあるときに、第1の位置から第2の位置への戻り止めの動きを防止できる。
【0005】
[0006]更なる実施形態では、注射器は、ハウジングに固定された第2の部材を含み、第2の部材は、ハウジングに対するシェルの動きを防止するために、シェルと係合可能なキャッチを含む。第2の部材は、シェルを少なくとも部分的に囲むことができる。シェルは、凹所を含むことができ、キャッチは、キャッチが第1の位置にあるときに、凹所の内部に配置できる。キャッチは、第1の部材がハウジングに対して動くときに、凹所から出ることができる。作動組立体は、ハウジングおよびシェルに動作可能に関連付けられた第1の付勢要素を含むことができる。第1の付勢要素は、第1の部材がハウジングに対して動くときに、シェルをハウジングに対して初期位置から注入位置に動かすことができる。作動組立体は、シェルおよびプランジャに動作可能に関連付けられた第2の付勢要素を含むことができる。第2の付勢要素は、シェルが注入位置にあるときに、プランジャをシェルに対して動かすことができる。シェルは、係合部材を含むことができ、この係合部材は、ラムの動きを防止する係合位置から、ラムがシェルに対して動くことのできる係合解除位置に移動可能である。係合部材は、シェルが初期位置にあるときに、係合位置にあってもよい。係合部材は、シェルが注入位置にあるときに、係合解除位置にあってもよい。
【0006】
[0007]更なる実施形態では、注射器は、ハウジングに固定された第2の部材を含み、第2の部材は、ハウジングに対するシェルの動きを防止するために、シェルと係合可能なキャッチを含む。第2の部材は、シェルが初期位置にあるときに係合位置から係合解除位置への係合部材の動きをブロックできる。更なる実施形態では、注射器は、シリンジおよびシリンジホルダを含む。シリンジホルダは、第1の端部と、第2の端部と、第1の端部から第2の端部に延びる長手軸と、第1の端部から第2の端部に向けて延びる側壁と、を含むことができる。側壁は、シリンジのための受容エリアを画定できる。側壁は、シリンジがシリンジホルダの側面からシリンジホルダの中に装填され得るように、側壁開口を含むことができる。シリンジは、シリンジホルダの後部開口を通して軸方向に動くことなく、シリンジホルダの中に装填できる。針シールドは、シリンジに結合でき、シリンジは、針シールドをシリンジホルダに通過させることなく、シリンジホルダの中に装填できる。側壁開口は、第1の端部から第2の端部に延びることができる。シリンジは、薬剤チャンバを画定するボディと、薬剤チャンバに流体結合された針と、針を受容する針シールドと、を含むことができる。針シールドは、針シールド直径を有することができる。シリンジホルダは、針シールド直径より小さい端部壁開口直径を備えた端部壁開口を有する端部壁を含むことができる。シリンジは、シリンジの近位端部のシリンジフランジを含むことができ、シリンジがシリンジホルダに結合されるときに、シリンジの遠位端部は、端部壁に係合し、シリンジフランジは、側壁の第2の端部から離隔される。
【0007】
[0008]更なる実施形態では、注射器は、針シールドの近位端部とシリンジの遠位端部との間に配置される突起を有する針シールドリムーバを含む。更なる実施形態では、注射器は、ハウジングに結合されたキャップを含む。針シールドリムーバは、キャップがハウジングから結合解除されるときに、針シールドが取り外されるように、キャップに結合できる。キャップは、針ガードを延長位置に少なくとも一時的に維持できる。プランジャの動きは、薬剤を薬剤チャンバから針を通して押し出すことができる。針ガードは、ロックアウト位置に移動可能であってもよく、針ガードは、針ガードがロックアウト位置にあるときに針ガードの近位方向の動きを防止するためにロックアウト表面に係合する針ガードロックを含むことができる。針ガードロックは、針ガードがロックアウト位置にあるときに、ロックアウト表面に係合するために、半径方向外向きに屈曲するロックアウトアームを含むことができる。更なる実施形態では、カラーは、ハウジングに結合され、カラーは、ロックアウト表面を含む。更なる実施形態では、付勢要素は、カラーおよび針ガードに結合され、付勢要素は、針ガードを延長位置に向けて付勢する。
【0008】
[0009]以下の自動挿入注射器の実施形態の詳細な説明は、例示的な実施形態の添付図面と併せて読むときに、より良く理解されるであろう。しかしながら、本発明が、示された正確な配置および手段に限定されないということを理解されたい。例えば、本明細書では明示的には述べられていないが、1つまたは複数の様々な開示された実施形態の特徴は、他の開示された実施形態に組み込まれてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】[0011]本発明の例示的な実施形態に従った注射器の斜視図である。
【
図2】[0012]
図1のハウジングの底部立面図である。
【
図3】[0013]
図1のキャップの上部斜視図である。
【
図4】[0014]ハウジングが取り外された
図1の注射器の斜視図である。
【
図5】[0015]
図1の注射器の内部組立体の分解図である。
【
図6】[0016]
図1の注射器の針ガードの斜視図である。
【
図7】[0017]
図1の注射器のシリンジ組立体の分解斜視図である。
【
図8】[0018]
図1のシリンジキャリアの上部平面図である。
【
図9】[0019]
図1のシリンジキャリアの斜視図である。
【
図10】[0020]
図1の針シールドリムーバの斜視図である。
【
図11】[0021]
図1の注射器のシリンジ組立体および針シールドリムーバの斜視図である。
【
図12】[0022]A-A線を含む平面に沿って取った
図1の注射器のシリンジ組立体、針シールドリムーバ、および、キャップの断面図である。
【
図13】[0023]発射前構成のA-A線を含む平面に沿って取った
図1の注射器の断面図である。
【
図14】[0024]B-B線を含む平面に沿って取った
図1の注射器の断面図である。
【
図16】[0026]針ガードが退縮構成である
図1の注射器の断面図である。
【
図18】[0028]注入構成の
図1の注射器の断面図である。
【
図21】[0031]シェルが注入位置にある
図1の注射器の断面図である。
【
図23】[0033]発射構成の注射器の一部の拡大図である。
【
図24】[0034]ロックアウト構成の
図1の注射器の断面図である。
【
図26】[0036]本発明の別の例示的な実施形態に従った準備位置の第2の部材、第1の部材、および、シェルの拡大断面図である。
【
図27】[0037]準備位置から発射位置への移行中の
図26の第2の部材、第1の部材、および、シェルの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0038]詳細に図面を参照すると、同様の参照番号は、全体にわたって同様の要素を指しており、
図1~27には、本発明の例示的な実施形態に従って、全体的に30と指示された注射器が示されている。いくつかの実施形態では、注射器30は、活動化に応答して患者または使用者に針を自動挿入するように構成される。
【0011】
[0039]注射器30は、薬剤を使用者または患者に注入するように構成できる。注射器30は、シリンジを受容するように構成でき、あるいは、注射器は、薬剤チャンバを含むことができる。薬剤は、例えば、それらに限定されないが、ジアゼパム、ハロペリドール、ロラゼパム、メトトレキサート、テストステロン、または、組換え型ヒトパピローマウイルス4価であることがある。注射器30は、薬剤を皮下にまたは筋肉内に送達するように構成できる。注射器30は、選択された挿入深さまで針を挿入するように構成できる。注射器30は、退縮式の針ガードを含むことができ、挿入深さは、退縮式の針ガードの進行長さに依存しないようにできる。注射器30は、外部ハウジングに挿入可能な内部組立体を含むことができ、内部組立体は、外部ハウジングを内部組立体に結合する前に、組立てできる。注射器30は、薬剤を針を通して送達する前に、針をハウジングに対して挿入深さまで動かすことができる。注射器30は、針シールドの後面の一部と係合するように構成された針シールドリムーバを含むことができる。針シールドリムーバは、内部組立体の一部にできる。内部組立体は、針シールドリムーバが、注射器30の組立てを完了する前に、針シールドの後面と係合する、ということを視覚的に確認することを可能にすることができる。
【0012】
[0040]
図1~5を参照すると、注射器30は、ハウジング32を含むことができる。ハウジング32は、内部組立体36を少なくとも部分的に受容するための空洞を含む(
図4~5)。内部組立体36は、針をハウジング32に対して動かして、薬剤をリザーバから針の外に排出するように構成できる。1つまたは複数の整列構造部37(例えば、突起ま
たは隆起)は、ハウジング32の内部空洞内にすることができる。整列構造部37は、内部組立体36をハウジング32に対して整列できる。いくつかの実施形態では、ハウジング32は、シリンダ状の外部形状を有する。他の実施形態では、ハウジング32は、表面上に配置されたときに注射器30が回るのを防止するように構成された外部形状を有する。注射器30は、ハウジング32の近位端部33から遠位端部35に延びる長手軸31を含むことができる。
【0013】
[0041]
図3~4および13を参照すると、注射器30は、(例えば、製造中、搬送中、または、意図した使用の前の)意図しない針ガードの退縮または意図しない針の露出を防止するように構成されたキャップ34を含むことができる。キャップ34は、ハウジング32またはカラー38(
図13)に取り外し可能に結合できる。キャップ34は、(例えば、キャップ34を、ハウジング32またはカラー38に対して、引くこと、押すこと、または、捩ることによって)ハウジング32またはカラー38から結合解除することができる。キャップ34およびカラー38の少なくとも一方は、キャップ34およびカラー38の他方の突起または嵌合ねじ山41を受容するための凹所またはねじ山39を含むことができる。キャップ34は、キャップが注射器に取り付けられて注射器が表面に配置されるときに、注射器30が回るのを防止するために形状付けおよび寸法決めすることができる。カラー38は、ハウジング32(例えば、スナップ嵌合を介して)の第2の開口120によって受容されるように構成されたカラー突起118(
図4)を含むことができ、それによって、カラー38をハウジング32に固定する(
図14)。キャップ34は、レシーバ43を含むことができる。レシーバ43は、より詳細に下で説明されるように、針シールドリムーバに結合するように構成できる。
【0014】
[0042]
図5を参照すると、注射器30は、内部組立体36を含むことができる。内部組立体36は、ハウジング32に対してシリンジを動かして、シリンジから使用者または患者に薬剤を送達するように構成できる。内部組立体36は、第1の部材48、第2の部材40、および、シェル52を含むことができる。内部組立体36は、ラム58ならびに、ハウジング32に対してシェル52およびラム58のうちの少なくとも一方を動かすように構成された作動組立体を含むことができる。第1の部材48、第2の部材40、シェル52、および、ラム58は、ハウジング内で互いの中に入れ子にすることができる。内部組立体36のいくつかの部品は、ハウジング32に固定でき、他方、他の部品は、ハウジング32に対して移動可能である。第2の部材40は、ハウジング32に対して固定でき、第1の部材48は、第2の部材40およびハウジング32に対して移動可能であってもよい。
【0015】
[0043]
図1、4、および13を参照すると、いくつかの実施形態では、第2の部材40は、ハウジング32のアパーチャ44(
図1)に配置される突起42(
図4)によってハウジング32に固定される。他の実施形態では、第2の部材40は、ハウジング32の突起を受容するように構成されたアパーチャを含む。突起42は、スナップ嵌合を介してハウジング32に結合できる。他の実施形態では、第2の部材40は、接着剤、溶接、または締結具を介してハウジング32に固定される。
【0016】
[0044]
図4、15、および19を参照すると、第2の部材40は、第1のアーム46またはキャッチを含むことができる。第1のアーム46は、ハウジング32に対するシェル52の動きに係合してそれを防止することができる。第1のアーム46は、第1の位置(
図15)から第2の位置(
図19)に移動するように構成できる。第1のアーム46は、アームが第1の位置から第2の位置に動くときに、半径方向外向きにたわむことができる。いくつかの実施形態では、第1のアーム46は、第2の位置に向けて付勢されるが、第1の部材48は、第1のアーム46の動きを、注射器30が活動化されるまでブロックする。他の実施形態では、第1のアーム46は、第1の位置で静止しているが、ハウジング
32に対するシェル52の動きは、第1のアーム46を第1の位置から第2の位置に強制する。
【0017】
[0045]
図4~5を参照すると、第1の部材48は、第2の部材40を少なくとも部分的に受容するように構成できる。第2の部材40の第1のアーム46は、第2の部材40が第1の部材48によって受容されるときに、第1の位置にすることができる。第1の部材48は、第1の部材48が第1のアーム46の動きをブロックするように、第2の部材40を少なくとも部分的に囲むことができる。第1の部材48は、ハウジング32または第2の部材40に対して移動可能(例えば、軸方向に並進可能、回転可能)であってもよい。第1の部材48は、凹所または開口50を含むことができる。第1のアーム46は、第1のアーム46が開口50と整列するときに、第1の位置から第2の位置に動くことができる。開口50は、第1の部材48が第2の部材40に対して動くときに、第1のアーム46と整列できる。第2の部材40は、第1の部材48が第2の部材40に対して動くときに、ハウジング32に対して固定されたままにできる。
【0018】
[0046]
図1および15を参照すると、安全装置140は、注射器30が安全な状態にあるときに、開口50に配置できる。安全装置140は、ハウジング32の開口を通って延びることができる。安全装置140は、安全装置140が軸線31に沿って軸方向に動くのを防止されるように、ハウジング32の開口の側壁に係合できる。安全装置140は、ハウジング32に取り外し可能に結合できる。安全装置140は、第1の部材48の軸方向の動きを防止できる。安全装置140は、注射器30が本明細書で説明されたように活動化され得るように、ハウジング32から手動で取り外すことができる。いくつかの実施形態では、安全装置140は、製造中にハウジング32に結合され、また、いったん注射器30が組み立てられると取り外される。安全装置140は、注射器30が使用者に提供される前に、取り外すことができる。他の実施形態では、安全装置140は、注射器30を使用する前に、使用者によって取り外される。
【0019】
[0047]
図1および
図4~5を参照すると、第1の部材48は、戻り止め62を含むことができる。戻り止め62は、第1の部材48に対して、第1の位置(例えば、弛緩位置)から第2の位置(例えば、半径方向屈曲位置)に移動可能であってもよい。戻り止め62は、第1の部材48から延びる片持ち式アームを含むことができる。戻り止め62は、より詳細に下で説明されるように、ハウジング32(
図1)の第1の戻り止め開口61または第2の戻り止め開口63の側壁に係合するように構成できる。
【0020】
[0048]
図4~5および15を参照すると、シェル52は、シリンジキャリアに結合されるように構成できる。シェル52は、ハウジング32に対して初期位置(
図13)から注入位置(
図18)まで移動可能であってもよい。シェル52は、ハウジング32と共に配置できる。第2の部材40は、シェル52を少なくとも部分的に囲むことができる。シェル52は、その外面の第1の凹所54を含むことができる。第1の凹所54は、シェル52の側壁を通って延びることができる。第1の凹所54は、シェル52を第2の部材40に対して少なくとも一時的に固定するために、第2の部材40の第1のアーム46の一部を受容するように構成できる。第1のアーム46は、第1のアーム46が第1の位置にあるときに、凹所54内に配置できる。
【0021】
[0049]依然として
図4~5および15を参照すると、シェル52は、ハウジング32または第2の部材40に対して移動可能(例えば、軸方向に並進可能、回転可能)であってもよい。第1のアーム46は、シェル52がハウジング32に対して動くのを防止するために、第1の凹所54の側壁と係合できる。少なくとも1つの凹所54および第1のアーム46は、シェル52の軸方向の動きが第1のアーム46の半径方向の動きを引き起こすように、面取りした縁部を有することができる。
【0022】
[0050]依然として
図4~5および13を参照すると、シェル52は、ラム58を少なくとも部分的に受容するように構成された内部凹所66または空洞を含むことができる(
図13)。いくつかの実施形態では、内部凹所66は、シリンジ72を受容するように構成される。他の実施形態では、内部凹所66は、薬剤チャンバを画定する。シェル52は、ラム58を発射前位置に少なくとも一時的に保つように構成された係合部材68を含むことができる。シェル52は、シェル52の周囲に円周方向に離隔された複数の係合部材68を含むことができる。係合部材68は、ラム58の動きを少なくとも一時的にブロックする可撓性アームを含むことができる。係合部材68は、半径方向外向きに付勢できる。係合部材68は、係合部材がラム58の動きを防止する係合位置(
図13)と、ラム58がシェル52に対して動くことのできる係合解除位置(
図22)と、の間で移動可能であってもよい。第2の部材40は、係合位置および係合解除位置間の係合部材68の動きを防止できる。係合部材68は、シェル52が初期位置にあるときに、係合位置にすることができる。係合部材68は、シェル52が注入位置にあるときに、係合解除位置にすることができる。
【0023】
[0051]
図4~5および13を参照すると、ラム58は、注射器30が発射前構成にあるときに、係合部材68に係合するように構成されたリム64を含むことができる(
図13)。ラム58は、プランジャ70に係合するように構成できる。プランジャ70は、ラム58が薬剤を薬剤チャンバ(例えば、事前充填シリンジの中)から外に針74を通して患者または使用者の中に強制するためにシェル52に対して動くときに、シェル32に対して動くことができる。リム64は、リム64が薬剤チャンバに入ることができないように、薬剤チャンバの内径より大きい直径を有することができる。ラム58のリム64は、プランジャ70が薬剤チャンバの端部にあるときに、シリンジ72のフランジ106から離隔できる。
【0024】
[0052]
図5および13を参照すると、注射器30は、シェル52を初期位置から注入位置に動かすように構成された作動組立体を含むことができる。作動組立体は、ハウジング32およびシェル52に結合できる。作動組立体は、ハウジング32およびシェル52に動作可能に関連付けることができる。作動組立体は、第1の付勢要素56を含むことができる。第1の付勢要素56は、ハウジング32およびシェル52に動作可能に関連付けることができる。第1の付勢要素56は、シェル52を注射器30の遠位端部35に向けてうながすことができる。
【0025】
[0053]依然として
図13を参照すると、作動組立体は、第2の付勢要素76を含むことができる。作動組立体は、第1の付勢要素56および第2の付勢要素76を含むことができる。第2の付勢要素76は、シェル52の内部凹所66内に配置できる。第2の付勢要素76は、シェル52およびラム58に動作可能に関連付けることができる。第2の付勢要素76は、ラム58が注射器30の遠位端部35に向けて付勢されるように、ラム58のリム64およびシェル52の端部と係合できる。いくつかの実施形態では、第2の付勢要素76は、シェル52が注入位置にあるまで、ラム58を動かさない。作動組立体は、シェル52が注入位置にあるときに、シェル52に対してプランジャ70の動きを引き起こすことができる。
【0026】
[0054]
図13を参照すると、シェル52の内部凹所66は、第1の部分66aおよび第2の部分66bを含むことができる。第2の部分66bは、第1の部分66aの近位にすることができる。第1の部分66aは、ラム58およびリム64の一部を受容するように構成できる。第2の部分66bは、ラム58の近位端部および第2の付勢要素76を受容するように構成できる。第2の部分66bは、第1の部分66aより小さい直径を有することができる。第1の部分66aは、第2の部分66bより長い軸方向長さを有すること
ができる。
【0027】
[0055]
図6、14、および20を参照すると、注射器30は、針ガード78を含むことができる。針ガード78は、注射器30が使用されていないときに、針74を囲むことができる。針ガード78は、ハウジング32に対して、延長位置(
図14)から退縮位置(
図20)に移動可能であってもよい。針ガード78は、使用者によって動かされるように構成でき、その場合、針ガード78の遠位端部は、注入部位に対して(例えば、使用者の皮膚に対して)配置され、力は、針ガード78がハウジング32に対して近位方向に動くように、注射器30の遠位端部に加えられる。針ガード78は、ベース80を含むことができる(
図6)。ベース80の少なくとも一部は、注射器30が発射前構成にあるときに、ハウジング32から延びることができる。針ガード78は、ベース80から延びる脚部82を含むことができる。脚部82は、より詳細に下で説明されるように、第1の部材48の戻り止め62と係合するように構成された針ガード突起84を含むことができる。脚部82は、第1の部材48と係合するように構成された係合面83を含むことができる。係合面83は、脚部82の近位端部にあることができる。針ガード78の脚部82は、シェル52のリム93(
図4)の開口91を通って延びることができる。リム93は、脚部82の整列を維持できる。リム93は、針ガード78の脚部82の望ましくない屈曲を防止できる。
【0028】
[0056]
図6を参照すると、針ガード78は、注射器30が始動された後、ハウジング32に対する針ガード78の遠位方向の動きを制限するために、ハウジング32またはカラー38の突起または凹所に係合するように構成された制限部86を含むことができる。針ガード78は、針ガード78の意図しない動きを防止するために、キャップ34の構造部(例えば、ねじ山や別の突起)に係合するように構成されたキャップ係合構造部88(
図6)を含むことができる。針ガード78は、キャップ34がハウジング32および針ガード78に結合されるとき、ハウジング32に対して軸方向に固定できる。針ガード78は、注射器30が発射されるときに針74がそこを通過することを可能にするように構成された開口92を含むことができる。針ガード78は、より詳細に下で説明されるように、注射器30が発射された後、カラー38(
図25)のロックアウト開口96に配置されるように構成されたロックアウトアーム94(
図6)を含むことができる。
【0029】
[0057]
図7を参照すると、注射器30は、シリンジ72(例えば、事前充填シリンジ)を含むことができる。シリンジ72は、薬剤チャンバを画定するボディ100と、ボディ100に隣接する首部102と、を含むことができる。ボディ100は、第1の直径を有することができ、首部102は、第2の直径を有することができる。第1の直径は、第2の直径より大きくできる。針74は、首部102に結合できる。針74は、薬剤チャンバと流体連通できる。プランジャ70は、薬剤チャンバ内に配置できる。プランジャ70は、薬剤を薬剤チャンバから針74を通して外に排出するために、薬剤チャンバに対して動くことができる。シリンジ72は、シリンジフランジ106を含むことができる。シリンジフランジ106は、ボディ100より大きい直径を有することができる。
【0030】
[0058]
図7~11を参照すると、シリンジ72は、シリンジホルダ98内に配置できる。シリンジホルダ98は、シリンジ72がシリンジホルダ98の側面から装填できるように、C形状または部分的なシリンダ形状を含むことができる。シリンジホルダ98は、第1の端部99および第2の端部101を含むことができる。側壁103は、第1の端部99から第2の端部101に延びることができる。側壁103は、シリンジ72のための受容エリアを画定できる。側壁103は、第1の端部99から第2の端部101に向けて延びる開口を含むことができる。側壁開口は、第1の端部99から第2の端部101に延びることができる。シリンジ72は、シリンジ72がシリンジホルダ98の側面からシリンジホルダ98内に装填され得るように、側壁開口を通って動かすことができる。シリンジ
72は、シリンジホルダ98の後部開口を通してシリンジ72を軸方向に動かすことなく、シリンジホルダ98内に装填できる。シリンジ72は、針シールド108をシリンジホルダ98に通すことなく、シリンジホルダ98内に装填できる。いくつかの実施形態では、シリンジ72は、シリンジホルダ98内にスナップ嵌合される。いくつかの実施形態では、側壁103は、シリンジ72が側壁開口を通って動くときに、側壁103が弾性的に変形するように、可撓性を有する。
【0031】
[0059]依然として
図7~9を参照すると、シリンジホルダ98は、首部102に隣接するシリンジ72のボディ100の端部に係合するように構成された端部壁104を含むことができる。端部壁104は、シリンジホルダ98の側壁103から半径方向内向きに延びることができる。端部壁104は、注射器30が発射されるときにシリンジホルダ98に対するシリンジ72の動きを制限または防止できる。端部壁104は、シリンジ72の首部102を受容するように構成された端部壁開口107を含むことができる。端部壁開口107のサイズは、端部壁104の一部がシリンジ71の下側部分に接触するように選択できる。端部壁開口107は、少なくとも180度の弧に外接する開口を含むことができる。端部壁開口107は、約0.254cm(0.1インチ)、約0.381cm(0.15インチ)、約0.508cm(0.2インチ)、約0.762cm(0.3インチ)、約1.016cm(0.4インチ)、または、約1.27cm(0.5インチ)の半径を有する弓形部分113(
図9)を含むことができる。端部壁開口107は、弓形部分113に接する直線部分115を含むことができる。シリンジ72の首部102は、シリンジ72がシリンジホルダ98内にあるときに、弓形部分113および直線部分115によって係合できる。端部壁開口107は、面取りした縁部117を含むことができる。面取りした縁部117は、使用者または製造業者がシリンジ72の首部を端部壁開口107に装填することを容易にするためのリードインを提供できる。端部壁104は、剛性を有することができる。
【0032】
[0060]依然として
図7~9を参照すると、シリンジホルダ98は、シリンジホルダアーム105を含むことができる。シリンジホルダアーム105は、シリンジ72を保持するように構成されたリップ111を含むことができる。シリンジフランジ106は、シリンジホルダ98のリップ111および第2の端部101間に配置できる。シリンジフランジ106は、シリンジ72がシリンジホルダ98に結合されるときに、シリンジホルダ98の第2の端部101から離隔できる。シリンジホルダ98の第2の端部101からのシリンジフランジ106の離隔は、シリンジ72の破損を低減または排除するために、シリンジホルダ98に対するシリンジフランジ106の任意の衝撃を低減または排除できる。シリンジホルダ98は、たとえシリンジ72が破損しても、シリンジ72を保持できる。シリンジホルダ98は、シェル52に対してシリンジホルダ98を固定するために、シェル52の隆起部126(
図4および13)と係合するように構成された締結具124を含むことができる。締結具124は、隆起部126にスナップ嵌合できる。アーム105は、シェル52の隆起部126と係合するための締結具124と、シリンジフランジ106と係合するためのリップ111と、を含むことができる。
【0033】
[0061]
図7~11を参照すると、針シールド108は、注射器30が発射前構成にあるときに、針74をカバーできる。針シールド108は、シリンジホルダ98の端部壁開口107の直径より大きい外径を有することができる(
図8~9)。針シールド108は、シリンジボディ100の直径と等しいかまたはより大きい外径を有することができる。端部壁開口107は、ボディ100の外径より小さい直径を有することができる。端部壁開口107の直径は、針シールド108の外径より小さくすることができる。
【0034】
[0062]既存のシリンジホルダは、管形状を含むことができ、シリンジおよび針シールドは、シリンジホルダの一端の開口を通って軸方向に移動する。既存の端部装填式シリンジ
ホルダで使用される針シールドは、シリンジよりも直径を小さくしなければならず、その理由は、針シールドが、シリンジホルダの開口を通過しなければならないからである。
【0035】
[0063]対照的に、シリンジホルダ98は、シリンジ72より大きい直径を有する針シールド108と共に使用でき、その理由は、針シールド108が、側面からシリンジホルダ98の中にシリンジ72が装填されるときに、シリンジホルダ98または端部壁開口107を通過しないからである。シリンジ72は、シリンジホルダ98の中にスナップ嵌合できる。
【0036】
[0064]
図10~11を参照すると、注射器30は、針シールドリムーバ110を含むことができる。針シールドリムーバ110は、針シールド108が針シールドリムーバ110の側面から装填できるように、C形状または部分的なシリンダ形状を含むことができる。針シールド108は、針シールドリムーバ110にスナップ嵌合できる。針シールドリムーバ110は、針シールド108の受容エリアを画定する側壁119を含むことができる。側壁は、針シールドが側壁開口を通して側面から装填され得るように、側壁開口を含むことができる。側壁119は、首部121を含むことができる。首部121は、針シールド108が針シールドリムーバ110の中に装填されるときに、針シールド108上にスナップ嵌合できる。シリンジ72および針シールド108は、シリンジホルダ98および針シールドリムーバ110の中に同時に装填できる。シリンジ72および針シールド108は、シリンジホルダ98および針シールドリムーバ110の中に同時に側面装填できる。
【0037】
[0065]依然として
図10~11を参照すると、針シールドリムーバ110は、それの遠位端部の円周カラー112を含むことができる。針シールド108の端部は、円周カラー112の中に装填でき、針シールド108が針シールドリムーバ110の中に装填されるときに、針シールド108および針シールドリムーバ110間に何らかの相対回転があってもよい。いくつかの実施形態では、針シールド108の遠位端部は、針シールド108の近位端部が針シールドリムーバ110の中に装填される前に、針シールドリムーバ110の中に装填される。針シールドリムーバ110の側壁119または他の構造部の厚さは、針シールドリムーバ110が、針シールドリムーバ110の外形寸法を変更せずに、異なったサイズの針シールド108を受容できるように選択できる。
【0038】
[0066]依然として
図10~11を参照すると、針シールドリムーバ110は、リムーバアーム114を含むことができる。リムーバアーム114は、針シールド108の近位端部と係合するように構成できる。リムーバアーム114は、針シールド108およびシリンジ72のうちの少なくとも一方の直径より小さい直径を有する突起開口115を含むことができる。リムーバアーム114は、針シールド108の近位端部の表面積の約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、または、約80%に係合するように構成できる。リムーバアーム114および端部壁104は、針シールド108の端部(例えば、近位端部)と、首部102に隣接するシリンジ72の端部(例えば、遠位端部)と、の間に配置できる(
図11)。
【0039】
[0067]
図3および
図11~12を参照すると、針シールドリムーバ110は、キャップ34と係合するように構成されたリムーバアーム116を含むことができる。リムーバアーム116は、キャップ34のレシーバ43の中にスナップ嵌合するように構成できる(
図1および12)。リムーバアーム116は、それの端部に突起を有する可撓性片持ち梁にすることができる。突起は、針シールドリムーバ110がキャップ34に対して固定されるように、キャップ34のレシーバ43のレッジに係合するように構成できる。いくつかの実施形態では、針シールド108は、針シールドリムーバ110がキャップ34に結合される前に、針シールドリムーバ110に結合できる。他の実施形態では、針シールド
108は、針シールド108が針シールドリムーバ110に結合される前に、キャップ34に結合される。いくつかの実施形態では、針シールド108は、シリンジ72がシリンジホルダ98に結合される前に、針シールドリムーバ110に結合される。
【0040】
[0068]
図13~15を参照すると、いくつかの実施形態では、注射器30は、発射前状態で使用者に提供される。他の実施形態では、注射器30は、安全な構成で提供され、使用者は、安全装置140を取り外すことによって、注射器30を発射前の構成に動かすことができる。キャップ34は、キャップ34がハウジング32から切り離されるように、ハウジング32に対してキャップ34を引くことまたは捩ることによって、取り外すことができる。針シールド108は、キャップ34が取り外されるとき、針シールドリムーバ110がキャップ34に結合されているという理由で、針74およびシリンジ72から切り離すことができる。針ガード78は、キャップ34がハウジング32から取り外されるときに、ハウジング32に対して移動可能であってもよい。
【0041】
[0069]
図13~15を参照すると、針ガード78の脚部82の針ガード突起84は、注射器30が発射前構成にあって、針ガード78が延長位置にあるときに、第1の部材48の戻り止め62に隣接して配置できる(
図15)。戻り止め62は、注射器が発射前構成にあるときに、第1の位置にすることができる。針ガード突起84は、針ガード78が延長位置にあるときに、第1の戻り止め位置から第2の戻り止め位置への戻り止め62の半径方向の動きを防止できる。戻り止め62は、戻り止め62が第1の位置にあるときに、第1の部材48の動きを防止するために、ハウジング32(例えば、第1の戻り止め開口61の側壁)に係合できる。戻り止め62は、戻り止め62が第2の位置にあるときに、ハウジング32から係合解除(例えば、半径方向内向きに湾曲)できる。
【0042】
[0070]
図16~17を参照すると、脚部82の係合面83は、使用者が針ガード78の遠位端部を注入部位に対して押圧して、針ガード78がハウジング32に対して延長位置から退縮位置に向けて動くときに、第1の部材48のレッジ85に接触できる。いくつかの実施形態では、使用者は、針ガード78をハウジング32に対して動かすことによって、トリガシーケンスを実行に移す。いくつかの実施形態では、針ガード78は、注射器30を活動化させるトリガである。いくつかの実施形態では、針ガード78の動きは、ある用量の薬剤を使用者に送達するために、注射器30をトリガする。針ガード突起84は、針ガード78がハウジング32に対して動くときに、第1の部材48の戻り止め62の長さに沿って動くことができる。針ガード突起84は、係合面83が、戻り止め62が第1の位置から第2の位置に動くことができるように、レッジ85に接触するとき、戻り止め62の動きをもはやブロックしないようにできる。
【0043】
[0071]
図16~17を参照すると、針ガード78は、係合面83が係合面85に接触した後、針ガード78が近位方向に動き続けるので、第2の部材40を動かすことができる。針ガード78の近位方向の動きは、第2の部材40を近位方向に動かすことができる。第1の部材48の戻り止め62は、第2の部材40がハウジング32に対して近位方向に動くときに、第1の戻り止め開口61から第2の戻り止め開口63に動くことができる。戻り止め62は、第1の位置、第2の位置、および、第3の位置の間で移動可能であってもよい。戻り止め62は、第1の位置で第1の戻り止め開口61内にすることができる。戻り止めは、第2の位置で第1の戻り止め開口61から取り外すことができる。戻り止め62は、第3の位置で第2の戻り止め開口63内にすることができる。第2の部材40の第1のアーム46は、第1の部材48がハウジング32に対して近位方向に動くときに、第1の部材48の開口50と整列できる。第1のアーム46は、開口50が第1のアーム46と整列するときに、シェル52の第1の凹所54から出ることができる。
【0044】
[0072]
図18~19を参照すると、第1の付勢要素56は、第1のアーム46がシェル
52の第1の凹所54から係合解除するとき、シェル52を動かすことができる。第1の付勢要素56は、シェル52を遠位に動かすことができる。第1の付勢要素は、第1の部材48がハウジング32に対して動くときに、シェル52をハウジング32に対して初期位置から注入位置に動かすことができる。針ガード78および第1の部材48の近位方向の動きは、シェル52の遠位方向の動きを引き起こすことができる。シェル52、ラム58、シリンジ72、および、シリンジホルダ98は、第1の付勢要素56がシェル52を動かすときに、ハウジング32に対して遠位方向に動くことができる。針74は、シェル52が注入位置に動くときに、針ガード78の開口92を通って延びることができる。
【0045】
[0073]
図20を参照すると、注射器30は、針ガード78の開口92を通って延びる針74の長さによって画定される挿入深さを有することができる。いくつかの実施形態では、針74の挿入深さは、約5mm、約10mm、約15mm、約16mm、約20mm、約25mm、約30mm、約35mm、約40mm、約45mm、または、約50mmである。いくつかの実施形態では、針74の挿入深さは、約5mmから約10mm、約10mmから約15mm、約15mmから約20mm、約20mmから約25mm、約25mmから約30mm、約30mmから約35mm、約35mmから約40mm、約40mmから約45mm、または、約45mmから約50mmである。いくつかの実施形態では、針ガードは、約1mm、約2mm、約3mm、約4mm、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、約10mm、約11mm、約12mm、約13mm、約14mm、または、約15mm進行するように構成される。1つの実施形態では、針は、約1mmから約5mmまたは約5mmから約10mmの針ガードの進行に応答して、針ガード78の遠位端部から約20mmから約25mm延びることができる。挿入深さは、針ガード78の進行長さに依存しなくてもよい。シェル52は、シリンジホルダ98の端部壁104がカラー38のリム128に係合するまで遠位方向に移動できる(
図20)。シェル52は、シリンジホルダ98がカラーのリム128に係合するときに、注入位置にすることができる。いくつかの実施形態では、シリンジ72に対するラム58の位置は、シェル52が注射器30の遠位端部に向けて動くときに、薬剤が射出されないように固定される。他の実施形態では、ラム58は、シリンジホルダ98がリム128に係合する前に、シリンジ72に対して動き始めることができる。
【0046】
[0074]
図21~22を参照すると、シェル52の係合部材68は、シェル52が注入位置にあるときに、第2の部材40の遠位に配置できる。係合部材68は、係合部材68が第2の部材40を超えて動くときに、半径方向外向きに動くことができる。係合部材68の動きは、係合部材68をラム58のリム64から係合解除できる。第2の付勢要素76は、リム64がもはや係合部材68と係合していないときに、ラム58を注射器30の遠位端部に向けて動かすことができる。係合部材68は、拘束構成から拡張構成に移動可能であってもよい。係合部材68は、係合部材68が第2の部材40によって画定される凹所内にあるとき、拘束構成にすることができる。係合部材68は、係合部材68が第2の部材40の遠位端部130を外して、係合部材68が第2の部材40によってもはや拘束されなくなったときに、半径方向外向きに拡張構成に動くことができる。係合部材68は、リム64と接触していないことがあり、あるいは、係合部材68が拡張構成にあるときにラム58の遠位移動を可能にできる。いくつかの実施形態では、第2の付勢要素76は、シェル52が注入位置にあるまで膨張し始めない。
【0047】
[0075]
図22を参照すると、第2の付勢要素76は、ラムを遠位方向に動かすために、力をラム58のリム64に適用できる。第2の付勢要素76は、シェル52の係合部材68が拡張構成にあるときに、ラム58を動かすことができる。ラム58は、薬剤をシリンジ72から針74を通って使用者または患者に分配するために、プランジャ70を動かすことができる。いくつかの実施形態では、ラム58は、ラム58の動きの前にプランジャ70から離隔される。他の実施形態では、ラム58は、ラム58の動きの前に、プランジ
ャ70に関連付け(例えば、接触、または、極めて接近)られる。ラム58は、薬剤の全部、大部分、または、一部をシリンジ72から分配するために、プランジャをシリンジ72の端部に動かすことができる。
【0048】
[0076]
図21および23を参照すると、第3の付勢要素122は、針ガード78内に配置できる。第3の付勢要素122は、針ガード78およびカラー38と動作可能に関連付けることができる。第3の付勢要素122は、針ガード78を延長位置に向けて付勢できる。第3の付勢要素122は、針ガード78がハウジング32に対して近位方向に動くときに、圧縮できる。針ガード78は、ハウジング32に対して、約1mm、約2mm、約3mm、約4mm、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、約10mm、約11mm、約12mm、約13mm、約14mm、または、約15mm、軸方向に並進するように構成できる。針74は、針ガード78が最初に延長構成から動かされるときに、針ガード78によって画定された凹所内に依然としてあるようにできる(
図16)。針74の端部は、針ガード78が退縮位置に動くときに、露出できる(
図21)。第3の付勢要素122は、針ガード78を延長位置に向けて付勢できる。いくつかの実施形態では、シリンジ72またはシリンジキャリア98の進行は、第3の付勢要素122によって妨げられず、または、緩衝されない。
【0049】
[0077]
図4および
図24~25を参照すると、注射器30は、薬剤がシリンジ72から分配された後、注入部位から取り外すことができる。針ガード78は、注射器30が活動化されて注入部位から取り外された後、ロックアウト位置に移動可能であってもよい。第3の付勢要素122は、針ガードが注入部位ともはや接触していないときにまたは針ガード78が注入部位にもはや押し付けられていないときに、針ガード78を延長ロックアウト位置に移動できる。第3の付勢要素122は、針ガード78をハウジング32に対して遠位に移動できる。針ガード78は、注射器が発射前の延長位置にあるときよりも、針ガードがロックアウト位置にあるときの方が、より大きな隔たりでハウジング32から離れて延びることができる。針ガード78は、針ガード78をロックアウト位置にロックするように構成されたロックアウトアーム94を含むことができる。ロックアウトアーム94は、針ガード78がロックアウト位置にあるときに、針ガード78の近位方向の動きを防止できる。ロックアウトアーム94は、半径方向外向きに屈曲するように付勢できる。ロックアウトアーム94は、針ガード78がロックアウト位置に動くときに、ロックアウトアーム94がカラー38のロックアウト開口96に配置されるように(
図25)、半径方向外向きに屈曲できる。注射器30は、ロックアウトアーム94がロックアウト開口96内にあるときに、ロックアウト構成にあってもよい。ロックアウトアーム94は、注射器30がロックアウト構成にあるときに針ガード78がハウジング32に対して近位方向に移動できないように、ロックアウト開口96のロックアウト表面または側壁に接触するように構成できる。
【0050】
[0078]
図26~27を参照すると、第1の部材148の第2の実施形態が示されている。第1の部材148は、シェル52が初期位置にあるときに第1の部材148の戻り止め162がシェル52の凹所164と係合できることを除いて、第1の部材48の第1の実施形態と同様であってもよい。針ガードの針ガード突起84は、針ガード78がハウジング32に対して動くときに、戻り止め162に係合できる。針ガード突起84は、針ガード78がハウジングに対して近位方向に移動するときに、戻り止め162が半径方向外向きに屈曲するのを強制できる。戻り止め162は、戻り止め162が半径方向外向きに屈曲するときに、シェル凹所164から係合解除できる。針ガード78は、シェル52および第2の部材40に対して第1の部材148を近位方向に移動できる。開口50は、注射器30がシェル52を注入位置に移動させて前述のようにある用量の薬剤を送達できるように、針ガード78が第1の部材148をハウジング32に対して動かすときに、第1のアーム46と整列できる。
【0051】
[0079]上に示されて説明された例示的な実施形態に対して、その広範な発明の概念から逸脱せずに、変更を行うことができるということが、当業者によって理解されるであろう。したがって、本発明が、示されて説明された例示的な実施形態に限定されないが、特許請求の範囲によって定義されるような本発明の精神および範囲内の変形をカバーすることが意図される、ということが理解される。例えば、例示的な実施形態の特定の特徴は、権利請求された発明の一部であってもなくてもよく、開示された実施形態の様々な特徴は、組合せできる。用語「内向き」および「外向き」は、それぞれ注射器の幾何的中心に向かう方向および離れる方向を指す。本明細書に特に記載されていない限り、用語「1つ(a)」、「1つ(an)」および「その(the)」は、1つの要素に限定されず、その代わりに、「少なくとも1つ」を意味していると解釈されるべきである。
【0052】
[0080]本発明の図面および説明の少なくとも幾らかが、本発明の明確な理解に関連する要素に焦点を合わせるために、簡略化されており、同時に、明瞭さの目的で、当業者が本発明の一部を同じく包含できると評価するであろう他の要素を無視している、ということを理解されたい。しかしながら、そういった要素が当技術分野でよく知られているという理由で、また、それらが必ずしも本発明のより良い理解を容易にはしないという理由で、そういった要素の説明は、本明細書では提供されない。
【0053】
[0081]更に、本発明の方法が、本明細書に記述されたステップの特定の順序に依存しない限り、ステップの特定の順序は、特許請求の範囲の限定として解釈されるべきではない。本発明の方法に向けられたどのような請求項も、書かれた順序でのそれらのステップの実行に限定されるべきではなく、当業者は、ステップが、変更できて、本発明の精神および範囲内に依然として留まる、ということを容易に理解できる。