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特許7459222基板処理装置、高調波制御ユニット及び高調波制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-22
(45)【発行日】2024-04-01
(54)【発明の名称】基板処理装置、高調波制御ユニット及び高調波制御方法
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/46 20060101AFI20240325BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALN20240325BHJP
   H01L 21/683 20060101ALN20240325BHJP
【FI】
H05H1/46 M
H05H1/46 R
H01L21/302 101G
H01L21/68 R
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2022211391
(22)【出願日】2022-12-28
(65)【公開番号】P2023098866
(43)【公開日】2023-07-11
【審査請求日】2022-12-28
(31)【優先権主張番号】10-2021-0191633
(32)【優先日】2021-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】598123150
【氏名又は名称】セメス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SEMES CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】77,4sandan 5-gil,Jiksan-eup,Seobuk-gu,Cheonan-si,Chungcheongnam-do,331-814 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】グ,ジャ ミュン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヒュン ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ナ,セ ウォン
【審査官】藤本 加代子
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-099858(JP,A)
【文献】特表2021-507517(JP,A)
【文献】特開2015-097197(JP,A)
【文献】特開2004-096066(JP,A)
【文献】特開2013-143432(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0020412(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0024515(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05H 1/00-1/54
H01L 21/3065
H01L 21/683
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する装置において、
内部空間を有するチャンバと、
前記内部空間で基板を支持する支持ユニットと、
上部から眺める時、前記支持ユニットの縁領域に配置されるリングユニットと、
前記内部空間で電界を形成するためのアールエフ電力を発生させる電源ユニットと、
前記リングユニットと連結され、前記アールエフ電力によって発生した高調波を制御する高調波制御ユニットとを含み、
前記高調波制御ユニットは、
前記アールエフ電力の周波数成分がグラウンドに向けて流れることを遮断する遮断部と、
前記遮断部と前記グラウンドとの間に設けられ、前記高調波を除去する除去部とを含む基板処理装置。
【請求項2】
前記リングユニットは、
上部から眺める時、前記支持ユニットに支持された前記基板の縁領域と重畳されるように配置されるエッジリングと、
前記エッジリングの下に配置されるカップリングリングとを含み、
前記高調波制御ユニットは、
前記カップリングリングに連結される請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記カップリングリングは、
リング電極と、
絶縁素材で提供されて前記リング電極の少なくとも一部をくるむように構成されるリング胴体とを含み、
前記高調波制御ユニットは、
前記リング電極と電気的に連結される請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記除去部は、
前記高調波のうちで第p調波の周波数成分を除いた残りの周波数成分を遮断する第1ブロッキングフィルターと、
前記第1ブロッキングフィルターと前記グラウンドとの間に設けられた第1高調波制御回路とを含む請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記除去部は、
前記高調波のうちで前記第p調波と異なる第q調波の周波数成分を除いた残りの周波数成分を遮断する第2ブロッキングフィルターと、
前記第2ブロッキングフィルターと前記グラウンドとの間に設けられた第2高調波制御回路とを含む請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記第1高調波制御回路は、
第1インダクター及び第1コンデンサで構成される回路であり、
前記第2高調波制御回路は、
第2インダクター及び第2コンデンサで構成される回路である請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記第1コンデンサ、および、前記第2コンデンサは可変コンデンサであり、
前記高調波制御ユニットを制御する制御機をさらに含み、
前記制御機は、
前記第p調波が有する周波数で前記第1高調波制御回路が共振回路になり、前記第q調波が有する周波数で前記第2高調波制御回路が共振回路になるように前記第1コンデンサ及び前記第2コンデンサのキャパシタンスを調節する請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項8】
記高調波制御ユニットに流れる電圧または、電流を検出する検出ユニットをさらに含む請求項7に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記制御機は、
前記検出ユニットが測定する前記電圧または前記電流値に基づいて前記第1コンデンサ、および、前記第2コンデンサのキャパシタンスのうちで少なくとも一つ以上のキャパシタンスを調節する請求項8に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記電源ユニットは、
第1周波数を有する第1電圧を前記電界を形成する電極で印加する第1電源と、
前記第1周波数より低い周波数である第2周波数を有する第2電圧を前記電極に印加する第2電源と、
前記第1周波数及び前記第2周波数より低い周波数である第3周波数を有する第3電圧を前記電極で印加する第3電源とを含む請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記遮断部は、
前記第1電圧の前記第1周波数成分を遮断する第1遮断フィルターと、
前記第2電圧の前記第2周波数成分を遮断する第2遮断フィルターと、
前記第3電圧の前記第3周波数成分を遮断する第3遮断フィルターとを含む請求項10に記載の基板処理装置。
【請求項12】
電界を形成する電極及び前記電極と異なる位置に設置される導電性コンポネントを含むとともに、プラズマを利用した基板処理装置で発生する高調波を制御して前記導電性コンポネントに連結される高調波制御ユニットにおいて、
前記高調波制御ユニットに流入される周波数成分のうちで前記電界を形成するアールエフ電力の周波数成分がグラウンドに流れることを遮断する遮断部と、
前記遮断部、そして、前記グラウンドの間に提供されて前記高調波を除去する除去部とを含む高調波制御ユニット。
【請求項13】
前記除去部は、
第1高調波除去部と、
前記第1高調波除去部と異なる周波数成分を除去する第2高調波除去部とを含む請求項12に記載の高調波制御ユニット。
【請求項14】
前記第1高調波除去部は、
前記高調波のうちで第p調波の周波数成分を除いた残りの周波数成分を遮断する第1ブロッキングフィルターと、
前記第1ブロッキングフィルターと前記グラウンドとの間に設けられた第1高調波制御回路とを含み、
前記第2高調波除去部は、
前記高調波のうちで前記第p調波と相異な第q調波の周波数成分を除いた残りの周波数成分を遮断する第2ブロッキングフィルターと、
前記第2ブロッキングフィルターと前記グラウンドとの間に設けられた第2高調波制御回路とを含む請求項13に記載の高調波制御ユニット。
【請求項15】
前記第1高調波制御回路及び前記第2高調波制御回路はそれぞれ第1コンデンサ及び第2コンデンサを含み、
前記第1コンデンサ、および、前記第2コンデンサは、
可変コンデンサであり、
前記第p調波が有する周波数で前記第1高調波制御回路が共振回路になり、前記第q調波が有する周波数で前記第2高調波制御回路が共振回路になるように前記第1コンデンサ及び前記第2コンデンサのキャパシタンスが調節される請求項14に記載の高調波制御ユニット。
【請求項16】
プラズマを利用して基板を処理するチャンバで発生する高調波を制御する方法において、
前記基板を支持する支持ユニットの縁領域に配置されるリングユニットと連結された高調波制御ユニットの遮断部が前記チャンバ内で電界を形成する電極に印加されるアールエフ電力の周波数成分がグラウンドに流れることを遮断する段階と、
前記高調波制御ユニットの除去部を通じて前記遮断部を経た前記高調波を除去する段階とを含み、
前記高調波を除去する段階は、
前記高調波の周波数成分を除いた残りの周波数成分を遮断する段階と、
可変コンデンサを有する高調波制御回路を通じて前記高調波を除去する段階と、を含む方法。
【請求項17】
前記高調波が有する周波数で前記高調波制御回路が共振回路になるように前記可変コンデンサのキャパシタンスを調節する段階を含む請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記高調波を除去する段階は、
前記高調波のうちで第p調波の周波数成分を除いた残りの周波数成分を第1ブロッキングフィルターを通じて遮断する段階と、
前記第p調波の周波数で共振回路になる第1高調波制御回路を通じて前記第p調波を除去する段階とを含む請求項16または請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記除去部を通じて除去する段階は、
前記高調波のうちで前記第p調波と異なる第q調波の周波数成分を除いた残りの周波数成分を第2ブロッキングフィルターを通じて遮断する段階と、
前記第q調波の周波数で共振回路になる前記第1高調波制御回路と相異な回路である第2高調波制御回路を通じて前記第q調波を除去する段階とを含む請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置、高調波制御ユニット及び高調波制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体素子を製造するために、基板をフォトリソグラフィー、蝕刻、アッシング、イオン注入、薄膜蒸着、そして、洗浄など多様な工程を遂行して基板上に所望のパターンを形成する。このうち蝕刻工程は、基板上に形成された膜のうちで選択された加熱領域を除去する工程で湿式蝕刻と乾式蝕刻が使用される。このうち乾式蝕刻のためにプラズマを利用した蝕刻装置が使用される。プラズマはイオンや電子、ラジカルなどでなされたイオン化されたガス状態を言う。プラズマは非常に高い温度や、強い高周波電子系(RF Electromagnetic Fields)によって生成される。高周波電子系はお互いに対向される電極らのうちで何れか一つでアールエフジェネレーター(RF Generator)がアールエフ電圧を印加する。アールエフジェネレーターが印加するアールエフパワーは、チャンバ内の空間に供給された工程ガスを励起させてプラズマを発生させる。3Dネンドフラッシュなど半導体積層の高さが毎年増加することによって、高い積層構造の蝕刻はプラズマ工程時間を増加させているし、自然にプラズマ密度を上昇させるためにアールエフジェネレーターが印加するアールエフパワーを上昇させて工程時間を短縮させる。
【0003】
一方、チャンバ内ではチャンバの構造、外部回路、プラズマ及びプラズマシースの非線形インピーダンスによって高調波(Harmonics)が発生することがある。高調波はアールエフジェネレーターが印加するアールエフ電圧が有するメイン周波数の定数倍の周波数を有する波動であることがある。発生した高調波は、図1に示されたようにウェハーなどの基板の表面に乗ってSurface Wave形態で基板のエッジで基板の中心に伝播されることができる。この時、Surface WaveのWavelenthは下のようである。
【0004】
【数1】
【0005】
ここで、λはSurface WaveのWavelenth、λは真空でのWavelength、dはプラズマ厚さ、Sはプラズマシースの厚さ、Lは電極の直径を示す。
【0006】
一部文献によれば、λ≦L条件で伝播する高調波成分が重畳されてスタンディングウエーブ(Standing Wave)が発生することがある。
【0007】
前述したところのようにアールエフジェネレーターが発生させる電圧の周波数が高い場合、高調波成分の周波数も高いことがある。高い周波数を有する高調波成分の場合真空でのWavelengthであるλが減って、Standing Wave発生条件を満足させることができる。このStanding Waveの強さが強い所はプラズマの密度が上昇し、低い所はプラズマの密度が減少する形態でプラズマ密度で転写される効果をStanding Wave Effect(SWE)と称することができる。SWEによってプラズマ密度の均一性は悪くなることがある。言い換えれば、チャンバで発生された高調波(Harmonic)によってプラズマによる基板処理の均一性が悪くなることがある。また、前述したところのように最近にはプラズマの密度を上昇させるためにアールエフパワーの強さをさらに大きくすることができる。アールエフパワーの強さが大きくなることによって高調波成分の強さも増加させ、基板処理の均一性をさらに悪化させることがある。
【0008】
このような高調波を抑制するために、外部回路をアールエフジェネレーターがアールエフパワーを印加する静電チャックに連結して高調波を増幅させるチャンバの共振周波数領域を変更させる方案を考慮することができる。この場合、生成された高調波成分の大きさがそれ以上増幅されなくてプラズマ密度に影響を及ぼすことを防止する原理である。しかし、この場合静電チャックに印加されるアールエフパワーの伝達特性に影響を及ぼすことがある。また、プラズマ工程は数十種の段階で進行されるが、各段階で発生するプラズマによって前述したチャンバの共振周波数が変わることがある。言い換えれば、各段階で高調波を増幅させる条件が変わることができて各段階によってチャンバの共振周波数領域を変更させることができるように前述した外部回路を制御することが必要である。
【0009】
また、条件によって単一高調波成分ではない2個以上の電界内の高調波成分がプラズマ密度に影響を及ぼすことがある。言い換えれば、一つの高調波成分の制御だけではプラズマ均一性改善に十分ではなくて、2個以上の高調波成分の制御が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】韓国特許公開第10-2020-0135114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、基板を効率的に処理することができる基板処理装置、高調波制御ユニット及び高調波制御方法を提供することを一目的とする。
【0012】
また、本発明は、プラズマによる基板処理均一性を改善することができる基板処理装置、高調波制御ユニット及び高調波制御方法を提供することを一目的とする。
【0013】
また、本発明は、チャンバの内部空間で発生する電界内の高調波成分を効果的に制御することができる基板処理装置、高調波制御ユニット及び高調波制御方法を提供することを一目的とする。
【0014】
また、本発明は、チャンバの内部空間で発生する電界内の高調波成分を除去することができる基板処理装置、高調波制御ユニット及び高調波制御方法を提供することを一目的とする。
【0015】
本発明が解決しようとする課題が前述した課題に限定されるものではなくて、言及されない課題らは本明細書及び添付された図面から本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者に明確に理解されることができるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、基板処理装置を提供する。基板処理装置は、内部空間を有するチャンバと、前記内部空間で基板を支持する支持ユニットと、上部から眺める時、前記支持ユニットの縁領域に配置されるリングユニットと、前記内部空間で電界を形成するためのアールエフ電力を発生させる電源ユニットと、前記リングユニットと連結され、前記アールエフ電力によって発生した高調波を制御する高調波制御ユニットとを含むことができる。
【0017】
一実施例によれば、前記リングユニットは、上部から眺める時、前記支持ユニットに支持された前記基板の縁領域と重畳されるように配置されるエッジリングと、前記エッジリングの下に配置されるカップリングリングとを含み、前記高調波制御ユニットは、前記カップリングリングに連結されることができる。
【0018】
一実施例によれば、前記カップリングリングは、リング電極と、絶縁素材で提供されて前記リング電極の少なくとも一部をくるむように構成されるリング胴体とを含み、前記高調波制御ユニットは、前記リング電極と電気的に連結されることができる。
【0019】
一実施例によれば、前記高調波制御ユニットは、前記アールエフ電力の周波数成分がグラウンドに向けて流れることを遮断する遮断部と、前記遮断部と前記グラウンドとの間に設けられ、前記高調波を除去する除去部とを含むことができる。
【0020】
一実施例によれば、前記除去部は、前記高調波のうちで第p調波の周波数成分を除いた残りの周波数成分を遮断する第1ブロッキングフィルターと、前記第1ブロッキングフィルターと前記グラウンドとの間に設けられた第1高調波制御回路とを含むことができる。
【0021】
一実施例によれば、前記除去部は、前記高調波のうちで前記第p調波と異なる第q調波の周波数成分を除いた残りの周波数成分を遮断する第2ブロッキングフィルターと、前記第2ブロッキングフィルターと前記グラウンドとの間に設けられた第2高調波制御回路とを含むことができる。
【0022】
一実施例によれば、前記第1高調波制御回路は、第1インダクター及び第1コンデンサで構成される回路であり、前記第2高調波制御回路は、第2インダクター及び第2コンデンサで構成される回路であることができる。
【0023】
一実施例によれば、前記第1コンデンサ、および、前記第2コンデンサは可変コンデンサであり、前記高調波制御ユニットを制御する制御機をさらに含み、前記制御機は、前記第p調波が有する周波数で前記第1高調波制御回路が共振回路になり、前記第q調波が有する周波数で前記第2高調波制御回路が共振回路になるように前記第1コンデンサ及び前記第2コンデンサのキャパシタンスを調節することができる。
【0024】
一実施例によれば、前記高調波制御ユニットを向けてまたは前記高調波制御ユニットに流れる電圧または電流を検出する検出ユニットをさらに含むことができる。
【0025】
一実施例によれば、前記制御機は、前記検出ユニットが測定する前記電圧または前記電流値に根拠して前記第1コンデンサ、および、前記第2コンデンサのキャパシタンスのうちで少なくとも一つ以上のキャパシタンスを調節することができる。
【0026】
一実施例によれば、前記電源ユニットは、第1周波数を有する第1電圧を前記電界を形成する電極で印加する第1電源と、前記第1周波数より低い周波数である第2周波数を有する第2電圧を前記電極に印加する第2電源と、前記第1周波数及び前記第2周波数より低い周波数である第3周波数を有する第3電圧を前記電極に印加する第3電源とを含むことができる。
【0027】
一実施例によれば、前記遮断部は、前記第1電圧の前記第1周波数成分を遮断する第1遮断フィルターと、前記第2電圧の前記第2周波数成分を遮断する第2遮断フィルターと、前記第3電圧の前記第3周波数成分を遮断する第3遮断フィルターとを含むことができる。
【0028】
また、本発明は、基板処理装置、前記基板処理装置は電界を形成する電極及び前記電極と異なる位置に設置される導電性コンポネントを含む、で発生する高調波を制御して前記導電性コンポネントに連結される高調波制御ユニットを提供する。高調波制御ユニットは、前記高調波制御ユニットに流入される周波数成分のうちで前記電界を形成するアールエフ電力の周波数成分がグラウンドに流れることを遮断する遮断部と、前記遮断部、および、前記グラウンドの間に提供されて前記高調波を除去する除去部を含むことができる。
【0029】
一実施例によれば、前記除去部は、第1高調波除去部と、前記第1高調波除去部と異な周波数成分を除去する第2高調波除去部とを含むことができる。
【0030】
一実施例によれば、前記第1高調波除去部は、前記高調波のうちで第p調波の周波数成分を除いた残りの周波数成分を遮断する第1ブロッキングフィルターと、前記第1ブロッキングフィルターと前記グラウンドとの間に設けられた第1高調波制御回路とを含み、前記第2高調波除去部は、前記高調波のうちで前記第p調波と異なる第q調波の周波数成分を除いた残りの周波数成分を遮断する第2ブロッキングフィルターと、前記第2ブロッキングフィルターと前記グラウンドとの間に設けられた第2高調波制御回路とを含むことができる。
【0031】
一実施例によれば、前記第1高調波制御回路及び前記第2高調波制御回路はそれぞれ第1コンデンサ及び第2コンデンサを含み、前記第1コンデンサ、および、前記第2コンデンサは、可変コンデンサであり、前記第p調波が有する周波数で前記第1高調波制御回路が共振回路になり、前記第q調波が有する周波数で前記第2高調波制御回路が共振回路になるように前記第1コンデンサ及び前記第2コンデンサのキャパシタンスが調節されることができる。
【0032】
また、本発明はプラズマを利用して基板を処理するチャンバで発生する高調波を制御する方法を提供する。高調波制御方法は、前記基板を支持する支持ユニットの縁領域に配置されるリングユニットと連結された高調波制御ユニットの遮断部が前記チャンバ内で電界を形成する電極に印加されるアールエフ電力の周波数成分がグラウンドに流れることを遮断する段階と、前記高調波制御ユニットの除去部を通じて前記遮断部を経た前記高調波を除去する段階とを含み、前記高調波を除去する段階は、前記高調波の周波数成分を除いた残りの周波数成分を遮断する段階と、可変コンデンサを有する高調波制御回路を通じて前記高調波を除去する段階とを含むことができる。
【0033】
一実施例によれば、前記高調波が有する周波数で前記高調波制御回路が共振回路になるように前記可変コンデンサのキャパシタンスを調節する段階を含むことができる。
【0034】
一実施例によれば、前記高調波を除去する段階は、前記高調波のうちで第p調波の周波数成分を除いた残りの周波数成分を第1ブロッキングフィルターを通じて遮断する段階と、前記第p調波の周波数で共振回路になる第1高調波制御回路を通じて前記第p調波を除去する段階とを含むことができる。
【0035】
一実施例によれば、前記除去部を通じて除去する段階は、前記高調波のうちで前記第p調波と異なる第q調波の周波数成分を除いた残りの周波数成分を第2ブロッキングフィルターを通じて遮断する段階と、前記第q調波の周波数で共振回路になる前記第1高調波制御回路と相異な回路である第2高調波制御回路を通じて前記第q調波を除去する段階とを含むことができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明の一実施例によれば、基板を効率的に処理することができる。
【0037】
また、本発明の一実施例によれば、プラズマによる基板処理均一性を改善することができる。
【0038】
また、本発明の一実施例によれば、持続波RFを利用してプラズマを発生させる場合利点及び、そして、パルスRFを利用してプラズマを発生させる場合有する利点をすべて有することができる。
【0039】
また、本発明の一実施例によれば、プラズマによって蝕刻された被処理物の形状が垂直に近い状態で出るようにできる。
【0040】
また、本発明の一実施例によれば、パルス電圧を利用してプラズマを発生させる場合、基板の領域によって発生されるプラズマ密度の均一性を改善することができる。
【0041】
本発明の効果が前述した効果らに限定されるものではなくて、言及されない効果らは本明細書及び添付された図面から本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者に明確に理解されることができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】高調波によって発生されたSurface Waveが伝播される姿を概略的に示した図面である。
図2】本発明の一実施例による基板処理装置を示した図面である。
図3図2の高調波制御ユニットを概略的に示した図面である。
図4図3の第1高調波除去部を概略的に示した図面である。
図5図4の第1高調波制御回路に最大電流が流れるための周波数条件を示した図面である。
図6】本発明の他の実施例による基板処理装置が有する高調波制御ユニット及び検出ユニットを概略的に示した図面である。
図7図6の検出ユニットが検出する高調波成分の電流の変化を示したグラフである。
図8】本発明の他の実施例による基板処理装置が有する高調波制御ユニット及び検出ユニットを概略的に示した図面である。
図9】本発明の他の実施例による基板処理装置を示した図面である。
図10図3の第1高調波除去部の他の例を概略的に示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本発明の他の利点及び特徴、そして、それらを達成する方法は、添付される図面と共に詳細に後述される実施例を参照すれば明確になるであろう。しかし、本発明は以下で開示される実施例に限定されるものではなく、お互いに異なる多様な形態で具現されることができるし、単に、本実施例は本発明の開示が完全であるようにさせ、本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者に発明の範疇を完全に知らせてくれるために提供されるものであり、本発明は請求項の範疇によって定義されるだけである。
【0044】
仮に、定義されなくても、ここで使用されるすべての用語(技術、あるいは、科学用語らを含む)は、この発明が属した従来技術で普遍的技術によって一般に収容されることと等しい意味を有する。一般な辞書らによって定義された用語らは関連される技術、そして/あるいは、本出願の本文に意味するものと等しい意味を有することで解釈されることができるし、そして、ここで明確に定義された表現ではなくても概念化されるか、あるいは、過度に形式的に解釈されないであろう。
【0045】
本明細書で使用された用語は実施例らを説明するためのものであり、本発明を制限しようとするものではない。本明細書で、単数型は文句で特別に言及しない限り複数形も含む。明細書で使用される‘包含する'及び/または、この動詞の多様な活用型、例えば、‘包含'、‘包含する'、‘含み'、‘含んで'などは言及された組成、成分、構成要素、段階、動作及び/または素子は一つ以上の他の組成、成分、構成要素、段階、動作及び/または素子の存在または追加を排除しない。本明細書で‘及び/または'という用語は、羅列された構成らそれぞれまたは、これらの多様な組合を示す。
【0046】
第1、第2などの用語は多様な構成要素らを説明するのに使用されることができるが、前記構成要素らは前記用語によって限定されてはいけない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的で使用されることができる。例えば、本発明の権利範囲から離脱されないまま第1構成要素は第2構成要素で命名されることができるし、類似第2構成要素も第1構成要素で命名されることができる。
【0047】
単数の表現は文脈上明白に異なるように志さない限り、複数表現を含む。また、図面で要素らの形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0048】
本明細書全体で使用される‘~部'は少なくとも一つの機能や動作を処理する単位として、例えば、ソフトウェア、FPGAまたはASICのようなハードウェア構成要素を意味することができる。ところが、‘~部'がソフトウェアまたはハードウェアに限定される意味ではない。‘~部'はアドレシンぐすることができる保存媒体にあるように構成されることもできて、一つまたはその以上のプロセッサらを再生させるように構成されることもできる。
【0049】
一例として‘~部'及び‘~モジュール’は、ソフトウェア構成要素、客体指向ソフトウェア構成要素、クラス構成要素ら及びタスク構成要素らのような構成要素らと、プロセスら、関数ら、速成ら、プロシージャ、サブルーチンら、プログラムコードのセグメントら、ドライバーら、ファームウエア、マイクロコード、回路、データ、データベース、データ構造ら、テーブルら、アレイら及び変数らを含むことができる。構成要素と‘~部'及び‘~モジュール’で提供する機能は、複数の構成要素及び‘~部'及び‘~モジュール’らによって分離されて遂行されることもできて、他の追加的な構成要素と統合されることもある。
【0050】
以下では、図2乃至図10を参照して本発明の実施例に対して説明する。
【0051】
図2は、本発明の一実施例による基板処理装置を概略的に示した図面である。
【0052】
図1を参照すれば、基板処理装置10はプラズマを利用して基板(W)を処理する。例えば、基板処理装置10は基板(W)に対して蝕刻工程を遂行することができる。基板処理装置10はチャンバ100、支持ユニット200(下部電極ユニットの一例)、ガス供給ユニット300、上部電極ユニット400、温度調節ユニット500、電源ユニット600、リングユニット700、高調波制御ユニット800、および、制御機900を含むことができる。
【0053】
チャンバ100は内部空間101を有することができる。内部空間101では基板(W)が処理されることができる。内部空間101ではプラズマによって基板(W)が処理されることができる。基板(W)はプラズマによって蝕刻されることができる。プラズマは基板(W)に伝達されて基板(W)上に形成された膜を蝕刻することができる。
【0054】
チャンバ100の内壁は耐プラズマ性が優秀な素材でコーティングされることができる。チャンバ100は接地されることができる。チャンバ100には基板(W)が搬入または搬出されることができる搬出入口(図示せず)が形成されることができる。搬出入口はドア(図示せず)によって選択的に開閉されることができる。基板(W)が処理される間には内部空間101が搬出入口によって閉鎖されることができる。また、基板(W)が処理される間には内部空間101が真空圧雰囲気を有することができる。
【0055】
チャンバ100の底には排気ホール102が形成されることができる。排気ホール102を通じて内部空間101の雰囲気は排気されることができる。排気ホール102は内部空間101に減圧を提供する排気ライン(VL)と連結されることができる。内部空間101に供給された工程ガス、プラズマ、工程副産物などは、排気ホール102と排気ライン(VL)を通じて基板処理装置10の外部に排気されることができる。また、排気ライン(VL)が提供する減圧によって内部空間101の圧力は調節されることができる。例えば、内部空間101の圧力は後述するガス供給ユニット300及び排気ライン(VL)が提供する減圧によって調節されることができる。内部空間101の圧力をさらに低めようとする場合排気ライン(VL)が提供する減圧を大きくするか、または、ガス供給ユニット300が供給する工程ガスの単位時間当り供給量を小さくすることができる。これと反対に、内部空間101の圧力をさらに高めようとする場合排気ライン(VL)が提供する減圧を小さくするか、または、ガス供給ユニット300が供給する工程ガスの単位時間当り供給量が大きくすることができる。
【0056】
支持ユニット200は基板(W)を支持することができる。支持ユニット200は内部空間101で基板(W)を支持することができる。支持ユニット200は内部空間101で電界を形成する対向電極のうちで何れか一つを有することができる。また、支持ユニット200は静電気力を利用して基板(W)を吸着固定することができる静電チャック(ESC)であることがある。
【0057】
支持ユニット200は誘電板210、静電電極220、ヒーター230、下部電極240、そして、絶縁板250を含むことができる。
【0058】
誘電板210は支持ユニット200の上部に設けられ得る。誘電板210は絶縁性素材で提供されることができる。例えば、誘電板210はセラミックス、または石英を含む素材で提供されることができる。誘電板210は基板(W)を支持する安着面を有することができる。誘電板210は上部から眺める時、その安着面が基板(W)の下面より小さな面積を有することができる。誘電板210に置かれた基板(W)の縁領域下面は後述するエッジリング710の上面と向い合うことができる。
【0059】
誘電板210には第1供給流路211が形成される。第1供給流路211は誘電板210の上面から底面まで延長されて形成されることができる。第1供給流路211はお互いに離隔して複数個形成され、基板(W)の底面に熱伝逹媒体が供給される通路で提供されることができる。例えば、第1供給流路211は後述する第1循環流路241及び第2供給流路243と流体連通することができる。
【0060】
また、誘電板210には、基板(W)を誘電板210に吸着させるための別途の電極(図示せず)が埋設されることができる。前記電極には直流電流が印加されることができる。印加された電流によって前記電極と基板との間には静電気力が作用し、静電気力によって基板(W)は誘電板210に吸着されることができる。
【0061】
静電電極220は静電気力を発生させて基板(W)をチャッキングすることができる。静電電極220は誘電板210内に提供されることができる。静電電極220は誘電板210内に埋設されることができる。静電電極220は静電電源221と電気的に連結されることができる。静電電源221は静電電極220に電力を印加して基板(W)を選択的にチャッキングすることができる。
【0062】
ヒーター230は外部電源(図示せず)と電気的に連結される。ヒーター230は外部電源から印加された電流に抵抗することで熱を発生させる。発生された熱は誘電板210を通じて基板(W)に伝達される。ヒーター230で発生された熱によって基板(W)は所定温度で維持される。ヒーター230は螺旋形状のコイルを含む。ヒーター230は均一な間隔で誘電板210に埋設されることができる。
【0063】
誘電板210の下部には下部電極240が位置する。下部電極240は内部空間101に電界を形成する電極であることができる。下部電極240は内部空間101に電界を形成する対向電極のうちで何れか一つであることができる。下部電極240は対向電極のうちで他のひとつの後述する上部電極420と向い合うように提供されることができる。下部電極240によって内部空間101に形成される電界は後述するガス供給ユニット300が供給する工程ガスを励起させ、プラズマを発生させることができる。下部電極240は誘電板210内に提供されることができる。
【0064】
下部電極240の上面は中心領域が縁領域より高く位置されるように段差になることがある。下部電極240の上面中心領域は誘電板210の底面に相応する面積を有して、誘電板210の底面と接着される。下部電極240には第1循環流路241、第2循環流路242、そして、第2供給流路243が形成されることができる。
【0065】
第1循環流路241は熱伝逹媒体が循環する通路で提供される。第1循環流路241には熱伝逹媒体貯蔵部(GS)に貯蔵された熱伝逹媒体が媒体供給ライン(GL)を通じて供給されることができる。媒体供給ライン(GL)には媒体供給バルブ(GB)が設置されることができる。媒体供給バルブ(GB)のオン/オフまたは開放率の変化によって第1循環流路241には熱伝逹媒体が供給または第1循環流路241に供給される熱伝達媒体の単位時間当り供給流量を調節することができる。熱伝逹媒体はヘリウム(He)ガスを含むことができる。
【0066】
第1循環流路241は下部電極240内部に螺旋形状で形成されることができる。または、第1循環流路241はお互いに相異な半径を有するリング形状の流路らが同一な中心を有するように配置されることができる。それぞれの第1循環流路241らはお互いに連通されることができる。第1循環流路241らは等しい高さに形成される。
【0067】
第2循環流路242は冷却流体が循環する通路で提供される。第2循環流路242には冷却流体貯蔵部(CS)に貯蔵された冷却流体が流体供給ライン(CL)を通じて供給されることができる。流体供給ライン(CL)には流体供給バルブ(CB)が設置されることができる。流体供給バルブ(CB)のオン/オフまたは開放率の変化によって第2循環流路242には冷却流体が供給または第2循環流路242に供給される冷却流体の単位時間当り供給流量を調節することができる。冷却流体は冷却水または冷却ガスであることができる。第2循環流路242に供給された冷却流体は下部電極240を所定の温度で冷却させることができる。所定の温度で冷却した下部電極240は誘電板210及び/または基板(W)の温度が所定の温度で維持されるようにできる。
【0068】
第2循環流路242は下部電極240内部に螺旋形状で形成されることができる。または、第2循環流路242はお互いに相異な半径を有するリング形状の流路らが同一な中心を有するように配置されることができる。それぞれの第2循環流路242らはお互いに連通されることができる。第2循環流路242は第1循環流路241より大きい断面積を有することができる。第2循環流路242らは等しい高さに形成される。第2循環流路242は第1循環流路241の下部に位置されることができる。
【0069】
第2供給流路243は第1循環流路241から上部に延長され、下部電極240の上面に提供される。第2供給流路243は第1供給流路211に対応する個数で提供され、第1循環流路241と第1供給流路211をお互いに流体連通させることができる。
【0070】
下部電極240の下部には絶縁板250が設けられる。絶縁板250は下部電極240に相応する大きさで提供される。絶縁板250は下部電極240とチャンバ100の底面の間に位置する。絶縁板250は絶縁材質で提供され、下部電極240とチャンバ100を電気的に絶縁させることができる。
【0071】
ガス供給ユニット300はチャンバ100に工程ガスを供給する。ガス供給ユニット300はガス貯蔵部310、ガス供給ライン320、そして、ガス流入ポート330を含む。ガス供給ライン320はガス貯蔵部310とガス流入ポート330を連結し、ガス貯蔵部310に貯蔵された工程ガスをガス流入ポート330に供給する。ガス流入ポート330は上部電極420に形成されたガス供給ホール422に設置されることができる。
【0072】
上部電極ユニット400は下部電極240と対向される上部電極420を有することができる。また、上部電極ユニット400には前述したガス供給ユニット300が連結されてガス供給ユニット300が供給する工程ガスの供給経路のうちで一部を提供することができる。上部電極ユニット400は支持胴体410、上部電極420、および、分配板430を含むことができる。
【0073】
支持胴体410はチャンバ100に締結されることができる。支持胴体410は上部電極ユニット400の上部電極420及び分配板430が締結される胴体であることがある。支持胴体410は上部電極420及び分配板430がチャンバ100に設置されることができるようにする媒介体であることがある。
【0074】
上部電極420は下部電極240と対向される電極であることができる。上部電極420は下部電極240と向い合うように提供されることができる。上部電極420と下部電極240との間空間には電界が形成されることができる。形成された電界は内部空間101に供給される工程ガスを励起させてプラズマを発生させることができる。上部電極420は円盤形状で提供されることができる。上部電極420は上部板410aと下部板410bを含むことができる。上部電極420は接地されることができる。しかし、これに限定されるものではなくて、上部電極420にはRF電源(図示せず)が連結されてRF電圧を印加することができる。
【0075】
上部板412aの底面は中心領域が縁領域より高く位置するように段差になる。上部板420aの中心領域にはガス供給ホール422らが形成される。ガス供給ホール422らはガス流入ポート330と連結され、バッファー空間424に工程ガスを供給する。上部板410aの内部には冷却流路421が形成されることができる。冷却流路421は螺旋形状で形成されることができる。または、冷却流路421はお互いに相異な半径を有するリング形状の流路らが同一な中心を有するように配置されることができる。冷却流路421は後述する温度調節ユニット500が冷却流体を供給することができる。供給された冷却流体は冷却流路421に沿って循環し、上部板420aを冷却させることができる。
【0076】
下部板420bは上部板420aの下に位置する。下部板420bは上部板420aに相応する大きさで提供され、上部板420aと向い合って位置する。下部板410bの上面は中心領域が縁領域より低く位置するように段差になる。下部板420bの上面と上部板420aの底面はお互いに組合されてバッファー空間424を形成する。バッファー空間424はガス供給ホール422らを通じて供給されたガスがチャンバ100内部に供給される前に一時的にとどまる空間で提供される。下部板420bの中心領域にはガス供給ホール423らが形成される。ガス供給ホール423らは一定間隔で離隔されて複数個形成される。ガス供給ホール423らはバッファー空間424と連結される。
【0077】
分配板430は下部板420bの下部に位置する。分配板430は円盤形状で提供される。分配板430には分配ホール431らが形成される。分配ホール431らは分配板430の上面から下面に提供される。分配ホール431らはガス供給ホール423に対応する個数で提供され、ガス供給ホール423らが位置された支点に対応して位置される。バッファー空間424に泊まる工程ガスはガス供給ホール423と分配ホール431らを通じてチャンバ100内部で均一に供給される。
【0078】
温度調節ユニット500は上部電極420の温度を調節することができる。温度調節ユニット500は加熱部材511、加熱電源513、フィルター515、冷却流体供給部521、流体供給チャンネル523、そして、バルブ525を含むことができる。
【0079】
加熱部材511は下部板420bを加熱することができる。加熱部材511はヒーターであることができる。加熱部材511は抵抗性ヒーターであることができる。加熱部材511は下部板420bに埋設されることができる。加熱電源513は加熱部材511を発熱させるための電力を発生させることができる。加熱電源513は加熱部材511を発熱させて下部板420bを加熱することができる。加熱電源513は直流電源であることができる。フィルター515は後述する電源ユニット600が印加するアールエフ電圧(電力)が加熱電源513に伝達されることを遮断することができる。
【0080】
冷却流体供給部521は上部板520aを冷却するための冷却流体を貯蔵することができる。冷却流体供給部521は流体供給チャンネル523を通じて冷却流路421に冷却流体を供給することができる。冷却流路421に供給された冷却流体は冷却流路421に沿って流れながら上部板420aの温度を低めることができる。また、流体供給チャンネル523には流体バルブ525が設置されて冷却流体供給部521の冷却流体如何、または冷却流体の単位時間当り供給量を制御することができる。流体バルブ525はオン/オフバルブであるか、または流量調節バルブであることができる。
【0081】
電源ユニット600は下部電極240にアールエフ(RF、Radio Frequency)電圧を印加することができる。電源ユニット600は下部電極240にアールエフ電圧を印加して内部空間101に電界を形成することができる。内部空間101に形成された電界は内部空間101に供給された工程ガスを励起させてプラズマを発生させることができる。電源ユニット600は第1電源610、第2電源620、第3電源630、そして、整合部材640を含むことができる。
【0082】
第1電源610は第1周波数を有する電圧を下部電極240に印加することができる。第1電源610が発生させる電圧が有する第1周波数は、後述する第2電源620及び第3電源630が発生させる電圧が有する後述する第2周波数及び第3周波数よりさらに高い周波数であることができる。第1電源610は内部空間101でプラズマを発生させるソースアールエフ(Source RF)であることがある。第1周波数は60MHzであることがある。
【0083】
第1電源610は第1周波数を有する第1持続電圧、または第1周波数を有する第1パルス電圧を下部電極240に印加するように構成されることができる。第1持続電圧はCW(Continuous wave)RFであることがある。また第1パルス電圧はPulsed RFであることがある。
【0084】
第2電源620は第2周波数を有する電圧を下部電極240に印加することができる。第2電源620が発生させる電圧が有する第2周波数は、前述した第1電源610が発生させる電圧の第1周波数より小さく、第3電源630が発生させる電圧の第3周波数より大きくなることがある。第2電源620は第1電源610とともに内部空間101でプラズマを発生させるソースアールエフ(Source RF)であることがある。第2周波数は2MHz乃至9.8MHzであることがある。
【0085】
第2電源620は第2周波数を有する第2持続電圧、または第2周波数を有する第2パルス電圧を下部電極240に印加できるように構成されることができる。第2持続電圧はCW(Continuous wave)RFであることがある。また、第2パルス電圧はPulsed RFであることがある。
【0086】
第3電源630は第3周波数を有する電圧を下部電極240に印加することができる。第3電源630が発生させる電圧が有する第3周波数は、前述した第1電源610が発生させる電圧の第1周波数及び第2電源620が発生させる第2周波数より小さいことがある。第2電源620は第1電源610とともに内部空間101でプラズマのイオンらを加速させることに活用されるバイアスアールエフ(Bias RF)であることがある。第3周波数は40kHzであることがある。
【0087】
第3電源630は第3周波数を有する第3持続電圧、または第3周波数を有する第3パルス電圧を下部電極240に印加するように構成されることができる。第3持続電圧はCW(Continuous wave)RFであることがある。また、第3パルス電圧はPulsed RFであることがある。
【0088】
整合部材640はインピーダンスマッチングを遂行することができる。整合部材640は第1電源610、第2電源620、そして、第3電源630と連結され、第1電源610、第2電源620、そして、第3電源630が下部電極240に印加する電圧に対してインピーダンスマッチングを遂行することができる。
【0089】
リングユニット700は支持ユニット200の縁領域に配置されることができる。リングユニット700はエッジリング710、絶縁胴体720、そして、カップリングリング730を含むことができる。
【0090】
エッジリング710は基板(W)の縁領域の下に配置されることができる。エッジリング710の少なくとも一部は基板(W)の縁領域の下に配置されるように構成されることができる。エッジリング710は全体的にリング形状を有することができる。エッジリング710の上面は、内側上面、外側上面、傾斜上面を含むことができる。内側上面は基板(W)の中心領域と隣接した上面であることができる。外側上面は内側上面より基板(W)の中心領域と遠い上面であることができる。傾斜上面は内側上面と外側上面との間に提供される上面であることができる。傾斜上面は基板(W)の中心から遠くなる方向に上向き傾いた上面であることができる。エッジリング710はプラズマが形成される領域の中心に基板(W)が位置するように電場形成領域を拡張させることができる。エッジリング710はフォーカスリングであることができる。エッジリング710はSi、またはSiCを含む素材で提供されることができる。
【0091】
絶縁胴体720は上部から眺める時エッジリング710を取り囲むように構成されることができる。絶縁胴体720は絶縁素材で提供されることができる。絶縁胴体720は石英、またはセラミックスのような絶縁素材を含むように提供されることができる。
【0092】
カップリングリング730には高調波制御ライン(EL)が連結されることができる。カップリングリング730はエッジリング710及び絶縁胴体720の下に配置されることができる。カップリングリング730はエッジリング710、絶縁胴体720、下部電極240、そして、誘電板210によって取り囲まれることができる。カップリングリング730はリング胴体731及びリング電極732、伝導コンポネントの一例)を含むことができる。リング胴体731は絶縁性素材で提供されることができる。例えば、リング胴体731は石英、またはセラミックスのような絶縁素材で提供されることができる。リング胴体731はリング電極732をくるむように構成されることができる。リング電極732は導電性素材、例えばメタルを含む素材で提供されることができる。また、リング電極732は高調波制御ライン(EL)を媒介で高調波制御ユニット800と電気的に連結されることができる。これに、内部空間101で発生されることができる高調波成分は高調波制御ライン(EL)を通じて高調波制御ユニット800に流入されることができる。
【0093】
高調波制御ユニット800は電源ユニット600が下部電極240に印加するアールエフ電力によって発生する高調波を制御することができる。高調波制御ユニット800は内部空間101で発生する電界内の高調波成分を除去することができる。内部空間101で発生する電界はリング電極732と電気的にカップリングされることができる。
【0094】
高調波制御ユニット800は電源ユニット600が下部電極240で印加して発生したプラズマの非線形性によって発生することができる高調波(Harmonic)を除去することができる。高調波制御ユニット800はグラウンド(G、接地部)とリング電極732との間に提供されることができる。高調波制御ユニット800に流入される高調波成分はグラウンド(G)を通じて除去されることができる。言い換えれば、高調波制御ユニット800は高調波成分が除去されることができる除去経路を提供することができる。
【0095】
高調波制御ユニット800が除去することができる高調波らは、第2調波、第3調波、第4調波乃至第n調波を含むことができる。第n調波は第1電源610が印加する電圧の第1周波数の定数倍の周波数を有することができる。または、第n調波は第2電源620が印加する電圧の第2周波数の定数倍の周波数を有することができる。例えば、高調波らのうちで第2調波は、メイン周波数であることができる第1周波数の2倍の周波数を有することができる。例えば、第1周波数が60MHzなら、第2調波は120MHzであることがある。また、第3調波は180MHzであることがある。第4調波は240MHzであることがある。第n調波は60XnMHz(nは、自然数)の周波数を有することができる。
【0096】
高調波制御ユニット800の具体的な構成は後述する。
【0097】
制御機900は基板処理装置10を制御することができる。制御機900は基板処理装置10が有する構成らを制御することができる。制御機900は後述する高調波制御方法を遂行するように基板処理装置10を制御することができる。
【0098】
制御機900は基板処理装置10の制御を実行するマイクロプロセッサー(コンピューター)でなされるプロセスコントローラーと、オペレーターが基板処理装置10を管理するためにコマンド入力操作などを行うキーボードや、基板処理装置の稼働状況を可視化して表示するディスプレイなどでなされるユーザーインターフェースと、基板処理装置10で実行される処理をプロセスコントローラーの制御で実行するための制御プログラムや、各種データ及び処理条件によって各構成部に処理を実行させるためのプログラム、すなわち、処理レシピが記憶された記憶部を具備することができる。また、ユーザーインターフェース及び記憶部はプロセスコントローラーに接続されていることがある。処理レシピは記憶部のうちで記憶媒体に記憶されていることがあって、記憶媒体は、ハードディスクでも良く、CD-ROM、DVDなどの可搬性ディスクや、フラッシュメモリーなどの半導体メモリーであることもある。
【0099】
図3は、図2の高調波制御ユニットを概略的に示した図面である。図3を参照すれば、高調波制御ユニット800は遮断部810、そして、除去部820を含むことができる。遮断部810はアールエフ電力の周波数成分がグラウンド(G)に向けて流れることを遮断することができる。除去部820は遮断部810とグラウンド(G)との間に提供され、プラズマの高調波(Harmonic)成分を除去することができる。
【0100】
遮断部810は電源ユニット600が下部電極240に印加するアールエフ電力の周波数成分がグラウンド(G)に向けて流れることを遮断することができる。遮断部810は第1遮断フィルター812、第2遮断フィルター814、そして、第3遮断フィルター816を含むことができる。
【0101】
第1遮断フィルター812は第1電源610が印加する電圧が有する第1周波数成分を有する電流がグラウンド(G)に向けて流れることを遮断することができる。第1遮断フィルター812は帯域遮断フィルター(Band Rejection Filter)であることがある。しかし、これに限定されるものではなくて、第1遮断フィルター812は公知されたフィルターらの組合で具現されることもできる。第1遮断フィルター812は第1周波数を含む帯域の周波数を有する電流がグラウンド(G)に向けて流れることを遮断することができる。
【0102】
第2遮断フィルター814は第2電源620が印加する電圧が有する第2周波数成分を有する電流がグラウンド(G)に向けて流れることを遮断することができる。第2遮断フィルター814は帯域遮断フィルター(Band Rejection Filter)であることがある。しかし、これに限定されるものではなくて第2遮断フィルター814は公知されたフィルターらの組合で具現されることもできる。第2遮断フィルター814は第2周波数を含む帯域の周波数を有する電流がグラウンド(G)に向けて流れることを遮断することができる。
【0103】
第3遮断フィルター816は第3電源630が印加する電圧が有する第3周波数成分を有する電流がグラウンド(G)に向けて流れることを遮断することができる。第3遮断フィルター816は帯域遮断フィルター(Band Rejection Filter)であることがある。しかし、これに限定されるものではなくて第3遮断フィルター816は公知されたフィルターらの組合で具現されることもできる。第3遮断フィルター816は第2周波数を含む帯域の周波数を有する電流がグラウンド(G)に向けて流れることを遮断することができる。
【0104】
すなわち、本発明の遮断部810は電源ユニット600が下部電極240に印加するアールエフパワーが高調波制御ユニット800に流入されて消失されることを最小化することができる。言い換えれば、高調波制御ユニット800によって内部空間101に形成される電気波動のアールエフ電力成分は除去されないで、高調波成分だけが選択的に除去されることができるように助ける。
【0105】
除去部820は高調波(Harmonic)成分を除去することができる。除去部820は遮断部810とグラウンド(G)との間に提供され、高調波成分を除去することができる。除去部は第1高調波除去部821、第2高調波除去部822、第3高調波除去部823、第4高調波除去部824、そして、第5高調波除去部825を含むことができる。第1高調波除去部821は第1ブロッキングフィルター821a及び第1高調波制御回路821bを含むことができる。第2高調波除去部822は第2ブロッキングフィルター822a及び第2高調波制御回路822bを含むことができる。第3高調波除去部823は第3ブロッキングフィルター823a及び第3高調波制御回路823bを含むことができる。第4高調波除去部824は第4ブロッキングフィルター824a及び第4高調波制御回路824bを含むことができる。第5高調波除去部825は第5ブロッキングフィルター825a及び第5高調波制御回路825bを含むことができる。
【0106】
第1高調波除去部821乃至第5高調波除去部825はそれぞれ除去する高調波の成分が異なることがある。例えば、第1高調波除去部821は第p調波(pは、自然数)を除去することができるように構成されることができる。第2高調波除去部822は第q調波(qは、自然数)を除去することができるように構成されることができる。第q調波は第p調波と相異なことがある。
【0107】
例えば、第1高調波除去部821は第2調波を除去することができるように構成されることができる。また、第2高調波除去部822は第3調波を除去することができるように構成されることができる。また、第3高調波除去部823は第4調波を除去することができるように構成されることができる。また、第4高調波除去部824は第5調波を除去することができるように構成されることができる。また、第5高調波除去部825は第6調波を除去することができるように構成されることができる。
【0108】
第1高調波除去部821乃至第5高調波除去部825は概して同一/類似な構造を有することができる。これに、以下では第1高調波除去部821を中心に説明し、繰り返される説明は略する。
【0109】
第1高調波除去部821は第1ブロッキングフィルター821a及び第1高調波制御回路821bを含むことができる。第1ブロッキングフィルター821aは高調波成分のうち、第p調波(例えば、第2調波)の周波数成分を除いた残りの周波数成分を遮断できるように構成されることができる。第1ブロッキングフィルター821aは帯域通過フィルター(Band Pass Filter)であることがある。しかし、これに限定されるものではなくて第1ブロッキングフィルター821aは公知されたフィルターらの組合で構成されることができる。第1ブロッキングフィルター821aによって第p調波を除いた残りの周波数成分はすべて遮られて、第p調波の周波数成分の電流だけが第1高調波制御回路821bに流れることができる。第1高調波制御回路821bは第1インダクター(L1)及び可変コンデンサである第1コンデンサ(C1)で構成される回路であることがある。この時、制御機900は第1コンデンサ(C1)のキャパシタンスは、第1高調波制御回路821bが共振回路になるように調節されることができる。例えば、図5に示されたように第1コンデンサ(C1)のキャパシタンスは、第1高調波制御回路821bの共振周波数(f0)が第p調波の周波数になるように調節されることができる。すなわち、第1高調波制御回路821bは第p調波が有する周波数で共振回路になることがある。この場合、第1高調波制御回路821bのインピーダンスの大きさは最小になることがあるし、この場合第1高調波制御回路821bに流れる第p調波の周波数成分の電流は最大で流れることができる。
【0110】
第1ブロッキングフィルター821aによって第p調波の周波数成分を除いた残りの周波数成分は遮られて、第p調波の周波数成分を有する電流は第1高調波制御回路821bで最大で流れてグラウンド(G)を通じて除去されることができる。これに、第p調波の周波数成分は効果的に除去されることができる。
【0111】
これと類似に、第2高調波除去部822は第p調波と相異な第q調波(例えば、第3調波)の周波数成分を除いた残りの周波数成分を遮断する第2ブロッキングフィルター822a、そして、第2ブロッキングフィルター822aとグラウンド(G)との間に提供される第2高調波制御回路822bを含むことができる。第2高調波制御回路822bは第1高調波制御回路821bと類似に、第2インダクター及び第2コンデンサで構成される回路であることができる。制御機900は第2高調波制御回路822bが第q調波が有する周波数で第2高調波制御回路822bが共振回路になるように第2コンデンサのキャパシタンスが調節することができる。
【0112】
これと類似に、第3高調波除去部823は第3ブロッキングフィルター823a及び第3高調波制御回路823bを含むことができる。第4高調波除去部824は第4ブロッキングフィルター824a及び第4高調波制御回路824bを含むことができる。第4高調波除去部824は第4ブロッキングフィルター824a及び第4高調波制御回路824bを含むことができる。第n高調波制御部82nは第nブロッキングフィルター82na及び第n高調波制御回路82nbを含むことができる(nは、自然数)。
【0113】
すなわち、本発明の一実施例による高調波制御ユニット800は、内部空間101で発生する電界の電気的波動が有する成分らうち、電源ユニット600が印加する電圧による成分が高調波制御ユニット800によって除去されることを遮断するが、多様な高調波を除去することができるように構成されることができる。これに、高調波成分を効果的に除去することができる。
【0114】
本発明の一実施例による高調波を制御する方法は、以下の段階らを含むことができる。
【0115】
第1に、基板(W)を支持する支持ユニット200の縁領域に配置されるリングユニット700と連結された高調波制御ユニット800の遮断部810が電源ユニット600が印加するアールエフ電力の周波数成分がグラウンド(G)に流れることを遮断することができる。電源ユニット600が下部電極240にアールエフ電力を印加すれば、印加された電力は内部空間101で電界を形成する。電界は電気的波動であることがある。電気的波動は電源ユニット600が印加する電力によって発生する成分、そして、多様な原因で発生することがある高調波成分を含むことができる。電界はリングユニット700のリング電極732とカップリングされることがある。
【0116】
第2に、高調波制御ユニット800の除去部を通じて遮断部810を経った高調波を除去することができる。高調波を除去する段階には、高調波(Harmonics)の周波数成分を除いた残りの周波数成分をブロッキングフィルターらが遮断し、可変コンデンサを有する高調波制御回路を通じて高調波を除去することができる。この時、高調波制御回路の可変コンデンサは高調波成分がより効果的に除去されるように調節されることができる。
【0117】
また、高調波を除去する段階には、第1ブロッキングフィルター821a乃至第5ブロッキングフィルター825aがそれぞれ割り当てされた高調波の周波数成分を除いた残りの周波数成分を遮断し、第1高調波制御回路821b乃至第5高調波制御回路825bが有する可変コンデンサのキャパシタンスはそれぞれ割り当てされた高調波の周波数で共振回路になるように調節されることができる。
【0118】
図6は、本発明の他の実施例による基板処理装置が有する高調波制御ユニット及び検出ユニットの姿を概略的に示した図面であり、図7は、図6の検出ユニットが検出する高調波成分の電流の変化を示したグラフである。
【0119】
図6及び図7を参照すれば、本発明の一実施例による基板処理装置は検出ユニット(SU)をさらに含むことができる。検出ユニット(SU)は高調波制御ユニット800に流れる電圧または電流を検出することができる。検出ユニット(SU)は第1検出部材(S1)、第2検出部材(S2)、第3検出部材(S3)、第4検出部材(S4)、そして、第5検出部材(S5)を含むことができる。第1乃至第5検出部材(S1、S2、S3、S4、S5)は電流計または電圧計であることができる。第1検出部材(S1)、第2検出部材(S2)、第3検出部材(S3)、第4検出部材(S4)、そして、第5検出部材(S5)が検出する電子出力は制御機900に伝達されることができる。制御機900は検出ユニット(SU)が測定する電圧または電流値に根拠して高調波制御ユニット800が有する可変コンデンサ(例えば、第1コンデンサ乃至第5コンデンサ)のキャパシタンスを調節することができる。例えば、検出ユニット(SU)で検出する電流の大きさが最大になるように制御機900は可変コンデンサ(例えば、第1コンデンサ乃至第5コンデンサ)のキャパシタンスを調節することができる。
【0120】
前述した例では、検出ユニット(SU)がブロッキングフィルター821a、822a、823a、824a、825aと高調波制御回路821b、822b、823b、824b、825bとの間に提供されることを例を挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、検出ユニット(SU)は電流計または電圧計で構成されることができるし、また検出ユニット(SU)は、遮断部810と除去部820との間に提供されることもできる。
【0121】
前述した例では、高調波制御回路821b、822b、823b、824b、825bを構成するインダクターとコンデンサが直列で連結されていることを例を挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図9に示されたように高調波制御回路821b、822b、823b、824b、825bを構成するインダクターとコンデンサは並列で連結されていることがある。
【0122】
前述した例では、検出ユニット(SU)が電気的に高調波制御ユニット800が有する構成らの間に配置されることを例を挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図10に示されたように検出ユニット(SU)はリングユニット700と高調波制御ユニット800との間に配置されることもできる。
【0123】
以上の実施例らは本発明の理解を助けるために提示されたものであり、本発明の範囲を制限しないし、これから多様な変形可能な実施例らも本発明の範囲に属するものであることを理解しなければならない。本発明で提供される図面は本発明の最適の実施例を図示したことに過ぎない。本発明の技術的保護範囲は特許請求範囲の技術的思想によって決まらなければならないはずであるし、本発明の技術的保護範囲は特許請求範囲の文言的記載その自体で限定されるものではなく、実質的には技術的価値が均等な範疇の発明まで及ぶものであることを理解しなければならない。
【符号の説明】
【0124】
100 チャンバ
101 内部空間
102 排気ホール
VL 排気ライン
200 下部電極ユニット
210 誘電板
211 第1供給流路
220 静電電極
221 静電電源
230 ヒーター
240 下部電極
241 第1循環流路
242 第2循環流路
243 第2供給流路
250 絶縁板
GS 熱伝逹媒体貯蔵部
GL 媒体供給ライン
GB 媒体供給バルブ
CS 冷却流体貯蔵部
CL 流体供給ライン
CB 流体供給バルブ
300 ガス供給ユニット
310 ガス貯蔵部
320 ガス供給ライン
330 ガス流入ポート
400 上部電極ユニット
410 支持胴体
420 上部電極
420a 上部板
420b 下部板
430 分配板
440 上部電力供給部
500 温度調節ユニット
511 加熱部材
513 加熱電源
515 フィルター
521 冷却流体供給部
523 流体供給チャンネル
525 バルブ
600 電源ユニット
610 第1電源
620 第2電源
630 第3電源
640 整合部材
700 リングユニット
710 エッジリング
720 絶縁胴体
730 カップリングリング
731 リング胴体
732 リング電極
800 高調波制御ユニット
810 遮断部
812 第1フィルター
814 第2フィルター
716 第3フィルター
820 除去部
821 第1高調波除去部
821a 第1ブロッキングフィルター
821b 第1高調波制御回路
822 第2高調波除去部
822a 第2ブロッキングフィルター
822b 第2高調波制御回路
823 第3高調波除去部
823a 第3ブロッキングフィルター
823b 第3高調波制御回路
824 第4高調波除去部
824a 第4ブロッキングフィルター
824b 第4高調波制御回路
825 第5高調波除去部
825a 第5ブロッキングフィルター
825b 第5高調波制御回路
900 制御機

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10