(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-22
(45)【発行日】2024-04-01
(54)【発明の名称】高範囲差圧センサ
(51)【国際特許分類】
G01L 13/02 20060101AFI20240325BHJP
【FI】
G01L13/02 Z
(21)【出願番号】P 2022538234
(86)(22)【出願日】2020-11-16
(86)【国際出願番号】 US2020060726
(87)【国際公開番号】W WO2021133481
(87)【国際公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-08-10
(32)【優先日】2019-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515231553
【氏名又は名称】ローズマウント インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブローデン、デイビッド アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ウィルコックス、チャールズ レイ
(72)【発明者】
【氏名】アフィアス、ブライアン マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ブロジェット、ジェニファー アン
【審査官】松山 紗希
(56)【参考文献】
【文献】特表2002-544514(JP,A)
【文献】特開昭62-080367(JP,A)
【文献】特表2005-534900(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 7/00-23/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング内に配置された伝送電子機器と、
内部キャビティを規定する第1の材料を含むセル本体と、導電部を有する第2の材料を含み、ダイアフラムが前記セル本体に結合され、前記内部キャビティを第1キャビティおよび第2キャビティに分離する可撓性ダイアフラムと、を含み、前記第1および第2キャビティはそれぞれ誘電性充填液を含み、充填液のそれぞれは、圧力を受け取り、前記ダイアフラムに対応する力を発揮するように構成され、前記ダイアフラムは、前記第1および第2キャビティの充填液によって受け取られた圧力の差異に応じて、変形可能とされた、圧力センサと、
前記第1キャビティ内の前記セル本体に結合され、第1可変キャパシタを形成するために前記ダイアフラムに容量結合された第1電極と、
前記第1電極に電気的に接続され、セル本体から延びる第1のリードワイヤと、
第2キャビティ内の
前記セル本体に結合され、
前記ダイアフラムの導電部に容量結合されて第2
可変キャパシタを形成する
、第2電極と、
前記第2電極に電気的に結合され、前記第2電極から伸びる第2リードワイヤと、
を備え、
前記第1および第2可変キャパシタは、印加された圧力に応じた静電容量値を有し、
前記第1および第2リードワイヤは、前記伝送電子機器に電気的に結合され、
前記可撓性ダイアフラムは、前記可撓性ダイアフラムの周囲
の前記内部キャビティ内に、前記可撓性ダイアフラムが撓んでいるときに前記可撓性ダイアフラムと前記セル本体とが離隔されるように配置された溝領域を含む、
プロセス圧力伝送器。
【請求項2】
前記第2の材料がインコネル合金を含む、請求項1に記載のプロセス圧力伝送器。
【請求項3】
前記インコネル合金は、インコネル718合金を含む、請求項2に記載のプロセス圧力伝送器。
【請求項4】
前記第1の材料がニトロニック合金を含む、請求項1に記載のプロセス圧力伝送器。
【請求項5】
前記ニトロニック合金は、ニトロニック32合金を含む、請求項4に記載のプロセス圧力伝送器。
【請求項6】
前記第1の材料がニトロニック32合金を含み、前記第2の材料がインコネル718合金を含む、請求項1に記載のプロセス圧力伝送器。
【請求項7】
前記セル本体は、2つのハーフセルから形成される、請求項1に記載のプロセス圧力伝送器。
【請求項8】
前記2つのハーフセルは、前記可撓性ダイアフラムに溶接される、請求項7に記載のプロセス圧力伝送器。
【請求項9】
第1の溶接部が第1のハーフセルを前記可撓性ダイアフラムに結合し、第2の溶接部が第2のハーフセルを前記可撓性ダイアフラムに結合する、請求項8に記載のプロセス圧力伝送器。
【請求項10】
前記第1の溶接部および前記第2の溶接部が、前記可撓性ダイアフラムのランド領域内に位置する、請求項9に記載のプロセス圧力伝送器。
【請求項11】
前記第1の溶接部および前記第2の溶接部が、部分的に前記ランド領域内に延在する、請求項10に記載のプロセス圧力伝送器。
【請求項12】
前記可撓性ダイアフラムの溝領域の反対側上に対向する溝領域を含む、請求項1に記載のプロセス圧力伝送器。
【請求項13】
前記溝領域はテーパ状である、請求項12に記載のプロセス圧力伝送器。
【請求項14】
前記可撓性ダイアフラムの厚さは、前記溝領域の内周における厚さに比べて、前記溝領域の外周においてより大きい、請求項13に記載のプロセス圧力伝送器。
【請求項15】
前記溝領域は、前記可撓性ダイアフラムと前記セル本体との間に追加の間隙を提供する、請求項1に記載のプロセス圧力伝送器。
【請求項16】
前記ランド領域は、
前記溝領域と前記ハーフセルの外周との間に延在し、溶着処理中の前記セル本体の歪みを低減するように構成される、請求項10に記載のプロセス圧力伝送器。
【請求項17】
前記溝領域が、前記内部キャビティ内に位置する前記可撓性ダイアフラムの内周から、前記内部キャビティを越えて位置する外周まで延びる、請求項1に記載のプロセス圧力伝送器。
【請求項18】
前記第1の材料および前記第2の材料が同じである、請求項1に記載のプロセス圧力伝送器。
【請求項19】
前記第1の材料および前記第2の材料がインコネルを含む、請求項1に記載のプロセス圧力伝送器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工業プロセス可変伝送器に関する。より具体的には、本発明は、プロセス流体の差圧を測定するために使用される種類の工業プロセス可変伝送器に関する。
【背景技術】
【0002】
工業プロセス伝送器は、検出素子で測定された変数に応答し、その変数を、測定された変数の関数である標準化された伝送信号、例えば、電気または高周波シグナルに変換する変換器である。工業プロセス圧力伝送器は、化学、パルス、石油、ガス、医薬、食品、および他の流体処理プラントにおけるスラリー、液体、蒸気およびガスのような工業プロセスの圧力測定と共に使用される。工業プロセスの伝送器は、しばしばプロセス流体の近くに置かれるか、あるいは現場での応用に置かれる。しばしば、これらの分野の用途は、そのような伝送器の設計者に課題を提供する厳しくかつ変化する環境条件下に置かれる。
【0003】
多くの圧力伝送器における検出素子(圧力センサ)は、可撓性を有する検知ダイアフラム(「ダイアフラム」)および2つのキャパシタ電極を含むキャパシタンスセンサである。1つの種類の検出素子は、ダイアフラムを含み、それは、ダイアフラムの両側に加えられた圧力に応じてたわむ導電性伸張膜であり、2つのキャパシタ電極は、ダイアフラムの両側に1つずつ含まれる。キャパシタプレートとダイアフラムの間には、誘電性充填液が使用される。プロセス流体とインターフェースする隔離ダイアフラムと共に使用される充填流体は、過酷、腐食性、汚れまたは汚染され得るプロセス流体が、検出素子の構成部品と相互作用し、おそらく構成部品を損傷することを防止する。導電性ダイアフラムと結合された、ダイアフラムの片側の第1キャパシタ電極は、第1キャパシタを形成する。ダイアフラムの反対側にある第2キャパシタ電極は、ダイアフラムと結合して第2キャパシタを形成する。それぞれのキャパシタのキャパシタンスは、キャパシタプレートとダイアフラムの間隔の逆数に比例して変化する。したがって、それぞれのキャパシタのキャパシタンスは、ダイアフラムが印加圧力に応じてたわむにつれて変化する。たわみの大きさは、2つの加えられた圧力の差、つまり差圧に関係する。それぞれのキャパシタプレートと導電性ダイアフラムとの間の差動キャパシタンスが検出され、差圧に関係する標準化された伝送信号を提供するために使用される。
【0004】
本検出素子は、特に、プロセスフィールド環境におけるダイアフラムたわみの検出に適合されている。キャパシタンス、C、および1つのキャパシタプレート間の距離、X、のおおよその関連は、C=εK/X、であり、ここで、εは充填液の誘電率であり、Kは、検出素子の幾何学的形状のようないくつかの要因に依存する定数である。2つの対向するキャパシタを有する検出素子は、出力が変化する誘電率に概ね依存しないように構成される。検出素子の2つのキャパシタは、一般に、比率(C1-C2)/C1+C2)に関連するアウトプットを提供する。ここで、C1は、検出素子における第1キャパシタのキャパシタンスを表し、C2は、検出素子における第2キャパシタンスを表す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
広い圧力領域にわたって正確な差圧測定を提供することは、特に困難である。なぜなら、圧力センサは小さな圧力変化を測定するのに十分な感度を有し、しかも大きな差圧の適用に耐えるのに十分な堅牢性を有していなければならないからである。これらの要求に応えるため、圧力センサの構造には専用の材料と合金を採用している。
発明の概要
【課題を解決するための手段】
【0006】
プロセス圧力伝送器は、ハウジング内に配置された伝送器電子機器を含む。伝送器電子機器は、処理システムに結合された通信回路と、ハウジング内に配置されたアナログ-デジタルコンバータとを含む。アナログ-デジタルコンバータは、伝送器電子機器に電気的に結合される。圧力センサは、第1の内壁と、内部キャビティを規定する第1の内壁とほぼ対向する第2の内壁とを有する第1の材料のセル本体を備える。第2/材料を含む可撓性ダイアフラムは、第1および第2の内壁の間のセル本体に結合され、内部キャビティを第1キャビティおよび第2キャビティに分離する。可撓性ダイアフラムは、可撓性ダイアフラムの周囲に位置する溝領域を含む。第1および第2キャビティは、それぞれ誘電性充填液を含み、充填流体のそれぞれは、圧力を受け取り、ダイアフラムに対応する力を発揮するように構成され、ダイアフラムは、第1および第2キャビティにおいて充填液によって受け取られた圧力の差異に応じて、撓み可能である。第1電極が導電部に容量結合されて第1可変キャパシタを形成し、第1リードワイヤが第1電極に電気的に接続する。第2電極がダイアフラムの導電部に容量結合されて第2キャパシタを形成し、第2リードワイヤが第2電極に電気的に結合される。第1および第2リードワイヤは、アナログ-デジタルコンバータに電気的に結合される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、本発明に従って構成された処理伝送器を備えたプロセス測定システムを示す図である。
【
図3】
図3は、
図1に示す処理伝送器の機能ブロック図を示す。
【
図4】
図4は、
図1の伝送器の一部である、切断されたセンサモジュールおよび圧力センサの斜視図である。
【
図5A】
図5Aは、広い圧力範囲にわたって動作するように構成された一実施形態による圧力センサの拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、一般にプロセス測定システム32の周囲を示す。
図1は、プロセス圧力を測定するためにプロセス測定システム32に連結された圧力下の流体を収容するプロセス配管30を示す。プロセス測定システム32は、配管30に接続されたインパルス配管34を含む。インパルス配管34は、プロセス圧力伝送器36に接続される。オリフィス板体、ベンチュリ管、フローノズルなどの一次構成要素33は、インパルス配管34のパイプ間のプロセス配管30内の位置でプロセス流体に接触する。一次構成要素33は、液体が一次構成要素33を通過する際に、圧力変化を引き起こす。
【0009】
伝送器36は、インパルス配管34を通してプロセス圧力を受け取る処理測定装置である。伝送器36はプロセス圧力を感知し、プロセス圧力の関数である標準化された伝送信号に変換する。また、伝送器は、多重プロセス変数を感知することができ、又はプロセス制御機能を提供するように構成することができる。実施例では、伝送器36は差圧伝送器である。差圧は、2つの圧力値間の大きさの差異であり、たとえば、伝送器に入力される2つのプロセス圧力間の差異である。差圧の測定は、伝送器に入力される基準圧力が大気圧力であるゲージ圧力の測定を含み、伝送器に入力される基準圧力が真空である絶対圧力の測定も含む。
図1は、流れを測定するように構成された伝送器を示す。しかしながら、差圧測定のための伝送器の他の使用が考えられる。
【0010】
プロセスループ38は、伝送器36への電力信号と双方向通信の両方を容易にし、多数の処理通信プロトコルに従って構成することができる。図示の例では、プロセスループ38は2線式ワイヤループである。2線式ワイヤループは、その名称が意味するように、伝送器36を遠隔制御室40に電気的に接続するために2本のワイヤのみを使用する。2線式ワイヤループは、4~20mAの通常動作中に、伝送器36との間のすべての電力およびすべての通信を伝送するために使用される。従って、図示されているような伝送器36は、「2線式伝送器」と呼ばれることが多いが、3線式及び4線式伝送器等の他の構成も公知であり、企図されている。4-20mAのアナログシグナルとオープンプロトコルHART(登録商標)で通信できる。HART(登録商標)(Highway Addressable Remote Transducer)は、デジタル通信フォーマットで、4 ~20mA 信号と同時にデジタル通信を行うことができる。通信は、オープンで相互運用可能なプロトコルFOUNDATION(登録商標)でも実行できる。FOUNDATION(登録商標)は、インテリジェントフィールドレベルと制御装置間のデジタル通信リンクを提供するフィールドバスである。伝送器36は、世界中で使用されている装置バス、センサバス、プロフィバス、イーサネット等を含む他のプロセスプロトコルと共に使用するように構成することができる。コンピュータ42またはモデム44を介した他の情報処理システム、または他のネットワークインターフェースが、伝送器36との通信に使用される。遠隔電圧電源46が伝送器36に電力を供給する。伝送器36は、例えば、バッテリ、太陽電池等によって外部又は内部に電力を供給することができる。さらに、いくつかの構成では、ループ38は、ワイヤレスプロセス制御ループである。例えば、ループ38は、IEC 62591 Wireless HART(登録商標)に従って動作できる。
【0011】
図2は、伝送器36の一例の分解図を示す。フランジ50は、センサモジュール52に取り付けられて、インパルス配管34とインターフェースする。センサモジュール52は、内部構成部品を処理媒体及び現場環境から隔離するための全ての溶接設計であるねじ付きハウジング53を含む。
図3は、
図2に対応する伝送器36の構成図を示す。プロセス圧力54がセンサモジュール52に印加される。処理媒体から機械的、電気的、熱的に絶縁された圧力センサ56は、プロセス圧力54を受け取り、差圧を表すアナログ電気信号58を提供する。シグナル58は処理され、アナログ-デジタルコンバータ62およびセンサモジュールメモリ64を含むセンサモジュール電子機器60でデジタル信号に変換される。メモリ64には、センサモジュール52のセンサモジュール係数および補正係数に関する具体的な情報が含まれる。温度センサ63は、センサ電子機器60への周囲温度を表すアナログシグナルを提供する。デジタル信号は、マルチピンケーブル66を介して出される。
図2に示すように、マルチピンケーブル66は、センサモジュール52のキャップ70上のカバー68によって包囲された格納式テープとして実装される。
【0012】
一実施形態によれば、電子ハウジング71は、センサモジュール52およびループ38とインターフェースする伝送器構成部品を格納する。マルチピンケーブル66は電子ボード72に差し込む。
図3は、本電子ボードが、デジタル信号をさらにコンディショニングするために使用されるマイクロプロセッサシステム74およびメモリ76を含むことを示す。デジタル-アナログコンバータ78またはデジタル通信回路80は、ループ38を介してアナログまたはデジタル伝送信号のいずれかを生成および受信するために使用され、従って、「通信回路」としばしば呼ばれる。ループ38は、
図2に示すように、開口82を介して伝送器に接続される。端子台84が電子ボード72に電気的に接続され、生成された信号に直接アクセスする。電子ハウジング71は、現場設置に適した組立伝送器36内で防爆ハウジングを提供するために、Oリング88でセンサモジュール52及びキャップ86を受け入れる。ハウジングは、センサモジュール52および電子ハウジング71内にある伝送器電子機器を保護する。
【0013】
図4は、センサモジュール52の一実施形態の断面図を示す。差動プロセス圧力54は、典型的には流体(気体または液体)の形で、アイソレーションダイアフラム90でセンサモジュール52に適用される。各々のアイソレーションダイアフラム90は、その分離チャンバ92内の印加プロセス圧力54に応じて撓む。隔離チャンバ92は、印加プロセス圧力54をセンサ56に移送する充填液95が充填された隔離チューブ94と連通しており、これも参照番号56で
図3に模式的に示されている。アイソレーションダイアフラム90は、センサ56を、センサ56に対して腐食性であるか、さもなければ有害であり得るプロセス流体から保護する役割を果たす。センサ56は、充填液95で満たされた内部キャビティ100を有するセル本体98を含む。しばしば感知ダイアフラムと呼ばれるダイアフラム102は、内部キャビティ100を2つのほぼ等しくかつ対向する半キャビティに分離し、内部キャビティ100内に伝達されるプロセス圧力54に応答して撓む。可撓性ダイアフラム102の変位量は、キャビティ100の2つの半キャビティ間の圧力の差異に比例する。キャビティ100に対するダイアフラム102の位置は、キャビティ100内のキャパシタ電極で検出される。リード線104、108は、開口111、113を貫通して延在し、センサ電子機器60を収容するセンサ電子ボード112にキャパシタ電極を接続する。したがって、センサ56は差動プロセス圧力をアナログ電気信号に変換し、センサ電子回路60はアナログ電気信号をデジタル電気信号に変換する。
【0014】
背景の節で論じたように、広い圧力帯域で使用される差圧センサは、その精度を高めるために、専門的な材料が必要となる。しかしながら、このようなセンサの製造に典型的に使用される材料には、いくつかの欠点がある。それらは、(より低いレンジ圧力センサに比べて)変化する圧力のもとで測定可能なヒステリシスを経験し、これはプロセス測定の不正確さにつながる可能性がある。さらに、材料は比較的高価であり、利用可能性が限られている。これらの制限に対処するために、新しいセンサ形状が提供される。さらに、本発明の一態様では、インコネル中心ダイアフラム及びニトロニックハーフセルを組み込む。インコネル、または同様の材料は、従来の材料から製造された同じダイアフラム形状と比較した場合、高強度と優れたバネ特性の両方を示し、より低いヒステリシスをもたらす。
【0015】
また、現在の製造プロセスに適合する設計を提供することが望ましい。インコネルダイアフラム及びニトロニックハーフセルは熱的に互換性があり、レーザー溶接が可能である。材料間の熱膨張差異は十分に近い。これは、容易に修正可能な生の温度性能特性を有するセンサをもたらす。他の例示的な構成では、ダイアフラム及びハーフセルは、同じ材料から作られる。より具体的な事例では、これらはいずれもインコネルから作られている。
【0016】
図5Aは、一実施形態による高レンジ差圧センサ400の拡大部分断面図であり、
図5Bは、その断面図である。圧力センサ400は、ニトロニックから形成される2つのハーフセル本体402A、Bを含む。インコネルのセンサダイアフラム410は、2つのハーフセル402A、Bの間に懸架されている。レーザー溶接部420は、2つのハーフセル402A、Bの円周縁の周りに配置され、2つのハーフセル402A、Bをセンサダイアフラム410に固定するために使用される。センサダイアフラム410は、ハーフセル402A、B内に担持された充填材料404A、Bによって形成されるハーフセルキャビティ406A、B内に懸架される。充填材料404A、Bは、典型的には、ガラスなどの絶縁体であり、容量性電極412A、Bを担持する。1つの具体的な構成において、充填材料404A、Bは、互換性のあるガラスを含む。
【0017】
溝領域430A、Bは、ハーフセルキャビティ406A、B内のセンサダイアフラム410の外周の周囲に形成される。外周450は、溝領域430A、Bとハーフセル402A、Bの外周との間に延在するランド領域452を画定する。
【0018】
図5Aはまた、センサダイアフラム410のたわみがセンサダイアフラム410とハーフセル402A、Bとの間の接点を生じ得る臨界域454を図示する。溝領域430A、Bは、通常動作中にこのような接点を防止する。
【0019】
図5Bは、圧力センサ400全体の断面図である。
図5Bに図示されるように、圧力チューブ408Aおよび408Bは、キャビティ406Aと406Bとの間に差圧を印加するために使用される。また、上述のセンサ200および300に関連して論じられたように、
図5A/5Bは、キャパシタ412A、Bおよびセル本体402A、402Bへの電気的接続を行うために使用される電気的接続414A、414Bおよび416を図示する。
【0020】
新しい幾何学的形状は、
図5A、
図5Bに示すように、またインコネルダイアフラムを含めると、センサの費用および製造の容易さの大幅な向上、ならびにセンサの履歴性能の向上をもたらす。
【0021】
本明細書に記載される具体例は、インコネル718から製造されるダイアフラム410、およびニトロニック32から製造されるハーフセル402A、Bを含むが、他の種類のインコネルおよびニトロニックを採用してもよい。同様に、代替の電気絶縁充填材料404A、Bを使用してもよい。
【0022】
本発明は好ましい実施形態に関して説明されているが、当業者であれば、様々な変更が本発明の精神および範囲から逸脱することなく形状および細部になされてもよいことは認識できる。また、構成および材料は、圧力履歴を超えて改善される。また、この構成は、疲れ寿命の増加のような付加的な利益をもたらすダイアフラム内のストレスを減少させる。