(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-22
(45)【発行日】2024-04-01
(54)【発明の名称】インターリーフ・パッキング及び展開システム
(51)【国際特許分類】
G01V 1/16 20060101AFI20240325BHJP
B63C 11/48 20060101ALI20240325BHJP
B63G 8/39 20060101ALI20240325BHJP
【FI】
G01V1/16
B63C11/48 C
B63G8/39
(21)【出願番号】P 2022557780
(86)(22)【出願日】2021-01-18
(86)【国際出願番号】 US2021013808
(87)【国際公開番号】W WO2021194614
(87)【国際公開日】2021-09-30
【審査請求日】2022-10-06
(32)【優先日】2020-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503455363
【氏名又は名称】レイセオン カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ミスリア,ジョセフ エム.
(72)【発明者】
【氏名】カールステン,カーティス ビー.
(72)【発明者】
【氏名】ウィリー,ピーター エム.
【審査官】山口 剛
(56)【参考文献】
【文献】実開昭61-087374(JP,U)
【文献】特開平09-089602(JP,A)
【文献】特開平10-090428(JP,A)
【文献】英国特許出願公告第01525422(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01V 1/00 - 99/00
B63G 8/39
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブルによって接続された複数のセンサを有するセンサアレイに関するパッキングモジュールであって、当該パッキングモジュールは、
前記複数のセンサを支持するように構成された少なくとも1つのトレイと、
該少なくとも1つのトレイから外向きに延び、前記複数のセンサとは別に前記ケーブルを前記少なくとも1つのトレイに保持するように構成された保持リーフ構成と、を含
み、
前記保持リーフ構成は、入れ子にされた複数のリーフを含む、
パッキングモジュール。
【請求項2】
前記複数のリーフは、互いに対して等間隔に配置される、請求項
1に記載のパッキングモジュール。
【請求項3】
前記複数のリーフのそれぞれが、前記少なくとも1つのトレイに対して同じ厚さ及び同じ軸線方向高さを有する、請求項
1又は
2に記載のパッキングモジュール。
【請求項4】
前記複数のリーフのそれぞれが、前記保持リーフ構成の中心軸線から離れる方向に徐々に増大する外周を有する、請求項
1乃至
3のいずれか一項に記載のパッキングモジュール。
【請求項5】
前記少なくとも1つのトレイは、軸線方向に積み重ねられた複数のトレイを含み、該複数のトレイのそれぞれが、同じ所定数の前記複数のセンサを支持するように構成される、請求項1
乃至4のいずれか一項に記載のパッキングモジュール。
【請求項6】
前記複数のトレイのうちの1つのトレイを前記複数のトレイのうちの隣接するトレイに固定する複数の可撓性連結タブをさらに含む、請求項
5に記載のパッキングモジュール。
【請求項7】
前記可撓性連結タブのそれぞれが、前記複数のトレイのうちの対応するトレイと一体的に形成される、請求項
6に記載のパッキングモジュール。
【請求項8】
当該パッキングモジュールは、前記ケーブルにアクセスするために、前記保持リーフ構成を通って延びる軸線方向スロットを規定する、請求項1乃至
7のいずれか一項に記載のパッキングモジュール。
【請求項9】
前記少なくとも1つのトレイは外壁を含み、前記保持リーフ構成は複数の内側リーフを含み、該複数の内側リーフは、前記外壁と前記複数の内側リーフとの間にキャビティを規定し、該キャビティは、前記複数のセンサを受容するように構成される、請求項1乃至
8のいずれか一項に記載のパッキングモジュール。
【請求項10】
前記キャビティは、前記保持リーフ構成のリーフ同士の間の間隔よりも少なくとも10倍大きい軸線方向の幅を有する、請求項
9に記載のパッキングモジュール。
【請求項11】
前記保持リーフ構成は、前記保持リーフ構成によって取り囲まれ、且つ前記複数のセンサを受容するように構成された内部キャビティを規定する、請求項1乃至
8のいずれか一項に記載のパッキングモジュール。
【請求項12】
前記少なくとも1つのトレイ及び前記保持リーフ構成は、モノリシック本体として一体的に形成される、請求項1乃至
11のいずれか一項に記載のパッキングモジュール。
【請求項13】
前記少なくとも1つのトレイ及び前記保持リーフ構成は、円筒形状である、請求項1乃至
12のいずれか一項に記載のパッキングモジュール。
【請求項14】
前記保持リーフ構成は、同心状に配置された複数のリーフを含み、各リーフが、半径方向外向きに徐々に増大する直径を有する、請求項
13に記載のパッキングモジュール。
【請求項15】
ケーブルによって接続された複数のセンサを有する水中聴音器アレイのためのパッキング及び展開システムであって、当該パッキング及び展開システムは、
軸線方向に積み重ねられた複数のトレイであって、各トレイが前記複数のセンサのセットを支持するように構成され、前記軸線方向に積み重ねられた複数のトレイは互いに解放可能に接続される、複数のトレイと、
複数の保持リーフ構成であって、各保持リーフ構成が、垂直方向に積み重ねられた前記複数のトレイのうちの対応するトレイに配置され、前記垂直方向に積み重ねられた複数のトレイのうちの1つのトレイから外向きに延びており、前記複数の保持リーフ構成のそれぞれが、前記複数のセンサとは別に、前記垂直方向に積み重ねられた複数のトレイのうちの前記対応するトレイに前記ケーブルを保持するように構成される、複数の保持リーフ構成と、を含
み、
各保持リーフ構成は、入れ子にされた複数のリーフを含む、
パッキング及び展開システム。
【請求項16】
ケーブルによって接続された複数のセンサを有するセンサアレイをパッキング及び展開する方法であって、
当該方法は、
複数のセンサを支持するように構成されたトレイ上に、前記複数のセンサを別々に連続して配置するステップと、
複数のセンサのうちの1つのセンサを配置するたびに、前記トレイから外向きに延びる保持リーフ構成に前記ケーブルを挿入するステップであって、前記保持リーフ構成は、前記複数のセンサとは別に前記ケーブルを保持するように構成され
、前記保持リーフ構成は、入れ子にされた複数のリーフを含む、ステップと、を含む、
方法。
【請求項17】
前記ケーブルを前記保持リーフ構成に挿入するステップは、入れ子にされた複数のリーフの周りに前記ケーブルを順次巻き付けるステップを含む、請求項
16に記載の方法。
【請求項18】
複数のトレイを軸線方向に積み重ねるステップであって、各トレイが前記複数のセンサのセットを支持する、ステップと、
前記複数のトレイを可撓性連結タブを用いて連結するステップと、をさらに含む、請求項
16又は
17に記載の方法。
【請求項19】
前記センサアレイを展開するステップをさらに含み、該展開するステップは、全ての前記複数のセンサ及び前記ケーブル全体が前記トレイから外れるまで、前記複数のセンサのうちの1つのセンサを解放し、前記ケーブルを前記保持リーフ構成から取り外すステップを交互に行うステップを含む、
請求項
16乃至
18のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中聴音器ラインアレイをパッキング及び展開するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な用途でセンサアレイが使用され得る。例示的なセンサアレイは、水中聴音器ラインアレイ等の水中聴音器アレイを含む。水中聴音器アレイは、航空機、船、又は陸上車両から投下又は放出されるソノブイで実装され得る。アレイは、監視のために環境に投下され得る。例えば、センサアレイは、水中音響リサーチのために海に投下され得る。水中聴音器アレイを収容するソノブイは、対潜戦等の軍事用途で使用され得る。ソノブイは、典型的に、サイズが小さいため、水中聴音器ラインアレイをソノブイにパッケージングするには課題がある。例えば、水中聴音器の外径は、アレイに関するケーブルの外径よりも10倍大きい場合がある。従来のケーブルのパッキング及び巻付け方法は、従来の方法が、直径が小さいケーブルと、ケーブルに対して直径が大きい水中聴音器との両方を収容することができないという点で不十分である。
【0003】
垂直方向の水中聴音器アレイをパッケージングして展開する従来の試みには、らせん状連結パックの使用が含まれる。しかしながら、らせん状連結パックを使用すると、アレイケーブル自体がロック機構として機能するという欠点がある。その結果、ケーブルに応力が加わり、ケーブルの障害が発生する可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
本願によるパッキングモジュールは、センサとセンサアレイのケーブルとを別々に保持するための容積効率のよい構造を使用する。パッキングモジュールは、センサを支持するトレイと、トレイから外向きに延びてケーブルをトレイに保持する保持リーフ構成(retaining leaf arrangement)とを含む。保持リーフ構成は、互いに間隔を空けて配置された、入れ子にされた複数のリーフを含む。モジュールをパッキングすることは、センサをトレイに別々に連続して配置することと、センサを配置するたびに(in between each placing of a sensor:センサの各配置の間に)ケーブルの一部を保持リーフ構成に挿入することを含む。センサの配置及びケーブルの一部の挿入は、全てのセンサ及びケーブル全体がパッキングモジュールに収容されるまで交互に行われる。センサアレイの展開は、全てのセンサ及びケーブル全体がトレイから外れるまで、単一のセンサがトレイから外れ、続いてケーブルの一部が保持リーフから外れるパッケージング方法と同様に生じ得る。
【0005】
トレイ及び保持リーフ構成は、モノリシック構成要素として一体的に形成され得る。保持リーフ構成は、トレイ及びパッキングモジュールの中心軸線に近接して形成され得、それによって、組み立て時にケーブルがセンサによって取り囲まれる、又は保持リーフ構成がトレイの外周に近接して形成され得、ケーブルは、トレイの中央に向けてパッケージングされたセンサを取り囲む。保持リーフ構成及びトレイは、特定の用途の必要に応じて、任意の数のセンサ又は任意のサイズのセンサ、及び任意の長さ又はサイズのケーブルを収容するサイズにすることができる。
【0006】
パッキングモジュールは、モジュール式であり、複数のサブモジュールを含むことができ、各サブモジュールがトレイ及び保持リーフ構成を含む。サブモジュールは、パッキングモジュールを形成するために軸線方向に積み重ねることができ、任意の数のサブモジュールを提供して、特定の用途のためのセンサアレイを収容することができる。例示的なアプリケーションでは、サブモジュールは、展開中にサブモジュールが最上部のサブモジュールから最下部のサブモジュールへ、又はその逆に順次空にされるように、垂直方向に積み重ねられ得る。隣接するサブモジュールのトレイは、トレイに形成された可撓性連結を介して解放可能に接続することができる。
【0007】
パッキングモジュールを使用することは、パッキングモジュールが、Aサイズのソノブイ等、空間が制約された用途に適した容積効率のよい構造を提供するという点で有利である。パッキングモジュールは、様々な用途で使用される様々なセンサアレイの形状に対応するために、任意の適切な形状及びサイズを有することができる。保持リーフ構成により、センサアレイのパッキング又は展開中、及びセンサアレイの保管中に、ケーブルが絡まったり、結び目ができたり、過度にストレスがかかるのを防ぐことができる。こうして、保持リーフ構成を使用することは、ケーブルに損傷を与える可能性がある従来のマンドレル巻付けパッキング方法と比較して有利である。また、トレイは、センサの損傷を防ぐために、センサを規則正しい配置に保持するように構成される。
【0008】
本発明の一態様によれば、パッキングモジュールは、センサアレイ内のケーブルからセンサを別々に保持するように構成された支持構造体を含む。
【0009】
本発明の一態様によれば、パッキングモジュールは、センサアレイのケーブルを保持する入れ子にされた複数のリーフを含む。
【0010】
本発明の一態様によれば、パッキングモジュールは、センサアレイのためのトレイ及び保持リーフ構成を含む。
【0011】
本発明の一態様によれば、パッキングモジュールは、複数の解放可能に接続されたサブモジュールを含み、各サブモジュールは、センサアレイのためのトレイ及び保持リーフ構成を含む。
【0012】
本発明の一態様によれば、センサアレイに関するパッキングモジュールは、センサアレイを最小限の容積で収容するように構成される。
【0013】
本発明の一態様によれば、パッキング及び展開システムはパッキングモジュールを含む。
【0014】
本発明の一態様によれば、ケーブルによって接続された複数のセンサを有するセンサアレイのパッキングモジュールは、複数のセンサを支持するように構成された少なくとも1つのトレイと、少なくとも1つのトレイから外側に延び、複数のセンサとは別にケーブルを少なくとも1つのトレイに保持するように構成された保持リーフ構成とを含む。
【0015】
この概要のいずれかの段落の実施形態によれば、保持リーフ構成は、入れ子にされた複数のリーフを含む。
【0016】
この概要のいずれかの段落の実施形態によれば、複数のリーフは、互いに対して等間隔に配置される。
【0017】
この概要のいずれかの段落の実施形態によれば、複数のリーフのそれぞれは、少なくとも1つのトレイに対して同じ厚さ及び同じ軸線方向高さを有する。
【0018】
この概要のいずれかの段落の実施形態によれば、複数のリーフのそれぞれは、保持リーフ構成の中心軸線から離れる方向に徐々に増大する外周を有する。
【0019】
この概要のいずれかの段落の実施形態によれば、少なくとも1つのトレイは、軸線方向に積み重ねられた複数のトレイを含み、複数のトレイのそれぞれが、同じ所定数の複数のセンサを支持するように構成される。
【0020】
この概要のいずれかの段落の実施形態によれば、少なくとも1つのトレイは、軸線方向に積み重ねられた複数のトレイを含み、複数のトレイのそれぞれが、同じ所定数の複数のセンサを支持するように構成される。
【0021】
この概要のいずれかの段落の実施形態によれば、パッキングモジュールは、複数のトレイのうちの1つのトレイを、複数のトレイのうちの隣接するトレイに固定する複数の可撓性連結タブを含む。
【0022】
この概要のいずれかの段落の実施形態によれば、可撓性連結タブのそれぞれは、複数のトレイのうちの対応するトレイと一体的に形成される。
【0023】
この概要のいずれかの段落の実施形態によれば、パッキングモジュールは、ケーブルにアクセスするために、保持リーフ構成を通って延びる軸線方向スロットを規定する。
【0024】
この概要のいずれかの段落の実施形態によれば、少なくとも1つのトレイは外壁を含み、保持リーフ構成は複数の内側リーフを含み、複数の内側リーフは、外壁と複数の内側リーフとの間にキャビティを規定し、キャビティは、複数のセンサを受容するように構成される。
【0025】
この概要のいずれかの段落の実施形態によれば、キャビティは、保持リーフ構成のリーフ同士の間の間隔よりも少なくとも10倍大きい軸線方向の幅を有する。
【0026】
この概要のいずれかの段落の実施形態によれば、保持リーフ構成は、保持リーフ構成によって取り囲まれ、且つ複数のセンサを受容するように構成された内部キャビティを規定する。
【0027】
この概要のいずれかの段落の実施形態によれば、トレイ及びリーフ構成は、モノリシック本体として一体的に形成される。
【0028】
この概要のいずれかの段落の実施形態によれば、少なくとも1つのトレイ及び保持リーフ構成は、円筒形状である。
【0029】
この概要のいずれかの段落の実施形態によれば、保持リーフ構成は、同心状に配置された複数のリーフを含み、各リーフが、半径方向外向きに徐々に増大する直径を有する。
【0030】
本発明の別の態様によれば、ケーブルによって接続された複数のセンサを有する水中聴音器アレイのためのパッキング及び展開システムが使用される。パッキング及び展開システムは軸線方向に積み重ねられた複数のトレイを含み、複数のトレイのそれぞれが、複数のセンサのセットを支持するように構成され、軸線方向に積み重ねられた複数のトレイは互いに解放可能に接続され、複数の保持リーフ構成はそれぞれ、垂直方向に積み重ねられた複数のトレイのうちの対応するトレイに配置され、垂直方向に積み重ねられた複数のトレイのうちの1つのトレイから外向きに延び、複数の保持リーフ構成のそれぞれは、複数のセンサとは別に、垂直方向に積み重ねられた複数のトレイのうちの対応するトレイにケーブルを保持するように構成される。
【0031】
本発明の一態様によれば、ケーブルによって接続された複数のセンサを有するセンサアレイをパッキング及び展開する方法は、複数のセンサを支持するように構成されたトレイに複数のセンサを別々に連続して配置するステップと、複数のセンサのうちの1つのセンサを配置するたびに、トレイから外向きに延びる保持リーフ構成にケーブルを挿入するステップとを含み、保持リーフ構成は、複数のセンサとは別にケーブルを保持するように構成される。
【0032】
この概要のいずれかの段落の実施形態によれば、方法は、ケーブルを保持リーフ構成に挿入するステップを含み、この挿入するステップは、入れ子にされた複数のリーフの周りにケーブルを順次巻き付けるステップを含む。
【0033】
この概要のいずれかの段落の実施形態によれば、方法は、複数のトレイを軸線方向に積み重ねるステップであって、各トレイが複数のセンサのセットを支持する、ステップと、複数のトレイを可撓性連結タブを用いて連結するステップと、を含む。
【0034】
この要約のいずれかの段落の実施形態によれば、方法は、センサアレイを展開するステップを含み、展開するステップは、全ての複数のセンサ及びケーブル全体がトレイから外れるまで、複数のセンサのうちの1つのセンサを解放するステップと、ケーブルを保持リーフ構成から取り外すステップとを交互に行うステップを含む。
【0035】
前述の目的及び関連する目的を達成するために、本発明は、以下に十分に説明され、特に特許請求の範囲で指摘される特徴を含む。以下の説明及び添付の図面は、本発明の特定の例示的な実施形態を詳細に説明する。しかしながら、これらの実施形態は、本発明の原理を使用できる様々な方法のほんの一部を示しているに過ぎない。本発明の他の目的、利点、及び新規な特徴は、以下の本発明の詳細な説明を図面と併せて考察することにより明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
添付の図面は、必ずしも一定の縮尺ではないが、本発明の様々な態様を示している。
【
図1】本願の例示的な実施形態によるセンサアレイに関するパッキングモジュールの斜視図を示す。
【
図2】
図1のパッキングモジュールの断面図を示す。
【
図3】
図1のパッキングモジュールのサブモジュールの上面斜視図を示す。
【
図4】
図1のパッキングモジュールに収容される例示的なセンサを示す。
【
図5】
図1のパッキングモジュールの別の側面の斜視図を示す。
【
図6】
図1のパッキングモジュールの詳細な断面図を示し、パッキングモジュールの隣接するサブモジュール同士の間の連結係合を示している。
【
図7】
図6のサブモジュール同士の間の連結係合の詳細図を示す。
【
図8】本願の別の例示的な実施形態によるセンサアレイに関するパッキングモジュールの斜視図を示す。
【
図9】
図8のパッキングモジュールのサブモジュールの上面図を示す。
【
図10】センサアレイを収容する
図8のパッキングモジュールの側面図を示す。
【
図11】センサアレイを収容する
図8のパッキングモジュールの上面斜視図を示す。
【
図12】ソノブイがプラットフォームから展開され、
図1又は
図8のパッキングモジュールを含む例示的な用途を示す。
【
図13】センサアレイが
図1又は
図8のパッキングモジュールから展開される例示的な用途を示す。
【
図14】
図1又は
図8のパッキングモジュールを使用してセンサアレイをパッキング及び展開する方法を示すフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本明細書に記載の原理は、非常に大きな環境又は容易にアクセスできない環境を感知するために使用されるシステムに特定の用途を有する。感知システム又はアレイを使用できる環境の例には、水中、空中、及び宇宙が含まれる。本明細書で開示するパッキングモジュール及び方法は、特定の環境でセンサをパッキング及び展開するために使用され得る。対潜戦等の軍事用途、又は水中音響リサーチ用途等の非軍事用途は、適切な用途であり得る。例示的な用途では、任意のサイズの水中聴音器アレイを含むソノブイが適切であり得、より具体的には、水中聴音器ラインアレイを展開するための小型又は「Aサイズ」のソノブイが適切であり得る。水中聴音器アレイは、航空機、船舶、又は陸上車両等の任意の適切なプラットフォームから海洋に展開され得る。本明細書で開示するパッキング及び展開システム及び方法は、他の多くのセンサシステム、環境、及びプラットフォームで使用することができる。
【0038】
最初に
図1~
図3を参照すると、ケーブルによって接続された複数のセンサ24を有するセンサアレイ22のためのパッキングモジュール20が示される。
図1及び
図2は、パッキングモジュール20の詳細が見えるように、ケーブルなしの状態のセンサアレイ22を示している。例示的な実施形態では、センサアレイ22は水中聴音器ラインアレイであり得、センサ24は圧電トランスデューサ等の水中聴音器であり得る。他の音響センサ又は光学センサ等、他のセンサがセンサアレイ22に適している場合がある。他の環境特性を検出するように構成されたセンサも適している場合がある。例えば、適切なセンサには、圧力、温度、或いは深さ又は距離を検出するセンサが含まれる。各センサ24は、センサ24の軸線方向の端部28同士の間に延びるケーブルの一部によって隣接するセンサに接続され、それによって、ケーブルが、単一のセンサ24の各軸線方向の対向する端部から突出して、センサ24のラインアレイを形成するようになっている。
【0039】
パッキングモジュール20は、複数のセンサ24を支持するように構成された少なくとも1つの支持構造体又はトレイ30を含み、パッキングモジュール20を組み付けるときに、各センサ24がトレイ30に着座する。保持リーフ構成32は、少なくとも1つのトレイ30から外向きに、又はトレイ30に垂直に延び、ケーブルを複数のセンサ24から分離して保持するように構成される。
図3は、保持リーフ構成32を有する単一のトレイ30を示しており、
図1は複数のトレイ30を示し、複数のトレイ30のそれぞれが、対応する保持リーフ構成32を有する。保持リーフ構成32は、軸線方向に延びる入れ子にされた複数のリーフ34を含み、それによって、ケーブル受容空間36が隣接する2つのリーフ34a、34bの間に規定される。例えば、ケーブル受容空間36は、外側リーフ34aと、外側リーフ34aに対してトレイ30の中心により近い内側リーフ34bとの間に規定され得る。
【0040】
リーフ34は材料の薄い壁として形成され、リーフ34はモノリシック構成要素としてトレイ30と一体的に形成され得る。トレイ30及びリーフ34を形成するために、任意の材料が適切であり得る。熱可塑性材料等のプラスチック材料が適切であり得る。パッキング20は、3D印刷プロセスによって形成してもよい。射出成形等の他の製造プロセスも、トレイ30及び保持リーフ構成32を形成するのに適している場合がある。
【0041】
リーフ34は、互いに対して等間隔に配置することができ、その間隔は、リーフ34同士の間に収容されるケーブルのサイズに依存する。間隔は、0.25~2.0センチメートルの間(0.1~0.8インチの間)であり得、より大きなケーブルを収容するためにサイズアップされ得る。各リーフ34は、トレイ30に対して同じ厚さ及び同じ軸線方向高さを有することができる。厚さは、1センチメートル未満であるか、又はより大きなケーブルを収容するためにそれより大きくすることができる。リーフ34の軸線方向の高さは、センサ24がトレイ30に着座したときに軸線方向に延び得るセンサ24の長さに依存し得る。軸線方向の高さは、センサ24を最小限の容積に収容するために、センサ24の長さと略同じ長さになるように選択され得る。
【0042】
各リーフ34の外周38は、保持リーフ構成32に沿って、パッキングモジュール20のトレイ30の中心によって規定される中心軸線40から外向きの方向に徐々に増大し得る。リーフ34は、隣接するリーフ34が互いに接触しないように独立して形成され得る。全てのリーフ34が同じトレイ30に接続される。リーフ34の数は、センサアレイ22のサイズ、及びリーフ34同士の間に収容されるケーブルのサイズに依存する。10~20枚のリーフが適している場合がある。特定の用途には、10枚未満及び20枚を超えるリーフを使用してもよい。
【0043】
さらに
図4を参照すると、センサアレイ22の例示的なセンサ24が示される。センサ24は、水中聴音器の形態であり、ケーブル42を含む。センサ24のセンサ本体43は、センサ電子機器を含み、センサ24の中心軸線44を規定する。ケーブル42は、センサ本体43の各軸線方向の端部から延びる。
図1に示されるように、センサ24は、各センサ24の中心軸線44がパッキングモジュール20の中心軸線40と平行になるように、トレイ30に沿って配置することができる。例示的な実施形態では、センサ24及びパッキングモジュール20は、中心軸線40、44が平行な長手方向軸線となるように、形状が円筒形であってもよい。他の形状がパッキングモジュール20に適している場合がある。
【0044】
センサ24及びパッキングモジュール20が円筒形である実施形態では、
図1~
図3に示されるように、トレイ30は、ディスク形状であり、トレイ30の直径よりも小さい厚さを有することができる。保持リーフ34は、形状が環状であり、トレイ30と同心であり得る。特定の用途では、例えば、パッキングモジュール20が海底に向けて海中に垂直方向に展開されるときに、パッキングモジュール20は、センサ24及び保持リーフ構成32が垂直方向に延びるように、実質的に垂直向きであり得る。
【0045】
センサアレイ22をパッキングモジュール20内にパッキングするときに、センサ24は別々に連続して配置される。各センサ24は、トレイ30上に支持され、トレイ30に対して同じ向きに配置され得る。センサ24は、各センサ24が他の2つのセンサ24に隣接するように、トレイ30に沿って順次配置される。パッキングシーケンスの開始又は終了に配置されるセンサ24aは、1つのセンサ24に直接隣接するだけでよい。ケーブル42は、センサ24のうちの1つのセンサを配置するたびに、保持リーフ構成32に挿入される。従って、
図1に最もよく示されるように、第1のセンサ24aがトレイ30に配置され、第1のセンサ24aから隣接する第2のセンサ24bまで延びるケーブル42の一部が、保持リーフ構成32に挿入される。ケーブル42は、ケーブル42の一部、従って第2のセンサ24bが、第1のセンサ24aに隣接するトレイ30上の空の位置に到達するまで、保持リーフ構成32の周りに巻き付けられ得る。次に、第2のセンサ24bがトレイ30に配置され、第2のセンサ24bから第3のセンサ24cまで延びるケーブル42の一部は、第3のセンサ24cが第2のセンサ24bに隣接して位置付けできるようになるまで、保持リーフ構成32の周りに巻き付けられる。
【0046】
センサ24の配置とケーブル42の巻付けとを交互に行うことは、トレイ30がトレイ30のサイズによって規定される所定数のセンサ24でいっぱいになるまで、又は全てのセンサ24及びケーブル42全体がトレイ30に収容されるまで、行われる。トレイ30は、任意の数のセンサを収容する大きさにすることができる。例えば、10個~15個の間のセンサ24を単一のトレイ30に配置してもよい。他の用途では、10個未満又は15個を超えるセンサ24をトレイ30に配置してもよい。例示的な実施形態では、ケーブル42は約304メートル(1000フィート)であり得、センサ24はケーブル42に沿って約6メートル(20フィート)ごとに配置される。センサ24の数はいくつでもよい。例えば、40個~50個の間のセンサ24を使用してもよい。他の用途では、40個未満又は50個を超えるセンサを使用してもよい。
【0047】
保持リーフ構成32を含むパッキングモジュール20は、ケーブル42がトレイ30上のセンサ24とは別に保持されるという点で有利である。保持リーフ構成32により、水中聴音器ラインアレイ等のセンサアレイ22が、Aサイズのソノブイ等の小型の用途で特に有利な容積効率に対応できる。パッキングモジュール20は、様々な用途で使用される様々なセンサアレイに対応するために、サイズを大きくしたり小さくしたり、形状を変えたりすることができる。パッキングモジュール20の形状は、最小限の容積を使用してセンサアレイを確実に収容するように形成される。センサアレイ22の容積パッキングを改善することに加えて、パッキングモジュール20によって提供されるセンサ24及びケーブル42の構成によって、ケーブル42に過度の応力を加えることなく、センサ24をパッキングモジュール20から順次展開することも可能になる。パッキングモジュール20のさらに別の利点は、センサ24への損傷を防止するために、センサ24をトレイ30上に配置する配置構成であることである。
【0048】
図1~
図3に示されるパッキングモジュール20の例示的な実施形態では、保持リーフ構成32は、組み立てられたときにケーブル42がセンサ24によって取り囲まれるように、パッキングモジュール20の中心軸線40に近接して配置される。トレイ30は、ベース部分30aと、ベース部分30aから垂直又は上方に延びる外壁30bとを含む。ベース部分30aは平面形状である。外壁30bは、保持リーフ構成32の複数の内側リーフ34a、34bに対して軸線方向に間隔を空けて配置され、それら内側リーフの間にキャビティ46を規定する。外壁30bは、パッキングモジュール20の最外面を形成する。外壁30bは、パッキングモジュール20の中心軸線40に向けて外壁30bから内向きに突出する停止タブ48を有するように形成され得る。停止タブ48は、センサ24をトレイ30に配置するとき、センサ24を配置又は位置決めするために使用され得る。
【0049】
キャビティ46は、センサ24を収容するように形成され、センサ24のサイズに基づいて大きさが決められる。内側リーフ34a、34bのそれぞれの間の軸線方向の間隔は等しく、内側リーフ34a、34bの軸線方向の間隔はキャビティ46の軸線方向の幅よりも小さい。キャビティの幅のサイズと軸線方向の間隔との間の比率は、センサ24の直径のサイズとケーブル42の幅との間の比率と同様である。例示的な実施形態では、キャビティ46の軸線方向の幅は、内側リーフ34a、34bの間の軸線方向の間隔よりも少なくとも10倍大きくてもよい。センサ24がトレイ30のベース部分30aに配置されるときに、センサ24はトレイ30の外壁30bによって取り囲まれる。パッキングモジュール20が円筒形状である例示的な実施形態では、センサ24は、保持リーフ構成32とベース30の外壁30bとの間に半径方向に介在させることができる。センサ24は、トレイ30の周囲に近接して1つずつ配置されるように示されている。他の例示的な実施形態では、センサは、2つずつ、又はこれより多い配置で配置され得、それによって、キャビティ46は、互いに隣接して配置されたセンサ24のペアを収容するためにより大きな軸線方向の幅を有するようにサイズ決めされ得る。さらに別の例示的な実施形態では、センサ24は、トレイ30上に水平向きに配置され得、それによって、トレイ30及び保持リーフ構成32は、水平向きのセンサ24を収容するように構成されたキャビティ46を形成するように成形される。
【0050】
図1及び
図3に示されるように、パッキングモジュール20は、パッキングモジュール20が組み立てられると、ケーブル42へのアクセスを可能にするためにケーブル42に対して開く軸線方向スロット50を規定する。軸線方向スロット50は、トレイ30のベース部分30aからトレイ30及び保持リーフ構成32の外壁30bの上部まで軸線方向に延びる。軸線方向スロット50はまた、外壁30b及び保持リーフ構成32を通って延び、それによって、ケーブル42がパッキングモジュール20内に配置されていないときに、パッキングモジュール20は、パッキングモジュール20の外側から中心軸線40まで開いている。各リーフ34は、各リーフ34が端部を有する不連続構造として形成され、端部はそれら端部の間に空間を規定する。例えば、各リーフ34は、不連続リングとして形成してもよい。複数のリーフ34の開口部は一緒になって軸線方向スロット50を形成する。
図3に示されるように、各リーフ34の端部同士の間の開口部は、保持リーフ構成32に沿って中心軸線40から離れる方向に徐々に広がってもよい。リーフ32は、中心軸線40から離れる方向に広がるテーパ又はV字形の軸線方向スロット50を規定するように形成してもよい。
【0051】
加えて、
図5~
図7を参照すると、パッキングモジュール20は、2つ以上のトレイ30及び保持リーフ構成32を軸線方向に積み重ねてセンサアレイ22を収容することができるように、モジュール式である。1つのトレイ30及び対応する保持リーフ構成32は、サブモジュール20a、20b、20c、20dを形成することができ、サブモジュール20a、20b、20c、20dは一緒になってパッキングモジュール20を形成する。サブモジュール20a、20b、20c、20dは、センサアレイ22を海洋に展開するとき等に、第1のサブモジュール20aが上部サブモジュール20aとなり、及び隣接するサブモジュール20bが下部サブモジュールとなるように垂直方向に積み重ねられ得る。
図5に示される例示的な実施形態では、4つのサブモジュール20a、20b、20c、20dが積み重ねられるが、他の実施形態では、4つのサブモジュール20a、20b、20c、20d未満又はこれを超えるサブモジュールを積み重ねてもよい。
【0052】
サブモジュール20a、20b、20c、20d内のトレイ30及びリーフ構成32の全ては、形状及びサイズが同一又は略同一であってもよい。各サブモジュール20a、20b、20c、20dは、同数のセンサ24を収容するように形成され得る。展開中に、サブモジュール20a、20b、20c、20d内のセンサ24は、順次展開され得る。例えば、サブモジュール20a、20b、20c、20d内のセンサ24は、展開され得、最上部のサブモジュール20c内に保持されたセンサ24から開始して、最下位のサブモジュール20d内のセンサ24が展開されるまでサブモジュール毎にセンサ24を展開し、その逆も同様に、最下位のサブモジュール20dから開始することができる。他の例示的なアプリケーションでは、垂直方向ではなく水平方向に連続展開を行うことができる。
【0053】
サブモジュール20a、20b、20c、20dが互いに組み立てられると、各トレイ30は、任意の適切な連結機構52、締結器、又は固定機構を介して隣接するトレイ30に固定される。連結機構52は、サブモジュール20a、20b、20c、20dの、軸線方向スロット50(
図1及び
図3に示される)が形成される側とは反対側に配置することができる。
図1に示されるように、各サブモジュール20a、20b、20c、20dは、パッキングモジュール20の側面全体がパッキングモジュール20の軸線方向の端部同士の間に連続的な開口部を有するように、軸線方向スロット50を有してもよい。
【0054】
図6に最もよく示されるように、各トレイ30は、トレイ30に対して垂直方向に突出し、保持リーフ構成32がトレイ30に対して延びる方向とは反対方向に突出する、軸線方向に延びる連結タブ54を含むことができる。連結タブ54は、トレイ30と一体的に形成され得、解放可能な接続を提供するために可撓性である。突出部56は、パッキングモジュール20の中心軸線40に対して連結タブ54から外向きに延びる。突出部56は、隣接するトレイ30の軸線方向の端部に形成される対応するノッチ58に柔軟に係合するように構成される。
【0055】
図6に示されるように、第1の又は上部サブモジュール20aは、隣接する又は下部サブモジュール20bのトレイ30のノッチ58に係合する連結タブ54を有するトレイ30を含む。突出部56がノッチ58に係合すると、連結タブ54は、下部サブモジュール20bのトレイ30の外壁30bの内面に沿って延びる。連結タブ54は、全てのサブモジュール20a、20bのトレイ30の外壁30bが、パッキングモジュール20の外面を連続して規定するように、トレイ30に沿って外壁30bからずれた位置でトレイ30から延びる。
【0056】
サブモジュール20a、20bの隣接するトレイ30は、突出部56とノッチ58との間の係合によって提供されるスナップ式フィット接続を介して固定することができる。連結タブ54を使用することは、サブモジュール20a、20bを互いに解放可能に固定して、迅速な接続及び切断を可能にするという利点がある。センサアレイ22の展開中に、各トレイ30からセンサ24が空になった後に、トレイ30は互いに迅速に係合解除され得る。トレイ30を固定するための他の適切な締結器には、クイックカプラ、バヨネット式コネクタ、クラスプ、クランプ、ネジ、保持リング、ネジ接続、又は他のコネクタ機構が含まれ得る。カバープレート60はまた、パッキングモジュール20の軸線方向の端部に配置され、組み立てられたパッキングモジュール20を展開機構又はプラットフォームに接続するために最上部のサブモジュール20cに固定され得る。カバープレート60を最上部のサブモジュール20cに固定するために、連結タブを使用することもできる。
【0057】
ここで
図8~11を参照すると、別の実施形態によるパッキングモジュール20’が示される。パッキングモジュール20’は、パッキングモジュール20’の中心軸線40’から間隔を空けて配置された保持リーフ構成32’を含み、センサアレイ22’のセンサ24’を収容するための内部キャビティ46’を規定する。保持リーフ構成32’は、トレイ30’から外向きに又はトレイ30’に垂直に延び、
図1~
図3に示されるリーフ34’と同様の入れ子にされた複数のリーフ34’を含む。
図8~
図11に示されるパッキングモジュール20’は、センサ24’の外径とケーブル42’、すなわちより大きなケーブルとの間の比が小さいセンサアレイ22’に対してより適切であり得る一方、
図1~
図3に示されるパッキングモジュール20’は、センサ24の外径とケーブル42、すなわちより小さなケーブルとの間の比が大きいセンサアレイ22に対してより適切であり得る。
【0058】
保持リーフ構成32’が、トレイ30’の外周に近接して配置され、各リーフ34’が、
図1~
図3に示されるリーフ34と比較してより大きな外周を有するので、より少ない保持リーフ34’を設けてもよい。例えば、10枚未満の保持リーフ34’を設けてもよい。保持リーフ34’の数は、センサアレイ22’のサイズに依存し、特定の用途のために10枚を超える保持リーフ34’を設けてもよい。トレイ30’は、センサ24’を支持するように構成され、保持リーフ構成32’は、ケーブル42’をセンサ24’とは別に保持するように構成される。パッキングモジュール20’において、トレイ30’の外壁30bは、
図1~
図3に示されるように、パッキングモジュール20’の外周を形成してもよく、又は、保持リーフ構成32’の最も外側のリーフ34cが、パッキングモジュール20’の外周を形成してもよい。外壁30b又は最も外側のリーフ34cのいずれかが、
図5~
図7に示される連結タブ54を含み得る。
【0059】
パッキングモジュール20’のパッキングは、センサ24’がトレイ30’に別々に連続して配置されるという点で、パッキングモジュール20のパッキング方法と同様に実行され得る。第1のセンサ24’がトレイ30’の内部キャビティ46’に配置され、ケーブル42’の一部が保持リーフ構成34’の最も内側のリーフ34dに配置され、別のセンサ24’が内部キャビティ46’に配置され、センサアレイ22’及びケーブル42’全体がパッキングモジュール20’に収容されるまで、ステップが繰り返される。組み立てられたパッキングモジュール20’では、センサ24’が内部キャビティ46’内に一緒にパッケージングされ、ケーブル42’がパッキングされたセンサ24’を取り囲んでおり、センサ24がケーブル42を取り囲むパッキングモジュール20とは対照的である。パッキングモジュール20’の展開は、センサ24’が内部キャビティ46’から展開されるという点で、パッキングモジュール20の展開方法と同様に実行してもよく、別のセンサ24’が内部キャビティ46’から展開されるまで、全てのセンサ24’及びケーブル42’全体がパッキングモジュール20’から外れる(displaced)まで、ケーブル42’の一部が、保持リーフ構成34’から巻き付け解除され、保持リーフ構成34’から取り外される。
【0060】
パッキングモジュール20’は、パッキングモジュール20の軸線方向スロット50と同様の軸線方向スロット50’を含むことができ、ケーブル42’が保持リーフ構成32’に保持されているときにケーブル42’へのアクセスを可能にするためにケーブル42’に対して開いている。軸線方向スロット50’は、保持リーフ構成32’を通って内部キャビティ46’まで延び、軸線方向スロット50’がパッキングモジュール20’の中心軸線40’に向けて内向きにテーパが付けられるように、テーパ形状を有することができる。パッキングモジュール20’は、それぞれトレイ30’及び保持リーフ構成32’を含む複数のサブモジュール20a’、20b’、20c’が軸線方向に積み重ねられてパッキングモジュール20’を形成するように、モジュール式であり得る。例示的な実施形態では、パッキングモジュール20’は円筒形であってもよく、サブモジュール20a’、20b’、20c’は垂直方向に積み重ねてもよい。最上部のサブモジュール20c’は、パッキングモジュール20’を展開装置又はプラットフォームに接続するために使用されるカバープレート60’に固定することができる。
【0061】
ここで
図12及び
図13を参照すると、パッキングモジュール20、20’の例示的な用途が示されている。
図12は、航空機として示されるプラットフォーム62から展開されるパッキングモジュール20、20’を示す。他の例示的なアプリケーションでは、プラットフォーム62は、船舶又は陸上車両であってもよい。パッキングモジュール20、20’は、プラットフォーム62から展開されるソノブイ64内に配置され得る。
図13は、展開されるセンサアレイ22が船舶66から展開された後の状態を示している。センサアレイ22は水中聴音器ラインアレイであってもよい。センサアレイ22は、パッキングモジュール20、20’から展開され、ケーブル42によって接続されたセンサ24を含む。
【0062】
例示的なアプリケーションでは、センサアレイ22のその後の展開の前に、パッキングモジュール20、20’を含むソノブイ64が、
図12に示される航空機等のプラットフォーム62によって水66に向けて展開される。パッキングモジュール20、20’の展開が船舶64から発生する場合の船舶64、又はソノブイ64の浮力部分は、水面66に留まり、ソノブイ64の重量部分68は、センサアレイ22を展開するために下方に変位して移動し、パッキングモジュール20、20’が展開中に垂直向きになる。センサアレイ22は、パッキングモジュール20、20’から展開された後、意図した用途のために動作可能である。
【0063】
ここで
図14を参照すると、ケーブルによって接続された複数のセンサを有する水中聴音器ラインアレイ等のセンサアレイをパッキング及び展開する方法70を示すフローチャートが示される。方法70は、本明細書に記載され、
図1~
図11のいずれかに示されるパッキングモジュール20、20’を使用して実行され得る。方法70のステップ72は、複数のセンサ24、24’を支持するように構成されたトレイ30、30’に複数のセンサ24、24’を別々に連続して配置するステップを含む。この方法のステップ74は、複数のセンサ24、24’のうちのいつのセンサを配置するたびに、トレイ30、30’から外向きに延びる又はトレイ30、30’に対して垂直に延びる保持リーフ構成32、32’にケーブル42、42’を挿入するステップを含む。ステップ74は、入れ子にされた複数のリーフ34、34’の周りにケーブル42、42’を順次巻き付けるステップを含むことができる。
【0064】
方法70のステップ76は、複数のトレイ30、30’を軸線方向に積み重ねるステップを含み、複数のトレイのそれぞれが、異なるサブモジュール20a、20b、20c、20d、20a’、20b’、20c’のトレイ30、30’等、複数のセンサ24、24’のセットを支持する。方法70のステップ78は、可撓性連結タブ54を介して隣接するトレイ30、30’を連結するステップを含む。方法70のステップ80は、センサアレイ22、22’を展開するステップを含む。ステップ80は、複数のセンサ24、24’の全て及びケーブル42、42’全体がトレイ30、30’から完全に外される(displaced)まで、複数のセンサ24、24’のうちの1つを交互に解放し、保持リーフ構成32、32’からケーブル42、42’を取り外すステップを含む。
【0065】
本発明について、特定の好ましい1つ又は複数の実施形態に関して示し、説明してきたが、本明細書及び添付の図面を読んで理解することにより、同等の変更及び修正が当業者に想起されることは明らかである。特に、上記の要素(コンポーネント、アセンブリ、装置、組成物等)によって実行される様々な機能に関して、そのような要素を説明するために使用される用語(「手段」への言及を含む)は、本明細書に示した本発明の例示的な1つ又は複数の実施形態で機能を実行する開示した構造と構造的に同等ではないが、特に断りのない限り、説明した要素の特定の機能を実行する(すなわち、機能的に同等である)任意の要素に対応することを意図している。また、本発明の特定の特徴は、いくつかの例示した実施形態のうちの1つ又は複数のみに関して上で説明したものであり得るが、そのような特徴は、所与の又は特定のアプリケーションについて望ましく有利となり得るように、他の実施形態の1つ又は複数の他の特徴と組み合わしてもよい。