(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-22
(45)【発行日】2024-04-01
(54)【発明の名称】双方向DC-DCコンバータ
(51)【国際特許分類】
H02M 3/28 20060101AFI20240325BHJP
H02J 7/10 20060101ALI20240325BHJP
【FI】
H02M3/28 H
H02J7/10 A
(21)【出願番号】P 2022557928
(86)(22)【出願日】2020-07-29
(86)【国際出願番号】 IN2020050669
(87)【国際公開番号】W WO2021191917
(87)【国際公開日】2021-09-30
【審査請求日】2022-11-17
(31)【優先権主張番号】202041012871
(32)【優先日】2020-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】521196110
【氏名又は名称】ティーヴィーエス モーター カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TVS MOTOR COMPANY LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】弁理士法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャベッツ ディナガー,サムラジュ
(72)【発明者】
【氏名】アルン,カプ
(72)【発明者】
【氏名】ケイ,シヴァ プラサッド
【審査官】井上 弘亘
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-212023(JP,A)
【文献】国際公開第2017/022478(WO,A1)
【文献】特開2017-073938(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/28
H02J 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電圧を第2の電圧に変換するための双方向DC-DCコンバータ(201)であって、
第1の電圧を電気的に受け取る一次回路(300aまたは400a)と、
一次側の前記一次回路を二次側の整流回路(300cまたは400c)に磁気的に結合するための変圧器(300bまたは400b)と、
1つまたは複数の高電圧負荷に高電圧を供給するために前記整流回路(300cまたは400c)に電気的に接続される高電圧電源(104)と、
1つまたは複数の低電圧負荷に第2の電圧を供給するために二次回路(300dまたは400d)を通じて前記高電圧電源(104)に電気的に結合される低電圧電源(202)と
を備え
、
前記整流回路(300c)は、複数のダイオード(308、309、310、311、または408、409)と、前記変圧器(300bまたは400b)の前記二次側を前記高電圧電源(104)に電気的に接続するフィルタ回路とを備え、
前記二次回路(300dまたは400d)は、前記高電圧電源(104)を前記低電圧電源(202)に電気的に接続するためのゲート回路(306)、および前記一次回路(400a)および前記整流回路(400c)に磁気的に結合されるブリッジ回路(410、411、412、413)の少なくとも一つを備える、
双方向DC-DCコンバータ(201)。
【請求項2】
前記整流回路(400c)は、
さらに複数のスイッチ(405、406
)を備え、
前記二次回路(400d)
のブリッジ回路(410、411、412、413)
は、前記高電圧電源(104)を前記定電圧電源(202)に電気的に接続する、
請求項1に記載の双方向DC-DCコンバータ(201)。
【請求項3】
前記一次回路(300aまたは400a)は、DC電圧源(307または407)に電気的に接続されるスイッチ(301、302、303、304または401、402、403、404)のフルブリッジ構成を備える、請求項1に記載の双方向DC-DCコンバータ(201)。
【請求項4】
制御ユニット(203)は、前記低電圧電源(202)および前記高電圧電源(104)のバッテリパラメータに基づいて、前記低電圧電源(202)と前記高電圧電源(104)との接続および切断のうちの1つのために、前記一次回路(300aまたは400a)、前記整流回路(300cまたは400c)、および前記二次回路(300dまたは400d)を制御する、請求項1に記載の双方向DC-DCコンバータ(201)。
【請求項5】
電力供給される装置内の
オンボード充電器(101)に備えられ、前記電力供給される装置の静止条件および前記電力供給される装置の走行条件のうちの少なくとも1つの間に動作可能である、
請求項1に記載の双方向DC-DCコンバータ(201)。
【請求項6】
AC電源電圧をDC電圧に変換するためにAC電源に電気的に接続される整流器と、前記DC電圧から前記第1の電圧を生成するために前記整流器に電気的に接続される力率補正段(102)とをさらに備える、請求項
5に記載の
双方向DC-DCコンバータ(201)。
【請求項7】
オンボード充電器(101)において第1の電圧を第2の電圧に変換する方法(500)であって、
制御ユニット(203)と双方向DC-DCコンバータ(201)とを接続すること(501)であって、前記双方向DC-DCコンバータ(201)は、
第1の電圧を電気的に受け取るように構成された一次回路(300aまたは400a)と、
一次側の前記一次回路を二次側の整流回路(300cまたは400c)に磁気的に結合するように構成された変圧器(300bまたは400b)と、
1つまたは複数の高電圧負荷に高電圧を供給するために前記整流回路(300cまたは400c)に電気的に接続されるように構成された高電圧電源(104)と、
1つまたは複数の低電圧負荷に第2の電圧を供給するために二次回路(300dまたは400d)を通じて前記高電圧電源(104)に電気的に結合されるように構成された低電圧電源(202)とを備える、接続すること(501)と、
前記制御ユニット(203)によって、前記第1の電圧の利用可能性を決定すること(502)と、
前記制御ユニット(203)によって、前記第1の電圧の前記利用可能性に基づいて、前記高電圧電源(104)および前記低電圧電源(202)のバッテリパラメータを感知すること(503)と、
前記制御ユニット(203)によって、前記第1の電圧を前記高電圧および前記第2の電圧に変換するために、前記感知されたバッテリパラメータに基づいて、前記一次回路(300aまたは400a)、前記整流回路(300cまたは400c)、および前記二次回路(300dまたは400d)のうちの1つまたは複数にゲート信号を印加すること(504)と
を含む、方法(500)。
【請求項8】
前記第1の電圧を前記高電圧に変換することは、前記高電圧電源(104)の前記感知されたバッテリパラメータに基づいて、前記一次回路(300a)に前記ゲート信号を印加することを含み、
前記高電圧を前記第2の電圧に変換することは、前記低電圧電源(202)の利用可能性を決定し、前記高電圧電源(104)および前記低電圧電源(202)の前記感知されたバッテリパラメータに基づいて、前記整流回路(300c)および前記二次回路(300d)に前記ゲート信号を印加することを含む、
請求項
7に記載の方法(500)。
【請求項9】
前記高電圧電源(104)の前記感知されたバッテリパラメータに基づいて、前記第1の電圧を前記高電圧に変換することは、前記低電圧電源(202)の利用可能性を決定し、前記一次回路(400a)、前記整流回路(400c)、および前記二次回路(400d)に前記ゲート信号を印加することを含み、
前記高電圧を前記第2の電圧に変換することは、前記低電圧電源(202)の利用可能性を決定し、前記高電圧電源(104)および前記低電圧電源(202)の前記感知されたバッテリパラメータに基づいて、前記整流回路(400c)および前記二次回路(400d)に前記ゲート信号を印加することを含む、
請求項
7に記載の方法(500)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源システムに関する。より詳細には、電力供給される装置の電源システムに一体化された双方向DC-DCコンバータである。
【背景技術】
【0002】
エネルギー貯蔵装置は、電力源からエネルギー貯蔵装置自体を充電することによって、エネルギーを収集および貯蔵し、貯蔵された電力を放電することによって負荷に供給する。充電処理および放電処理は、エネルギー貯蔵装置の安全で、信頼できる、長い寿命を確実にするために、精密に管理されるべきである。大抵の用途において、充電機能および放電機能は、典型的には、2つの別個のパワートレインによって制御されて、異なる制御ターゲット、例えば、エネルギー貯蔵装置からの、より小さな充電電流、低電圧電気負荷のためのより小さな放電電流、および高電圧電気負荷のためのより大きな放電電流などを実装する。パワートレインは、エネルギー貯蔵装置の充電および放電に関与する電気部品および電子部品を備える。
【0003】
エネルギー貯蔵装置の充電および放電におけるパワートレインは、電力源におけるAC電源をDC電圧に変換するための1つまたは複数の整流器と、DC電圧をエネルギー貯蔵装置によって必要とされるDC電圧に変換するための1つまたは複数のDC-DCコンバータと、高電圧電気負荷または低電圧電気負荷とを含む。DC-DCコンバータは、電流の伝達が一方向であり、逆方向がDC-DCコンバータ内のスイッチング装置を故障または損傷させる、一方向DCコンバータである。しかしながら、電力供給される装置の電源システムのコンパクトな設計のために、パワートレインは組み合わされる必要がある。また、組み合わされたパワートレインは、DC-DCコンバータを使用して、エネルギー貯蔵装置の迅速な充電および放電に応じる必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エネルギー貯蔵装置の充電および放電のためのパワートレインを組み合わせることによって、コストが低減された電源システムのコンパクトな設計が達成され得る。しかしながら、双方向である1つのDC-DCコンバータが、組み合わされたパワートレインにおいて、電源からのエネルギー貯蔵装置の充電と、低電圧負荷および高電圧負荷に供給するためのエネルギー貯蔵装置の放電との両方に応じるために必要である。したがって、複数のDC-DCコンバータを除去し、電源システムにおけるエネルギー貯蔵装置の充電サイクル中と放電サイクル中との両方においてシームレスにかつ効率的に動作する双方向DC-DCコンバータに対する必要性が存在する。
【0005】
DC-DCコンバータを採用する、電力供給される装置の電源システムの数少ない例は、充電器、太陽光発電システム、バッテリバックアップシステム、または任意の配電システムである。充電器は、ラップトップコンピュータまたは携帯電話の充電器、車両のオンボード/オフライン充電器等であってよい。オンボード充電器は、電力供給される装置、例えば、電気自動車またはハイブリッド電気自動車などにおいて必要とされ得る。
【0006】
電気自動車またはハイブリッド電気自動車は、電気駆動システムからのエミッションがゼロであり、石油依存性がないので、内燃車両に対する潜在的な代替品として、近年人気を獲得してきた。ハイブリッド電気自動車は、内燃エンジンまたは電気モータまたは両方のいずれかによって電力供給されるように構成される。電気自動車は、車両の電源として再充電可能なバッテリモジュールを有する。これらの再充電可能なバッテリモジュールは、AC充電器および別個のDC/DCコンバータを使用して充電される。電気自動車内には、再充電可能なバッテリモジュールによって電力供給される多くの低電圧負荷がある。これらの低電圧負荷は、典型的には5Vから12Vの間の低電圧定格を有する。バッテリモジュールからのソース電圧は、そのような低電圧負荷に電力供給するためにさらにステップダウンされる必要がある。いくつかの既存の実装において、別個のDC-DCコンバータは、電圧をステップダウンして低電圧負荷に供給するために、AC充電器に一体化される。
【0007】
図1(先行技術)は、電力供給される装置における電源システム100の既存の実装のブロック図を例示的に示す。一実施形態において、電力供給される装置は、電気自動車またはハイブリッド電気自動車である。そのような車両は、車両のモータを駆動するため、車両内の電気負荷に電力供給するため、車両のエンジンを始動させるため等に、電源システム100を有し得る。車両の電源システム100は、オンボード充電器101と、1つまたは複数のバッテリパック、例えば104と、1つまたは複数のDC-DCコンバータ105等とを含む。バッテリパック104は、再充電可能であり、オンボード充電器101を使用して充電され得る。オンボード充電器101は、整流器と、力率補正段102と、DC-DCコンバータ103とを含む。オンボード充電器101は、ACアウトレットへ接続され得、ACアウトレットは、次に、充電ステーションにおける電気グリッドに接続される。整流器は、AC電圧をDC電圧に変換する。オンボード充電器の力率補正段は、力率を1に補正し、次段のために入力DC電圧を標準DC電圧に規制する。オンボード充電器101内のDC-DCコンバータ103は、DC電圧のレベルをバッテリパック104によって必要とされるレベルに調整し、バッテリパック104を充電する。
【0008】
ただし、DC-DCコンバータ103は、AC電源上でのみ動作可能であり、車両の走行条件中には機能しない。しかしながら、低電圧負荷、例えば、方向指示灯、前照灯、ホーン等などは、車両が動いている間に動作させられる必要がある。そのような低電圧負荷は、バッテリパック104内の貯蔵された電荷から低電圧を供給するために別のDC/DCコンバータ105を必要とする。電気自動車内の低電圧負荷、例えば、方向指示灯、前照灯、ホーン等などは、バッテリパック104から、1つまたは複数のDC/DCコンバータ105を介して、電流を供給される。
【0009】
一実施形態において、低電圧負荷は、DC/DCコンバータ105を介して車両内のバッテリパック104から充電される低エネルギーバッテリから供給され得る。低エネルギーバッテリは、低電圧負荷に対して、必要とされる電流を供給し得る。DC/DCコンバータ105の他方のセットは、電圧レベルを低減するために使用され、車両内の部品の数、車両の電源システムの重量の増加につながり、車両内の空間不足、車両の組立ておよび有用性における障害、ならびに車両の全体的なコストの増加という結果になる。
【0010】
したがって、電力供給される装置、例えば、車両の静止条件と走行条件との両方の期間中に機能する車両などのオンボード充電器に一体化される、改善されたかつ効果的な双方向DC-DCコンバータ、に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を踏まえて、本発明は、エネルギー貯蔵装置の充電および放電のために、組み合わされたパワートレインを用いる用途において、第1の電圧を第2の電圧に変換する双方向DC-DCコンバータを開示する。
【0012】
本発明の一目的は、電力供給される装置、例えば、一体化された双方向DC-DCコンバータを有する車両のオンボード充電器に提供することである。本発明の一態様として、DC-DCコンバータは、車両の走行条件中にアクティブであり、低電圧電気負荷に電力供給する。
【0013】
本発明の別の目的は、電力供給される装置、例えば、電源システムにおいて最小限の熱放散を有する車両の充電器内の双方向DC-DCコンバータを提供することである。
【0014】
本発明の別の目的は、将来の電力供給される装置内の増加した電気負荷に応じるために、その電力レベルを増加させることができる充電器内の双方向DC-DCコンバータを提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】(先行技術)電源システムの既存の実装のブロック図を例示的に示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態による電源システムのブロック図を例示的に示す図である。
【
図3A】本発明の一実施形態による双方向DC-DCコンバータの回路図を例示的に示す図である。
【
図3B】本発明の一実施形態による双方向DC-DCコンバータの回路図を例示的に示す図である。
【
図3C】本発明の一実施形態による双方向DC-DCコンバータの回路図を例示的に示す図である。
【
図3D】本発明の一実施形態による双方向DC-DCコンバータの回路図を例示的に示す図である。
【
図4A】本発明の別の実施形態による双方向DC-DCコンバータの回路図を例示的に示す図である。
【
図4B】本発明の別の実施形態による双方向DC-DCコンバータの回路図を例示的に示す図である。
【
図4C】本発明の別の実施形態による双方向DC-DCコンバータの回路図を例示的に示す図である。
【
図4D】本発明の別の実施形態による双方向DC-DCコンバータの回路図を例示的に示す図である。
【
図4E】本発明の別の実施形態による双方向DC-DCコンバータの回路図を例示的に示す図である。
【
図5】オンボード充電器において第1の電圧を第2の電圧に変換するための方法を描くフローチャートを例示的に示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態による双方向DC-DCコンバータの動作のステップを描くフローチャートを例示的に示す図である。
【
図7】本発明の別の実施形態による双方向DC-DCコンバータの動作のステップを描くフローチャートを例示的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
詳細な説明が、添付の図面を参照して記載される。同じ番号が、同様の特徴および構成要素を参照するために、図面全体にわたって使用される。
【0017】
本明細書において開示される本発明は、エネルギー貯蔵装置、例えば、電力供給される装置内のバッテリパックの充電および放電のために双方向DC-DCコンバータを有する組み合わされたパワートレインに関する。より詳細には、電力供給されるユニットのオンボード充電器に一体化された双方向DC-DCコンバータが開示される。
【0018】
一実施形態において、第1の電圧を第2の電圧に変換するための双方向DC-DCコンバータが、
図2における開示される。双方向DC-DCコンバータは、一次回路と、変圧器と、高電圧電源と、低電圧電源とを備える。一次回路は、第1の電圧、すなわち、力率補正(PFC)段の出力を電気的に受け取る。変圧器は、一次側の一次回路を二次側の整流回路に磁気的に結合する。高電圧電源は、1つまたは複数の高電圧負荷に高電圧を供給するための整流回路に電気的に接続される。低電圧電源は、1つまたは複数の低電圧負荷に第2の電圧を供給するための二次回路を通じて高電圧電源に電気的に結合される。高電圧電源は、
図3A~
図3Dおよび
図4A~
図4Eの詳細な説明において開示されているような双方向DC-DCコンバータの同じ構成要素を使用して、低電圧電源を充電する。
【0019】
本発明の別の実施形態において、双方向DC-DCコンバータを有する電力供給される装置のオンボード充電器が、
図2に例示的に示されるように開示される。双方向DC-DCコンバータは、第1の電圧を第2の電圧に変換して、1つまたは複数の高電圧負荷および1つまたは複数の低電圧負荷に供給する。双方向DC-DCコンバータは、電力供給される装置の静止条件および/または走行条件中に動作可能である。
【0020】
図2は、本発明の一実施形態による電源システム200の例示的な実装のブロック図を示す。電力供給される装置の電源システム200は、オンボード充電器101と、1つまたは複数の再充電可能なバッテリパック104と、低電圧電源、すなわち、二次バッテリ202とを含む。図示される電源システム200は、バッテリパック104の充電、および二次バッテリ202の充電に向けたバッテリパック104の放電のための組み合わされた回路である。オンボード充電器101は、整流器と、力率補正段102と、双方向DC-DCコンバータ201とを含む。オンボード充電器101は、ACアウトレットに接続され得、ACアウトレットは、次に、充電ステーションにおける電気グリッドに接続される。
【0021】
整流器は、AC電圧をDC電圧に変換し、力率補正段102は、力率を補正し、DC電圧を標準DC電圧に規制する。双方向DC-DCコンバータ201は、DC電圧のレベルをバッテリパック104によって必要とされるレベルに調整し、バッテリパック104を充電する。双方向DC-DCコンバータ201は、第1の電圧V1を第2の電圧V2に変換する。第1の電圧V1は、力率補正段102のDC電圧出力である。第2の電圧V2は、二次バッテリ202の電圧である。車両のような電力供給される装置内の低電圧負荷は、方向指示灯、前照灯、ホーン等であり、同じ双方向DC-DCコンバータ201を介してバッテリパック104から電流を供給される。車両が走行条件にある場合、双方向DC-DCコンバータ201は、バッテリパック104から低電圧を供給する。本発明においては、
図1に例示的に示されるオンボード充電器101と比較して、低電圧電気負荷にDC電圧を供給するためのDC-DCコンバータ105が完全に除去されており、改善されたデュアル負荷供給システムが効率的な手法で要件を満たすように構成されるので、部品数が低減される。一実施形態において、双方向DC-DCコンバータ201は、電力供給される装置のオンボード充電器101のケーシング内に一体化される。一実施形態において、双方向DC-DCコンバータ201は、オンボード充電器101のケーシングの外部に位置する。双方向DC-DCコンバータ201の動作は、電源システム200の制御ユニット203によって制御される。
【0022】
双方向DC-DCコンバータ201の2つの動作モードは、力率補正段102のDC電圧からのバッテリパック104の充電と、充電されたバッテリパック104による二次バッテリ202の充電とである。車両における本発明の実施形態に関して、双方向DC-DCコンバータ201の2つの動作モードは、以下の通りである。電力供給される装置の静止条件において、電力供給される装置が、バッテリパック104を充電するためにプラグ接続される場合、双方向DC-DCコンバータ201は、オンボード充電器101に組み込まれた一方向DC-DCコンバータ105として機能して、バッテリパック104を充電する。電力供給される装置が、走行条件にある場合または充電ステーションから切断されている場合、双方向DC-DCコンバータ201は、バッテリパック104からのバッテリ電圧を低電圧に規制し、補助電源として機能するために低電圧または二次バッテリ202に貯蔵する。二次バッテリ202は、負荷、例えば、LEDヘッドランプ、ホーン、サイドインジケータ、電子デバイスのため充電ポイント等などに供給する。
【0023】
それによって、電源システム200を使用して、部品の数が低減され、必要とされる空間が低減または最適化される。さらに、電源システム200全体の製造コストが低減される。また、付加的なDC-DCコンバータ105によって生成される熱が低減され、電力供給される装置内の付加的な電気部品および電子部品の故障に関与するリスクが、付加的なDC-DCコンバータ105の除去により低減される。さらに、オンボード充電器101に一体化された双方向DC-DCコンバータ201からの熱放散は、オンボード充電器101のアルミニウムケーシングによって処理され、冷却用の付加的なヒートシンクが回避される。双方向DC-DCコンバータ201は、電力供給される装置における増加した負荷需要を満たすために、より高い電力レベルのために構成され得る。
【0024】
一実施形態において、双方向DC-DCコンバータ201は、第1の電圧、すなわち、PFC段102の出力を受け取る一次回路を備える。変圧器の一次側の第1の電圧は、二次側の整流回路に磁気的に結合される。バッテリパック104は、バッテリパック104を充電するための整流回路に電気的に接続され、後に、1つまたは複数の高電圧負荷、例えばトラクションモータなどに供給する。二次バッテリ202は、二次回路を通じてバッテリパック104に電気的に結合され、二次バッテリ202は、第2の電圧を低電圧負荷に供給する。
【0025】
一実施形態において、双方向DC-DCコンバータ201は、
図3Aに例示的に示されるような絶縁型コンバータ、または
図4Aに例示的に示されるような非絶縁型コンバータであってよい。詳細な構造は、それぞれ
図3B~
図3Dおよび
図4B~
図4Eにおいて提供される。双方向DC-DCコンバータ201の各実施形態の動作モードは、それぞれ
図6および
図7において提供される。
【0026】
図3A~
図3Dは、電源システム内の双方向DC-DCコンバータ201の一実施形態の回路図を例示的に示す。双方向DC-DCコンバータ201は、通常の走行条件中に、
図2に例示的に示される補助二次バッテリ202を通じて、補助負荷、例えば、ホーン、計器群、方向指示灯、およびヘッドランプなどに低電圧を供給する絶縁型の一体化された降圧コンバータである。一次回路300aは、第1の電圧V1を電気的に受け取る、すなわち、一次回路は、規制された電圧源V1 307に接続される。変圧器300bは、一次側の一次回路300aを二次側の整流回路300cに磁気的に結合する。高電圧電源、すなわち、バッテリパック104は、高電圧、例えば48Vを高電圧負荷に供給するために整流回路300cに電気的に接続される。二次バッテリ202は、低電圧負荷、例えば、ホーン、計器群、方向指示灯、およびヘッドランプなどに第2の電圧を供給するために、二次回路300dを通じてバッテリパック104に電気的に結合される。
【0027】
双方向DC-DCコンバータ201の一次回路300aは、電子スイッチMOSFETQ1 301、Q2 302、Q3 303およびQ4 304のフルブリッジ構成である。整流回路300cは、ダイオードD1 308、D2 309、D3 311、およびD4 310と、バッテリパック104に接続されたインダクタL1、C2、およびQ5 305を含むフィルタ回路とを含む。一次回路300aは、変圧器300bの一次側にあり、整流回路300cは、変圧器300bの二次側にある。付加的なMOSFETQ5 305ならびにダイオードD3 311およびD4 310を有する整流回路300cは、変圧器300bの二次側に同期整流を行う。二次回路300dは、ゲート回路、例えば、バッテリパック104を二次バッテリ202に電気的に接続するMOSFETスイッチ306などを含む。
【0028】
双方向DC-DCコンバータ201の動作モードは、
図3B~
図3Dに例示的に示される。それぞれのスイッチング期間についてのMOSFETQ1 301、Q2 302、Q3 303、およびQ4 304の動作は、オンボード充電器101の制御ユニット203によって制御される。制御ユニット203は、MOSFETQ1 301、Q2 302、Q3 303、およびQ4 304をPWMモードにおいて動作させる。MOSFETQ3 303およびQ4 304は、デューティ50%で、互いに位相を180度ずらして切り替えられ、MOSFETQ1 301およびQ2 302は、デューティ50%で、互いに位相を180度ずらして切り替えられる。
【0029】
図3Bに例示的に示されるように、第1のスイッチング期間中に、MOSFETQ3 303およびQ4 304が導通する場合、正電圧が、変圧器300bの一次巻線の点で示される端子に印加される。変圧器300bの二次巻線の点で示される端子において同じ正極性を有する二次電圧が生成される。極性に応じて、変圧器300bの二次側におけるダイオードD2 309は、順方向にバイアスされ、電流は、二次側のインダクタL1およびダイオードD3 311を通じて、
図1に例示的に示されるようなバッテリパック104の方へ流れる。この第1のスイッチング期間中に、ダイオードD4 310は、逆方向にバイアスされ、開回路のままである。Q5 305およびQ6 306へのゲート信号は、電源システム200の制御ユニット203によって供給されないので、MOSFETQ5 305およびQ6 306は開回路である。第1のスイッチング期間中に、バッテリパック104が充電されている場合、MOSFETQ5 305およびQ6 306へのゲート信号は、制御ユニット203によって供給されず、二次バッテリ202までの回路は絶縁される。
【0030】
図3Cに例示的に示されるように、第2のスイッチング期間中に、MOSFETQ1 301およびQ2 302が導通する場合、負電圧が、変圧器300bの点で示される端子に印加される。変圧器300bの二次巻線の点で示される端子において、同じ負極性を有する二次電圧が生成される。極性に応じて、二次側におけるダイオードD1 308は、順方向にバイアスされ、電流は、二次側のインダクタL1およびダイオードD3 311を通じて、バッテリパック104の方へ流れる。この第2のスイッチング期間中に、ダイオードD4 310は、逆方向にバイアスされ、開回路のままである。オンボード充電器101の制御ユニット203からのゲート信号が提供されないので、MOSFETQ5 305およびQ6 306も開回路である。バッテリパック104は、この期間中に充電を継続する。MOSFETQ1 301、Q2 302、Q3 303、およびQ4 304は、より高い周波数で動作させられて、バッテリパック104を充電する。第1のスイッチング期間および第2のスイッチング期間中に、車両は、AC電源に接続され、規制された電圧は、双方向DC-DCコンバータ201への入力として利用可能である。
【0031】
バッテリパック104が、双方向DC-DCコンバータを介して補助二次バッテリ202を充電するために放電する場合、
図3Dに例示的に示されるモードがアクティブになる。電力供給される装置、例えば車両に関して、車両が走行条件にある場合、または静止条件にあり、かつ、充電のためにプラグ接続されていない場合、充電動作は発生していないので、
図3Dに例示的に示されるモードがアクティブになる。このモード中に、ゲート信号を提供しないことによって、MOSFETQ1 301、Q2 302、Q3 303、およびQ4 304は開回路である。MOSFETQ5 305は、メイン降圧スイッチであり、MOSFETQ6 306は、制御ユニット203によって、このモード中は常にONである。スイッチQ5 305のON時間中に、電流は、バッテリパック-Q5-L1-Q6-二次バッテリを通じて流れる。電流は、バッテリパック104から流れ、車両内の低電圧電気負荷および電子負荷に電力供給する二次バッテリ202を充電する。スイッチQ5 305のOFF時間中に、電流は、L1-Q6-二次バッテリ-D4を通るその経路を完了する。
【0032】
したがって、MOSFETQ1 301、Q2 302、Q3 303、およびQ4 304を有する一次回路と、二次バッテリ202を有する二次回路との間が絶縁されている場合、バッテリパック104は充電し、一方で、二次バッテリ202は、変圧器300bの一次側のフルブリッジ構成によって充電されない。すなわち、電力供給される装置が、充電のためにプラグ接続されている場合、バッテリパック104は充電し、電気負荷および電子負荷に電流を供給する。電力供給される装置、すなわち、車両が、充電から切断される場合、バッテリパック104は、二次バッテリ202を充電し、二次バッテリ202は、車両内の低電圧電気負荷および電子負荷に供給する。本発明の結果として、バッテリパック104の電圧をダウンコンバートして、低電圧電気負荷および電子負荷に供給する、別のDC-DCコンバータの必要性が除去される。したがって、バッテリパック104のような、1つまたは複数のオンボードエネルギー貯蔵装置を有する、電力供給される装置(例えば車両)は、電力供給される装置を外部充電器ユニットに接続することによって充電されることが可能であり、または、さらなる放電のために従来の電源ポイント、すなわち、改善された双方向DC-DC充電器201に直接プラグ接続されることも可能である。
【0033】
図4A~
図4Eは、本発明の別の実施形態による、車両のオンボード充電器101に一体化された双方向DC-DCコンバータ201の一実施形態の回路図を例示的に示す。
図4Aに例示的に示されるような双方向DC-DCコンバータ201は、通常の車両走行用途のための補助二次バッテリ202を通じて、補助負荷、例えば、ホーン、計器群、方向指示灯、およびヘッドランプなどに供給する非絶縁型の一体化された降圧コンバータである。一次回路400aは、第1の電圧V1を電気的に受け取る、すなわち、一次回路は、規制された電圧源V1 407に接続される。変圧器400bは、一次側の一次回路400aを二次側の整流回路400cに磁気的に結合する。高電圧電源、すなわち、バッテリパック104は、高電圧V
HIGH、例えば48Vを高電圧負荷に供給するために整流回路400cに電気的に接続される。二次バッテリ202は、低電圧負荷、例えば、ホーン、計器群、方向指示灯、およびヘッドランプなどに第2の電圧V2を供給するために二次回路400dを通じてバッテリパック104に電気的に結合される。
【0034】
双方向DC-DCコンバータ201の一次回路400aは、付加的な二次巻線を有する、電子スイッチMOSFETQ1 401、Q2 402、Q3 403、およびQ4 404のフルブリッジセンタータップ型変圧器構成である。そのような構成は、
図2に例示的に示されるようなメインバッテリパック104を充電する間にも、メインバッテリパック104を充電しない間にも、
図2に例示的に示されるような二次バッテリ202の充電を容易にする。整流回路400cは、ダイオードD1 408、D2 409と、変圧器400bの二次側をバッテリパック104に電気的に接続する、インダクタL1、C2、ならびにスイッチQ5 405およびQ6 406を含むフィルタ回路とを含む。一次回路400aは、変圧器400bの一次側にあり、整流回路400cは、変圧器400bの二次側にある。二次回路400dも、変圧器400bの二次側にある。二次回路400dは、一次回路400aおよび整流回路400cに磁気的に結合されたブリッジ回路を備える。
【0035】
二次回路400dは、4つの付加的なダイオードD3 410、D4 411、D5 412、およびD6 413を備える。一実施形態において、ダイオードD3 410、D4 411、D5 412、およびD6 413は、より良い制御のためにMOSFETのような制御可能なスイッチと置換され得る。双方向DC-DCコンバータ201の動作モードは、
図4B~
図4Dに例示的に示される。それぞれのスイッチング期間のMOSFETQ1 401、Q2 402、Q3 403、およびQ4 404の動作は、オンボード充電器101の制御ユニット203によって制御される。制御ユニット203は、MOSFETQ1 401、Q2 402、Q3 403、およびQ4 404をPWMモードにおいて動作させる。
【0036】
図4Bに例示的に示されるように、電力供給される装置は、AC電源に接続され、規制された電圧V1は、双方向DC-DCコンバータ201への入力として利用可能である。このモードにおいて、バッテリパック104および二次バッテリ202は、このモードにおいて規制された電圧V1を使用して充電する。ゲート信号が制御ユニット203によって印加される場合、MOSFETQ3 403およびQ4 404は導通する。MOSFETQ3およびQ4が導通する場合、正電圧が、変圧器400bの点で示される端子に印加され、同じ正極性が、変圧器400bの二次巻線の点で示される端子に印加される。極性に応じて、二次側のダイオードD2 409は、順方向にバイアスされ、電流は、二次側インダクタL1を通じて流れて、バッテリパック104を充電する。変圧器400bの付加的な第3の巻線の点で示される端子も、正極性を有する電圧を見て、対応するダイオードD3 410およびD6 413は、順方向にバイアスされ、二次バッテリ202がその100%の充電状態(SOC)に到達するまで、二次バッテリ202を充電し、停止する。MOSFETQ5 405およびQ6 406は、オンボード充電器101の制御ユニット203からゲート信号を提供しないことによって、開回路である。
【0037】
図4Cに例示的に示されるように、電力供給される装置は、AC電源に接続され、規制された電圧V1は、双方向DC-DCコンバータ201への入力として利用可能である。このモードにおいて、バッテリパック104および二次バッテリ202は、このモードにおいて規制された電圧V1を使用して充電する。ゲート信号が制御ユニット203によって印加される場合、MOSFETQ1 401およびQ2 402は導通する。MOSFETQ1 401およびQ2 402が導通している場合、
図4Cに示されるような変圧器400bの点で示される端子は、負極性を有する電圧を見ることになり、同じ負極性が、変圧器400bの二次巻線の点で示される端子において印加される。極性に応じて、二次側のダイオードD1は、順方向にバイアスされ、電流は、二次側インダクタL1を通じて流れて、バッテリパック104を充電する。
図4Cに示されるような変圧器400bの第3の付加的な巻線の点で示される端子も、負極性を有する電圧を見て、対応するダイオードD4 411およびD5 412は、順方向にバイアスされ、二次バッテリ202がその100%のSOCに到達するまで、二次バッテリ202を充電し、停止する。MOSFETQ5 405およびQ6 406も、制御ユニット203によってゲート信号を供給しないことによって、開回路である。
【0038】
バッテリパック104が放電して、双方向DC-DCコンバータ201を介して二次バッテリ202を充電する場合、
図4Dに例示的に示されるモードがアクティブになる。電力供給される装置、例えば車両に関して、車両が走行条件にある場合、または車両が静止条件にあり、かつ、充電していない場合、
図4Dに例示的に示されるモードがアクティブになる。このモードにおいて、双方向DC-DCコンバータ201は、メインバッテリパック104を電力源として使用することによって、プッシュプル式コンバータとして機能する。このモードにおいて、MOSFETQ5 405は、制御ユニット203によってONにされ、電流は、バッテリ-L1ーQ5の経路で流れる。電流の流れは、変圧器400bの対応する二次巻線の点で示される端子において負極性を作る。さらに、負極性を有する電圧は、他のすべての点で示される端子において生成される。変圧器400bの第3の付加的な巻線は、ダイオードD4 411およびD5 412を順方向にバイアスし、電流は、D4-二次バッテリ-D5の経路で二次バッテリに流れる。この時間中に、MOSFETQ1 401、Q2 402、Q3 403、およびQ4 404は、ゲート信号を供給しないことによって、開回路である。
【0039】
電力供給される装置が、走行条件にある場合、または静止条件にあり、かつ、充電していない場合、
図4Eに例示的に示されるモードがアクティブになる。このモードにおいて、DC-DCコンバータ201は、メインバッテリパック104を電力源として使用することによって、プッシュプル式コンバータとして機能する。このモードにおいて、MOSFETQ6 406は、制御ユニット203によってONにされ、電流は、バッテリ-L1-Q6によって定義される経路で流れる。電流の流れは、変圧器400bの対応する二次巻線の点で示される端子において正極性を作り、それによって、他のすべての点で示される端子において正極性を作る。変圧器400bの第3の付加的な巻線は、ダイオードD3 410およびD6 413を順方向にバイアスし、電流は、D6-二次バッテリ-D3の経路で二次バッテリ202に流れる。電流の流れは、車両内の低電圧電気負荷および電子負荷に電力供給する二次バッテリ202を充電する。この時間中に、MOSFETQ1 401、Q2 402、Q3 403、およびQ4 404は、ゲート信号を提供しないことによって、開回路である。したがって、トラクション用のバッテリパック104と低電圧負荷のための二次バッテリ202との両方が、一次回路400aのMOSFETQ1 401、Q2 402、Q3 403、およびQ4 404のフルブリッジ構成によって充電される。
【0040】
図3Aおよび
図4Aに例示的に示される双方向DC-DCコンバータ201は、DC電流を使用して二次バッテリ202の充電を容易にし、二次バッテリ202は、上述したような電力供給される装置の走行条件および/または静止条件において、電力供給される装置内の低電圧電気負荷および電子負荷に電力供給する。
【0041】
図5は、オンボード充電器101において第1の電圧を第2の電圧に変換するための方法を描くフローチャートを例示的に示す。ステップ501において、制御ユニット203と、
図3Aおよび
図4Aに例示的に示されるような双方向DC-DCコンバータ201とが接続される。制御ユニット203は、ステップ502において、第1の電圧の利用可能性を決定する。第1の電圧の利用可能性に基づいて、制御ユニット203は、ステップ503において、高電圧電源、すなわち、バッテリパック104と、低電圧電源、すなわち、二次バッテリ202とのバッテリパラメータを感知する。感知されたバッテリパラメータに基づいて、制御ユニット203は、ステップ504において、
図6および
図7の詳細な説明において開示されるように、第1の電圧V1を高電圧V
HIGHおよび第2の電圧V2に変換するために、一次回路300aまたは400aの構成要素、整流回路300cまたは400c、および二次回路300dまたは400dにゲート信号を印加する。
【0042】
図6に例示的に示されるように第1の電圧V1を高電圧V
HIGHに変換するために、制御ユニット203は、高電圧電源104の感知されたバッテリパラメータに基づいて、ゲート信号を一次回路300aに印加する。さらに、高電圧V
HIGHを第2の電圧V2に変換することは、低電圧電源202の利用可能性を決定することと、高電圧電源104および低電圧電源202の感知されたバッテリパラメータに基づいて、整流回路300cおよび二次回路300dにゲート信号を印加することとを含む。
【0043】
図7に例示的に示されるように、高電圧電源104の感知されたバッテリパラメータに基づいて第1の電圧V1を高電圧V
HIGHに変換するために、制御ユニット203は、低電圧電源202の利用可能性を決定する。さらに、制御ユニット203は、一次回路400a、整流回路400c、および二次回路400dにゲート信号を印加する。さらに、高電圧V
HIGHを第2の電圧V2に変換するために、制御ユニット203は、低電圧電源202の利用可能性を決定し、高電圧電源104および低電圧電源202の感知されたバッテリパラメータに基づいて、整流回路400cおよび二次回路400dにゲート信号を印加する。
【0044】
図6は、
図3Aに例示的に示される双方向DC-DCコンバータ201の一実施形態によって第1の電圧を第2の電圧に変換するためのステップを示すフローチャートを例示的に示す。オンボード充電器の制御ユニット203は、ステップ602において、双方向DC-DCコンバータ201への入力電力が利用可能かどうかを決定する。入力電力が利用可能である場合、制御ユニット203は、ステップ603において、バッテリパック104のパラメータを感知する。制御ユニット203は、ステップ604において、バッテリパック104の充電状態(SOC)が、バッテリパック104が充電される必要があることを意味する99%未満であるかどうかを決定する。制御ユニット203は、ステップ605において、バッテリパック104の充電処理を開始する。制御ユニット203は、ステップ606において、
図3A~
図3Dの詳細な説明において説明されるように、MOSFETQ1 301、Q2 302、Q3 303、およびQ4 304にゲート信号を代替的に提供する。制御ユニット203は、バッテリパック104のSOCが99%よりも大きいかどうかを再び決定し、バッテリパック104の充電が完了したことを示す。
【0045】
バッテリパック104の充電が完了すると、バッテリパック104は、放電し、二次バッテリ202を充電することができる。制御ユニット203は、ステップ607において、二次バッテリ202が利用可能かどうかを決定する。二次バッテリ202が利用可能である場合、制御ユニット203は、ステップ608において、二次バッテリ202の充電を開始する。制御ユニット203は、次いで、ステップ609において、
図3A~
図3Dの詳細な説明において説明されるように、Q5 305およびQ6 306にゲート信号を提供する。処理中に、制御ユニット203は、ステップ610において、バッテリパック104のSOCが10%未満であるかどうかを決定する。これが真である場合、制御ユニット203は、バッテリパック104の放電を中断し、バッテリパック104の充電を開始する。バッテリパック104のSOCが、10%以上である場合、制御ユニット203は、ステップ611において、二次バッテリ202のSOCが99%よりも大きいかどうかを決定する。真の場合、制御ユニット203は、二次バッテリ202の充電を停止する。偽の場合、制御ユニット203は、MOSFETQ5 305およびQ6 306を介してバッテリパック104からの二次バッテリ202の充電を継続する。
【0046】
図7は、
図4Aに例示的に示される双方向DC-DCコンバータ201の一実施形態によって第1の電圧を第2の電圧に変換するためのステップを示すフローチャートを例示的に示す。制御ユニット203は、ステップ702において、双方向DC-DCコンバータ201への入力電力、すなわち、V1 407が利用可能であるかどうかを決定する。入力電力、すなわちV1 407が、利用可能である場合、制御ユニット203は、ステップ703において、バッテリパック104のパラメータを感知する。制御ユニット203は、ステップ704において、バッテリパック104の充電状態(SOC)が、バッテリパックが充電される必要があることを意味する99%未満であるかどうかを決定する。はいの場合、制御ユニット203は、ステップ705において、二次バッテリ202が利用可能であるかどうかを決定する。
【0047】
二次バッテリ202が利用可能である場合、制御ユニット203は、バッテリパック104および二次バッテリ202の充電を開始する。制御ユニット203は、ステップ706において、
図4A~
図4Eの詳細な説明において開示されるように、MOSFETQ1 401、Q2 402、Q3 403、およびQ4 404にゲート信号を代替的に提供する。したがって、ダイオードD2 409、D6 413、D3 410、ならびにダイオードD1 408、D4 411、およびD5 412は、順方向にバイアスされ、および逆方向にバイアスされる。二次バッテリ202が利用可能ではない場合、制御ユニット203は、ステップ706において、MOSFETQ1 401、Q2 402、Q3 403、およびQ4 404にゲート信号を代替的に提供し、それに応じて、ダイオードD1 408およびD2 409のみが順方向バイアスされ、逆方向にバイアスされる。
【0048】
しかしながら、入力電力、すなわちV1 407が、利用可能ではない場合、制御ユニットは、ステップ708において、二次バッテリ202が利用可能であるかどうかを提供する。二次バッテリ202が利用可能である場合、制御ユニットは、ステップ709において、二次バッテリ202のパラメータを感知する。制御ユニット203は、ステップ710において、二次バッテリ202の充電状態(SOC)が、二次バッテリ202が充電される必要があることを意味する99%未満であるかどうかを決定する。はいの場合、制御ユニット203は、バッテリパック104から二次バッテリ202の充電を開始する。制御ユニット203は、ステップ711において、
図3A~
図3Dの詳細な説明において説明されるように、Q5 405およびQ6 406にゲート信号を提供し、ダイオードD4 410、D5 413およびD3 411、D6 412は、それに応じて、順方向にバイアスされ、または逆方向にバイアスされる。処理中に、制御ユニット203は、ステップ712において、バッテリパック104のSOCが10%未満であるかどうかを決定する。これが真である場合、制御ユニット203は、バッテリパック104の放電を中断し、バッテリパック104の充電を開始する。バッテリパック104のSOCが10%以上である場合、制御ユニット203は、ステップ710において、二次バッテリ202のSOCが99%以上であるかどうかを決定する。真の場合、制御ユニット203は、二次バッテリ202の充電を停止する。偽の場合、制御ユニット203は、MOSFETQ5 405およびQ6 406を介してバッテリパック104から二次バッテリ202の充電を継続する。
【0049】
改善例および変形例が、本発明の範囲から逸脱せずに、本明細書に組み込まれ得る。