IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジアンス・コンテンポラリー・アンプレックス・テクノロジー・リミテッドの特許一覧

特許7459290等電位装置、等電位構造、電池及び電力消費機器
<>
  • 特許-等電位装置、等電位構造、電池及び電力消費機器 図1
  • 特許-等電位装置、等電位構造、電池及び電力消費機器 図2
  • 特許-等電位装置、等電位構造、電池及び電力消費機器 図3
  • 特許-等電位装置、等電位構造、電池及び電力消費機器 図4
  • 特許-等電位装置、等電位構造、電池及び電力消費機器 図5
  • 特許-等電位装置、等電位構造、電池及び電力消費機器 図6
  • 特許-等電位装置、等電位構造、電池及び電力消費機器 図7
  • 特許-等電位装置、等電位構造、電池及び電力消費機器 図8
  • 特許-等電位装置、等電位構造、電池及び電力消費機器 図9
  • 特許-等電位装置、等電位構造、電池及び電力消費機器 図10
  • 特許-等電位装置、等電位構造、電池及び電力消費機器 図11
  • 特許-等電位装置、等電位構造、電池及び電力消費機器 図12
  • 特許-等電位装置、等電位構造、電池及び電力消費機器 図13
  • 特許-等電位装置、等電位構造、電池及び電力消費機器 図14
  • 特許-等電位装置、等電位構造、電池及び電力消費機器 図15
  • 特許-等電位装置、等電位構造、電池及び電力消費機器 図16
  • 特許-等電位装置、等電位構造、電池及び電力消費機器 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-22
(45)【発行日】2024-04-01
(54)【発明の名称】等電位装置、等電位構造、電池及び電力消費機器
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/588 20210101AFI20240325BHJP
   H01M 50/59 20210101ALI20240325BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20240325BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20240325BHJP
   H01M 10/6554 20140101ALI20240325BHJP
   H01M 10/6567 20140101ALI20240325BHJP
【FI】
H01M50/588 101
H01M50/59
H01M50/204 401H
H01M10/613
H01M10/6554
H01M10/6567
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022559701
(86)(22)【出願日】2020-12-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-17
(86)【国際出願番号】 CN2020141797
(87)【国際公開番号】W WO2022088493
(87)【国際公開日】2022-05-05
【審査請求日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】202022419532.2
(32)【優先日】2020-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522010668
【氏名又は名称】ジアンス・コンテンポラリー・アンプレックス・テクノロジー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100159329
【弁理士】
【氏名又は名称】三縄 隆
(72)【発明者】
【氏名】李 翔
(72)【発明者】
【氏名】谷 燕▲龍▼
(72)【発明者】
【氏名】黄 小▲騰▼
(72)【発明者】
【氏名】叶 ▲偉▼▲達▼
【審査官】小森 重樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-103529(JP,A)
【文献】特開2015-216159(JP,A)
【文献】特開2008-021637(JP,A)
【文献】中国実用新案第210628369(CN,U)
【文献】中国実用新案第210984888(CN,U)
【文献】特開2009-087555(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/50-50/598
H01M 50/20-50/298
H01M 10/613
H01M 10/6554
H01M 10/6567
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
等電位装置であって、
導電部材と、
弾性支持部材であって、前記導電部材が前記弾性支持部材の表面に少なくとも部分的に配置され、前記弾性支持部材は、前記導電部材に弾性支持力を提供し、前記導電部材を第1導電体及び第2導電体に押出し、それにより前記第1導電体と前記第2導電体との等電位接続を実現するように構成される弾性支持部材と、を備え、
前記弾性支持部材には接続部材が貫通するための第1孔が設けられ、前記導電部材には前記接続部材が貫通することに用いられ且つ前記第1孔の軸方向の両端に位置する第2孔及び第3孔が設けられる等電位装置。
【請求項2】
前記導電部材はフレキシブルな材質である請求項1に記載の等電位装置。
【請求項3】
前記導電部材は前記弾性支持部材の表面を周方向全周にわたって被覆する請求項2に記載の等電位装置。
【請求項4】
前記導電部材は導電性布、アルミニウム箔及びアルミホイル紙のうちの1種又は複数種を備える請求項2又は3に記載の等電位装置。
【請求項5】
前記弾性支持部材は対向する第1表面及び第2表面を備え、
前記導電部材は第1導電部、第2導電部及び第3導電部を備え、前記第1導電部と前記第2導電部は前記第3導電部を介して接続され、
前記第1導電部は前記第1表面を被覆し、前記第1導電部は前記第1導電体を押出することに用いられ、
前記第2導電部は前記第2表面を被覆し、前記第2導電部は前記第2導電体を押出することに用いられる請求項1~4のいずれか1項に記載の等電位装置。
【請求項6】
等電位構造であって、
第1導電体と、
第2導電体と、
請求項1~のいずれか1項に記載の等電位装置とを備え、前記弾性支持部材は前記導電部材に弾性支持力を提供し、前記導電部材を前記第1導電体及び前記第2導電体に押出し、それにより前記第1導電体と前記第2導電体との等電位接続を実現するように構成される等電位構造。
【請求項7】
前記導電部材と前記第1導電体は第1導電性接着層を介して接続され、及び/又は、前記導電部材と前記第2導電体は第2導電性接着層を介して接続される請求項に記載の等電位構造。
【請求項8】
前記等電位構造は接続部材をさらに備え、
前記接続部材は等電位装置を前記第1導電体と前記第2導電体との間に接続することに用いられる請求項6又は7に記載の等電位構造。
【請求項9】
電池であって、
請求項6~8のいずれか1項に記載の等電位構造と、
前記第1導電体を備える筐体と、
前記筐体内に収容される電池ユニットと、
前記電池ユニットの温度を管理することに用いられ、第2導電体を備える熱管理部材と、を備える電池。
【請求項10】
請求項に記載の電池を備える電力消費機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2020年10月27日に提出された、名称が「等電位装置、等電位構造、電池及び電力消費機器」の中国特許出願202022419532.2の優先権を主張し、該出願の全内容は援用により本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本願は電池技術分野に関し、具体的には、等電位装置、等電位構造、電池及び電力消費機器に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、2つの導電体の間の等電位接続は、一般的に1つのボルトで等電位金属板の一端を1つの導電体に固定し、そして別のボルトで等電位金属板の他端を別の導電体に固定し、それにより2つの導電体を同じ電位にすることにより実現される。このような等電位構造では、等電位金属板と導電体との接着不良の状況が発生しやすく、等電位故障をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の実施例は等電位装置、等電位構造、電池及び電力消費機器を提供し、等電位金属板による2つの導電体の等電位接続が等電位故障をもたらしやすいという問題を改善する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1態様によれば、本願の実施例は等電位装置を提供し、導電部材及び弾性支持部材を備え、前記導電部材は前記弾性支持部材の表面に少なくとも部分的に配置され、前記弾性支持部材は前記導電部材に弾性支持力を提供し、前記導電部材を第1導電体及び第2導電体に押出し、それにより前記第1導電体と前記第2導電体との等電位接続を実現するように構成される。
【0006】
上記解決策では、導電部材が弾性支持部材の表面に少なくとも部分的に配置され、且つ弾性支持部材が弾性的に変形し及び変形から回復する能力を有するため、弾性支持部材は弾性的に変形した後に導電部材に弾性支持力を提供することができ、該弾性支持力の作用で導電部材を第1導電体及び第2導電体に押出することができ、導電部材を第1導電体及び第2導電体に密着させ、それにより第1導電体と第2導電体との等電位接続を実現し、導電部材と第1導電体、第2導電体との接着不良の状況が発生しにくく、第1導電体及び第2導電体の等電位故障をもたらしにくい。
【0007】
いくつかの実施例では、前記導電部材はフレキシブルな材質である。
【0008】
上記解決策では、導電部材はフレキシブルな材質であり、導電部材は柔軟な変形能力を有し、導電部材は弾性支持部材により提供される弾性支持力の作用で第1導電体及び第2導電体によりよく適応することができ、導電部材と第1導電体及び第2導電体との接触面積を効果的に増加させることができる。
【0009】
いくつかの実施例では、前記導電部材は前記弾性支持部材の表面を周方向全周にわたって被覆する。
【0010】
上記解決策では、導電部材は弾性支持部材の表面を周方向全周にわたって被覆し、一方、等電位装置の方位を過度に調整する必要がなく、第1導電体と第2導電体との間に等電位装置を迅速に取り付けることができ、他方、弾性支持部材は導電部材の周りに弾性支持力を印加することができ、弾性支持部材は導電部材を引き締めることができ、導電部材は弾性支持部材から脱落しにくい。
【0011】
いくつかの実施例では、前記導電部材は導電性布、アルミニウム箔及びアルミホイル紙のうちの1種又は複数種を備える。
【0012】
上記解決策では、導電性布、アルミニウム箔及びアルミホイル紙はいずれも導電性を有し、かつ優れた柔軟性を有し、弾性支持部材により提供される弾性支持力の作用で第1導電体及び第2導電体によりよく適応することができる。
【0013】
いくつかの実施例では、前記弾性支持部材は対向する第1表面及び第2表面を備え、前記導電部材は第1導電部、第2導電部及び第3導電部を備え、前記第1導電部と前記第2導電部は前記第3導電部を介して接続され、前記第1導電部は前記第1表面を被覆し、前記第1導電部は前記第1導電体に押出することに用いられ、前記第2導電部は前記第2表面を被覆し、前記第2導電部は前記第2導電体に押出することに用いられる。
【0014】
上記解決策では、導電部材の第1導電部及び第2導電部がそれぞれ弾性支持部材の対向する2つの表面(第1表面及び第2表面)に被覆されるため、第1導電部と第2導電部は対向して設置され、弾性支持部材は第1導電部及び第2導電部に反対の弾性支持力を印加することができ、それにより第1導電部及び第2導電部をそれぞれ第1導電体及び第2導電体に押出する。
【0015】
いくつかの実施例では、前記弾性支持部材には接続部材が貫通するための第1孔が設けられる。
【0016】
上記解決策では、弾性支持部材には接続部材を穿設するための第1孔が設けられ、接続部材が第1孔を貫通すると弾性支持部材を第1導電体と第2導電体との間に固定することができる。
【0017】
いくつかの実施例では、前記導電部材には前記接続部材が貫通することに用いられ且つ前記第1孔の軸方向の両端に位置する第2孔及び第3孔が設けられる。
【0018】
上記解決策では、導電部材には第1孔の軸方向の両端に位置する第2孔及び第3孔が設けられ、接続部材が第2孔、第1孔及び第3孔を順に貫通すると等電位装置全体を第1導電体と第2導電体との間に固定することができる。接続部材は第2孔、第1孔及び第3孔を順に貫通した後、接続部材は導電部材及び弾性支持部材に対して制限作用を果たし、導電部材と弾性支持部材を一体に接続するという目的を達成する。
【0019】
第2態様によれば、本願の実施例は等電位構造を提供し、第1導電体、第2導電体及び上記等電位装置を備える。
【0020】
前記弾性支持部材は前記導電部材に弾性支持力を提供し、前記導電部材を前記第1導電体及び前記第2導電体に押出し、それにより前記第1導電体と前記第2導電体との等電位接続を実現するように構成される。
【0021】
上記解決策では、等電位装置の弾性支持部材は導電部材に弾性支持力を提供することができ、導電部材を第1導電体及び第2導電体に密着させ、それにより第1導電体と第2導電体の等電位接続を実現し、導電部材と第1導電体、第2導電体との接着不良の状況が発生しにくく、第1導電体及び第2導電体の等電位故障をもたらしにくい。
【0022】
いくつかの実施例では、前記導電部材と前記第1導電体は第1導電性接着層を介して接続され、及び/又は、前記導電部材と前記第2導電体は第2導電性接着層を介して接続される。
【0023】
上記解決策では、第1導電性接着剤を介して導電部材と第1導電体を一体に接続すると、導電部材の堅牢性を高めることができ、導電部材と第1導電体との間に相対的なずれの状況が発生しにくい。第2導電性接着剤を介して導電部材と第2導電体を一体に接続すると、導電部材の堅牢性を高めることができ、導電部材と第2導電体との間に相対的なずれの状況が発生しにくい。
【0024】
いくつかの実施例では、前記等電位構造は接続部材をさらに備え、前記接続部材は等電位装置を前記第1導電体と前記第2導電体の間に接続することに用いられる。
【0025】
上記解決策では、接続部材を介して等電位装置を第1導電体と第2導電体との間に接続することにより、等電位装置全体の取り付け後の堅牢性を高める。
【0026】
第3態様によれば、本願の実施例は電池を提供し、筐体、電池ユニット、熱管理部材及び上記等電位構造を備え、筐体は前記第1導電体を備え、電池ユニットは前記筐体内に収容され、熱管理部材は前記電池ユニットの温度を管理することに用いられ、前記熱管理部材は前記第2導電体を備える。
【0027】
上記解決策では、電池の筐体は等電位構造における第1導電体を備え、熱管理部材は等電位構造における第2導電体を備え、すなわち筐体と熱管理部材は等電位装置により等電位を実現し、筐体と熱管理部材との間の等電位が故障しにくく、それにより感電リスクを低減させ、電池の安全性を向上させる。
【0028】
第4態様によれば、本願の実施例は電力消費機器をさらに提供し、上記電池を備える。
【0029】
上記解決策では、電力消費機器の電池における等電位構造は故障しにくく、それにより感電リスクを低減させ、電力消費機器の安全性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本願の実施例の技術案をより明瞭に説明するために、以下、本願の実施例に必要な図面を簡単に説明し、明らかなように、以下に説明された図面は本願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労働をせずに図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【0031】
図1】本願のいくつかの実施例に係る車両の構造模式図である。
図2】本願のいくつかの実施例に係る電池の分解図である。
図3図2に示される等電位構造の模式図である。
図4】本願のいくつかの実施例に係る等電位構造の模式図である。
図5】本願のいくつかの実施例に係る等電位装置の構造模式図である。
図6】本願のいくつかの実施例に係る等電位装置の動作模式図である。
図7】本願のいくつかの実施例に係る等電位構造(等電位装置の第1の可能な構造形式)の模式図である。
図8】本願のいくつかの実施例に係る等電位構造(等電位装置の第2の可能な構造形式)の模式図である。
図9】本願のいくつかの実施例に係る等電位構造(等電位装置の第3の可能な構造形式)の模式図である。
図10】本願のいくつかの実施例に係る等電位装置の第1の可能な取り付け模式図である。
図11】本願のいくつかの実施例に係る等電位装置の第2の可能な取り付け模式図である。
図12】本願のいくつかの実施例に係る等電位装置の第3の可能な取り付け模式図である。
図13】本願のいくつかの実施例に係る等電位装置(弾性支持部材に第1孔が設けられる)の構造模式図である。
図14】本願のいくつかの実施例に係る等電位装置(弾性支持部材に第1孔が設けられ、導電部材に第2孔及び第3孔が設けられる)の構造模式図である。
図15図14に示される等電位装置の分解図である。
図16】本願のいくつかの実施例に係る等電位構造(等電位装置の第4の可能な構造形式)の模式図である。
図17】本願のいくつかの実施例に係る電池の部分図である。
【0032】
図面において、図は実際の縮尺で描かれていない。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面及び実施例を参照しながら本願の実施形態をさらに詳細に説明する。以下の実施例の詳細な説明及び図面は本願の原理を例示的に説明するために使用され、本願の範囲を制限するものではなく、すなわち、本願は説明されている実施例に限定されない。
【0034】
本願の説明において、説明する必要がある点として、特に断らない限り、「複数」は2つ以上を意味し、「上」、「下」、「左」、「右」、「内」、「外」等の用語によって示される方位又は位置関係は、本願を容易に説明し説明を簡略化するためのものに過ぎず、示される装置又は素子が必ずしも特定の方位を有し、特定の方位で構成操作されることを指示又は暗示するものではなく、従って、本願を制限するものとして理解できない。また、「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、説明するためのものに過ぎず、相対的な重要性を指示又は暗示するものとして理解できない。「垂直」は厳密な意味での垂直ではなく、誤差許容範囲内のものである。「平行」は厳密な意味での平行ではなく、誤差許容範囲内のものである。
【0035】
以下の説明に出現する方位詞はいずれも図示されている方向であり、本願の具体的な構造を限定するものではない。本願の説明において、さらに説明する必要がある点として、特に明確な規定及び限定がない限り、用語「取付」、「連結」、「接続」は、広義に理解すべきであり、例えば、固定して接続されてもよく、取り外し可能に接続され、又は一体的に接続されてもよい。直接連結されてもよく、中間媒体を介して間接的に連結されてもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて上記用語の本願での具体的な意味を理解することができる。
【0036】
本願の実施例に係る電池とは、1つ又は複数の電池ユニットを備えてより高い電圧及び容量を提供するための単一の物理モジュールである。たとえば、本願に言及される電池は電池モジュール又は電池パック等を含んでもよい。電池は、一般的に1つ又は複数の電池ユニットを包装するための筐体を備える。電池ユニットは1つ又は複数の電池セルを備える。電池ユニットが複数の電池セルを備える場合、複数の電池セルはバス部材を介して一体に直列接続及び/又は並列接続される。筐体は液体又は他の異品が電池セルの充電又は放電に影響を与えることを回避することができる。
【0037】
本願では、電池セルはリチウムイオン二次電池、リチウムイオン一次電池、リチウム硫黄電池、ナトリウムリチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池又はマグネシウムイオン電池等を含んでもよく、本願の実施例はこれについて限定しない。電池セルは、円筒状、扁平状、直方体又は他の形状等であってもよく、本願の実施例はこれについても限定しない。電池セルは、一般的には包装方式に従って、円筒形電池セル、角形電池セル及びソフトパック電池セルの3種類に分けられ、本願の実施例はこれについても限定しない。
【0038】
電池セルは電極組立体及び電解液を含み、電極組立体は正極板、負極板及び分離フィルムからなる。電池セルは主に正極板と負極板との間の金属イオンの移動に依存して動作する。正極板は正極集電体及び正極活物質層を備え、正極活物質層は正極集電体の表面に塗布され、正極活物質層が塗布されていない正極集電体は正極活物質層が塗布された正極集電体から突出し、正極活物質層が塗布されていない正極集電体は正極タブとして使用される。リチウムイオン電池を例として、正極集電体の材料はアルミニウムであってもよく、正極活物質はコバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元リチウム又はマンガン酸リチウム等であってもよい。負極板は負極集電体及び負極活物質層を備え、負極活物質層は負極集電体の表面に塗布され、負極活物質層が塗布されていない負極集電体は負極活物質層が塗布された負極集電体から突出し、負極活物質層が塗布されていない負極集電体は負極タブとして使用される。負極集電体の材料は銅であってもよく、負極活物質はカーボン又はシリコーン等であってもよい。溶断が発生せずに高電流が流れることを確保するために、正極タブは複数であり且つ一体に積層され、負極タブは複数であり且つ一体に積層される。分離フィルムの材質はPP(polypropylene、ポリプロピレン)又はPE(polyethylene、ポリエチレン)等であってもよい。また、電極組立体は巻回型構造であってもよく、積層型構造であってもよく、本願の実施例はこれらに限定されない。
【0039】
電圧の高い電力消費機器の場合、一般的には感電保護、例えば、等電位接続を行う必要があり、それにより電力消費機器の感電リスクを低減させる。2つの導電体の間の等電位を実現することは、一般的に1つのボルトで等電位金属板の一端を1つの導電体に固定し、そして別のボルトで等電位金属板の他端を別の導電体に固定し、それにより2つの導電体を同じ電位にし、それにより2つの導電体の等電位接続を実現し、人体が2つの導電体に触れると、2つの導電体の間に電位差がないため、電流が発生せず、それにより感電事故の発生を回避することができる。
【0040】
発明者は、上記等電位構造において、ボルトが緩んでいると、等電位金属板と導電体との間に接着不良の状況が発生する可能性があり、それにより等電位故障をもたらすことを見出した。
【0041】
このため、本願の実施例は電力消費機器、電池、等電位構造及び等電位装置を提供し、等電位金属板により2つの導電体の等電位接続を実現する場合に等電位故障をもたらしやすいという状況を改善する。
【0042】
本願の実施例は電力消費機器を提供し、該電力消費機器は車両、携帯電話、携帯機器、ノートパソコン、汽船、宇宙機、電動玩具及び電動工具等であってもよい。車両はガソリン自動車、ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は純粋な電気自動車、ハイブリッド自動車又はレンジエクステンダー式電気自動車等であってもよく、宇宙機は飛行機、ロケット、スペースシャトル及び宇宙船等を含み、電動玩具は固定式又は移動式の電動玩具を含み、たとえば、ゲーム機、玩具の電気自動車、玩具の電動汽船及び玩具の電動飛行機等であり、電動工具は金属切削電動工具、粉砕電動工具、組み立て電動工具、及び鉄道電動工具を含み、たとえば、電動ドリル、電動グラインダー、電気レンチ、電動ドライバ、電動ハンマー、インパクトドリル、コンクリートバイブレーター及び電動プレーナーである。本願の実施例は上記電力消費機器を特に制限しない。
【0043】
以下の実施例は説明を容易にするために、電力消費機器が車両であることを例として説明する。
【0044】
図1を参照すると、車両1000の内部に電池100が設置され、電池100は車両1000の底部又は前部又は後部に設置されてもよい。電池100は車両1000の給電に使用され、たとえば、電池100は車両1000の操作電源として使用することができる。
【0045】
車両1000はコントローラ200及びモータ300をさらに備えてもよく、コントローラ200は電池100がモータ300に給電するように制御することに用いられ、たとえば、車両1000の始動、ナビゲーション及び運転時の動作電力需要に用いられる。
【0046】
本願のいくつかの実施例では、電池100は車両1000の操作電源として使用できるだけでなく、車両1000の駆動電源として使用され、ガソリン又は天然ガスを代替又は部分的に代替して車両1000に駆動動力を提供することができる。
【0047】
図2を参照すると、本願の実施例に係る電池100は筐体10、電池ユニット20、熱管理部材30及び等電位構造40を備える。
【0048】
電池ユニット20は筐体10内に位置し、熱管理部材30は電池ユニット20の温度を管理することに用いられる。
【0049】
例示的に、筐体10は筐体本体11及び筐体蓋12を備え、筐体蓋12は筐体本体11の最上部開口にカバーされ、筐体蓋12と筐体本体11は密閉接続を形成し、電池ユニット20に密閉環境を提供する。
【0050】
熱管理部材30の作用は電池ユニット20の温度を管理することであり、熱管理部材30と電池ユニット20は熱伝導接続を形成し、熱管理部材30と電池ユニット20は直接接触して熱伝導接続を実現してもよく、熱管理部材30と電池ユニット20は中間子を介して熱伝達して熱伝導接続を実現してもよい。熱管理部材30は電池ユニット20を放熱するための放熱素子であってもよく、電池100を加熱するための加熱素子であってもよい。
【0051】
例示的に、図2では、熱管理部材30は電池ユニット20を放熱するための放熱素子であり、熱管理部材30は液冷板であってもよく、液冷板は筐体10内に取り付けられる。
【0052】
図3及び図4を参照すると、本願の実施例に係る等電位構造40は第1導電体41、第2導電体42及び等電位装置43を備え、第1導電体41と第2導電体42は等電位装置43を介して等電位接続される。
【0053】
電池100(図2に示す)では、筐体10(図2に示す)は等電位構造40の第1導電体41を備え、理解できるように、第1導電体41は筐体10の一部であってもよい。第1導電体41は筐体10の筐体本体11の一部であってもよく、第1導電体41は筐体10の筐体蓋12の一部であってもよい。第1導電体41は、例えば、銅、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属導体であってもよい。
【0054】
電池100(図2に示す)では、熱管理部材30(図2に示す)は等電位構造40の第2導電体42を備え、理解できるように、第2導電体42は熱管理部材30の一部であってもよい。第2導電体42は、例えば、銅、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属導体であってもよい。
【0055】
説明する必要がある点として、等電位装置43により第1導電体41と第2導電体42の等電位を実現することは、等電位装置43が第1導電体41と第2導電体42との間に直接的又は間接的に押出されて、第1導電体41と第2導電体42を等電位装置43を介して電気的に接続させ、等電位を実現してもよい。
【0056】
いくつかの実施例では、図3を参照すると、等電位装置43は第1導電体41と第2導電体42との間に間接的に押出される。第2導電体42に中間導電体44が設けられ、等電位装置43は第1導電体41と中間導電体44との間に直接的に押出される。
【0057】
実際の適用において、第1導電体41と第2導電体42がずらして設置されると、この場合で、第2導電体42に中間導電体44を設置し、中間導電体44と第1導電体41を対向して設置させ、それにより等電位装置43を容易に取り付ける。
【0058】
中間導電体44と第2導電体42は溶接、接着、ボルト接合等の方式により一体に接続され、中間導電体44と第2導電体42との電気的接続を実現できればよい。
【0059】
例示的に、中間導電体44はZ字状に屈曲される導電シートである。
【0060】
他の実施例では、実際の需要に応じて、第1導電体41のみに中間導電体44を設置し、等電位装置43は第2導電体42と中間導電体44との間に直接的に押出されることであってもよい。もちろん、第1導電体41と第2導電体42の両方に中間導電体44を設置し、等電位装置43は2つの中間導電体44の間に直接的に押出されることであってもよい。
【0061】
いくつかの実施例では、図4を参照すると、等電位装置43は第1導電体41と第2導電体42との間に直接的に押出され、すなわち等電位装置43は第1導電体41に直接的に押出され、等電位装置43は第2導電体42に直接的に押出される。
【0062】
実際の適用において、第1導電体41と第2導電体42は対向して設置される場合、等電位装置43を第1導電体41と第2導電体42の間に直接的に取り付けることができる。
【0063】
図5を参照すると、本願の実施例に係る等電位装置43は導電部材431及び弾性支持部材432を備える。導電部材431は弾性支持部材432の表面に少なくとも部分的に配置され、弾性支持部材432は導電部材431に弾性支持力を提供し、導電部材431を第1導電体41(図5に示されない)及び第2導電体42(図5に示されない)に押出し、それにより第1導電体41と第2導電体42との等電位接続を実現するように構成される。
【0064】
導電部材431が弾性支持部材432の表面に少なくとも部分的に配置され、且つ弾性支持部材432が弾性的に変形し及び変形から回復する能力を有するため、弾性支持部材432は弾性的に変形した後に導電部材431に弾性支持力を提供することができ、該弾性支持力の作用で導電部材431を第1導電体41及び第2導電体42に押出し、それにより導電部材431を第1導電体41及び第2導電体42に密着させ、それにより第1導電体41と第2導電体42との等電位接続を実現し、導電部材431と第1導電体41、第2導電体42との接着不良の状況が発生しにくく、第1導電体41及び第2導電体42の等電位故障をもたらしにくい。
【0065】
説明する必要がある点として、導電部材431が第1導電体41及び第2導電体42に押出されることについては、導電部材431は第1導電体41及び第2導電体42に直接的に押出されてもよく、第1導電体41及び第2導電体42に間接的に押出されてもよい。例えば、第2導電体42に中間導電体44(図3に示す)が設置される場合で、導電部材431は中間導電体44に直接的に押出され、導電部材431が第2導電体42に間接的に押出されることは実現される。
【0066】
本願の実施例では、弾性支持部材432は導電部材431に対して支持作用を果たし、弾性支持部材432は様々な材質であってもよい。弾性支持部材432はフォーム、弾性ゴム等であってもよい。
【0067】
弾性支持部材432は、例えば、直方体、多角柱、円形等の様々な形状であってもよい。以下の実施例はいずれも弾性支持部材432が直方体であることを例として、等電位装置43を詳細に説明する。
【0068】
いくつかの実施例では、導電部材431はフレキシブルな材質であり、導電部材431は柔軟な変形能力を有し、導電部材431は弾性支持部材432により提供される弾性支持力の作用で第1導電体41及び第2導電体42によりよく適応することができ、導電部材431と第1導電体41及び第2導電体42との接触面積を効果的に増加させることができる。
【0069】
図6を参照すると、弾性支持部材432に接触する第1導電体41の接触面411が不均一な曲面であることを例とすると、導電部材431が柔軟な変形能力を有し、導電部材431が弾性支持部材432の弾性支持力の作用で接触面411の形状に伴って曲げて変形するため、導電部材431が第2導電体42に密着され、導電部材431と第1導電体41との接触面積を増加させるという目的は達成される。
【0070】
導電部材431は導電性布、アルミニウム箔、アルミホイル紙等のうちの1種又は複数種であってもよい。
【0071】
弾性支持部材432は導電部材431内に完全に被覆されてもよく、導電部材431は弾性支持部材432の一部のみに被覆されてもよい。導電部材431は弾性支持部材432の表面に完全に位置してもよく、一部のみが弾性支持部材432の表面に位置してもよい。
【0072】
図7図8に示すように、導電部材431は弾性支持部材432の一部のみに被覆される。
【0073】
いくつかの実施例では、図7を参照すると、導電部材431は弾性支持部材432の表面に周方向において非全周的に被覆される。
【0074】
例示的に、弾性支持部材432は対向する第1表面4321と第2表面4322を備え、導電部材431は第1導電部4311、第2導電部4312及び第3導電部4313を備え、第1導電部4311と第2導電部4312は第3導電部4313を介して接続される。第1導電部4311は第1表面4321を被覆し、第1導電部4311は弾性支持部材432の作用で第1導電体41に押出される。第2導電部4312は第2表面4322を被覆し、第2導電部4312は弾性支持部材432の作用で第2導電体42に押出される。
【0075】
導電部材431の第1導電部4311及び第2導電部4312はそれぞれ対向して設置される弾性支持部材432の第1表面4321と第2表面4322に被覆され、第1導電部4311と第2導電部4312を対向して設置させ、それにより弾性支持部材432は第1導電部4311及び第2導電部4312に反対の弾性支持力を印加することができ、それにより第1導電部4311及び第2導電部4312がそれぞれ第1導電体41及び第2導電体42に押出される。
【0076】
等電位装置43を実際に取り付ける場合、第1導電体41と第2導電体42との間の隙間が一定である場合、弾性支持部材432が変形能力を有するため、等電位装置43に押圧して、第1導電部4311と第2導電部4312との間の距離を減少させることができ、等電位装置43を第1導電体41と第2導電体42との間に配置した後、等電位装置43を解放し、第1導電部4311と第2導電部4312は弾性支持部材432の作用で互いに離れ、それにより第1導電部4311及び第2導電部4312がそれぞれ第1導電体41及び第2導電体42にしっかりと押出される。
【0077】
本実施例では、弾性支持部材432は第3表面4323をさらに備え、第1表面4321、第3表面4323及び第2表面4322は順に接続され、第1表面4321、第3表面4323及び第2表面4322は弾性支持部材432の3つの連続的な側面である。第1導電部4311、第3導電部4313及び第2導電部4312は順に接続され、第3導電部4313は第3表面4323を被覆する。
【0078】
いくつかの実施例では、図8を参照すると、導電部材431は弾性支持部材432の表面に周方向全周にわたって被覆される。この構造は、一方、等電位装置43の方位を過度に調整する必要がなく、等電位装置43を第1導電体41と第2導電体42との間に迅速に取り付けることができ、他方、弾性支持部材432は導電部材431の周りに弾性支持力を印加することができ、弾性支持部材432は導電部材431を引き締めることができ、それにより導電部材431は弾性支持部材432から脱落しにくい。
【0079】
本実施例では、弾性支持部材432は第4表面4324をさらに備え、第1表面4321、第3表面4323、第2表面4322及び第4表面4324は端から端まで順に接続され、第1表面4321、第3表面4323、第2表面4322及び第4表面4324は弾性支持部材432の4つの側面である。導電部材431は第4導電部4314をさらに備え、第4導電部4314は第4表面4324を被覆する。第1導電部4311、第3導電部4313、第2導電部4312及び第4導電部4314は端から端まで順に接続され、すなわち導電部材431は両端が開放した中空構造である。
【0080】
いくつかの実施例では、図9を参照すると、導電部材431の一部のみは弾性支持部材432の表面に位置する。
【0081】
導電部材431の第1導電部4311及び第2導電部4312はそれぞれ弾性支持部材432の第1表面4321及び第2表面4322を被覆し、第3導電部4313は弾性支持部材432内に位置し、第3導電部4313の両端はそれぞれ第1導電部4311及び第2導電部4312に接続され、それにより第1導電部4311と第2導電部4312の電気的接続を実現する。
【0082】
第3導電部4313は弾性支持部材432内に位置し、且つ第3導電部4313の両端はそれぞれ第1導電部4311及び第2導電部4312に接続されるため、等電位装置43が第1導電体41と第2導電体42との間に取り付けられていない場合、弾性支持部材432は第1導電部4311及び第2導電部4312に弾性支持力を印加することができ、それにより第1導電部4311及び第2導電部4312は共に第3導電部4313を伸ばし、第3導電部4313は第1導電部4311及び第2導電部4312に対して牽引作用を果たし、それにより第1導電部4311及び第2導電部4312をそれぞれ第1表面4321及び第2表面4322にしっかりと押出し、等電位装置43が第1導電体41及び第2導電体42に取り付けられる前に、導電部材431及び弾性支持部材432は優れた堅牢性を有することを保証する。
【0083】
上記構造では、必ずしも導電部材431全体がいずれもフレキシブルな材質である必要がなく、第3導電部4313がフレキシブルな材質であればよく、第1導電部4311及び第2導電部4312は剛性材質であってもよく、例えば、第1導電部4311及び第2導電部4312は金属導電性シートであり、第3導電部4313は導電性布であり、もちろん、第3導電部4313は導線であってもよい。
【0084】
いくつかの実施例では、図10を参照すると、導電部材431と第1導電体41は第1導電性接着層45を介して接続され、導電部材431と第2導電体42は第2導電性接着層46を介して接続される。
【0085】
第1導電性接着剤を介して導電部材431と第1導電体41を一体に接続し、第2導電性接着剤を介して導電部材431と第2導電体42を一体に接続すると、導電部材431の堅牢性を高めることができ、導電部材431と第2導電体42との間に相対的なずれの状況が発生しにくい。
【0086】
導電部材431の第1導電部4311と第1導電体41は第1導電性接着層45を介して接続され、導電部材431の第2導電部4312と第2導電体42は第2導電性接着層46を介して接続される。
【0087】
もちろん、導電部材431と第1導電体41のみは第1導電性接着層45を介して接続されてもよく、導電部材431と第2導電体42のみは第2導電性接着層46を介して接続されてもよい。
【0088】
いくつかの実施例では、図11を参照すると、上記実施例を基礎として、等電位構造40は接続部材47をさらに備え、接続部材47は等電位装置43を第1導電体41と第2導電体42との間に接続することに用いられる。
【0089】
接続部材47を介して等電位装置43を第1導電体41と第2導電体42との間に接続すると、等電位装置43の取り付け後の堅牢性をさらに向上させることができる。
【0090】
接続部材47はロック作用を果たすボルトであってもよく、位置決め作用を果たす位置決めピンであってもよい。
【0091】
いくつかの実施例では、図12を参照すると、導電部材431と第1導電体41との間及び導電部材431と第2導電体42との間は導電性接着層(第1導電性接着層45、第2導電性接着層46)を介して接続されていない場合、直接的に接続部材47を介して等電位装置43を第1導電体41と第2導電体42との間に接続してもよく、それにより等電位装置43を固定するという目的を達成する。
【0092】
いくつかの実施例では、図13を参照すると、弾性支持部材432には接続部材47が貫通するための第1孔4325が設けられる。第1孔4325の両端はそれぞれ弾性支持部材432の第1表面4321及び第2表面4322を貫通する。
【0093】
本実施例では、導電部材431は第1表面4321及び第2表面4322の一部のみを被覆する。
【0094】
いくつかの実施例では、図14及び図15を参照すると、導電部材431には接続部材47が貫通することに用いられ且つ第1孔4325の軸方向の両端に位置する第2孔4315及び第3孔4316が設けられる。
【0095】
第2孔4315及び第3孔4316はそれぞれ導電部材431の第1導電部4311及び第2導電部4312に開口されている。
【0096】
接続部材47が第2孔4315、第1孔4325及び第3孔4316を順に貫通すると等電位装置43全体を第1導電体41と第2導電体42との間に固定することができる。接続部材47が第2孔4315、第1孔4325及び第3孔4316を順に貫通した後、接続部材47は導電部材431及び弾性支持部材432に対して制限作用を果たし、導電部材431と弾性支持部材432を一体に接続するという目的を達成することができる。
【0097】
本実施例では、導電部材431は前記弾性支持部材432の表面を周方向全周にわたって被覆する。
【0098】
上記各実施例から分かるように、等電位装置43は第1導電体41と第2導電体42との間に配置され、第1導電体41と第2導電体42との等電位接続を実現することができ、すなわち第1導電体41及び第2導電体42はそれぞれ等電位装置43の対向する両側に位置する。いくつかの実施例では、図16に示すように、第1導電体41及び第2導電体42は等電位装置43の同じ側に配置されてもよい。このような場合で、第1導電体41及び第2導電体42に対向する等電位装置43の一側を固定部材48に当接することができ、弾性支持部材432の弾性支持力の作用で導電部材431を第1導電体41及び第2導電体42に同時に押出することができる。
【0099】
例示的に、導電部材431は弾性支持部材432の第2表面4322のみを被覆することができ、弾性支持部材432の第1表面4321は固定部材48に当接することに用いられる。もちろん、導電部材431はフレキシブルな材質であってもよく、剛性材質であってもよい。導電部材431は導電性接着剤を介して弾性支持部材432に一体に接着することができる。
【0100】
図17に示すように、電池100(図2に示す)では、固定部材48は筐体本体11の側壁111であってもよく、第1導電体41は筐体本体11の底壁112から突出する金属導体であってもよい。
【0101】
説明する必要がある点として、本願の実施例に係る等電位装置43は電池100に適用することに限定されず、2つの導電体の間に電位差が発生すれば、本願の実施例に係る等電位装置43を利用して2つの導電体の等電位を実現することができる。
【0102】
説明する必要がある点として、矛盾しない場合、本願における実施例及び実施例における特徴は相互に組み合わせることができる。
【0103】
好ましい実施例を参照しながら本願を説明したが、本願の範囲を逸脱することなく、様々な改良を行うことができ、且つその部材を同等物で置き換えることができる。特に、構造上の矛盾がない限り、各実施例に係る各技術的特徴はすべて任意に組み合わせることができる。本願は明細書に開示されている特定の実施例に限定されず、特許請求の範囲に属するすべての技術案を含む。
【符号の説明】
【0104】
10-筐体
11-筐体本体
111-側壁
112-底壁
12-筐体蓋
20-電池ユニット
30-熱管理部材
40-等電位構造
41-第1導電体
411-接触面
42-第2導電体
43-等電位装置
431-導電部材
4311-第1導電部
4312-第2導電部
4313-第3導電部
4314-第4導電部
4315-第2孔
4316-第3孔
432-弾性支持部材
4321-第1表面
4322-第2表面
4323-第3表面
4324-第4表面
4325-第1孔
44-中間導電体
45-第1導電性接着層
46-第2導電性接着層
47-接続部材
48-固定部材
100-電池
200-コントローラ
300-モータ
1000-車両
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17