(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-22
(45)【発行日】2024-04-01
(54)【発明の名称】圧縮ガス貯蔵装置および圧縮ガス貯蔵装置を作動させる方法
(51)【国際特許分類】
F02M 21/02 20060101AFI20240325BHJP
F01N 3/20 20060101ALI20240325BHJP
F17C 13/12 20060101ALI20240325BHJP
F23K 5/00 20060101ALI20240325BHJP
【FI】
F02M21/02 X
F01N3/20 D
F17C13/12 301A
F23K5/00 304
(21)【出願番号】P 2022578823
(86)(22)【出願日】2021-06-28
(86)【国際出願番号】 EP2021067703
(87)【国際公開番号】W WO2022002853
(87)【国際公開日】2022-01-06
【審査請求日】2023-02-06
(31)【優先権主張番号】102020003894.8
(32)【優先日】2020-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】522100316
【氏名又は名称】セルセントリック・ゲーエムベーハー・ウント・コー・カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100090583
【氏名又は名称】田中 清
(74)【代理人】
【識別番号】100098110
【氏名又は名称】村山 みどり
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・ハオスマン
【審査官】小関 峰夫
(56)【参考文献】
【文献】特表2005-518515(JP,A)
【文献】特開2007-187078(JP,A)
【文献】特表2015-524569(JP,A)
【文献】米国特許第02557199(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 15/00
F01N 3/00
F02M 21/00
F17C 1/00-13/12
F23K 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮ガス貯蔵装
置であって、容器(12)を備え、前記容器(12)は圧縮燃料を貯蔵するように構成されており、少なくとも1つの圧力逃がし弁(22、24)を備え、前記少なくとも1つの圧力逃がし弁(22、24)の開放により、前記容器(12)から前記圧縮ガス貯蔵装置(10)の周囲環境(72)に燃料を排出可能であり、及び、触媒コンバータ機構(58)を備え、前記触媒コンバータ機構(58)は前記容器(12)からの燃料と酸素との酸化反応に触媒作用を及ぼすように構成されている、前記圧縮ガス貯蔵装置において、
前記圧縮ガス貯蔵装置(10)が少なくとも1つの圧電素子(30、32)を有し、前記少なくとも1つの圧力逃がし弁(22、24)の前記開放により前記少なくとも1つの圧電素子(30、32)に圧力を加えることができ、前記圧力により、前記少なくとも1つの圧電素子(30、32)によって少なくとも1つのスパーク(28)を発生させることができることを特徴とする、前記圧縮ガス貯蔵装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの圧電素子(30、32)が、前記少なくとも1つの圧力逃がし弁(22、24)の弁ディスク(42)と、前記少なくとも1つの圧力逃がし弁(22、24)のばね要素(48)のための支持機構(46)との間に配置されており、前記少なくとも1つの圧力逃がし弁(22、24)の弁座(44)から離れる前記弁ディスク(42)の動きによって、前記少なくとも1つの圧電素子(30、32)に圧力を加えることができることを特徴とする、請求項1に記載の圧縮ガス貯蔵装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの圧力逃がし弁(22、24)の前記ばね要素(48)が、前記少なくとも1つの圧電素子(30、32)によって形成されていることを特徴とする、請求項2に記載の圧縮ガス貯蔵装置。
【請求項4】
前記圧縮ガス貯蔵装置(10)が、第1の圧力逃がし弁(22)および第2の圧力逃がし弁(24)を有し、前記第2の圧力逃がし弁(24)が、前記容器(12)から出る前記燃料の流通方向で見て、前記第1の圧力逃がし弁(24)の下流に配置されており、前記第2の圧力逃がし弁(22)の前記開放により前記少なくとも1つの圧電素子(30、32)に圧力を加えることができることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の圧縮ガス貯蔵装置。
【請求項5】
前記第1の圧力逃がし弁(22)と前記第2の圧力逃がし弁(24)との間に、前記容器(12)への燃料の逆流を防止する弁機構(74
)が配置されている、請求項4に記載の圧縮ガス貯蔵装置。
【請求項6】
前記圧縮ガス貯蔵装置(10)が
、空気入口(56)を含む排気機構(52)を有し
、
前記排気機構(52)を通して、前記燃料の前記酸化反応の生成物を前記圧縮ガス貯蔵装置(10)の周囲環境(72)に排出可能であ
ること、
および/また
は
前記排気機構(52)が
、排気ラインの部分領域として構成されているこ
と
を特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の圧縮ガス貯蔵装置。
【請求項7】
排気口(66)に向かって先細りしている前記排気機構(52)が、前記圧縮ガス貯蔵装置の設置姿勢で実質的に鉛直に方向付けられており、およ
び端面カバー(68)を有し
ている、請求項6に記載の圧縮ガス貯蔵装置。
【請求項8】
前記触媒コンバータ機構(58)が、マフラ(70)を有する前記排気機構(52)の区域(60)に配置されていることを特徴とする、請求項6または7に記載の圧縮ガス貯蔵装置。
【請求項9】
前記空気入口(56)が、第1の流れ方向において、前記第1の流れ方向とは反対の第2の流れ方向よりも低い流れ抵抗を備える逆止弁および/または弁機構(62)を有する、請求項6
から8のいずれか一項に記載の圧縮ガス貯蔵装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つの圧電素子(30、32)の少なくとも1つの電極(36、38)が、前記容器(12)からの燃料と酸素との酸化反応に触媒作用を及ぼすように構成されている触媒材料でのコーティングを有する、および/または、前記圧縮ガス貯蔵装置(10)が、圧力を加えることができる少なくとも2つの圧電素子(30、32)を有することを特徴とする、請求項1から
9のいずれか一項に記載の圧縮ガス貯蔵装置。
【請求項11】
圧縮ガス貯蔵装置(10
)を作動させる方法であって、前記圧縮ガス貯蔵装置(10)の容器(12)に圧縮燃料が貯蔵され、前記圧縮ガス貯蔵装置(10)の少なくとも1つの圧力逃がし弁(22、24)の開放により、前記容器(12)から前記圧縮ガス貯蔵装置(10)の周囲環境(72)に燃料が排出されるものであり、前記圧縮ガス貯蔵装置(10)の触媒コンバータ機構(58)によって酸化反応が触媒作用を及ぼされるものであり、前記酸化反応において前記容器(12)からの燃料が酸素と反応するものである、前記方法において、
前記圧縮ガス貯蔵装置(10)が少なくとも1つの圧電素子(30、32)を有し、前記少なくとも1つの圧力逃がし弁(22、24)の前記開放により前記少なくとも1つの圧電素子(30、32)は圧力を加えられ、前記少なくとも1つの圧電素子(30、32)への前記圧力の印加により、前記少なくとも1つの圧電素子(30、32)によって少なくとも1つのスパーク(28)が発生されることを特徴とする、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮燃料を貯蔵するために構成されている容器と、少なくとも1つの圧力逃がし弁とを備える圧縮ガス貯蔵装置に関する。少なくとも1つの圧力逃がし弁の開放により、容器から圧縮ガス貯蔵装置の周囲環境に燃料を排出可能である。圧縮ガス貯蔵装置の触媒コンバータ機構が、容器からの燃料と酸素との酸化反応に触媒作用を及ぼすように構成されている。さらに、本発明は、そのような圧縮ガス貯蔵装置を作動させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば自動車用途のための極低温燃料貯蔵装置として使用されるような圧縮ガス貯蔵装置は、自動車の停車時、すなわち自動車の進行用のエネルギーを提供するために容器からの燃料が使用されていないとき、外部から熱が導入された場合に、圧縮ガス貯蔵装置の周囲環境に気体燃料を排出しなければならないという課題に直面している。液状で貯蔵されている極低温燃料が気体として外部または周囲環境に排出されるとき、それに伴う燃料の損失は、いわゆるボイルオフ損失とも呼ばれる。容器内の圧力の閾値を超えると自動的に開く圧力逃がし弁を通して気体燃料を周囲環境に排出することで、圧縮燃料が貯蔵されている容器内の圧力が逃がされる。
【0003】
通常、圧縮燃料として液化水素を使用するとき、そのような圧力の逃がしは、10bar未満、特に約6barの圧力で行われる。周囲環境に排出されるガスはエネルギー・キャリアであり、したがって、そのようなエネルギー・キャリアの解放に伴う潜在的な危険は回避すべきである。特に、例えば立体駐車場、ガレージ、整備場、ホール、地下などにおけるような密閉された周囲環境に気体水素が放出されることを避けることが重要である。
【0004】
上記の背景をもとに、圧縮ガス貯蔵装置の容器から解放された燃料を触媒燃焼し、次いで燃料と酸素とのそのような酸化反応の生成物を周囲環境に排出する方法が存在する。
【0005】
例えば、特許文献1には、放出ガス、すなわち圧力容器から出るガスの触媒燃焼が記載されている。そこでは、圧力容器に圧力逃がし弁が配置されており、圧力逃がし弁から触媒反応器に管がつながる。触媒反応器では、水素の場合、ガスは空気中の酸素と反応して水を生成する。触媒反応器は、ガスおよび空気が供給される触媒バーナが配置された第1のチャンバを有する。シーブによってこのチャンバから分離された触媒反応器の第2のチャンバ内に点火プラグが突き出ている。点火プラグは、触媒バーナで反応することなく、シーブを通って第2のチャンバに達した可燃性ガスに点火する働きをする。点火プラグの形態での点火機構は、特に触媒燃焼の開始時に使用され、点火プラグの点火により生成される炎によって触媒バーナをそのライトオフ温度にする。
【0006】
保証すべき安全性に関して、触媒反応器のチャンバ内での燃焼炎の発生は、少なくとも反応器の設計および動作の面で問題となる。これは、隣接する圧力容器および触媒反応器自体に可燃性ガスが存在するからである。
さらに、点火プラグの確実な点火により、可燃性ガスが触媒反応器から周囲環境に達しないことが保証されなければならない。これは、対応するコストも伴う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は、容器からの燃料の特に確実であり安全な酸化を達成することができる、冒頭で述べたタイプの圧縮ガス貯蔵装置を提供すること、および圧縮ガス貯蔵装置を作動させるための対応する方法を提示することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、請求項1の特徴を備える圧縮ガス貯蔵装置、および請求項10の特徴を備える方法によって達成される。本発明の好適な改良を伴う有利な構成は、従属請求項に記載されている。
【0010】
特に自動車で使用するために設けられていてもよい本発明による圧縮ガス貯蔵装置は、圧縮燃料を貯蔵するように構成されている容器を含む。圧縮ガス貯蔵装置は少なくとも1つの圧力逃がし弁を有し、少なくとも1つの圧力逃がし弁の開放により、容器から圧縮ガス貯蔵装置の周囲環境に燃料を排出可能である。圧縮ガス貯蔵装置の触媒コンバータ機構が、容器からの燃料と酸素との酸化反応に触媒作用を及ぼすように構成されている。圧縮ガス貯蔵装置が少なくとも1つの圧電素子を有し、少なくとも1つの圧力逃がし弁の開放により少なくとも1つの圧電素子に圧力を加えることができる。この圧力により、少なくとも1つの圧電素子によって少なくとも1つのスパークを発生させることができる。
【0011】
すなわち、言い換えると、少なくとも1つの圧電素子への圧力の印加により、少なくとも1つの圧電素子による少なくとも1つのスパークの発生が引き起こされる。したがって、少なくとも1つの圧電素子は、少なくとも1つの圧力逃がし弁の開放をもたらす圧力によって作動される点火装置の様式で作用する。少なくとも1つのスパークの提供により、燃料と酸素との酸化反応を開始するための点火エネルギーが提供される。次いで、始まった燃料と酸素との発熱酸化反応により、連鎖反応の形で、酸素によるさらなる燃料分子の転換が引き起こされる。このようにして、触媒コンバータ機構を、低温燃焼の形での酸化による、酸素による燃料の触媒転換が生じるライトオフ温度にすることもできる。
【0012】
少なくとも1つの圧力逃がし弁の開放時に加えられる圧力が少なくとも1つの圧電素子への圧力印加も引き起こすことにより、少なくとも1つのスパークが特に安全にかつ確実に提供される。その結果、容器からの燃料の確実であり安全な酸化も達成することができる。
【0013】
すなわち、少なくとも1つの圧力逃がし弁の開放によってトリガされて、それと同時に少なくとも1つの圧電素子が作動され、したがって、点火機構として働く圧電素子によって少なくとも1つのスパークの形で点火エネルギーが提供される。
【0014】
したがって、容器からの燃料の損失は、少なくとも1つの圧電素子を含む受動的であり本質的に安全な装置によって、低エネルギーの生成物または媒体に安全に変換され得る。
【0015】
これにより、圧縮ガス貯蔵装置の受動的な安全性が大幅に高められる。これは特に、圧縮ガス貯蔵装置の容器が、自動車での極低温燃料貯蔵装置または燃料貯蔵装置として使用されるときに当てはまる。すなわち、ここで、そのような圧縮ガス貯蔵装置を備える自動車は、容器からの燃料と酸素が反応する酸化反応のために十分な酸素が周囲環境の空気中にある限り、密閉されたホール、家、立体駐車場、ガレージ、整備場など密閉された領域に駐車することもできる。
【0016】
容器は、特に液体水素(LH2、liquid hydrogen)または極低温圧縮水素(CcCH2、cryo-compressed hydrogen)、さらには圧縮水素(CH2、compressed hydrogen)の形で圧縮燃料を貯蔵するように構成されていてもよい。この場合、低温燃焼時に、水素と酸素との触媒酸化反応の形で、水蒸気(H2O)への燃料の転換が生じる。
【0017】
圧縮燃料が例えば液化石油ガス(LPG、liquified petroleum gas)の形や液化天然ガス(LNG、liquified natural gas)の形などでの液化ガスであるとき、酸素との酸化反応において、例えばCO2および/または酸化窒素など他の生成物も生じ得る。同じことが、圧縮燃料としての圧縮天然ガス(CNG、compressed natural gas)の使用にも当てはまる。
【0018】
好ましくは、少なくとも1つの圧電素子が、少なくとも1つの圧力逃がし弁の弁ディスクと、少なくとも1つの圧力逃がし弁のばね要素のための支持機構との間に配置されている。ここで、少なくとも1つの圧力逃がし弁の弁座から離れる弁ディスクの動きによって、少なくとも1つの圧電素子に圧力を加えることができる。少なくとも1つの圧電素子の圧力逃がし弁へのそのような組込みにより、圧力逃がし弁の開放のたびに、圧電素子によって少なくとも1つのスパークが発生されることを特に確実に達成することができる。さらに、圧力逃がし弁の閉鎖力により、圧力逃がし弁の開放時に少なくとも1つの圧電素子が圧縮され、少なくとも1つの圧電素子が圧電点火発生装置として作用することを保証することができる。これは、燃料と酸素との酸化反応を開始するための点火エネルギーの確実な提供をもたらす。
【0019】
特に、少なくとも1つの圧力逃がし弁のばね要素は、少なくとも1つの圧電素子によって形成されていてもよい。ここで、少なくとも1つの圧電素子の形態での点火機構は、同時に圧力逃がし弁の閉鎖機構としても機能する。閉鎖機構によって、少なくとも1つの圧力逃がし弁が開く圧力の閾値が事前決定されている。閾値を超えると、それにより圧力逃がし弁の開放だけでなく、それと同時に圧電素子への圧力の印加、特に少なくとも1つの圧電素子の圧縮も生じる。この構成により、圧力逃がし弁の開放が、それと同時に圧電素子または圧電点火装置による少なくとも1つのスパークの発生をもたらすことを特に確実に達成することができる。さらに、圧力逃がし弁のそのような構成は、圧電素子に加えて別個のばね要素を設ける必要がないので、低コストである。
【0020】
圧縮ガス貯蔵装置がただ1つの圧力逃がし弁を有し、この1つの圧力逃がし弁の開放によって少なくとも1つの圧電素子が圧力を加えられることを企図することもできる。このようにして、特に低コストの圧縮ガス貯蔵装置が提供されている。
【0021】
代替として、圧縮ガス貯蔵装置が、第1の圧力逃がし弁および第2の圧力逃がし弁を有することを企図することもできる。ここで、第2の圧力逃がし弁は、容器から出る燃料の流通方向で見て、第1の圧力逃がし弁の下流に配置されている。さらに、ここで、第2の圧力逃がし弁の開放により少なくとも1つの圧電素子に圧力を加えることができる。このようにして、少なくとも1つのスパークの発生により解放されたエネルギーが容器の内部に導入されることが特に確実に回避されている。したがって、特に高い安全性が達成可能である。これは、第1の圧力逃がし弁が第2の圧力逃がし弁よりも高い圧力で開くときに特に当てはまる。
【0022】
好ましくは、第1の圧力逃がし弁と第2の圧力逃がし弁との間に、容器への燃料の逆流を防止する弁機構が配置されている。これも、燃料と酸素との発熱酸化反応時に解放される熱エネルギーが容器の内部に導入されるのを特に顕著に防ぐので、安全性の向上に有益である。
【0023】
逆流を防止する弁機構は、流通方向において、その流通方向と反対の流れ方向よりも低い流れ抵抗を有する受動弁機構として構成されているとき、特に簡単に提供することができる。そのような受動弁機構は、特にテスラ・バルブとして構成されていてもよい。特にテスラ・バルブの形態でのそのような弁機構では、弁機構内の流れチャネルの形状は、流通方向への流通において、反対の流れ方向への流通よりも優先的な方向を提供する。
【0024】
好ましくは、圧縮ガス貯蔵装置が排気機構を有し、排気機構を通して、圧縮ガス貯蔵装置の周囲環境に燃料の酸化反応の生成物を排出可能である。これは、酸素による燃料の酸化時に生成される生成物の制御された排出を可能にする。
【0025】
追加としてまたは代替として、排気機構が、自動車の排気ラインの部分領域として構成されていることを企図することができる。特に、圧縮ガス貯蔵装置の容器から自動車の内燃機関に燃料が供給されるとき、いずれにせよ排気ラインが存在しており、排気ラインを通して内燃機関の排気ガスを排出することができる。したがって、排気ラインの部分領域を圧縮ガス貯蔵装置の排気機構として使用することは理に適っている。
【0026】
排気ラインのそのような部分領域で、内燃機関の下流にある対応する機構によって、いわゆる二次空気を排気ガスに導入することができ、酸化反応のための酸素を提供する。追加としてまたは代替として、内燃機関の弁制御は、少なくとも部分的に開いた吸気弁と、それと同時に少なくとも部分的に開いた排気弁とを通して、酸化すべき燃料に空気を供給することができるように行うことができる。この場合、吸気弁および排気弁が割り当てられている内燃機関の少なくとも1つの燃焼室が排気機構の空気入口としての役割を果たし、二次空気を提供するための機構を設ける必要はない。
【0027】
排気ラインの部分領域として構成されていない排気機構を通して燃料の酸化反応の生成物が圧縮ガス貯蔵装置の周囲環境に排出されるときにも、圧縮ガス貯蔵装置は好ましくは空気入口を有する。すなわち、このようにして、少なくとも1つの圧電素子の領域および/または触媒コンバータ機構の領域で、燃料への規定の空気供給を保証することができる。
【0028】
好ましくは、触媒コンバータ機構は、排気機構の区域に配置されている。なぜなら、このようにすると、触媒コンバータ機構への対応する空気供給に基づいて、この触媒コンバータ機構によって触媒作用を及ぼされて酸化反応が生じ得るようにすることができ、この酸化反応において、容器からの燃料が低温燃焼で酸素と反応するからである。
【0029】
排気機構がマフラを有するとさらに有利であることが分かっている。これは、圧縮ガス貯蔵装置の作動時に、酸素と燃料との酸化反応時に生成される生成物が特に低騒音で周囲環境に放出されるからである。
【0030】
好ましくは、排気機構は、圧縮ガス貯蔵装置の設置姿勢で実質的に鉛直に方向付けられている。このようにすると、酸化反応での酸素による燃料の転換時に生じる煙突効果を、酸化反応の生成物を圧縮ガス貯蔵装置の周囲環境に排出するために特に有利に利用することができる。しかし、排気機構の鉛直方向の方向付けは、酸化反応時に生成される水が排気機構から容易にかつ確実に流出することができるという面でも意味がある。このようにして、氷の形成による排気機構の流通性の制限が特に顕著に回避されているので、これは特に有利である。
特に、鉛直に方向付けられた排気機構は、高炉をモデルとした形状を有することができ、排気機構のシャフト形状の部分は、細長い切頭円錐のように構成されている。しかし、特に排気口に向かって排気機構の先細りを伴うことができる他の形状も有利である。
【0031】
すなわち、排気機構が排気口に向かって先細りしていることが好ましい。そのような形状により、発熱酸化反応時に生成された生成物が周囲環境に確実に排出されることを特に容易に保証することができる。これは、そのような排気機構が、特に流線形状を有するからである。
【0032】
追加としてまたは代替として、排気機構は端面カバーを有してもよい。そのようなカバーは、望ましくない物質、特に水が排気機構に進入するのを確実に防止し、それにより排気機構の良好な流通性が保証されている。
【0033】
排気機構の空気入口は、逆止弁を有してもよい。このようにして、空気入口を通って排気機構から周囲環境に炎が出ないことが保証されている。
【0034】
追加としてまたは代替として、この目的で、空気入口は、第1の流れ方向において、第1の流れ方向とは反対の第2の流れ方向よりも低い流れ抵抗を備える弁機構を有してもよい。したがって、特に、弁機構は、例えばテスラ・バルブの様式での受動弁機構として構成されていてもよい。
【0035】
好ましくは、少なくとも1つの圧電素子の少なくとも1つの電極が、触媒材料でのコーティングを有する。触媒材料は、容器からの燃料と酸素との酸化反応に触媒作用を及ぼすように構成されている。このようにして、既に圧電素子自体で酸素による燃料の転換に触媒作用を及ぼすことができる。したがって、酸化反応における酸素による燃料の特に十分な転換が可能になる。
【0036】
最後に、圧縮ガス貯蔵装置が、圧力を加えることができる少なくとも2つの圧電素子を有すると有利であることが分かっている。したがって、圧電素子のうちの1つの機能障害時でさえ、少なくとも1つのさらなる圧電素子が圧力を加えられることにより、少なくとも1つのスパークを提供または発生することができる。これは、燃料の酸化の信頼性および安全性にも有益である。
【0037】
特に自動車で使用することができる圧縮ガス貯蔵装置を作動させるための本発明による方法では、圧縮ガス貯蔵装置の容器に圧縮燃料が貯蔵される。圧縮ガス貯蔵装置の少なくとも1つの圧力逃がし弁の開放により、容器から圧縮ガス貯蔵装置の周囲環境に燃料が排出される。圧縮ガス貯蔵装置の触媒コンバータ機構によって酸化反応が触媒作用を及ぼされ、この酸化反応において容器からの燃料が酸素と反応する。圧縮ガス貯蔵装置は、少なくとも1つの圧電素子を有し、少なくとも1つの圧力逃がし弁の開放によりそれらの圧電素子は圧力を加えられる。少なくとも1つの圧電素子への圧力の印加により、少なくとも1つの圧電素子によって少なくとも1つのスパークが発生される。
【0038】
少なくとも1つのスパークにより、燃料と酸素との酸化反応をトリガするための点火エネルギーが提供される。すなわち、酸素による燃料の転換が生じる。したがって、酸素によってまだ酸化されていない状態で燃料が周囲環境に達するのを特に確実に回避することができる。その結果、特に触媒コンバータ機構によって触媒作用を及ぼされる、容器からの燃料の特に確実で安全な酸化が達成される。
【0039】
本発明による圧縮ガス貯蔵装置について述べる利点および好ましい実施形態は、本発明による方法にも当てはまり、逆も同様である。
【0040】
本発明のさらなる利点、特徴、および詳細は、以下の好ましい例示的実施形態の説明から、および図面に基づいて得られる。本明細書で上述した特徴および特徴の組合せ、ならびに以下に図面の説明で述べるおよび/または図面にのみ示す特徴および特徴の組合せは、それぞれ提示された組合せだけでなく、本発明の範囲を逸脱することなく、他の組合せまたは単独でも使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】気体燃料が圧縮ガス貯蔵装置の容器から放出される場合に少なくとも1つの圧電素子が作動され、これがスパークの生成をもたらす、自動車の圧縮ガス貯蔵装置の概略図である。
【
図2】圧縮ガス貯蔵装置の圧力逃がし機構の領域での2つの圧力逃がし弁の配置を概略的に示す図である。
【
図3】圧力逃がし弁のうちの1つの開放時に少なくとも1つの圧電素子を作動させることができることを示す概略および部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図中、同一または機能的に同一の要素には同じ参照符号が付されている。
【0043】
図1に非常に概略的に示されている圧縮ガス貯蔵装置10は、断熱容器壁14を有する容器12を含む。容器壁14は、圧縮燃料を貯蔵することができる容器12の収容空間16を取り囲む。ここでは、例として、容器壁14によって周囲を取り囲まれた収容空間16に液化水素が貯蔵されているものとする。したがって、液体水素の形態での燃料は、1リットル当たり80グラムの密度を有することができ、例えば-253℃の温度で収容空間16に貯蔵されていてもよい。
【0044】
例えば熱放射および/または熱伝導および/または対流により燃料に熱が加えられることにより、液体水素が蒸発し、それにより気体水素を容器12から排出することができ、容器壁14の機械的な圧力負荷が大きくなりすぎないようにすることができる。
【0045】
この目的で、圧縮ガス貯蔵装置10は圧力逃がし機構18を有し、圧力逃がし機構18は、
図1の概略図によれば、収容空間16に流入するライン20を含む。ライン20の断面が、
図3に概略的に示されている。ここでは、ライン20に第1の圧力逃がし弁22および第2の圧力逃がし弁24が配置されている。収容空間16からの気体燃料の流通方向で見て、したがってライン20を通る気体燃料の流通方向で見て、第2の圧力逃がし弁24は、第1の圧力逃がし弁22の下流に配置されている。したがって、第2の圧力逃がし弁24は、第1の圧力逃がし弁22と直列に接続されている。第1の圧力逃がし弁22および第2の圧力逃がし弁24はどちらも、所定の圧力の閾値を超えるとすぐに開く。
【0046】
例えば、第1の圧力逃がし弁22は、第1の圧力逃がし弁22の閉鎖体26に作用する圧力が約6barの値を超えるときに開くことができる。同様に、第2の圧力逃がし弁24は、例えば約5barの圧力閾値を超えたときに開くことができる。
【0047】
ここでは、第2の圧力逃がし弁24の開放が、少なくとも1つのスパーク28の発生をもたらし、スパーク28は
図1および
図3に概略的に示されている。少なくとも1つのスパーク28は、少なくとも1つの圧電素子30、32を圧縮することによって発生され、
図1では、例として2つの圧電素子30、32が概略的に互いに並べて配置されて示される。
【0048】
第2の圧力逃がし弁24の開放による少なくとも1つの圧電素子30、32の作動は、
図2からより明確に分かる。しかし、見やすくするために、
図2には、2つの圧電素子30、32のうちの一方のみが示されている。2つの圧電素子30、32が同時に作動されるとき、それぞれの圧電素子がスパーク28を放出する。したがって、2つの圧電素子30、32の形態での互いに並べて配置された2つの点火機構を提供することが有利である。
【0049】
収容空間16から出た気体燃料の低エネルギーまたは酸化生成物への変換を説明するために、圧電素子30、32の一方のみの作動時の様子を例として以下に述べる。しかし、2つの圧電素子30、32のうちの他方の作動も同様である。
【0050】
図2によれば、圧電素子30は、それ自体既知の様式で、例えば結晶34と複数の電極36、38とを有してもよい。外側電極36と中央電極38との間で、結晶34への圧力の印加およびそれに伴う結晶34の弾性変形により、スパーク・フラッシュオーバまたはスパーク28が発生し得る。2つの外側電極36を互いに向けて移動させる対応する圧力が、
図3にそれぞれの矢印40によって示されている。
【0051】
図2によれば、第2の圧力逃がし弁24の開放は同時に、圧電素子30への圧力印加およびそれにより少なくとも1つのスパーク28の発生を引き起こす。ここで、特に、第2の圧力逃がし弁24の閉鎖力は、第2の圧力逃がし弁24の開放時に、少なくとも1つの圧電素子30、32が、少なくとも1つのスパーク28の発生をもたらす点火発生装置として作用するように設定されていてもよい。したがって、少なくとも1つの圧電素子30、32の形態での点火機構は、好ましくは第2の圧力逃がし弁24の開放時に作動される。
【0052】
図3に基づいて、第2の圧力逃がし弁24に少なくとも1つの圧電素子30が組み込まれる例示的実施形態を説明する。それに従って、第2の圧力逃がし弁24は、圧力逃がし弁24が閉じているときに圧力逃がし弁24の弁座44に当接する弁ディスク42の形態での可動閉鎖体を有する。ここで、圧電素子30は、弁ディスク42と、圧力逃がし弁24のばね要素48が支持されている支持機構46との間に配置されている。
【0053】
支持機構46に支持されるばね要素48は、弁ディスク42を弁座44に押し付ける。したがって、ばね要素48が圧縮されるとき、弁ディスク42が弁座44から離れるように動き、気体燃料が漏れ出ることができるようになる。ここで、支持機構46に向かう弁ディスク42の動きはまた、圧電素子30を圧縮させ、これは
図3に矢印40によって示されている。
【0054】
少なくとも1つの圧電素子30、32によって第2の圧力逃がし弁24のばね要素48が形成されることをまた企図することができる。このとき、少なくとも1つの圧電素子30、32に加えてばね要素48が提供される必要はない。したがって、特に構成要素が少ないこの変形形態では、少なくとも1つの圧電素子30、32によって、第2の圧力逃がし弁24が開く圧力の閾値が事前決定される。
第1の圧力逃がし弁22の開放後、かつ第2の圧力逃がし弁24の開放前に、2つの圧力逃がし弁22、24の間で閉じられたガス体積は、ここで、すなわちタンク側に配置された第1の圧力逃がし弁22の閉止後、かつそれと同時に第2の圧力逃がし弁24が開放されたとき、注口部50(
図1および
図2には図示せず)を通して煙突形状の排気機構52に漏れ出る。ライン20の注口部50を通る気体燃料の対応する流路は、
図1に矢印54で示されている。
【0055】
少なくとも1つの圧電素子30、32の圧縮時、スパーク28が発生される。さらに、注口部50の領域、すなわちここでは煙突の様式で構成された排気機構52へのライン20の接続点に酸素が存在する。これは、排気機構52が空気入口56を有するからである。ここで、少なくとも1つのスパーク28が、気体燃料、すなわちここでは水素と、空気からの酸素との酸化反応を開始するための点火エネルギーを提供する。発熱酸化反応は、酸素分子とのさらなる燃料分子の反応も引き起こす。
【0056】
これは、特に、ここでは排気機構52の下側区域60に配置されている触媒コンバータ機構58の加熱をもたらす。触媒コンバータ機構58の触媒材料において、低い周囲温度で、燃料分子の酸化生成物への燃料の変換が生じる。例えば、酸素による水素の転換時、60℃~80℃の温度が生じることがあり、それにより水素と酸素との低温燃焼を達成することができる。したがって、水素は、触媒コンバータ機構58によって触媒作用を及ぼされる酸素との酸化反応において水または水蒸気に変換される。
【0057】
容器12からの燃料が例えば圧縮または液化天然ガスであるとき、それに対応して、例えば二酸化炭素や酸化窒素などのさらなる酸化生成物も生じる。しかし、ここでも触媒コンバータ機構58内で燃料の低温燃焼が行われ、したがって、低エネルギーであり、もはや反応性のない媒体への転換が行われる。
【0058】
図2および
図3から分かるように、空気入口56は、好ましくは受動弁62を備えることができ、受動弁62は、排気機構52への、したがって触媒コンバータ機構58へのほぼ妨害されない空気の流入を許すが、空気入口56を通る空気の流出をできるだけ妨げる。
【0059】
例えば、弁62は、逆止弁としてまたはテスラ・バルブとして構成することができ、一方の流れ方向での流れ抵抗が、反対の流れ方向での流れ抵抗よりも低い。そのようなテスラ・バルブは、
図2および
図3において、煙突状の排気機構52の空気入口56の領域に、概略的に部分断面で示されている。
【0060】
特に
図1から分かるように、排気機構52は好ましくは鉛直に延びる。したがって、自動車内の圧縮ガス貯蔵装置10の設置姿勢での排気機構52の垂直方向zは、好ましくは車両の高さ方向軸に平行に方向付けられる。このようにして、圧力逃がし機構18の作動中、特に触媒コンバータ機構58の下流に形成された排気機構52の区域64において煙突効果が生じ得る。したがって、少なくとも1つの圧電素子30、32または圧電点火装置が組み込まれた、燃料を導く第2の圧力逃がし弁24の注口部50を通して、特に流線形状を有する排気機構52に燃料を導入することができる。
【0061】
例えば、排気機構52は高炉の形状を有することができ、触媒コンバータ機構58に続く区域64は、排気機構52の排気口66に向かって先細りする。排気口66の領域に、排気機構52は、端面カバー68を有することができる。したがって、酸化反応中に生成された生成物は、カバー68を上方に通過することはできず、カバー68で偏向され、排気機構52から横方向に出る。
【0062】
さらに、特に排気機構52のこの区域64にマフラ70が配置または構成されていてもよい。それにより、触媒コンバータ機構58での燃料の低温燃焼時に、および圧縮ガス貯蔵装置10の周囲環境72への酸化反応の生成物の放出時に、特に低い音響放出が生じる。
【0063】
ここで、容器12の収容空間16内での許容圧力を再び超えるとすぐに、気体燃料が圧力逃がし機構18を通して排気されるとき、圧力が再び発生する。少なくとも1つの圧力逃がし弁22、24の開放のたびに、少なくとも1つの圧電素子30、32の形態での点火機構も再び作動され、したがってスパーク28の新たな発生または生成が生じる。したがって、圧縮ガス貯蔵装置10の作動時、気体燃料が排気機構52を通って圧縮ガス貯蔵装置10の周囲環境72に達する前に、気体燃料の低温燃焼も断続的に生じる。
【0064】
図1からさらに分かるように、第1の圧力逃がし弁22と第2の圧力逃がし弁24との間で圧力逃がし機構18のライン20に弁74が配置されていてもよく、弁74は、好ましくはここでも例えばテスラ・バルブとして構成されている。そのような受動弁74は、第1の圧力逃がし弁22への燃料または水素の逆流を妨げる。
【0065】
さらに、
図1に概略的に示されているように、容器12にさらなる弁機構76が配置されていてもよく、弁機構76を通して、収容空間16からの燃料の取出しおよび収容空間16への燃料の導入を行うことができる。したがって、弁機構76は出口78を有し、この出口78を通して、収容空間16から、例えば自動車の燃料電池スタックおよび/または内燃機関に燃料を供給することができる。
【0066】
さらに、弁機構76は、圧縮ガス貯蔵装置10のフィラー・ネック80を遮断する働きをすることができる。容器12の燃料補給時、フィラー・ネック80を通して収容空間16に燃料を導入することができる。
図1に概略的に示されている少なくとも1つのライン82を通して、弁機構76の形態でのタンク・バルブを容器12の収容空間16と接続することができる。
図1において、対応する矢印84は、燃料供給時の収容空間16への燃料の導入、および作動時の燃料の取出しを示す。
【符号の説明】
【0067】
10 圧縮ガス貯蔵装置
12 容器
14 容器壁
16 収容空間
18 圧力逃がし機構
20 ライン
22 圧力逃がし弁
24 圧力逃がし弁
26 閉鎖体
28 スパーク
30 圧電素子
32 圧電素子
34 結晶
36 電極
38 電極
40 矢印
42 弁ディスク
44 弁座
46 支持機構
48 ばね要素
50 注口部
52 排気機構
54 矢印
56 空気入口
58 触媒コンバータ機構
60 区域
62 弁
64 区域
66 排気口
68 カバー
70 マフラ
72 周囲環境
74 弁
76 弁機構
78 出口
80 フィラー・ネック
82 ライン
84 矢印
z 垂直方向