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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-22
(45)【発行日】2024-04-01
(54)【発明の名称】パッド
(51)【国際特許分類】
   A41C 3/14 20060101AFI20240325BHJP
   A41C 3/12 20060101ALI20240325BHJP
【FI】
A41C3/14 A
A41C3/12 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023003694
(22)【出願日】2023-01-13
【審査請求日】2023-03-23
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和4年11月8日(~令和4年11月16日) 開示した場所 島崎株式会社 東京営業所内(住所:東京都新宿区神楽坂5-8 恵比寿亭ビル202号) 令和4年11月25日 ウェブサイト:https://www.fleep-webshop.com/f/fleep15thanniversarycollection 令和4年12月2日 ウェブサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000086817.html 令和4年12月2日 ウェブサイト:https://www.fleep-webshop.com/c/underwear/89049 https://www.fleep-webshop.com/c/underwear/89050 令和4年12月2日 ウェブサイト:https://item.rakuten.co.jp/lingeriegarden/89049/ https://item.rakuten.co.jp/lingeriegarden/89050/ 令和4年12月2日 ウェブサイト:https://store.shopping.yahoo.co.jp/fleep/89049.html https://store.shopping.yahoo.co.jp/fleep/89050.html 令和4年12月6日 刊行物 繊維ニュース 令和4年12月6日 日刊第4面(公開者 ダイセン株式会社) 令和4年12月8日 刊行物 繊研新聞 令和4年12月8日 日刊第5面(公開者 株式会社繊研新聞社) 令和4年12月9日 刊行物 埼玉新聞 令和4年12月9日 日刊第4面(公開者 株式会社埼玉新聞社)
(73)【特許権者】
【識別番号】394003357
【氏名又は名称】島崎株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096758
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100114845
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 雅和
(74)【代理人】
【識別番号】100148781
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 友和
(72)【発明者】
【氏名】中山 ゆかり
(72)【発明者】
【氏名】新井 恵
【審査官】原田 愛子
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1391314(KR,B1)
【文献】登録実用新案第3104814(JP,U)
【文献】登録実用新案第3062307(JP,U)
【文献】特開2006-104613(JP,A)
【文献】特開2007-113134(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41C 3/14
A41C 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッドが胸のカップ部内に装着されたブラジャー、下着または被服であって、
前記パッドは、前記ブラジャー、下着または被服の胸のカップ部内に挿入され、前記カップ部の表布または裏布を構成せず、
パッド本体に、サイドパネルが装着されており、
前記パッド本体は前記胸のカップ部に固定されていないことを特徴とするブラジャー、下着または被服。
【請求項2】
前記パッド本体の内面側に、サイドパネルが装着されていることを特徴とする請求項1に記載のブラジャー、下着または被服
【請求項3】
前記サイドパネルが、前記パッド本体の上辺の少なくとも一カ所、下辺の少なくとも1カ所、及び外側端において固定されていることを特徴とする請求項1に記載のブラジャー、下着または被服。
【請求項4】
前記パッド本体の下辺の少なくとも一カ所から外側端にかけて固定されていることを特徴とする請求項1に記載のブラジャー、下着または被服。
【請求項5】
前記サイドパネルが前記パッド本体を下部において上部よりも大きく覆っていることを特徴とする請求項1のブラジャー、下着または被服。
【請求項6】
前記パッドが一対に設けられ、
中央の連結部材にて互いに連結されていることを特徴とする請求項1に記載のブラジャー、下着または被服
【請求項7】
前記サイドパネルが平面かつ伸縮性生地により構成されていることを特徴とする請求項1に記載のブラジャー、下着または被服
【請求項8】
前記パッドが前記サイドパネルを介して前記胸のカップ部内に装着された請求項1から7のいずれか1項に記載のブラジャー、下着または被服。
【請求項9】
記サイドパネルが前記カップ部内に固定されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のブラジャー、下着または被服。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パッドに関する。より詳細には、ブラジャー、下着または被服の胸のカップ部に使用されるパッド及び当該パッドが装着されたブラジャー、下着または被服に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、主に女性用のブラジャー、下着または被服においては、胸にカップ部が設けられ、当該カップ部にパッドが使用される場合がある。
【0003】
このようなパッド(当て物)は、女性のバスト形状を整えるために挿入されるほか、バストトップの保護、カップと胸との隙間を埋めるため、左右の胸の大きさを外見的に及び/又は着用上整えるため、胸の下垂防止のため等に使用される。パッドの形状は、典型的には、着用時において他人から見える側の中央に向かってお椀状に膨らんだ形状をしている。外形としては、上辺と下辺で曲率が同じ又は異なる曲線で構成され、左右に交点を有する半月型(レモン型とも呼ばれる。)が多いが、丸形、ピーナッツ型、三角型やフラワー型と呼ばれるものも存在する。素材は、ウレタン、不織布、シリコン等が使用される他、内部に小ビーズやオイル等を詰め込んだもの等も知られている。
【0004】
これらパッドは、ブラジャー、下着または被服のカップ部に挿入して使用されるが、使用者自らが適宜挿入できる形式のものと、予め挿入されかつ固定されているものが存在する。
【0005】
このように、下着または被服の胸のカップ部に使用されるパッド、及び当該パッドが使用されるブラジャー、下着または被服(例えば、特許文献1)に関しては、様々なものが知られている一方、女性の胸は個性差が大きく、またカップ部は身体に触れる部分でもあるため、要求される態様は千差万別である。例えば挿入型であればずれが生じ、完全固定では自由度がなくなる。縫い目を気にする使用者もいる。したがって、これら従来技術のブラジャーやパッドであっても、使用者の要望を完全に満たしているとは言いがたく、さらなる改良及び新しい構造の提供の余地がある。
【0006】
さらに、製造において、これらの要望に応えつつ、近年の厳しい製造効率への要求に対応する必要も生じている。また、ブラジャー等の生地と縫製との関係性、生地の肌触り、厚み、位置など、様々な要素が製品品質、機能や価格へ影響を与える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】実用新案登録第3239147号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、ブラジャー、下着または被服の胸のカップ部に使用されるパッド及び当該パッドが装着されたブラジャー、下着または被服において新たな構成を提供し、当該新たな構成が、使用及び/又は製造において、新たな機能または効果を奏することを目的とする。
【0009】
上記課題を解決するため、本発明は、ブラジャー、下着または被服の胸のカップ部に使用されるパッドであって、パッド本体に、サイドパネルが装着されていることからなる。
【0010】
また、上記パッドが左右一対に設けられ、中央の連結部材にて互いに連結されていることが好適である。
また、サイドパネルが平面かつ伸縮性生地により構成されていることが好適である。
【0011】
さらに、本発明は、上記パッドが、前記サイドパネルを介して装着されたブラジャー、下着または被服からなる。
また、本発明は、上記パッドが装着されたブラジャー、下着または被服であって、前記サイドパネルが前記ブラジャーに固定されていることからなる
また、本発明は、上記パッドが装着されたブラジャー、下着または被服であって、前記パッド本体は前記ブラジャーに固定されていないことからなる。
【0012】
本発明は、挿入型におけるパッドのずれ・外れ等に対して、固定的であることの要求がある一方、完全固定による自由度の損失や、縫製による違和感を避けたいという相反する要求等があることを見出し、これらと製造における改良等を検討した結果、上記の構成として到達されたものである。
【0013】
本発明は、パッド本体に、サイドパネルを装着して構成される。サイドパネルとは、胸の形を整えるため等に用いられるもので、従来はブラジャーのカップ部に設けられ、左右体側から胸を寄せる効果等を奏するものである。通常、左右各一枚の平面状の生地として構成されるが、複数枚にて構成される場合もある。また、バストアップパネル、バスト用生地などとして表現されることもある。本発明では、所謂従来の単体のパッドに、サイドパネルを装着し、サイドパネルを介してカップ部に装着するに至ったものである。なお、本願では従来との相違を明確にするため、便宜上従来の単体のパッドをパッド本体として表記しているが、本発明はサイドパネル付きパッドとしても把握できるものであり、本願のパッドは当該概念を含む。さらに、本分野では、専ら胸のサイズを大きく見せるためのパッド・当て物を「パッド」、形を矯正するものを「カップ」と呼んで区別されることがあるが、本願の「パッド」「パッド本体」はいずれの概念も含む。
【0014】
パッド本体に関して、典型的には最も普及している半月型が用いられるが、丸形、ピーナッツ型、三角型やフラワー型など、他の形状であっても採用できる。素材は、典型的にはウレタン、不織布、シリコン等が使用されるが、内部に小ビーズやオイル等を詰め込んだもの等、いずれの素材であってもサイドパネルを装着できる限り採用可能である。
【0015】
サイドパネルは、好適にはパッド本体の装着時における内面側(身体側または凹側としても把握できる)に設けられる。この構成は、パッドにおいてバスト位置及び形状調整というサイドパネル効果をより高く奏するためである。ただし、実施形態によっては装着時における外面側(外側又は凸側)に設けることなど他の態様を排除しない。
【0016】
そして、サイドパネルは、パッド本体に対して好適には固定的に装着される。好適には縫製により固定されるが、融着、溶着、圧着、接着など、他の手段による装着も可能である。また、好適にはサイドパネルはパッド本体に対して脱着不可能に構成されるが、面ファスナー構造等によって脱着可能に構成することなど他の態様を排除しない。さらに、サイドパネルとパッドは一体的に形成されていても良い。
【0017】
好適には、パッド本体の上辺の少なくとも一カ所、下辺の少なくとも1カ所、及び外側端において固定される。すなわち、上、下、サイドの3カ所において固定、好ましくは縫製される。さらに好適には、パッド本体の下辺から外側端、すなわち下辺においては縫製等により連続的に固着される。当該構成は、固定を容易かつ必要限度にすることで製造効率を上げるほか、一定の自由度を確保するのに役立つ。また、下辺における固着を強固にすることでバストアップ機能を強める一方、上辺は両端を除き固定されないことで自由度を上げている。
【0018】
サイドパネルの素材としては、典型的には伸縮性を備える、一枚の平面状生地により構成されるが、複数の生地により構成されるもの、立体的であるものなど、他の構成を排除しない。また、素材についても、生地からなるものだけでなく、シリコン、ウレタン、樹脂など他の素材を採用しても良い。好適には、バスト位置等の調整可能性と、パッドの固定、ブラジャーと総合した厚み、製造効率等を考慮すれば、伸縮性を有する、一枚の平面上生地であることが好ましい。特に、パッド本体よりも薄く、メッシュ素材であることが好ましい。
【0019】
また、本発明においては、サイドパネルを介してカップ部に装着する。当該構成は、パッド本体がカップ部に固定されないにも関わらず、固定的位置の確保を可能にしている。すなわち、一定の固定を確保しながらも、位置的な自由度を一定の範囲で確保することができる。さらに、パッド本体の固定の必要がないことから、パッド本体とカップ部間の縫製等による不快感を排除することができる。また、サイドパネルを介したカップ部への装着は、平面的生地間で縫製等により行うことができるため、製造効率を向上させることができる。
【0020】
サイドパネルをカップ部に固定するため、サイドパネルはカップ本体よりも外側へ延出した部分を備えて構成される。好適には、パッド本体の下側、上側、外側(装着時)のいずれにも延出して設けられる。なお、パッド本体において上や下は形状によっては相対的な概念であるが、本願では装着時における上下を基準として記載する。また、パッド本体の内側は装着時における身体中心部側を、外側は身体外側を称するものとして記載する。ただし、「サイドパネル」との表現は、パッド本体の内側にも係る場合や、パッド本体全体を覆う場合など、他の態様が除く趣旨ではない。
【0021】
すなわち、好適にはサイドパネルはパッド本体から身体の外側に向けて延出しており、かつパッド本体の一部を覆うように装着される。当該構成は、サイドパネルをパッド本体の外側にてカップ部に固定する一方、一部がパッド本体内にあることにより、サイドパネルとしての機能をより効果的に発揮させることを可能にしている。
【0022】
そして、前記パッド本体の上辺に固定されるサイドパネルの最内側端が、パッド本体下辺に固定されるサイドパネルの再内側端よりも側端側に位置することが好適である。言い換えれば、パッド本体の下側にてより大きくサイドパネルが覆い、パッド上側にて下側より小さく覆う、または、サイドパネルが正面視で上辺外側から下辺内側にむけて斜めにパッドを覆う構成となる。当該構成は、パッド装着の違和感を少なくしながら、装着時に下側から上側に向けた力を発生させ、バストアップ機能を強化している。
【0023】
また、ブラジャー等において肩ストラップを有する場合には、サイドパネルが上側へ延長してストラップ部を備えることが好適である。当該構成は、上部における緊締が強くなり、バストアップ機能を強める。
【0024】
また、本発明では、左右一対のパッドが、中央部で連結されている構成を採用できる。例えば、伸縮性のあるサイドパネルと同素材で連結することで、中央へのバスト寄せ効果を奏しつつ、カップ部への直接の影響なく効率的な製造を行うことができる。その他、両パッドを一体的に形成することや、別部材で連結するなど、他の構成を採用しても良い。
【0025】
パッドのカップ部への装着は、前述の通りサイドパネルを介して行われる。したがって、好適にはパッド本体はカップ部に固定しない。当該構成により、一定の自由度と固定感の両方を奏しつつ、サイドパネルの効果も確保できる。ただし、パッド本体の内側端(身体中央側端)にてカップ部に固定するなど、パッド本体の一部が固定される他の態様を排除しない。
【0026】
装着は、典型的かつ好適には縫製により行われる。その他、融着、溶着、圧着、接着など、他の手段による装着も可能である。また、好適にはサイドパネルはカップ部に対して脱着不可能に構成されるが、面ファスナー構造等によって脱着可能に構成しても良い。さらに、サイドパネルとパッドは一体的に形成されていても良い。
【0027】
装着位置は、好適にはサイドパネルの下辺及び外側辺をカップ部に固定する。当該構成は、パッド本体の固定と自由度の両方を確保することに有用である。ただし、サイドパネルの形状によっては、身体内側辺の一部を固定するなど、素材や形状、所望の強度等によって他の手段も採用し得る。
【0028】
本発明において、パッドが装着された場合、パッドが視認できないよう装着し得る。すなわち、カップ部が袋状に構成されている場合、製造時にサイドパネルを固定した後にカップ部を開封不能に構成すれば、外部からはパッドを視認できない。しかしながら、この場合でも、カップ部内において一定の自由度を確保しつつ固定的なパッドとして提供されているため、使用者はそのままブラジャー等を着用して何もせずにいても良いことができる一方、パッド位置を調整して所望の位置にすることも可能である。ただし、本発明はカップ部が袋状に構成されていなくても、また上部に開口が設けられた袋状であっても採用することができるものであり、汎用性が高い。
【0029】
さらに、サイドパネルと表裏2枚のカップ部生地の一方縁を折り込む形で縫製すれば、外部からパッドの縫製部分が視認も接触もできないよう構成することができ、従来の固定パッドにおける違和感等を消失することができ、ブラジャー等の生地についても従来では困難であるような柔らかく薄い生地でも装着可能となる。
【0030】
本発明は、ブラジャーのほか、カップ部を有するタンクトップ、スリップ、キャミソールなどの各種下着やスポーツウェア、Tシャツ、ワンピースなど、カップ部を有する様々な被服に採用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明のパッドの一例を示す正面図である。
図2】本発明のパッドの一例を示す斜視図である
図3】本発明のパッドの一例を示す裏面図である
図4】ブラジャーのカップ部への本発明のパッドの縫製を示す構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態の一例を図面を参照して説明する。
【0033】
図1及び図2に、本発明のパッド1の例が示される。図1は正面図(装着時に外側・他人から見た状態)であり、図2は正面側からの斜視図であり、図3は裏面図(装着時身体側)である。符号について、便宜上一方には「’」を付している。パッド1は、左右1対のパッド本体2と、サイドパネル3と、左右のパッド本体2を接続する連結部材4から構成されている。
【0034】
パッド本体2は、ウレタン製の半月型であり、曲率の異なる上辺と下辺からなり、その交点が両端部となっている。本願では、装着時に身体中心側となる端を内側端5、反対側(身体の外側)を外側端6とする。当該パッド本体2の形状自体は公知の構成と同様である。
【0035】
サイドパネル3は、伸縮性のある平面的なメッシュ生地により構成されている。また、パッド本体2よりも薄く構成されている。形状としては、パッド側の一辺が正面視で直線的であり、上部に細長い形状のストラップ部7,上部より幅が広い下部8を有している。下部8は、パッド本体2内に位置する内部9を含む。
【0036】
サイドパネル3は、パッド本体2に縫製により装着されている。縫製位置は上辺の位置10と、下辺の外端部6から所定の位置11に係る箇所である。また、位置10は、位置11よりも外側に位置することで、サイドパネル3がパッド本体2と下部においてより大きく重なり、上部において小さく重なっている。図面の配置(正面視)でいえば、サイドパネルの内側線はパッド本体2に対して、上側が外側に開くように斜めに配置される。当該構成は、下部においてサイドパネル3が線状に縫製されかつ広くパッド本体2内に位置するため、バストアップ機能を強化しているほか、上端10から外側端6にかけては固定されていないため、装着感及び自由度を高めている。
【0037】
また、下部9は、パッド本体2の上部、側部、下部いずれにも外延しており、装着されるブラジャー等の形状に合わせて構成されている。ストラップ部7の有無も、装着されるブラジャー等の形状に合わせて構成される。
【0038】
連結部材4は、サイドパネル3と同素材で構成され、端部12が一対のパッド本体2と連結している。当該構成により、バストの位置決めと中央寄せ効果を強めている。
【0039】
図4はブラジャー13のカップ部14への本発明のパッド1の縫製を示す構造図である。より具体的には、ブラジャー13のカップ部14を含む内側布と、パッド1の縫製位置を示した図である。当該実施例では、ブラジャー13は、カップ部14を有している。カップ部14は、外側布、及び内側布から構成され、2枚の布間にはパッド挿入空間が生じる。サイドパネル3は、ストラップ部7の外側辺15,下部8の外側辺16及び下辺17においてカップ部14の内側布に縫製され、端が折り込まれて外側布と内側布が縫製される。サイドパネル3の内側辺は縫製されていない。このようにカップ部14内にパッド1を固定した上で、カップ部14の表布と裏布全体を縫製するため、外部からはパッド1は視認できない。また、パッド1のカップ部14への縫製部も視認できなくし、ブラジャーの外観上の自由度と装着感を維持している。
【0040】
当該構成により、カップ部14に対してパッド1が固定される一方で、パッド本体2が固定されていない状態を得ることができるため、使用者は固定的なメリットを生かしつつ、一定の自由度を有することで、所望の位置やバスト形状に合わせた位置決めを行うことができる。さらに、パッド本体2を縫い付けず、カップ布端部を利用して固定できることにより、ブラジャー13やカップ部14が薄く柔軟性の高い生地であってもパッド本体を固定的に装着させることができ、使用者の違和感を消失させることができる。また、平面的生地であるサイドパネル3の利用により、平面的生地同士の縫製となり製造が容易であり、素材の選択や製造効率においても、また品質においても有利となる。
【0041】
上記の実施例を基に製造したブラジャーにつき、30~60代の女性9名により評価(5段階評価:良い5~悪い1)を求めたところ、素材・着心地・機能いずれにおいても平均が4を超えたほか、洗濯が容易であることや、適度なフィット感があること、ズレないことなどが評価されており、本願の有利性が客観的に確認された。
【符号の説明】
【0042】
1 パッド
2 パッド本体
3 サイドパネル
4 連結部材
5 内側端
6 外側端
7 ストラップ部
8 下部
9 内部
10 位置
11 位置
12 端部
13 ブラジャー
14 カップ部
15 外側辺
16 外側辺
17 下辺
【要約】
【課題】本発明は、ブラジャー、下着または被服の胸のカップ部に使用されるパッド及び当該パッドが装着されたブラジャー、下着または被服において新たな構成を提供し、当該新たな構成が、使用及び/又は製造において、新たな機能または効果を奏すること。
【解決手段】ブラジャー、下着または被服の胸のカップ部に使用されるパッドであって、
パッド本体に、サイドパネルが装着されていることからなる。また、当該パッドが、前記サイドパネルを介して装着されたブラジャー、下着または被服からなる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4