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特許7459382ロボット監視システム及び運用監視料金請求方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-22
(45)【発行日】2024-04-01
(54)【発明の名称】ロボット監視システム及び運用監視料金請求方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/04 20120101AFI20240325BHJP
   G06Q 50/163 20240101ALI20240325BHJP
【FI】
G06Q30/04
G06Q50/163
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023529268
(86)(22)【出願日】2021-06-22
(86)【国際出願番号】 JP2021023568
(87)【国際公開番号】W WO2022269748
(87)【国際公開日】2022-12-29
【審査請求日】2023-09-19
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】妻鹿 利宏
(72)【発明者】
【氏名】川脇 重徳
【審査官】藤原 拓也
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-530034(JP,A)
【文献】特開2005-326996(JP,A)
【文献】特開2019-192028(JP,A)
【文献】国際公開第2020/170644(WO,A1)
【文献】特開2019-130616(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0161980(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律走行して業務を実行する複数のロボットと、
各前記ロボットの各前記業務の実行状態を監視するロボット監視装置と、
前記ロボット監視装置と通信回線を介して接続されて前記ロボット監視装置との間でデータの授受を行うロボット監視サーバと、を備えるロボット監視システムであって、
複数の前記ロボットは、ロボット運用者によって運用され、
前記ロボット監視装置は、前記各ロボットの各前記業務の実行実績情報を前記ロボット監視サーバに送信し、
前記ロボット監視サーバは、前記ロボット監視装置から受信した前記実行実績情報に基づいて前記ロボットの運用監視料金を算出し、算出した運用監視料金を前記ロボット運用者に請求し、
前記ロボットは、ビルの内部を自律走行して前記ビルの運用管理業務を実行し、
前記ビルは、前記ビル内の複数のエリアへの入退出を管理する入退出管理装置と、前記ビルの中に配置された複数の監視カメラによって前記ビル内の状況を監視するカメラ装置と、を備え、
前記ロボット監視装置は、前記入退出管理装置から各前記ロボットの各前記エリアの通行履歴を取得し、前記カメラ装置から前記ビル内の各前記ロボットの画像を取得し、取得した前記通行履歴と前記画像を分析して各前記ロボットの各前記運用管理業務の実行状態を監視するとともに、前記実行実績情報を生成し、
生成した前記実行実績情報を前記ロボット監視サーバに送信すること、
を特徴とするロボット監視システム。
【請求項2】
請求項1に記載のロボット監視システムであって、
前記実行実績情報は、各前記ロボットの実行する前記運用管理業務の実行時間と、実行内容とを含むこと、
を特徴とするロボット監視システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のロボット監視システムであって、
前記ロボットに異常が発生した際に一次対応を行う技術者が待機するサービスセンタに設置されたサービス端末を含み、
前記ロボット監視装置は、前記通行履歴と前記画像を分析して少なくとも1つの前記ロボットの異常を検出した場合には、ロボット異常発生信号を前記ロボット監視サーバに送信し、
前記ロボット監視サーバは、前記ロボット監視装置から前記ロボット異常発生信号を受信した際に、前記ロボットの異常の一次対応を実行する前記技術者を前記ビルに派遣する技術者派遣指令を前記サービス端末に出力し、
前記サービス端末から一次対応実績情報を受信した際に、受信した前記一次対応実績情報に基づいて一次対応料金を算出し、算出した前記一次対応料金を前記ロボット運用者に請求すること、
を特徴とするロボット監視システム。
【請求項4】
請求項3に記載のロボット監視システムであって、
前記一次対応実績情報は、前記ロボットの異常内容と、一次対応内容と、交換部品とを含むこと、
を特徴とするロボット監視システム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載のロボット監視システムであって、
前記ロボット監視装置は、各前記ロボットと通信して各前記ロボットから運用実績情報をそれぞれ取得し、取得した各前記運用実績情報を前記ロボット監視サーバに送信し、
前記ロボット監視サーバは、前記ロボット監視装置から受信した前記運用実績情報に基づいて前記ロボットの運用監視料金を算出し、算出した運用監視料金を前記ロボット運用者に請求すること、
を特徴とするロボット監視システム。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載のロボット監視システムであって、
前記ロボット監視装置は、各前記ロボットと通信して各前記ロボットから運用実績情報をそれぞれ取得し、取得した各前記運用実績情報を前記ロボット監視サーバに送信し、
前記ロボット監視サーバは、前記ロボット監視装置から受信した前記運用実績情報と、前記実行実績情報とに基づいて前記ロボットの運用監視料金を算出し、算出した運用監視料金を前記ロボット運用者に請求すること、
を特徴とするロボット監視システム。
【請求項7】
請求項5または6に記載のロボット監視システムであって、
前記運用実績情報は、各前記ロボットの各走行距離データと、各前記運用管理業務の各実行内容とを含むこと、
を特徴とするロボット監視システム。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載のロボット監視システムであって、
前記ロボット運用者は、前記ビルのオーナーであること、
を特徴とするロボット監視システム。
【請求項9】
請求項1から7のいずれか1項に記載のロボット監視システムであって、
前記ロボット運用者は、前記ビルの運用管理を行うビル管理会社であること、
を特徴とするロボット監視システム。
【請求項10】
請求項1から7のいずれか1項に記載のロボット監視システムであって、
前記ロボットの運用者は、複数の前記ロボットを提供するロボット製造者であること、
を特徴とするロボット監視システム。
【請求項11】
ロボット運用者に運用されてビルの内部を自律走行して前記ビルの運用管理業務を実行する複数のロボットの各前記業務の実行状態を監視するロボット監視装置と、
前記ロボット監視装置と通信回線を介して接続されて前記ロボット監視装置との間でデータの授受を行うロボット監視サーバと、
前記ビル内の複数のエリアへの入退出を管理する入退出管理装置と、
前記ビルの中に配置された複数の監視カメラによって前記ビル内の状況を監視するカメラ装置と、を含むロボット監視システムを用いた前記ロボットの運用監視料金請求方法であって、
前記ロボット監視装置は、前記入退出管理装置から各前記ロボットの各前記エリアの通行履歴を取得し、前記カメラ装置から前記ビル内の各前記ロボットの画像を取得し、取得した前記通行履歴と前記画像を分析して各前記ロボットの各前記運用管理業務の実行状態を監視するとともに、実行実績情報を生成し、生成した前記実行実績情報を前記ロボット監視サーバに送信し、
前記ロボット監視サーバは、前記ロボット監視装置から受信した前記実行実績情報に基づいて前記ロボットの運用監視料金を算出し、算出した運用監視料金を前記ロボット運用者に請求し、
前記実行実績情報は、各前記ロボットの実行する前記運用管理業務の実行時間と、実行内容とを含むこと、
を特徴とする運用監視料金請求方法。
【請求項12】
請求項11に記載の運用監視料金請求方法であって、
前記ロボット監視システムは、前記ロボットに異常が発生した際に一次対応を行う技術者が待機するサービスセンタに設置されたサービス端末を含み、
前記ロボット監視装置は、前記通行履歴と前記画像を分析して少なくとも1つの前記ロボットの異常を検出した場合に、ロボット異常発生信号を前記ロボット監視サーバに送信し、
前記ロボット監視サーバは、前記ロボット監視装置から前記ロボット異常発生信号を受信した際に、前記ロボットの異常の一次対応を実行する前記技術者を前記ビルに派遣する技術者派遣指令を前記サービス端末に出力し、前記サービス端末から一次対応実績情報を受信した際に、受信した前記一次対応実績情報に基づいて一次対応料金を算出し、算出した前記一次対応料金を前記ロボット運用者に請求し、
前記一次対応実績情報は、前記ロボットの異常内容と、一次対応内容と、交換部品とを含むこと、
を特徴とする運用監視料金請求方法。
【請求項13】
請求項11または12に記載の運用監視料金請求方法であって、
前記ロボット監視装置は、各前記ロボットと通信して各前記ロボットから運用実績情報をそれぞれ取得し、取得した各前記運用実績情報を前記ロボット監視サーバに送信し、
前記ロボット監視サーバは、前記ロボット監視装置から受信した前記運用実績情報に基づいて前記ロボットの運用監視料金を算出し、算出した運用監視料金を前記ロボット運用者に請求し、
前記運用実績情報は、各前記ロボットの各走行距離データと、各前記運用管理業務の各実行内容とを含むこと、
を特徴とする運用監視料金請求方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自律走行して業務を実行するロボットの監視を行うロボット監視システム、及び、ロボットの運用監視料金請求方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、建物の内部を自律走行して清掃を行うロボットが用いられるようになって来ている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許6664641号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、自律走行する多数のロボットを用いて清掃、警備巡回、荷物の配送等のビル管理業務を実行させることが計画されている。この場合、各ロボットは、ロボットの運用サーバからの指令に基づいてビルの中を自律走行し、各種の業務を実行するので、各ロボットが指令の通りに業務を実行しているか、或いは、故障などにより、走行不能になっているか等の監視を行うことや、故障等で停止したロボットの再起動等の一次対応が求められる。
【0005】
このようなロボットの監視、一次対応を行うためには、多くの場所にロボットの動きを監視するための監視装置を設置することと、一次対応を行う技術者を派遣するサービスセンタが必要となる。しかし、ロボットの運用者がロボットの動きを監視するための目的で多くの監視装置を設置したり、サービスセンタを設置したりするには大きな費用が掛かることからロボットの運用者がロボットの監視、一次対応を行うことは困難な場合があった。
【0006】
そこで、他の目的で設置されている監視装置やサービスセンタを利用してロボットの監視を行うことが考えられる。この場合、ロボット運用者が監視装置やサービスセンタの利用料金を支払うことになるが、ロボット運用者にどのように運用監視料金の請求を行うのかが問題となる。
【0007】
そこで、本発明は、自律走行して業務を実行する複数のロボットの運用監視料金の請求方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のロボット監視システムは、自律走行して業務を実行する複数のロボットと、各前記ロボットの各前記業務の実行状態を監視するロボット監視装置と、前記ロボット監視装置と通信回線を介して接続されて前記ロボット監視装置との間でデータの授受を行うロボット監視サーバと、を備えるロボット監視システムであって、複数の前記ロボットは、ロボット運用者によって運用され、前記ロボット監視装置は、前記各ロボットの各前記業務の実行実績情報を前記ロボット監視サーバに送信し、前記ロボット監視サーバは、前記ロボット監視装置から受信した前記実行実績情報に基づいて前記ロボットの運用監視料金を算出し、算出した運用監視料金を前記ロボット運用者に請求し、前記ロボットは、ビルの内部を自律走行して前記ビルの運用管理業務を実行し、前記ビルは、前記ビル内の複数のエリアへの入退出を管理する入退出管理装置と、前記ビルの中に配置された複数の監視カメラによって前記ビル内の状況を監視するカメラ装置と、を備え、前記ロボット監視装置は、前記入退出管理装置から各前記ロボットの各前記エリアの通行履歴を取得し、前記カメラ装置から前記ビル内の各前記ロボットの画像を取得し、取得した前記通行履歴と前記画像を分析して各前記ロボットの各前記運用管理業務の実行状態を監視するとともに、前記実行実績情報を生成し、生成した前記実行実績情報を前記ロボット監視サーバに送信すること、を特徴とする。
【0009】
このように、ロボット監視装置によってロボットの業務の実行実績情報を収集し、この業務の実行実績情報に基づいてロボット運用者に運用監視業務の請求を行うので、ロボットの実行した業務量に応じた運用監視料金を請求できる。また、ビルの中に設置されている入退出管理装置やカメラ装置を用いてロボットの運用管理業務の実行実績情報を生成するので、簡便な方法でロボットの監視を行うことができる。
【0010】
本発明のロボット監視システムにおいて、前記実行実績情報は、各前記ロボットの実行する前記運用管理業務の実行時間と、実行内容とを含んでもよい。
【0012】
本発明のロボット監視システムにおいて、前記ロボットに異常が発生した際に一次対応を行う技術者が待機するサービスセンタに設置されたサービス端末を含み、前記ロボット監視装置は、前記通行履歴と前記画像を分析して少なくとも1つの前記ロボットの異常を検出した場合には、ロボット異常発生信号を前記ロボット監視サーバに送信し、前記ロボット監視サーバは、前記ロボット監視装置から前記ロボット異常発生信号を受信した際に、前記ロボットの異常の一次対応を実行する前記技術者を前記ビルに派遣する技術者派遣指令を前記サービス端末に出力し、前記サービス端末から一次対応実績情報を受信した際に、受信した前記一次対応実績情報に基づいて一次対応料金を算出し、算出した前記一次対応料金を前記ロボット運用者に請求してもよい。また、前記一次対応実績情報は、前記ロボットの異常内容と、一次対応内容と、交換部品とを含んでもよい。
【0013】
このように、一次対応実績情報に基づいて一次対応料金の請求を行うので、適切な料金請求を行うことができる。
【0014】
本発明のロボット監視システムにおいて、前記ロボット監視装置は、各前記ロボットと通信して各前記ロボットから運用実績情報をそれぞれ取得し、取得した各前記運用実績情報を前記ロボット監視サーバに送信し、前記ロボット監視サーバは、前記ロボット監視装置から受信した前記運用実績情報に基づいて前記ロボットの運用監視料金を算出し、算出した運用監視料金を前記ロボット運用者に請求してもよい。
【0015】
また、本発明のロボット監視システムにおいて、前記ロボット監視装置は、各前記ロボットと通信して各前記ロボットから運用実績情報をそれぞれ取得し、取得した各前記運用実績情報を前記ロボット監視サーバに送信し、前記ロボット監視サーバは、前記ロボット監視装置から受信した前記運用実績情報と、前記実行実績情報とに基づいて前記ロボットの運用監視料金を算出し、算出した運用監視料金を前記ロボット運用者に請求してもよい。
【0016】
ここで、前記運用実績情報は、各前記ロボットの各走行距離データと、各前記運用管理業務の各実行内容とを含んでもよい。
【0017】
これにより、ロボットから取得した走行距離等の実績に基づいて運用監視料金を請求することできる。
【0018】
本発明のロボット監視システムにおいて、前記ロボット運用者は、前記ビルのオーナーでもよいし、前記ビルの運用管理を行うビル管理会社でもよい。
【0019】
また、本発明のロボット監視システムにおいて、前記ロボットの運用者は、複数の前記ロボットを提供するロボット製造者でもよい。
【0020】
本発明の運用監視料金請求方法は、ロボット運用者に運用されてビルの内部を自律走行して前記ビルの運用管理業務を実行する複数のロボットの各前記業務の実行状態を監視するロボット監視装置と、前記ロボット監視装置と通信回線を介して接続されて前記ロボット監視装置との間でデータの授受を行うロボット監視サーバと、前記ビル内の複数のエリアへの入退出を管理する入退出管理装置と、前記ビルの中に配置された複数の監視カメラによって前記ビル内の状況を監視するカメラ装置と、を含むロボット監視システムを用いた前記ロボットの運用料金請求方法であって、前記ロボット監視装置は、前記入退出管理装置から各前記ロボットの各前記エリアの通行履歴を取得し、前記カメラ装置から前記ビル内の各前記ロボットの画像を取得し、取得した前記通行履歴と前記画像を分析して各前記ロボットの各前記運用管理業務の実行状態を監視するとともに、実行実績情報を生成し、生成した前記実行実績情報を前記ロボット監視サーバに送信し、前記ロボット監視サーバは、前記ロボット監視装置から受信した前記実行実績情報に基づいて前記ロボットの運用監視料金を算出し、算出した運用監視料金を前記ロボット運用者に請求し、前記実行実績情報は、各前記ロボットの実行する前記運用管理業務の実行時間と、実行内容とを含むこと、を特徴とする。
【0021】
本発明の運用監視料金請求方法において、前記ロボット監視システムは、前記ロボットに異常が発生した際に一次対応を行う技術者が待機するサービスセンタに設置されたサービス端末を含み、前記ロボット監視装置は、前記通行履歴と前記画像を分析して少なくとも1つの前記ロボットの異常を検出した場合に、ロボット異常発生信号を前記ロボット監視サーバに送信し、前記ロボット監視サーバは、前記ロボット監視装置から前記ロボット異常発生信号を受信した際に、前記ロボットの異常の一次対応を実行する前記技術者を前記ビルに派遣する技術者派遣指令を前記サービス端末に出力し、前記サービス端末から一次対応実績情報を受信した際に、受信した前記一次対応実績情報に基づいて一次対応料金を算出し、算出した前記一次対応料金を前記ロボット運用者に請求し、前記一次対応実績情報は、前記ロボットの異常内容と、一次対応内容と、交換部品とを含んでもよい。
【0022】
本発明の運用料金請求方法において、前記ロボット監視装置は、各前記ロボットと通信して各前記ロボットから運用実績情報をそれぞれ取得し、取得した各前記運用実績情報を前記ロボット監視サーバに送信し、前記ロボット監視サーバは、前記ロボット監視装置から受信した前記運用実績情報に基づいて前記ロボットの運用監視料金を算出し、算出した運用監視料金を前記ロボット運用者に請求し、前記運用実績情報は、各前記ロボットの各走行距離データと、各前記運用管理業務の各実行内容とを含んでもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、自律走行して業務を実行する複数のロボットの運用監視料金の請求方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】実施形態のロボット監視システムの構成を示す系統図である。
図2】実施形態のロボット監視システムのロボット監視サーバの機能ブロック図である。
図3】汎用コンピュータの構成を示す系統図である。
図4】実行実績情報と、図2に示すロボット監視サーバの実行実績情報データベースの構造を示す図である。
図5】運用実績情報と、図2に示すロボット監視サーバの運用実績情報データベースの構造を示す図である。
図6】一次対応実績情報と、図2に示すロボット監視サーバの一次対応実績情報データベースの構造を示す図である。
図7】ロボット監視装置の動作を示すフローチャートである。
図8】ロボット監視サーバの動作を示すフローチャートである。
図9】ロボット監視装置の他の動作を示すフローチャートである。
図10】ロボット監視サーバの他の動作を示すフローチャートである。
図11】ロボット監視サーバの他の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、実施形態のロボット監視システム100について説明する。図1に示すように、ロボット監視システム100は、ビル10の中を自律走行する複数のロボット41A、41Bと、ビル10の中に設けられたカメラ装置30と、入退出管理装置20と、ロボット監視装置50と、ロボット監視サーバ70と、サービスセンタ80と、サービス端末81とで構成されている。
【0026】
ビル10は、オフィスビル、商業用のビル等で、内部が複数のエリア11A、11Bに区分されている。尚、以下の説明では、ビル10は、2つのエリア11A、11Bに区分されていることとして説明するが、これよりも多くのエリアに区分されていてもよいし、1つのエリアのみを有するものでもよい。
【0027】
各エリア11A、11Bのドア22A、22Bの横のエリア11A、11Bの外側と内側とには、ビル10の利用者が携帯するIDカードに取付けられているRFIDタグからの電波を受信する受信装置21A、21Bが取付けられている。また、各ドア22A、22Bには各ドア22A、22Bの開閉を行うドア開閉装置23A、23Bが取付けられている。受信装置21A、21Bとドア開閉装置23A、23Bとは入退出管理装置20に接続されている。入退出管理装置20は、受信装置21A、21Bで受信したIDデータと登録しているビル利用者のIDデータとを照合し、登録したビル利用者であると判断した場合には、ドア22A、22Bを開放し、利用者がエリア11A、11Bに入室後、或いはエリア11A、11Bから退出後にドア22A、22Bを閉止する。そして、入退出管理装置20は、ビル10の利用者のエリア11A、11Bへの入室、退出のデータを通行履歴として記録する。
【0028】
また、ビル10の各エリア11A、11Bには、監視カメラ31A、31Bが取付けられている。監視カメラ31A、31Bはエリア11A、11Bの内部を撮影してカメラ装置30に出力する。カメラ装置30は監視カメラ31A、31Bからの画像を格納するとともに、画像に基づいてビル10の各エリア11A、11Bの状況を監視する。
【0029】
ロボット41A、41Bは、内部に駆動装置とビル10の内部の地図データとを含み、ビル10の中を自律走行してビル10内部の清掃業務や、荷物の配送業務や、巡回監業務等のビル10の運用管理業務を実行する。ロボット41A、41Bには、ロボット41A、41BのID情報が格納されたRFIDタグ42A、42Bが取付けられている。また、ロボット41A、41Bには、故障した際に点灯する警告LED43A、43Bが取付けられている。また、ロボット41A、41Bには、走行距離を検出する走行距離計44A、44Bが取付けられている。
【0030】
ロボット41A、41Bは、通信回線45を介してロボット運用者90が動作させているロボット運用サーバ40から運用指令を受信し、運用指令に基づいて自律走行してビル10の運用管理業務を実行する。運用指令は、例えば、実行する運用管理業務の種類、実行開始時間、実行エリア等の情報が含まれている。ロボット41A、41Bは、自律走行する際には、RFIDタグ42A、42Bと受信装置21A、21Bとの間でIDデータの通信を行い、入退出管理装置20は、ロボット41A、41Bがドア22A、22Bに近づいた際にドア22A、22Bを開放し、ロボット41A、41Bがエリア11A、11Bに入室あるいはエリア11A、11Bから退出後にドア22A、22Bを閉止する。そして、ビル10の利用者と同様、入退出管理装置20は、ロボット41A、41Bのエリア11A、11Bへの入室、退出のデータを通行履歴として記録する。また、ロボット41A、41Bはエレベーター(図示せず)とも協調可能で、所定の階までエレベーターで移動することができる。
【0031】
ロボット監視装置50は、ビル10の中に設置され、カメラ装置30と入退出管理装置20とLANケーブル等で接続されている。また、ロボット41A、41Bとは無線通信回線で接続されている。また、ロボット監視装置50は、通信回線57を介してビル監視センタ60の中に設置されたロボット監視サーバ70と接続されている。
【0032】
ロボット監視装置50は、ロボット監視部51と、実行実績情報生成部52と、実行実績情報格納部53と、運用実績情報取得部54と、運用実績情報格納部55と、通信部56の各機能ブロックを含んでいる。
【0033】
ロボット監視装置50の各機能ブロックは、図3に示すような汎用コンピュータ150によって実現することができる。図3に示すように、汎用コンピュータ150は、情報処理を行うプロセッサであるCPU151と、情報処理の際にデータを一時的に記憶するROM152、RAM153と、プログラムやユーザのデータ等を格納するハードディスクドライブ(HDD)154と、入力手段として設けられたマウス155と、キーボード156、及び表示装置として設けられたディスプレイ157を含んでいる。CPU151とROM152とRAM153とHDD154とはデータバス160によって接続されている。また、マウス155とキーボード156とディスプレイ157とは入出力インターフェース158を介してデータバス160に接続されている。また、データバス160には通信手段として設けられたネットワークコントローラ159が接続されている。
【0034】
ロボット監視装置50のロボット監視部51、実行実績情報生成部52、運用実績情報取得部54、通信部56は、図3に示す汎用コンピュータ150のハードウェアとCPU151で動作するプログラムとの協調動作により実現される。実行実績情報格納部53、運用実績情報格納部55は、図3に示す汎用コンピュータ150のHDD154にそれぞれデータを格納することにより実現される。なお、HDD154に代えて、外部の記憶手段をネットワーク経由で利用することによって実現してもよい。
【0035】
ロボット監視部51は、入退出管理装置20から取得したロボット41A、41Bのエリア11A、11Bの通行履歴と、カメラ装置30から取得したロボット41A、41Bのビル10の内部での画像とを分析して、ロボット41A、41Bを監視し、ロボット41A、41Bの異常の発生を検出した場合には、通信部56にロボット異常発生信号を出力する。
【0036】
実行実績情報生成部52は、入退出管理装置20から取得したロボット41A、41Bのエリア11A、11Bの通行履歴と、カメラ装置30から取得したロボット41A、41Bのビル10の内部での画像とを分析してロボット41A、41Bが実行しているビル10の運用管理業務の実行状態を監視するとともに、運用管理業務の実行実績情報を生成して実行実績情報格納部53に出力する。実行実績情報格納部53は、実行実績情報を格納すると共に、ロボット監視サーバ70からの指令に応じて実行実績情報を通信部56、通信回線57を介してロボット監視サーバ70に出力する。
【0037】
ここで、実行実績情報は、ロボット41A、41Bの実行する運用管理業務の実行時間と実行内容とを含むデータセットである。一例としては、図4に示すように、ロボット41A、41BのID番号と、日付、業務番号、業務開始時間、業務終了時間、走行エリア、業務内容、ロボット稼働状況を関連付けたデータセットでもよい。業務開始時間と業務終了時間とは、カメラ装置30から取得した画像データを分析して、ロボット41A、41Bが駐車場所から移動を開始した時間と駐車場所に戻った時間とを入力してもよい。走行エリアは、入退出管理装置20から入力されたロボット41A、41Bのエリア11A、11Bの通行履歴を分析して入力してもよい。業務内容は、カメラ装置30から入力されたロボット41A、41Bの画像を分析して入力してもよい。また、ロボット稼働状況は、カメラ装置30によって撮影したロボット41A、41Bの警告LED43A、43Bが点灯している場合に異常発生、点灯が無い場合に良好と入力されてもよい。
【0038】
運用実績情報取得部54は、ロボット41A、41Bから運用実績情報を受信して運用実績情報格納部55に格納する。運用実績情報格納部55は、ロボット監視サーバ70からの指令に応じて運用実績情報を通信部56、通信回線57を介してロボット監視サーバ70に出力する。
【0039】
ここで、運用実績情報は、各ロボット41A、41Bの走行距離データと、運用管理業務の実行内容とを含む情報である。例えば、図5に示すように、ロボット41A、41BのID番号と、日付、業務番号、業務開始時間、業務終了時間、走行エリア、業務内容、走行距離を関連付けたデータセットである。業務開始時間と業務終了時間と走行エリアと業務内容は、ロボット41A、41Bに格納されている運用指令に含まれている情報をロボット41A、41Bから取得したものである。走行距離は、ロボット41A、41Bに取れつけられている走行距離計44A、44Bから取得したデータが入力される。
【0040】
ロボット監視サーバ70は、ビル10と離れたビル監視センタ60の中に設置されている。ロボット監視サーバ70は、ビル10に設けられたロボット監視装置50と通信してロボット運用者90にビル10のロボット41A、41Bの運用監視料金の請求と一次対応料金の請求とを行う。ここで、ロボット運用者90は、ロボット運用サーバ40を動作させてロボット41A、41Bを運用する者であり、例えば、ビル10のオーナーでもよいし、ビル10の運用管理を行うビル管理会社でもよい。また、ロボット運用者90は、ロボット41A、41Bを提供するロボット製造者でもよい。また、ロボット監視サーバ70は、複数のビル10にそれぞれ設けられたロボット監視装置50と通信してロボット運用者90に複数のビル10でのロボット41A、41Bの運用監視料金の請求と一次対応料金の請求とを行ってもよい。
【0041】
ロボット監視サーバ70は、図2に示すように、運用監視料金算出部71と、料金請求部72と、一次対応指令部73と、実行実績情報データベース75と、運用実績情報データベース76と、ユーザ情報データベース77と、一次対応実績情報データベース78と、通信部74の各機能ブロックを含んでいる。ロボット監視サーバ70の各機能ブロックは、ロボット監視装置50と同様、図3に示す汎用コンピュータ150で実現される。
【0042】
運用監視料金算出部71は、通信回線57、通信部74を介してロボット監視装置50から取得した実行実績情報と運用実績情報とから運用監視料金を算出して料金請求部72に出力する。
【0043】
実行実績情報データベース75は、先に図4を参照して説明した実行実績情報を複数格納したデータベースである。
【0044】
料金請求部72は、ユーザ情報データベース77を参照して運用監視料金算出部71が算出した運用監視料金をロボット運用者90に請求する料金請求指令を通信部74に出力する。通信部74は、料金請求部72からの指令に応じてロボット運用者90に料金請求のメールを発信する。ここで、ユーザ情報データベース77は、ロボット41A、41Bの運用行うロボット運用者90の住所、名称、メールアドレス等を格納したデータベースである。
【0045】
一次対応指令部73は、通信回線57、通信部74を介してロボット監視装置50からロボット異常発生信号が入力された際に、サービスセンタ80のサービス端末81にビル10への技術者85の派遣指令を出力する。また、一次対応指令部73は、サービス端末81から一次対応実績情報が入力された場合には、一次対応実績情報に基づいて一次対応料金を算出して料金請求部72に出力する。通信部74は、一次対応指令部73からの指令に応じてロボット運用者90に料金請求のメールを発信する。
【0046】
ここで、一次対応とは、設備に異常が発生した場合に、設備の点検と再起動、或いは簡単な部品交換で設備を復旧させる業務である。ロボット41A、41Bでは、図6に示すように、清掃ノズルの交換、RFIDタグ42A、42Bの交換、車輪の交換のような部品交換を伴う復旧や、部品を交換しないカメラレンズの清掃や再起動での復旧などを含む。
【0047】
一次対応実績情報は、ロボット41A、41Bの異常内容と、一次対応内容と、交換部品とを含むデータセットである。一例としては、図6に示すように、ビル10のID番号と、一次対応を実行した日付と業務番号、一次対応の業務開始時間と業務終了時間と一次対応の対象となったロボット41A、41BのID番号と、異常内容と、一次対応内容と、交換部品とを関連付けたデータセットとしてもよい。そして、一次対応実績情報データベース78は、一次対応実績情報を複数格納したデータベースである。
【0048】
サービスセンタ80は、ビル10の近傍に設けられて、ビル10の空調、照明、昇降機等の設備の保守、点検や、設備に異常が発生した場合の一次対応を行う技術者85が駐在している建物である。また、サービスセンタ80に駐在する技術者85は、ロボット41A、41Bに異常が発生した場合、ビル10に出動してロボット41A、41Bの一次対応を行う。サービスセンタ80には、ロボット監視サーバ70とLAN回線等の通信回線で接続されたサービス端末81が設けられている。サービス端末81は、図3を参照して説明した汎用コンピュータ150である。
【0049】
次に、図7図8を参照しながらロボット監視システム100の動作について説明する。以下の説明では、ロボット41Aは、ID番号が1001で、ビル10の内部の巡回警備を行うロボットであり、ロボット41Bは、ID番号が1002でビル10の内部の清掃を行うロボットであるとして説明する。
【0050】
図7のステップS101に示すように、ロボット監視装置50の実行実績情報生成部52は、入退出管理装置20からロボット41Aの通行履歴を取得し、図7のステップS102に示すようにカメラ装置30からロボット41Aの画像を取得する。入退出管理装置20は、ロボット41Aの各エリア11A、11Bへの入室、退出のデータを通行履歴として記録しているので、実行実績情報生成部52は、図7のステップS103に示すように、取得した通行履歴を分析して、実行実績情報の走行エリアの欄にロボット41Aが走行したエリア名称を入力する。例えば、図4に示す業務番号1のように、走行エリアの欄に「Aゾーン」と入力する。また、実行実績情報生成部52は、カメラ装置30から取得したロボット41Aの画像からロボット41Aは巡回警備ロボットであると判断して業務内容の欄に「巡回警備」を入力する。また、実行実績情報生成部52は、カメラ装置30から取得した画像データを分析して、ロボット41Aが駐車場所から移動を開始した時間と駐車場所に戻った時間とを業務開始時間と業務終了時間として入力する。また、ロボット監視装置50は、ロボット41Aの警告LED43Aが点灯している場合にはロボット稼働状態の欄に「異常発生」を入力し、警告LED43Aの点灯の画像が無かった場合には、「良好」を入力する。このように実行実績情報生成部52は、図7のステップS104に示すようにロボット41Aの実行実績情報を生成して実行実績情報格納部53に格納する。
【0051】
同様に、実行実績情報生成部52は、図7のステップS101~ステップS103で入退出管理装置20からビル10の清掃を行うロボット41Bの通行履歴を取得して走行エリアの入力を行い、カメラ装置30から取得した画像を分析して業務開始時間、業務終了時間、業務内容、ロボット稼働状況を入力し、図7のステップS104でロボット41Bの実行実績情報を生成して実行実績情報格納部53に格納する。
【0052】
また、図7のステップS105に示すように、ロボット監視装置50の運用実績情報取得部54は、ロボット41A、41Bと通信して、ロボット41A、41BのID番号と、日付、業務番号、業務開始時間、業務終了時間、走行エリア、業務内容、走行距離を関連付けたデータセットである運用実績情報を取得し、図7のステップS106に示すように運用実績情報格納部55に格納する。
【0053】
ロボット監視装置50は、図7のステップS101~S106の動作を所定の時間間隔、例えば、数時間、或いは一日に1回実行して実行実績情報と運用実績情報とをそれぞれ実行実績情報格納部53と運用実績情報格納部55に格納していく。
【0054】
そして、ロボット監視装置50は、図7のステップS107に示すように、ロボット監視サーバ70から実行実績情報、運用実績情報の送信要求が有るまで待機し、送信要求があったら図7のステップS107でYESと判断して図7のステップS108に進み、ロボット監視サーバ70に実行実績情報、運用実績情報を送信する。
【0055】
ロボット監視サーバ70の運用監視料金算出部71は、図8のステップS201に示すように、ロボット監視装置50に実行実績情報、運用実績情報の送信を要求する。この要求は、例えば、1週間に1回、或いは、1ヵ月に1回程度の間隔で行う。
【0056】
そして、運用監視料金算出部71は、ロボット監視装置50から実行実績情報と運用実績情報とを受信するまで待機し、実行実績情報と運用実績情報とを受信したら、図8のステップS202でYESと判断して図8のステップS203に進んで実行実績情報と運用実績情報とをそれぞれ実行実績情報データベース75、運用実績情報データベース76に格納する。そして、図8のステップS204で運用監視料金を算出する。
【0057】
運用監視料金の算出は、例えば、以下のように行う。実行実績情報に基づいてロボットID番号が1001のロボット41Aの運用監視料金を算出する場合、運用監視料金算出部71は、実行実績情報データベース75から業務番号1の業務開始時間と業務終了時間とを読み出して、ロボット41Aの業務時間(式1)を算出する。そして。式1に、走行エリア、業務内容に応じた時間単価K1を掛けて業務番号1の運用監視料金を算出する(式2)。
業務終了時間-業務開始時間=業務時間 ・・・・ (式1)
業務時間×K1=運用監視料金 ・・・・ (式2)
同様に業務番号2以降のその日の業務の運用監視料金を算出し、一週間、或いは一か月の所定期間の運用監視料金を算出する。
【0058】
また、ロボットID番号が1002のロボット41Bのように清掃を行う場合には、走行エリアから清掃面積を算出し、清掃の面積単価K2を掛けて運用監視料金としてもよい。
清掃面積×K2=運用監視料金 ・・・・ (式3)
【0059】
また、ロボットID番号が1003のロボットのように荷物の配送を行うロボットの場合、所定期間の荷物の配送回数をカウントし、配送回数に配送単価K3を掛けて運用監視料金を算出する(式4)。ここで、配送単価K3は、配送先の階に応じて変化させてもよく、例えば、階数が高くなる程、配送単価K3を大きくしてもよい。
所定期間の荷物の配送回数×K3=運用監視料金 ・・・ (式4)
【0060】
また、運用実績情報に基づいて運用監視料金を算出する場合には、上記の式1~式4の他に、走行距離に距離単価K4を掛けて運用監視料金を算出してもよい(式4)。
走行距離×K4=運用監視料金 ・・・・・・・ (式5)
【0061】
尚、上記のどの方法で運用監視料金を算出するかはロボット運用者90との契約条件に基づく。尚、運用監視料金の算出は、上記の例によらず、実行実績情報、運用実績情報を組み合わせて用いて算出するようにしてもよい。
【0062】
運用監視料金算出部71は、図8のステップS204で運用監視料金を算出したら図8のステップS205で運用監視料金を料金請求部72に出力する。料金請求部72は、図8のステップS206でユーザ情報データベース77を参照してユーザであるロボット運用者90の名称、メールアドレス等を読みだして運用監視料金と共に料金請求指令を通信部74に出力する。通信部74は、料金請求指令が入力されたら図8のステップS207で料金請求メールをロボット運用者90に送信する。
【0063】
次に、図9図11を参照してロボット監視システム100の他の動作について説明する。先に、図7図8を参照して説明したと同一の動作には同一の符号を付して説明は省略する。
【0064】
図9のステップS101、ステップS102に示すように、ロボット監視装置50のロボット監視部51は、入退出管理装置20からロボット41A、41Bの通行履歴を取得し、カメラ装置30からロボット41A、41Bの画像を取得する。そして、ロボット監視部51は、図9のステップS301で通行履歴と画像とからロボットの動作状態を分析する。そして、ロボット監視部51は、図9のステップS302でロボット41A、41Bの異常を検出した場合には、図9のステップS302でYESと判断して図9のステップS303に進んでロボット監視サーバ70にロボット異常発生信号を送信する。
【0065】
ここで、ロボット監視部51は、例えば、以下のように通行履歴、画像からロボット41A、41Bの異常を検出する。
(1)画像でロボット41A、41Bの警告LED43A、43Bが点灯している場合。
(2)通行履歴であるエリアへの入室記録があるが退出記録がない場合にはそのエリアで走行不能の異常と判断する。
(3)ロボット41A、41Bが走行せずに停止している場合。
【0066】
ロボット監視サーバ70の一次対応指令部73は、図10のステップS401に示すようにロボット監視装置50からロボット異常発生信号が入力されるまで待機する。そして、一次対応指令部73は、ロボット監視装置50からロボット異常発生信号が入力されたら図10のステップS402に進んで、サービスセンタ80のサービス端末81に技術者派遣指令を送信する。
【0067】
サービス端末81は、ロボット監視サーバ70から技術者派遣指令を受信したら、一次対応の対象となるビル10の名称、ロボットのID番号、ロボットの位置情報等をディスプレイ(図示せず)に表示する。図10のステップS403に示すように、技術者85はディスプレイの表示に基づいて一次対応の対象となるビル10に出動する。技術者85は、一次対応が終了してサービスセンタ80に戻ったらサービス端末81に図6に示すような一次対応実績情報を入力する。サービス端末81は、入力された一次対応実績情報をロボット監視サーバ70に送信する。
【0068】
ロボット監視サーバ70の一次対応指令部73は、図10のステップS404に示すように、サービス端末81から一次対応実績情報を受信するまで待機し、一次対応実績情報を受信したら図10のステップS404でYESと判断して図10のステップS405に進んで一次対応実績情報を一次対応実績情報データベース78に格納する。一次対応指令部73は、図10のステップS401~S405の動作を繰り返して実行し、一次対応実績情報を一次対応実績情報データベース78に格納していく。
【0069】
ロボット監視サーバ70の一次対応指令部73は、図11のステップS501に示すように、料金請求のタイミングまで待機する。料金請求のタイミングは、例えば、一週間、一か月に一度程度である。また、料金請求のタイミングは、先に図8を参照して説明した運用監視料金算出部71が運用監視料金を算出、料金請求指令を出力するのと同一のタイミングでもよい。
【0070】
一次対応指令部73は、図11のステップS501でYESと判断したら、図11のステップS502に進んで一次対応実績情報データベース78から一次対応実績情報を読み出して、図11のステップS503に進んで一次対応料金を算出する。そして、一次対応指令部73は、一次対応料金を算出したら図11のステップS504に進んで一次対応料金を料金請求部72に出力する。料金請求部72は、図11のステップS505でユーザ情報データベース77を参照してユーザであるロボット運用者90の名称、メールアドレス等を読みだして運用監視料金と共に料金請求指令を通信部74に出力する。通信部74は、料金請求指令が入力されたら図11のステップS506で料金請求メールをロボット運用者90に送信する。
【0071】
ここで、一次対応指令部73は、以下のように一次対応料金を算出する。例えば、図6に示すロボットID番号1001の場合のようにロボット41Aがドア22Aに挟まって動けなくなった場合のように、ロボットの移動、再起動のみで部品交換が無い場合には、基本料金のみを一次対応料金とする。また、ロボットID番号が1002の場合のように清掃ノズルの交換を行った場合には、基本料金に部品交換の技術料と交換部品の価格とを合わせた金額を一次対応料金とする。
【0072】
以上説明したように、実施形態のロボット監視システム100は、ロボット監視装置50によってロボット41A、41Bの業務の実行実績情報、運用実績情報、を収集し、実行実績情報、又は、運用実績情報に基づいてロボット運用者90に運用監視業務の請求を行うので、ロボット41A、41Bの実行した業務量に応じた運用監視料金を請求できる。
【0073】
また、ロボット監視システム100は、ビル10の中に設置されている入退出管理装置20やカメラ装置30を用いてロボット41A、41Bの運用管理業務の実行実績情報を生成するので、簡便な方法でロボット41A、41Bの監視を行うことができる。
【0074】
また、ロボット監視システム100は、一次対応実績情報に基づいて一次対応料金の請求を行うので、適切な料金請求を行うことができる。
【0075】
以上の説明では、ロボット監視システム100は、ビル10の中を自律走行するロボット41A、41Bのビル10の運用管理業務の実行状況の監視、一次対応を行うこととして説明したが、これに限らず、屋外を自律走行するロボット41A、41Bの運用監視、一次対応にも適用することができる。この場合、入退出管理装置20は、屋外の所定の場所への入退出を管理し、監視カメラ31A、31Bは、屋外に設置された監視カメラを用いるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0076】
10 ビル、11A、11B エリア、20 入退出管理装置、21A、21B 受信装置、22A、22B ドア、23A、23B ドア開閉装置、30 カメラ装置、31A、31B 監視カメラ、40 ロボット運用サーバ、41A、41B ロボット、42A、42B RFIDタグ、43A、43B 警告LED、44A、44B 走行距離計、45、57 通信回線、50 ロボット監視装置、51 ロボット監視部、52 実行実績情報生成部、53 実行実績情報格納部、54 運用実績情報取得部、55 運用実績情報格納部、56、74 通信部、60 ビル監視センタ、70 ロボット監視サーバ、71 運用監視料金算出部、72 料金請求部、73 一次対応指令部、75 実行実績情報データベース、76 運用実績情報データベース、77 ユーザ情報データベース、78 一次対応実績情報データベース、80 サービスセンタ、81 サービス端末、85 技術者、90 ロボット運用者、100 ロボット監視システム、150 汎用コンピュータ、151 CPU、152 ROM、153 RAM、154 HDD、155 マウス、156 キーボード、157 ディスプレイ、158 入出力インターフェース、159 ネットワークコントローラ、160 データバス。
図1
図2
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図10
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