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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】熱電モジュールを備えた薬物注入装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/148 20060101AFI20240326BHJP
   A61M 5/44 20060101ALI20240326BHJP
   A61M 5/168 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
A61M5/148 500
A61M5/44 520
A61M5/168 506
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022500066
(86)(22)【出願日】2019-07-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-02
(86)【国際出願番号】 KR2019008041
(87)【国際公開番号】W WO2021002497
(87)【国際公開日】2021-01-07
【審査請求日】2022-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】521547529
【氏名又は名称】インパクト コリア カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー、モウン スーク
【審査官】田中 玲子
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2019-0057988(KR,A)
【文献】特開2006-280758(JP,A)
【文献】実開昭58-101647(JP,U)
【文献】特表平08-508173(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/148
A61M 5/44
A61M 5/168
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から圧力をかけると内部に収容された液体薬物が指定された経路に流出されることができるように形成された薬物容器を使用して前記液体薬物を人体に注入することができる薬物注入装置であって、
空気または流体により膨脹し、前記薬物容器に圧力をかけられる膨脹部を含む少なくとも一つ以上の薬物加圧ユニットと、
予め定めた圧力の空気を発生させられる第1ポンプと、前記膨脹部のうち一つと連通することができる第1配管を含むことにより前記膨脹部のうち一つを膨脹させることができる第1ポンピングユニットと、
前記液体薬物を予め定めた温度の範囲以内に加温させられる熱電モジュールを備える加温ユニットとを含み、
前記加温ユニットが、前記液体薬物が内部に流動する注射チューブを外部と隔離した状態で収容することができる加温空間を備える加温ユニット本体と、前記加温空間を閉鎖する閉鎖位置と前記加温空間を開放する開放位置との間で位置移動可能な加温ユニットカバーと、を備え、
前記熱電モジュールがペルティエ効果を利用するモジュールであり、平板状の部材として前記加温ユニット本体に取り付けられ、前記加温空間に収容された空気を加熱し、前記加熱された空気が前記注射チューブを間接的に加温させることができ、
前記加温ユニットが、前記液体薬物が内部に流動する前記注射チューブを脱着可能に固定することができるチューブ固定装置を更に備え、
前記チューブ固定装置が、
前記注射チューブが収容されることができる中空を備え、弾性的に変形が可能な把持部と、
一端部が前記加温ユニット本体に結合され、他端部が前記把持部に結合され、前記把持部を前記加温ユニット本体から所定の距離だけ離隔する固定部と、
前記中空の一端部に形成され、前記注射チューブが前記中空に挿入されることができる通路である挿入部と
を備え、
前記チューブ固定装置が、前記平板状の部材の範囲内において、前記加温空間の幅方向の一端部に対して少なくとも1つ以上配置され、前記加温空間の前記幅方向の他端部に対して少なくとも1つ以上配置され、前記注射チューブが前記加温空間の内部に配置され、
前記加温ユニット本体は金属材質で製作され、前記加温ユニットカバーは合成樹脂材質で製作され、前記加温ユニット本体の熱伝導性が前記加温ユニットカバーの熱伝導性よりも高い、薬物注入装置。
【請求項2】
予め定めた圧力の空気を発生させられる第2ポンプと、前記膨脹部のうち一つと連通することができる第2配管を含む第2ポンピングユニットとを含むことにより、前記膨脹部のうち一つを膨脹させることができる、請求項1に記載の薬物注入装置。
【請求項3】
前記第1配管と前記第2配管とを互いに連結する連結配管と、前記連結配管を開放または閉鎖することができる連結配管バルブとを備える連結ユニットを含み、
前記第1ポンプと前記第2ポンプのうち一つが作動しない時、残りの一つのポンプが作動して、前記第1配管及び前記第2配管に連結された少なくとも一つの前記膨脹部を膨脹させることができる、請求項2に記載の薬物注入装置。
【請求項4】
前記第1配管の上流側に配置された第1上流側バルブと、前記第1配管の下流側に配置された第1下流側バルブと、前記第2配管の上流側に配置された第2上流側バルブと、前記第2配管の下流側に配置された第2下流側バルブとを備え、
前記連結配管の一端部は、前記第1上流側バルブと第1下流側バルブとの間で前記第1配管と連通しており、前記連結配管の他端部は、前記第2上流側バルブと第2下流側バルブとの間で前記第2配管と連通している、請求項3に記載の薬物注入装置。
【請求項5】
前記注射チューブは、前記加温空間の内部で予め定めた密度以上に密集配置されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の薬物注入装置。
【請求項6】
前記加温ユニット本体と前記加温ユニットカバーのうち少なくとも一つには前記注射チューブが脱着可能に収容されることができる貫通孔が形成されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の薬物注入装置。
【請求項7】
前記加温ユニットは、
前記加温ユニットカバーが前記閉鎖位置と前記開放位置との間で回転可能にヒンジにより前記加温ユニット本体に結合している、請求項6に記載の薬物注入装置。
【請求項8】
交替式バッテリーまたは充電式バッテリーにより電気の供給を受ける、請求項1から7のいずれか一項に記載の薬物注入装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬物注入装置に関し、特に低容量バッテリーを用いた小型化が容易で携帯が便利であり、電気供給の難しい事故現場で応急用として使用可能な薬物注入装置に関する。
【背景技術】
【0002】
輸液(fluid)は、ショック、脱水症、栄養失調などが発生した時に人体に注入する液体であって、血液及び血液と浸透圧が同一の生理的食塩水・リンゲル液などの様々な電解質溶液を含む薬物(medicine)の一種である。
【0003】
かかる輸液(fluid)は、手術、治療、ショック、脱水症、栄養失調などが発生した時に患者の静脈を通じて注入する液体であって、血液、電解質溶液、血液と類似した薬物などを含むことができ、人の体液と浸透圧が同一の生理的食塩水、リンゲル液、栄養剤、静脈注射溶液などを含むことができる薬物である。
【0004】
従来は、図3に示した薬物容器Bのような輸液バック(fluid bag)を逆様にぶら下げて人体より高い所に位置させ、前記薬物容器Bに連結された注射チューブTと注射針Nにより人体に薬物を注入した。
【0005】
手術室の患者や、応急患者には多様な薬物を注入する必要があるが、高危険群の薬物は微細な量を正確に測定して指定時間に投入する必要性があり、かかる用途で開発された薬物注入装置があるが、ピストン(Piston)方式の薬物注入装置、シリンジ(Syringe)方式の薬物注入装置などがある。
【0006】
しかし、前記輸液のように低危険群の薬物は、前記高危険群の薬物と異なり多量の薬物を高圧で投入する必要性があるが、微細な量の薬物を正確な容量で注入するように製造された従来の高危険群の薬物注入装置は、薬物注入速度を調節することはできるが、高圧の薬物注入が容易でないため、輸液のような低危険群の薬物を高圧で多量注入することができないという問題点があり、その構造や使用法が複雑であり、故障の危険が高く、全体的な製造原価も非常に高いという問題点がある。
【0007】
また、従来の薬物注入装置は、持続的に高圧を維持すべき時や緊急に圧力を調節する必要がある度に、流量と流速を複雑に計算する不便により、使用者や患者に大きく不便を与えるという問題点がある。
【0008】
そして、従来の薬物注入装置は、輸液の注入時に温蔵庫などの加温装置を用いて輸液を体温と類似した温度に加温させるべき不便があり、熱線や温水などを用いて加温する瞬間加温方式を使用することで高いエネルギーが必要であり、電気が供給されない所では重く体積の大きい大容量のバッテリーを共に所持しなければならないという不便があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記問題を解決するために案出されたもので、その目的は、低容量バッテリーを用いた小型化が容易で携帯が便利であり、電気の供給が難しい事故現場で応急用として使用可能に構造が改善された薬物注入装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明による薬物注入装置は、外部から圧力をかけると内部に収容された液体薬物が指定された経路に流出されることができるように形成された薬物容器を使用して前記薬物を人体に注入することができる薬物注入装置であって、空気により膨脹し、前記薬物容器に圧力をかけられる膨脹部を含む少なくとも一つ以上の薬物加圧ユニットと、予め定めた圧力の空気を発生させられる第1ポンプと、前記膨脹部のうち一つと連通することができる第1配管を含むことにより前記膨脹部のうち一つを膨脹させることができる第1ポンピングユニットと、前記薬物を予め定めた温度の範囲以内に加温させられる熱電モジュールを備える加温ユニットとを含むことを特徴とする。
【0011】
ここで、予め定めた圧力の空気を発生させられる第2ポンプと、前記膨脹部のうち一つと連通することができる第2配管を含む第2ポンピングユニットとを含むことにおり、前記膨脹部のうち一つを膨脹させることができることが好ましい。
【0012】
ここで、前記第1配管と前記第2配管とを互いに連結する連結配管と、前記連結配管を開放または閉鎖することができる連結配管バルブとを備える連結ユニットを含み、前記第1ポンプと前記第2ポンプのうち一つが作動しない時、残りの一つのポンプが作動して、前記第1配管及び前記第2配管に連結された少なくとも一つの前記膨脹部を膨脹させることができることが好ましい。
【0013】
ここで、前記第1配管の上流側に配置された第1上流側バルブと、前記第1配管の下流側に配置された第1下流側バルブと、前記第2配管の上流側に配置された第2上流側バルブと、前記第2配管の下流側に配置された第2下流側バルブとを備え、前記連結配管の一端部は、前記第1上流側バルブと第1下流側バルブとの間で前記第1配管と連通しており、前記連結配管の他端部は、前記第2上流側バルブと第2下流側バルブとの間で前記第2配管と連通していることが好ましい。
【0014】
ここで、前記加温ユニットは、前記薬物が内部に流動する注射チューブを外部と隔離した状態で収容することができる加温空間を備え、前記熱電モジュールが前記加温空間に収容された空気を加熱し、前記加熱された空気が前記注射チューブを間接的に加温させることができることが好ましい。
【0015】
ここで、前記注射チューブは、前記加温空間の内部で予め定めた密度以上に密集配置されていることが好ましい。
【0016】
ここで、前記加温ユニットは、前記薬物が内部に流動する注射チューブを脱着可能に固定することができるチューブ固定装置を備えることが好ましい。
【0017】
ここで、前記チューブ固定装置は、前記注射チューブが収容されることができる中空を備え、弾性的に変形が可能な把持部と、前記中空の一端部に形成され、前記注射チューブが前記中空に挿入されることができる通路である挿入部とを備えることが好ましい。
【0018】
ここで、前記加温ユニットは、前記薬物が内部に流動する注射チューブを外部と隔離した状態で収容することができる加温空間を備える加温ユニット本体と、前記加温空間を閉鎖する閉鎖位置と前記加温空間を開放する開放位置との間で位置移動可能な加温ユニットカバーとを備え、前記加温ユニット本体と前記加温ユニットカバーのうち少なくとも一つには前記注射チューブが脱着可能に収容されることができる貫通孔が形成されていることが好ましい。
【0019】
ここで、前記加温ユニットは、前記加温ユニットカバーが前記閉鎖位置と前記開放位置との間で回転可能にヒンジにより前記加温ユニット本体に結合していることが好ましい。
【0020】
ここで、交替式バッテリーまたは充電式バッテリーにより電気の供給を受けることが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によると、外部から圧力をかけると内部に収容された液体薬物が指定された経路に流出されることができるように形成された薬物容器を使用して前記薬物を人体に注入することができる薬物注入装置であって、空気により膨脹し、前記薬物容器に圧力をかけられる膨脹部を含む少なくとも一つ以上の薬物加圧ユニットと、予め定めた圧力の空気を発生させられる第1ポンプと、前記膨脹部のうち一つと連通することができる第1配管を含むことにより前記膨脹部のうち一つを膨脹させることができる第1ポンピングユニットと、前記薬物を予め定めた温度の範囲以内に加温させられる熱電モジュールを備える加温ユニットとを含むため、低容量バッテリーを用いた小型化が容易で携帯が便利であり、電気供給の難しい事故現場で応急用として使用することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の第1実施例である薬物注入装置を示す図面である。
図2図1に示した第1ポンピングユニットと第2ポンピングユニットを示す図面である。
図3図1に示した薬物加圧ユニットを示す図面である。
図4図1に示した加温ユニットを示す図面である。
図5図4に示した加温ユニットの発熱部カバーが開放された状態を示す図面である。
図6】第1ポンピングユニットと第2ポンピングユニットが2つの薬物加圧ユニットのうち1つをそれぞれ担当する状態を示す図面である。
図7】第1ポンプが作動しない場合、第2ポンプが2つの薬物加圧ユニットを担当する状態を示す図面である。
図8】本発明の第2実施例である薬物注入装置を示す図面である。
図9図8に示した加温ユニットの斜視図である。
図10図8に示した加温ユニットの水平断面図である。
図11図9に示したチューブ固定装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下において、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明の第1実施例である薬物注入装置を示す図面であり、図2は、図1に示した第1ポンピングユニットと第2ポンピングユニットを示す図面である。図3は、図1に示した薬物加圧ユニットを示す図面である。
【0025】
図1図3を参照すると、本発明の好ましい実施例による薬物注入装置100は、輸液などのような液体薬物を人体に注入することができる薬物注入装置であって、外部から圧力をかけると内部に収容された液体薬物が指定された経路に流出されることができるように形成された薬物容器Bを使用し、第1ポンピングユニット10と第2ポンピングユニット20と連結ユニット30と薬物加圧ユニット40と加温ユニット50とを含んで構成される。以下では、前記薬物容器Bが柔軟な合成樹脂材質の袋形態であることを前提として説明する。この時、前記薬物容器Bは、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、ポリスチレンなどの合成樹脂を使用して透明または半透明袋形態で製作されることが一般的である。
【0026】
前記第1ポンピングユニット10は、前記薬物加圧ユニット40の膨脹部41を膨脹させることができる装置であって、第1ポンプ11と第1配管12と第1流出口13とを含む。
【0027】
前記第1ポンプ11は、電気により作動する空気ポンプであり、予め定めた圧力の空気を発生させることができる。
【0028】
前記第1配管12は、一端部は前記第1ポンプ11と連通しており、他端部は前記膨脹部41と連通することができる配管である。
【0029】
本実施例において、前記第1配管12は、合成樹脂材質の円形チューブを含む。
【0030】
前記第1流出口13は、前記第1配管12の他端部に設けられるもので、前記第1ポンプ11により供給される空気が排出される孔である。
【0031】
前記第1流出口13は、前記膨脹部41と連通した空気チューブAと連結されている。
【0032】
前記第1流出口13の上流側には、図1に示すように、前記第1配管12の内部空気圧を測定することができる第1センサー14が装着されている。
【0033】
前記第1センサー14の上流側には、前記膨脹部41の内部空気圧が加圧するか設定された時間を超えて作動する場合などの非常時に、前記膨脹部41の内部空間411に貯蔵された空気を外部に排出するための第1排気バルブ17が装着されている。
【0034】
本実施例において、前記第1排気バルブ17は、電気で作動する1wayソレノイドバルブを含んでおり、普段は閉鎖されている。
【0035】
前記第1排気バルブ17の上流側には、前記第1配管12内部の空気が流れることができるように開放するか、流れないように閉鎖することができる第1下流側バルブ16が装着されている。
【0036】
本実施例において、前記第1下流側バルブ16は、電気で作動する2wayソレノイドバルブを含んでいる。
【0037】
前記第1下流側バルブ16が閉鎖されると、加圧された空気が前記膨脹部41に流入されることができず、前記膨脹部41の内部にある空気が逆流して第1ポンプ11側に流入されることもできない状態となる。
【0038】
前記第1下流側バルブ16の上流側には、前記第1配管12内部の空気が流れることができるように開放するか、流れないように閉鎖することができる第1上流側バルブ15が装着されている。
【0039】
本実施例において、前記第1上流側バルブ15は、電気で作動する2wayソレノイドバルブを含んでいる。
【0040】
前記第1上流側バルブ15が閉鎖されると、前記第1ポンプ11から生成された加圧空気が前記第1下流側バルブ16側に流動することができず、前記連結配管31が連通した地点にある空気が逆流して前記第1ポンプ11側に流動することもできない状態となる。
【0041】
前記第2ポンピングユニット20は、前記第1ポンピングユニット10と同様に前記薬物加圧ユニット40の膨脹部41を膨脹させることができる装置であり、第2ポンプ21と第2配管22と第2流出口23と第2センサー24と第2上流側バルブ25と第2下流側バルブ26と第2排気バルブ27とを含む。
【0042】
本実施例において、前記第2ポンピングユニット20の構成要素である第2ポンプ21と第2配管22と第2流出口23と第2センサー24と第2上流側バルブ25と第2下流側バルブ26と第2排気バルブ27は、前記第1ポンピングユニット10の構成要素である第1ポンプ11と第1配管12と第1流出口13と第1センサー14と第1上流側バルブ15と第1下流側バルブ16と第1排気バルブ17とそれぞれ同一であるか対応する構成要素であるため、詳細な説明は省略する。
【0043】
前記連結ユニット30は、前記第1配管12と前記第2配管22とを互いに連通させるための装置であり、連結配管31と連結配管バルブ32とを含む。
【0044】
前記連結配管31は、前記第1配管12と前記第2配管22とを互いに連通させる配管であり、一端部は前記第1配管12の第1上流側バルブ15と第1下流側バルブ16との間で前記第1配管12と連通し、他端部は前記第2配管22の第2上流側バルブ25と第2下流側バルブ26との間で前記第2配管22と連通している。
【0045】
前記連結配管バルブ32は、前記連結配管31の内部の空気が流れることができるように開放するか流れないように閉鎖することができるバルブである。
【0046】
本実施例において、前記連結配管バルブ32は、電気で作動する2wayソレノイドバルブを含んでいる。
【0047】
前記薬物加圧ユニット40は、前記薬物容器Bに圧力をかけられる装置であり、一対が設けられ、前記第1ポンピングユニット10と前記第2ポンピングユニット20のそれぞれに一つずつ連結されている。該薬物加圧ユニット40は、膨脹部41と薬物容器収容部42とを備える。
【0048】
前記膨脹部41は、気密可能な内部空間411を備えた膨脹部であり、前記内部空間411に空気が注入されると、図3に示すように膨脹することができるように形成される。
【0049】
前記膨脹部41の内部空間411は、図1及び図3に示すように、空気チューブAにより前記第1流出口13及び第2流出口23と連通している。
【0050】
本実施例において、前記膨脹部41は、二枚の合成樹脂フィルムが結合して形成された四角形袋形状を備えるが、円形、多角形などの任意の袋形状を有することができる。
【0051】
本実施例において、前記膨脹部41の圧力は、100mmHg、200mmHg、300mmHgなどと使用者が所望の値に調整されることができる。
【0052】
前記膨脹部41は、前記内部空間411に空気が注入されると、前記薬物容器Bに圧力をかけられるように設けられる。
【0053】
前記膨脹部41は、脹れ上がっても破裂し易くない材質で製作されることが好ましい。
【0054】
前記薬物容器収容部42は、前記薬物容器Bを収容することができる内部空間421を備えた部分である。
【0055】
前記薬物容器収容部42は、図3に示すように、前記膨脹部41の下面に結合している。
【0056】
前記薬物容器収容部42の一端部には、前記薬物容器Bを前記内部空間421に入れるか、前記内部空間421から抜け出すための薬物容器投入口422が形成されている。
【0057】
前記薬物容器収容部42は、前記膨脹部41が膨脹して前記薬物容器Bを加圧しても、伸びやすくない材質と厚さを有することが好ましい。もし前記薬物容器収容部42が伸びやすい材質で構成されれば、前記膨脹部41が膨脹しても前記薬物容器Bが充分に加圧できないという問題が発生し得る。
【0058】
前記加温ユニット50は、前記薬物容器Bから排出される薬物を予め定めた温度の範囲以内に加温する装置であり、電子誘導加熱方式(IH、Induction Heating)で作動し、磁場発生部51と発熱部52とを備える。
【0059】
前記磁場発生部51は、前記発熱部52に磁場を形成する部分であり、電気が流れるコイルなどを含むことができる。
【0060】
前記発熱部52は、前記磁場発生部51により発生した磁場により発生する誘導電流によって加熱される金属を含む部分であり、発熱部本体521と発熱部カバー522とチューブ収容溝523とを含む。
【0061】
前記発熱部本体521は、図1及び図4に示すように、第1中心軸C1に沿って延長した部材であり、円形の注射チューブTの下端部を取り囲み収容できるように形成された半円形チューブ収容溝523を備えている。
【0062】
前記注射チューブTは、内部に薬物が流動する円形のチューブであり、一端部が前記薬物容器Bと連通しており、他端部は人体に挿入されることができる注射針Nと連通している。
【0063】
前記発熱部カバー522は、前記発熱部本体521と対応するように前記第1中心軸C1に沿って延長した部材であり、前記発熱部本体521の上面に配置される。
【0064】
前記発熱部カバー522は、円形の注射チューブTの上端部を取り囲み収容できるように形成された半円形チューブ収容溝523を備えている。
【0065】
前記発熱部本体521と前記発熱部カバー522は互いに協力して、前記注射チューブTの一定部分の360度を完全に取り囲むように形成されている。
【0066】
前記発熱部カバー522は、図5に示すように、前記第1中心軸C1と並んでいる第2中心軸C2を中心として前記注射チューブTを拘束する閉鎖位置と前記注射チューブTを外部に取り出すことができる開放位置との間で、前記発熱部本体521に対して相対回転可能な構造で設けられる。
【0067】
前記発熱部カバー522が前記閉鎖位置にある時、前記発熱部本体521と前記発熱部カバー522は互いに協力し、前記注射チューブTの一定部分の360度を完全に取り囲むようになり、前記発熱部カバー522が前記開放位置にある時、前記注射チューブTを前記チューブ収容溝523に挿入するか、前記注射チューブTを前記チューブ収容溝523から取り出すことができるようになる。
【0068】
本実施例において、前記ポンプ11、21とバルブ15、16、17、25、26、27とセンサー14、24と加温ユニット50は、マイクロコントローラー(MCU;Micro Controller Unit)などにより自動的に駆動され、フィードバック制御により予め設定した薬物温度、単位時間当り注射量、注射時間などを正確に追従できるように構成されている。
【0069】
以下では、上述した構成の薬物注入装置100を使用する方法の一例を説明する。
【0070】
先ず、図1に示すように、前記第1流出口13に1つの薬物加圧ユニット40を装着し、前記第2流出口23に他の1つの薬物加圧ユニット40を装着する。
【0071】
次いで、前記2つの薬物加圧ユニット40の薬物容器収容部42にそれぞれ薬物容器Bを1つずつ挿入する。この時、それぞれの注射チューブTは、前記加温ユニット50にそれぞれ装着され、注射針Nは人体に挿入する。
【0072】
使用者が所望の空気圧力を前記第1ポンピングユニット10及び第2ポンピングユニット20にそれぞれ設定し、前記第1ポンプ11及び第2ポンプ21をそれぞれ駆動させると、図6に示すように、前記第1ポンプ11及び前記第2ポンプ21により発生した空気流れFは、前記第1配管12及び第1流出口13をそれぞれ流動してそれぞれの膨脹部41を膨脹させるようになる。この時、前記第1排気バルブ17及び連結配管バルブ32は閉鎖された状態であり、前記第1上流側バルブ15、第1下流側バルブ16、第2上流側バルブ25、第2下流側バルブ26は開放された状態である。
【0073】
即ち、前記第1ポンピングユニット10は、2つの膨脹部41のうち1つを膨脹させ、前記第2ポンピングユニット20は、残りの1つの膨脹部41をそれぞれ膨脹させるようになる。
【0074】
このように2つの膨脹部41が膨脹すると、薬物容器Bが図3に示すように前記膨脹部41及び薬物容器収容部42により加圧されることで、薬物容器Bの内部に収容された薬物が注射チューブTと注射針Nを経て人体に注入される。この時、注射チューブTの内部を流動する薬物は、前記加温ユニット50を通りながら予め設定された温度に加温される。
【0075】
本実施例においては、前記第1センサー14が感知した空気圧が予め設定した値より高い場合は、前記第1ポンプ11の作動を一時的に停止させて前記第1ポンプ11から発生する空気の供給を遮断させ、必要な場合は、前記第1排気バルブ17を開放して前記膨脹部41の内部空気圧を減少させ、反対に前記第1センサー14が感知した空気圧が予め設定した値より低い場合は、前記第1ポンプ11を作動させて前記膨脹部41の内部空気圧を増加させる方式の制御を使用している。
【0076】
一方、前記第1ポンプ11と前記第2ポンプ21が作動をする途中で前記第1ポンプ11が故障などの理由で作動しなくなると、前記第1センサー14が前記第1ポンプ11の故障を感知するようになり、前記第1上流側バルブ15を閉鎖させる。
【0077】
引き続き、前記連結配管バルブ32が開放されることで、図7に示すように、前記第2ポンプ21により2つの薬物加圧ユニット40が駆動する状態となる。かかる方式は、前記第1ポンプ11と前記第2ポンプ21のうち一つが作動しない時、残りの一つのポンプが作動して、前記第1配管12または/及び前記第2配管22に連結された少なくとも一つの前記膨脹部41を膨脹させることができるもので、一種の故障安全(fail safe)駆動方式であると言える。
【0078】
上述した構成の薬物注入装置100は、外部から圧力をかけると内部に収容された液体薬物が指定された経路に流出されることができるように形成された薬物容器Bを使用して前記薬物を人体に注入することができる薬物注入装置であって、空気により膨脹し前記薬物容器Bに圧力をかけられる膨脹部41を含む少なくとも一つ以上の薬物加圧ユニット40と、予め定めた圧力の空気を発生させられる第1ポンプ11と、前記膨脹部41のうち一つと連通することができる第1配管12を含むことにより、前記膨脹部41のうち一つを膨脹させることができる第1ポンピングユニット10とを備えるため、構造が単純で故障の危険が低く、全体的な製造原価が低いという長所がある。
【0079】
そして、前記薬物注入装置100は、予め定めた圧力の空気を発生させられる第2ポンプ21と、前記膨脹部41のうち一つと連通することができる第2配管22を含む第2ポンピングユニット20とを含むことにより、前記膨脹部41のうち一つを膨脹させることができるため、同時に2つの前記薬物加圧ユニット40を作動させることができるという長所がある。
【0080】
また、前記薬物注入装置100は、前記第1配管12と前記第2配管22とを互いに連結する連結配管31と、前記連結配管31を開放または閉鎖することができる連結配管バルブ32とを備える連結ユニット30を含み、前記第1ポンプ11と前記第2ポンプ21のうち一つが作動しない時、残りの一つのポンプが作動して、前記第1配管12及び前記第2配管22に連結された少なくとも一つの前記膨脹部41を膨脹させることができるため、前記第1ポンプ11及び第2ポンプ21の2つのポンプのうち1つが故障しても、2つの薬物加圧ユニット40がそれぞれ作動できるように故障安全(fail safe)駆動方式が具現されることができるという長所がある。
【0081】
そして、前記薬物注入装置100は、前記第1配管12の上流側に配置された第1上流側バルブ15と、前記第1配管12の下流側に配置された第1下流側バルブ16と、前記第2配管22の上流側に配置された第2上流側バルブ25と、前記第2配管22の下流側に配置された第2下流側バルブ26とを備え、前記連結配管31の一端部は、前記第1上流側バルブ15と前記第1下流側バルブ16との間で前記第1配管12と連通し、前記連結配管31の他端部は、前記第2上流側バルブ25と第2下流側バルブ26との間で前記第2配管22と連通しているため、前記第1ポンプ11及び第2ポンプ21の2つのポンプのうち1つが故障する非常状況でも、残りの一つのポンプが作動する故障安全(fail safe)駆動方式が簡単な構造と低費用で構成されることができるという長所がある。
【0082】
また、前記薬物注入装置100は、前記薬物容器Bから排出される薬物を予め定めた温度の範囲以内に加温する加温ユニット50を含むため、適正な温度に薬物を加温させて直ちに人体に注入させることができるという長所がある。
【0083】
そして、前記薬物注入装置100は、前記加温ユニット50が、磁場を形成する磁場発生部51と、前記磁場により発生する誘導電流により加熱される発熱部52とを含むことにより、電子誘導加熱方式で作動するため、他の部品の熱損傷がなく安全であり、精密な温度に薬物を加温することができるという長所がある。
【0084】
また、前記薬物注入装置100は、前記発熱部52が、前記薬物容器Bと連通して内部に薬物が流動する注射チューブTを取り囲めるように形成されているため、薬物が注射チューブTの内部にある状態で注射チューブTの内部に流動する薬物を加温させることができ、衛生的であるという長所がある。
【0085】
そして、前記薬物注入装置100は、前記薬物容器Bが柔軟な材質の袋形態であるため、市販の薬物容器Bをそのまま前記薬物加圧ユニット40の薬物容器収容部42に挿入して使用することができるため、便利でかつ衛生的であるという長所がある。
【0086】
なお、図8には、本発明の第2実施例である薬物注入装置200が図示されている。前記薬物注入装置200は、上述した薬物注入装置100と大部分の構成及び効果が同一であるため、以下では、両者間の差異点についてのみ説明する。
【0087】
前記薬物注入装置200は、前記加温ユニット50の代わりに新しい加温ユニット60を備えており、バッテリー70を含んでいる。
【0088】
前記加温ユニット60は、加温ユニット本体61と加温ユニットカバー62と熱電モジュール63とを備えている。
【0089】
前記加温ユニット本体61は、内部に加温空間67を備える四角形容器であり、上端部と下端部に半円形貫通孔64がそれぞれ形成されている。
【0090】
本実施例において、前記加温ユニット本体61は、熱伝導性に優れた金属材質で製作されている。
【0091】
前記貫通孔64の直径は、前記注射チューブTの直径と同様に公差範囲内で若干小さいことが好ましい。
【0092】
前記加温空間67は、前記注射チューブTを外部と隔離した状態で収容することができる密閉空間である。
【0093】
前記加温ユニットカバー62は、前記加温ユニット本体61と対応する形状の四角形カバーであり、前記加温空間67を閉鎖するための部材である。
【0094】
本実施例において、前記加温ユニットカバー62は、熱伝導性の低い合成樹脂材質で製作されている。
【0095】
前記加温ユニットカバー62の上端部と下端部には、半円形貫通孔64がそれぞれ形成されている。
【0096】
本実施例において、前記加温ユニットカバー62は、前記加温空間67を閉鎖する閉鎖位置と前記加温空間67を開放する開放位置との間で回転可能にヒンジ65により前記加温ユニット本体61に結合している。
【0097】
前記加温ユニットカバー62が前記閉鎖位置にある時、前記加温ユニット本体61と加温ユニットカバー62とが互いに協力して前記加温空間67を形成する。
【0098】
前記加温ユニットカバー62に形成された貫通孔64は、前記加温ユニット本体61に形成された貫通孔64と対応する位置に配置されている。
【0099】
従って、前記加温ユニットカバー62が前記閉鎖位置にある時、前記加温ユニットカバー62に形成された貫通孔64は、前記加温ユニット本体61に形成された貫通孔64と互いに協力して前記注射チューブTが貫通することができる一対の円形孔を形成する。
【0100】
前記熱電モジュール63は、前記注射チューブTの内部にある薬物を予め定めた温度の範囲以内に加温させられる熱源であり、ペルティエ効果(Peltier effect、thermoelectric effect)を利用する熱電モジュール(Thermoelectric Module; TEM)である。
【0101】
前記熱電モジュール63は、比較的薄い平板形態の部材であり、前記加温ユニット本体61の裏面に付着している。
【0102】
前記熱電モジュール63の詳細な構成は、当業者に広く知られているため、それに対する詳細な説明は省略する。
【0103】
前記ペルティエ効果(Peltier effect、thermoelectric effect)は、1834年に発見され、1900年代初に理論的に確立された技術であり、電気冷凍記述とも呼ばれる。
【0104】
前記ペルティエ効果は、フランスの物理学者であるジャン・ペルティエ(Jean Charles Athanase Peltier)が紹介したが、電流を流すと伝導性物質の多くの層の両端に温度差が持続する現象を利用したもので、低温冷却を要する反対側の高温部分を強制冷却させれば、低温部の熱が高温側に伝達されるという効果である。
【0105】
ここで、ゼーベック効果により一方が冷たくなると他方は熱くなる。熱くなる面をよく冷却させれば効率が良くなり、過熱されれば効率が落ちたあげく熱電素子が破壊されるか、熱逆転現象が起きて低温部と高温部がひっくり返るおそれもある。
【0106】
前記熱電モジュール63の最大の長所は、別途の冷媒や駆動部なしに冷房効果を具現することができるため、構造が簡単で故障の恐れが少ないという点である。
【0107】
また、前記熱電モジュール63は、薄い平板形態で製作が可能であるため、小型化及び携帯化が可能であり、微細な温度調節が可能であるという長所がある。
【0108】
但し、前記熱電モジュール63の短所は、エネルギー効率であるCOP(Coefficient Of Performance)が一般的な冷房器より比較的低く、強力な容量の冷暖房には不適合だということである。
【0109】
前記注射チューブTは、前記加温空間67の内部で予め定めた密度以上に密集配置されていることが好ましい。
【0110】
本実施例においては、図9に示すように、前記注射チューブTが前記加温空間67の内部からジグザグ形態で配置されている。
【0111】
前記注射チューブTが前記加温ユニット本体61及び熱電モジュール63に直接接触することは好ましくないため、本実施例において、図10に示すように、前記注射チューブTは、前記加温ユニット本体61及び加温ユニットカバー62に直接接触しないように配置されている。
【0112】
本実施例においては、前記注射チューブTを脱着可能に固定することができるチューブ固定装置66が前記加温ユニット本体61の内面に複数個装着されている。
【0113】
前記チューブ固定装置66は、図11に示すように、固定部661と把持部662と挿入部664とを備え、比較的熱伝導性の低い合成樹脂材質で製作されている。
【0114】
前記固定部661は、一端部が前記加温ユニット本体61に結合し、他端部は前記把持部662に結合する部分であり、前記把持部662を前記加温ユニット本体61から予め定めた距離ほど離隔させるための部分である。
【0115】
前記把持部662は、前記注射チューブTを取って固定するための部分であり、弾性的に変形が可能であり、内部に中空663を備えている。
【0116】
前記中空663の直径は、前記注射チューブTの直径と同様に公差範囲内で若干小さいことが好ましい。
【0117】
前記挿入部664は、前記注射チューブTが前記中空663に挿入されることができる出入り通路であり、前記中空663の一端部に形成されている。
【0118】
前記挿入部664の幅Gは、前記注射チューブTの直径より小さいことが好ましい。
【0119】
本実施例において、前記チューブ固定装置66は、前記構成によりスナップフィット(snap-fit)方式の動作が可能である。すなわち、前記注射チューブTが前記挿入部664を通じて出入りする時は、前記挿入部664の幅Gが増加し、前記注射チューブTが前記中空663に固定された状態では、再び前記挿入部664の幅Gが本来通り復帰する。
【0120】
本実施例において、前記注射チューブTは、前記チューブ固定装置66のみに接触し、前記加温ユニット本体61、加温ユニットカバー62、熱電モジュール63には直接的に接触しない。
【0121】
よって、前記加温ユニット60は、前記熱電モジュール63が前記加温空間67に収容された空気を加熱し、前記加熱された空気が前記注射チューブTを間接的に加温させることができる構成を有する。
【0122】
前記バッテリー70は、交替式バッテリーまたは充電式バッテリーであり、前記薬物注入装置200に必要な電気を供給するためのバッテリーである。
【0123】
上述した薬物注入装置200は、前記薬物を予め定めた温度の範囲以内に加温させられる熱電モジュール63を備える加温ユニット60を含むため、低容量バッテリー70を用いた小型化が容易で携帯が便利であり、電気供給の難しい事故現場で応急用として使用することができるという長所がある。
【0124】
そして、前記薬物注入装置200は、前記加温ユニット60が、前記薬物が内部に流動する注射チューブTを外部と隔離した状態で収容することができる加温空間67を備え、前記熱電モジュール63が前記加温空間67に収容された空気を加熱し、前記加熱された空気が前記注射チューブTを間接的に加温させることができるため、注射チューブT内の薬物を予め定めた温度で均一に加温することができ、過熱による薬物の変質及び注射チューブTの損傷を防止することができるという長所がある。
【0125】
また、前記薬物注入装置200は、前記注射チューブTが、前記加温空間67の内部で予め定めた密度以上に密集配置されているため、同一の電力を基準として加温速度及びエネルギー効率を増加させることができるという長所がある。
【0126】
そして、前記薬物注入装置200は、前記加温ユニット60が、前記薬物が内部に流動する注射チューブTを脱着可能に固定することができるチューブ固定装置66を備えるため、前記加温ユニット60の内部で前記注射チューブTを堅固に固定することができるという長所がある。
【0127】
また、前記薬物注入装置200は、前記チューブ固定装置66が、前記注射チューブTが収容されることができる中空663を備え、弾性的に変形が可能な把持部662と、前記中空663の一端部に形成され、前記注射チューブTが前記中空663に挿入されることができる通路である挿入部664とを備えるため、スナップフィット(snap-fit)方式の動作具現が可能であるという長所がある。
【0128】
そして、前記薬物注入装置200は、前記加温ユニット60が、前記薬物が内部に流動する注射チューブTを外部と隔離した状態で収容することができる加温空間67を備える加温ユニット本体61と、前記加温空間67を閉鎖する閉鎖位置と前記加温空間67を開放する開放位置との間で位置移動可能な加温ユニットカバー62とを備え、前記加温ユニット本体61と前記加温ユニットカバー62のうち少なくとも一つには、前記注射チューブTが脱着可能に収容されることができる貫通孔64が形成されているため、既存の輸液セットに含まれた注射チューブTを前記加温ユニット60に便利に装着することができるという長所がある。
【0129】
また、前記薬物注入装置200は、前記加温ユニット60が、前記加温ユニットカバー62が前記閉鎖位置と前記開放位置との間で回転可能にヒンジ65により前記加温ユニット本体61に結合しているため、前記加温空間67の開閉が容易であるという長所がある。
【0130】
そして、前記薬物注入装置200は、交替式バッテリー70または充電式バッテリー70により電気の供給を受けるため、小型化が容易で携帯が便利であり、電気供給の難しい事故現場で応急用として使用することができるという長所がある。
【0131】
上述した実施例においては、前記薬物加圧ユニット40の一対が設けられて前記第1ポンピングユニット10と前記第2ポンピングユニット20のそれぞれに一つずつ連結されているが、前記第2ポンピングユニット20を備えず、1つの薬物加圧ユニット40のみが1つの第1ポンピングユニット10に連結されていてもよいことは言うまでもない。
【0132】
上述した実施例においては、前記第1ポンプ11及び第2ポンプ21の作動を一時的に停止するか、前記第1排気バルブ17及び第2排気バルブ27を一時的に開放する方式で前記膨脹部41の内部空気圧を調節しているが、前記第1下流側バルブ16または前記第1上流側バルブ15を一時的に閉鎖するか開放させ、前記第1排気バルブ17及び第2排気バルブ27を一時的に開放する方式の調節方法を使用してもよいことは言うまでもない。
【0133】
以上で本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上述した実施例に記載された内容に限定されるものではなく、当該技術分野の通常の知識を有する者によって修正または変更された等価の構成は、本発明の技術的思想の範囲から外れないことは明らかである。
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