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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】バッテリ装置および電圧供給方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20240326BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20240326BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20240326BHJP
   H02J 1/00 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
H02J7/00 302C
H01M10/48 P
H01M10/44 Q
H02J7/00 302B
H02J1/00 304E
H02J1/00 306M
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022547983
(86)(22)【出願日】2021-12-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-05
(86)【国際出願番号】 KR2021019911
(87)【国際公開番号】W WO2022149780
(87)【国際公開日】2022-07-14
【審査請求日】2022-08-08
(31)【優先権主張番号】10-2021-0002663
(32)【優先日】2021-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー、スンウー
【審査官】右田 勝則
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-054635(JP,A)
【文献】特開2010-220279(JP,A)
【文献】特開2018-026973(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0061839(KR,A)
【文献】特開2014-054168(JP,A)
【文献】国際公開第2013/140605(WO,A1)
【文献】特表2007-511199(JP,A)
【文献】特表2012-523670(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
H01M 10/48
H01M 10/44
H02J 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電圧を提供する第1バッテリパックと、
前記第1バッテリパックを管理するバッテリ管理システムと、
前記第1電圧より低い第2電圧を提供し、複数のバッテリセルを含む第2バッテリパックとを含み、
前記第2バッテリパックの前記複数のバッテリセルは、複数のバッテリセルグループにグループ化され、各バッテリセルグループは、所定数のバッテリセルを含み、
前記バッテリ管理システムは、
前記複数のバッテリセルグループの中から1つのバッテリセルグループを交互に選択し、 前記選択したバッテリセルグループから前記バッテリ管理システムの動作素子に動作電圧を提供し、
連続して選択される2つのバッテリセルグループの一方のバッテリセルグループによる前記動作電圧の提供中に、他方のバッテリセルグループによる前記動作電圧の提供を開始した後で、前記一方のバッテリセルグループによる前記動作電圧の提供を停止し、
前記一方のバッテリセルグループと前記他方のバッテリセルグループが同時に前記動作電圧を提供する時間が存在する、
バッテリ装置。
【請求項2】
前記第1バッテリパックの電圧は、前記動作電圧として提供されない、請求項1に記載のバッテリ装置。
【請求項3】
前記動作電圧は、前記所定数のバッテリセルの電圧の合計に相当する、請求項1または2に記載のバッテリ装置。
【請求項4】
前記所定数のバッテリセルのうち最初のバッテリセルの負極に連結された配線が前記動作素子の接地端子に連結され、
前記所定数のバッテリセルのうち最後のバッテリセルの正極に連結された配線が前記動作素子の動作電圧供給端子に連結される、
請求項1から3のいずれか一項に記載のバッテリ装置。
【請求項5】
前記バッテリ管理システムは、所定の時間間隔で前記複数のバッテリセルグループの中から1つのバッテリセルグループを交互に選択する、請求項1から4のいずれか一項に記載のバッテリ装置。
【請求項6】
前記バッテリ管理システムは、前記複数のバッテリセルグループを選択するためのスイッチング回路をさらに含む、請求項に記載のバッテリ装置。
【請求項7】
前記複数のバッテリセルグループは、第1バッテリセルグループと、第2バッテリセルグループとを含み、
前記第1バッテリセルグループが選択される場合、前記スイッチング回路は、前記第1バッテリセルグループの前記所定数のバッテリセルのうち最初のバッテリセルの負極に連結された第1配線を前記動作素子の接地端子に連結し、前記第1バッテリセルグループの前記所定数のバッテリセルのうち最後のバッテリセルの正極に連結された第2配線を前記動作素子の動作電圧供給端子に連結し、
前記第2バッテリセルグループが選択される場合、前記スイッチング回路は、前記第2バッテリセルグループの前記所定数のバッテリセルのうち最初のバッテリセルの負極に連結された第3配線を前記接地端子に連結し、前記第2バッテリセルグループの前記所定数のバッテリセルのうち最後のバッテリセルの正極に連結された第4配線を前記動作電圧供給端子に連結する、
請求項に記載のバッテリ装置。
【請求項8】
前記スイッチング回路は、
前記第1配線と前記接地端子との間に連結される第1スイッチと、
前記第2配線と前記動作電圧供給端子との間に連結される第2スイッチと、
前記第3配線と前記接地端子との間に連結される第3スイッチと、
前記第4配線と前記動作電圧供給端子との間に連結される第4スイッチとを含み、
前記バッテリ管理システムは、前記第1スイッチと前記第2スイッチをターンオンして前記第1バッテリセルグループを選択し、前記第3スイッチと前記第4スイッチをターンオンして前記第2バッテリセルグループを選択する、
請求項に記載のバッテリ装置。
【請求項9】
前記動作素子は、プロセッサを含む、請求項1からのいずれか一項に記載のバッテリ装置。
【請求項10】
第1電圧を供給する第1バッテリパックと、前記第1電圧より低い第2電圧を供給する第2バッテリパックと、前記第1バッテリパックを管理するバッテリ管理システムとを含むバッテリ装置の電圧供給方法であって、
前記第2バッテリパックに含まれる複数のバッテリセルの中から所定数のバッテリセルを含む第1バッテリセルグループを選択する段階と、
前記第1バッテリセルグループを通して前記バッテリ管理システムの動作素子に動作電圧を供給する段階と
前記第1バッテリセルグループを選択した後、所定の時間が経過する場合、前記複数のバッテリセルの中から前記所定数の他のバッテリセルを含む第2バッテリセルグループを選択する段階と、
前記第2バッテリセルグループを通して前記バッテリ管理システムの動作素子に動作電圧を供給する段階とを含み、
前記第1バッテリセルグループと前記第2バッテリセルグループが同時に前記動作電圧を提供する時間が存在する、
電圧供給方法。
【請求項11】
前記第1バッテリパックの電圧は、前記動作電圧として提供されない、請求項10に記載の電圧供給方法。
【請求項12】
前記動作電圧は、前記所定数のバッテリセルの電圧の合計に相当する、請求項10または11に記載の電圧供給方法。
【請求項13】
複数のバッテリセルを含むバッテリパックと、
バッテリ管理システムとを含み、
前記バッテリ管理システムは、
前記バッテリパックの前記複数のバッテリセルをそれぞれ所定数のバッテリセルを含む複数のバッテリセルグループにグループ化し、
前記複数のバッテリセルグループの中から1つのバッテリセルグループを交互に選択し、
前記選択したバッテリセルグループを通して前記バッテリ管理システムの動作素子に動作電圧を提供し、
前記複数のバッテリセルグループのうち連続して選択される2つのバッテリセルグループの一方のバッテリセルグループによる前記動作電圧の提供中に、他方のバッテリセルグループによる前記動作電圧の提供を開始した後で、前記一方のバッテリセルグループによる前記動作電圧の提供を停止し、
前記一方のバッテリセルグループと前記他方のバッテリセルグループが同時に前記動作電圧を提供する時間が存在する、
バッテリ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願との相互参照]
本出願は、2021年1月8日付の大韓民国特許出願第10-2021-0002663号に基づく優先権の利益を主張し、当該大韓民国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
下記の技術は、バッテリ装置および電圧供給方法に関する。
【背景技術】
【0003】
電気自動車またはハイブリッド自動車は、主にバッテリを電源として用いてモータを駆動することによって動力を得る自動車であって、内燃自動車の公害およびエネルギー問題を解決できる代案という点から研究が活発に行われている。また、充電可能なバッテリは自動車以外に多様な外部装置で用いられている。
【0004】
バッテリ装置は、バッテリパックと、バッテリパックを管理するためのバッテリ管理システムとを含む。バッテリ管理システムは、バッテリに含まれるバッテリセルの電圧、充電状態、温度などの多様な情報を監視し、多様な情報を監視するための多様な回路を含む。
【0005】
現在、バッテリ管理システムに電力を供給するために、電装部品などに電力を供給するための電源を用いている。ところが、電装部品などに電力を供給するための電源から供給する電圧(例えば、12V)はバッテリ管理システムの動作電圧(例えば、5V)より高いため、電源の電圧を下げるための部品が必要である。このように電圧を下げて用いる場合、DC/DC(direct current to direct current)変換器で電磁波干渉(electromagnetic interference、EMI)が発生し、LDO(low dropout)レギュレータによって電力消耗が増加することがあり、電圧安定化のための追加部品が必要になりうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ある実施例は、電圧下降のための部品を用いることなく、バッテリ管理システムの動作電圧を供給可能なバッテリ装置および電圧供給方法を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施例によれば、第1電圧を提供する第1バッテリパックと、前記第1バッテリパックを管理するバッテリ管理システムと、前記第1電圧より低い第2電圧を提供する第2バッテリパックとを含むバッテリ装置が提供される。前記第2バッテリパックは、複数のバッテリセルを含み、前記バッテリ管理システムは、前記第2バッテリパックの前記複数のバッテリセルの中から所定数のバッテリセルを含むバッテリセルグループを選択する。前記選択したバッテリセルグループから前記バッテリ管理システムの動作素子に動作電圧を提供することができる。
【0008】
ある実施例において、前記第1バッテリパックの電圧は、前記動作電圧として提供されない。
【0009】
ある実施例において、前記動作電圧は、前記所定数のバッテリセルの電圧の合計に相当できる。
【0010】
ある実施例において、前記所定数のバッテリセルのうち最初のバッテリセルの負極に連結された配線が前記動作素子の接地端子に連結され、前記所定数のバッテリセルのうち最後のバッテリセルの正極に連結された配線が前記動作素子の動作電圧供給端子に連結される。
【0011】
ある実施例において、前記第2バッテリパックの前記複数のバッテリセルは、複数のバッテリセルグループにグループ化され、各バッテリセルグループは、前記所定数のバッテリセルを含むことができる。前記バッテリ管理システムは、前記複数のバッテリセルグループの中から前記バッテリセルグループを選択することができる。
【0012】
ある実施例において、前記バッテリ管理システムは、所定の時間間隔で前記複数のバッテリセルグループの中から1つのバッテリセルグループを交互に選択することができる。
【0013】
ある実施例において、前記バッテリ管理システムは、前記複数のバッテリセルグループを選択するためのスイッチング回路をさらに含むことができる。
【0014】
ある実施例において、前記複数のバッテリセルグループは、第1バッテリセルグループと、第2バッテリセルグループとを含むことができる。前記第1バッテリセルグループが選択される場合、前記スイッチング回路は、前記第1バッテリセルグループの前記所定数のバッテリセルのうち最初のバッテリセルの負極に連結された第1配線を前記動作素子の接地端子に連結し、前記第1バッテリセルグループの前記所定数のバッテリセルのうち最後のバッテリセルの正極に連結された第2配線を前記動作素子の動作電圧供給端子に連結することができる。前記第2バッテリセルグループが選択される場合、前記スイッチング回路は、前記第2バッテリセルグループの前記所定数のバッテリセルのうち最初のバッテリセルの負極に連結された第3配線を前記接地端子に連結し、前記第2バッテリセルグループの前記所定数のバッテリセルのうち最後のバッテリセルの正極に連結された第4配線を前記動作電圧供給端子に連結することができる。
【0015】
ある実施例において、前記スイッチング回路は、前記第1配線と前記接地端子との間に連結される第1スイッチと、前記第2配線と前記動作電圧供給端子との間に連結される第2スイッチと、前記第3配線と前記接地端子との間に連結される第3スイッチと、前記第4配線と前記動作電圧供給端子との間に連結される第4スイッチとを含むことができる。前記バッテリ管理システムは、前記第1スイッチと前記第2スイッチをターンオンして前記第1バッテリセルグループを選択し、前記第3スイッチと前記第4スイッチをターンオンして前記第2バッテリセルグループを選択することができる。
【0016】
ある実施例において、前記動作素子は、プロセッサを含むことができる。
【0017】
他の実施例によれば、第1電圧を供給する第1バッテリパックと、前記第1電圧より低い第2電圧を供給する第2バッテリパックと、前記第1バッテリパックを管理するバッテリ管理システムとを含むバッテリ装置の電圧供給方法が提供される。前記電圧供給方法は、前記第2バッテリパックに含まれる複数のバッテリセルの中から所定数のバッテリセルを含む第1バッテリセルグループを選択する段階と、前記第1バッテリセルグループを通して前記バッテリ管理システムの動作素子に動作電圧を供給する段階とを含むことができる。
【0018】
ある実施例において、前記電圧供給方法は、前記第1バッテリセルグループを選択した後、所定の時間が経過する場合、前記複数のバッテリセルの中から前記所定数の他のバッテリセルを含む第2バッテリセルグループを選択する段階と、前記第2バッテリセルグループを通して前記バッテリ管理システムの動作素子に動作電圧を供給する段階とを含むことができる。
【0019】
さらに他の実施例によれば、複数のバッテリセルを含むバッテリパックと、バッテリ管理システムとを含むバッテリ装置が提供される。前記バッテリ管理システムは、前記バッテリパックの前記複数のバッテリセルをそれぞれ所定数のバッテリセルを含む複数のバッテリセルグループにグループ化し、前記複数のバッテリセルグループの中から1つのバッテリセルグループを交互に選択し、前記選択したバッテリセルグループを通して前記バッテリ管理システムの動作素子に動作電圧を提供することができる。
【発明の効果】
【0020】
ある実施例によれば、電源の電圧を下げるための部品を用いることなく、バッテリ管理システムの動作電圧を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】一実施例によるバッテリ装置を示す図である。
図2】一実施例によるバッテリ管理システムの動作電圧の供給を説明する図である。
図3】他の実施例によるバッテリ管理システムの動作電圧の供給を説明する図である。
図4】他の実施例によるバッテリ管理システムの動作電圧の供給を説明する図である。
図5図3に示したスイッチング回路の一例を示す図である。
図6】さらに他の実施例による電圧供給方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施例について、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は種々の異なる形態で実現可能であり、ここで説明する実施例に限定されない。そして、図面において本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって類似の部分については類似の図面符号を付した。
【0023】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いると言及された時は、その他の構成要素に直接的に連結されていてもよいが、中間に他の構成要素が存在してもよいことが理解されなければならない。これに対し、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いると言及された時は、中間に他の構成要素が存在しないことが理解されなければならない。
【0024】
以下の説明において、単数で記載された表現は、「1つ」または「単一」などの明示的な表現を使わない以上、単数または複数と解釈される。
【0025】
図面を参照して説明したフローチャートにおいて、動作の順序は変更可能であり、様々な動作が併合されたり、ある動作が分割されたりしてもよく、特定の動作は行われなくてもよい。
【0026】
図1は、一実施例によるバッテリ装置を示す図である。
【0027】
図1を参照すれば、バッテリ装置100は、高電圧(high voltage、HV)バッテリパック110と、低電圧(low voltage、LV)バッテリパック120と、バッテリ管理システム(battery management system、BMS)130とを含む。
【0028】
バッテリ装置100は、外部装置に電気的に連結可能な構造を有する。外部装置が負荷の場合、バッテリ装置100は、負荷に電力を供給する電源として動作して放電される。負荷として動作する外部装置10は、例えば、電子装置、移動手段またはエネルギー貯蔵システム(energy storage system、ESS)であってもよいし、移動手段は、例えば、電気自動車、ハイブリッド自動車またはスマートモビリティ(smart mobility)などの車両であってもよい。
【0029】
HVバッテリパック110は、相対的に高い電圧を出力し、外部装置の大容量負荷に電力を供給する。LVバッテリパック120は、相対的に低い電圧を出力し、外部装置の低容量負荷に電力を供給する。HVバッテリパック110から供給する電圧は、LVバッテリパック120から供給する電圧より高い。ある実施例において、大容量負荷は、車両を駆動するための負荷であってもよいし、例えば、車両のモータを含むことができる。ある実施例において、外部装置の低容量負荷は、車両の制御に使用される負荷であってもよいし、例えば、電装部品であってもよい。
【0030】
HVバッテリパック110とLVバッテリパック120は、それぞれ複数のバッテリセル(図示せず)を含む。ある実施例において、バッテリセルは、充電可能な二次電池であってもよい。各バッテリパック110または120は、所定数のバッテリセルが直列連結されているバッテリモジュールを含むことができる。ある実施例において、各バッテリパック110または120で所定数のバッテリモジュールが直列または並列連結されて所望の電力を供給することができる。
【0031】
HVバッテリパック110は、配線(図示せず)を介してバッテリ管理システム130に連結されている。例えば、HVバッテリパック110の複数のバッテリセルは、それぞれ配線を介してバッテリ管理システム130に連結される。バッテリ管理システム130は、プロセッサ131を含むことができる。プロセッサ131は、複数のバッテリセルに関する情報を含むバッテリセルに関する多様な情報を収集および分析して、バッテリセルの充電および放電、セル均等化動作、保護動作などを制御することができる。ある実施例において、プロセッサ131は、例えば、マイクロ制御装置(micro controller unit、MCU)であってもよい。ある実施例において、バッテリ管理システム130は、セル電圧監視回路のような多様な監視回路(図示せず)をさらに含むことができる。
【0032】
ある実施例において、バッテリ管理システム130は、LVバッテリパック120のバッテリセルに関する多様な情報を収集および分析して、バッテリセルの充電および放電、セル均等化動作、保護動作などを制御することができる。
【0033】
ある実施例において、バッテリ装置100は、LVバッテリパック120のための別途のバッテリ管理システム(図示せず)をさらに含むことができる。
【0034】
バッテリ管理システム130の動作素子、例えば、バッテリ管理システム130のプロセッサ131は、動作電圧を受けて動作することができる。このために、LVバッテリパック120の一部のバッテリセルからバッテリ管理システム130のための動作電圧Vccを供給することができる。これによって、電源の電圧を下げるためのDC/DC変換器、LDOレギュレータ、電圧安定化のための部品などを用いなくてもよい。ある実施例において、HVバッテリパック110の電圧は、動作電圧Vccとして提供されず、LVバッテリパック120のみから動作電圧Vccを供給することができる。これによって、動作電圧Vccの供給によって大容量負荷に供給される電力が影響を受けない。
【0035】
図2は、一実施例によるバッテリ管理システムの動作電圧の供給を説明する図である。
【0036】
図2を参照すれば、LVバッテリパック210は、直列に連結されている複数のバッテリセルを含む。説明の便宜上、図2には、6つのバッテリセルC1、C2、C3、C4、C5、C6を示したが、LVバッテリパックに含まれるバッテリセルの個数はこれに限定されない。
【0037】
LVバッテリパック210の複数のバッテリセルのうち一部の隣接したバッテリセルC1、C2が1つのバッテリセルグループを形成して、バッテリ管理システム220に動作電圧を供給する。例えば、LVバッテリパック210の各バッテリセルの電圧が2.5Vであり、バッテリ管理システム220の動作電圧が5Vである場合、2つのバッテリセルC1、C2が動作電圧を供給することができる。
【0038】
バッテリセルグループにおいて最初のバッテリセルC1の負極と最後のバッテリセルC2の正極にそれぞれ配線211、212が連結されている。配線211がバッテリ管理システム220の接地電位に相当する端子に連結され、配線212がバッテリ管理システム220の動作電圧を供給する端子に連結されている。ある実施例において、図2に示しているように、配線211がバッテリ管理システム220のプロセッサ221の接地端子、つまり、接地ピンGNDに連結され、配線212がプロセッサ221の動作電圧供給端子、つまり、動作電圧供給ピンVccに連結される。
【0039】
これによって、バッテリセルグループに含まれているバッテリセルC1、C2の電圧の合計(例えば、5V)がバッテリ管理システム220の動作電圧として供給される。
【0040】
図3および図4は、他の実施例によるバッテリ管理システムの動作電圧の供給を説明する図であり、図5は、図3に示したスイッチング回路の一例を示す図である。
【0041】
図3を参照すれば、LVバッテリパック310は、直列に連結されている複数のバッテリセルを含む。説明の便宜上、図3には、6つのバッテリセルC1、C2、C3、C4、C5、C6を示したが、LVバッテリパックに含まれるバッテリセルの個数はこれに限定されない。
【0042】
LVバッテリパック310の複数のバッテリセルが複数のバッテリセルグループG1、G2、G3にグループ化され、各バッテリセルグループGiは、バッテリ管理システム320の動作電圧に相当する電圧を供給できるバッテリセルを含む(ここで、iは1から3までの整数)。例えば、LVバッテリパック310の各バッテリセルの電圧が2.5Vであり、バッテリ管理システム320の動作電圧が5Vである場合、各バッテリセルグループGiは、2つの隣接したバッテリセルを含むことができる。つまり、1つのバッテリセルグループG1は、2つのバッテリセルC1、C2を含み、他のバッテリセルグループG2は、他の2つのバッテリセルC3、C4を含み、さらに他のバッテリセルグループG3は、さらに他の2つのバッテリセルC5、C6を含むことができる。
【0043】
バッテリセルグループG1において最初のバッテリセルC1の負極と最後のバッテリセルC2の正極にそれぞれ配線311、312が連結されている。バッテリセルグループG2において最初のバッテリセルC3の負極と最後のバッテリセルC4の正極にそれぞれ配線312、313が連結されている。この場合、バッテリセルグループG1の最後のバッテリセルC2の正極とバッテリセルグループG2の最初のバッテリセルC3の負極は共有されるので、同一の配線312がバッテリセルC2の正極とバッテリセルC3の負極に連結されている。ある実施例において、バッテリセルグループG2の最初のバッテリセルC3の負極には配線312以外に別途の配線が連結されていてもよい。同様に、バッテリセルグループG3において最初のバッテリセルC5の負極と最後のバッテリセルC6の正極にそれぞれ配線313、314が連結されている。この場合、バッテリセルグループG2の最後のバッテリセルC4の正極とバッテリセルグループG3の最初のバッテリセルC5の負極は共有されるので、同一の配線313がバッテリセルC4の正極とバッテリセルC5の負極に連結されている。ある実施例において、バッテリセルグループG3の最初のバッテリセルC5の負極には配線313以外に別途の配線が連結されていてもよい。
【0044】
バッテリ管理システム320は、スイッチング回路322を含む。スイッチング回路322は、配線311、312、313、314に連結されており、負極出力端子323と正極出力端子324とを有する。負極出力端子323は、バッテリ管理システム320の動作素子の接地端子に連結され、正極出力端子324は、バッテリ管理システム320の動作素子の動作電圧供給端子に連結されている。ある実施例において、図3に示しているように、負極出力端子323がバッテリ管理システム320のプロセッサ321の接地端子、つまり、接地ピンGNDに連結され、正極出力端子324がプロセッサ321の動作電圧供給端子、つまり、動作電圧供給ピンVccに連結される。
【0045】
スイッチング回路322は、配線311、312、313、314と負極出力端子323および正極出力端子324との連結を周期的にスイッチングする。ある実施例において、図4に示しているように、スイッチング回路322は、第1期間T1の間、配線311を負極出力端子323に、配線312を正極出力端子324に連結して、バッテリセルグループG1から動作電圧を供給することができる。第1期間T1の後に、スイッチング回路322は、第2期間T2の間、配線312を負極出力端子323に、配線313を正極出力端子324に連結して、バッテリセルグループG2から動作電圧を供給することができる。第2期間T2の後に、スイッチング回路322は、第3期間T3の間、配線313を負極出力端子323に、配線314を正極出力端子324に連結して、バッテリセルグループG3から動作電圧を供給することができる。スイッチング回路322は、第1期間T1、第2期間T2および第3期間T3を繰り返すことによって、複数のバッテリセルグループG1、G2、G3を交互に選択して動作電圧を供給することができる。これによって、特定のバッテリセルグループのみから動作電圧が供給されることによって発生しうるバッテリセル電圧の不均衡を防止することができる。
【0046】
ある実施例において、スイッチング回路322は、他の期間に切り替える時、2つのバッテリセルグループが同時に動作電圧を供給するようにしてもよい。これによって、動作電圧の供給に空白期間がないようにすることができる。
【0047】
ある実施例において、第1期間T1、第2期間T2および第3期間T3は、同一に設定可能である。
【0048】
ある実施例において、バッテリ管理システム320のプロセッサ321がスイッチング回路322の動作を制御することができる。
【0049】
ある実施例において、図5に示しているように、スイッチング回路322は、複数のスイッチS1、S2、S3、S4、S5、S6を含むことができる。スイッチS1は、配線311と負極出力端子323との間に連結され、スイッチS2は、配線312と正極出力端子324との間に連結されている。スイッチS3は、配線312と負極出力端子323との間に連結され、スイッチS4は、配線313と正極出力端子324との間に連結されている。スイッチS5は、配線313と負極出力端子323との間に連結され、スイッチS6は、配線314と正極出力端子324との間に連結されている。これによって、バッテリ管理システムは、スイッチS1、S2をターンオンしてバッテリセルグループG1を選択し、スイッチS3、S4をターンオンしてバッテリセルグループG2を選択し、スイッチS5、S6をターンオンしてバッテリセルグループG3を選択することができる。
【0050】
図6は、さらに他の実施例による電圧供給方法を示すフローチャートである。
【0051】
図6を参照すれば、バッテリ管理システムは、LVバッテリパックの複数のバッテリセルの中から1つのバッテリセルグループを選択する(S610)。選択したバッテリセルグループからバッテリ管理システムの動作素子に動作電圧を供給する(S620)。
【0052】
1つのバッテリセルグループを選択した後、所定の時間が経過していなければ(S630)、継続して、選択されたバッテリセルグループから動作電圧が供給される(S620)。1つのバッテリセルグループを選択した後、所定の時間が経過した場合、バッテリ管理システムは、LVバッテリパックから他のバッテリセルグループを選択する(S610)。これによって、新たに選択されたバッテリセルグループからバッテリ管理システムの動作素子に動作電圧を供給することができる(S620)。
【0053】
バッテリ管理システムは、S610、S620およびS630の処理を繰り返すことによって、バッテリセル電圧の均衡を保ちながらバッテリ管理システムの動作素子に動作電圧を供給することができる。
【0054】
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6