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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】半導体ウェハ及び半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/301 20060101AFI20240326BHJP
   H01L 21/3205 20060101ALI20240326BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20240326BHJP
   H01L 23/522 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
H01L21/78 L
H01L21/78 R
H01L21/88 S
H01L21/88 T
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019215610
(22)【出願日】2019-11-28
(65)【公開番号】P2021086951
(43)【公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】514315159
【氏名又は名称】株式会社ソシオネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】澤田 豊治
【審査官】境 周一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0287627(US,A1)
【文献】特開2006-093407(JP,A)
【文献】特開2013-105919(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0147018(US,A1)
【文献】特開2011-129722(JP,A)
【文献】特開2005-340423(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/301
H01L 21/3205
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のチップ領域と、
前記複数のチップ領域の間に設けられ、平面視で第1の方向に延在するスクライブ領域と、
を有し、
前記スクライブ領域は、
前記第1の方向に延在する第1の領域と、
前記第1の領域の、平面視で前記第1の方向に直交する第2の方向の両側に位置し、前記第1の方向に延在する第2の領域と、
少なくとも前記第2の領域に設けられた電極パッドと、
を有し、
前記電極パッドは、
第1の導電膜と、
前記第1の導電膜上のカバー膜と、
前記カバー膜に設けられ、前記第1の導電膜の一部を露出する開口部と、
前記第1の導電膜の下方に設けられた配線膜と、
前記第1の導電膜の下方に設けられた複数の第1のビアと、
を有し、
前記第2の領域は、前記第1の方向に延在し、前記開口部と重なる部分を有する壁状の第2のビアを含み、
前記配線膜の一部と、前記複数の第1のビアの一部が、平面視で前記開口部と重ならないことを特徴とする半導体ウェハ。
【請求項2】
前記第2の方向から視たときに、前記第2のビアは前記第2の領域にわたって設けられていることを特徴とする請求項1に記載の半導体ウェハ。
【請求項3】
前記第2のビアは、
前記第1の方向に並ぶ複数の第1の溝ビアと、
前記第1の溝ビアから、前記第2の方向にずれた位置に設けられ、前記第1の方向に並ぶ複数の第2の溝ビアと、
を有し、
前記第2の方向から視たときに、前記第1の溝ビアの少なくとも一部と前記第2の溝ビアの少なくとも一部とが重なることを特徴とする請求項2に記載の半導体ウェハ。
【請求項4】
前記第2のビアは、基板上に複数の金属膜が積層されて構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体ウェハ。
【請求項5】
前記第2のビアの前記第1の領域側に位置する側面は、前記基板から離間するほど前記第1の領域から離間することを特徴とする請求項4に記載の半導体ウェハ。
【請求項6】
前記スクライブ領域は、前記第2の方向に並んだ複数の前記電極パッドを有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の半導体ウェハ。
【請求項7】
平面視で、前記配線膜の一部及び前記複数の第1のビアの一部と、前記第1の溝ビアとの間に、前記第2の溝ビアが位置することを特徴とする請求項3に記載の半導体ウェハ。
【請求項8】
チップ領域と、
前記チップ領域の側方に設けられ、平面視で第1の方向に延在するスクライブ領域と
記スクライブ領域に設けられた電極パッドと、
を有し、
前記電極パッドは、
第1の導電膜と、
前記第1の導電膜上のカバー膜と、
前記カバー膜に設けられ、前記第1の導電膜の一部を露出する開口部と、
前記開口部の下方に設けられた配線膜と、
前記開口部の下方に設けられた複数の第1のビアと、
前記第1の方向に延在し、前記開口部と重なる部分を有する壁状の第2のビアと
有し、
前記配線膜の一部と、前記複数の第1のビアの一部が、平面視で前記開口部と重ならないことを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
平面視で前記第1の方向に直交する第2の方向から視たときに、前記第2のビアは前記スクライブ領域にわたって設けられていることを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第2のビアは、
前記第1の方向に並ぶ複数の第1の溝ビアと、
前記第1の溝ビアから、前記第2の方向にずれた位置に設けられ、前記第1の方向に並ぶ複数の第2の溝ビアと、
を有し、
前記第2の方向から視たときに、前記第1の溝ビアの少なくとも一部と前記第2の溝ビアの少なくとも一部とが重なることを特徴とする請求項9に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記スクライブ領域は、前記第2の方向に並んだ複数の前記電極パッドを有することを特徴とする請求項9又は10に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記第2のビアは、基板上に複数の金属膜が積層されて構成されていることを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記第2のビアの前記チップ領域側とは反対側に位置する側面は、前記基板から離間するほど前記チップ領域に近づくことを特徴とする請求項12に記載の半導体装置。
【請求項14】
平面視で、前記配線膜の一部及び前記複数の第1のビアの一部と、前記第1の溝ビアとの間に、前記第2の溝ビアが位置することを特徴とする請求項10に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体ウェハ及び半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造の際には、半導体ウェハに複数のチップ領域を設け、隣り合うチップ領域の間にスクライブ領域を設ける。そして、ダイシングブレードを用いてスクライブ領域内で半導体ウェハを切断し、チップを個片化する。
【0003】
半導体ウェハの切断の際に、スクライブ領域内でクラックが発生することがある。このクラックのチップ領域内への伝播を防止するために、チップ領域の縁にクラック防止構造が設けられることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-033105号公報
【文献】特開2013-197516号公報
【文献】特開2013-042071号公報
【文献】特開2011-146563号公報
【文献】国際公開第2007/074530号
【文献】特開2005-142553号公報
【文献】特開2008-258258号公報
【文献】特開2006-332533号公報
【文献】特開2003-086589号公報
【文献】特開2016-184745号公報
【非特許文献】
【0005】
【文献】Zhou-Jie Wu et al., 2018 IEEE 68th Electronic Components and Technology Conference, P656-662
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のクラック防止構造では、クラックのチップ領域内への伝播を抑制できないことがある。
【0007】
本開示の目的は、クラックのチップ領域内への伝播を防止することができる半導体ウェハ及び半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る半導体ウェハは、複数のチップ領域と、前記複数のチップ領域の間に設けられ、平面視で第1の方向に延在するスクライブ領域と、を有し、前記スクライブ領域は、前記第1の方向に延在する第1の領域と、前記第1の領域の、平面視で前記第1の方向に直交する第2の方向の両側に位置し、前記第1の方向に延在する第2の領域と、少なくとも前記第2の領域に設けられた電極パッドと、を有し、前記電極パッドは、第1の導電膜と、前記第1の導電膜上のカバー膜と、前記カバー膜に設けられ、前記第1の導電膜の一部を露出する開口部と、前記第1の導電膜の下方に設けられた配線膜と、前記第1の導電膜の下方に設けられた複数の第1のビアと、を有し、前記第2の領域は、前記第1の方向に延在し、前記開口部と重なる部分を有する壁状の第2のビアを含み、前記配線膜の一部と、前記複数の第1のビアの一部が、平面視で前記開口部と重ならない。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、クラックのチップ領域内への伝播を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施形態に係る半導体ウェハを示す図である。
図2図1中の一部の領域を拡大して示す図である。
図3】第1の実施形態におけるスクライブ領域のレイアウトを示す模式図である。
図4】第1の実施形態におけるスクライブ領域を示す断面図(その1)である。
図5】第1の実施形態におけるスクライブ領域を示す断面図(その2)である。
図6】第1の実施形態におけるスクライブ領域を示す断面図(その3)である。
図7】第1の実施形態におけるスクライブ領域を示す断面図(その4)である。
図8】第1の実施形態における個片化後の半導体装置を示す図である。
図9】第1の実施形態における個片化後のスクライブ領域のレイアウトを示す図である。
図10】第1の実施形態における個片化後のスクライブ領域を示す断面図(その1)である。
図11】第1の実施形態における個片化後のスクライブ領域を示す断面図(その2)である。
図12】第1の実施形態の第1の変形例におけるスクライブ領域を示す断面図(その1)である。
図13】第1の実施形態の第1の変形例におけるスクライブ領域を示す断面図(その2)である。
図14】第1の実施形態の第2の変形例におけるスクライブ領域のレイアウトを示す模式図である。
図15】第1の実施形態の第2の変形例における個片化後のスクライブ領域のレイアウトを示す図である。
図16】第1の実施形態の第3の変形例におけるスクライブ領域のレイアウトを示す模式図である。
図17】第1の実施形態の第3の変形例における個片化後のスクライブ領域のレイアウトを示す図である。
図18】第2の実施形態におけるスクライブ領域のレイアウトを示す模式図である。
図19】第2の実施形態の第1の変形例におけるスクライブ領域のレイアウトを示す模式図である。
図20】第2の実施形態の第2の変形例におけるスクライブ領域のレイアウトを示す模式図である。
図21】第2の実施形態の第3の変形例におけるスクライブ領域のレイアウトを示す模式図である。
図22】第3の実施形態におけるスクライブ領域のレイアウトを示す模式図である。
図23】第3の実施形態におけるスクライブ領域を示す断面図である。
図24】第3の実施形態の変形例における電極パッドのレイアウトを示す模式図である。
図25】第3の実施形態の変形例における電極パッドを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態について添付の図面を参照しながら具体的に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省くことがある。また、以下の説明において、基板の表面に平行で互いに直交する2つの方向をX方向、Y方向とし、基板の表面に垂直な方向をZ方向とする。また、X方向およびY方向からなる面を表す際に、平面視と呼ぶことがある。
【0012】
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態について説明する。図1は、第1の実施形態に係る半導体ウェハを示す図である。図2は、図1中の一部の領域2を拡大して示す図である。
【0013】
図1及び図2に示すように、半導体ウェハ1は、X方向及びY方向に並ぶ複数のチップ領域3を有する。X方向で隣り合うチップ領域3の間には、Y方向に延在するスクライブ領域4Yが設けられ、Y方向で隣り合うチップ領域3の間には、X方向に延在するスクライブ領域4Xが設けられている。スクライブ領域4X及び4Yには、モニタパターン(図示せず)が設けられており、モニタパターンに接続された電極パッド5がスクライブ領域4X及び4Yの表面に設けられている。
【0014】
ここで、スクライブ領域4Xの構成について説明する。図3は、第1の実施形態におけるスクライブ領域4Xのレイアウトを示す模式図である。図4図7は、第1の実施形態におけるスクライブ領域4Xを示す断面図である。図4は、図3中のIV-IV線に沿った断面図に相当する。図5は、図3中のV-V線に沿った断面図に相当する。図6は、図3中のVI-VI線に沿った断面図に相当する。図7は、図3中のVII-VIII線に沿った断面図に相当する。
【0015】
まず、スクライブ領域4Xの断面構成について説明する。図4図7に示すように、シリコン基板等の基板101上に第1の層間絶縁膜111が形成されている。第1の層間絶縁膜111中にビア121が形成されている。第1の層間絶縁膜111は、例えば、酸炭化シリコン(SiOC)、酸窒化シリコン(SiON)又は酸化シリコン(SiO)等の膜である。ビア121は、例えば、タングステン(W)、ルテニウム(Ru)又はコバルト(Co)等の膜と、この膜の下に形成されたチタン(Ti)又は窒化チタン(TiN)等の下地膜とを含む。
【0016】
第1の層間絶縁膜111上に第2の層間絶縁膜112が形成されている。第2の層間絶縁膜112中に配線膜132が形成されている。第2の層間絶縁膜112は、例えば、酸炭化シリコン(SiOC)、酸窒化シリコン(SiON)又は酸化シリコン(SiO)等の膜である。配線膜132は、例えば、銅(Cu)又はルテニウム(Ru)等の膜と、この膜の下に形成されたチタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、タンタル(Ta)又は窒化タンタル(TaN)等の下地膜とを含む。なお、配線膜132の材料がルテニウム(Ru)である場合、下地膜の形成を省略してもよい。
【0017】
第2の層間絶縁膜112上に複数の第3の層間絶縁膜113が形成されている。第3の層間絶縁膜113中にビア123と配線膜133とが形成されている。配線膜133はビア123上に形成され、配線膜133及びビア123はデュアルダマシン構造を有する。ビア123は、当該ビア123の直下の配線膜132又は133に接続されている。第3の層間絶縁膜113は、例えば、酸炭化シリコン(SiOC)、酸窒化シリコン(SiON)又は酸化シリコン(SiO)等の膜である。配線膜133及びビア123は、例えば、銅(Cu)又はルテニウム(Ru)等の膜と、この膜の下に形成されたチタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、タンタル(Ta)又は窒化タンタル(TaN)等の下地膜とを含む。なお、配線膜133の材料がルテニウム(Ru)である場合、下地膜の形成を省略してもよい。
【0018】
複数の第3の層間絶縁膜113のうちで最上層の第3の層間絶縁膜113上に第4の層間絶縁膜114が形成されている。第4の層間絶縁膜114上に導電膜134が形成されている。第4の層間絶縁膜114にビアホール144が形成されており、導電膜134はビアホール144を介して配線膜133に接続されている。第4の層間絶縁膜114及び導電膜134上にカバー膜116が形成されている。カバー膜116には、導電膜134の一部を露出する開口部146が形成されている。第4の層間絶縁膜114は、例えば、酸化シリコン(SiO)等の膜である。導電膜134は、例えば、アルミニウム(Al)等の膜である。
【0019】
次に、スクライブ領域4Xのレイアウトについて説明する。図3に示すように、スクライブ領域4Xは、X方向に延在する第1の領域10と、第1の領域10のY方向の両側に位置し、第1の方向に延在する第2の領域20とを有する。第1の領域10の幅は、概ねダイシングブレードの厚さと等しい。
【0020】
各第2の領域20に、第1の溝ビア21と、第2の溝ビア22とが設けられている。第1の溝ビア21及び第2の溝ビア22はX方向に延在する。第1の溝ビア21は第2の溝ビア22よりも第1の領域10から離れて配置されている。
【0021】
第1の溝ビア21内では、図7に示すように、ビア121、配線膜132、複数のビア123、複数の配線膜133及び導電膜134が積層されている。つまり、ビア121、配線膜132、複数のビア123、複数の配線膜133及び導電膜134の金属膜の積層体が壁を構成している。
【0022】
第2の溝ビア22内でも、ビア121、配線膜132、複数のビア123、複数の配線膜133及び導電膜134が積層されている。つまり、ビア121、配線膜132、複数のビア123、複数の配線膜133及び導電膜134の金属膜の積層体が壁を構成している。
【0023】
カバー膜116の開口部146は、X方向に平行な2辺と、Y方向に平行な2辺とを備えた矩形状の平面形状を有している。第1の溝ビア21は、平面視で開口部146と重なる部分を有する。一方、第2の溝ビア22は、X方向で開口部146から離間して配置されている。
【0024】
各第2の領域20において、第2の溝ビア22は、Y方向から視たときに、当該第2の溝ビア22のX方向負側の端部が一つの第1の溝ビア21と重なり、X方向正側の端部が他の一つの第1の溝ビア21と重なるようにして配置されている。その逆に、第1の溝ビア21は、Y方向から視たときに、当該第1の溝ビア21のX方向負側の端部が一つの第2の溝ビア22と重なり、X方向正側の端部が他の一つの第2の溝ビア22と重なるようにして配置されている。従って、Y方向から視ると、複数の溝ビアからなる溝ビアの壁がスクライブ領域4Xの全体にわたって連続して設けられている。なお、当該溝ビアの壁がスクライブ領域4Xの一部のみにわたって設けられていてもよい。
【0025】
図3図7での図示を省略するが、スクライブ領域4Xにモニタパターンが設けられており、導電膜134はモニタパターンに接続されている。そして、導電膜134の開口部146から露出した部分が、モニタパターンを用いた特性試験時に電極パッド5として用いられる。
【0026】
スクライブ領域4Yは、第1の領域10及び第2の領域20等の各構成要素の向きが相違していることを除き、スクライブ領域4Xと同様の構成を有する。従って、スクライブ領域4Yの各第2の領域20において、第2の溝ビア22は、X方向から視たときに、当該第2の溝ビア22のY方向負側の端部が一つの第1の溝ビア21と重なり、Y方向正側の端部が他の一つの第1の溝ビア21と重なるようにして配置されている。その逆に、第1の溝ビア21は、X方向から視たときに、当該第1の溝ビア21のY方向負側の端部が一つの第2の溝ビア22と重なり、Y方向正側の端部が他の一つの第2の溝ビア22と重なるようにして配置されている。従って、X方向から視ると、複数の溝ビアからなる溝ビアの壁がスクライブ領域4Yの全体にわたって連続して設けられている。なお、当該溝ビアの壁がスクライブ領域4Yの一部のみにわたって設けられていてもよい。
【0027】
例えば、スクライブ領域4X内の溝ビア21及び22は、Y方向で電極パッド5のY方向の両縁よりも内側に配置されている。同様に、例えば、スクライブ領域4Y内の溝ビア21及び22が、X方向で電極パッド5のX方向の両縁よりも内側に配置されている。
【0028】
半導体ウェハ1は、特性試験の後、ダイシングブレードを用いてスクライブ領域4X及び4Y内で切断され、複数の半導体装置に個片化される。図8は、第1の実施形態における個片化後の半導体装置を示す図である。図9は、第1の実施形態における個片化後のスクライブ領域4Xのレイアウトを示す図である。図10及び図11は、第1の実施形態における個片化後のスクライブ領域4Xを示す断面図である。図10は、図9中のX-X線に沿った断面図に相当する。図11は、図9中のXI-XI線に沿った断面図に相当する。
【0029】
半導体ウェハ1の切断の際には、第1の領域10の幅と同程度の厚さを有するダイシングブレードが用いられ、第1の領域10がダイシングブレードにより削られる。この結果、第1の領域10が消失し、複数の半導体装置6が得られる。
【0030】
図8に示すように、半導体装置6は、チップ領域3と、スクライブ領域4Xの残部と、スクライブ領域4Yの残部とを有する。図9図11に示すように、スクライブ領域4X及び4Yの残部は、一方の第2の領域20と凡そ一致する。つまり、Y方向から視ると、複数の溝ビアからなる溝ビアの壁がスクライブ領域4Xの残部の全体にわたって連続して設けられている。同様に、X方向から視ると、複数の溝ビアからなる溝ビアの壁がスクライブ領域4Yの残部の全体にわたって連続して設けられている。なお、当該溝ビアの壁がスクライブ領域4Xの残部の一部のみ、又はスクライブ領域4Yの残部の一部のみにわたって設けられていてもよい。
【0031】
半導体ウェハ1の切断の際に、スクライブ領域4X内でクラック9が発生することがある。クラック9は、図9図11に示すように、半導体装置6の切断面(側面)6Aを起点とし、2つの絶縁膜の界面や絶縁膜と金属膜との間の界面に沿って伝播しやすい。第1の実施形態では、切断面6Aとチップ領域3との間に、溝ビア21又は22が存在し、溝ビア21及び22内では、ビア121、配線膜132、複数のビア123、複数の配線膜133及び導電膜134の金属膜の積層体が壁を構成している(図7参照)。このため、クラック9がチップ領域3に向かって伝播したとしても、図9に示すように、クラック9の伝播は、少なくとも溝ビア21又は22の一方で遮られる。
【0032】
このように、第1の実施形態によれば、クラック9のチップ領域3内への伝播を防止することができる。
【0033】
また、第1の実施形態では、スクライブ領域4X内の溝ビア21及び22が、Y方向で電極パッド5のY方向の両縁よりも内側に配置されているため、他の電極パッド5の配置への妨げとなりにくい。同様に、スクライブ領域4Y内の溝ビア21及び22が、X方向で電極パッド5のX方向の両縁よりも内側に配置されているため、他の電極パッド5の配置への妨げとなりにくい。
【0034】
なお、第1の領域10の幅がダイシングブレードの厚さと一致している必要はない。第1の領域10の全体が消失している必要はなく、第1の領域10の一部が残存していてもよい。また、第2の領域20の全体が残存している必要はなく、第2の領域20の一部が消失していてもよい。
【0035】
ビア123がシングルダマシン構造を有していてもよい。この場合、ビア123がタングステン(W)、ルテニウム(Ru)又はコバルト(Co)等の膜と、この膜の下に形成されたチタン(Ti)又は窒化チタン(TiN)等の下地膜とを含んでもよい。
【0036】
(第1の実施形態の第1の変形例)
次に、第1の実施形態の第1の変形例について説明する。第1の変形例は、主に、導電膜134の構成の点で第1の実施形態と相違する。図12及び図13は、第1の実施形態の第1の変形例におけるスクライブ領域4Xを示す断面図である。図12は、図3中のIV-IV線に沿った断面図に相当する。図13は、図3中のV-V線に沿った断面図に相当する。
【0037】
第1の変形例では、図12及び図13に示すように、第4の層間絶縁膜114の平面視で電極パッド5と重なる部分に開口部145が形成されている。開口部145は、第1の実施形態における第1の溝ビア21内のビアホール144を包含するようにして形成されている。また、開口部145は、Y方向で隣り合う第2の溝ビア22の間にも広がっている。
【0038】
第1の変形例においても、スクライブ領域4Yは、第1の領域10及び第2の領域20等の各構成要素の向きが相違していることを除き、スクライブ領域4Xと同様の構成を有する。
【0039】
他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0040】
第1の変形例によっても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0041】
(第1の実施形態の第2の変形例)
次に、第1の実施形態の第2の変形例について説明する。第2の変形例は、主に、溝ビアの配置の点で第1の実施形態と相違する。図14は、第1の実施形態の第2の変形例におけるスクライブ領域4Xのレイアウトを示す模式図である。
【0042】
第2の変形例では、図14に示すように、第2の溝ビア22よりも第1の領域10から離れて配置される第1の溝ビア21が、X方向で開口部146から離間して配置されている。一方、第2の溝ビア22は、平面視で開口部146と重なる部分を有する。
【0043】
第2の変形例においても、スクライブ領域4Yは、第1の領域10及び第2の領域20等の各構成要素の向きが相違していることを除き、スクライブ領域4Xと同様の構成を有する。
【0044】
他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0045】
図15は、第1の実施形態の第2の変形例における個片化後のスクライブ領域4Xのレイアウトを示す図である。図15に示すように、第1の実施形態と同様に、スクライブ領域4X及び4Yの残部は、一方の第2の領域20と凡そ一致する。つまり、Y方向から視ると、複数の溝ビアからなる溝ビアの壁がスクライブ領域4Xの残部の全体にわたって連続して設けられている。同様に、X方向から視ると、複数の溝ビアからなる溝ビアの壁がスクライブ領域4Yの残部の全体にわたって連続して設けられている。なお、当該溝ビアの壁がスクライブ領域4Xの一部のみ、又はスクライブ領域4Yの一部のみにわたって設けられていてもよい。
【0046】
第2の変形例によっても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0047】
(第1の実施形態の第3の変形例)
次に、第1の実施形態の第3の変形例について説明する。第3の変形例は、主に、溝ビアの配置の点で第1の実施形態と相違する。図16は、第1の実施形態の第3の変形例におけるスクライブ領域4Xのレイアウトを示す模式図である。
【0048】
第3の変形例では、図16に示すように、第2の変形例と同様に、第2の溝ビア22よりも第1の領域10から離れて配置される第1の溝ビア21が、X方向で開口部146から離間して配置されている。一方、第2の溝ビア22は、平面視で開口部146と重なる部分を有する。
【0049】
第3の変形例では、各第2の領域20に、更に、第3の溝ビア23が設けられている。第3の溝ビア23はX方向に延在する。第3の溝ビア23は第2の溝ビア22よりも第1の領域10側に配置されている。第3の溝ビア23は、X方向で第1の溝ビア21と同程度の位置に配置されている。第3の溝ビア23は、第1の溝ビア21と同様の断面構成を備える。
【0050】
第3の変形例では、スクライブ領域4X内においてY方向で隣り合う第3の溝ビア23の間に第4の溝ビア24が設けられている。第4の溝ビア24はX方向に延在する。第4の溝ビア24は第1の領域10内に配置されていてもよい。第4の溝ビア24は、X方向で第2の溝ビア22と同程度の位置に配置されている。第4の溝ビア24は、第1の溝ビア21と同様の断面構成を備える。
【0051】
第3の変形例においても、スクライブ領域4Yは、第1の領域10及び第2の領域20等の各構成要素の向きが相違していることを除き、スクライブ領域4Xと同様の構成を有する。
【0052】
他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0053】
図17は、第1の実施形態の第3の変形例における個片化後のスクライブ領域4Xのレイアウトを示す図である。図17に示すように、第1の実施形態と同様に、スクライブ領域4X及び4Yの残部は、一方の第2の領域20と凡そ一致する。つまり、Y方向から視ると、第複数の溝ビアからなる溝ビアの壁がスクライブ領域4Xの残部の全体にわたって連続して設けられている。同様に、X方向から視ると、複数の溝ビアからなる溝ビアの壁がスクライブ領域4Yの残部の全体にわたって連続して設けられている。
【0054】
第3の変形例によっても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0055】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、主に、スクライブ領域の幅方向に並び電極パッドの数の点で第1の実施形態と相違する。図18は、第2の実施形態におけるスクライブ領域4Xのレイアウトを示す模式図である。
【0056】
第2の実施形態では、スクライブ領域4X内において複数の電極パッド5(図2参照)がY方向に2列に並ぶようにして配置され、これに伴ってカバー膜116に開口部146がY方向に2列に並ぶようにして形成されている。そして、各開口部146に対応するようにして、第1の実施形態と同様に導電膜134等が形成されている。
【0057】
第2の実施形態においても、スクライブ領域4Yは、第1の領域10及び第2の領域20等の各構成要素の向きが相違していることを除き、スクライブ領域4Xと同様の構成を有する。
【0058】
他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0059】
個片化後のスクライブ領域4Xにおいて、スクライブ領域4X及び4Yの残部は、一方の第2の領域20と凡そ一致する。つまり、Y方向から視ると、複数の溝ビアからなる溝ビアの壁がスクライブ領域4Xの全体にわたって連続して設けられている。同様に、X方向から視ると、複数の溝ビアからなる溝ビアの壁がスクライブ領域4Yの全体にわたって連続して設けられている。なお、当該溝ビアの壁がスクライブ領域4Xの残部の一部のみ、又はスクライブ領域4Yの残部の一部のみにわたって設けられていてもよい。
【0060】
第2の実施形態によれば、溝ビアがより多重に設けられているため、クラックの伝播をより抑制することができる。
【0061】
(第2の実施形態の第1の変形例)
次に、第2の実施形態の第1の変形例について説明する。第1の変形例は、主に、スクライブ領域の幅方向に並び電極パッドの数の点で第1の実施形態と相違する。図19は、第2の実施形態の第1の変形例におけるスクライブ領域4Xのレイアウトを示す模式図である。
【0062】
第1の変形例では、スクライブ領域4X内において複数の電極パッド5(図2参照)がY方向に3列に並ぶようにして配置され、これに伴ってカバー膜116に開口部146(146A及び146B)がY方向に3列に並ぶようにして形成されている。そして、Y方向に並ぶ3列の開口部146のうちで中央に位置する開口部146Aに対応するようにして、第1の実施形態と同様に導電膜134等が形成されている。また、Y方向に並ぶ3列の開口部146のうちで両外側に位置するそれぞれ1列の開口部146Bに対応するようにして、X方向に延在する第5の溝ビア25が形成されている。第5の溝ビア25は、第1の溝ビア21と同様の断面構成を備える。1つの開口部146Bに対して、複数の第5の溝ビア25がY方向に並んで配置されている。
【0063】
第1の変形例においても、スクライブ領域4Yは、第1の領域10及び第2の領域20等の各構成要素の向きが相違していることを除き、スクライブ領域4Xと同様の構成を有する。
【0064】
他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0065】
第1の変形例によれば、溝ビアがより多重に設けられているため、クラックの伝播をより抑制することができる。
【0066】
(第2の実施形態の第2の変形例)
次に、第2の実施形態の第2の変形例について説明する。第2の変形例は、主に、スクライブ領域の幅方向に並び電極パッドの数の点で第1の実施形態と相違する。図20は、第2の実施形態の第2の変形例におけるスクライブ領域4Xのレイアウトを示す模式図である。
【0067】
第2の変形例では、スクライブ領域4X内において複数の電極パッド5(図2参照)がY方向に4列に並ぶようにして配置され、これに伴ってカバー膜116に開口部146(146A及び146B)がY方向に4列に並ぶようにして形成されている。そして、Y方向に並ぶ4列の開口部146のうちで中央に位置する2列の開口部146Aに対応するようにして、第1の実施形態と同様に導電膜134等が形成されている。また、Y方向に並ぶ4列の開口部146のうちで両外側に位置するそれぞれ1列の開口部146Bに対応するようにして、X方向に延在する第5の溝ビア25が形成されている。1つの開口部146Bに対して、複数の第5の溝ビア25がY方向に並んで配置されている。
【0068】
第2の変形例においても、スクライブ領域4Yは、第1の領域10及び第2の領域20等の各構成要素の向きが相違していることを除き、スクライブ領域4Xと同様の構成を有する。
【0069】
他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0070】
第2の変形例によれば、溝ビアがより多重に設けられているため、クラックの伝播をより抑制することができる。
【0071】
(第2の実施形態の第3の変形例)
次に、第2の実施形態の第3の変形例について説明する。第3の変形例は、主に、スクライブ領域の幅方向に並び電極パッドの数の点で第1の実施形態と相違する。図21は、第2の実施形態の第3の変形例におけるスクライブ領域4Xのレイアウトを示す模式図である。
【0072】
第3の変形例では、スクライブ領域4X内において複数の電極パッド5(図2参照)がY方向に5列に並ぶようにして配置され、これに伴ってカバー膜116に開口部146(146A及び146B)がY方向に5列に並ぶようにして形成されている。そして、Y方向に並ぶ5列の開口部146のうちで中央に位置する1列の開口部146Aに対応するようにして、第1の実施形態と同様に導電膜134等が形成されている。また、Y方向に並ぶ5列の開口部146のうちで両外側に位置するそれぞれ2列の開口部146Bに対応するようにして、X方向に延在する第5の溝ビア25が形成されている。1つの開口部146Bに対して、複数の第5の溝ビア25がY方向に並んで配置されている。
【0073】
第3の変形例においても、スクライブ領域4Yは、第1の領域10及び第2の領域20等の各構成要素の向きが相違していることを除き、スクライブ領域4Xと同様の構成を有する。
【0074】
他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0075】
第3の変形例によれば、溝ビアがより多重に設けられているため、クラックの伝播をより抑制することができる。
【0076】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、主に、溝ビアの断面構成の点で第1の実施形態と相違する。図22は、第3の実施形態におけるスクライブ領域4Xのレイアウトを示す模式図である。図23は、第3の実施形態におけるスクライブ領域4Xを示す断面図である。図23は、図22中のXXIII-XXIII線に沿った断面図に相当する。
【0077】
第3の実施形態では、スクライブ領域4Xに、第1の実施形態、第1の実施形態の諸変形例、第2の実施形態及び第2の実施形態の諸変形例の領域に加えて、図22及び図23に示す領域が設けられている。図22及び図23に示す領域では、第2の領域20に形成された各開口部146において、当該開口部146から露出する電極パッドの下に設けられた第5の溝ビア25のうちで最も第1の領域10側に位置する第5の溝ビア25Aの構成が他の第5の溝ビア25の構成と相違する。図23には、第5の溝ビア25Aの構成に関して2つの例を示してある。なお、図23には、Z方向の一部のみを図示しており、配線膜132の下に形成されている第1の層間絶縁膜111等及び2つの配線膜133の上に形成されている第3の層間絶縁膜113等の図示を省略してある。
【0078】
図23(a)に示す第1の例では、第5の溝ビア25Aを構成する複数のビア123の位置が、Z方向正側ほど(基板101から離間するほど)、第1の領域10から離間するように配置されている。また、配線膜133の第1の領域10側の側面は、当該配線膜133の直下に位置するビア123の第1の領域10側の側面と面一になっている。このような構成において、例えば、配線膜132の表面に沿ってクラック90が伝播した場合、クラック90はビア123によってY方向への伝播を妨げられる。クラック90が更に伝播した場合でも、クラック90はビア123及び配線膜133の側面に沿ってZ方向正側に伝播しやすく、Y方向には伝播しにくい。このため、クラック90が大きなエネルギで伝播しようとしていても、チップ領域3(図2参照)までの到達は抑制することができる。
【0079】
図23(b)に示す第2の例では、第5の溝ビア25Aを構成する複数のビア123の各々の第1の領域10側の側面と、各配線膜133の第1の領域10側の側面とが面一になっている。このような構成においても、例えば、配線膜132の表面に沿ってクラック90が伝播した場合、クラック90はビア123によってY方向への伝播を妨げられる。クラック90が更に伝播した場合でも、クラック90はビア123及び配線膜133の側面に沿ってZ方向正側に伝播しやすく、Y方向には伝播しにくい。このため、クラック90が大きなエネルギで伝播しようとしていても、チップ領域3(図2参照)までの到達は抑制することができる。
【0080】
第3の実施形態においても、スクライブ領域4Yは、第1の領域10及び第2の領域20等の各構成要素の向きが相違していることを除き、スクライブ領域4Xと同様の構成を有する。
【0081】
他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0082】
第3の実施形態によれば、第5の溝ビア25Aが設けられているため、クラックの伝播をより抑制することができる。
【0083】
(第3の実施形態の変形例)
次に、第3の実施形態の変形例について説明する。変形例は、主に、溝ビアのレイアウトの点で第3の実施形態と相違する。図24は、第3の実施形態の変形例における電極パッドのレイアウトを示す模式図である。図25は、第3の実施形態の変形例における電極パッドを示す断面図である。図25は、図24中のXXV-XXV線に沿った断面図に相当する。
【0084】
第3の実施形態の変形例では、開口部146が正方形に形成され、第5の溝ビア25Aを含む第5の溝ビア25が、平面視で開口部146の内側に環状に形成されている。
【0085】
図24(a)に示す第1の例では、第5の溝ビア25Aを構成する複数のビア123の位置が、Z方向正側ほど(基板101から離間するほど)、第1の領域10から離間するように配置されている。また、配線膜133の第1の領域10側の側面は、当該配線膜133の直下に位置するビア123の第1の領域10側の側面と面一になっている。このような構成において、クラック90が大きなエネルギで伝播しようとしていても、チップ領域3(図2参照)までの到達は抑制することができる。
【0086】
図24(b)に示す第2の例では、第5の溝ビア25Aを構成する複数のビア123の各々の第1の領域10側の側面と、各配線膜133の第1の領域10側の側面とが面一になっている。このような構成において、クラック90が大きなエネルギで伝播しようとしていても、チップ領域3(図2参照)までの到達は抑制することができる。
【0087】
変形例においても、スクライブ領域4Yは、第1の領域10及び第2の領域20等の各構成要素の向きが相違していることを除き、スクライブ領域4Xと同様の構成を有する。
【0088】
他の構成は第3の実施形態と同様である。
【0089】
第3の実施形態の変形例によれば、第5の溝ビア25Aが設けられているため、クラックの伝播をより抑制することができる。また、第3の実施形態の変形例における電極パッドは、レイアウトの変更をせずとも、そのままスクライブ領域4Yに配置することができる。
【0090】
第3の実施形態又はその変形例における第5の溝ビア25Aと同様の構成を、第1~第4の溝ビア21~24に適用してもよい。すなわち、これら溝ビアを構成する膜の上面(基板101側の面とは反対側の面)の全体が、基板101の上面側から視えるように構成されていてもよい。
【0091】
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0092】
1:半導体ウェハ
3:チップ領域
4X、4Y:スクライブ領域
5:電極パッド
6:半導体装置
10、20:領域
21、22、23、24、25、25A:溝ビア
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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