(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】自動運転ユニット及び、該自動運転ユニットを備えたクレーン装置
(51)【国際特許分類】
B66C 13/48 20060101AFI20240326BHJP
B66C 13/00 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
B66C13/48 C
B66C13/00 D
(21)【出願番号】P 2020018381
(22)【出願日】2020-02-05
【審査請求日】2023-01-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(74)【代理人】
【識別番号】100171619
【氏名又は名称】池田 顕雄
(74)【復代理人】
【識別番号】110000213
【氏名又は名称】弁理士法人プロスペック特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110002550
【氏名又は名称】AT特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】吉本 和哲
(72)【発明者】
【氏名】山下 晃
(72)【発明者】
【氏名】恩田 友美
【審査官】太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-093633(JP,A)
【文献】特開平08-310787(JP,A)
【文献】特開2014-126321(JP,A)
【文献】特開2001-270682(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 13/00-15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に互いに並行に延びる一対の第1及び第2レールと、前記第1方向と直交する第2方向に延びると共に、前記第1及び第2レールに沿って前記第1方向に移動可能な第1移動体と、該第1移動体に沿って前記第2方向に移動可能な第2移動体と、該第2移動体に一体移動可能に設けられると共に、所定の荷を搬送可能な搬送部と、前記第1及び第2移動体に移動力を付与する駆動源と、を備えるクレーン装置の自動運転ユニットであって、
所定の基準位置に対する前記搬送部の前記第1及び第2方向の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
取得される前記位置情報と、予め設定した前記搬送部の前記基準位置に対する前記第1及び第2方向の目標位置とに基づいて前記駆動源の駆動を制御することにより、前記クレーン装置を自動運転する制御手段と、を備え
ており、
前記位置情報取得手段は、
前記第1移動体の前記第2方向の一端部に設けられており、前記第1レールの一端からの相対距離、前記第1レールの他端からの相対距離及び、前記第2移動体からの相対距離を検出可能な第1センサと、
前記第1移動体の前記第2方向の他端部に設けられており、前記第2レールの一端からの相対距離、前記第2レールの他端からの相対距離及び、前記第2移動体からの相対距離を検出可能な第2センサと、を有しており、
前記第1及び第2センサにより検出される前記相対距離に基づいて、前記搬送部の前記基準位置に対する前記位置情報を取得する
ことを特徴とする自動運転ユニット。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記第1センサにより検出される前記第1レールの一端からの相対距離と、前記第2センサにより検出される前記第2レールの一端からの相対距離との差が所定の閾値を超えた場合、又は、前記第1センサにより検出される前記第1レールの他端からの相対距離と、前記第2センサにより検出される前記第2レールの他端からの相対距離との差が所定の閾値を超えた場合に、前記自動運転を停止する
請求項
1に記載の自動運転ユニット。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記第1センサにより検出される前記第2移動体からの相対距離及び、前記第2センサにより検出される前記第2移動体からの相対距離の加算値と、前記第1及び第2センサの離間距離との差が所定の閾値を超えた場合に、前記自動運転を停止する
請求項
1又は2に記載の自動運転ユニット。
【請求項4】
前記目標位置として、前記搬送部により搬送される荷を投入するホッパの上方位置が設定されており、
前記ホッパの上方に設けられて、該ホッパの内部を撮像可能なデプスカメラをさらに備えており、
前記制御手段は、
前記搬送部が前記ホッパ上方の前記目標位置に到達すると、前記デプスカメラの画像データに基づいて、前記ホッパ内の被投入物の残量を取得すると共に、該残量が所定の閾値量まで減少すると、前記搬送部から前記ホッパに荷を投入させる
請求項1から
3の何れか一項に記載の自動運転ユニット。
【請求項5】
請求項1から
4の何れか一項に記載の自動運転ユニットを備えたクレーン装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、自動運転ユニット及び、該自動運転ユニットを備えたクレーン装置に関し、特に、既設の天井クレーンの自動運転化に好適な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、山岳トンネル等の土木建築現場に設置されるコンクリートプラント(バッチャープラント)は、セメントサイロ、水タンク、ミキサ、計量部、ホッパ、天井クレーン等を備えており、セメントサイロから供給されるセメントと、水タンクから供給される水と、天井クレーンによりホッパに投入される骨材とを計量部で計量し、これらをミキサで混錬することにより、所望のコンクリートを製造する。この種のバッチャープラントで用いられる天井クレーンは、例えば、特許文献1,2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5604015号
【文献】特開平11-256867号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記バッチャープラントの省人化や効率化を図るには、天井クレーンの運転をオペレータによるマニュアル操作ではなく、自動化することが望まれる。このような天井クレーンの自動運転化には、クラムバケットをホッパ上方等の所望の目標位置に正確に移動させる位置決め制御が重要となる。
【0005】
位置決め制御の精度を向上するには、天井クレーンの駆動源を応答性や制御性に優れたサーボモータ等にすることが考えられる。しかしながら、既設の天井クレーンの駆動源を置き換える場合には、クレーンの構造自体の見直しや設計変更、大掛かりな改造が必要となり、コストが嵩むといった課題がある。
【0006】
本開示の技術は、上記事情に鑑みてなされたものであり、簡素な構成で、クレーン装置の自動運転化を容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の自動運転ユニットは、第1方向に互いに並行に延びる一対の第1及び第2レールと、前記第1方向と直交する第2方向に延びると共に、前記第1及び第2レールに沿って前記第1方向に移動可能な第1移動体と、該第1移動体に沿って前記第2方向に移動可能な第2移動体と、該第2移動体に一体移動可能に設けられると共に、所定の荷を搬送可能な搬送部と、前記第1及び第2移動体に移動力を付与する駆動源と、を備えるクレーン装置の自動運転ユニットであって、所定の基準位置に対する前記搬送部の前記第1及び第2方向の位置情報を取得する位置情報取得手段と、取得される前記位置情報と、予め設定した前記搬送部の前記基準位置に対する前記第1及び第2方向の目標位置とに基づいて前記駆動源の駆動を制御することにより、前記クレーン装置を自動運転する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、前記位置情報取得手段は、前記第1移動体の前記第2方向の一端部に設けられており、前記第1レールの一端からの相対距離、前記第1レールの他端からの相対距離及び、前記第2移動体からの相対距離を検出可能な第1センサと、前記第1移動体の前記第2方向の他端部に設けられており、前記第2レールの一端からの相対距離、前記第2レールの他端からの相対距離及び、前記第2移動体からの相対距離を検出可能な第2センサと、を有しており、前記第1及び第2センサにより検出される前記相対距離に基づいて、前記搬送部の前記基準位置に対する前記位置情報を取得することが好ましい。
【0009】
また、前記制御手段は、前記第1センサにより検出される前記第1レールの一端からの相対距離と、前記第2センサにより検出される前記第2レールの一端からの相対距離との差が所定の閾値を超えた場合、又は、前記第1センサにより検出される前記第1レールの他端からの相対距離と、前記第2センサにより検出される前記第2レールの他端からの相対距離との差が所定の閾値を超えた場合に、前記自動運転を停止することが好ましい。
【0010】
また、前記制御手段は、前記第1センサにより検出される前記第2移動体からの相対距離及び、前記第2センサにより検出される前記第2移動体からの相対距離の加算値と、前記第1及び第2センサの離間距離との差が所定の閾値を超えた場合に、前記自動運転を停止することが好ましい。
【0011】
また、前記目標位置として、前記搬送部により搬送される荷を投入するホッパの上方位置が設定されており、前記ホッパの上方に設けられて、該ホッパの内部を撮像可能なデプスカメラをさらに備えており、前記制御手段は、前記搬送部が前記ホッパ上方の前記目標位置に到達すると、前記デプスカメラの画像データに基づいて、前記ホッパ内の被投入物の残量を取得すると共に、該残量が所定の閾値量まで減少すると、前記搬送部から前記ホッパに荷を投入させることが好ましい。
【0012】
本開示のクレーン装置は、前記自動運転ユニットを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本開示の技術によれば、簡素な構成で、クレーン装置の自動運転化を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本実施形態に係る天井クレーンの模式的な上視図である。
【
図2】本実施形態に係る天井クレーンの模式的な側面図である。
【
図3】本実施形態に係る制御装置及び、関連する周辺構成を示す模式的な機能ブロック図である。
【
図4】本実施形態に係る走行制御の一例を説明する模式的なタイミングチャート図である。
【
図5】本実施形態に係る横行制御の一例を説明する模式的なタイミングチャート図である。
【
図6】本実施形態に係る掴み取り制御の一例を説明する模式図である。
【
図7】本実施形態に係る投入制御の一例を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面に基づいて、本実施形態に係る自動運転ユニット及び、該自動運転ユニットを備えたクレーン装置について説明する。同一の部品には同一の符号を付してあり、それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0016】
[全体構成]
図1は、本実施形態に係る天井クレーン10の模式的な上視図であり、
図2は、本実施形態に係る天井クレーン10の模式的な側面図である。
【0017】
図1及び
図2に示すように、天井クレーン10(本開示のクレーン装置の一例)は、バッチャープラント等の骨材貯蔵施設60に設置されている。骨材貯蔵施設60は、セメントに混合する骨材を受け入れて一時的に保管するもので、主として、粗骨材貯留槽61と、細骨材貯留槽62と、粗骨材ホッパ63と、細骨材ホッパ64と、ベルトコンベア65,66とを備えている。
【0018】
粗骨材貯留槽61及び、細骨材貯留槽62は、骨材貯蔵施設60内の地盤Gに凹設されており、トラック等により搬入される骨材を受け入れて貯留する。具体的には、粗骨材貯留槽61は、砂利等の粒径が比較的大きい粗骨材A1を貯留し、細骨材貯留槽62は、砂等の粒径が小さい細骨材A2を貯留する。なお、骨材貯留部61,62の個数は、図示例の各1個に限定されず、複数であってもよい。また、骨材A1,A2の種類は、砂・砂利に限定されず、セメントと混合可能な他の骨材であってもよい。
【0019】
粗骨材ホッパ63及び、細骨材ホッパ64は、骨材貯蔵施設60内の地盤Gよりも上方に設けられており、支柱69(
図2参照)等によって支持されている。各ホッパ63,64は、上端開口が下端開口よりも拡張された略角錐台形状に形成されており、その下方にはベルトコンベア65,66がそれぞれ設けられている。
【0020】
骨材貯蔵施設60においては、天井クレーン10によって骨材貯留部61,62から取り出した骨材A1,A2を対応するホッパ63,64に投入すると共に、ホッパ63,64から落下する骨材A1,A2がベルトコンベア65,66によって不図示の計量部やミキサへと搬送されるようになっている。
【0021】
[天井クレーン]
天井クレーン10は、各ホッパ63,64よりも上方に設けられており、地盤Gから立設する支柱67(
図2参照)等によって支持されている。
【0022】
具体的には、天井クレーン10は、互いに略並行に延びる一対の第1走行レール11及び第2走行レール12と、各走行レール11,12を走行可能なガーダ13(本開示の第1移動体)と、ガータ13を走行可能なトロリ14(本開示の第2移動体)と、トロリ14に設けられた巻上げ機15と、巻上げ機15にワイヤ16(
図2参照)を介して吊り下げられたクラムバケット17(本開示の搬送部の一例)と、ガーダ13を走行させる走行用駆動源20A,20B(
図1参照)と、トロリ14を横行させる横行用駆動源21(
図1参照)と、距離検出センサ30,31(本開示の第1及び第2センサ)と、デプスカメラ32,33と、制御装置40(本開示の制御手段)とを備えている。
【0023】
距離検出センサ30,31、デプスカメラ32,33及び、制御装置40は、本開示の自動運転ユニットの構成要素として好ましい。なお、以下の説明では、水平方向のうち、ガーダ13の走行方向を単にX方向(本開示の第1方向)、X方向と直交するトロリ14の横行方向を単にY方向(本開示の第2方向)と称する。また、X及びY方向と直交する鉛直方向(バケット17の昇降方向)を単にZ方向と称する。
【0024】
各走行レール11,12は、X方向に並行に延設されており、互いにY方向に所定間隔をおいて離間対向する。各走行レール11,12には、走行レール11,12に沿ってX方向に走行可能な第1サドル13A及び、第2サドル13Bがそれぞれ設けられている。また、各走行レール11,12の両端部には、反射板等で形成されたX方向位置検出用のX位置ターゲット11A,11B,12A,12B(
図1参照)がそれぞれ設けられている。
【0025】
具体的には、第1走行レール11の一端には、第1基準X位置ターゲット11Aが設けられ、第1走行レール11の他端には、第1最大X位置ターゲット11Bが設けられている。また、第2走行レール12の一端には、第2基準X位置ターゲット12Aが設けられ、第2走行レール12の他端には、第2最大X位置ターゲット12Bが設けられている。
【0026】
ガーダ13は、一端側を第1サドル13Aに、他端側を第2サドル13Bにそれぞれ固定されており、各走行レール11,12間にY方向に架け渡されている。ガーダ13は、制御装置40からの指令に応じて走行用駆動源20A,20Bが駆動すると、各サドル13A,13Bが走行レール11,12に沿って移動することにより、X方向へ適宜に走行する。
【0027】
トロリ14は、ガーダ13に走行可能に設けられており、制御装置40からの指令に応じて横行用駆動源21が駆動すると、ガーダ13に沿ってY方向へ適宜に走行する。トロリ14には、反射板等で形成されたY方向位置検出用のY位置ターゲット18が設けられている。Y位置ターゲット18は、好ましくは、バケット17のZ方向直上に位置するように、トロリ14の上面に取り付けられている。
【0028】
巻上げ機15は、トロリ14に一体移動可能に設けられており、制御装置40からの指令に応じて駆動する。巻上げ機15には、ワイヤ16を介してバケット17が吊り下げられており、巻上げ機15がワイヤ16を巻き上げると、バケット17がZ方向へ上昇し、巻上げ機15がワイヤ16を巻き下げると、バケット17がZ方向へ降下するようになっている。
【0029】
巻上げ機15には、バケット17のZ方向の昇降位置(バケットZ位置)を検出可能なロータリエンコーダ等のZ位置検出センサ34(
図2参照)、バケット17に掴み取られた骨材A1,A2の重量を計測可能なロードセル等の計重センサ35(
図2参照)が設けられている。これらセンサ34,35の検出信号は、制御装置40に有線又は無線でリアルタイムに送信される。
【0030】
距離検出センサ30,31(本開示の位置情報取得手段の一部)は、例えば、超音波センサ、レーザレーダ、ミリ波レーダ等のセンサであり、センサ周囲の対象物との相対距離を検出する。具体的には、第1距離検出センサ30は、各ターゲット11A,11Bを結ぶ直線上をX方向に移動するように、第1サドル13A(又は、ガーダ13の一端)に一体移動可能に取り付けられている。第2距離検出センサ31は、各ターゲット12A,12Bを結ぶ直線上をX方向に移動するように、第2サドル13B(又は、ガーダ13の他端)に一体移動可能に取り付けられている。また、これら距離検出センサ30,31は、Y位置ターゲット18を挟んで互いにY方向に対峙する。
【0031】
第1距離検出センサ30は、第1基準X位置ターゲット11Aからの反射波を受信することにより、第1基準X位置ターゲット11Aとの相対距離X1_Aを検出する。また、第1距離検出センサ30は、第1最大X位置ターゲット11Bからの反射波を受信することにより、第1最大X位置ターゲット11Bとの相対距離X1_Bを検出する。さらに、第1距離検出センサ30は、Y位置ターゲット18からの反射波を受信することにより、Y位置ターゲット18との相対距離Y1を検出する。これら第1距離検出センサ30の検出信号は、制御装置40に有線又は無線でリアルタイムに送信される。
【0032】
第2距離検出センサ31は、第2基準X位置ターゲット12Aからの反射波を受信することにより、第2基準X位置ターゲット12Aとの相対距離X2_Aを検出する。また、第2距離検出センサ31は、第2最大X位置ターゲット12Bからの反射波を受信することにより、第2最大X位置ターゲット12Bとの相対距離X2_Bを検出する。さらに、第2距離検出センサ31は、Y位置ターゲット18からの反射波を受信することにより、Y位置ターゲット18との相対距離Y2を検出する。これら第2距離検出センサ31の検出信号は、制御装置40に有線又は無線でリアルタイムに送信される。
【0033】
デプスカメラ32,33(
図2参照)は、骨材貯蔵施設60の上部梁68等に、各ホッパ63,64の直上方に位置するように設けられている。具体的には、第1デプスカメラ32は、粗骨材ホッパ63の上方に設けられており、粗骨材ホッパ63の内部を撮像してその画像データを生成する。第2デプスカメラ33は、細骨材ホッパ64の上方に設けられており、細骨材ホッパ64の内部を撮像してその画像データを生成する。各デプスカメラ32,33によって生成される画像データは、制御装置40に有線又は無線で送信される。
【0034】
[制御装置]
図3は、本実施形態に係る制御装置40及び、関連する周辺構成を示す模式的な機能ブロック図である。
【0035】
制御装置40は、例えば、コンピュータ等の演算を行う装置であり、互いにバス等で接続されたCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入力ポート、出力ポート等を備え、自動運転プログラムを実行する。
【0036】
また、制御装置40は、自動運転プログラムの実行により、第1サドルX位置取得部41(本開示の位置情報取得手段の一部)、第2サドルX位置取得部42(本開示の位置情報取得手段の一部)、バケットX位置推定部43(本開示の位置情報取得手段の一部)、バケットY位置推定部44(本開示の位置情報取得手段の一部)、異常判定部45、走行制御部46、横行制御部47、掴み取り制御部48及び、投入制御部49を備える装置として機能する。これら各機能要素は、本実施形態では一体のハードウェアである制御装置40に含まれるものとして説明するが、これらのいずれか一部を別体のハードウェアに設けることもできる。
【0037】
第1サドルX位置取得部41は、第1距離検出センサ30のセンサ値に基づいて、第1サドル13Aの第1基準X位置ターゲット11Aに対するX方向の相対位置(以下、単に第1サドルX位置という)を取得する。具体的には、制御装置40のメモリには、予め各ターゲット11A,11Bの離間距離が第1最大距離X1_Maxとして格納されている。第1サドルX位置取得部41は、まず、第1距離検出センサ30から送信される相対距離X1_A及び、相対距離X1_Bを加算する。そして、第1サドルX位置取得部41は、加算値(=X1_A+X1_B)と第1最大距離X1_Maxとの差の絶対値が所定の閾値以下であれば、センサ値に異常がないものとし、相対距離X1_Aを第1サドルX位置として取得する。
【0038】
第2サドルX位置取得部42は、第2距離検出センサ31のセンサ値に基づいて、第2サドル13Bの第2基準X位置ターゲット12Aに対するX方向の相対位置(以下、単に第2サドルX位置という)を取得する。具体的には、制御装置40のメモリには、予め各ターゲット12A,12Bの離間距離が第2最大距離X2_Maxとして格納されている。第2サドルX位置取得部42は、まず、第2距離検出センサ31から送信される相対距離X2_A及び、相対距離X2_Bを加算する。そして、第2サドルX位置取得部42は、加算値(=X2_A+X2_B)と第2最大距離X2_Maxとの差の絶対値が所定の閾値以下であれば、センサ値に異常がないものとし、相対距離X2_Aを第2サドルX位置として取得する。
【0039】
バケットX位置推定部43は、第1サドルX位置取得部41から送信される第1サドルX位置と、第2サドルX位置取得部42から送信される第2サドルX位置との平均値を求めると共に、求めた該平均値をバケット17の各基準ターゲット11A,12Aに対するX方向の相対位置(以下、単にバケットX位置という)として推定する。
【0040】
バケットY位置推定部44は、第1距離検出センサ30及び第2距離検出センサ31のセンサ値に基づいて、バケット17の第1サドル13A(又は、各ターゲット11A,11Bを結ぶX方向の直線)に対するY方向の相対位置(以下、単にバケットY位置という)を推定する。具体的には、制御装置40のメモリには、予め各センサ30,31の対向距離が最大距離Y_Maxとして格納されている。バケットY位置推定部44は、まず、各センサ30,31から送信される相対距離Y1,Y2を加算する。そして、バケットY位置推定部44は、加算値(=Y1+Y2)と最大距離Y_Maxとの差の絶対値が所定の閾値以下であれば、センサ値に異常がないものとし、相対距離Y1をバケットY位置として推定する。
【0041】
異常判定部45は、第1距離検出センサ30、第2距離検出センサ31及び、計重センサ35のセンサ値に基づいて、天井クレーン10の異常を判定する。具体的には、異常判定部45は、以下の、条件(1)~(6)の何れかが成立すると、天井クレーン10に異常が発生したと判定し、自動運転(後述する走行制御、横行制御、投入制御等)を緊急停止させる。
【0042】
条件(1):第1距離検出センサ30から送信される相対距離X1_A及び相対距離X1_Bの加算値(=X1_A+X1_B)と、第1最大距離X1_Maxとの差の絶対値が所定の閾値を超えている場合。
【0043】
条件(2):第2距離検出センサ31から送信される相対距離X2_A及び相対距離X2_Bの加算値(=X2_A+X2_B)と、第2最大距離X2_Maxとの差の絶対値が所定の閾値を超えている場合。
【0044】
条件(3):各距離検出センサ30,31から送信される相対距離Y1,Y2の加算値(=Y1+Y2)と、最大距離Y_Maxとの差の絶対値が所定の閾値を超えている場合。
【0045】
条件(4):第1距離検出センサ30から送信される相対距離X1_Aと、第2距離検出センサ31から送信される相対距離X2_Aとの差の絶対値が、所定の上限値を超えている場合。
【0046】
条件(5):第1距離検出センサ30から送信される相対距離X1_Bと、第2距離検出センサ31から送信される相対距離X2_Bとの差の絶対値が、所定の上限値を超えている場合。
【0047】
条件(6):後述する投入制御時にバケット17に対して開閉作動指示を出力しても、計重センサ35のセンサ値が変化しない場合。
【0048】
条件(1),(2),(3)については、距離検出センサ30,31自体に何らかの故障が発生しているか、或いは、距離検出センサ30,31とターゲット11A,11B,12A,12B,18との間に何らかの障害物等が介在し、センサ値に狂いが生じていると考えられるためである。条件(4),(5)については、サドル13A,13Bの脱輪や、駆動源20A,20Bの故障等により、ガーダ13が各走行レール11,12に対して斜めに傾いていると考えられるためである。条件(6)については、バケット17に何らかの故障が発生し、骨材A1,A2をホッパ63,64に適切に投入できていないと考えられるためである。このような場合に、天井クレーン10を異常と判定し、自動運転を緊急停止することより、事故等の発生を未然に防止できるようになり、安全性の向上が図られるようになる。
【0049】
走行制御部46は、バケットX位置推定部43から送信されるバケットX位置に基づいて、ガーダ13をX方向に走行させる走行制御を実施する。具体的には、制御装置40のメモリには、粗骨材貯留槽61上方の第1目標X位置(X1)、細骨材貯留槽62上方の第2目標X位置(X2)、粗骨材ホッパ63上方の第3目標X位置(X3)及び、細骨材ホッパ64上方の第4目標X位置(X4)が予め格納されている。走行制御部46は、これら第1~第4目標X位置(X1~X4)と、バケットX位置推定部43から送信されるバケットX位置との偏差ΔXに基づいて、走行用駆動源20A,20Bの駆動を制御することにより、ガーダ13を所望の第1~第4目標X位置に向けて走行移動させる。
【0050】
図4は、本実施形態に係る走行制御の一例を説明する模式的なタイミングチャート図である。
図4は、バケット17に粗骨材A1を保持した状態でガーダ13を第1目標X位置(X1)から第3目標X位置(X3)に向けて移動させる走行制御の一例である。ガーダ13を第2目標X位置(X2)から第4目標X位置(X4)へ走行させる他の走行制御も同様の処理内容となるため、それらの詳細な説明は省略する。
【0051】
図4の時刻t0は、バケットX位置が第1目標X位置(X1)にある状態を示しめしている。走行制御部46は、時刻t0から時刻t1に亘って、ガーダ13が第1目標X位置(X1)から徐々に加速走行するように走行用駆動源20A,20Bの駆動を制御する。時刻t1にてガーダ13の走行速度が所定の目標速度に達したならば、走行制御部46は、ガーダ13を目標速度で定速走行さるように走行用駆動源20A,20Bの駆動を制御する。このように、ガーダ13を徐々に加速させた後に定速走行へと切り替えることにより、バケット17の周期的な振れを効果的に抑制できるようになる。ガーダ13の加速距離や加速時間をどの程度とするかは、第1目標X位置(X1)と第3目標X位置(X3)との距離やバケット17が保持している骨材A1の重量等に応じて適宜に設定すればよい。
【0052】
時刻t2にて、バケットX位置が第3目標X位置(X3)よりも前の所定X位置に達すると、走行制御部46は、ガーダ13が第3目標X位置(X3)に向けて次第に減速走行するように走行用駆動源20の駆動を制御する。ガーダ13の減速距離や減速時間をどの程度とするかは、時刻t3にてバケットX位置と第3目標X位置(X3)との偏差が所定の許容閾値以内に収まるように、バケット17に保持されている骨材A1の重量や、定速走行時の速度等に応じて適宜に設定すればよい。
【0053】
時刻t3にて、バケットX位置と第3目標X位置(X3)との偏差が所定の許容閾値を超えている場合には、以降、走行制御部46は、バケットX位置が許容閾値以内に収まるように、ガーダ13を微移動させるX位置合わせ制御を実行する。ここで、走行制御やX位置合わせ制御は、2個のセンサ30,31の検出信号から推定されるバケットX位置に基づいて行われるため、1個のセンサの検出信号に基づいて制御する場合に比べ、位置決め精度を確実に向上できるようになる。
【0054】
図3に戻り、横行制御部47は、バケットY位置推定部44から送信されるバケットY位置に基づいて、トロリ14をY方向に横行させる横行制御を実施する。具体的には、制御装置40のメモリには、粗骨材貯留槽61上方の第1目標Y位置(Y1)、細骨材貯留槽62上方の第2目標Y位置(Y2)、粗骨材ホッパ63上方の第3目標Y位置(Y3)及び、細骨材ホッパ64上方の第4目標Y位置が予め格納されている。横行制御部47は、これら第1~第4目標Y位置(Y1~Y4)と、バケットY位置推定部44から送信されるバケットY位置との偏差ΔYに基づいて、横行用駆動源21の駆動を制御することにより、トロリ14を所望の第1~第4目標Y位置(Y1~Y4)に向けて横行移動させる。
【0055】
図5は、本実施形態に係る横行制御の一例を説明する模式的なタイミングチャート図である。
図5は、バケット17に粗骨材A1を保持した状態でトロリ14を第1目標Y位置(Y1)から第3目標Y位置(Y3)に向けて移動させる横行制御の一例である。トロリ14を第2目標Y位置(Y2)から第4目標Y位置(Y4)へ走行させる他の横行制御も同様の処理内容となるため、それらの詳細な説明は省略する。
【0056】
図5の時刻t0は、バケットY位置が第1目標Y位置(Y1)にある状態を示しめしている。横行制御部47は、時刻t0から時刻t1に亘って、トロリ14が第1目標Y位置(Y1)から徐々に加速走行するように横行用駆動源21の駆動を制御する。時刻t1にてトロリ14の走行速度が所定の目標速度に達したならば、横行制御部47は、トロリ14を目標速度で定速走行さるように横行用駆動源21の駆動を制御する。このように、トロリ14を徐々に加速させた後に定速走行へと切り替えることにより、バケット17の周期的な振れを効果的に抑制できるようになる。トロリ14の加速距離や加速時間をどの程度とするかは、第1目標Y位置(Y1)と第3目標Y位置(Y3)との距離やバケット17が保持している骨材A1の重量等に応じて適宜に設定すればよい。
【0057】
時刻t2にて、バケットY位置が第3目標Y位置(Y3)よりも前の所定Y位置に達すると、横行制御部47は、トロリ14が第3目標Y位置(Y3)に向けて次第に減速走行するように横行用駆動源21の駆動を制御する。トロリ14の減速距離や減速時間をどの程度とするかは、時刻t3にてバケットY位置と第3目標X位置(Y3)との偏差が所定の許容閾値以内に収まるように、バケット17に保持されている骨材A1の重量や、定速走行時の速度等に応じて適宜に設定すればよい。
【0058】
時刻t3にて、バケットY位置と第3目標Y位置(Y3)との偏差が所定の許容閾値を超えている場合には、以降、横行制御部47は、バケットY位置が許容閾値以内に収まるように、トロリ14を微移動させるY位置合わせ制御を実行する。ここで、横行制御やY位置合わせ制御は、2個のセンサ30,31の検出信号から推定されるバケットY位置に基づいて行われるため、1個のセンサの検出信号に基づいて制御する場合に比べ、位置決め精度を確実に向上できるようになる。
【0059】
図3に戻り、掴み取り制御部48は、前述の走行制御や横行制御によってバケット17が粗骨材貯留槽61上方の第1目標X,Y位置又は、細骨材貯留槽62上方の第2目標X,Y位置に到達すると、バケット17をZ方向へ昇降させることにより、バケット17に骨材A1,A2を掴み取らせる掴み取り制御を実施する。
【0060】
具体的には、制御装置40のメモリには、
図6に示す、ホッパ63,64よりも下方、且つ、骨材貯留槽61,62よりも上方の所定の目標Z位置が予め格納されている。掴み取り制御部48は、まず、目標Z位置と、Z位置検出センサ34から送信されるバケットZ位置との偏差ΔZに基づいて、巻上げ機15の巻き下げ駆動を制御することにより、バケット17を所望の目標Z位置に向けて降下させる。
【0061】
次いで、掴み取り制御部48は、バケットZ位置が目標Z位置に達すると、バケット17を開作動させながら、バケット17を骨材貯留槽61,62内の骨材A1,A2に着床させる。バケット17が着床したか否かは、計重センサ35の検出信号に基づいて把握すればよい。バケット17が着床すると、掴み取り制御部48は、バケット17を閉作動させることにより、バケット17に骨材A1,A2を掴み取らせる。
【0062】
次いで、掴み取り制御部48は、巻上げ機15を巻き上げ作動させることにより、バケット17をZ方向へ上昇させる。この際、掴み取り制御部48は、計重センサ35のセンサ値に基づいて、バケット17が所望量の骨材A1,A2を掴み取れているか否かを判定する。
【0063】
具体的には、バケット17の上昇中に、計重センサ35により取得される重量値WSからバケット17の自重WBを差し引いた値が所定の閾値以上であれば、掴み取り制御部48は、バケット17の上昇移動を継続させる。一方、重量値WSから自重WBを差し引いた値が所定の閾値未満であれば、掴み取り制御部48は、バケット17が骨材A1,A2を十分に掴み取れていないものとし、バケット17の上昇移動を中断する。これにより、バケット17に異常等が発生し、骨材A1,A2の掴み取りに失敗した場合には、天井クレーン10の無駄な自動運転の継続を効果的に停止させることが可能になる。
【0064】
図3に戻り、投入制御部49は、前述の走行制御や横行制御によってバケット17が粗骨材ホッパ63上方の第3目標X,Y位置又は、細骨材ホッパ64上方の第4目標X,Y位置に到達すると、バケット17を開作動させることにより、ホッパ63,64内に骨材A1,A2を投入する投入制御を実施する。
【0065】
まず、投入制御部49は、横行制御によりバケット17がホッパ63,64の上方に到達すると、デプスカメラ32,33で生成される画像データに基づき、ホッパ63,64内の骨材残量を取得する。ここで、
図7に示すように、ホッパ63,64は、上端開口が下端開口よりも拡張された略角錐台形状をなしており、下端開口から骨材A1,A2が排出されると、ホッパ63,64内には骨材A1,A2による略円錐状の表面A3が形成される。このため、超音波センサやミリ波レーダ等を用いると、反射波を効果的に受信することができず、ホッパ63,64内の骨材残量を的確に把握できない場合がある。本実施形態では、デプスカメラ32,33により生成される画像データを用いているため、ホッパ63,64内の骨材A1,A2の表面A3の影響を受けることなく、骨材残量を正確に取得することが可能になる。
【0066】
次いで、投入制御部49は、ホッパ63,64内の骨材残量が所定の閾値量まで減少しているか否かを判定する。骨材残量が所定の閾値量まで減少していれば、投入制御部49は、バケット17を開作動させることにより、ホッパ63,64に骨材A1,A2を投入する。一方、骨材残量が所定の閾値量を超えていれば、投入制御部49は、バケット17を閉状態で待機させ、骨材残量が所定の閾値量まで減少すると、バケット17を開作動させる。
【0067】
次いで、投入制御部49は、バケット17を開作動させた後、計重センサ35のセンサ値に基づいて、骨材A1,A2がホッパ63,64に確実に投入されたか否かを判定する。具体的には、バケット17に対して開作動信号を送信した後、計重センサ35により取得される重量値WSが所定量以上変化しない場合には、投入制御部49は、バケット17に動作異常が発生したものとして、自動運転を停止させる。これにより、バケット17に異常等が発生し、骨材A1,A2の投入に失敗した場合には、天井クレーン10の無駄な自動運転の継続を効果的に停止させることが可能になる。
【0068】
以上詳述した本実施形態によれば、天井クレーン10に、バケット17のX方向位置及びY方向位置を検出可能な距離検出センサ30,31を設け、該センサ30,31のセンサ値に基づいて、ガーダ13の走行やトロリ14の横行を自動制御するように構成されている。これにより、オペレータによる天井クレーン10の操作が不要となり、バッチャープラントにおる省人化や効率化、さらには、安全性の向上を図ることも可能になる。
【0069】
また、天井クレーン10がマニュアル操作式であっても、センサ30,31やデプスカメラ32,33及び、制御装置40の各機能要素41~49を追加すれば、天井クレーン10を容易に自動運転化できるように構成されている。これにより、天井クレーン10の構造見直しや大掛かりな改造を伴うことなく、既設クレーン装置を容易に自動化することが可能になる。
【0070】
また、バケット17の位置計測に、X方向の2方向及びY方向の少なくとも計3方向を検出可能な2個の距離検出センサ30,31を用いることで、1個のセンサを用いて自動運転制御する場合に比べ、バケット17の位置決め精度を確実に向上することも可能になる。
【0071】
[その他]
なお、本開示は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜に変形して実施することが可能である。
【0072】
例えば、距離検出センサ30,31の個数は、図示例の2個に限定されず、1個、或いは、3個以上であってもよい。また、天井クレーン10が設けられる現場は、バッチャープラントに限定されず、他の現場であってもよい。また、クレーン装置は、天井クレーン10に限定されず、所定の荷をX方向やY方向に搬送する他のクレーンにも広く適用することが可能である。
【符号の説明】
【0073】
10 天井クレーン(クレーン装置)
11 第1走行レール(第1レール)
12 第2走行レール(第2レール)
13 ガーダ(第1走行体)
13A 第1サドル
13B 第2サドル
14 トロリ(第2走行体)
15 巻上げ機
16 ロープ
17 バケット(搬送部)
20A 第1走行用駆動源
20B 第2走行用駆動源
21 横行用駆動源
30 第1距離検出センサ(位置情報取得手段)
31 第2距離検出センサ(位置情報取得手段)
32 第1デプスカメラ
33 第2デプスカメラ
34 Z位置検出センサ
35 計重センサ
40 制御装置(制御手段)
41 第1サドルX位置取得部(位置情報取得手段)
42 第2サドルX位置取得部(位置情報取得手段)
43 バケットX位置推定部(位置情報取得手段)
44 バケットY位置推定部(位置情報取得手段)
45 異常判定部
46 走行制御部
47 横行制御部
48 掴み取り制御部
49 投入制御部