(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】光リンクに起因する偏光状態の変化の監視装置及び方法、並びに光受信機
(51)【国際特許分類】
H04B 10/079 20130101AFI20240326BHJP
H04B 10/61 20130101ALI20240326BHJP
H04B 3/06 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
H04B10/079 150
H04B10/61
H04B3/06 A
(21)【出願番号】P 2020019367
(22)【出願日】2020-02-07
【審査請求日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】201910119861.4
(32)【優先日】2019-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】チィ・イェヌホォイ
(72)【発明者】
【氏名】イエ・トォン
(72)【発明者】
【氏名】タオ・ジェヌニン
【審査官】後澤 瑞征
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-174413(JP,A)
【文献】特開2016-152556(JP,A)
【文献】特開2013-223128(JP,A)
【文献】Yanhui Qi et al.,Polarization Change Monitor Based on Jointly Applied Constant Modulus Algorithm and Carrier Phase Recovery in Coherent Receiver,2019 24th OptoElectronics and Communications Conference (OECC) and 2019 International Conference on Photonics in Switching and Computing (PSC) [online],2019年08月29日,[retrieved on 2023.10.13], Retrieved from the Internet : <URL: https://ieeexplore.ieee.org/stamp/stamp.jsp?tp=&arnumber=8817662>,<DOI: 10.23919/PS.2019.8817662>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/07 - 10/079
H04B 10/61
H04B 3/04 - 3/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光リンクに起因する偏光状態の変化の監視装置であって、
第1時点に受信された第1受信信号に対して等化処理を行う等化器の各タップの第1等化係数、及び第2時点に受信された第2受信信号に対して等化処理を行う前記等化器の各タップの第2等化係数を抽出する第1抽出手段と、
前記等化器の各タップの第1等化係数の和を求めてゼロ周波数での第1応答行列を取得し、前記等化器の各タップの第2等化係数の和を求めてゼロ周波数での第2応答行列を取得する第1計算手段と、
キャリア位相回復を用いて第1時点及び第2時点の受信信号の位相情報をそれぞれ抽出し、第1時点の位相応答の第1送信行列及び第2時点の位相応答の第2送信行列を取得する第2抽出手段と、
前記第1応答行列及び前記第1送信行列に基づいて第1時点の第1チャネル応答行列を決定し、前記第2応答行列及び前記第2送信行列に基づいて第2時点の第2チャネル応答行列を決定する決定手段と、
前記第1チャネル応答行列及び前記第2チャネル応答行列に基づいて第1時点と第2時点のチャネル応答行列の変化行列を決定する第2計算手段と、
前記変化行列に基づいて、光リンクに起因する偏光状態の変化を表すパラメータを決定する第3計算手段と、を含
み、
前記等化器は、コンスタントモジュラスアルゴリズムを用いて前記等化処理を行う、装置。
【請求項2】
前記光リンクに起因する偏光状態の変化を表すパラメータは、最大偏光変化、最大偏光回転角及び偏光変化速度のうちの少なくとも1つを含み、
前記最大偏光変化は、光リンクに入力された任意の偏光状態の信号光が前記光リンクを通過した場合の、前記光リンクにより引き起こされた該信号光の最大偏光変化であり、
前記最大偏光回転角は、光リンクに入力された任意の偏光状態の信号光が前記光リンクを通過した場合の、前記光リンクにより引き起こされた該信号光の偏光状態の最大偏向角度であり、
前記偏光変化速度は、前記最大偏光回転角の回転速度である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記最大偏光回転角を所定範囲内に維持するように、前記第1時点と前記第2時点との間隔を制御する制御手段、をさらに含む、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
請求項1
乃至3の何れかに記載の装置を含む光受信機。
【請求項5】
光リンクに起因する偏光状態の変化の監視方法であって、
第1時点に受信された第1受信信号に対して等化処理を行う等化器の各タップの第1等化係数、及び第2時点に受信された第2受信信号に対して等化処理を行う前記等化器の各タップの第2等化係数を抽出するステップと、
前記等化器の各タップの第1等化係数の和を求めてゼロ周波数での第1応答行列を取得し、前記等化器の各タップの第2等化係数の和を求めてゼロ周波数での第2応答行列を取得するステップと、
キャリア位相回復を用いて第1時点及び第2時点の受信信号の位相情報をそれぞれ抽出し、第1時点の位相応答の第1送信行列及び第2時点の位相応答の第2送信行列を取得するステップと、
前記第1応答行列及び前記第1送信行列に基づいて第1時点の第1チャネル応答行列を決定し、前記第2応答行列及び前記第2送信行列に基づいて第2時点の第2チャネル応答行列を決定するステップと、
前記第1チャネル応答行列及び前記第2チャネル応答行列に基づいて第1時点と第2時点のチャネル応答行列の変化行列を決定するステップと、
前記変化行列に基づいて、光リンクに起因する偏光状態の変化を表すパラメータを決定するステップと、を含
み、
前記等化器は、コンスタントモジュラスアルゴリズムを用いて前記等化処理を行う、方法。
【請求項6】
前記光リンクに起因する偏光状態の変化を表すパラメータは、最大偏光変化、最大偏光回転角及び偏光変化速度のうちの少なくとも1つを含み、
前記最大偏光変化は、光リンクに入力された任意の偏光状態の信号光が前記光リンクを通過した場合の、前記光リンクにより引き起こされた該信号光の最大偏光変化であり、
前記最大偏光回転角は、光リンクに入力された任意の偏光状態の信号光が前記光リンクを通過した場合の、前記光リンクにより引き起こされた該信号光の偏光状態の最大偏向角度であり、
前記偏光変化速度は、前記最大偏光回転角の回転速度である、請求項
5に記載の方法。
【請求項7】
前記最大偏光回転角を所定範囲内に維持するように、前記第1時点と前記第2時点との間隔を制御するステップ、をさらに含む、請求項
6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信技術の分野に関し、特に光リンクに起因する偏光状態の変化の監視装置及び方法、並びに光受信機に関する。
【背景技術】
【0002】
コヒーレント光通信システムは、巨大な伝送帯域幅、大きな拡張の潜在能力、非常に低い伝送損失及び低コストなどの利点を有するため、通信伝送ネットワークで重要なシステムである。コヒーレント光通信では、信号の安定的な伝送を確保するために、光ファイバの自然環境における様々な状態変化、例えば曲げ、ジッタ、衝突などを監視、対応する効果的な方法が光送受信システムに必要である。研究によると、偏光状態の変化を監視することで、光送受信機はこのような損傷を迅速に対応、分析、修復することができる。即ち、信号の光リンクにおける偏光状態の変化を監視し、リンクにおける光ファイバの状態変化を正確に反映することが望ましい。
【0003】
現在、信号の偏光状態の監視方法が複数ある。例えば、1つ目の方法はハードウェアに基づく方法であり、該方法は直流レーザ及び市販の偏光計、又は2つの検出器及び1つの偏光子を用いて偏光状態の変化を監視する。2つ目の方法は、受信機のデジタル信号処理に基づくものであり、1つ目の方法に比べて、光リンクにおける偏光状態の変化をより高速に追跡することができる。
【0004】
なお、上述した背景技術の説明は、本発明の技術案を明確、完全に理解させるための説明であり、当業者を理解させるために記述されているものである。これらの技術案は、単なる本発明の背景技術部分として説明されたものであり、当業者により周知されたものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の発明者の発見によると、上記の1つ目の方法は、専用のハードウェアを設置する必要があるため、コストが高く、且つ検出速度が遅く、光リンクにおける偏光状態の変化を迅速に追跡することができない。一方、上記の2つ目の方法では、得られた監視量は光リンクにおける特定のセグメント(例えば光ファイバの特定のセグメント)の状態変化に起因する偏光状態の変化を単純に反映することができず、該監視量は該監視された光リンクのセグメントに入力された信号の偏光状態の影響を受けるため、光リンク全体の偏光状態の変化を反映している。このため、光リンクの監視セグメントの偏光状態の変化を本当に反映することができない。
【0006】
本発明の実施例は、(イ)2つの時点のゼロ周波数応答行列及び受信信号の位相情報に基づいて2つの時点のゼロ周波数チャネル応答行列を取得し、該変化行列に基づいて光リンクに起因する偏光状態の変化を表すパラメータを決定することで、光リンクの入力信号の偏光状態に関係なく、該光リンクのみに起因する偏光状態の変化をリアルタイムで動的に監視することができ、(ロ)また、ゼロ周波数応答行列及び位相情報を用いることで、光リンクの応答状況を完全に反映することができ、より正確な偏光状態の監視結果を取得することができ、(ハ)さらに、余計なハードウェア及び制御素子を追加する必要がないため、構造を簡素化し、コストを削減することができる、光リンクに起因する偏光状態の変化の監視装置及び方法、並びに光受信機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施例の第1態様では、光リンクに起因する偏光状態の変化の監視装置であって、第1時点に受信された第1受信信号に対して等化処理を行う等化器の各タップの第1等化係数、及び第2時点に受信された第2受信信号に対して等化処理を行う前記等化器の各タップの第2等化係数を抽出する第1抽出手段と、前記等化器の各タップの第1等化係数の和を求めてゼロ周波数での第1応答行列を取得し、前記等化器の各タップの第2等化係数の和を求めてゼロ周波数での第2応答行列を取得する第1計算手段と、第1時点及び第2時点の受信信号の位相情報をそれぞれ抽出し、第1時点の位相応答の第1送信行列及び第2時点の位相応答の第2送信行列を取得する第2抽出手段と、前記第1応答行列及び前記第1送信行列に基づいて第1時点の第1チャネル応答行列を決定し、前記第2応答行列及び前記第2送信行列に基づいて第2時点の第2チャネル応答行列を決定する決定手段と、前記第1チャネル応答行列及び前記第2チャネル応答行列に基づいて第1時点と第2時点のチャネル応答行列の変化行列を決定する第2計算手段と、前記変化行列に基づいて、光リンクに起因する偏光状態の変化を表すパラメータを決定する第3計算手段と、を含む、装置を提供する。
【0008】
本発明の実施例の第2態様では、本発明の実施例の第1態様に記載の光リンクに起因する偏光状態の変化の監視装置を含む光受信機を提供する。
【0009】
本発明の実施例の第3態様では、光リンクに起因する偏光状態の変化の監視方法であって、第1時点に受信された第1受信信号に対して等化処理を行う等化器の各タップの第1等化係数、及び第2時点に受信された第2受信信号に対して等化処理を行う前記等化器の各タップの第2等化係数を抽出するステップと、前記等化器の各タップの第1等化係数の和を求めてゼロ周波数での第1応答行列を取得し、前記等化器の各タップの第2等化係数の和を求めてゼロ周波数での第2応答行列を取得するステップと、第1時点及び第2時点の受信信号の位相情報をそれぞれ抽出し、第1時点の位相応答の第1送信行列及び第2時点の位相応答の第2送信行列を取得するステップと、前記第1応答行列及び前記第1送信行列に基づいて第1時点の第1チャネル応答行列を決定し、前記第2応答行列及び前記第2送信行列に基づいて第2時点の第2チャネル応答行列を決定するステップと、前記第1チャネル応答行列及び前記第2チャネル応答行列に基づいて第1時点と第2時点のチャネル応答行列の変化行列を決定するステップと、前記変化行列に基づいて、光リンクに起因する偏光状態の変化を表すパラメータを決定するステップと、を含む、方法を提供する。
【0010】
本発明の有利な効果は以下の通りである。2つの時点のゼロ周波数応答行列及び受信信号の位相情報に基づいて2つの時点のゼロ周波数チャネル応答行列を取得し、該変化行列に基づいて光リンクに起因する偏光状態の変化を表すパラメータを決定することで、光リンクの入力信号の偏光状態に関係なく、該光リンクのみに起因する偏光状態の変化をリアルタイムで動的に監視することができる。また、ゼロ周波数応答行列及び位相情報を用いることで、光リンクの応答状況を完全に反映することができ、より正確な偏光状態の監視結果を取得することができる。さらに、余計なハードウェア及び制御素子を追加する必要がないため、構造を簡素化し、コストを削減することができる。
【0011】
本発明の特定の実施形態は、後述の説明及び図面に示すように、詳細に開示され、本発明の原理を採用されることが可能な方式を示している。なお、本発明の実施形態は、範囲上には限定されるものではない。本発明の実施形態は、添付されている特許請求の範囲の主旨及び内容の範囲内、各種の改変、修正、及び均等的なものが含まれる。
【0012】
ある一つの実施形態に説明及び又は示されている特徴は、同一又は類似の方式で一つ又は多くの他の実施形態に使用されてもよく、他の実施形態における特徴と組み合わせてもよく、他の実施形態における特徴を代替してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
ここで含まれる図面は、本発明の実施例を理解させるためのものであり、本明細書の一部を構成し、本発明の実施例を例示するためのものであり、文言の記載と合わせて本発明の原理を説明する。なお、ここに説明される図面は、単なる本発明の実施例を説明するためのものであり、当業者にとって、これらの図面に基づいて他の図面を容易に得ることができる。
【
図1】本発明の実施例1の光リンクに起因する偏光状態の変化の監視装置を示す図である。
【
図2】本発明の実施例2の光受信機のシステム構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施例3の光リンクに起因する偏光状態の変化の監視方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施例では、用語「第1」、「第2」は異なる要素を名称で区分するためのものであり、これらの要素の空間的配列又は時間的順序などを意味するものではなく、これらの要素はこれらの用語に限定されない。用語「及び/又は」は列挙された用語の1つ又は複数のうち何れか及びその組み合わせを含む。用語「包括」、「含む」、「有する」は説明された特徴、要素、素子又は部材の存在を意味するが、他の1つ又は複数の特徴、要素、素子又は部材の存在又は追加を排除するものではない。
【0015】
本発明の実施例では、単数形の「一」、「該」等は複数形を含み、「一種」又は「一類」を意味し、「1つ」に限定するものではない。また、用語「前記」は、文脈上明確に指示されない限り、単数形及び複数形両方を含む。また、文脈上明確に指示されない限り、用語「応じて」は「少なくとも部分的に応じて」を意味し、用語「に基づいて」は「少なくとも部分的に基づいて」を意味する。
【0016】
本発明の上記及びその他の特徴は、図面及び下記の説明により明確になる。明細書及び図面では、本発明の特定の実施形態、即ち本発明の原則に従う一部の実施形態を表すものを公開している。なお、本発明は説明される実施形態に限定されず、本発明は、特許請求の範囲内の全ての修正、変更されたもの、及び均等なものを含む。
【0017】
<実施例1>
本発明の実施例は、光リンクに起因する偏光状態の変化の監視装置を提供し、該偏光状態の変化の監視装置は、光通信システムの光受信機側に配置される。
【0018】
図1は本発明の実施例1の光リンクに起因する偏光状態の変化の監視装置を示す図である。
図1に示すように、偏光状態の変化の監視装置100は、第1抽出部101、第1計算部102、第2抽出部103、決定部104、第2計算部105及び第3計算部106を含む。
【0019】
第1抽出部101は、第1時点に受信された第1受信信号に対して等化処理を行う等化器の各タップの第1等化係数、及び第2時点に受信された第2受信信号に対して等化処理を行う該等化器の各タップの第2等化係数を抽出する。
【0020】
第1計算部102は、該等化器の各タップの第1等化係数の和を求めてゼロ周波数での第1応答行列を取得し、該等化器の各タップの第2等化係数の和を求めてゼロ周波数での第2応答行列を取得する。
【0021】
第2抽出部103は、第1時点及び第2時点の受信信号の位相情報をそれぞれ抽出し、第1時点の位相応答の第1送信行列及び第2時点の位相応答の第2送信行列を取得する。
【0022】
決定部104は、該第1応答行列及び該第1送信行列に基づいて第1時点の第1チャネル応答行列を決定し、該第2応答行列及び該第2送信行列に基づいて第2時点の第2チャネル応答行列を決定する。
【0023】
第2計算部105は、該第1チャネル応答行列及び該第2チャネル応答行列に基づいて第1時点と第2時点のチャネル応答行列の変化行列を決定する。
【0024】
第3計算部106は、該変化行列に基づいて、光リンクに起因する偏光状態の変化を表すパラメータを決定する。
【0025】
本実施例によれば、2つの時点のゼロ周波数応答行列及び受信信号の位相情報に基づいて2つの時点のゼロ周波数チャネル応答行列を取得し、該変化行列に基づいて光リンクに起因する偏光状態の変化を表すパラメータを決定することで、光リンクの入力信号の偏光状態に関係なく、該光リンクのみに起因する偏光状態の変化をリアルタイムで動的に監視することができる。また、ゼロ周波数応答行列及び位相情報を用いることで、光リンクの応答状況を完全に反映することができ、より正確な偏光状態の監視結果を取得することができる。さらに、余計なハードウェア及び制御素子を追加する必要がないため、構造を簡素化し、コストを削減することができる。
【0026】
本実施例では、光受信機側では、受信信号に対して等化処理、周波数オフセット補償処理、光送信機非理想的補償処理、及びビット誤り率判定などを行ってもよく、上記の処理は従来方法を用いて行われてもよい。
【0027】
本実施例では、第1抽出部101は、第1時点に受信された第1受信信号に対して等化処理を行う等化器の各タップの第1等化係数、及び第2時点に受信された第2受信信号に対して等化処理を行う該等化器の各タップの第2等化係数を抽出する。ここで、第1時点及び第2時点は、一定の時間間隔を有する2つの時点であり、偏光状態の変化の監視装置100は、第1時点と第2時点との間の光リンクに起因する偏光状態の変化を監視する。
【0028】
本実施例では、該等化器は、各種のアルゴリズムを用いて受信信号に対して等化処理を行ってもよい。
【0029】
例えば、該等化器は、コンスタントモジュラスアルゴリズム(CMA:Constant Modulus Algorithm)を用いて等化処理を行う。具体的な処理プロセスは従来技術を参照してもよく、ここでその説明を省略する。
【0030】
本実施例では、第1等化係数は、
(外1)
で表されてもよく、第2等化係数は、
(外2)
で表されてもよく、ここで、h及びvは第1偏光状態及び第2偏光状態をそれぞれ表し、nは正整数であり、時点n-1は第1時点であり、時点nは第2時点である。
【0031】
本実施例では、第1計算部102は、該等化器の各タップ(tap)の第1等化係数の和を求めて、ゼロ周波数での第1応答行列を取得し、該等化器の各タップの第2等化係数の和を求めて、ゼロ周波数での第2応答行列を取得する。
【0032】
例えば、第1計算部102は、以下の式(1)及び(2)に従って第1応答行列及び第2行列を取得する。
【数1】
【数2】
【0033】
ここで、M
n-1はゼロ周波数での第1応答行列を表し、M
nはゼロ周波数での第2応答行列を表し、
(外3)
は第1等化係数を表し、
(外4)
は第2等化係数を表し、h及びvは第1偏光状態及び第2偏光状態をそれぞれ表し、nは正整数であり、時点n-1は第1時点であり、時点nは第2時点である。
【0034】
本実施例では、第2抽出部103は、第1時点及び第2時点の受信信号の位相情報をそれぞれ抽出し、第1時点の位相応答の第1送信行列及び第2時点の位相応答の第2送信行列を取得する。
【0035】
本実施例では、第2抽出部103は、各種の方法を用いて位相情報を抽出してもよい。
【0036】
例えば、第2抽出部103は、キャリア位相回復(CPR:Carrier Phase Recovery)を用いて第1時点及び第2時点の受信信号の位相情報をそれぞれ抽出する。具体的な抽出プロセスは従来技術を参照してもよく、ここでその説明を省略する。
【0037】
他の例では、受信機における周波数オフセット補償/キャリア回復部は、キャリア位相回復を用いて第1時点及び第2時点の受信信号の位相情報をそれぞれ抽出する。第2抽出部103は、該周波数オフセット補償/キャリア回復部から該位相情報を取得する。
【0038】
例えば、キャリア位相回復の方法により取得された第1時点の位相応答の第1送信行列及び第2時点の位相応答の第2送信行列は、以下の式(3)及び(4)で表される。
【数3】
【数4】
【0039】
ここで、Tn-1は第1時点の位相応答の第1送信行列を表し、Tnは第2時点の位相応答の第2送信行列を表し、h及びvは第1偏光状態及び第2偏光状態をそれぞれ表し、φh(n-1)は第1時点の第1偏光状態の受信信号の位相情報を表し、φv(n-1)は第1時点の第2偏光状態の受信信号の位相情報を表し、φh(n)は第2時点の第1偏光状態の受信信号の位相情報を表し、φv(n)は第2時点の第2偏光状態の受信信号の位相情報を表し、nは正整数であり、時点n-1は第1時点であり、時点nは第2時点である。
【0040】
本実施例では、決定部104は、該第1応答行列及び該第1送信行列に基づいて第1時点の第1チャネル応答行列を決定し、該第2応答行列及び該第2送信行列に基づいて第2時点の第2チャネル応答行列を決定する。これによって、ゼロ周波数応答行列及び位相情報を用いることで、光リンクの応答状況を完全に反映することができる。
【0041】
例えば、決定部104は、該第1応答行列の逆行列に該第1送信行列を乗算して該第1チャネル応答行列を取得し、該第2応答行列の逆行列に該第2送信行列を乗算して該第2チャネル応答行列を取得する。
【0042】
例えば、以下の式(5)及び(6)に従って第1チャネル応答行列及び第2チャネル応答行列を取得してもよい。
【数5】
【数6】
【0043】
ここで、W
n-1は第1応答行列を表し、W
nは第2応答行列を表し、M
n-1はゼロ周波数での第1応答行列を表し、M
nはゼロ周波数での第2応答行列を表し、T
n-1は第1時点の位相応答の第1送信行列を表し、T
nは第2時点の位相応答の第2送信行列を表し、
(外5)
は第1等化係数を表し、
(外6)
は第2等化係数を表し、h及びvは第1偏光状態及び第2偏光状態をそれぞれ表し、φ
h(n-1)は第1時点の第1偏光状態の受信信号の位相情報を表し、φ
v(n-1)は第1時点の第2偏光状態の受信信号の位相情報を表し、φ
h(n)は第2時点の第1偏光状態の受信信号の位相情報を表し、φ
v(n)は第2時点の第2偏光状態の受信信号の位相情報を表し、nは正整数であり、時点n-1は第1時点であり、時点nは第2時点である。
【0044】
本実施例では、第2計算部105は、該第1チャネル応答行列及び該第2チャネル応答行列に基づいて第1時点と第2時点のチャネル応答行列の変化行列を決定する。
【0045】
例えば、第2計算部105は、該第2チャネル応答行列に該第1チャネル応答行列の逆行列を乗算して該変化行列を取得する。
【0046】
例えば、以下の式(7)に従って該変化行列を取得する。
【数7】
【0047】
ここで、DWは該変化行列を表し、Wn-1は該第1チャネル応答行列を表し、Wnは該第2チャネル応答行列を表す。
【0048】
本実施例では、偏光状態の変化の監視装置100は、正規化処理部107をさらに含んでもよい。
【0049】
正規化処理部107は、該変化行列に対して正規化処理を行う。
【0050】
例えば、正規化処理部107は、以下の式(8)に従って変化行列に対して正規化処理を行う。
【数8】
【0051】
ここで、DW’は正規化後の変化行列を表し、DWは該変化行列を表し、det(DW)は該変化行列の行列式を求めることを表す。
【0052】
本実施例では、正規化処理部107はオプションの構成要素であり、
図1において破線枠で示されている。
【0053】
本実施例では、正規化処理部107により該変化行列に対して正規化処理を行った場合、第3計算部106は、正規化処理後の該変化行列に基づいて、光リンクに起因する偏光状態の変化を表すパラメータを決定する。
【0054】
例えば、第3計算部106は、該変化行列又は正規化された変化行列のストークス空間における行列の特徴値に基づいて、光リンクに起因する偏光状態の変化を表すパラメータを決定してもよい。
【0055】
本実施例では、該光リンクに起因する偏光状態の変化を表すパラメータは、最大偏光変化、最大偏光回転角及び偏光変化速度のうちの少なくとも1つを含んでもよい。ここで、該最大偏光変化は、光リンクに入力された任意の偏光状態の信号光が該光リンクを通過した場合の、該光リンクにより引き起こされた該信号光の最大偏光変化である。該最大偏光回転角は、光リンクに入力された任意の偏光状態の信号光が該光リンクを通過した場合の、該光リンクにより引き起こされた該信号光の偏光状態の最大偏向角度である。該偏光変化速度は、該最大偏光回転角の回転速度、即ち該最大偏光回転角の時間に対する回転角度であり、その単位は例えばkrad/sである。
【0056】
例えば、第3計算部106は、以下の式(9)及び(10)に従って最大偏光変化及び最大偏光回転角を計算してもよい。
【数9】
【数10】
【0057】
ここで、MaxRotは該最大偏光変化を表し、pol.changeは該最大偏向角度を表し、cは該変化行列又は正規化された変化行列の1行目1列目の要素、2行目2列目の要素、又はこの2つの要素の任意の割合の組み合わせを表す。
【0058】
本実施例では、偏光状態の変化の監視装置100は制御部108をさらに含んでもよい。
【0059】
制御部108は、該最大偏光回転角を所定範囲内に維持するように、該第1時点と該第2時点との間隔を制御する。言い換えれば、最大偏光回転角の監視結果に基づいて、第1時点と第2時点との間隔を動的に制御する。
【0060】
例えば、初期の第1時点と第2時点との間隔を設定し、該初期の間隔で最大偏光回転角を監視し、監視された最大偏光回転角が該所定範囲内にない場合、監視された最大偏光回転角が該所定範囲内にあるように、該初期の間隔を調整する。
【0061】
これによって、最大偏光回転角を所定範囲内に維持するように合理的な時間間隔を設定することで、時間間隔が小さ過ぎる場合のノイズの監視結果への影響を回避することができ、時間間隔が大き過ぎる場合に偏光変化の詳細を無視することにより監視結果が不正確になることを回避することができる。このため、監視結果の誤差を減少させ、監視結果の正確性を向上させることができる。
【0062】
また、該最大偏光回転角を所定範囲内に維持することで、最大偏光回転角の回転速度を正確に推定することができる。
【0063】
本実施例では、該所定範囲は実際の需要に応じて設定されてもよい。例えば、監視結果の誤差への要求に応じて設定してもよい。
【0064】
例えば、該所定範囲は17度~180度であり、例えば27度である。
【0065】
本実施例では、制御部108はオプションの構成要素であり、
図1において破線枠で示されている。
【0066】
本実施例では、第1抽出部101、第1計算部102、第2抽出部103及び決定部104が第1時点及び第2時点の受信信号を処理する際に、まず第1時点の受信信号を順次処理して第1時点の第1チャネル応答行列を取得し、そして、第2時点の受信信号を順次処理して第2時点の第2チャネル応答行列を取得してもよい。或いは、第1抽出部101が第1時点の第1等化係数及び第2時点の第2等化係数をそれぞれ抽出し、そして、第1計算部102が第1応答行列及び第2応答行列をそれぞれ算出し、そして、第2抽出部103が第1送信行列及び第2送信行列をそれぞれ算出し、最後に、決定部104が第1チャネル応答行列及び第2チャネル応答行列をそれぞれ決定してもよい。以上は、単に各構成部の処理を例示的に説明し、本発明の実施例は各構成部の処理順序に限定されない。
【0067】
本実施例によれば、2つの時点のゼロ周波数応答行列及び受信信号の位相情報に基づいて2つの時点のゼロ周波数チャネル応答行列を取得し、該変化行列に基づいて光リンクに起因する偏光状態の変化を表すパラメータを決定することで、光リンクの入力信号の偏光状態に関係なく、該光リンクのみに起因する偏光状態の変化をリアルタイムで動的に監視することができる。また、ゼロ周波数応答行列及び位相情報を用いることで、光リンクの応答状況を完全に反映することができ、より正確な偏光状態の監視結果を取得することができる。さらに、余計なハードウェア及び制御素子を追加する必要がないため、構造を簡素化し、コストを削減することができる。
【0068】
<実施例2>
本発明の実施例は光受信機をさらに提供し、該光受信機は実施例に記載された偏光状態の変化の監視装置を含む。該偏光状態の変化の監視装置の具体的な構成及び機能は実施例1の記載を参照してもよく、ここでその説明を省略する。
【0069】
図2は本発明の実施例2の光受信機のシステム構成を示すブロック図である。
図2に示すように、光受信機200は、直交化部201、第1補償器202、等化器203、周波数オフセット補償/キャリア回復部204、第2補償器205、判定部206、及び光リンクに起因する偏光状態の変化の監視部207を含む。
【0070】
本実施例では、直交化部201、第1補償器202、等化器203、周波数オフセット補償/キャリア回復部204、第2補償器205及び判定部206の具体的な構成及び機能は従来技術を参照してもよい。
【0071】
例えば、等化器203はコンスタントモジュラスアルゴリズムの等化器であり、周波数オフセット補償/キャリア回復部204はキャリア位相回復を用いて位相情報を抽出する。
【0072】
本実施例では、光リンクに起因する偏光状態の変化の監視部207の具体的な構成及び機能は実施例1における偏光状態の変化の監視装置100と同様であり、具体的な内容は実施例1の記載を参照してもよい。
【0073】
図2に示すように、受信信号が直交化部201に入力され、直交化部201は受信信号をIxチャネル信号、Qxチャネル信号、Iyチャネル信号及びQyチャネル信号の4つの信号に分解する。第1補償器202は、受信側損傷のパラメータに基づいて受信端損傷の補償を行う。等化器203は、受信端損傷が補償された受信信号に対して適応等化処理を行う。周波数オフセット補償/キャリア回復部204は、等化器203により等化処理された受信信号に対して周波数オフセット補償及びキャリア位相回復を行う。第2補償器は、送信端損傷のパラメータに基づいて送信端損傷の補償を行い。判定部206は、送信端損傷が補償された受信信号について判定を行い、受信端処理後の受信信号を出力する。光リンクに起因する偏光状態の変化の監視部207は、等化器203の2つの時点でのタップ係数に基づいて2つの時点の応答行列を取得し、周波数オフセット補償/キャリア回復部204から抽出された位相情報に基づいて2つの時点の送信行列を取得し、2つの時点の応答行列及び送信行列に基づいてこの2つの時点のチャネル応答行列及びその変化行列を取得し、該変化行列に基づいて、光リンクに起因する偏光状態の変化を表すパラメータを決定する。
【0074】
本実施例では、光受信機200は必ずしも
図2に示す全ての構成部を含む必要がない。また、光受信機200は
図2に示されていない構成部をさらに含んでもよく、関連技術を参照してもよい。
【0075】
本実施例では、光リンクに起因する偏光状態の変化の監視部207の機能は、光受信機のプロセッサにより実行されてもよく、例えば受信機のデジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)により実行されてもよい。
【0076】
本実施例によれば、2つの時点のゼロ周波数応答行列及び受信信号の位相情報に基づいて2つの時点のゼロ周波数チャネル応答行列を取得し、該変化行列に基づいて光リンクに起因する偏光状態の変化を表すパラメータを決定することで、光リンクの入力信号の偏光状態に関係なく、該光リンクのみに起因する偏光状態の変化をリアルタイムで動的に監視することができる。また、ゼロ周波数応答行列及び位相情報を用いることで、光リンクの応答状況を完全に反映することができ、より正確な偏光状態の監視結果を取得することができる。さらに、余計なハードウェア及び制御素子を追加する必要がないため、構造を簡素化し、コストを削減することができる。
【0077】
<実施例3>
本発明の実施例は光リンクに起因する偏光状態の変化の監視方法をさらに提供し、該方法は実施例1の光リンクに起因する偏光状態の変化の監視装置に対応する。
【0078】
図3は本発明の実施例3の光リンクに起因する偏光状態の変化の監視方法を示す図である。
図3に示すように、該方法は以下のステップを含む。
【0079】
ステップ301:第1時点に受信された第1受信信号に対して等化処理を行う等化器の各タップの第1等化係数、及び第2時点に受信された第2受信信号に対して等化処理を行う該等化器の各タップの第2等化係数を抽出する。
【0080】
ステップ302:該等化器の各タップの第1等化係数の和を求めてゼロ周波数での第1応答行列を取得し、該等化器の各タップの第2等化係数の和を求めてゼロ周波数での第2応答行列を取得する。
【0081】
ステップ303:第1時点及び第2時点の受信信号の位相情報をそれぞれ抽出し、第1時点の位相応答の第1送信行列及び第2時点の位相応答の第2送信行列を取得する。
【0082】
ステップ304:該第1応答行列及び該第1送信行列に基づいて第1時点の第1チャネル応答行列を決定し、該第2応答行列及び該第2送信行列に基づいて第2時点の第2チャネル応答行列を決定する。
【0083】
ステップ305:該第1チャネル応答行列及び該第2チャネル応答行列に基づいて第1時点と第2時点のチャネル応答行列の変化行列を決定する。
【0084】
ステップ306:該変化行列に基づいて、光リンクに起因する偏光状態の変化を表すパラメータを決定する。
【0085】
本実施例では、上記の各ステップの実行は実施例1における各構成部の機能を参照して実現されてもよく、ここで重複する説明を省略する。
【0086】
本実施例によれば、2つの時点のゼロ周波数応答行列及び受信信号の位相情報に基づいて2つの時点のゼロ周波数チャネル応答行列を取得し、該変化行列に基づいて光リンクに起因する偏光状態の変化を表すパラメータを決定することで、光リンクの入力信号の偏光状態に関係なく、該光リンクのみに起因する偏光状態の変化をリアルタイムで動的に監視することができる。また、ゼロ周波数応答行列及び位相情報を用いることで、光リンクの応答状況を完全に反映することができ、より正確な偏光状態の監視結果を取得することができる。さらに、余計なハードウェア及び制御素子を追加する必要がないため、構造を簡素化し、コストを削減することができる。
【0087】
本発明の実施例は、光リンクに起因する偏光状態の変化の監視装置又は光受信機においてプログラムを実行する際に、コンピュータに、該光リンクに起因する偏光状態の変化の監視装置又は光受信機において上記実施例3に記載の光リンクに起因する偏光状態の変化の監視方法を実行させる、コンピュータ読み取り可能なプログラムをさらに提供する。
【0088】
本発明の実施例は、コンピュータに、光リンクに起因する偏光状態の変化の監視装置又は光受信機において上記実施例3に記載の光リンクに起因する偏光状態の変化の監視方法を実行させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラムを記憶する、記憶媒体をさらに提供する。
【0089】
本発明の実施例を参照しながら説明した光リンクに起因する偏光状態の変化の監視装置又は光受信機において実行される光リンクに起因する偏光状態の変化の監視方法は、ハードウェア、プロセッサにより実行されるソフトウェアモジュール、又は両者の組み合わせで実施されてもよい。例えば、
図1に示す機能的ブロック図における1つ若しくは複数、又は機能的ブロック図の1つ若しくは複数の組み合わせは、コンピュータプログラムフローの各ソフトウェアモジュールに対応してもよいし、各ハードウェアモジュールに対応してもよい。これらのソフトウェアモジュールは、
図3に示す各ステップにそれぞれ対応してもよい。これらのハードウェアモジュールは、例えばフィールド・プログラマブル・ゲートアレイ(FPGA)を用いてこれらのソフトウェアモジュールをハードウェア化して実現されてもよい。
【0090】
ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、モバイルハードディスク、CD-ROM又は当業者にとって既知の任意の他の形の記憶媒体に位置してもよい。プロセッサが記憶媒体から情報を読み取ったり、記憶媒体に情報を書き込むように該記憶媒体をプロセッサに接続してもよいし、記憶媒体がプロセッサの構成部であってもよい。プロセッサ及び記憶媒体はASICに位置する。該ソフトウェアモジュールは移動端末のメモリに記憶されてもよいし、移動端末に挿入されたメモリカードに記憶されてもよい。例えば、機器(例えば移動端末)が比較的に大きい容量のMEGA-SIMカード又は大容量のフラッシュメモリ装置を用いる場合、該ソフトウェアモジュールは該MEGA-SIMカード又は大容量のフラッシュメモリ装置に記憶されてもよい。
【0091】
図1に記載されている一つ以上の機能ブロックおよび/または機能ブロックの一つ以上の組合せは、本願に記載されている機能を実行するための汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲートアレイ(FPGA)又は他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタ論理装置、ディスクリートハードウェアコンポーネント、またはそれらの任意の適切な組み合わせで実現されてもよい。
図1に記載されている一つ以上の機能ブロックおよび/または機能ブロックの一つ以上の組合せは、例えば、コンピューティング機器の組み合わせ、例えばDSPとマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサの組み合わせ、DSP通信と組み合わせた1つ又は複数のマイクロプロセッサ又は他の任意の構成で実現されてもよい。
【0092】
以上は具体的な実施形態を参照しながら本発明を説明しているが、上記の説明は、例示的なものに過ぎず、本発明の保護の範囲を限定するものではない。本発明の趣旨及び原理を離脱しない限り、本発明に対して各種の変形及び変更を行ってもよく、これらの変形及び変更も本発明の範囲に属する。