(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】空中表示装置
(51)【国際特許分類】
G02B 30/56 20200101AFI20240326BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
G02B30/56
G02F1/13357
(21)【出願番号】P 2020034808
(22)【出願日】2020-03-02
【審査請求日】2023-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】代工 康宏
【審査官】鈴木 俊光
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-032404(JP,A)
【文献】特開2019-139023(JP,A)
【文献】特開平07-306411(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0045972(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 30/00 - 30/60
G02F 1/13357
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を発光する光源部と、
前記光源部からの光を透過し、画像を表示する表示素子と、
前記表示素子からの光を透過し、前記表示素子の
主面に垂直な法線方向に対して斜め方向の光強度がピークになるように光を出射する光制御素子と、
前記光制御素子からの光を反射し、前記光制御素子と反対側の空中に画像を表示させるミラーデバイスと、
を具備し、
前記ミラーデバイスは、それぞれが6面体からなる複数の光学要素を含み、
前記複数の光学要素の各々は、光を反射する第1及び第2反射面を含み、
前記第1及び第2反射面の各々は、前記法線方向に対して斜めに配置され
、
前記表示素子、前記光制御素子、及び前記ミラーデバイスは、互いに平行に配置される
空中表示装置。
【請求項2】
前記第1及び第2反射面の各々は、平面視において
、前記表示素子の主面かつ前記斜め方向に平行な第1方向に対して斜めに配置される
請求項1に記載の空中表示装置。
【請求項3】
前記ミラーデバイスは、前記表示素子と平行に配置された基材を含み、
前記複数の光学要素は、前記基材の前記光制御素子側の底面に設けられる
請求項1又は2に記載の空中表示装置。
【請求項4】
前記光学要素の前記光制御素子側の底面は、
前記表示素子の主面に対して斜めに配置される
請求項1乃至3の何れか1項に記載の空中表示装置。
【請求項5】
前記第1反射面と前記第2反射面とは、90度の角度をなす
請求項1乃至4の何れか1項に記載の空中表示装置。
【請求項6】
前記光制御素子は、複数の透明部材と、複数の遮光部材とを含み、
前記複数の透明部材と前記複数の遮光部材とは、交互に配置され、
前記遮光部材は、前記法線方向に対して斜めに配置される
請求項1乃至5の何れか1項に記載の空中表示装置。
【請求項7】
前記光源部は、
前記斜め方向の光強度がピークになるように光を出射する
請求項1乃至6の何れか1項に記載の空中表示装置。
【請求項8】
前記表示素子は、液晶表示素子である
請求項1乃至7の何れか1項に記載の空中表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空中表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像や動画を空中像として表示可能な空中表示装置が研究され、新しいヒューマンマシンインターフェースとして期待されている。空中表示装置は、例えば、2面コーナーリフレクタがアレイ状に配列された2面コーナーリフレクタアレイを用いて、表示素子の表示面から出射された光を反射し、空中に画像などを表示する(例えば、特許文献1参照)。2面コーナーリフレクタアレイによる表示方法は、収差が無く、面対称の位置に画像などが表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、小型化が可能な空中表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る空中表示装置は、光を発光する光源部と、前記光源部からの光を透過し、画像を表示する表示素子と、前記表示素子からの光を透過し、前記表示素子の主面内の第1方向に垂直な法線方向に対して斜め方向の光強度がピークになるように光を出射する光制御素子と、前記光制御素子からの光を反射し、前記光制御素子と反対側の空中に画像を表示させるミラーデバイスとを具備する。前記ミラーデバイスは、それぞれが6面体からなる複数の光学要素を含む。前記複数の光学要素の各々は、光を反射する第1及び第2反射面を含む。前記第1及び第2反射面の各々は、前記法線方向に対して斜めに配置される。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、小型化が可能な空中表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る空中表示装置の斜視図である。
【
図5】
図5は、
図4のA-A´線に沿った光制御素子の断面図である。
【
図7】
図7は、ミラーデバイスの光学要素を説明する図である。
【
図8】
図8は、ミラーデバイスの光出射角を説明する模式的断面図である。
【
図10】
図10は、光源部から出射された照明光における強度と角度との関係を示すグラフである。
【
図11】
図11は、光制御素子から出射された表示光における強度と角度との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態について図面を参照して説明する。ただし、図面は模式的または概念的なものであり、各図面の寸法および比率等は必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、図面の相互間で同じ部分を表す場合においても、互いの寸法の関係や比率が異なって表される場合もある。特に、以下に示す幾つかの実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための装置および方法を例示したものであって、構成部品の形状、構造、配置等によって、本発明の技術思想が特定されるものではない。なお、以下の説明において、同一の機能及び構成を有する要素については同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0009】
[1] 空中表示装置の全体構成
空中表示装置は、2面コーナーリフレクタアレイを備えた空中結像素子(ミラーデバイスという)を備え、表示素子の表示面から射出される表示光を、ミラーデバイスを用いて反射させ、空中に画像及び動画を表示させるものである。
【0010】
図1は、本発明の実施形態に係る空中表示装置1の斜視図である。
図2は、
図1に示した空中表示装置1の側面図である。
図1のX方向は、空中表示装置1のある1辺に沿った方向であり、Y方向は、水平面内においてX方向に直交する方向であり、Z方向は、X-Y平面に直交する方向(法線方向ともいう)である。
【0011】
空中表示装置1は、光源部(バックライトともいう)10、表示素子(光変調素子ともいう)20、光制御素子30、及びミラーデバイス40を備える。光源部10、表示素子20、光制御素子30、及びミラーデバイス40は、この順にZ方向に沿って配置され、また、それぞれの主面が平行になるように配置される。なお、
図1では、空中表示装置1を構成する複数の素子が浮いているように示されているが、これらの素子は、図示しない支持部材によって、図面の位置に固定される。以下に示す図面についても同様である。
【0012】
光源部10は、照明光を発光し、この照明光を表示素子20に向けて出射する。光源部10は、面光源からなる。光源部10は、例えば、サイドライト型(エッジライト型)のバックライトで構成される。光源部10は、導光板の側面に設けられた発光素子11を備える。発光素子11は、例えば白色光を発光する発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)で構成される。
【0013】
本実施形態では、光源部10は、法線方向に対して角度θ1である斜め方向の光強度がピークになるように、照明光を出射する。角度θ1は、30度以上かつ60度以下である。本実施形態では、角度θ1は、約45度である。光源部10の照明光は、Y方向に偏光している。光源部10の具体的な構成については後述する。
【0014】
表示素子20は、透過型表示素子である。表示素子20は、例えば液晶表示素子で構成される。表示素子20の駆動モードについては特に限定されず、TN(Twisted Nematic)モード、VA(Vertical Alignment)モード、又はホモジニアスモードなどを用いることができる。表示素子20は、光源部10から出射された照明光を受ける。表示素子20は、照明光を透過して光変調を行う。そして、表示素子20は、その表示面に所望の画像及び動画を表示する。
【0015】
光制御素子30は、表示素子20から出射された表示光を受ける。光制御素子30は、法線方向に対して角度θ2の斜め方向の光強度がピークになるように、表示光を透過する。角度θ2は、30度以上かつ60度以下であり、“θ1=θ2”が好ましい。本実施形態では、角度θ2は、約45度である。“θ1=θ2”に設定することで、表示素子20を透過した表示光が光制御素子30で遮光される光量を少なくできるので、光源部10の照明光の利用効率を向上させることができる。光制御素子30の具体的な構成については後述する。
【0016】
ミラーデバイス40は、光制御素子30を透過した表示光を受ける。ミラーデバイス40は、表示光を反射することで、空中に空中像50を表示する。ミラーデバイス40で反射された表示光は、ミラーデバイス40の表示素子20と反対側にいる観察者51に視認される。ミラーデバイス40の具体的な構成については後述する。
【0017】
[1-1] 光源部10の構成
図3は、光源部10の側面図である。光源部10は、発光素子11、導光板12、反射シート13、及びプリズムシート14を備える。
【0018】
発光素子11は、導光板12の側面に向けて照明光を発光する。
図3には、1個の発光素子を四角で示しているが、例えば、発光素子11は、Y方向に並んだ複数の発光素子から構成される。
【0019】
導光板12は、発光素子11からの照明光を導光し、照明光を上面から出射する。また、導光板12は、Z方向に対して斜め方向に照明光を出射する。
【0020】
反射シート13は、導光板12の底面から出射した照明光を、再び導光板12に向けて反射する。
【0021】
プリズムシート14は、導光板12からの照明光を屈折させる。プリズムシート14は、複数の三角柱を横にしてX方向に並べた構造を備える。すなわち、プリズムシート14の上面は、Y方向から見て波形(のこぎり歯形)を有する。プリズムシート14は、法線方向に対して左側に傾いた複数の屈折面14Aを有する。
【0022】
このように構成された光源部10は、出射角θ1で照明光を出射することができる。また、プリズムシート14の屈折面14Aの傾斜角、及び導光板12の光出射角を調整することで、出射角θ1を最適に設定できる。
【0023】
[1-2] 光制御素子30の構成
図4は、光制御素子30の平面図である。
図5は、
図4のA-A´線に沿った光制御素子30の断面図である。
【0024】
基材31上には、それぞれがY方向に延び、X方向に並んだ複数の透明部材33が設けられる。また、基材31上には、それぞれがY方向に延び、X方向に並んだ複数の遮光部材34が設けられる。複数の透明部材33と複数の遮光部材34とは、隣接するもの同士が接するようにして交互に配置される。
【0025】
透明部材33の断面は、その側面が傾斜角θ2だけ傾いた平行四辺形である。遮光部材34の断面は、その側面が傾斜角θ2だけ傾いた平行四辺形である。隣接する2個の遮光部材34は、Z方向において互いの端部が若干重なるように配置される。透明部材33は、光を透過する。遮光部材34は、光を遮光する。複数の透明部材33及び複数の遮光部材34上には、基材32が設けられる。
【0026】
基材31、32、及び透明部材33としては、透明な樹脂が用いられ、例えばアクリル樹脂が用いられる。遮光部材34としては、例えば、黒の染料が混入された樹脂が用いられる。
【0027】
このように構成された光制御素子30は、法線方向に対して角度θ2の斜め方向の光強度がピークになるように、表示光を透過することができる。
【0028】
[1-3] ミラーデバイス40の構成
図6は、ミラーデバイス40の底面図である。すなわち、
図6は、
図1のミラーデバイス40を下から見た図である。
【0029】
ミラーデバイス40は、基材41と、基材41の底面に設けられた複数の光学要素42とを備える。基材41は、光源部10と平行に配置される。基材41及び光学要素42は、透明な樹脂で構成され、例えばアクリル樹脂で構成される。光学要素42の平面形状は、四角形であり、本実施形態では、正方形である。光学要素42は、反射面42A、及び反射面42Bを有する。
【0030】
光学要素42は、1辺がX方向に対して45度だけ傾くように配置される。複数の光学要素42は、1列がX方向に対して45度方向に並ぶようにして、複数列に配置される。
【0031】
図7は、ミラーデバイス40の光学要素42を説明する図である。
図7において、光学要素42をX方向から見た図を正面図とする。
図7(a)は底面図、
図7(b)は正面図、
図7(c)は右側面図である。
【0032】
光学要素42は、6面体で構成され、底面42C、反射面42A、及び反射面42Bを有する。光学要素42の反射面42A、42Bは、正面と反対側の2個の側面に対応する。反射面42A及び反射面42Bは、いわゆる2面コーナーリフレクタを構成する。
【0033】
反射面42Aは、Z方向に対して光学要素42の中心側に傾斜角θ3だけ傾いている。傾斜角θ3は、0度より大きくかつ45度以下である。同様に、反射面42Bは、Z方向に対して光学要素42の中心側に傾斜角θ3だけ傾いている。但し、“θ3<θ2”の関係を有する。反射面42Aと反射面42Bとのなす角度は、90度である。
【0034】
また、反射面42A及び反射面42Bの傾く側は、光制御素子30の出射角θ2の傾く側と同じである。具体的には、反射面42A及び反射面42Bは、法線方向に対して右側に傾いており、光制御素子30の出射角θ2は、法線方向に対して右側に傾いている。
【0035】
光学要素42の底面42Cは、X方向に向かって光学要素42の高さが高くなるように、斜めに形成される。反射面42Aと底面42Cとの角度、及び反射面42Bと底面42Cとの角度はそれぞれ、90度である。
【0036】
このように構成されたミラーデバイス40では、光学要素42に角度θ2で入射した表示光は、反射面42Aと反射面42Bとで2回反射されておおよそ法線方向に出射される。
【0037】
[2] ミラーデバイス40の光出射角について
図8は、ミラーデバイス40の光出射角を説明する模式的断面図である。θ
1は光源部10の出射角、θ
2は光制御素子30の出射角、θ
3は光学要素42の反射面42A、42Bの傾斜角度である。ミラーデバイス40の屈折率をn
pとし、空気の屈折率を1とする。
【0038】
光制御素子30から出射した光(表示光)は、入射角θ4で光学要素42に入射し、屈折角θ5で屈折する。光学要素42内を進む光は、反射角θ6及び反射角θ7(=θ6)で反射する。光学要素42内で反射した光は、空気との界面に入射角θ8で入射し、屈折角θ9で屈折する。すなわち、ミラーデバイス40に入射した光は、出射角θ9でミラーデバイス40から出射する。
【0039】
出射角θ9は、以下の式で表される。
θ9=sin-1(np・sin(θ3-sin-1(sinθ4/np))
臨界角<θ6(=θ7)
臨界角=sin-1(1/np)
【0040】
出射角θ9は、法線方向に対して±30度の範囲に設定される。本実施形態では、出射角θ9は約0度に設定される。よって、出射角θ9が約0度になるように、傾斜角θ3、入射角θ4、及び屈折率をnpが適宜設定される。
【0041】
[3] 空中表示装置1のブロック構成
図9は、空中表示装置1のブロック図である。空中表示装置1は、光源部10、表示素子20、光制御素子30、ミラーデバイス40、表示駆動部60、電圧発生回路61、及び制御回路62を備える。
【0042】
表示駆動部60は、表示素子20を駆動し、表示素子20に画像及び動画を表示させる。電圧発生回路61は、光源部10及び表示駆動部60が動作するのに必要な複数種類の電圧を発生し、これらの電圧を光源部10及び表示駆動部60に供給する。
【0043】
制御回路62は、空中表示装置1全体の動作を制御する。すなわち、制御回路62は、光源部10、表示駆動部60、及び電圧発生回路61を制御する。そして、制御回路62は、所望の表示位置に空中像50を表示させる。
【0044】
[4] 動作
上記のように構成された空中表示装置1の動作について説明する。
【0045】
光源部10は、照明光を発光し、この照明光を表示素子20に向けて出射する。また、光源部10は、法線方向に対して角度θ1の斜め方向の光強度がピークになるように、照明光を出射する。本実施形態では、角度θ1は、約45度である。
【0046】
図10は、光源部10から出射された照明光における強度と角度との関係を示すグラフである。
図10の縦軸は、光源部10から出射された照明光における強度の相対値(%)であり、
図10の横軸は、光源部10から出射された照明光における法線方向に対する角度(度)である。
【0047】
図10から理解されるように、光源部10から出射された照明光は、45度(=θ
1)で光強度のピークを有する。また、光源部10から出射された光の大部分は、30~60度の角度の範囲内にある。
【0048】
表示素子20は、光源部10からの照明光を透過するとともに、画像及び動画を表示する。
【0049】
光制御素子30は、表示素子20からの表示光を受け、法線方向に対して角度θ2の斜め方向の光強度がピークになるように、表示光を透過する。本実施形態では、角度θ2は、約45度である。
【0050】
図11は、光制御素子30から出射された表示光における強度と角度との関係を示すグラフである。
図11の縦軸は、光制御素子30から出射された表示光における強度の相対値(%)であり、
図11の横軸は、光制御素子30から出射された表示光における法線方向に対する角度(度)である。
【0051】
図11から理解されるように、光制御素子30から出射された表示光は、45度(=θ
2)で光強度のピークを有する。また、光制御素子30から出射された光の大部分は、30~60度の角度の範囲内にある。さらに、表示素子20から出射された表示光のうち不要な光が光制御素子30によって遮光される。
【0052】
光制御素子30から出射された表示光は、ミラーデバイス40に対して斜めに、すなわち法線方向に対して約45度で入射する。ミラーデバイス40は、表示光を反射し、出射角θ9が約90度で出射する。
【0053】
これにより、所望の表示位置に空中像50を表示させることができる。空中像50は、観察者に視認される。
【0054】
[5] 実施形態の効果
本実施形態では、光源部10、表示素子20、光制御素子30、及びミラーデバイス40は、この順に法線方向に沿って配置され、また、それぞれの主面が平行になるように配置される。また、光源部10、表示素子20、及び光制御素子30は、表示光をミラーデバイス40に法線方向に対して斜め方向に入射させる。ミラーデバイス40は、光制御素子30からの表示光を反射し、光制御素子30と反対側の空中に画像を表示させる。
【0055】
従って本実施形態によれば、ミラーデバイス40に対して、光源部10及び表示素子20を斜めに配置する必要がない。これにより、空中像の表示品質を維持しつつ、法線方向に小型化が可能な空中表示装置1を実現できる。
【0056】
また、表示に不要な光は、光制御素子30によっておおよそ遮光される。これにより、空中像のコントラストを向上させることができる。この結果、空中表示装置1の表示品質を向上させることができる。
【0057】
また、光源部10の出射角θ1と、光制御素子30の遮光部材34の傾斜角θ2とを同じにしている。これにより、光源部10から出射される照明光の光利用効率を向上させることができる。
【0058】
[6] 変形例
上記実施形態では、ミラーデバイス40が六面体からなる複数の光学要素42を備えるように構成される。ミラーデバイス40の構造は、これに限定されない。例えば、ミラーデバイス40は、透明な基材に、複数の穴を有し、複数の穴の各々が、直角に配置された2つの反射面42A、42Bを有するように構成してもよい。換言すると、光を2回反射する光学要素は、凸型であってもよいし、凹型であってもよい。
【0059】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0060】
1…空中表示装置、10…光源部、11…発光素子、12…導光板、13…反射シート、14…プリズムシート、20…表示素子、30…光制御素子、31,32…基材、33…透明部材、34…遮光部材、40…ミラーデバイス、41…基材、42…光学要素、50…空中像、51…観察者、60…表示駆動部、61…電圧発生回路、62…制御回路。