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  • 特許-シート搬送装置及び画像形成装置 図1
  • 特許-シート搬送装置及び画像形成装置 図2
  • 特許-シート搬送装置及び画像形成装置 図3
  • 特許-シート搬送装置及び画像形成装置 図4
  • 特許-シート搬送装置及び画像形成装置 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】シート搬送装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 5/06 20060101AFI20240326BHJP
   B41J 13/02 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
B65H5/06 B
B41J13/02
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020037624
(22)【出願日】2020-03-05
(65)【公開番号】P2021138494
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2023-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(72)【発明者】
【氏名】西村 隆俊
【審査官】田村 佳孝
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-206219(JP,A)
【文献】特開2015-051847(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 5/06
B41J 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動ローラーと前記駆動ローラーに対向して配置される複数の従動ローラーと、とを有し、シートを挟持して搬送する搬送ローラー対と、
複数の前記従動ローラーを前記駆動ローラーに対してシートの厚さ方向に変位可能に支持する支持ユニットと、を備え、
複数の前記従動ローラーは、針状に突出する歯先が外周に沿って放射状に形成された拍車ローラーであり、
前記駆動ローラーの外周面には、前記従動ローラーの前記歯先に対向する部分に、前記駆動ローラーの周方向に沿って形成された複数の凹部を有し、
前記歯先は、前記駆動ローラーの前記凹部の底面から離間しており、
前記支持ユニットは、
フレームと、
前記フレームに回転可能に支持された揺動軸と、
前記揺動軸に揺動可能に支持され、前記従動ローラーを回転可能に支持するホルダーと、
前記従動ローラーを前記駆動ローラーに接近する方向に前記ホルダーを付勢する付勢部材と、
前記フレームに設けられて、前記従動ローラーが前記駆動ローラーへの接近する方向への前記ホルダーの揺動を規制する規制部と、を備えていることを特徴とするシート搬送装置。
【請求項2】
前記歯先は、前記外周面と前記底面との間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
【請求項3】
前記歯先と前記外周面との間隔は、搬送されるシートの厚さよりも狭いことを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
【請求項4】
シートに画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部で画像が形成された直後のシートを所定の搬送方向に沿って搬送する、請求項1~のいずれか1項に記載のシート搬送装置と、を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート搬送装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シート搬送装置は、一般に、モーター等によって駆動されて回転する駆動ローラーと、駆動ローラーにバネによって押圧されて従動回転する従動ローラーと、を備えており、両ローラーの回転によって、両ローラー間のニップに挟持されたシートが搬送されるようになっている。
【0003】
インクジェット方式で画像が形成されたシートを搬送する際には、各ローラーへのインクの付着や、ローラーに付着したインクによるシートの汚染を防ぐために、画像が形成された面とローラーとの接触面積はできるだけ狭いことが好ましい。
【0004】
例えば、特許文献1の搬送ローラーは、表面に粉体を付着させることで細かい凹凸を形成して、凸部を記録媒体(シート)に点接触させるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平4-223948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら上記特許文献1の搬送ローラーにおいては、凹凸を均一に加工することが困難である。凹凸の高さが安定していない場合、凸部とシートとの接触状態が不安定になって、必ずしもシートと点接触しない虞がある。
【0007】
また、先端が先鋭な複数個の薄歯が外周に沿って放射状に形成された従動ローラーが使用される場合もある。このような従動ローラーは画像が形成された面との接触面積を狭くすることができる一方で、先鋭な先端によって駆動ローラーが損傷して寿命が短くなったり、従動ローラーが駆動ローラーに深く食い込んで、シートがニップに突入する際の負荷が増大したりするという問題がある。
【0008】
本発明は上記事情を考慮し、シートと安定に点接触して適切にシートを搬送する搬送ローラー対を備えるシート搬送装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明のシート搬送装置は、駆動ローラーと前記駆動ローラーに対向して配置される複数の従動ローラーと、とを有し、シートを挟持して搬送する搬送ローラー対と、複数の前記従動ローラーを前記駆動ローラーに対してシートの厚さ方向に変位可能に支持する支持ユニットと、を備え、複数の前記従動ローラーは、針状に突出する歯先が外周に沿って放射状に形成された拍車ローラーであり、前記駆動ローラーの外周面には、前記従動ローラーの前記歯先に対向する部分に、前記駆動ローラーの周方向に沿って形成された複数の凹部を有し、前記歯先は、前記駆動ローラーの前記凹部の底面から離間していることを特徴とする。
【0010】
本発明のシート搬送装置において、前記歯先は、前記外周面と前記底面との間に配置されていることを特徴としてもよい。
【0011】
本発明のシート搬送装置において、前記歯先と前記外周面との間隔は、搬送されるシートの厚さよりも狭いことを特徴としてもよい。
【0012】
本発明のシート搬送装置において、前記支持ユニットは、フレームと、前記フレームに回転可能に支持された揺動軸と、前記揺動軸に揺動可能に支持され、前記従動ローラーを回転可能に支持するホルダーと、前記従動ローラーを前記駆動ローラーに接近する方向に前記ホルダーを付勢する付勢部材と、前記フレームに設けられて、前記従動ローラーが前記駆動ローラーへの接近する方向への前記ホルダーの揺動を規制する規制部と、を備えていることを特徴としてもよい。
【0013】
本発明の画像形成装置は、シートに画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部で画像が形成された直後のシートを所定の搬送方向に沿って搬送する、前記シート搬送装置と、を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、シートの画像形成面には従動ローラーの歯先が接触するので、従動ローラーと画像形成面との接触面積をできるだけ小さくすることができ、画像の汚染を防止できる。さらに、歯先は駆動ローラーに接触しないので、歯先による駆動ローラーの損傷を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の内部構成を模式的に示す正面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る第1実施例のシート搬送装置を模式的に示す正面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る第1実施例のシート搬送装置(非通紙時)を模式的に示す側面図である。
図4】本発明の一実施形態に係る第1実施例のシート搬送装置(通紙時)を模式的に示す側面図である。
図5】本発明の一実施形態に係る第2実施例のシート搬送装置を模式的に示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係るシート搬送装置及び画像形成装置について説明する。
【0017】
図1を参照して、画像形成装置1について説明する。図1は、画像形成装置(画像形成時)の内部構成を模式的に示す正面図である。図1の紙面手前側を画像形成装置の正面側(手前側)とする。各図のFr、Rr、L、Rは、それぞれ画像形成装置1の前側、後側、左側、右側を示す。
【0018】
画像形成装置1の装置本体3には、給紙部5と、インクジェット方式の画像形成部7と、排紙トレイ9と、が備えられている。
【0019】
給紙部5は、装置本体3の下部に設けられ、用紙を収容する複数の給紙カセット11と、給紙カセット11のそれぞれから用紙を給送する給紙装置13と、を備えている。
【0020】
画像形成部7は、装置本体3の上部に設けられ、ヘッドユニット15と、搬送ユニット17と、を備えている。ヘッドユニット15には、4つのラインヘッド19が備えられている。4つのラインヘッド19は、左右方向に並べられて、対応するインクが収容されたインクタンク(図示省略)に接続されている。搬送ユニット17は、循環走行する搬送ベルト21を備えている。搬送ベルト21は、4つのラインヘッド19との間に所定の間隔を空けて配置されている。4つのラインヘッド19と搬送ベルト21との間の区間を、画像形成路23とする。
【0021】
排紙トレイ9は、装置本体3の右側の側面の上部に備えられている。装置本体3には、給紙部5から画像形成部7の画像形成路23を通って排紙トレイ9に向かう用紙の搬送経路25が形成されている。搬送経路25に沿って、複数のシート搬送装置27が備えられている。
【0022】
画像形成装置1に画像形成ジョブが入力されると、指定されたサイズの用紙が給紙カセット11から給紙装置13によって搬送経路25に送り出され、画像形成部7の画像形成路23に搬送される。画像形成路23では、画像形成ジョブに従ってラインヘッド19からインクが吐出されて用紙に画像が形成される。画像が形成された用紙は、シート搬送装置27によって搬送経路25に沿って搬送され、排紙トレイ9に排出される。
【0023】
次に、図2図4を参照して、第1の実施例に係るシート搬送装置27について説明する。図2はシート搬送装置27を模式的に示す正面図、図3及び図4はシート搬送装置27を模式的に示す側面図である。シート搬送装置27は、例えば、画像形成部の下流側に配置される。
【0024】
シート搬送装置27は、駆動ローラー31と複数(この例では4個)の従動ローラー33とからなる搬送ローラー対30と、複数の従動ローラー33を駆動ローラー31に対してシートの厚さ方向に変位可能に支持する支持ユニット35と、を備えている。
【0025】
駆動ローラー31は、回転軸41と、回転軸41と一体に回転する1個の回転体43と、を備えている。回転体43は、回転軸41の軸方向に沿った所定の幅を有するゴム製のローラーである。回転体43には、軸方向に所定の間隔を開けて、複数個(この例では4個)の凹部45が周方向に沿って形成されている。凹部45は、断面形状が矩形状であり、所定の深さ及び幅を有している。一例として、凹部45の深さは0.5mmである。
【0026】
駆動ローラー31は、シートの搬送方向と直交する幅方向(前後方向)に沿って配置されて、回転軸41の両端部が、装置本体3に回転可能に支持されている。回転軸41はモーター(図示省略)に接続している。回転軸41がモーターによって駆動されることで、回転体43が回転軸41と共に回転する。
【0027】
各従動ローラー33は、針状に突出する歯先53が外周に沿って放射状に形成された拍車ローラーである。駆動ローラー31の回転体43に形成された凹部45の幅(軸方向における長さ)は、従動ローラー33の厚さよりも長く設定されている。
【0028】
従動ローラー33は、例えば、複数個の歯先53を有する手裏剣形状(星形状)の薄片と、薄片を両側から挟んで固定する一対の支持板と、によって形成される。一例として、歯先53(薄片)の厚さは50μmであり、従動ローラー33の厚さは3mmである。
【0029】
支持ユニット35は、フレーム61と、従動ローラー33をそれぞれ支持する4個のホルダー63と、各ホルダー63を揺動可能に支持する揺動軸65と、各ホルダー63とフレーム61との間に配置される付勢部材としてのコイルバネ67と、を有している。
【0030】
フレーム61は、軸方向に所定の間隔を開けて配置される2個の側板61aと、天板61bと、背面板61cと、で形成され、これらで囲まれる収容部を形成している。収容部には、幅方向に所定の間隔を開けて配置された4個の従動ローラー33が収容されるようになっている。背面板61cの内面には、幅方向に所定の間隔を開けて、4個の係止片71が突出している。係止片71は、後述するように、ホルダー63の規制片85と協働して、従動ローラー33の下方への移動を規制するための規制部の一部である。
【0031】
ホルダー63は板片状の部材であり、前述のように従動ローラー33を支持する。ホルダー63には、揺動軸65が挿通される軸孔を有する円筒部81が、厚さ方向に貫通するように形成されている。さらに、ホルダー63は、円筒部81を挟んで一方の側に配置される揺動片83と、他方の側に配置される規制片85と、を有している。揺動片83は、略直交する垂直部83aと水平部83bとを有している。垂直部83aには、円筒部81の軸孔と平行な支軸84が貫通するように設けられている。水平部83bの上面には、短い円柱状のバネ受け突起87が突出している。規制片85は、円筒部81に対して揺動片83とは反対の方向、且つ、円筒部81よりも上方に突出するように形成されている。規制片85は、後述するように、フレーム61の係止片71と協働して、従動ローラー33の下方への移動を規制するための規制部の一部である。
【0032】
ホルダー63の揺動片83の支軸84には、従動ローラー33が回転可能に支持されている。
【0033】
揺動軸65は、全てのホルダー63の円筒部81の軸孔に挿通されている。全てのホルダー63は、所定の位置で、揺動軸65の軸方向(幅方向)に移動不能に揺動軸65に支持されている。揺動軸65の両端は、フレーム61の両側板61aに固定されている。ホルダー63は、揺動軸65を中心として上下方向に揺動する。揺動片83が下方へ揺動すると、規制片85がフレーム61の係止片71に当接して、揺動片83の下方への揺動が規制される。これにより支軸84に支持された従動ローラー33の下方への揺動が規制される。
【0034】
コイルバネ67は、各ホルダー63とフレーム61の天板61bとの間に配置される。コイルバネ67の上端は天板61bに固定され、下端はホルダー63のバネ受け突起87に固定されている。コイルバネ67は、ホルダー63の揺動片83を、揺動軸65を中心として下方に付勢している。ただし、前述のように、ホルダー63の規制片85とフレーム61の係止片71との当接によって、揺動片83の下方への揺動は規制されている。一方で、揺動片83、すなわち、揺動片83に支持された従動ローラー33は、コイルバネ67の付勢力に抗して上方向へ揺動可能である。
【0035】
4個の従動ローラー33を支持した支持ユニット35は、各従動ローラー33が、駆動ローラー31の回転体43の各凹部45に対向するように配置される。詳細には、各従動ローラー33の歯先53は、駆動ローラー31の回転体43の外周面と凹部45の底面との間に配置されて、凹部45の底面から所定の高さだけ離間している。一例として、歯先53と凹部45の底面との離間距離は、0.3mmである。
【0036】
上記構成を有するシート搬送装置27は、従動ローラー33がシートの画像形成面の側、駆動ローラー31がシートの裏面の側となるように配置される。図1に示されるように、画像形成部7の下流側に配置される場合は、従動ローラー33が上側、駆動ローラー31が下側に配置される。
【0037】
駆動ローラー31と従動ローラー33との間のニップにシートが搬送されると、シートは、駆動ローラー31の回転体43の凹部45以外の外周面(シート接触面Cとする)と、従動ローラー33の歯先53とに挟持されて搬送される。つまり、シートの画像形成面には、各従動ローラー33の歯先53が接触し、シートの裏面には駆動ローラー31の回転体43のシート接触面Cが接触する。
【0038】
また、図4に示されるように、シートSの厚さと、歯先53が凹部45に入り込んだ深さと、を加えた距離だけ、ホルダー63の揺動片83はコイルバネ67の付勢力に抗して上方へ揺動し、従動ローラー33がシートによって持ち上げられる。このように揺動片83が上方へ揺動することでコイルバネ67が圧縮され、揺動片83、すなわち、従動ローラー33は下方に付勢される。なお、凹部45においては、シートSは歯先53で押圧されてやや凹部45に入り込むように湾曲する場合もある。この場合は、従動ローラー33が持ち上げられる高さは、前述の場合よりも低くなる。
【0039】
シートSは、従動ローラー33の歯先53と駆動ローラー31の回転体43のシート接触面とに挟持され、駆動ローラー31の回転によってニップを通過する。
【0040】
上記説明したように本発明のシート搬送装置27においては、シートの画像形成面には、従動ローラー33の歯先53が接触する。したがって、従動ローラー33と画像形成面との接触面積をできるだけ小さくすることができるので、画像の汚染を防止できる。このため、シート搬送装置27が画像形成部7の下流側に配置されて、画像形成直後で画像が十分に乾燥していない場合でも、画像の汚染を低減できる。
【0041】
さらに、歯先53は駆動ローラー31の回転体43に接触していないので、歯先53による駆動ローラー31の損傷を防止できる。なお、シートSは従動ローラー33と回転体43とによって直接挟持されていないが、従動ローラー33はコイルバネ67によって下方向へ付勢されているので、従動ローラー33と回転体43との間にシートSを挟持して安定に搬送することができる。なお、従動ローラー33が拍車ローラーである場合、シートの先端がニップに進入して歯先53の側面に当接すると、シートの先端(エッジ)が歯先53によって傷つく場合がある。本実施形態では、シートSがニップに搬送された際に従動ローラー33が持ち上げられる高さは小さいので、シートSがニップに搬送されて歯先53に当接した際にシートが歯先53から受ける衝撃が小さくなる。このようにシートに対する歯先53の衝突負荷が緩和されるので、シートの先端縁の損傷等を防止できる。
【0042】
また、揺動片83の下方への揺動が規制されているので、シートSがニップを通過した後、揺動片83は凹部45の底面から離間した位置まで下方に揺動する。
【0043】
次に、第2の実施例に係るシート搬送装置27について、図5を参照して説明する。図5はシート搬送装置を模式的に示す正面図である。
【0044】
第2の実施例においては、歯先53が凹部45に入り込んでいない。さらに、駆動ローラー31の回転体43のシート接触面Cと歯先53との間の間隔gが、搬送されるシートの厚さよりも狭くなっている。
【0045】
第2の実施例では、歯先53と回転体43のシート接触面Cとの間の間隔gは、シートの厚さよりも狭いので、シートによって従動ローラー33が上方へ移動する高さをできるだけ少なくできる。つまり、シートの先端が歯先53から受ける衝撃が低減されるので、シートの先端の損傷をより確実に防止できる。
【0046】
また、第1及び第2実施例に示されるように、駆動ローラー31の回転体43に凹部45を形成したことで、支持ユニット35の取付精度に裕度を持たせることができる。つまり、歯先53が凹部45に入り込み、且つ、凹部45の底面に接触しない高さ(実施例1)から、歯先53が凹部45に入り込まず、且つ、シート接触面Cと歯先53との間の間隔gがシートの厚さよりも狭くなる高さ(実施例2)の間に、歯先53が位置するように支持ユニット35を取り付けることで、歯先53による駆動ローラー31の損傷を防止しつつ、シートを安定に搬送することができる。さらに、第2実施例によれば、支持ユニット35が下方向にやや位置ズレした場合でも、歯先53が凹部45の底面に接触することを防止できる。
【0047】
なお、駆動ローラー31は、従動ローラー33のそれぞれに対応する複数個の回転体43を備えてもよい。この場合、各回転体43に凹部45が形成される。
【0048】
また、凹部45の深さは、加工精度や加工時間、駆動ローラー31の強度を考慮すると、本実施形態のように0.5mm以上で2mm以下であることが好ましい。駆動ローラー31と従動ローラー33とでシートを確実に挟持するには、歯先53と凹部45とは多少オーバーラップする必要がある。さらに、ニップをシートが通過しない状態でも、歯先53が凹部45の底面に接触しないようにする必要がある。このため、凹部45の深さは、現実的に0.5mm以上が必要である。一方で、凹部45が深すぎると、加工時間が長くなったり駆動ローラー32の強度に影響したりするので、最大で2mm程度であることが好ましい。また、第1実施例に示されるように、歯先53と凹部45の底面との離間距離は、標準のシートの厚さ(0.091mm)以上の0.3mm程度であることが好ましい。この場合、シートが凹部45に嵌まり込んだ場合でも、歯先53と凹部45の底面との間にシートが挟まれることがないので、歯先53がシートに食い込むことを防止できる。また、凹部45の幅は、可能な限り狭いことが好ましく、例えば、5mm以下である。凹部45の幅が広いと、コイルバネ67の付勢力によってシートが変形して波筋がつきやすくなる。凹部45の幅を狭くすることで、駆動ローラー31のシート接触面Cの面積を広くできるので、通紙時にシートと駆動ローラー31との摩擦力が高まり、シートを安定して搬送できる。
【0049】
本発明は特定の実施形態について記載されてきたが、本発明は上記実施形態に限定されない。本発明の範囲及び主旨を逸脱しない限りにおいて、当業者は上記実施形態を改変可能である。
【符号の説明】
【0050】
1 画像形成装置
7 画像形成部
27 シート搬送装置
30 搬送ローラー対
31 駆動ローラー
33 従動ローラー
35 支持ユニット
45 凹部
53 歯先
61 フレーム
63 ホルダー
65 揺動軸
67 コイルバネ(付勢部材)
71 係止片(規制部)
85 規制片(規制部)
図1
図2
図3
図4
図5