(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】遊技システム
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240326BHJP
【FI】
A63F7/02 352L
A63F7/02 332Z
(21)【出願番号】P 2020125683
(22)【出願日】2020-07-22
【審査請求日】2023-03-31
(73)【特許権者】
【識別番号】304020498
【氏名又は名称】サクサ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110319
【氏名又は名称】根本 恵司
(72)【発明者】
【氏名】深井 伸晃
(72)【発明者】
【氏名】中村 誠
(72)【発明者】
【氏名】牧 悠平
(72)【発明者】
【氏名】蟹澤 雅人
【審査官】小泉 早苗
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-107208(JP,A)
【文献】特開2002-165996(JP,A)
【文献】特開2015-142724(JP,A)
【文献】特開2014-180383(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者により設定された終了時刻を記憶する終了時刻記憶手段と、
現在時刻と前記終了時刻及び前記終了時刻から所定時間前の時刻との関係を判定する時刻判定手段と、
前記時刻判定手段により、現在時刻が前記終了時刻から所定時間前の時刻以後の時刻であり、かつ前記終了時刻ではないと判定された場合に遊技のやめ時であることを報知する報知手段と、
を有
し、
前記終了時刻は、遊技機に隣接して設置される台間機の操作部からの遊技者による設定、及び前記遊技者の家族の情報端末からの通信ネットワークを介する設定が可能である遊技システム。
【請求項2】
請求項
1に記載された遊技システムにおいて、
やめ時通知条件が満たされているか否かを判定するやめ時判定手段を有し、前記報知手段は、前記時刻判定手段により現在時刻が前記終了時刻から所定時間前の時刻以後であり、かつ前記終了時刻ではないと判定され、かつ前記やめ時判定手段によりやめ時通知条件が満たされていると判定された場合に報知する遊技システム。
【請求項3】
請求項
2に記載された遊技システムにおいて、
前記やめ時通知条件は、「大当り直後」、「差玉数がマイナス直前」、「現在時刻から大当り出玉獲得時間が経過すると終了時刻を過ぎてしまう」のいずれか1つである遊技システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技システムに関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ、スロットマシン等の遊技機において、現在時刻が営業終了時刻となった時に、遊技者による遊技の実行をアクティブ状態から非アクティブ状態に変更するとともに、遊技店の営業時間が終了したこと及び遊技機が停止されたことを表示する機能を備えた遊技機がある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載された遊技機では、遊技店により決められた営業終了時刻になった時に遊技者に通知するものであるため、遊技者に気持ちよく遊技を終了してもらえないという問題がある。また、遊技機の故障により表示できなかった場合の対策が取られていないという問題もある。
【0005】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、その目的は、遊技者に気持ちよく遊技を終了してもらえるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、遊技者により設定された終了時刻を記憶する終了時刻記憶手段と、現在時刻と前記終了時刻及び前記終了時刻から所定時間前の時刻との関係を判定する時刻判定手段と、前記時刻判定手段により、現在時刻が前記終了時刻から所定時間前の時刻以後の時刻であり、かつ前記終了時刻ではないと判定された場合に遊技のやめ時であることを報知する報知手段と、を有し、前記終了時刻は、遊技機に隣接して設置される台間機の操作部からの遊技者による設定、及び前記遊技者の家族の情報端末からの通信ネットワークを介する設定が可能である遊技システムである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、遊技者に気持ちよく遊技を終了してもらうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係る遊技システムの構成及び概略動作を示す図である。
【
図2】
図1における台間機の内部構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る遊技システムにおける差玉数の時間的変化の例を示す図である。
【
図4】
図1における管理装置の内部構成を示すブロック図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る遊技システムの概略動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
〈遊技システムの構成及び概略動作〉
図1は、本発明の実施形態に係る遊技システムの構成及び概略動作を示す図である。
【0010】
この遊技システムは、遊技機1、台間機2、管理装置3、店員用情報端末4、LAN等の内部ネットワーク5、及びルータ6を備えている。
【0011】
遊技機1は、パチンコやスロットマシン等である。台間機2は、遊技機1と隣接して配置され、遊技者が遊技機1において遊技をする際に遊技機1を監視する装置である。管理装置3は、遊技店の店内に配置されたサーバである。店員用情報端末4は、遊技店の店内に配置されたPC(パーソナルコンピュータ)や店員が所持する携帯端末である。内部ネットワーク5は、有線及び無線のLAN等であり、管理装置3と、台間機2及び店員用情報端末4とは、内部ネットワーク5を介してデータ通信可能である。ルータ6は、内部ネットワーク5と後述する外部ネットワーク7との間の接続制御装置である。
【0012】
外部ネットワーク7は、有線及び無線の公衆通信ネットワークである。家族の情報端末8は、遊技機1の遊技者の家族が所持する携帯端末や家庭に設置されているPC等である。家族の情報端末8と管理装置3とは、外部ネットワーク7、ルータ6、及び内部ネットワーク5を介して通信可能である。
【0013】
なお、ここでは便宜上、遊技機、台間機を1台ずつ図示したが、遊技機、台間機が複数台ずつあることは言うまでもない。
【0014】
台間機2は、遊技者のログイン操作時の認証を行う。本実施形態では、台間機2は遊技者が所持する会員カードから読み取った遊技者の識別情報を含むカードID(会員番号)を管理装置3に送信することで認証を行う。認証が完了した時点でログイン状態となり、遊技者は、ログイン状態では、遊技機1において遊技をすることが可能になる。なお、会員カードを所持していない遊技者については、例えば遊技者が入力した認証用のパスワードを管理装置3に送信する。また、顔認証や静脈認証等の生体認証機能を有する遊技システムの場合は、台間機2は生態情報を管理装置3に送信する。
【0015】
遊技機1は、遊技者の遊技に伴い、遊技情報を台間機2に送信する。遊技情報には、図柄の変動開始、リーチ演出の発生及び終了、大当りの発生及び終了、確率変動状態の発生及び終了、玉情報(アウト玉数、セーフ玉数)等がある。ここでは、大当り情報及び玉情報を図示した。
【0016】
台間機2は、台番号を保持しており、遊技機1から通知された遊技情報及び遊技者の会員番号とともに管理装置3に送信する。また、台間機2は、遊技機1から通知された玉情報(アウト玉数、セーフ玉数)から差玉数(セーフ玉数-アウト玉数)を算出する。管理装置3は、台間機2から送信された遊技機1の遊技情報及び遊技者の会員番号を台番号に紐付けて保存する。
【0017】
以上説明した遊技機1、台間機2、及び管理装置3の動作は一般的な動作である。次にそれらの特徴的な動作の概要について説明する。なお、動作の詳細については後述する。
【0018】
台間機2には、遊技者により遊技開始前及び遊技中に遊技を終了する予定の時刻として終了時刻が設定される。終了時刻は、遊技者の会員番号とともに台間機2から内部ネットワーク5を経て管理装置3に送信される。
【0019】
管理装置3は、台間機2から通知された終了時刻に遊技者の会員番号を紐付けて内部の記憶部に保存する。そして、現在時刻が終了時刻から所定の指定時間(例えば30分)前以後の時刻になった時に所定のやめ時通知条件が成立している場合、管理装置3は台間機2に対して遊技のやめ時であることを通知し、台間機2は遊技のやめ時であることを表示する。やめ時通知条件の具体例については後述する。
【0020】
また、管理装置3は、現在時刻が終了時刻になった時、台間機2に対して終了時刻であることを通知し、台間機2は終了時刻であることを表示する。さらに、管理装置3は、台間機2に対して終了時刻であることを通知した後、所定の指定時間(例えば15分)経過しても遊技者が遊技を続けている場合は、店員用情報端末4に対して、遊技者の会員番号と台番号を通知する。この通知に基づき、店員は遊技者に終了時刻を過ぎていることを知らせることができる。なお、上述した終了時刻前の指定時間、及び終了時刻後の指定時間は遊技店の店員が設定する。
【0021】
終了時刻は家族の情報端末8から管理装置3に設定することもできる。すなわち、例えば家族の情報端末8から管理装置3が提供するWebページにアクセスし、設定画面に遊技者の会員番号と終了時刻を入力することで、管理装置3内の記憶部に記憶させることができる。こうして設定された終了時刻を参照する処理は、上述した台間機2から遊技者により入力された終了時刻を参照する処理と同様である。ただし、やめ時の通知、終了時刻の通知の際、終了時刻が家族により設定されたことを併せて通知し、表示することが好適である。
【0022】
〈台間機の内部構成〉
図2は
図1における台間機の内部構成を示すブロック図である。台間機2は、制御部20と、それぞれが制御部20に接続された記憶部21、通信部22、遊技機接続部23、操作部24、表示部25、及びカード挿入部26を有する。
【0023】
記憶部21は、RAM、ROM、書換え可能な不揮発性メモリなどの記憶媒体である。そして、ROMには台間機2を動作させるために必要な制御プログラムや固定データなどが記憶されている。また、RAMには制御部20が実行中のプログラムや、それらの実行に必要なデータなどが記憶される。また、書換え可能な不揮発性メモリには各種設定データが記憶される。ここでは、RAMに記憶されるデータとして、台番号、玉情報であるアウト玉数、セーフ玉数、及び差玉数、大当り受信時刻、指定時間、並びに終了時刻からなる遊技状態情報21aを図示した。この遊技状態情報21aを構成する玉情報の意味及び取得方法については後述する。
【0024】
通信部22は、管理装置3の間で情報を送受信するための通信インタフェースである。通信部22は、例えばLANコントローラを含んでいる。遊技機接続部23は、遊技機1と連動するためのインタフェースを含んでいる。
【0025】
操作部24は、遊技者が操作を行うためのデバイスとして、例えば操作ボタンを有する。操作部24は、表示部25に重ねて設けられたタッチパネルを有してもよい。表示部25は、例えば液晶ディスプレイである。表示部25は、遊技者に通知する各種の情報を表示する。本実施形態では、表示部25は、やめ時通知、終了時刻通知を表示することで、やめ時、終了時刻を報知する報知手段としても機能する。カード挿入部26は、遊技者が会員カードや一般カードを挿入するための挿入口である。
【0026】
制御部20は、例えばCPUであり、記憶部21に記憶されたプログラムを実行することにより、通信制御部201、遊技制御部202、操作制御部203、表示制御部204及びカード制御部205として機能する。
【0027】
通信制御部201は、通信部22を介して管理装置3との間でデータ通信を行う。本実施形態では、通信制御部201は、管理装置3に対して会員番号、終了時刻、遊技情報等を送信する。また、管理装置3からやめ時通知、終了時刻通知等を受信する。
【0028】
遊技制御部202は、遊技機接続部23を介して、遊技機1との間でデータ通信を行うことで、遊技機1を監視する。本実施形態では、例えば遊技機1から遊技機情報、玉情報等を受信する。
【0029】
操作制御部203は、操作部24において行われた操作内容を示す情報を操作部24から取得し、取得した情報に基づいて、操作内容に関連する制御部20の各部に操作内容を通知する。
【0030】
表示制御部204は、表示部25に各種の情報を表示させる。表示制御部204は、例えば、やめ時であること、終了時刻であること等を表示部25に表示させる。
【0031】
カード制御部205は、カード挿入部26に挿入された記憶媒体であるカードから情報を読み出したり、カードに情報を書き込んだりする。
【0032】
〈玉情報について〉
ここで、台間機2の記憶部21に記憶される遊技状態情報21aの内の玉情報について説明する。アウト玉数とはアウト玉(打ち込まれた玉)の数であり、セーフ玉数とはセーフ玉(払い出された玉)の数である。また、差玉数とはセーフ玉の数からアウト玉の数を引いた数である。したがって、遊技者から見た場合、差玉数がプラスの時は勝ち、差玉数がマイナスの時は負けである。
【0033】
次に玉情報の取得方法について二つの例を説明する。
台間機2は、アウト玉の発生毎、セーフ玉の発生毎に遊技情報としてそれぞれの発生情報を遊技機1から取得し、アウト玉の発生数、セーフ玉の発生数をカウントしたアウト玉数、セーフ玉数から差玉数を算出する。
下記の表1は第1の例、表2は第2の例のデータ構造を示している。
【0034】
【0035】
【0036】
表1に示されている第1の例では所定時間(ここでは10分)間隔で所定回数(ここでは3回)分の玉情報を記録している。また、表2に示されている第2の例では、所定時間毎に前回からの差分の玉情報を記録している。
【0037】
図3は差玉数の時間的変化の例を示す図である。この図において、破線で囲まれている時間帯は差玉数がプラスになる直前(マイナスからゼロに向かっている)からプラスになった直後までの状態を表している。
【0038】
〈管理装置の内部構成〉
図4は、管理装置の内部構成を示すブロック図である。管理装置3は、制御部30と、それぞれが制御部30に接続された記憶部31、操作部32、表示部33、及び通信部34を有する。
【0039】
操作部32は、例えばキーボード及びマウスのように、ユーザ(遊技店の店員等)の操作を受け付けるデバイスである。通信部34は、内部ネットワーク5を介して台間機2との間でデータを送受信するための通信インタフェースの一部であり、例えばLANコントローラにより構成されている。表示部33は、操作部32から入力された情報や台間機2から取得した情報等を表示するディスプレイである。
【0040】
記憶部31は、ROM、RAM、ハードディスク等の記憶媒体である。そして、ROMには管理装置3を動作させるために必要な制御プログラムや固定データなどが記憶されている。また、RAMには制御部30が実行中のプログラムや、それらの実行に必要なデータなどが記憶される。また、ハードディスクには大容量の情報が記憶される。ここでは、台番号に紐付けた会員番号及び終了時刻を図示したが、これらの情報に加えて、台間機2の記憶部21に記憶される遊技状態情報21aの差玉数、大当り受信時刻、指定時間等も記憶される。
【0041】
制御部30は、例えばCPUであり、記憶部31に記憶されたプログラムを実行することにより、管理装置3全体を制御する。また、制御部30は、現在時刻が後述する「やめ時通知時刻」であるか否かの判定、及び現在時刻が終了時刻であるか否かの判定、すなわち現在時刻と、「やめ時通知時刻」及び終了時刻との関係を判定する時刻判定手段として機能する。
【0042】
〈遊技システムの概略動作〉
図5は、本発明の実施形態に係る遊技システムの概略動作を示すフローチャートである。この動作は管理装置3の動作である。管理装置3がこの動作を実行する前に遊技者は台間機2に会員カードを挿入し、台間機2は会員番号を読み取り、管理装置3に送信済みとする。
【0043】
まず管理装置3は終了時刻を設定する(ステップS1)。ここでは、遊技者が終了時刻を設定したものとする。すなわち、管理装置3は、遊技者が台間機2から入力した終了時刻を台間機2から受信し、記憶部31に記憶する。なお、指定時間は遊技店の店員による予め設定済みとする。以下、終了時刻を18時00分、指定時間を30分として説明する。
【0044】
管理装置3は現在時刻が終了時刻から指定時間前の時刻以後の時刻であるか否かを判定する(ステップS2)。ここでは現在時刻が17時30分以後か否かを判定する。以下、終了時刻から指定時間前の時刻を「やめ時通知時刻」と言う。
【0045】
現在時刻が「やめ時通知時刻」以後の時刻ではない、換言すれば現在時刻は「やめ時通知時刻」の前の時刻であると判定した場合はステップS2を繰り返し(ステップS2:NO→ステップS2)、現在時刻が「やめ時通知時刻」以後の時刻であると判定した場合は(ステップS2:YES)、現在時刻が終了時刻であるか否かを判定する(ステップS3)。ここでは、ステップS2で17時30分以後であると判定した場合、ステップS3で18時00分であるか否かを判定する。
【0046】
現在時刻が終了時刻ではない、すなわち、「やめ時通知時刻」以後の時刻であるが終了時刻ではないと判定した場合は(ステップS3:NO)、大当り直後か否かを判定する(ステップS4)。
【0047】
大当り直後であると判定した場合は(ステップS4:YES)、台間機2にやめ時通知を送信する(ステップS5)。台間機2はやめ時通知を受信し、やめ時であることを表示部25で表示する。大当り直後にやめ時を通知する理由は、大当り直後はセーフ玉数が増大したことから遊技者が気持ちよくやめられるタイミングと考えられるからである。
【0048】
大当り直後ではないと判定した場合は(ステップS4:NO)、差玉数がマイナス直前であるか否かを判定する(ステップS6)。すなわち、差玉数がプラスからゼロに向かっている、より詳しくは、現在の差玉数が前回の差玉数から減少しており、かつ現在の差玉数が所定値(例えば+50)以下の場合、差玉数がマイナス直前であると判定する。
【0049】
差玉数がマイナス直前であると判定した場合は(ステップS6:YES)、台間機2にやめ時通知を送信する(ステップS5)。台間機2はやめ時通知を受信し、やめ時であることを表示部25で表示する。差玉数がマイナス直前のタイミングでやめ時を通知する理由も大当り直後と同様に遊技者が気持ちよくやめられるタイミングと考えられるからである。
【0050】
差玉数がマイナス直前ではないと判定した場合は(ステップS6:NO)、現在時刻から大当り出玉獲得時間が経過すると終了時刻を過ぎてしまうか否かを判定する(ステップS7)。すなわち、現在大当りが始まると、大当りが終了する前に終了時刻を過ぎてしまうか否かを判定する。
【0051】
現在時刻から大当り出玉獲得時間が経過すると終了時刻を過ぎてしまうと判定した場合は(ステップS7:YES)、台間機2にやめ時通知を送信する(ステップS5)。台間機2はやめ時通知を受信し、やめ時であることを表示部25で表示する。現在時刻から大当り出玉獲得時間が経過すると終了時刻を過ぎてしまうと判定した場合にやめ時を通知する理由は、大当りが発生した場合、大当りが終了する前に終了時刻になってしまい、残念な気持ちで遊技を終了することになる事態を避けるためである。
【0052】
現在時刻から大当り出玉獲得時間が経過しても終了時刻を過ぎないと判定した場合は(ステップS7:NO)、ステップS3に移行し、現在時刻が終了時刻であるか否かを判定する処理を再度実行する。
【0053】
現在時刻が終了時刻(ここでは現在時刻が18時00分)であると判定した場合は(ステップS3:YES)、台間機2に終了時刻通知を送信し(ステップS8)、終了時刻設定解除の解除を実施して(ステップS9)、この図に示されているフローを終了させる。台間機2は終了時刻通知を受信し、終了時刻であることを表示部25で表示する。
【0054】
以上説明した
図5に示されているフローをまとめると下記(A)、(B)になる。
(A)管理装置3は、現在時刻が「やめ時通知時刻」以後の時刻であると判定すると、やめ時通知条件である「大当り直後」、「差玉数がマイナス直前」、「現在時刻から大当り出玉獲得時間が経過すると終了時刻を過ぎてしまう」のいずれか1つが成立するか否かを判定し、成立すると判定した場合は台間機2にやめ時通知を送信する。なお、やめ時通知の内容にやめ時通知条件を反映させてもよい。
(B)上記条件が成立しないと判定した場合は、現在時刻が終了時刻であると判定するまで、上記(A)の処理を繰り返し、終了時刻であると判定したら、台間機2に終了時刻通知を送信し、終了時刻設定解除を実行して、処理を終了させる。
【0055】
なお、以上の説明では、遊技者が台間機2から終了時刻を設定するものとしたが、前述したとおり、終了時刻は遊技者の家族が設定することもできる。この場合、管理装置3は、遊技者の家族が家族の情報端末8から入力した終了時刻を受信し、記憶部31に記憶する。この場合、やめ時通知、終了時刻通知を行う際、併せて家族からの終了時刻設定であることを通知することが好適である。また、遊技者が設定した後に家族が設定した場合、家族の設定を優先することが好適である。
【0056】
また、図示のように終了時刻通知(ステップS8)の次に終了時刻設定解除(ステップS9)を実行するのではなく、終了時刻通知の次に遊技者が遊技を終了したことを確認するステップを実行した後に終了時刻設定解除を実行するように構成してもよい。遊技者が遊技を終了したか否かの確認は例えばログアウトしたか否かに基づき実行することができる。
【0057】
また、終了時刻通知から所定時間経過しても遊技の終了を確認できなかった場合は、店員用情報端末4に対して、遊技者の会員番号と台番号を通知する。この通知に基づき、店員が遊技者に終了時刻を過ぎていることを知らせて遊技者に遊技を終了させる。そして、遊技の終了を店員用情報端末4から管理装置3に通知し、管理装置3がその通知を受けて、終了時刻設定解除を通知するように構成してもよい。
【0058】
以上詳細に説明したように、本発明の実施形態に係る遊技システムによれば、下記(1)~(4)の効果が得られる。
(1)遊技者やその家族が終了時刻を設定することができ、かつ終了時刻の前にやめ時を通知するので、遊技店により決められた営業終了時刻になった時に遊技者に通知する従来技術と比べて、遊技をやめる準備ができ、気持ちよく遊技を終了させることができる。
(2)大当り直後、差玉数がマイナス直前など、遊技者が勝っている状態でやめ時を通知するので、遊技者に気持ちよく遊技を終了してもらうことができる。
(3)遊技者が終了時刻通知に気付かなかった場合や、通信エラー等で終了時刻が通知されなかった場合に店員によるケアが可能であり、遊技者からのクレームを抑止することができる。
(4)家族との待ち合わせや夕食の時刻を終了時刻として設定することで、のめり込みを抑止することが可能となり、遊技の健全性をアピールすることができる。
【0059】
なお、本発明には上記実施形態に加えて下記(i)~(ix)の変形例がある。
(i)
図5に示されているフローを台間機2が実行する。
(ii)やめ時通知(ステップS5)に基づく表示及び終了時刻通知(ステップS8)に基づく表示を遊技機1で実行する。この場合、台間機2が管理装置3からのやめ時通知、終了時刻通知を受信し、表示部で表示するように制御する。
(iii)遊技者が終了時刻を台間機2から入力する際、台間機2の表示部25に公共交通機関(電車/バス/飛行機等)のWebページ上の時刻表を管理装置3経由で取得して表示し、遊技者による時刻の選択を可能にする。また、この場合に遊技店から駅迄の距離などを考慮して、時刻表上の時刻の任意の時間(例えば10分)前の時刻を終了時刻とする設定を可能にする。時刻表を表示せずに例えば「終電」と入力するように構成してもよい。また、電車が遅延したら、やめ時通知、終了時刻通知を電車の遅延に連動させて遅らせることが好適である。
(iv)遊技者が台間機2から家族の行動に応じた終了時刻の時間帯を設定する。すなわち、例えば家族が買物中であり、買物に要する時間(例えば2時間)が分かっている場合、遊技者は、現在から2時間程度後の時間帯を終了時刻の範囲として設定する。
(v)遊技者の家族の携帯端末の位置情報を遊技者の携帯端末を介して管理装置3が取得し、例えば映画館に入った時、映画の上映終了時刻を遊技の終了時刻として自動的に設定する。
(vii)友人、知人等、家族以外の人との待合せ時刻に応じて、終了時刻を設定する。すなわち、例えば待合せを約束した友人の携帯端末の位置情報や利用する公共交通機関の設定等を遊技者の携帯端末を介して管理装置3が取得し、到着時刻を予測して、終了時刻として設定する。
(viii)遊技者が遊技店の近隣の時間貸し駐車場(コインパーキング)に駐車した場合、遊技者が終了時刻を台間機2から入力する際、台間機2の表示部25に近隣の時間貸し駐車場のWebページを管理装置3経由で取得して駐車料金等を表示し、所定の料金範囲内での遊技者による手動又は自動による終了時刻の設定を可能にする。また、所定の料金範囲内の駐車時刻の期限の任意の時間(例えば15分)前の時刻を終了時刻とする設定を可能にする。
(ix)遊技者が遊技終了後に近隣の店舗で買物をする予定の場合、遊技者が終了時刻を台間機2から入力する際、台間機2の表示部25に近隣の店舗のWebページを管理装置3経由で取得して表示し、閉店時刻を考慮した終了時刻の設定を可能にする。
【符号の説明】
【0060】
1…遊技機、2…台間機、3…管理装置、4…店員用情報端末、5…内部ネットワーク、7…外部ネットワーク、8…家族の情報端末、20,30…制御部、21,31…記憶部、22,34…通信部、24,32…操作部、25,33…表示部。