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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】評価システム及び評価管理方法
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/00 20060101AFI20240326BHJP
   G09G 5/10 20060101ALI20240326BHJP
   H04N 17/00 20060101ALI20240326BHJP
   H04N 17/04 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
G09G5/00 X
G09G5/00 510V
G09G5/00 550C
G09G5/10 D
H04N17/00 G
H04N17/04 C
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020141724
(22)【出願日】2020-08-25
(65)【公開番号】P2022037535
(43)【公開日】2022-03-09
【審査請求日】2023-03-31
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】竹下 浩
【審査官】橋本 直明
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-149767(JP,A)
【文献】特開2015-114424(JP,A)
【文献】特開2015-115046(JP,A)
【文献】特開2002-204239(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111240623(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 5/00
G09G 5/10
H04N 17/00
H04N 17/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置と端末装置とを備えた評価システムであって、
前記表示装置は、
前記表示装置の画質評価用テストパターン及び、前記表示装置の識別情報に基づいた表示パターンを含んだ所定の画像を生成する生成部と、
前記所定の画像を表示画面に表示する表示部と、
前記端末装置の筐体が前記表示画面上に載置されたことを検出する検出部と
を備え、
前記端末装置は、
前記端末装置の筐体の表面に配置された撮像部であって、前記表示装置の表示画面上に前記筐体の表面を載置した状態で、前記表示画面に表示された前記所定の画像を撮像する撮像部と、
前記撮像部で撮像された前記所定の画像に基づいて、前記表示装置の識別情報を取得する取得部と、
前記取得部で取得された前記識別情報を用いて、評価対象の表示装置を識別する識別部と、
前記撮像部により撮像された前記所定の画像に基づいて、前記識別された表示装置の画質を評価する評価部と、
を備え、
前記表示装置の前記表示部は、前記検出部が、前記端末装置の筐体が前記表示画面上に載置されたことを検出した場合に、前記所定の画像を表示する、評価システム。
【請求項2】
前記表示パターンは、前記識別情報に基づいた点滅パターンであって、
前記表示部は、前記所定の画像を前記識別情報に基づいた点滅パターンで点滅表示する、
請求項1に記載の評価システム。
【請求項3】
前記表示パターンは、前記識別情報に基づいた画像パターンである、
請求項1に記載の評価システム。
【請求項4】
表示装置と端末装置とを備えた評価システムにおける評価管理方法であって、
前記表示装置は、
前記表示装置の画質評価用テストパターン及び、前記表示装置の識別情報に基づいた表示パターンを含んだ所定の画像を生成し、
前記端末装置の筐体が表示画面上に載置されたことを検出した場合に、前記所定の画像を前記表示画面に表示し、
前記端末装置は、
前記端末装置の筐体の表面に配置された撮像部により、前記表示装置の表示画面上に前記筐体の表面を載置した状態で、前記表示画面に表示された前記所定の画像を撮像し、
撮像された前記所定の画像に基づいて、前記表示装置の識別情報を取得し、
前記取得された識別情報を用いて、評価対象の前記表示装置を識別し、
前記撮像部により撮像された前記所定の画像に基づいて、前記識別された表示装置の画質を評価する、
評価管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、評価システム及び評価管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示装置の高精細化や多様化が進んでおり、用途等に対応して、表示装置に所望の画質で画像を表示することが望まれている。関連するPC(Personal Computer)用のモニタ装置では、表示特性を可変にすることにより、所望の画質に調整可能な機能を有している。このような画質の調整や評価を行う機能を有する表示装置は、例えば、医用画像の読影を行う医用モニタや、出版物のデザインなどを行うDTP(Desktop Publishing)モニタ等として利用されている。
【0003】
関連する技術として、例えば、特許文献1が知られている。特許文献1には、表示装置の表示画面の明るさや色を輝度センサにより測定し、測定結果に応じて表示画面の画質を調整する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-003694号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、特許文献1に記載された技術によれば、輝度センサを用いることで、表示装置の画質を評価することができる。しかしながら、特許文献1に記載された技術では、表示画面の輝度を測定するためのセンサとして、表示装置やPCに外部接続する専用の外部センサが必須である。このため、特許文献1に記載された技術では、専用の外部センサを用いることなく表示装置の画質を評価する場合に、表示装置を識別することが困難であるという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、表示装置と端末装置とを備えた評価システムであって、前記表示装置は、前記表示装置の識別情報に基づいた表示パターンを生成する生成部と、前記生成された表示パターンを表示画面に表示する表示部と、を備え、前記端末装置は、前記端末装置の筐体の表面に配置された撮像部であって、前記表示装置の表示画面上に前記筐体の表面を載置した状態で、前記表示画面に表示された表示パターンを撮像する撮像部と、前記撮像された表示パターンに基づいて、前記表示装置の識別情報を取得する取得部と、前記取得された識別情報を用いて、評価対象の表示装置を識別する識別部と、前記撮像部により撮像された所定の画像に基づいて、前記識別された表示装置の画質を評価する評価部と、を備える、評価システムを提供する。
【0007】
本発明は、表示装置と端末装置とを備えた評価システムにおける評価管理方法であって、前記表示装置は、前記表示装置の識別情報に基づいた表示パターンを生成し、前記生成された表示パターンを表示画面に表示し、前記端末装置は、前記端末装置の筐体の表面に配置された撮像部により、前記表示装置の表示画面上に前記筐体の表面を載置した状態で、前記表示画面に表示された表示パターンを撮像し、前記撮像された表示パターンに基づいて、前記表示装置の識別情報を取得し、前記取得された識別情報を用いて、評価対象の前記表示装置を識別し、前記撮像部により撮像された所定の画像に基づいて、前記識別された表示装置の画質を評価する、評価管理方法を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、専用の外部センサを用いることなく表示装置の画質を評価する場合に、表示装置を識別することが可能な評価システム及び評価管理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1に係るタブレット端末の外観構成を示す構成図である。
図2】実施の形態1に係るモニタ装置の外観構成を示す構成図である。
図3】実施の形態1に係るモニタ精度管理システムの構成を示す構成図である。
図4】実施の形態1に係るモニタ精度管理方法を説明するための図である。
図5】実施の形態2に係るモニタ精度管理システムの構成を示す構成図である。
図6】実施の形態2に係るモニタ精度管理方法を示すシーケンス図である。
図7】実施の形態2に係るモニタ精度管理方法を説明するための図である。
図8】実施の形態2に係るモニタ精度管理方法で使用するテストパターンの例を示す図である。
図9】実施の形態2に係るモニタ精度管理方法で評価する輝度特性の例を示す図である。
図10】実施の形態3に係るモニタ精度管理システムの構成を示す構成図である。
図11】実施の形態3に係るペアリング方法を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。各図面においては、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略される。
【0011】
(実施の形態1)
まず、実施の形態1について説明する。本実施の形態では、タブレット端末を用いてモニタ精度管理を行う例について説明する。なお、「モニタ精度管理」もしくは「モニタ表示精度管理」とは、モニタ装置の表示画面の輝度等を測定し、モニタ装置の画質を評価及び管理することであり、必要に応じて、評価結果に基づいて画質を調整することを含む。本実施の形態では、モニタ精度管理の例として、モニタ装置の画質を評価するが、さらにモニタ装置の画質を調整してもよい。
【0012】
<実施の形態1の概要>
上記のように、関連する技術では、モニタ装置の輝度等を測定するために、モニタ装置やPCに外部接続する専用の外部センサが必要となる。専用の外部センサユニットはモニタ装置本体と別体の機器であるため、個別の管理が必要となる点が課題である。また、一般に専用の外部センサは高価であるため、保有するモニタ装置の台数分だけセンサを保有することは困難であり、複数台のモニタ装置で少数のセンサを共用する運用が一般的である。このため、読影を行う医用モニタのモニタ精度管理作業を行う際には、その都度、対象となるモニタ装置やPCに、専用の外部センサを接続する手間が発生するという点が課題となる。さらに、専用の外部センサで表示画面を測定する際には、モニタ装置の表示画面の所定の位置にセンサの測定部が正しく密着されるように装着する必要がある。この点も専用の外部センサを使用する上で、ユーザに与える負荷の要因となる。そこで、本実施の形態では、タブレット端末の内蔵カメラを用いることで、上記課題を解決可能とする。
【0013】
<実施の形態1の構成>
図1(a)は、本実施の形態に係るタブレット端末10の正面外観図であり、図1(b)はその背面外観図である。本実施の形態に係るタブレット端末10は、モニタ精度管理ソフトウェア(評価機能)を実装したタブレット端末であり、外観形状は一般的なタブレット端末と同様である。なお、タブレット端末10は、タブレット型の端末装置の一例であり、同様の形状及び機能を有していれば、スマートフォンや携帯電話等でもよい。
【0014】
図1に示すように、タブレット端末10は、正面または背面から見て長方形で薄型の筐体11を備えている。筐体11は、前面及び背面がフラットな平板形状であり、内部に各種ハードウェアを収容する。筐体11のサイズ、すなわち、タブレット端末10のサイズは、一般的なタブレット端末と同様、例えば10インチ前後の表示画面を収容するサイズであり、厚さは1cm以下であるが、特に限定されない。
【0015】
筐体11の前面11a(表面)に表示画面12とインカメラ13を備え、筐体11の背面11b(表面)にアウトカメラ14を備えている。表示画面12は、液晶表示パネルや有機EL(Electro Luminescence)表示パネル等のフラットな表示パネル(表示部)である。例えば、表示画面12は、筐体11の前面11aに近いサイズであり、筐体11の前面11aの中央に配置される。なお、筐体11の前面11aの全体を表示画面12として、表示画面12の端部にインカメラ13を配置してもよい。
【0016】
インカメラ13及びアウトカメラ14は、CCD(Charged-coupled devices)カメラやCMOS(Complementary metal-oxide-semiconductor)カメラ等の撮像部である。インカメラ13は、筐体11の前面11aの縁部(ベゼル)の任意の位置に配置され、例えば、一つの短辺縁部の中央に配置されている。アウトカメラ14は、筐体11の背面11bの縁部近傍の任意の位置に配置され、例えば、インカメラ13と同じ一つの短辺縁部の中央に配置されている。例えば、アウトカメラ14は、インカメラ13よりも高画質に画像を撮像可能であるが、特に限定されない。ユーザはタブレット端末10を任意の向きに設置または把持して使用可能である。本実施の形態では、インカメラ13及びアウトカメラ14のいずれを使用してもよいし、インカメラ13及びアウトカメラ14を上下左右のいずれの向きに固定して使用してもよい。
【0017】
図2(a)は、本実施の形態に係るモニタ装置20の正面外観図であり、図2(b)はそのA-B断面図である。本実施の形態に係るモニタ装置20は、モニタ精度管理対象(評価対象)の表示装置であり、例えば、医用画像を表示する医用モニタであるが、その他、DTP用のモニタ装置等でもよい。
【0018】
図2に示すように、モニタ装置20は、正面視で長方形の表示画面21を備えている。表示画面21は、液晶表示パネルや有機EL表示パネル等のフラットな表示パネルである。表示画面21のサイズは、一般的な医用モニタと同様、例えば20インチ前後であるが、特に限定されない。
【0019】
モニタ装置20は、例えば、表示画面21の周囲にベゼル21aを備えている。ベゼル21aは、表示画面21よりも厚さ方向に数mm程度突出した凸部である。表示画面21の縁部において、表示画面21の表面とベゼル21aの側面が略直角の角部を形成している。後述するように、ベゼル21aは、モニタ装置20の評価を行う際に、タブレット端末10を引っ掛けて載置する出っ張り部である。なお、モニタ装置20はベゼル21aを備えなくてもよいが、その場合、タブレット端末10を載置するための出っ張り部材をモニタ装置20の縁部に設けることが好ましい。
【0020】
モニタ装置20は、スタンド30により支持され、ユーザが表示画面21を安定して見ることができるように所定の向きに固定されている。例えば、モニタ装置20は、スタンド30により縦置き、すなわち長手方向がスタンド30の設置面に対し垂直となるように固定されるが、横置きで固定されてもよい。スタンド30は、モニタ装置20の縦横の向きを変更できるとともに、モニタ装置20の表示画面21の傾きを変更することができる。表示画面21の傾きは、例えば、スタンド30により支持された表示画面21の中央部を中心として、表示画面21を垂直方向から水平方向へ回転させたときの傾きである。
【0021】
図3は、本実施の形態に係るモニタ精度管理システム1の構成例を示している。図3に示すように、モニタ精度管理システム1は、タブレット端末10とモニタ装置20を備えている。モニタ精度管理システム1は、タブレット端末10がモニタ装置20の画質を評価するための評価システムである。なお、図3の各構成は、一例であり、本実施の形態に係る方法が可能であれば、その他の構成でもよい。
【0022】
タブレット端末10は、図1に示した表示画面12、インカメラ13及びアウトカメラ14に加えて、I/F(インタフェース)15、記憶部16、制御部100を備えている。インカメラ13またはアウトカメラ14は、タブレット端末10の筐体11のいずれかの表面に配置された撮像部であり、本実施の形態では、モニタ装置20の表示画面21に筐体11の表面が対向する位置に載置した状態で、表示画面21に表示された画像を撮像する。
【0023】
I/F15は、モニタ装置20と通信可能に接続するための通信部であり、接続方法及び通信方法は、特に限定されない。記憶部16は、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリやハードディスク装置等である。記憶部16は、タブレット端末10の動作に必要なプログラムやデータを記憶し、例えば、画質を評価するためのモニタ精度管理プログラム(ソフトウェア)や画質の評価に必要なデータ等を記憶する。
【0024】
制御部100は、タブレット端末10の各部の動作を制御する制御部であり、CPU(Central Processing Unit)等のプログラム実行部である。制御部100は、記憶部16に格納されたモニタ精度管理プログラムを読み出し、読み出したプログラムを実行することで、各機能(処理)を実現する。
【0025】
制御部100は、例えば、モニタ精度管理プログラムにより実現される機能として、生成部101、取得部102、評価部103を有する。生成部101は、モニタ装置20に表示する所定のテストパターンを生成し、生成したテストパターンをI/F15を介してモニタ装置20へ送信する。生成部101は、記憶部16に記憶されたテストパターンを取得してもよい。取得部102は、インカメラ13またはアウトカメラ14が撮像した画像を取得する。この例では、モニタ装置20に表示されたテストパターンを撮像した画像を取得する。評価部103は、取得したテストパターンの画像に基づいて、モニタ装置20の画質を評価する。評価部103は、例えば、画像の輝度を評価するが、輝度に限らず色を評価してもよい。
【0026】
モニタ装置20は、図2に示した表示画面21に加えて、I/F22、記憶部23、制御部200を備えている。表示画面21は、タブレット端末10から受信したテストパターンを表示する表示部である。I/F22は、タブレット端末10のI/F15と同様、タブレット端末10と通信可能に接続する。記憶部16は、モニタ装置20の動作に必要なプログラムやデータを記憶する。例えば、記憶部16は、入力データを表示画面に表示するための表示レベルに変換するLUT(Look Up Table)を記憶する。評価結果に応じてLUTの設定を変えることで、表示画面21の画質を調整することができる。
【0027】
制御部200は、モニタ装置20の各部の動作を制御する制御部である。例えば、制御部200は、I/F22を介してタブレット端末10からテストパターンを受信し、受信したテストパターンをLUTに基づいた表示レベルで表示画面21に表示するよう制御する。
【0028】
<実施の形態1の方法>
次に、図1から図3に示したタブレット端末10及びモニタ装置20を用いた、本実施の形態に係るモニタ精度管理方法(評価方法)について説明する。図4(a)は、本実施の形態に係るモニタ精度管理方法を実施している状態を示すモニタ装置20の正面外観図であり、図4(b)はそのA-B断面図である。
【0029】
図4に示すように、本実施の形態では、モニタ装置20のモニタ精度管理を行う際、モニタ装置20の表示画面21にタブレット端末10を重ねて配置する。具体的には、スタンド30によりモニタ装置20の表示画面21を仰向け方向(水平方向)に斜めに傾けた状態で固定し、タブレット端末10を表示画面21上に載置する。例えば、タブレット端末10のアウトカメラ14が配置された背面側を表示画面21上に載置する。
【0030】
そうすると、タブレット端末10の下側のエッジ、すなわちアウトカメラ14の無い短辺側端部がベゼル21aの出っ張りに引っ掛けられた状態となり、タブレット端末10の端部がベゼル21aに当接するとともに、タブレット端末10の背面全体が表示画面21に当接するため、タブレット端末10が表示画面21上に静止する。このとき、タブレット端末10のアウトカメラ14は、表示画面21の中央付近の位置となる。すなわち、アウトカメラ14が表示画面21の中央付近に当接した状態で固定される。
【0031】
この状態で、タブレット端末10においてモニタ表示精度管理ソフトウェアを起動すると、タブレット端末10からモニタ装置20へテストパターンが送信され、モニタ装置20の表示画面21にテストパターンが表示される。タブレット端末10は、アウトカメラ14により表示画面21の中央付近に表示されたテストパターンを撮像し、撮像したテストパターンの画像の画質を評価する。なお、タブレット端末10の前面と背面を逆にして配置することで、インカメラ13によりテストパターンを撮像してもよい。また、タブレット端末10を配置した状態で撮像できれば、表示画面21の中央付近に限らず、表示画面21の任意の位置でテストパターンを撮像してもよい。例えば、タブレット端末10を図4のような縦置きに限らず、タブレット端末10を横置きし、表示画面21の中央より下側を撮像してもよい。
【0032】
<実施の形態1の効果>
以上のように、本実施の形態では、モニタ精度管理ソフトウェアを実装したタブレット端末の内蔵カメラを用いて、モニタ装置のモニタ精度管理を行う。これにより、モニタ精度管理を簡易に行うことができる。また、輝度等を測定するセンサの管理を容易にし、測定作業時のユーザの負荷を軽減することができる。
【0033】
一般にタブレット端末には、映像を撮影するカメラユニットが内蔵されている。更に多くの場合、タブレット端末の背面側にはアウトカメラ、画面側にはインカメラと呼ばれる2機のカメラが搭載されている。本実施の形態では、このタブレット端末の内蔵カメラを、モニタ精度管理に用いる外部センサの代用とする。一般にタブレット端末は、1cm以下の薄い、かつ凹凸のない平面の筐体で構成されている。したがって、タブレット端末をモニタ精度管理対象のモニタ装置の表示画面に密着して設置することが可能であり、これにより、タブレット端末の内蔵カメラをモニタ装置の表示画面に密着して設置することができる。
【0034】
モニタ装置の表示特性の測定場所は、表示画面の隅よりも中央部で行うほうが良いとされている。その理由は、表示デバイスの均一性(ユニフォミティ)の影響を緩和できるからである。一般にモニタ装置の画面サイズとタブレット端末のサイズは2:1程度であることが多い。更に、タブレット端末のカメラは、筐体中央ではなく隅にオフセットして実装されている。特にインカメラは、表示画面の外側である筐体のエッジ部分に実装されている事が多い。したがって、タブレット端末のエッジを、モニタ装置のベゼルに接するように設置した場合、タブレット端末の内蔵カメラを、モニタ装置の表示画面の中央部分に位置するように設置することができる。このことは、モニタ精度管理の画面測定において好適であり、画面中央部での測定を容易に行うことができる。
【0035】
更に、一般にモニタ装置は、パネルと呼ばれる表示デバイスを、ベゼルと呼ばれる額縁状の筐体で覆った構造をなすものが多い。したがって、パネル面に対してベセル部分が僅かに出っ張っていることが多い。また、一般にモニタ装置はスタンドに取り付けられ、据え置き設置可能な構造を有し、更に、スタンドには上下左右のチルト機構を有するものが多い。この機構を利用し、モニタ精度管理対象のモニタ装置の表示画面を仰向け方向にチルトさせた状態で、タブレット端末をモニタ装置のベゼルに接するように設置することにより、タブレット端末をモニタ装置のベセルの出っ張り部分に引っかかる形で安定的に保持できる。すなわち、人手や器具で支えること無く、タブレット端末をモニタ装置の表示画面上に安定して保持設置することができる。なお、本実施の形態で想定されるタブレット端末の筐体の縁の形状は、モニタ装置のベゼルの出っ張りに容易にひっかかり安定保持されることを想定して設計された形状をなしていることが好ましい。
【0036】
本実施の形態に係るタブレット端末を用いたモニタ精度管理システムは、モニタ精度管理ソフトウェアを搭載した読影端末と専用の外部センサを用いた手法に比べて、次のような利点を有する。すなわち、モニタ精度管理システムが、単一のタブレット端末のみで構成されている。これにより、端末、センサ、ソフトウェア等が一体であるため、一元的に保守管理できる。また、センサを紛失等することがなく、ブレット端末が軽量であるため、持ち運びが簡易である。さらに、読影端末にモニタ精度管理ソフトウェアを導入する必要がなく、他のソフトウェアとの干渉による障害が発生しない。
【0037】
また、システムの保守も簡易に行うことができる。本実施の形態の適用前では、サービスマンがサイトを訪問するか、サイトの管理者が自力で保守を行う必要があった。本実施の形態によれば、例えば、タブレット端末を用いたモニタ精度管理システムを、遠隔保守するサービスが実現できる。また、タブレット端末ごとセンドバックすることも可能である。
【0038】
特に、専用の外部センサを用いた場合と比べて、本実施の形態では、タブレット端末をモニタ装置の表示画面に設置し測定位置を簡易に保持できる。さらに、保持された状態で、タブレット端末の内蔵カメラにより、モニタ装置の表示画面の中央部を確実に測定できる。
【0039】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。本実施の形態では、実施の形態1の構成において、さらに、モニタ装置に表示する映像信号をタブレット端末から無線送信する例について説明する。
【0040】
<実施の形態2の概要>
実施の形態1では、モニタ装置の表示特性の測定は、モニタ装置の表示画面にテストパターンを表示し、このパターンの表示輝度(または色)を、タブレット端末内蔵のカメラ(例えばアウトカメラ)で測定することにより行う。モニタ装置の表示画面上に表示すべきテストパターンは、所定の測定シーケンスに同期して変化させる必要があるため、測定の主体となるモニタ精度管理ソフトウェアを実装したタブレット端末の制御のもとに表示される仕組みが必要である。最もシンプルな構成は、タブレット端末とモニタ装置を有線接続し、タブレット端末から出力した映像信号をモニタ装置に入力して表示することである。
【0041】
しかしながら、一般にタブレット端末には、HDMI(High-Definition Multimedia Interface:登録商標)ポートに類する映像伝送用の端子は装備されていないことが多い。また、タブレット端末にはUSB(Universal Serial Bus)ポートは装備されているが、モニタ装置側にはUSB映像入力端子は装備されていないことが多い。近年、映像出力を標準でサポートしたUSB-TypeC端子を備えたタブレット端末が登場しているが、全てに普及しているとは言い難い。
【0042】
また、実施の形態1のように「タブレット端末のエッジを、モニタ装置のベゼルに接するように設置」した場合、もし仮に、タブレット端末の外部端子が、モニタ装置のベゼルに接するエッジ部分に位置していた場合、有線接続が困難になるという課題が発生する。そこで、本実施の形態では、タブレット端末とモニタ装置を無線接続し、映像信号を無線伝送することで、上記課題の解決を図る。
【0043】
<実施の形態2の構成>
図5は、本実施の形態に係るモニタ精度管理システム1の構成例を示している。図5に示すように、本実施の形態では、実施の形態1の構成に加えて、無線I/F31及び32を備えている。
【0044】
例えば、無線I/F31は、タブレット端末10に内蔵されており、無線I/F32は、モニタ装置20のI/F22に接続された外部のアダプタである。なお、これに限らず、無線I/F32をモニタ装置20に内蔵してもよいし、無線I/F31をタブレット端末10の外部のアダプタとしてもよい。
【0045】
無線I/F31及び32は、タブレット端末10とモニタ装置20の間で、映像信号を無線伝送する映像無線伝送装置(無線通信部)である。無線I/F31は、タブレット端末10で生成された所定の画像であるテストパターンの映像信号を、モニタ装置20へ、この例ではモニタ装置20に接続された無線I/F32へ無線送信する。また、無線I/F32は、タブレット端末10の無線I/F31から映像信号を無線受信し、受信した映像信号をモニタ装置20に入力する。
【0046】
無線I/F31及び32で用いる映像無線伝送技術は、特に限定されないが、例えば、Miracast(登録商標)である。一例として、無線I/F31は、Miracastトランスミッタ(送信機)であり、無線I/F32は、Miracastレシーバ(受信機)である。Miracast伝送は、Android(登録商標) OSベースのタブレット端末の多くで標準サポートされており、また、一般に多くのMiracastレシーバが市販されており、これらを利用してもよい。
【0047】
例えば、Miracastレシーバである無線I/F32を、HDMI端子であるI/F22にHDMIケーブルを介して接続する。Miracast伝送を用いる場合、無線I/F31と無線I/F32は、Wi-Fi(登録商標) Directにより無線接続し、無線I/F31からの映像信号をWi-Fiにて無線I/F32へ無線送信する。無線I/F32は、無線I/F31からWi-Fiを介して映像信号を無線受信し、受信した映像信号をHDMIケーブル経由でモニタ装置20に入力する。
【0048】
なお、Miracastに限らず、Miracastに類する他の映像無線伝送機能である、Apple TV(登録商標)、Chromecast(登録商標)等を用いても良い。また、Wi-Fi(無線LAN)に限らず、Bluetooth(登録商標)等を用いて無線接続してもよい。
【0049】
<実施の形態2の方法>
図6は、本実施の形態に係るモニタ精度管理方法の流れを示している。図6に示すように、まず、タブレット端末10を所定の位置に載置する(S101)。図7は、タブレット端末10の載置例を示している。図7に示すように、本実施の形態では、モニタ装置20に無線I/F32がHDMIケーブル等を介して接続されている。無線I/F32が接続されたモニタ装置20の表示画面21上に、実施の形態1と同様、タブレット端末10を載置する。すなわち、モニタ装置20を斜めに傾けた状態で、タブレット端末10のエッジをモニタ装置20のベゼル21aに引っ掛けるように配置し、タブレット端末10のアウトカメラ14を表示画面21の中央付近に固定する。
【0050】
次に、タブレット端末10とモニタ装置20の間を無線接続する(S102)。例えば、タブレット端末10の無線I/F31とモニタ装置20に接続された無線I/F32は、Wi-Fi Directにより無線接続する。
【0051】
次に、タブレット端末10は、テストパターンを生成する(S103)。例えば、タブレット端末10において精度管理ソフトウェアを起動すると、生成部101は、モニタ装置20に表示する所定のテストパターンを生成する。
【0052】
次に、タブレット端末10は、生成されたテストパターンの映像信号を送信し(S104)、モニタ装置20は、送信された映像信号を受信する(S105)。例えば、タブレット端末10の無線I/F31は、接続されたWi-Fiを介してテストパターンの映像信号を無線送信する。無線I/F32は、接続されたWi-Fiを介してテストパターンの映像信号を無線受信し、受信した映像信号をモニタ装置20のI/F22へ入力する。
【0053】
次に、モニタ装置20は、表示画面21にテストパターンを表示する(S106)。I/F22に映像信号が入力されると、モニタ装置20の制御部200は、入力された映像信号に基づいて表示画面21にテストパターンを表示する。このとき、少なくともタブレット端末10が撮像する位置(この例では表示画面21の中央付近)にテストパターンを表示する。例えば、タブレット端末10が、テストパターンを表示する位置を指定してもよい。なお、テストパターンが表示されている位置に合わせてタブレット端末10を配置してもよい。
【0054】
図8は、タブレット端末10が生成し、モニタ装置20に表示されるテストパターンの一例を示している。このテストパターンは、医用画像表示用モニタの品質管理に関するガイドライン(JESRA X-0093*B-2017)で規定されているパターン(JIRA BN-01~18)である。このテストパターンは、輝度の測定に使用されるパターンであり、図8に示すように、測定パッチ(中央の四角い領域)と背景で構成されている。複数のテストパターンの測定パッチは、0階調から順に15階調ごとに等間隔で255階調まで、つまり、黒から白まで18種類のグレースケール階調に対応している。この18種類のテストパターンの映像をタブレット端末10から送信し、モニタ装置20の表示画面21の中央に順次表示する。
【0055】
次に、タブレット端末10は、モニタ装置20に表示されたテストパターンを撮像する(S107)。実施の形態1と同様、タブレット端末10がモニタ装置20の表示画面21上に載置された状態で、タブレット端末10のアウトカメラ14により表示画面21に表示されたテストパターンを撮像する。このとき、アウトカメラ14は、表示画面21と近接しているため、マクロモードなど接写撮像可能なモードで撮像してもよいし、アウトカメラ14に接写用レンズを装着してもよい。例えば、アウトカメラ14は、図8の18種類のテストパターンの測定パッチを順次撮像する。なお、タブレット端末10は、アウトカメラ14により撮像した画像をタブレット端末10の表示画面12に表示してもよい。
【0056】
次に、タブレット端末10は、撮像されたテストパターンの画像の画質を評価する(S108)。例えば、タブレット端末10の取得部102は、アウトカメラ14が撮像したテストパターンの画像を取得し、評価部103は、取得した画像の輝度等を評価する。なお、タブレット端末10は、評価部103の評価結果をタブレット端末10の表示画面12に表示してもよい。
【0057】
図9は、評価する輝度特性の一例を示している。この輝度特性は、医用画像表示用モニタの品質管理に関するガイドライン(JESRA X-0093*B-2017)に示されている特性である。例えば、医用モニタの場合、DICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)規格のGSDF(Grayscale Standard Display Function)に準拠したグレースケール特性で表示することが要求される。図9の横軸は、タブレット端末10が生成し、モニタ装置20に表示されるテストパターンのグレースケール階調に相当する。図9の縦軸は所定の階調のグレースケールを表示した時の表示画面の輝度に相当し、タブレット端末10は、図9に示すように、GSDFカーブと18種類のテストパターンを表示して測定した輝度とを比較する。例えば、GSDFカーブの所定の輝度特性を記憶部16に記憶しておき、記憶された輝度特性とテストパターンの測定値とを比較する。GSDFカーブと測定値との差が所定の範囲内であれば、モニタ装置20の画質は適正であると判断し、その差が所定の範囲外であれば、モニタ装置20の画質は不適正であると判断する。なお、グレースケールの階調特性に限らず、輝度均一性、コントラスト、最大輝度、輝度比、色度等を評価してもよい。
【0058】
<実施の形態2の効果>
以上のように、本実施の形態では、実施の形態1の構成において、モニタ装置に表示するテストパターンの映像信号をタブレット端末から無線伝送する。これにより、タブレット端末とモニタ装置とを有線接続する必要がないため、接続の煩雑さを抑えることができる。特に、外部端子の位置や形状による制限がないため、実施の形態1のように「タブレット端末のエッジを、モニタ装置のベゼルに接するように設置」した状態で、確実にテストパターンの映像信号を無線伝送し、モニタ装置の画質を評価することができる。
【0059】
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について説明する。本実施の形態では、実施の形態1及び2の構成において、さらに、モニタ装置に表示された画像を用いてペアリング設定を行う例について説明する。
【0060】
<実施の形態3の概要>
一般に、機器同士を無線接続し管理する場合には、機器間のペアリングが必要になる。有線接続の場合は、接続されている機器間のペアリングは自ずと明確になるが、無線接続の場合は、無線電波の到達範囲に存在する機器は全て通信対象の候補となりうる。実施の形態2のように、管理対象の医用モニタとタブレット端末を無線接続するケースでは、読影室のような環境で使用されることが想定される。その場合、1台のタブレット端末に対し、読影室に設置された複数台のモニタ装置が管理対象となる可能性が高い。このため、ユーザの操作による明示的なペアリング操作が必要となり、ユーザの負担が大きい。
【0061】
そこで、本実施の形態では、タブレット端末を管理対象のモニタ装置に配置した際に、両者のペアリングが自動で行われる仕組みを備えることで、上記課題の解決を図る。
【0062】
<実施の形態3の構成>
図10は、本実施の形態に係るモニタ精度管理システム1の構成例を示している。図10に示すように、本実施の形態では、実施の形態2の構成に加えて、モニタ装置20が、検出部24を備え、制御部200に生成部201及び表示制御部202を備える。
【0063】
検出部24は、タブレット端末10が表示画面21上に載置されたことを検出する。検出部24の検知手段として、スイッチなどの機構的手段を用いてもよいし、光学的、電気的、磁気的なセンサを用いたセンシング手段を用いてもよい。
【0064】
生成部201は、表示画面21に表示する表示パターンを生成する。生成部201は、例えば、無線I/F32の識別IDを取得し、識別IDに基づいた点滅パターンを生成する。無線I/F32の識別IDは、記憶部23に記憶されていてもよい。この例では、識別IDは、無線I/F32の識別情報であるとともに、モニタ装置20の識別情報でもある。なお、点滅パターンに限らず、識別IDに基づいた画像パターンを生成してもよい。
【0065】
表示制御部(表示部)202は、タブレット端末10の載置が検出された場合に、生成された表示パターンを表示画面21に表示する。表示制御部202は、例えば、所定の画像を生成された点滅パターンで表示する。表示する画像は、テストパターンでもよいし、その他の画像でもよい。また、識別IDに基づいた点滅表示に限らず、識別IDに基づいた画像パターンを表示してもよい。
【0066】
タブレット端末10は、実施の形態2の構成に加えて、制御部100に設定部104を備える。設定部104は、モニタ装置20の表示画面21に表示された表示パターンから取得されるモニタ装置20の識別IDを用いてペアリング設定を行う。ペアリング設定は、接続相手の無線I/Fを識別し無線通信可能とするための設定であり、また、管理対象のモニタ装置20を識別し管理可能とするための設定である。すなわち、設定部104は、取得された識別IDに基づいて、接続相手の無線I/F(モニタ装置)を識別し、また、管理対象(評価対象)のモニタ装置20を識別する識別部でもある。また、本実施の形態では、取得部102は、インカメラ13またはアウトカメラ14が撮像した表示パターンに基づいて、モニタ装置20の識別IDを取得する。生成部101は、設定部104により設定(識別)されたモニタ装置20へ生成したテストパターンを送信する。評価部103は、設定部104により設定されたモニタ装置20の画質を評価する。
【0067】
<実施の形態3の方法>
図11は、本実施の形態に係るペアリング方法の流れを示している。この方法は、タブレット端末10とモニタ装置20をペアリングすることで、モニタ装置20を識別し管理する評価管理方法である。図11に示すように、まず、タブレット端末10が所定の位置に載置されると(S201)、モニタ装置20は、タブレット端末10の載置を検出する(S202)。実施の形態1及び2と同様に、モニタ装置20の表示画面21上にタブレット端末10が載置される。そうすると、モニタ装置20の検出部24は。表示画面21上にタブレット端末10が載置されたことを検知する。
【0068】
次に、モニタ装置20は、表示画面21に表示する表示パターンを生成する(S203)。タブレット端末10が表示画面21上に載置されたことを検出すると、生成部201は、I/F22に接続されている無線I/F32の識別IDを取得し、取得した識別IDを予め決めたれたアルゴリズムでエンコードし、識別IDに基づいた点滅パターンまたは画像パターンを生成する。なお、タブレット端末10の載置を検出した場合に限らず、ユーザ操作等に応じたタイミングで表示パターンの生成及び表示を行ってもよい。例えば、タブレット端末10が表示画面21上に載置される前の任意のタイミングで、表示パターンを生成し、タブレット端末10が表示画面21上に載置されたことを検出した場合に、生成された表示パターンを表示してもよい。
【0069】
次に、モニタ装置20は、生成された表示パターンを表示画面21に表示する(S204)。表示制御部202は、表示画面21にテストパターン等の所定の画像を表示し、この画像を生成した点滅パターンで点滅表示する。すなわち、識別IDに基づいた点滅パターンで輝度変調し、変調した輝度より画像を点滅させる。あるいは、表示制御部202は、表示画面21に識別IDに基づいた2次元バーコード等の画像パターンを表示する。
【0070】
次に、タブレット端末10は、表示された表示パターンを撮像し(S205)、モニタ装置20の識別IDを取得する(S206)。実施の形態1及び2と同様、タブレット端末10が表示画面21上に載置された状態で、タブレット端末10のアウトカメラ14が表示画面21に表示された表示パターンを撮像する。そうすると、取得部102は、アウトカメラ14が撮像した表示パターンを取得し、取得した表示パターンをデコードする。例えば、撮像した所定の画像の点滅パターンまたは画像パターンをデコード(輝度復調)することにより、モニタ装置20に接続された無線I/F32の識別IDを取得する。
【0071】
次に、タブレット端末10は、取得した識別IDに基づいてペアリング設定を行う(S207)。設定部104は、取得した無線I/F32の識別IDを用いて、管理対象のモニタ装置20とのペアリング設定を行う。その後、実施の形態2と同様に、タブレット端末10は、ペアリング設定したモニタ装置20の無線I/F32との間で無線接続し(S208)、モニタ装置20の画質評価を行う。すなわち、タブレット端末10は、ペアリング設定され識別されたモニタ装置20へテストパターンを送信し、送信されたテストパターンを表示したモニタ装置20の画質を評価する。
【0072】
<実施の形態3の効果>
以上のように、本実施の形態では、実施の形態1及び2の構成において、モニタ装置に表示された画像を用いてペアリング設定を行う。これにより、モニタ装置の表示画面にタブレット端末を配置するだけで、ユーザの操作を介することなくペアリングを実行することができる。したがって、タブレット端末が複数台のモニタ装置を管理する場合に、自動で管理対象のモニタ装置を識別し、無線接続及び評価処理を行うことができる。
【0073】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0074】
上述の実施形態における各構成は、ハードウェア又はソフトウェア、もしくはその両方によって構成され、1つのハードウェア又はソフトウェアから構成してもよいし、複数のハードウェア又はソフトウェアから構成してもよい。各装置の機能(処理)を、CPUやメモリ等を有するコンピュータにより実現してもよい。例えば、記憶装置に実施形態における方法を行うためのプログラムを格納し、各機能を、記憶装置に格納されたプログラムをCPUで実行することにより実現してもよい。
【0075】
これらのプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【符号の説明】
【0076】
1 モニタ精度管理システム
10 タブレット端末
11 筐体
11a 前面
11b 背面
12 表示画面
13 インカメラ
14 アウトカメラ
15 I/F
16 記憶部
20 モニタ装置
21 表示画面
21a ベゼル
22 I/F
23 記憶部
24 検出部
30 スタンド
31、32 無線I/F
100 制御部
101 生成部
102 取得部
103 評価部
104 設定部
200 制御部
201 生成部
202 表示制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11