(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】タンク装置
(51)【国際特許分類】
E03D 1/24 20060101AFI20240326BHJP
【FI】
E03D1/24
(21)【出願番号】P 2020146240
(22)【出願日】2020-08-31
【審査請求日】2023-06-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】矢部 博
【審査官】秋山 斉昭
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-324058(JP,A)
【文献】特開2006-169840(JP,A)
【文献】実開昭59-135972(JP,U)
【文献】実開平3-13375(JP,U)
【文献】特開2012-197665(JP,A)
【文献】実開昭63-31189(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03D 1/00- 7/00
E03D11/00-13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器本体に洗浄水を供給するタンク装置であって、
外装タンクと、
前記外装タンクに収容され、前記洗浄水を溜める内装タンクと、
前記内装タンクに前記洗浄水を供給する吐水装置と、
前記外装タンクの上端に取り付けられ、前記吐水装置から吐水される前記洗浄水を受ける手洗い鉢と、
前記手洗い鉢の下方に設けられ、前記内装タンクの上端に取り付けられる内蓋と
を備え、
前記内蓋は、
前記手洗い鉢の第1開口部の下方に設けられる第2開口部
を備え、
前記第2開口部は、
前記洗浄水が通過可能な複数の孔が形成される仕切り部
を備えることを特徴とするタンク装置。
【請求項2】
前記第2開口部は、
上下方向に延びる周壁
を備え、
前記仕切り部は、前記周壁の上端よりも下方に設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載のタンク装置。
【請求項3】
前記内蓋は、
上下方向に延び、かつ上端が前記第1開口部の下端よりも上方に設けられる飛散防止部
を備えることを特徴とする請求項1または2に記載のタンク装置。
【請求項4】
前記内蓋は、
前記第2開口部の周囲に設けられ、前記第2開口部に向けて高さが低くなるように傾斜する集水部
を備え、
前記飛散防止部は、前記集水部の外周に設けられる
ことを特徴とする請求項3に記載のタンク装置。
【請求項5】
前記内蓋は、
前記第2開口部の周囲に設けられ、前記第2開口部に向けて高さが高くなるように傾斜する集水部
を備え、
前記飛散防止部は、前記第2開口部において上下方向に延びる周壁である
ことを特徴とする請求項3に記載のタンク装置。
【請求項6】
前記集水部には、第1排水口が形成される
ことを特徴とする請求項4または5に記載のタンク装置。
【請求項7】
前記内蓋は、
前記第2開口部から溢れた前記洗浄水を前記第1排水口に導く第1ガイド部
を備えることを特徴とする請求項6に記載のタンク装置。
【請求項8】
前記内蓋には、前記集水部よりも外側に第2排水口が形成される
ことを特徴とする請求項4~7のいずれか一つに記載のタンク装置。
【請求項9】
前記内蓋は、
前記第2開口部から溢れた前記洗浄水を前記第2排水口に導く第2ガイド部
を備えることを特徴とする請求項8に記載のタンク装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、タンク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外装タンクの上部に、手洗い鉢、および手洗い吐水管を設けたタンク装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記タンク装置は、手洗い鉢の下方に内蓋を設け、手洗い鉢の開口部から内蓋の開口部を通して内装タンクに洗浄水を流入させている。
【0005】
しかし、上記タンク装置は、内蓋を通った洗浄水が内装タンクに溜められる際に、洗浄水が、内装タンク、または内装タンクに溜められた洗浄水に当たる時に発生する水はね音が大きくなるおそれがある。
【0006】
実施形態の一態様は、水はね音を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の一態様に係るタンク装置は、便器本体に洗浄水を供給するタンク装置である。タンク装置は、外装タンクと、前記外装タンクに収容され、前記洗浄水を溜める内装タンクと、前記内装タンクに前記洗浄水を供給する吐水装置と、前記外装タンクの上端に取り付けられ、前記吐水装置から吐水される前記洗浄水を受ける手洗い鉢と、前記手洗い鉢の下方に設けられ、前記内装タンクの上端に取り付けられる内蓋とを備える。前記内蓋は、前記手洗い鉢の第1開口部の下方に設けられる第2開口部を備える。前記第2開口部は、前記洗浄水が通過可能な複数の孔が形成される仕切り部を備える。
【0008】
これにより、タンク装置は、吐水装置から吐水された洗浄水の勢いを仕切り部によって低減し、整流された洗浄水を内装タンクに流入させることができる。そのため、タンク装置は、内装タンクに流入する洗浄水が、内装タンク、または内装タンクに溜められた洗浄水に当たる際に発生する水はね音を低減することができる。また、タンク装置は、仕切り部によって、異物を捕集することができ、内装タンクに異物が混入することを抑制することができる。
【0009】
前記第2開口部は、上下方向に延びる周壁を備える。前記仕切り部は、前記周壁の上端よりも下方に設けられる。
【0010】
これにより、タンク装置は、仕切り部に当たる洗浄水が第2開口部の外側に飛散することを抑制することができる。
【0011】
前記内蓋は、上下方向に延び、かつ上端が前記第1開口部の下端よりも上方に設けられる飛散防止部を備える。
【0012】
これにより、タンク装置は、洗浄水が飛散防止部よりも外側に飛散することを抑制することができる。
【0013】
前記タンク装置は、前記第2開口部の周囲に設けられ、前記第2開口部に向けて高さが低くなるように傾斜する集水部を備える。前記飛散防止部は、前記集水部の外周に設けられる。
【0014】
これにより、タンク装置は、第2開口部から溢れた洗浄水を集水部によって第2開口部に流入させて、洗浄水が集水部の外側に漏れることを抑制することができる。また、タンク装置は、飛散防止部によって洗浄水が集水部の外側に漏れることを抑制することができる。また、タンク装置は、集水部の外周に飛散防止部を設けることによって、例えば、第2開口部から洗浄水が溢れた場合に、集水部における洗浄水の水位上昇に耐えうるスペースを確保することができる。
【0015】
前記タンク装置は、前記第2開口部の周囲に設けられ、前記第2開口部に向けて高さが高くなるように傾斜する集水部を備える。前記飛散防止部は、前記第2開口部において上下方向に延びる周壁である。
【0016】
これにより、タンク装置は、第2開口部から仕切り部までの距離を短くすることができ、仕切り部における水跳ねを抑制することができる。また、タンク装置は、内装タンクの上方側のスペースを大きくすることができる。
【0017】
前記集水部には、第1排水口が形成される。
【0018】
これにより、タンク装置は、集水部に溢れた洗浄水を第1排水口を介して内装タンクに流入させることができる。
【0019】
前記内蓋は、前記第2開口部から溢れた前記洗浄水を前記第1排水口に導く第1ガイド部を備える。
【0020】
これにより、タンク装置は、集水部に溢れた洗浄水を第1排水口に集め、第1排水口から内装タンクに洗浄水を流入させることができる。
【0021】
前記内蓋には、前記集水部よりも外側に第2排水口が形成される。
【0022】
これにより、タンク装置は、集水部よりも外側に漏れた洗浄水を第2排水口から内装タンクに流入させることができる。
【0023】
前記内蓋は、前記第2開口部から溢れた前記洗浄水を前記第2排水口に導く第2ガイド部を備える。
【0024】
これにより、タンク装置は、集水部よりも外側に漏れた洗浄水を第2排水口に集め、第2排水口から内装タンクに洗浄水を流入させることができる。
【発明の効果】
【0025】
実施形態の一態様によれば、水はね音を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係るタンク装置の概要説明図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係るタンク装置の一部を示す分解図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る内蓋を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る内蓋の背面図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係るタンク装置において、手洗い鉢下方付近を示す拡大図である。
【
図6】
図6は、第2実施形態に係るタンク装置の概要説明図である。
【
図7】
図7は、第2実施形態に係るタンク装置において、手洗い鉢下方付近を示す拡大図である。
【
図8】
図8は、第2実施形態に係る内蓋を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付図面を参照して、本願の開示するタンク装置の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
【0028】
(第1実施形態)
第1実施形態に係るタンク装置1について
図1、および
図2を参照し説明する。
図1は、第1実施形態に係るタンク装置1の概要説明図である。
図2は、第1実施形態に係るタンク装置1の一部を示す分解図である。
【0029】
タンク装置1は、便器本体に洗浄水を供給する。例えば、タンク装置1は、便器本体の後方に設けられる。タンク装置1は、操作レバー10が操作されることによって、排水装置を操作し、タンク装置1に溜められた洗浄水を便器本体に供給する。なお、操作レバー10は、モータなどによって操作されてもよい。すなわち、操作レバー10は、手動式であってもよく、自動式であってもよい。
【0030】
タンク装置1は、外装タンク2と、内装タンク3と、吐水装置4と、手洗い鉢5と、内蓋6とを備える。
【0031】
外装タンク2は、便器本体に取り付けられる。外装タンク2は、例えば、陶器製である。外装タンク2は、中空状に形成される。外装タンク2は、上端が開口するように設けられる。
【0032】
内装タンク3は、外装タンク2に収容され、外装タンク2に取り付けられる。内装タンク3は、例えば、樹脂製である。内装タンク3には、便器本体を洗浄する洗浄水が溜められる。内装タンク3に溜められた洗浄水は、操作レバー10の操作に応じて便器本体に供給される。内装タンク3は、上端が開口するように設けられる。内装タンク3の上端には、内蓋6が取り付けられる。また、内装タンク3の上端には、操作レバー10の回動を排水装置に伝達する回転伝達部材11を支持する支持カバー12が設けられる。
【0033】
吐水装置4は、外装タンク2の上方に設けられる。吐水装置4は、タンク装置1の左右方向における中央付近に設けられる。吐水装置4は、手洗い鉢5に支持される。吐水装置4は、手洗い鉢5よりも上方に突出する。吐水装置4は、操作レバー10が操作されて内装タンク3から便器本体への洗浄水の供給が開始されると、吐水口4aから手洗い鉢5に向けて洗浄水を吐水する。吐水装置4から吐水された洗浄水は、手洗い用の洗浄水として使用される。すなわち、吐水装置4は、手洗いカランである。吐水装置4から吐水された洗浄水は、手洗い鉢5を通り、内装タンク3に溜められる。
【0034】
手洗い鉢5は、外装タンク2の上端に取り付けられる。手洗い鉢5は、外装タンク2の上端を塞ぐように設けられる。手洗い鉢5は、例えば、陶器製である。手洗い鉢5は、タンク装置1の左右方向における中央付近が窪むようにすり鉢状に形成される。手洗い鉢5は、吐水装置4から吐水される洗浄水を受ける。
【0035】
手洗い鉢5の底部5aには、開口部5b(第1開口部)が設けられる。具体的には、開口部5bは、吐水装置4の吐水口4aの下方に設けられる。開口部5bは、上下方向に延びるように設けられる。具体的には、開口部5bは、手洗い鉢5の底部5aから下方に向けて突出するように設けられる。開口部5bは、手洗い鉢5から洗浄水を下方に流すための孔を形成する。
【0036】
内蓋6は、手洗い鉢5と内装タンク3との間に設けられる。具体的には、内蓋6は、手洗い鉢5の下方に設けられ、内装タンク3の上端に取り付けられる。内蓋6は、例えば、樹脂製である。内蓋6について
図3~
図5を参照し、説明する。
図3は、第1実施形態に係る内蓋6を示す斜視図である。
図4は、第1実施形態に係る内蓋6の背面図である。
図5は、第1実施形態に係るタンク装置1において、手洗い鉢5下方付近を示す拡大図である。
【0037】
内蓋6は、天板20と、取付部21とを備える。天板20は、内装タンク3(
図1参照)の上端の少なくとも一部を塞ぐように設けられる。天板20は、開口部22(第2開口部)と、集水部23と、飛散防止部24と、ガイド部25(第1ガイド部)とを備える。
【0038】
開口部22は、手洗い鉢5の開口部5bの下方に設けられる。開口部22は、手洗い鉢5の開口部5bよりも大きい。例えば、開口部22の直径は、手洗い鉢5の開口部5bの直径よりも大きい。開口部22は、周壁22aと、仕切り部22bとを備える。
【0039】
周壁22aは、上下方向に延びる。具体的には、周壁22aは、後述する集水部23から下方に向けて突出するように設けられる。周壁22aは、例えば、円筒状に形成される。
【0040】
仕切り部22bは、周壁22aの上端よりも下方に設けられる。具体的には、仕切り部22bは、周壁22aの下端に設けられる。仕切り部22bは、開口部22の底部を構成する。すなわち、開口部22は、下方に突出する凹形状に形成される。仕切り部22bには、複数の孔22cが形成される。複数の孔22cは、洗浄水が通過可能である。開口部22には、手洗い鉢5の開口部5bを通った洗浄水が流入する。仕切り部22bは、洗浄水の勢いを低減させて、複数の孔22cから内装タンク3に洗浄水を流入させる。すなわち、仕切り部22bは、洗浄水を分散させて整流し、整流した洗浄水を内装タンク3に流入させる。
【0041】
集水部23は、開口部22の周囲に設けられる。集水部23は、開口部22に向けて高さが低くなるように傾斜して設けられる。集水部23には、開口部22に接続される溝23aが形成される。集水部23には、複数の排水口23b(第1排水口)が形成される。なお、排水口23bは、1つであってもよい。排水口23bは、開口部22から溢れた洗浄水を内装タンク3に流入させる孔である。開口部22から溢れた洗浄水とは、例えば、仕切り部22bで跳ねた洗浄水や、開口部22の孔22cの詰まりによって開口部22から集水部23に流入する洗浄水などである。
【0042】
飛散防止部24は、集水部23の外周に設けられる。飛散防止部24は、集水部23から上方に突出するように設けられる。具体的には、飛散防止部24は、上下方向に延び、かつ上端が手洗い鉢5の開口部5bの下端よりも上方に位置するように設けられる。飛散防止部24は、開口部22から溢れた洗浄水が、集水部23の外側に飛散することを防止する。
【0043】
ガイド部25は、集水部23の外周に設けられる。ガイド部25は、集水部23から上方に突出するように設けられる。ガイド部25は、開口部22から溢れた洗浄水を排水口23bに導くように設けられる。なお、ガイド部25によって排水口23bに洗浄水を導く集水部23の一部は、排水口23bに向けて高さが低くなるように設けられてもよい。ガイド部25は、飛散防止部24から連続するように設けられる。すなわち、集水部23の外周は、飛散防止部24、およびガイド部25によって囲まれる。ガイド部25は、飛散防止部としても機能する。
【0044】
取付部21は、天板20から上方に突出する。取付部21は、天板20の外周に沿って設けられる。取付部21には、内装タンク3の上端や、支持カバー12の上端が挿入される。これにより、内蓋6は、内装タンク3に支持される。
【0045】
なお、天板20には、集水部23よりも外側、具体的には、飛散防止部24、およびガイド部25と、取付部21との間に、複数の排水口20a(第2排水口)が形成される。排水口20aは、1つであってもよい。排水口20aは、集水部23よりも外側に飛散した洗浄水を内装タンク3に流入させる孔である。集水部23よりも外側に飛散した洗浄水は、ガイド部25、飛散防止部24、および取付部21によって排水口20aに導かれる。すなわち、飛散防止部24、および取付部21は、ガイド部(第2ガイド部)としても機能する。
【0046】
次に、タンク装置1の作用について説明する。
【0047】
吐水装置4から吐水された洗浄水は、例えば、使用者の手洗いに用いられ、手洗い鉢5の開口部5bから下方に流れる。手洗い鉢5の開口部5bを通った洗浄水は、内蓋6の開口部22に流入し、仕切り部22bに当たる。仕切り部22bに当たった洗浄水は、勢いが低減されて、仕切り部22bの複数の孔22cから内装タンク3に流入する。すなわち、仕切り部22bによって勢いが低減された洗浄水が、内装タンク3に流入する。そのため、内装タンク3に流入する洗浄水が、内装タンク3、または内装タンク3に溜められた洗浄水に当たった際に発生する水はね音が低減される。また、洗浄水に含まれる異物などは、仕切り部22bによって捕集される。
【0048】
仕切り部22bに当たった洗浄水は、開口部22の周壁22aによって、開口部22の外に飛散することが抑制される。すなわち、洗浄水の水跳ねが抑制される。また、開口部22の外に洗浄水が飛散した場合であっても、飛散防止部24によって集水部23よりも外側への飛散が防止される。
【0049】
開口部22から溢れた洗浄水は、集水部23が開口部22に向けて下り傾斜になっているため、開口部22に流入し、内装タンク3に流入する。また、開口部22から溢れた洗浄水は、ガイド部25によって排水口23bに導かれ、排水口23bから内装タンク3に流入する。また、飛散防止部24よりも外側に飛散した洗浄水は、天板20に形成された排水口20aから内装タンク3に流入する。
【0050】
次に、第1実施形態に係るタンク装置1の効果について説明する。
【0051】
タンク装置1は、便器本体に洗浄水を供給するタンク装置1である。タンク装置1は、外装タンク2と、内装タンク3と、吐水装置4と、手洗い鉢5と、内蓋6とを備える。内装タンク3は、外装タンク2に収容され、洗浄水を溜める。吐水装置4は、内装タンク3に洗浄水を供給する。手洗い鉢5は、外装タンク2の上端に取り付けられ、吐水装置4から吐水される洗浄水を受ける。内蓋6は、手洗い鉢5の下方に設けられ、内装タンク3の上端に取り付けられる。内蓋6は、手洗い鉢5の開口部5bの下方に設けられる開口部22を備える。開口部22は、洗浄水が通過可能な複数の孔22cが形成される仕切り部22bを備える。
【0052】
これにより、タンク装置1は、吐水装置4から吐水された洗浄水の勢いを仕切り部22bによって低減し、整流された洗浄水を内装タンク3に流入させることができる。そのため、タンク装置1は、内装タンク3に流入する洗浄水が、内装タンク3、または内装タンク3に溜められた洗浄水に当たる際に発生する水はね音を低減することができる。また、タンク装置1は、仕切り部22bによって、異物を捕集することができ、内装タンク3に異物が混入することを抑制することができる。
【0053】
内蓋6の開口部22は、上下方向に延びる周壁22aを備える。仕切り部22bは、周壁22aの上端よりも下方に設けられる。
【0054】
これにより、タンク装置1は、仕切り部22bに当たる洗浄水が開口部22の外側に飛散することを抑制することができる。
【0055】
内蓋6は、飛散防止部24を備える。飛散防止部24は、上下方向に延び、かつ上端が手洗い鉢5の開口部5bの下端よりも上方に設けられる。
【0056】
これにより、タンク装置1は、洗浄水が飛散防止部24よりも外側に飛散することを抑制することができる。
【0057】
タンク装置1は、集水部23を備える。集水部23は、開口部22の周囲に設けられ、開口部22に向けて高さが低くなるように傾斜する。飛散防止部24は、集水部23の外周に設けられる。
【0058】
これにより、タンク装置1は、開口部22から溢れた洗浄水を集水部23によって開口部22に流入させて、洗浄水が集水部23の外側に漏れることを抑制することができる。また、タンク装置1は、飛散防止部24によって洗浄水が集水部23の外側に漏れることを抑制することができる。また、タンク装置1は、集水部23の外周に飛散防止部24を設けることによって、例えば、開口部22から洗浄水が溢れた場合に、集水部23における洗浄水の水位上昇に耐えうるスペースを確保することができる。
【0059】
集水部23には、排水口23bが形成される。これにより、タンク装置1は、集水部23に溢れた洗浄水を排水口23bを介して内装タンク3に流入させることができる。
【0060】
内蓋6は、ガイド部25を備える。ガイド部25は、開口部22から溢れた洗浄水を排水口23bに導く。これにより、タンク装置1は、洗浄水を排水口23bに集め、排水口23bから内装タンク3に洗浄水を流入させることができる。
【0061】
内蓋6には、集水部23よりも外側に排水口20aが形成される。これにより、タンク装置1は、集水部23よりも外側に漏れた洗浄水を排水口20aから内装タンク3に流入させることができる。
【0062】
内蓋6は、開口部22から溢れた洗浄水を排水口20aに導く取付部21、飛散防止部24、ガイド部25を備える。これにより、タンク装置1は、集水部23よりも外側に漏れた洗浄水を排水口20aに集め、排水口20aから内装タンク3に洗浄水を流入させることができる。
【0063】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係るタンク装置1について
図6~
図8を参照し説明する。
図6は、第2実施形態に係るタンク装置1の概要説明図である。
図7は、第2実施形態に係るタンク装置1において、手洗い鉢5下方付近を示す拡大図である。
図8は、第2実施形態に係る内蓋30を示す斜視図である。
【0064】
ここでは、第1実施形態に係るタンク装置1と異なる箇所を中心に説明する。第1実施形態と同様の構成については、第1実施形態に係るタンク装置1と同じ符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0065】
第2実施形態に係るタンク装置1は、内蓋30が第1実施形態のタンク装置1と異なっている。内蓋30の天板31は、開口部32(第2開口部)と、集水部33と、ガイド部34(第2ガイド部)とを備える。
【0066】
開口部32の周壁32aは、集水部33から上方に向けて突出するように設けられる。周壁32aは、上端が手洗い鉢5の開口部5bの下端よりも上方に位置するように設けられる。周壁32aは、飛散防止部として機能する。
【0067】
集水部33は、開口部32に向けて高さが高くなるように傾斜して設けられる。
【0068】
ガイド部34は、集水部33の外周に設けられる。ガイド部34には、切欠部34aが設けられる。開口部32から溢れた洗浄水は、切欠部34aを通り、集水部33の外側に排出される。集水部33の外側に排出された洗浄水は、排水口20a(
図3、
図4参照)から内装タンク3に流入する。すなわち、ガイド部34は、開口部32から溢れた洗浄水を排水口20aに導く。
【0069】
集水部33とガイド部34との間には、集水部33よりも高さが低くなる溝35が形成される。溝35は、切欠部34aに連通するように形成される。
【0070】
また、集水部33には、第1実施形態と同様に排水口23b(
図4参照)が形成されてもよい。すなわち、内蓋6は、集水部33に形成された排水口23b、および集水部33よりも外側に形成された排水口20aによって、開口部32から溢れた洗浄水を内装タンク3に流入させてもよい。また、天板31には、開口部32から溢れた洗浄水を排水口23bに導くガイド部(第1ガイド部)が設けられてもよい。また、排水口23bは、溝35の底部に設けられてもよい。この場合、ガイド部34は、開口部32から溢れた洗浄水を排水口23bに導くガイド部(第1ガイド部)としても機能する。
【0071】
第2実施形態に係るタンク装置1の効果について説明する。
【0072】
集水部33は、開口部32の周囲に設けられ、開口部32に向けて高さが高くなるように傾斜する。周壁32aは、飛散防止部として機能する。
【0073】
これにより、タンク装置1は、手洗い鉢5の開口部5bから仕切り部22bまでの距離を短くすることができ、仕切り部22bにおける水跳ねを抑制することができる。また、タンク装置1は、内装タンク3の上方側のスペースを大きくすることができる。
【0074】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0075】
1 タンク装置
2 外装タンク
3 内装タンク
4 吐水装置
5 手洗い鉢
5b 開口部(第1開口部)
6 内蓋
20a 排水口(第2排水口)
21 取付部(第2ガイド部)
22 開口部(第2開口部)
22a 周壁
22b 仕切り部
22c 孔
23 集水部
23b 排水口(第1排水口)
24 飛散防止部(第2ガイド部)
25 ガイド部(第1ガイド部、第2ガイド部)
30 内蓋
32 開口部(第2開口部)
33 集水部
34 ガイド部(第1ガイド部、第2ガイド部)