IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本電産株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-空気流制御装置 図1
  • 特許-空気流制御装置 図2
  • 特許-空気流制御装置 図3
  • 特許-空気流制御装置 図4
  • 特許-空気流制御装置 図5
  • 特許-空気流制御装置 図6
  • 特許-空気流制御装置 図7
  • 特許-空気流制御装置 図8
  • 特許-空気流制御装置 図9
  • 特許-空気流制御装置 図10
  • 特許-空気流制御装置 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】空気流制御装置
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/44 20060101AFI20240326BHJP
   F04D 29/46 20060101ALI20240326BHJP
   F25D 17/04 20060101ALN20240326BHJP
【FI】
F04D29/44 W
F04D29/46 G
F25D17/04 303
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020166452
(22)【出願日】2020-09-30
(65)【公開番号】P2022057933
(43)【公開日】2022-04-11
【審査請求日】2023-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】ニデック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安藤 禎晃
(72)【発明者】
【氏名】岩井 優介
【審査官】山崎 孔徳
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-513338(JP,A)
【文献】特開2002-349496(JP,A)
【文献】中国実用新案第209672684(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 29/44
F04D 29/46
F25D 17/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に延びる第1中心軸周りに回転するインペラを有し、空気流を発生させるファンモータと、
上下方向に延びる第2中心軸周りに回転して空気流路を開閉するシャッター部材と、
前記シャッター部材を回転させるシャッターモータと、
前記シャッター部材の軸方向に位置するハウジングと、
前記シャッター部材の回転角度を規制する規制部と、
を有し、
前記規制部は、
前記シャッター部材に設けられ、前記ハウジングに向かって突出する規制片と、
前記ハウジングに設けられ、前記シャッター部材に向かって突出し、前記シャッター部材の回転とともに前記規制片に接触する突起部と、
前記突起部の周方向一端部に配置され、前記規制片との接触により第1の前記回転角度を規制する第1接触部と、
前記突起部の周方向他端部に配置され、前記規制片との接触により第2の前記回転角度を規制する第2接触部と、
を有し、
前記第1接触部及び前記第2接触部は、前記第2中心軸に対して前記シャッターモータ側に配置される、空気流制御装置。
【請求項2】
前記第1接触部及び前記第2接触部は、前記第2中心軸から前記シャッターモータに向かって径方向に延びる半径線に対して45度の前記回転角度の範囲内に位置する、請求項1に記載の空気流制御装置。
【請求項3】
前記規制片及び前記突起部の一方は、周方向に延びる、請求項1または請求項2に記載の空気流制御装置。
【請求項4】
前記第1接触部及び前記第2接触部に対する前記規制片の接触角度は、直角である、請求項3に記載の空気流制御装置。
【請求項5】
前記シャッター部材及び前記ハウジングの一方は、他方に向かって径方向に突出して他方の周面と相対的に摺動する径方向凸部を有する、請求項1から請求項4のいずれかに記載の空気流制御装置。
【請求項6】
前記シャッター部材及び前記ハウジングの一方は、他方に向かって軸方向に突出して他方の軸方向端面と相対的に摺動する軸方向凸部を有する、請求項1から請求項5のいずれかに記載の空気流制御装置。
【請求項7】
前記第1中心軸と前記第2中心軸とは、同じ直線上に沿って延びる、請求項1から請求項6のいずれかに記載の空気流制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空気流制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、冷蔵庫において冷却した空気の分配を行うために、空気分配路を開閉する空気調整装置(ダンパ装置)が利用されている。空気調整装置は、外輪に対して内輪を回動させ、内輪の流出口と外輪の空気分配口との連通関係を制御する。内輪は、内輪の中心部が固定された回転軸を有する駆動装置によって回動される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-280800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
外輪の空気分配口を内輪で開閉する場合、開状態及び閉状態それぞれの状態で内輪の回動を規制する必要がある。このため、内輪の周方向において、内輪と外輪との接触箇所を、2箇所(開位置、閉位置)設ける必要がある。このとき、例えば内輪を回動させる駆動装置が内輪の径方向外側に位置する場合に、内輪の周方向における内輪と外輪との接触箇所が駆動装置(回転力が加わる箇所)から離れた位置にあると、開位置及び閉位置における内輪と外輪との接触時に振動及び騒音が大きくなることが課題であった。
【0005】
上記の点に鑑み、本開示は、振動及び騒音の低減を図ることが可能な空気流制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の例示的な空気流制御装置は、上下方向に延びる第1中心軸周りに回転するインペラを有し、空気流を発生させるファンモータと、上下方向に延びる第2中心軸周りに回転して空気流路を開閉するシャッター部材と、前記シャッター部材を回転させるシャッターモータと、前記シャッター部材の軸方向に位置するハウジングと、前記シャッター部材の回転角度を規制する規制部と、を有する。前記規制部は、前記シャッター部材に設けられ、前記ハウジングに向かって突出する規制片と、前記ハウジングに設けられ、前記シャッター部材に向かって突出し、前記シャッター部材の回転とともに前記規制片に接触する突起部と、前記突起部の周方向一端部に配置され、前記規制片との接触により第1の前記回転角度を規制する第1接触部と、前記突起部の周方向他端部に配置され、前記規制片との接触により第2の前記回転角度を規制する第2接触部と、を有する。前記第1接触部及び前記第2接触部は、前記第2中心軸に対して前記シャッターモータ側に配置される。
【発明の効果】
【0007】
本開示の構成によれば、振動及び騒音の低減を図ることが可能な空気流制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本開示の一実施形態の空気流制御装置の縦断面図である。
図2図2は、空気流制御装置の上側から見た斜視図である。
図3図3は、空気流制御装置の下側から見た斜視図である。
図4図4は、空気流制御装置のファンモータ中心部を示す部分縦断面図である。
図5図5は、空気流制御装置のシャッター部材の下側から見た斜視図である。
図6図6は、空気流制御装置のベース部材の上側から見た斜視図である。
図7図7は、空気流制御装置のベース部材の平面図である。
図8図8は、変形例1の空気流制御装置のシャッター部材の下側から見た斜視図である。
図9図9は、変形例1の空気流制御装置のベース部材の上側から見た斜視図である。
図10図10は、空気流制御装置のシャッター部材及びカバー部材の下側から見た斜視図である。
図11図11は、変形例2の空気流制御装置の部分縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の例示的な実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本開示の範囲は、以下の実施の形態に限定されず、本開示の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
【0010】
本書では、空気流制御装置の、ファンモータの中心軸及びシャッター部材の中心軸が延びる方向を単に「軸方向」と呼ぶ。ファンモータの中心軸とシャッター部材の中心軸とは平行であり、本実施形態において一の同じ直線上に揃っている。なお、ファンモータの中心軸とシャッター部材の中心軸とは、位置が軸方向と直交する方向に異なっていても良い。また、本書では、当該中心軸を中心として中心軸と直交する方向を単に「径方向」と呼び、中心軸を中心とする円弧に沿う方向を単に「周方向」と呼ぶ。
【0011】
また、本書では、説明の便宜上、軸方向を「上下方向」とし、図1における上下方向を空気流制御装置の上下方向として各部の形状及び位置関係を説明する。なお、この上下方向の定義は、空気流制御装置の使用時の向き及び位置関係を限定するものではない。例えば、空気流制御装置を冷蔵庫の背面に設置する場合、空気流制御装置の軸方向は、冷蔵庫の水平方向に延びることがある。
【0012】
また、本書では、軸方向(上下方向)に平行な断面を「縦断面」と呼ぶ。また、本書で用いる「平行」、「直交」は、厳密な意味で平行、直交を表すものではなく、略平行、略直交を含む。
【0013】
<1.空気流制御装置の全体構成>
図1は、本開示の一実施形態の空気流制御装置1の縦断面図である。図2は、空気流制御装置1の上側から見た斜視図である。図3は、空気流制御装置1の下側から見た斜視図である。図4は、空気流制御装置1のファンモータ2の中心部を示す部分縦断面図である。空気流制御装置1は、ファンモータ2と、保持部材3と、シャッター部材4と、シャッターモータ5と、ギヤ6と、ハウジング7と、を有する。
【0014】
<1-1.ファンモータの構成>
ファンモータ2は、シャッター部材4の後述する環状部41の径方向内側に位置する。ファンモータ2は、上下方向に延びる中心軸C周りに回転するインペラ21を有する。ファンモータ2は、さらにシャフト22と、ロータ23と、ステータ24と、軸受25と、を有する。
【0015】
なお、本実施形態において、ファンモータ2の中心軸(第1中心軸)とシャッター部材4の中心軸(第2中心軸)とは、同じ直線上に沿って延びる。詳細に言えば、ファンモータ2の中心軸とシャッター部材4の中心軸とは、上下方向に延びる中心軸Cに一致する。この構成によれば、ハウジング7に対して回転軸が1箇所になるので、ファンモータ2及びシャッター部材4の回転に係る振動及び騒音の低減を図ることが可能である。第1中心軸の位置と、第2中心軸の位置とは、一致しても良いし、異なっても良い。
【0016】
インペラ21は、ロータ23及びステータ24の上側及び径方向外側に位置する。インペラ21は、カップ部211と、円板部212と、複数の羽根213と、支持枠214と、を備える。
【0017】
カップ部211は、インペラ21の径方向中央部に位置する。カップ部211は、上側に蓋を有する略円筒状である。カップ部211の内側には、シャフト22及びロータ23が固定される。
【0018】
円板部212は、インペラ21の下部に位置する。円板部212は、カップ部211の下端部に接続される。円板部212は、カップ部211の下端部から中心軸Cに対して径方向外側に広がる。
【0019】
複数の羽根213は、円板部212の上側に配置される。複数の羽根213の下端部は、円板部212の上面に接続される。羽根213は、カップ部211に対して径方向外側に離れる方向に延び、且つ上下方向に延びる。複数の羽根213は、周方向に間隔をあけて配列される。複数の羽根213の径方向外端部は、ファンモータ2の排気部である。
【0020】
支持枠214は、インペラ21の上部であって、径方向外周部に位置する。支持枠214は、周方向に延びる円形に形成される。支持枠214は、複数の羽根213の径方向外端部に配置される。支持枠214は、複数の羽根213の上部を連結する。支持枠214の径方向内側は、ファンモータ2の吸気部である。
【0021】
シャフト22は、中心軸Cに沿って配置される。シャフト22は、例えばステンレス、アルミニウム等の金属で構成され、上下方向に延びる柱状の部材である。シャフト22は、軸受25によって中心軸C周りに回転可能に支持される。シャフト22は、中心軸C周りに回転する。シャフト22の上端部には、インペラ21が固定される。
【0022】
ロータ23は、ステータ24の上側及び径方向外側に位置する。ロータ23は、ステータ24に対して中心軸C周りに回転する。ロータ23は、ロータヨーク231と、マグネット232と、を有する。
【0023】
ロータヨーク231は、磁性体で構成された略円筒状の部材である。ロータヨーク231は、インペラ21のカップ部211の径方向内側に固定される。マグネット232は、円筒状であり、ロータヨーク231の径方向内側に固定される。マグネット232は、ステータ24の径方向外側に配置され、ステータ24と径方向に対向する。マグネット232の内周側の磁極面には、N極及びS極が周方向に交互に並ぶ。
【0024】
ステータ24は、ロータ23の下側及び径方向内側に位置する。ステータ24は、マグネット232と径方向に対向する。また、ステータ24は、保持部材3の外周面に固定される。ステータ24は、ステータコア241と、インシュレータ242と、コイル243と、を有する。
【0025】
ステータコア241は、例えばケイ素鋼板等の電磁鋼板を上下方向に積層して構成される。インシュレータ242は、例えば絶縁性を有する樹脂で構成される。インシュレータ242は、ステータコア241の外面を囲んで配置される。コイル243は、インシュレータ242を介して、ステータコア241の周囲に巻き回された導線で構成される。
【0026】
軸受25は、保持部材3の径方向内側に配置される。本実施形態において、軸受25は、スリーブベアリングである。軸受25は、上下に配置される一対のボールベアリングであっても良い。軸受25は、ステータ24に対して回転可能にシャフト22を支持する。
【0027】
上記構成のファンモータ2において、ステータ24のコイル243に駆動電流が供給されると、ステータコア241に径方向の磁束が生じる。ステータ24の磁束によって生じる磁界と、マグネット232によって生じる磁界とが作用し、ロータ23の周方向にトルクが発生する。このトルクによって、ロータ23及びインペラ21が、中心軸Cを中心として回転する。インペラ21が回転すると、複数の羽根213によって空気流が生じる。ファンモータ2は、上側を吸気側とし、径方向外側を排気側とする空気流を発生させる。
【0028】
<1-2.保持部材の構成>
保持部材3は、ファンモータ2の径方向中央部に位置する。保持部材3は、下部においてハウジング7に支持される。保持部材3は、合成樹脂によって構成される。保持部材3は、中心軸Cを中心として上下方向に延びる筒部31を有する。保持部材3の筒部31の径方向内側には、軸受25が収容されて保持される。保持部材3の筒部31の径方向外側には、ステータコア241が保持される。
【0029】
<1-3.シャッター部材の構成>
シャッター部材4は、インペラ21の径方向外側に位置する。シャッター部材4は、ハウジング7に支持される。シャッター部材4は、ギヤ6を介してシャッターモータ5によって回転される。シャッター部材4は、上下方向に延びる中心軸C周りに回転する。シャッター部材4は、環状部41と、シャッター42と、を有する。
【0030】
環状部41は、シャッター部材4の下部であって、径方向外周部に位置する。環状部41は、周方向に延びる。また、環状部41は、径方向に延びる板状である。環状部41は、ギヤ部411を有する。
【0031】
ギヤ部411は、環状部41の下部であって、径方向外周部に位置する。ギヤ部411は、環状部41に沿って周方向に延びる。ギヤ部411は、複数の歯を有する。ギヤ部411の複数の歯は、径方向外側に向かって突出し、周方向に並んでいる。ギヤ部411は、ギヤ6に噛み合う。
【0032】
シャッター42は、環状部41の上側に配置される。シャッター42は、環状部41から上下方向に突出する。シャッター42は、周方向に湾曲して延びる。本実施形態において、シャッター部材4は、3つのシャッター42を有する。3つのシャッター42は、周方向に間隔をあけて配列される。シャッター42は、環状部41とともに周方向に回転して空気流路(不図示)を開閉する。
【0033】
シャッター部材4は、ファンモータ2とは独立して、ハウジング7に対して中心軸C周りに回転する。詳細に言えば、シャッター部材4は、中心軸C周りに回転し、空気流路を開閉する。
【0034】
<1-4.シャッターモータ及びギヤの構成>
シャッターモータ5及びギヤ6は、シャッター部材4の径方向外側に位置する。シャッターモータ5及びギヤ6は、ハウジング7に支持される。シャッターモータ5及びギヤ6は、上下方向に延びる中心軸周りに回転する。
【0035】
シャッターモータ5は、本実施形態において、ステッピングモータで構成される。ギヤ6は、シャッターモータ5の下側に配置される。ギヤ6は、シャッターモータ5の出力軸(不図示)に連結する。また、ギヤ6は、シャッター部材4のギヤ部411に噛み合う。すなわち、シャッター部材4の環状部41は、シャッターモータ5に接続される。ギヤ6及びギヤ部411を介して、シャッターモータ5は、シャッター部材4を回転させる。
【0036】
<1-5.ハウジングの構成>
ハウジング7は、シャッター部材4の上下方向に位置する。ハウジング7は、合成樹脂によって構成される。ハウジング7は、保持部材3と、シャッター部材4と、シャッターモータ5と、ギヤ6と、を保持する。ハウジング7は、ベース部材71と、カバー部材72と、連結部73と、を有する。
【0037】
ベース部材71は、ハウジング7の下部に位置する。ベース部材71は、環状ベース部711と、リブ部712と、モータベース部713と、を有する。
【0038】
環状ベース部711は、シャッター部材4の環状部41の下側に位置する。また、環状ベース部711は、カバー部材72の後述する円板カバー部721の径方向外周部の下側に位置する。環状ベース部711は、周方向に延びる。また、環状ベース部711は、径方向に延びる板状である。環状ベース部711の上面には、シャッター部材4のギヤ部411の下端部が接触する。なお、ギヤ部411の下端部は、径方向において下側に突出するように湾曲した曲面である。環状ベース部711は、下側からシャッター部材4を支持する。
【0039】
リブ部712は、環状ベース部711の径方向内端部に配置される。リブ部712は、環状ベース部711から上側に向かって突出する。リブ部712は、中心軸Cを中心とする円筒状に形成される。リブ部712は、カバー部材72の円板カバー部721の下側に位置する。リブ部712の上端部は、円板カバー部721の下面と上下方向に対向する。
【0040】
モータベース部713は、環状ベース部711に対して径方向外側に位置する。モータベース部713は、カバー部材72の後述するモータカバー部723の下側に位置する。モータベース部713は、シャッターモータ5及びギヤ6の下側に位置する。モータベース部713は、シャッターモータ5及びギヤ6を下側から支持する。
【0041】
カバー部材72は、ハウジング7の上部に位置する。カバー部材72は、円板カバー部721と、リブ部722と、モータカバー部723と、接続部724と、固定部725と、を有する。
【0042】
円板カバー部721は、ファンモータ2のインペラ21の下側、且つシャッター部材4の3つのシャッター42の径方向内側に位置する。また、円板カバー部721の径方向外周部は、ベース部材71の環状ベース部711の上側、且つシャッター部材4の環状部41の上側に位置する。円板カバー部721は、中心軸Cに対して径方向に広がる。
【0043】
リブ部722は、円板カバー部721の径方向外周部に配置される。リブ部722は、円板カバー部721から下側に向かって突出する。リブ部722は、中心軸Cを中心とする円筒状に形成される。リブ部722は、ベース部材71の環状ベース部711の上側に位置する。リブ部722の下端部は、環状ベース部711の上面と上下方向に対向する。
【0044】
リブ部722は、ベース部材71のリブ部712の径方向外側に嵌合する。リブ部722及びリブ部712は、径方向に対向する。連結部73は、リブ部722及びリブ部712に対して設けられる。本実施形態において、ハウジング7は、4つの連結部73を有する。4つの連結部73は、周方向に配列される。連結部73は、例えばスナップフィット構造を有する。連結部73は、スナップフィットによって、リブ部722とリブ部712とを連結する。言い換えれば、ベース部材71及びカバー部材72は、連結部73において連結される。
【0045】
モータカバー部723は、円板カバー部721及び接続部724に対して径方向外側に位置する。モータカバー部723は、ベース部材71のモータベース部713の上側に位置する。モータカバー部723は、シャッターモータ5及びギヤ6の上側に位置する。モータカバー部723は、シャッターモータ5及びギヤ6の上側に重なって覆う。モータカバー部723は、シャッターモータ5の電源ケーブル等が通る開口7231を有する。
【0046】
接続部724は、円板カバー部721に対して径方向外側、且つモータカバー部723に対して径方向内側に位置する。接続部724は、円板カバー部721の径方向外周部の上側に位置する。接続部724は、周方向に湾曲して延びる。接続部724の周方向から見た縦断面は、U字形状である。詳細に言えば、接続部724は、2つの側壁7241と、上蓋7242と、を有する。
【0047】
2つの側壁7241は、径方向に間隔をあけて配置され、周方向に湾曲して上下方向に延びる。上蓋7242は、2つの側壁7241の上端部を径方向に接続し、周方向に弧状に延びる。径方向内側の側壁7241の下端部には、円板カバー部721が接続される。径方向外側の側壁7241の径方向外周面には、モータカバー部723が接続される。接続部724は、円板カバー部721とモータカバー部723とを接続する。なお、2つの側壁7241の径方向の間隙は、周方向に回転するシャッター42が通過する。
【0048】
固定部725は、カバー部材72の円板カバー部721に設けられる。固定部725は、円板カバー部721の径方向中央部に位置する。固定部725は、保持部材3を固定する。
【0049】
<2.シャッター部材周辺の詳細構成>
<2-1.規制部>
図5は、空気流制御装置1のシャッター部材4の下側から見た斜視図である。図6は、空気流制御装置1のベース部材71の上側から見た斜視図である。図7は、空気流制御装置1のベース部材71の平面図である。
【0050】
空気流制御装置1は、規制部8を有する。規制部8は、シャッター部材4の回転角度を規制する。規制部8は、規制片81と、突起部82と、第1接触部83と、第2接触部84と、を有する。
【0051】
規制片81は、シャッター部材4に設けられる。規制片81は、環状部41の下面に配置される。規制片81は、環状部41から下側に向かって突出する。規制片81は、ベース部材71の環状ベース部711と上下方向に対向する。すなわち、規制片81は、ハウジング7に向かって突出する。規制片81は、径方向に延びる。
【0052】
突起部82は、ハウジング7のベース部材71に設けられる。突起部82は、ベース部材71の環状ベース部711の底部の上面に配置される。突起部82は、環状ベース部711の底部から上側に向かって突出する。突起部82は、シャッター部材4の環状部41と上下方向に対向する。すなわち、突起部82は、シャッター部材4に向かって突出する。突起部82は、上下方向及び周方向に延びる板状である。また、突起部82は、シャッター部材4の回転とともに規制片81に接触する。
【0053】
第1接触部83は、突起部82の周方向一端部に配置される。第2接触部84は、突起部82の周方向他端部に配置される。第1接触部83は、規制片81との接触によりシャッター部材4の第1の回転角度を規制する。第2接触部84は、規制片81との接触によりシャッター部材4の第2の回転角度を規制する。シャッター部材4の第1の回転角度及び第2の回転角度は、シャッター部材4によって開閉される空気流路の開状態及び閉状態それぞれの状態におけるシャッター部材4の回転角度である。
【0054】
第1接触部83及び第2接触部84は、図7に示すように、中心軸Cに対してシャッターモータ5側に配置される。この構成によれば、第1接触部83及び第2接触部84は、シャッターモータ5の近隣に位置する。すなわち、規制片81と突起部82との接触箇所は、シャッター部材4に回転力が加わる箇所の近隣に位置することになる。これにより、規制片81と突起部82との接触時の振動及び騒音の低減を図ることが可能である。また、規制片81と突起部82との接触箇所がシャッター部材4に回転力が加わる箇所の近くにあると、突起部82上への規制片81の乗り上げを防止することができる。
【0055】
詳細に言えば、第1接触部83及び第2接触部84は、図7に示すように、中心軸Cからシャッターモータ5に向かって径方向に延びる半径線Lrに対して45度の回転角度θ1の範囲内に位置する。この構成によれば、規制片81と突起部82との接触箇所は、シャッター部材4に回転力が加わる箇所に対し、より一層近くなる。したがって、規制片81と突起部82との接触時の振動及び騒音の低減効果を向上させることができる。
【0056】
また、突起部82は、周方向に延びる。この構成によれば、突起部82は、第1接触部83から第2接触部84まで中心軸C周りに延びる長さを確保することができる。これにより、突起部82は、第1接触部83及び第2接触部84に規制片81が接触しても変形し難い強度を確保することが可能である。
【0057】
第1接触部83及び第2接触部84に対する規制片81の接触角度は、直角である。言い換えれば、突起部82と規制片81との接触角度θ2は、図7に示すように、直角である。この構成によれば、規制片81と突起部82との接触箇所におけるすべりや変位を抑制することができる。したがって、規制片81と突起部82との接触時の振動及び騒音の低減効果をさらに高めることが可能である。
【0058】
<2-2.規制部の変形例>
規制片及び突起部の形状及び配置は、上記構成に限定されるわけではない。
【0059】
図8は、変形例1の空気流制御装置1のシャッター部材4の下側から見た斜視図である。図8に示すように、規制片85は、環状部41から下側に向かって突出して周方向に延びる板状であっても良い。
【0060】
図9は、変形例1の空気流制御装置1のベース部材71の上側から見た斜視図である。図9に示すように、突起部86は、ベース部材71から上側に向かって突出して径方向に延びる形状であっても良い。第1接触部87は、突起部86の周方向一端部に配置される。第2接触部88は、突起部86の周方向他端部に配置される。
【0061】
<2-3.径方向凸部>
図10は、空気流制御装置1のシャッター部材4及びカバー部材72の下側から見た斜視図である。ハウジング7のカバー部材72は、径方向凸部726を有する。
【0062】
径方向凸部726は、リブ部722の径方向外周部に配置される。径方向凸部726は、リブ部722から径方向外側に向かって突出する。径方向凸部726は、上下方向に延びる。カバー部材72は、複数の径方向凸部726を有する。複数の径方向凸部726は、周方向に間隔をあけて並置される。
【0063】
径方向凸部726の径方向外端部は、シャッター部材4の環状部41の径方向内周面と径方向に対向する。シャッター部材4が回転するとき、環状部41の径方向内周面は、径方向凸部726に対して摺動する。すなわち、径方向凸部726は、シャッター部材4に向かって径方向に突出し、環状部41の径方向内周面と相対的に摺動する。
【0064】
この構成によれば、径方向において、シャッター部材4とハウジング7との接触面積を低減させることができる。これにより、径方向の摺動摩擦抵抗を低減させることが可能である。なお、径方向凸部は、シャッター部材4側に設けても良い。
【0065】
<2-4.軸方向凸部>
図11は、変形例2の空気流制御装置1の部分縦断面図である。なお、変形例2の基本的な構成は、図1から図10を用いて説明した上記実施形態と同じであるので、共通する構成要素には前と同じ符号または前と同じ名称を付してその説明を省略する場合がある。
【0066】
変形例2の空気流制御装置1において、ハウジング7のベース部材71は、軸方向凸部714を有する。軸方向凸部714は、ベース部材71の底部の上面に配置される。軸方向凸部714は、ベース部材71の底部から上側に向かって突出する。軸方向凸部714は、周方向に延びる。ベース部材71は、複数の軸方向凸部714を有する。複数の軸方向凸部714は、周方向に間隔をあけて並置される。
【0067】
軸方向凸部714の上端部は、シャッター部材4のギヤ部411の下端面と上下方向(軸方向)に対向する。シャッター部材4が回転するとき、ギヤ部411の下端面は、軸方向凸部714に対して摺動する。すなわち、軸方向凸部714は、シャッター部材4に向かって上下方向に突出し、ギヤ部411の下端面と相対的に摺動する。
【0068】
この構成によれば、軸方向において、シャッター部材4とハウジング7との接触面積を低減させることができる。これにより、軸方向の摺動摩擦抵抗を低減させることが可能である。なお、軸方向凸部は、シャッター部材4側に設けても良い。
【0069】
<3.その他>
以上、本開示の実施形態につき説明したが、本開示の範囲はこれに限定されるものではなく、本開示の主旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換及び他の種々の変更を加えて実施することができる。
【0070】
例えば、シャッター42、規制片81、突起部82、径方向凸部726及び軸方向凸部714の形状、大きさ、数量及び配列は、先で説明した構成に限定されるわけではなく、他の形状、大きさ、数量及び配列であっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本開示の空気流制御装置は、例えば冷蔵庫に搭載され、冷気の流通経路の切り替えに利用することができる。
【符号の説明】
【0072】
1・・・空気流制御装置、2・・・ファンモータ、3・・・保持部材、4・・・シャッター部材、5・・・シャッターモータ、6・・・ギヤ、7・・・ハウジング、8・・・規制部、21・・・インペラ、22・・・シャフト、23・・・ロータ、24・・・ステータ、25・・・軸受、31・・・筒部、41・・・環状部、42・・・シャッター、71・・・ベース部材、72・・・カバー部材、73・・・連結部、81・・・規制片、82・・・突起部、83・・・第1接触部、84・・・第2接触部、85・・・規制片、86・・・突起部、87・・・第1接触部、88・・・第2接触部、211・・・カップ部、212・・・円板部、213・・・羽根、214・・・支持枠、231・・・ロータヨーク、232・・・マグネット、241・・・ステータコア、242・・・インシュレータ、243・・・コイル、411・・・ギヤ部、711・・・環状ベース部、712・・・リブ部、713・・・モータベース部、714・・・軸方向凸部、721・・・円板カバー部、722・・・リブ部、723・・・モータカバー部、724・・・接続部、725・・・固定部、726・・・径方向凸部、7231・・・開口、7241・・・側壁、7242・・・上蓋、C・・・中心軸(第1中心軸、第2中心軸)、Lr・・・半径線、θ1・・・回転角度、θ2・・・接触角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11