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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】空気流制御装置
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/44 20060101AFI20240326BHJP
   F04D 29/46 20060101ALI20240326BHJP
   F25D 17/04 20060101ALN20240326BHJP
【FI】
F04D29/44 Q
F04D29/46 E
F25D17/04 303
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020166454
(22)【出願日】2020-09-30
(65)【公開番号】P2022057934
(43)【公開日】2022-04-11
【審査請求日】2023-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】ニデック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安藤 禎晃
(72)【発明者】
【氏名】岩井 優介
【審査官】山崎 孔徳
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第110906610(CN,A)
【文献】特開2000-177361(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0016629(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 29/44
F04D 29/46
F25D 17/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に延びる第1中心軸周りに回転するインペラを有し、空気流を発生させるファンモータと、
上下方向に延びる第2中心軸周りに回転して空気流路を開閉するシャッター部材と、
前記シャッター部材を回転させるシャッターモータと、
前記ファンモータ及び前記シャッター部材の上下方向に位置するハウジングと、
を有し、
前記ハウジングは、
前記ファンモータ及び前記シャッター部材の下側に位置して径方向に広がるベース蓋部と、
前記ファンモータ及び前記シャッター部材の上側に位置して径方向に広がり、前記ベース蓋部と上下方向に対向するカバー蓋部と、
前記ベース蓋部及び前記カバー蓋部の一方の径方向外縁部から他方に向かって上下方向に延び、前記ファンモータ及び前記シャッター部材の径方向外側を覆う外周壁と、
を有し、
前記ベース蓋部は、上下方向に開口する吸気口を有し、
前記外周壁は、径方向に開口する第1排気口を有し、
前記カバー蓋部は、上下方向に開口する第2排気口を有し、
前記第2排気口は、
周方向に延びる内周縁と、
周方向に延び、前記内周縁と径方向に対向する外周縁と、
を有し、
前記外周縁は、前記内周縁よりも周方向に長い、空気流制御装置。
【請求項2】
前記第2排気口は、前記内周縁及び前記外周縁それぞれの周方向両端部を接続する第1側縁及び第2側縁を有し、
前記ファンモータの前記第1中心軸に対して径方向に延びる半径線に対する前記第1側縁の角度は、前記半径線に対する前記第2側縁の角度よりも大きい、請求項1に記載の空気流制御装置。
【請求項3】
前記第2排気口の周方向位置は、前記第1排気口の周方向位置と異なる、請求項1または請求項2に記載の空気流制御装置。
【請求項4】
前記カバー蓋部は、大きさが異なる複数の前記第2排気口を有する、請求項1から請求項3のいずれかに記載の空気流制御装置。
【請求項5】
前記カバー蓋部は、前記第2排気口の径方向外周部から径方向内側に向かって、且つ前記カバー蓋部の下側に向かって延びる風向板を有する、請求項1から請求項4のいずれかに記載の空気流制御装置。
【請求項6】
前記風向板の上下方向から見た外形は、上下方向に対向する前記第2排気口の上下方向から見た外形と重なる、請求項5に記載の空気流制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空気流制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、冷蔵庫において冷却した空気の分配を行うために、空気分配路を開閉する空気調整装置(ダンパ装置)が利用されている。空気調整装置は、外輪に対して内輪を回動させ、内輪の外周壁の流出口と外輪の外周壁の空気分配口との連通関係を制御する。内輪の内部に流入した空気は、連通した流出口及び空気分配口を通り、外輪の径方向外側に向かって流出する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-280800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術では、内輪の内部に流入した空気を、径方向に連通する複数の空気分配路に選択的に流出させることに加えて、軸方向に常時流出させることができないことに課題があった。
【0005】
上記の点に鑑み、本開示は、ファンモータの径方向及び軸方向のそれぞれに空気を排出でき、軸方向に効率良く排出することが可能な空気流制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の例示的な空気流制御装置は、上下方向に延びる第1中心軸周りに回転するインペラを有し、空気流を発生させるファンモータと、上下方向に延びる第2中心軸周りに回転して空気流路を開閉するシャッター部材と、前記シャッター部材を回転させるシャッターモータと、前記ファンモータ及び前記シャッター部材の上下方向に位置するハウジングと、を有する。前記ハウジングは、前記ファンモータ及び前記シャッター部材の下側に位置して径方向に広がり、吸気口が上下方向に開口するベース蓋部と、前記ファンモータ及び前記シャッター部材の上側に位置して径方向に広がり、前記ベース蓋部と上下方向に対向するカバー蓋部と、前記ベース蓋部及び前記カバー蓋部の一方の径方向外縁部から他方に向かって上下方向に延び、前記ファンモータ及び前記シャッター部材の径方向外側を覆う外周壁と、を有する。前記ベース蓋部は、上下方向に開口する吸気口を有する。前記外周壁は、径方向に開口する第1排気口を有する。前記カバー蓋部は、上下方向に開口する第2排気口を有する。前記第2排気口は、周方向に延びる内周縁と、周方向に延び、前記内周縁と径方向に対向する外周縁と、を有する。前記外周縁は、前記内周縁よりも周方向に長い。
【発明の効果】
【0007】
本開示の構成によれば、ファンモータの径方向及び軸方向のそれぞれに空気を排出でき、軸方向に効率良く排出することが可能な空気流制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本開示の一実施形態の空気流制御装置の縦断面図である。
図2図2は、空気流制御装置の上側から見た斜視図である。
図3図3は、空気流制御装置の下側から見た斜視図である。
図4図4は、空気流制御装置の下側から見た斜視図であって、ベース部材を取り外した状態を示す図である。
図5図5は、空気流制御装置のカバー部材の下側から見た斜視図である。
図6図6は、空気流制御装置のカバー部材及びファンモータの下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の例示的な実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本開示の範囲は、以下の実施の形態に限定されず、本開示の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
【0010】
本書では、空気流制御装置の、シャッター部材の中心軸及びファンモータの中心軸が延びる方向を単に「軸方向」と呼ぶ。シャッター部材の中心軸とファンモータの中心軸とは平行であり、本実施形態において一の直線状に揃っている。なお、シャッター部材の中心軸とファンモータの中心軸とは、位置が軸方向と直交する方向に異なっていても良い。また、本書では、当該中心軸を中心として中心軸と直交する方向を単に「径方向」と呼び、中心軸を中心とする円弧に沿う方向を単に「周方向」と呼ぶ。
【0011】
また、本書では、説明の便宜上、軸方向を「上下方向」とし、図1における上下方向を空気流制御装置の上下方向として各部の形状及び位置関係を説明する。なお、この上下方向の定義は、空気流制御装置の使用時の向き及び位置関係を限定するものではない。例えば、空気流制御装置を冷蔵庫の背面に設置する場合、空気流制御装置の軸方向は、冷蔵庫の水平方向に延びることがある。
【0012】
また、本書では、軸方向(上下方向)に平行な断面を「縦断面」と呼ぶ。また、本書で用いる「平行」、「直交」は、厳密な意味で平行、直交を表すものではなく、略平行、略直交を含む。
【0013】
<1.空気流制御装置の全体構成>
図1は、本開示の一実施形態の空気流制御装置1の縦断面図である。図2は、空気流制御装置1の上側から見た斜視図である。図3は、空気流制御装置1の下側から見た斜視図である。図4は、空気流制御装置1の下側から見た斜視図であって、ベース部材71を取り外した状態を示す図である。空気流制御装置1は、ファンモータ2と、保持部材3と、シャッター部材4と、シャッターモータ5と、ギヤ6と、ハウジング7と、を有する。
【0014】
<1-1.ファンモータの構成>
ファンモータ2は、シャッター部材4の後述する環状部41の径方向内側に位置する。ファンモータ2は、上下方向に延びる中心軸C周りに回転するインペラ21を有する。ファンモータ2は、さらにシャフト22と、ロータ23と、ステータ24と、軸受25と、を有する。
【0015】
なお、本実施形態において、ファンモータ2の中心軸(第1中心軸)とシャッター部材4の中心軸(第2中心軸)とは、同じ直線上に沿って延びる。詳細に言えば、ファンモータ2の中心軸とシャッター部材4の中心軸とは、上下方向に延びる中心軸Cに一致する。この構成によれば、ハウジング7に対して回転軸が1箇所になるので、ファンモータ2及びシャッター部材4の回転に係る振動及び騒音の低減を図ることが可能である。第1中心軸の位置と、第2中心軸の位置とは、一致しても良いし、異なっても良い。
【0016】
インペラ21は、ロータ23及びステータ24の下側及び径方向外側に位置する。インペラ21は、カップ部211と、円板部212と、複数の羽根213と、支持枠214と、を備える。
【0017】
カップ部211は、インペラ21の径方向中央部に位置する。カップ部211は、下側に蓋を有する略円筒状である。カップ部211の内側には、シャフト22及びロータ23が固定される。
【0018】
円板部212は、インペラ21の上部に位置する。円板部212は、カップ部211の上端部に接続される。円板部212は、カップ部211の上端部から中心軸Cに対して径方向外側に広がる。
【0019】
複数の羽根213は、円板部212の下側に配置される。複数の羽根213の上端部は、円板部212の下面に接続される。羽根213は、カップ部211に対して径方向外側に離れる方向に延び、且つ上下方向に延びる。複数の羽根213は、周方向に間隔をあけて配列される。複数の羽根213の径方向外端部は、ファンモータ2の排気部である。
【0020】
支持枠214は、インペラ21の下部であって、径方向外周部に位置する。支持枠214は、周方向に延びる円形に形成される。支持枠214は、複数の羽根213の径方向外端部に配置される。支持枠214は、複数の羽根213の下部を連結する。支持枠214の径方向内側は、ファンモータ2の吸気部である。
【0021】
シャフト22は、中心軸Cに沿って配置される。シャフト22は、例えばステンレス、アルミニウム等の金属で構成され、上下方向に延びる柱状の部材である。シャフト22は、軸受25によって中心軸C周りに回転可能に支持される。シャフト22は、中心軸C周りに回転する。シャフト22の下端部には、インペラ21が固定される。
【0022】
ロータ23は、ステータ24の下側及び径方向外側に位置する。ロータ23は、ステータ24に対して中心軸C周りに回転する。ロータ23は、ロータヨーク231と、マグネット232と、を有する。
【0023】
ロータヨーク231は、磁性体で構成された略円筒状の部材である。ロータヨーク231は、インペラ21のカップ部211の径方向内側に固定される。マグネット232は、円筒状であり、ロータヨーク231の径方向内側に固定される。マグネット232は、ステータ24の径方向外側に配置され、ステータ24と径方向に対向する。マグネット232の内周側の磁極面には、N極及びS極が周方向に交互に並ぶ。
【0024】
ステータ24は、ロータ23の上側及び径方向内側に位置する。ステータ24は、マグネット232と径方向に対向する。また、ステータ24は、保持部材3の外周面に固定される。ステータ24は、ステータコア241と、インシュレータ242と、コイル(不図示)と、を有する。
【0025】
ステータコア241は、例えばケイ素鋼板等の電磁鋼板を上下方向に積層して構成される。インシュレータ242は、例えば絶縁性を有する樹脂で構成される。インシュレータ242は、ステータコア241の外面を囲んで配置される。コイルは、インシュレータ242を介して、ステータコア241の周囲に巻き回された導線で構成される。
【0026】
軸受25は、保持部材3の径方向内側に配置される。本実施形態において、軸受25は、スリーブベアリングである。軸受25は、上下に配置される一対のボールベアリングであっても良い。軸受25は、ステータ24に対して回転可能にシャフト22を支持する。
【0027】
上記構成のファンモータ2において、ステータ24のコイルに駆動電流が供給されると、ステータコア241に径方向の磁束が生じる。ステータ24の磁束によって生じる磁界と、マグネット232によって生じる磁界とが作用し、ロータ23の周方向にトルクが発生する。このトルクによって、ロータ23及びインペラ21が、中心軸Cを中心として回転する。インペラ21が回転すると、複数の羽根213によって空気流が生じる。ファンモータ2は、下側を吸気側とし、径方向外側を排気側とする空気流を発生させる。
【0028】
<1-2.保持部材の構成>
保持部材3は、ファンモータ2の径方向中央部に位置する。保持部材3は、上部においてハウジング7に支持される。保持部材3は、合成樹脂によって構成される。保持部材3は、中心軸Cを中心として上下方向に延びる筒部31を有する。保持部材3の筒部31の径方向内側には、軸受25が収容されて保持される。保持部材3の筒部31の径方向外側には、ステータコア241が保持される。
【0029】
<1-3.シャッター部材の構成>
シャッター部材4は、インペラ21の径方向外側に位置する。シャッター部材4は、ハウジング7に支持される。シャッター部材4は、ギヤ6を介してシャッターモータ5によって回転される。シャッター部材4は、上下方向に延びる中心軸C周りに回転する。シャッター部材4は、環状部41と、シャッター42と、を有する。
【0030】
環状部41は、シャッター部材4の下部であって、径方向外周部に位置する。環状部41は、周方向に延びる。また、環状部41は、径方向に延びる板状である。環状部41は、ギヤ部411を有する。
【0031】
ギヤ部411は、環状部41の下部であって、径方向外周部に位置する。ギヤ部411は、環状部41に沿って周方向に延びる。ギヤ部411は、複数の歯を有する。ギヤ部411の複数の歯は、径方向外側に向かって突出し、周方向に並んでいる。ギヤ部411は、ギヤ6に噛み合う。
【0032】
シャッター42は、環状部41の上側に配置される。シャッター42は、環状部41から上下方向に突出する。シャッター42は、周方向に湾曲して延びる。本実施形態において、シャッター部材4は、3つのシャッター42を有する。3つのシャッター42は、周方向に間隔をあけて配列される。シャッター42は、環状部41とともに周方向に回転して空気流路(不図示)を開閉する。
【0033】
シャッター部材4は、ファンモータ2とは独立して、ハウジング7に対して中心軸C周りに回転する。詳細に言えば、シャッター部材4は、中心軸C周りに回転し、空気流路を開閉する。
【0034】
<1-4.シャッターモータ及びギヤの構成>
シャッターモータ5及びギヤ6は、シャッター部材4の径方向外側に位置する。シャッターモータ5及びギヤ6は、ハウジング7に支持される。シャッターモータ5及びギヤ6は、上下方向に延びる中心軸周りに回転する。
【0035】
シャッターモータ5は、本実施形態において、ステッピングモータで構成される。ギヤ6は、シャッターモータ5の下側に配置される。ギヤ6は、シャッターモータ5の出力軸(不図示)に連結する。また、ギヤ6は、シャッター部材4のギヤ部411に噛み合う。すなわち、シャッター部材4の環状部41は、シャッターモータ5に接続される。ギヤ6及びギヤ部411を介して、シャッターモータ5は、シャッター部材4を回転させる。
【0036】
<1-5.ハウジングの構成>
ハウジング7は、ファンモータ2及びシャッター部材4の上下方向に位置する。ハウジング7は、合成樹脂によって構成される。ハウジング7は、保持部材3と、シャッター部材4と、シャッターモータ5と、ギヤ6と、を保持する。ハウジング7は、ベース部材71と、カバー部材72と、を有する。
【0037】
ベース部材71は、ハウジング7の下部に位置する。ベース部材71は、ベース蓋部711と、モータベース部712と、を有する。
【0038】
ベース蓋部711は、ファンモータ2及びシャッター部材4の下側に位置する。また、ベース蓋部711は、カバー部材72の後述するカバー蓋部721の下側に位置する。ベース蓋部711は、中心軸Cに対して径方向に広がる板状である。ベース蓋部711の径方向外周部の上面には、シャッター部材4のギヤ部411の底部が接触する。ベース蓋部711は、下側からシャッター部材4を支持する。
【0039】
ベース蓋部711は、吸気口7111を有する。吸気口7111は、中心軸Cを中心とする円形に形成される。吸気口7111は、ベース蓋部711を上下方向に貫通する。すなわち、吸気口7111は、上下方向に開口する。吸気口7111の直径は、インペラ21の直径よりも小さい。吸気口7111の構成は、この構成に限定されるわけではない。例えば、吸気口7111の中心軸は、中心軸Cからずれた位置に配置されても良い。
【0040】
モータベース部712は、ベース蓋部711に対して径方向外側に位置する。モータベース部712は、カバー部材72の後述するモータカバー部723の下側に位置する。モータベース部712は、シャッターモータ5及びギヤ6の下側に位置する。モータベース部712は、シャッターモータ5及びギヤ6を下側から支持する。
【0041】
カバー部材72は、ハウジング7の上部に位置する。カバー部材72は、カバー蓋部721と、外周壁722と、モータカバー部723と、固定部724と、を有する。
【0042】
カバー蓋部721は、ファンモータ2及びシャッター部材4の上側に位置する。また、カバー蓋部721は、ベース部材71のベース蓋部711の上側に位置する。言い換えれば、カバー蓋部721は、ベース蓋部711と上下方向に対向する。カバー蓋部721は、中心軸Cに対して径方向に広がる板状である。
【0043】
外周壁722は、カバー蓋部721の径方向外周部に配置される。外周壁722は、カバー蓋部721の径方向外縁部からベース蓋部711に向かって上下方向の下側に延びる。外周壁722は、中心軸Cを中心とする円筒状に形成される。外周壁722は、ファンモータ2及びシャッター部材4の径方向外側を覆う。外周壁722の下縁部は、ベース蓋部711の径方向外縁部と接触する。
【0044】
モータカバー部723は、カバー蓋部721に対して径方向外側に位置する。モータカバー部723は、ベース部材71のモータベース部712の上側に位置する。モータカバー部723は、シャッターモータ5及びギヤ6の上側に位置する。モータカバー部723は、シャッターモータ5及びギヤ6の上側に重なって覆う。モータカバー部723は、シャッターモータ5の電源ケーブル等が通る開口7231を有する。
【0045】
固定部724は、カバー蓋部721に設けられる。固定部724は、カバー蓋部721の径方向中央部に位置する。固定部724は、保持部材3を固定する。
【0046】
<2.カバー部材の詳細構成>
図5は、空気流制御装置1のカバー部材72の下側から見た斜視図である。図6は、空気流制御装置1のカバー部材72及びファンモータ2の下面図である。なお、図6には、ファンモータ2の回転方向Drを記載した。外周壁722は、第1排気口7221を有する。カバー蓋部721は、第2排気口7211を有する。
【0047】
第1排気口7221は、外周壁722を径方向に貫通する。すなわち、第1排気口7221は、径方向に開口する。第1排気口7221は、径方向から見て矩形に形成される。本実施形態において、外周壁722は、3つの第1排気口7221を有する。3つの第1排気口7221は、周方向に間隔をあけて配列される。第1排気口7221は、周方向に回転するシャッター42によって開閉される。
【0048】
第2排気口7211は、カバー蓋部721を上下方向に貫通する。すなわち、第2排気口7211は、上下方向に開口する。第2排気口7211は、内周縁72111と、外周縁72112と、第1側縁72113と、第2側縁72114と、を有する。
【0049】
内周縁72111は、第2排気口7211の径方向内縁部に位置する。内周縁72111は、第2排気口7211の径方向内縁部で周方向に延びる。外周縁72112は、第2排気口7211の径方向外縁部に位置する。外周縁72112は、第2排気口7211の径方向外縁部で周方向に延びる。
【0050】
第2排気口7211は、上下方向から見て略台形状に形成される。外周縁72112は、内周縁72111よりも周方向に長い。具体的に言えば、第2排気口7211の径方向の開口幅は、ファンモータ2の回転方向Drの下流側に向かうにつれて狭くなる。この構成によれば、第1排気口7221及び第2排気口7211を有することで、ファンモータ2の径方向及び上下方向のそれぞれに空気を排出することができる。さらに、外周縁72112が内周縁72111よりも周方向に長いことで、第2排気口7211の周方向の開口幅は、ファンモータ2に対して径方向外側に向かうにつれて広くなる。したがって、第2排気口7211をファンモータ2が発生させる空気流の流れに沿った形状にすることができ、上下方向に効率良く排出することが可能である。
【0051】
また、例えば空気流制御装置1を冷蔵庫に搭載した場合に、ハウジング7の内部を流れる水の排水性を向上させることが可能である。
【0052】
第1側縁72113及び第2側縁72114は、上下方向と交差する方向に延びる。第1側縁72113及び第2側縁72114は、内周縁72111及び外周縁72112それぞれの周方向両端部を接続する。詳細に言えば、第1側縁72113は、ファンモータ2の回転方向Drの下流側において内周縁72111の周方向一端部と外周縁72112の周方向一端部とを接続する。第2側縁72114は、ファンモータ2の回転方向Drの上流側において内周縁72111の周方向他端部と外周縁72112の周方向他端部とを接続する。
【0053】
第1側縁72113及び第2側縁72114は、中心軸Cを中心としてファンモータ2の径方向に延びる半径線Lrに対し、周方向に傾斜している。そして、ファンモータ2の中心軸Cに対して径方向に延びる半径線Lrに対する第1側縁72113の角度θ1は、半径線Lrに対する第2側縁72114の角度θ2よりも大きい。
【0054】
この構成によれば、ファンモータ2の回転方向Drに関して、下流側の第1側縁72113は、上流側の第2側縁72114よりも長くなる。したがって、ファンモータ2が発生させる空気流の空気を、第2排気口7211から効率良く排出することが可能である。
【0055】
カバー蓋部721は、本実施形態において、3つの第2排気口7211を有する。3つの第2排気口7211は、周方向に間隔をあけて配列される。
【0056】
第2排気口7211は、周方向において隣り合う2つの第1排気口7221の間に配置される。すなわち、第2排気口7211の周方向位置は、第1排気口7221の周方向位置と異なる。この構成によれば、上下方向への排気経路を、径方向への排気経路と異ならせることができる。したがって、ファンモータ2が発生させる空気流の空気を、効率良く排出することが可能である。
【0057】
3つの第2排気口7211は、それぞれ大きさが異なる。大きさが同じ複数の第2排気口7211に対し、大きさが異なる少なくとも1つの第2排気口7211を有していても良い。
【0058】
すなわち、カバー蓋部721は、大きさが異なる複数の第2排気口7211を有する。この構成によれば、複数の第2排気口7211それぞれを、第2排気口7211の排気方向下流側に続く排気経路の大きさや形状に合わせることができる。したがって、ファンモータ2が発生させる空気流の空気を、第2排気口7211から効率良く排出することが可能である。
【0059】
カバー蓋部721は、風向板7212を有する。風向板7212は、第2排気口7211に隣接して設けられる。言い換えれば、風向板7212は、第2排気口7211の外周縁72112の箇所に取り付けられている。風向板7212は、第2排気口7211の径方向外周部から径方向内側に向かって、且つカバー蓋部721の下側に向かって延びる。風向板7212は、カバー蓋部721及び外周壁722それぞれに対して傾斜している。
【0060】
この構成によれば、第2排気口7211から空気を排出する際に、損失を抑制することができる。したがって、ファンモータ2が発生させる空気流の空気を、第2排気口7211から排出する効率を向上させることが可能である。
【0061】
なお、風向板7212は、複数の第2排気口7211すべてに対して設けられるわけではない。風向板7212は、第2排気口7211を適宜選択して設けることができる。
【0062】
風向板7212は、上下方向から見て略台形状に形成される。風向板7212は、隣接する第2排気口7211と上下方向に対向する。風向板7212の上下方向から見た外形は、上下方向に対向する第2排気口7211の上下方向から見た外形と重なる。
【0063】
この構成によれば、樹脂成形によってカバー部材72を形成する場合に、カバー部材72の上下方向を金型の抜き方向に一致させ、第2排気口7211及び風向板7212を容易に形成することができる。なお、風向板7212の上下方向から見た外形は、上下方向に対向する第2排気口7211の上下方向から見た外形よりも小さくても良い。
【0064】
<3.その他>
以上、本開示の実施形態につき説明したが、本開示の範囲はこれに限定されるものではなく、本開示の主旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換及び他の種々の変更を加えて実施することができる。
【0065】
例えば、シャッター42、第1排気口7221、第2排気口7211及び風向板7212の形状、大きさ、数量及び配列は、先で説明した構成に限定されるわけではなく、他の形状、大きさ、数量及び配列であっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本開示の空気流制御装置は、例えば冷蔵庫に搭載され、冷気の流通経路の切り替えに利用することができる。
【符号の説明】
【0067】
1・・・空気流制御装置、2・・・ファンモータ、3・・・保持部材、4・・・シャッター部材、5・・・シャッターモータ、6・・・ギヤ、7・・・ハウジング、21・・・インペラ、22・・・シャフト、23・・・ロータ、24・・・ステータ、25・・・軸受、31・・・筒部、32・・・板部、41・・・環状部、42・・・シャッター、71・・・ベース部材、72・・・カバー部材、211・・・カップ部、212・・・円板部、213・・・羽根、214・・・支持枠、231・・・ロータヨーク、232・・・マグネット、241・・・ステータコア、242・・・インシュレータ、411・・・ギヤ部、711・・・ベース蓋部、712・・・モータベース部、721・・・カバー蓋部、722・・・外周壁、723・・・モータカバー部、724・・・固定部、7111・・・吸気口、7211・・・第2排気口、7212・・・風向板、7221・・・第1排気口、7231・・・開口、72111・・・内周縁、72112・・・外周縁、72113・・・第1側縁、72114・・・第2側縁、C・・・中心軸、Dr・・・回転方向、Lr・・・半径線、θ1・・・角度、θ2・・・角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6