(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】積層セラミックコンデンサおよび積層セラミックコンデンサの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01G 4/30 20060101AFI20240326BHJP
【FI】
H01G4/30 513
H01G4/30 201F
H01G4/30 311E
H01G4/30 517
(21)【出願番号】P 2021009932
(22)【出願日】2021-01-25
【審査請求日】2022-08-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100158207
【氏名又は名称】河本 尚志
(72)【発明者】
【氏名】大西 浩介
【審査官】鈴木 駿平
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-340449(JP,A)
【文献】特開2001-044066(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 4/00-4/224
H01G 4/255-4/40
H01G 13/00-13/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高さ方向に相対する第1の主面および第2の主面と、高さ方向に直交する幅方向に相対する第1の側面および第2の側面と、高さ方向および幅方向に直交する長さ方向に相対する第1の端面および第2の端面とを有し、前記高さ方向に複数の誘電体層が積層された容量素子と、
前記複数の誘電体層から任意に選ばれた複数の誘電体層上に配置され、前記容量素子の内部に位置し、前記第1の端面に露出した第1の内部電極と、
前記複数の誘電体層から任意に選ばれた複数の誘電体層上に配置され、前記容量素子の内部に位置し、前記第2の端面に露出した第2の内部電極と、
前記第1の端面上に配置され、前記第1の内部電極と電気的に接続された第1の外部電極と、
前記第2の端面上に配置され、前記第2の内部電極と電気的に接続された第2の外部電極と、を有する積層セラミックコンデンサであって、
前記第1の外部電極および前記第2の外部電極は、それぞれ、金属成分とセラミック成分とを有する下地電極層と、前記下地電極層上に配置されたCuめっき電極層と、前記Cuめっき電極層上に配置されたNiめっき電極層と、前記Niめっき電極層上に配置されたSnめっき電極層と、を有し、
前記容量素子の前記第1の端面および前記第2の端面に、それぞれ、凹部が形成され、前記凹部内に、前記下地電極層
および前記Cuめっき電極層が入り込んでいる、
積層セラミックコンデンサ。
【請求項2】
高さ方向に相対する第1の主面および第2の主面と、高さ方向に直交する幅方向に相対する第1の側面および第2の側面と、高さ方向および幅方向に直交する長さ方向に相対する第1の端面および第2の端面とを有し、前記高さ方向に複数の誘電体層が積層された容量素子と、
前記複数の誘電体層から任意に選ばれた複数の誘電体層上に配置され、前記容量素子の内部に位置し、前記第1の端面に露出した第1の内部電極と、
前記複数の誘電体層から任意に選ばれた複数の誘電体層上に配置され、前記容量素子の内部に位置し、前記第2の端面に露出した第2の内部電極と、
前記第1の端面上に配置され、前記第1の内部電極と電気的に接続された第1の外部電極と、
前記第2の端面上に配置され、前記第2の内部電極と電気的に接続された第2の外部電極と、を有する積層セラミックコンデンサであって、
前記第1の外部電極および前記第2の外部電極は、それぞれ、金属成分とセラミック成分とを有する下地電極層と、前記下地電極層上に配置されたCuめっき電極層と、前記Cuめっき電極層上に配置されたNiめっき電極層と、前記Niめっき電極層上に配置されたSnめっき電極層と、を有し、
前記容量素子の前記第1の端面および前記第2の端面に、それぞれ、凹部が形成され、前記凹部内に、前記下地電極層が入り込み、
前記第1の端面に形成された前記凹部に入り込んだ前記下地電極層と、少なくとも1つの前記第1の内部電極とが電気的に接続され、
前記第2の端面に形成された前記凹部に入り込んだ前記下地電極層と、少なくとも1つの前記第2の内部電極とが電気的に接続された、
積層セラミックコンデンサ。
【請求項3】
前記第1の外部電極を取り除いた前記第1の端面、または、前記第2の外部電極を取り除いた前記第2の端面を見たとき、
前記凹部は、幅と、前記幅よりも長い長さとを有し、
前記凹部の前記長さの方向と、前記第1の端面に露出した前記第1の内部電極が延びる方向、または、前記第2の端面に露出した前記第2の内部電極が延びる方向とが、同じ方向である、
請求項1
または2に記載された積層セラミックコンデンサ。
【請求項4】
前記第1の側面および前記第2の側面と平行な前記容量素子の断面を見たとき、
前記凹部の深さの方向と、前記第1の内部電極および前記第2の内部電極の延びる方向とが、同じ方向である、
請求項1ないし
3のいずれか1項に記載された積層セラミックコンデンサ。
【請求項5】
前記第1の側面および前記第2の側面と平行な前記容量素子の断面を見たとき、
前記凹部の深さが、
当該凹部が形成された位置における、前記第1の端面または前記第2の端面を基準にした、前記下地電極層の厚みよりも大きい、
請求項1ないし
4のいずれか1項に記載された積層セラミックコンデンサ。
【請求項6】
前記第1の端面上に配置された前記第1の外部電極、および、前記第2の端面上に配置された前記第2の外部電極が、それぞれ、前記第1の主面および前記第2の主面にそれぞれ延びる、折返し部を有し、
前記第1の側面および前記第2の側面と平行な前記容量素子の断面を見たとき、
前記凹部の深さが、
前記折返し部の長さよりも小さい、
請求項1ないし
5のいずれか1項に記載された積層セラミックコンデンサ。
【請求項7】
前記第1の側面および前記第2の側面と平行な前記容量素子の断面を見たとき、
前記第1の端面に形成された前記凹部に入り込んだ前記下地電極層と、最も前記第1の主面の近くに配置された前記第1の内部電極、および/または、最も前記第2の主面の近くに配置された前記第1の内部電極とが電気的に接続され、
前記第2の端面に形成された前記凹部に入り込んだ前記下地電極層と、最も前記第1の主面の近くに配置された前記第2の内部電極、および/または、最も前記第2の主面の近くに配置された前記第2の内部電極とが電気的に接続された、
請求項1ないし
6のいずれか1項に記載された積層セラミックコンデンサ。
【請求項8】
前記下地電極層の前記金属成分が、Niを主成分とする、
請求項1ないし
7のいずれか1項に記載された積層セラミックコンデンサ。
【請求項9】
前記複数の誘電体層から任意に選ばれた複数の誘電体層上に配置され、前記容量素子の内部に位置し、前記第1の側面、および/または、前記第2の側面に露出した第3の内部電極と、
前記第1の側面上、および/または、前記第2の側面上に配置され、前記第3の内部電極と接続された第3の外部電極とを、更に有し、
3端子型コンデンサが構成された、
請求項1ないし
8のいずれか1項に記載された積層セラミックコンデンサ。
【請求項10】
請求項1ないし
9のいずれか1項に記載された積層セラミックコンデンサの製造方法であって、
複数のセラミックグリーンシートを作製する工程と、
前記複数のセラミックグリーンシートから任意に選ばれた複数のセラミックグリーンシートの主面に、内部電極を形成するための導電性ペーストを所望の形状に塗布する工程と、
前記複数のセラミックグリーンシートを積層し、一体化させて、第1の主面および第2の主面と、第1の側面および第2の側面と、第1の端面および第2の端面とを有する未焼成容量素子を作製する工程と、
前記未焼成容量素子の前記第1の端面および前記第2の端面を切削し、それぞれに未焼成凹部を形成する工程と、
前記未焼成凹部を含む、前記第1の端面および前記第2の端面に、それぞれ、外部電極の下地電極層を形成するための導電性ペーストを塗布する工程と、
前記未焼成容量素子を焼成し、第1の主面および第2の主面と、第1の側面および第2の側面と、第1の端面および第2の端面とを有し、内部に、複数の誘電体層と、複数の第1の内部電極と、複数の第2の内部電極とが積層され、前記第1の端面および前記第2の端面にそれぞれ凹部が形成され、前記凹部を含む前記第1の端面に第1の外部電極の前記下地電極層が形成され、前記凹部を含む前記第2の端面に第2の外部電極の前記下地電極層が形成された、容量素子を作製する工程と、
前記下地電極層の上に、Cuめっき電極層を形成する工程と、
前記Cuめっき電極層の上に、Niめっき電極層を形成する工程と、
前記Niめっき電極層の上に、Snめっき電極層を形成する工程と、を備えた、
積層セラミックコンデンサの製造方法。
【請求項11】
請求項1ないし
9のいずれか1項に記載された積層セラミックコンデンサの製造方法であって、
複数のセラミックグリーンシートを作製する工程と、
前記複数のセラミックグリーンシートから任意に選ばれたセラミックグリーンシートの主面上の任意に選ばれた領域に、剥離剤を所望の形状に塗布する工程と、
前記複数のセラミックグリーンシートから任意に選ばれた複数のセラミックグリーンシートの主面、および/または、塗布された前記剥離剤上に、内部電極を形成するための導電性ペーストを所望の形状に塗布する工程と、
前記複数のセラミックグリーンシートを積層し、一体化させて、第1の主面および第2の主面と、第1の側面および第2の側面と、第1の端面および第2の端面とを有する未焼成容量素子を作製する工程と、
前記未焼成容量素子に振動を加え、前記剥離剤が塗布された部分において、積層された前記セラミックグリーンシートと前記セラミックグリーンシートとを部分的に剥離させ、前記第1の端面および前記第2の端面に、それぞれ未焼成凹部を形成する工程と、
前記未焼成凹部を含む、前記第1の端面および前記第2の端面に、それぞれ、外部電極の下地電極層を形成するための導電性ペーストを塗布する工程と、
前記未焼成容量素子を焼成し、第1の主面および第2の主面と、第1の側面および第2の側面と、第1の端面および第2の端面とを有し、内部に、複数の誘電体層と、複数の第1の内部電極と、複数の第2の内部電極とが積層され、前記第1の端面および前記第2の端面にそれぞれ凹部が形成され、前記凹部を含む前記第1の端面に第1の外部電極の前記下地電極層が形成され、前記凹部を含む前記第2の端面に第2の外部電極の前記下地電極層が形成された、容量素子を作製する工程と、
前記下地電極層の上に、Cuめっき電極層を形成する工程と、
前記Cuめっき電極層の上に、Niめっき電極層を形成する工程と、
前記Niめっき電極層の上に、Snめっき電極層を形成する工程と、を備えた、
積層セラミックコンデンサの製造方法。
【請求項12】
請求項1ないし
9のいずれか1項に記載された積層セラミックコンデンサの製造方法であって、
複数のセラミックグリーンシートを作製する工程と、
前記複数のセラミックグリーンシートから任意に選ばれた複数のセラミックグリーンシートの主面上に、内部電極を形成するための導電性ペーストを所望の形状に塗布する工程と、
前記複数のセラミックグリーンシートから任意に選ばれたセラミックグリーンシートの主面、および/または、塗布された前記導電性ペースト上の任意に選ばれた領域に、剥離剤を所望の形状に塗布する工程と、
前記複数のセラミックグリーンシートを積層し、一体化させて、第1の主面および第2の主面と、第1の側面および第2の側面と、第1の端面および第2の端面とを有する未焼成容量素子を作製する工程と、
前記未焼成容量素子に振動を加え、前記剥離剤が塗布された部分において、積層された前記セラミックグリーンシートと前記セラミックグリーンシートとを部分的に剥離させ、前記第1の端面および前記第2の端面に、それぞれ未焼成凹部を形成する工程と、
前記未焼成凹部を含む、前記第1の端面および前記第2の端面に、それぞれ、外部電極の下地電極層を形成するための導電性ペーストを塗布する工程と、
前記未焼成容量素子を焼成し、第1の主面および第2の主面と、第1の側面および第2の側面と、第1の端面および第2の端面とを有し、内部に、複数の誘電体層と、複数の第1の内部電極と、複数の第2の内部電極とが積層され、前記第1の端面および前記第2の端面にそれぞれ凹部が形成され、前記凹部を含む前記第1の端面に第1の外部電極の前記下地電極層が形成され、前記凹部を含む前記第2の端面に第2の外部電極の前記下地電極層が形成された、容量素子を作製する工程と、
前記下地電極層の上に、Cuめっき電極層を形成する工程と、
前記Cuめっき電極層の上に、Niめっき電極層を形成する工程と、
前記Niめっき電極層の上に、Snめっき電極層を形成する工程と、を備えた、
積層セラミックコンデンサの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層セラミックコンデンサに関し、更に詳しくは、耐湿性の向上をはかった積層セラミックコンデンサに関する。
【0002】
また、本発明は、本発明の積層セラミックコンデンサを製造するのに適した積層セラミックコンデンサの製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
一般的な積層セラミックコンデンサは、セラミックからなる複数の誘電体層と複数の内部電極とが積層された容量素子を備え、容量素子の表面に外部電極が形成されている。内部電極は、容量素子の端面や側面に引出されて、外部電極と電気的に接続されている。
【0004】
外部電極は、たとえば、導電性ペーストを塗布し、焼成して形成された下地電極層と、下地電極層の表面に形成されためっき電極層とで構成される。めっき電極層は、必要に応じて、複数の層で構成される場合がある。
【0005】
たとえば、特許文献1(特開2017-168488号公報)には、Niなどを主成分とする下地電極層と、下地電極層の表面に形成されたCuめっき電極層と、Cuめっき電極層の表面に形成されたNiめっき電極層と、Niめっき電極層の表面に形成されたSnめっき電極層とで構成された外部電極を備えた積層セラミックコンデンサが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した従来の積層セラミックコンデンサは、主に、外部電極の下地電極層とCuめっき電極層とで耐湿性を維持している。すなわち、内部電極に向って浸入してくる水分を、下地電極層とCuめっき電極層とで防いでいる。
【0008】
しかしながら、下地電極層を、容量素子の端面に、たとえばディップによって導電性ペーストを塗布し、その導電性ペーストを焼成して形成した場合、容量素子の端面において、下地電極層の厚みが不均一になるという問題があった。すなわち、端面の中央部の下地電極層の厚みは大きいが、端面の外周近傍の下地電極層の厚みが小さくなるという問題があった。
【0009】
そして、下地電極層の厚みが小さい部分の耐湿性が低くなってしまい、その部分から水分が内部電極に浸入し、積層セラミックコンデンサのIR(絶縁抵抗)が低下してしまうという問題があった。以下に、図面を使って説明する。
【0010】
図12に、従来の積層セラミックコンデンサ1000を示す。ただし、
図12は、積層セラミックコンデンサ1000の側面と平行な断面を示す断面図である。なお、
図12は、本件出願人が作成したものであり、特許文献1に記載されたものではない。
【0011】
積層セラミックコンデンサ1000は、容量素子101を備えている。容量素子101は、セラミックからなる誘電体層101aと、第1の内部電極102と、第2の内部電極103とが積層されたものからなる。第1の内部電極102が容量素子101の一方の端面に引き出され、第2の内部電極103が容量素子の他方の端面に引き出されている。なお、
図12の断面図は、第1の内部電極102が引き出された、容量素子101の一方の端面側を示している。
【0012】
容量素子101の両端面に、それぞれ、外部電極104が形成されている。容量素子101の一方の端面に形成された外部電極104は、第1の内部電極102と電気的に接続されている。容量素子101の他方の端面に形成された外部電極104は、第2の内部電極103と電気的に接続されている。
【0013】
外部電極104は、導電性ペーストを塗布し、焼成して形成した、Niなどを主成分とする下地電極層108と、下地電極層108の上に形成されたCuめっき電極層109と、Cuめっき電極層109の上に形成されたNiめっき電極層110と、Niめっき電極層110の上に形成されたSnめっき電極層111とで構成されている。
【0014】
図12から分かるように、下地電極層108は、端面の中央部の厚みMは大きいが、端面の外周近傍の厚みNが小さい。上述したとおり、積層セラミックコンデンサ1000は、主に、下地電極層108とCuめっき電極層109とで耐湿性を維持しているが、下地電極層108の端面の外周近傍の厚みNが小さい部分から内部に水分が浸入してしまうという問題があった。そして、IRが低下してしまうという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は上述した従来の問題を解決するためになされたものであり、その手段として本発明の一実施態様にかかる積層セラミックコンデンサは、高さ方向に相対する第1の主面および第2の主面と、高さ方向に直交する幅方向に相対する第1の側面および第2の側面と、高さ方向および幅方向に直交する長さ方向に相対する第1の端面および第2の端面とを有し、高さ方向に複数の誘電体層が積層された容量素子と、複数の誘電体層から任意に選ばれた複数の誘電体層上に配置され、容量素子の内部に位置し、第1の端面に露出した第1の内部電極と、複数の誘電体層から任意に選ばれた複数の誘電体層上に配置され、容量素子の内部に位置し、第2の端面に露出した第2の内部電極と、第1の端面上に配置され、第1の内部電極と電気的に接続された第1の外部電極と、第2の端面上に配置され、第2の内部電極と電気的に接続された第2の外部電極と、を有する積層セラミックコンデンサであって、第1の外部電極および第2の外部電極は、それぞれ、金属成分とセラミック成分とを有する下地電極層と、下地電極層上に配置されたCuめっき電極層と、Cuめっき電極層上に配置されたNiめっき電極層と、Niめっき電極層上に配置されたSnめっき電極層と、を有し、容量素子の第1の端面および第2の端面に、それぞれ、凹部が形成され、凹部内に、下地電極層およびCuめっき電極層が入り込んでいるものとする。
また、本発明の別の実施態様にかかる積層セラミックコンデンサは、高さ方向に相対する第1の主面および第2の主面と、高さ方向に直交する幅方向に相対する第1の側面および第2の側面と、高さ方向および幅方向に直交する長さ方向に相対する第1の端面および第2の端面とを有し、高さ方向に複数の誘電体層が積層された容量素子と、複数の誘電体層から任意に選ばれた複数の誘電体層上に配置され、容量素子の内部に位置し、第1の端面に露出した第1の内部電極と、複数の誘電体層から任意に選ばれた複数の誘電体層上に配置され、容量素子の内部に位置し、第2の端面に露出した第2の内部電極と、第1の端面上に配置され、第1の内部電極と電気的に接続された第1の外部電極と、第2の端面上に配置され、第2の内部電極と電気的に接続された第2の外部電極と、を有する積層セラミックコンデンサであって、第1の外部電極および第2の外部電極は、それぞれ、金属成分とセラミック成分とを有する下地電極層と、下地電極層上に配置されたCuめっき電極層と、Cuめっき電極層上に配置されたNiめっき電極層と、Niめっき電極層上に配置されたSnめっき電極層と、を有し、容量素子の第1の端面および第2の端面に、それぞれ、凹部が形成され、凹部内に、下地電極層が入り込み、第1の端面に形成された凹部に入り込んだ下地電極層と、少なくとも1つの第1の内部電極とが電気的に接続され、第2の端面に形成された凹部に入り込んだ下地電極層と、少なくとも1つの第2の内部電極とが電気的に接続されたものとする。
【0016】
また、本発明の本発明の一実施態様にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法は、複数のセラミックグリーンシートを作製する工程と、複数のセラミックグリーンシートから任意に選ばれた複数のセラミックグリーンシートの主面に、内部電極を形成するための導電性ペーストを所望の形状に塗布する工程と、複数のセラミックグリーンシートを積層し、一体化させて、第1の主面および第2の主面と、第1の側面および第2の側面と、第1の端面および第2の端面とを有する未焼成容量素子を作製する工程と、未焼成容量素子の第1の端面および第2の端面を切削し、それぞれに未焼成凹部を形成する工程と、未焼成凹部を含む、第1の端面および第2の端面に、それぞれ、外部電極の下地電極層を形成するための導電性ペーストを塗布する工程と、未焼成容量素子を焼成し、第1の主面および第2の主面と、第1の側面および第2の側面と、第1の端面および第2の端面とを有し、内部に、複数の誘電体層と、複数の第1の内部電極と、複数の第2の内部電極とが積層され、第1の端面および第2の端面にそれぞれ凹部が形成され、凹部を含む第1の端面に第1の外部電極の下地電極層が形成され、凹部を含む第2の端面に第2の外部電極の下地電極層が形成された、容量素子を作製する工程と、下地電極層の上に、Cuめっき電極層を形成する工程と、Cuめっき電極層の上に、Niめっき電極層を形成する工程と、Niめっき電極層の上に、Snめっき電極層を形成する工程と、を備えたものとする。
【0017】
また、本発明の本発明の別の実施態様にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法は、複数のセラミックグリーンシートを作製する工程と、前記複数のセラミックグリーンシートから任意に選ばれたセラミックグリーンシートの主面上の任意に選ばれた領域に、剥離剤を所望の形状に塗布する工程と、複数のセラミックグリーンシートから任意に選ばれた複数のセラミックグリーンシートの主面、および/または、塗布された剥離剤上に、内部電極を形成するための導電性ペーストを所望の形状に塗布する工程と、複数のセラミックグリーンシートを積層し、一体化させて、第1の主面および第2の主面と、第1の側面および第2の側面と、第1の端面および第2の端面とを有する未焼成容量素子を作製する工程と、未焼成容量素子に振動を加え、剥離剤が塗布された部分において、積層されたセラミックグリーンシートとセラミックグリーンシートとを部分的に剥離させ、第1の端面および第2の端面に、それぞれ未焼成凹部を形成する工程と、未焼成凹部を含む、第1の端面および第2の端面に、それぞれ、外部電極の下地電極層を形成するための導電性ペーストを塗布する工程と、未焼成容量素子を焼成し、第1の主面および第2の主面と、第1の側面および第2の側面と、第1の端面および第2の端面とを有し、内部に、複数の誘電体層と、複数の第1の内部電極と、複数の第2の内部電極とが積層され、第1の端面および第2の端面にそれぞれ凹部が形成され、凹部を含む第1の端面に第1の外部電極の下地電極層が形成され、凹部を含む第2の端面に第2の外部電極の下地電極層が形成された、容量素子を作製する工程と、下地電極層の上に、Cuめっき電極層を形成する工程と、Cuめっき電極層の上に、Niめっき電極層を形成する工程と、Niめっき電極層の上に、Snめっき電極層を形成する工程と、を備えたものとする。
【0018】
なお、上記別の実施態様にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法において、セラミックグリーンシートの主面上に剥離剤を塗布する工程と、セラミックグリーンシートの主面上に導電性ペーストを塗布する工程とは、順番を入れ替えてもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明の一実施態様にかかる積層セラミックコンデンサは、容量素子の端面に凹部が形成され、凹部内に外部電極の下地電極層が入り込んでいるため、その部分で下地電極層の厚みが大きくなっており、優れた耐湿性を備えている。そのため、本発明の一実施態様にかかる積層セラミックコンデンサは、大きなIRを備えている。
【0020】
また、本発明の一実施態様または別の実施態様にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法によれば、本発明の積層セラミックコンデンサを容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1(A)は、第1実施形態にかかる積層セラミックコンデンサ100の平面図である。
図1(B)は、積層セラミックコンデンサ100の側面図である。
図1(C)は、積層セラミックコンデンサ100の正面図である。
【
図2】積層セラミックコンデンサ100の断面図である。
【
図3】積層セラミックコンデンサ100の要部断面図である。
【
図4】積層セラミックコンデンサ100の分解正面図である。
【
図5】
図5(A)~(C)は、それぞれ、積層セラミックコンデンサ100の製造方法の一例を示す断面図である。
【
図6】
図6(D)~(F)は、
図5(C)の続きであり、それぞれ、積層セラミックコンデンサ100の製造方法の一例を示す断面図である。
【
図7】第2実施形態にかかる積層セラミックコンデンサ200の要部断面図である。
【
図8】
図8(A)、(B)は、それぞれ、積層セラミックコンデンサ200の製造方法の一例を示す断面図である。
【
図9】第3実施形態にかかる積層セラミックコンデンサ300の要部断面図である。
【
図10】
図10(A)は、第4実施形態にかかる積層セラミックコンデンサ400の平面図である。
図10(B)は、積層セラミックコンデンサ400の側面図である。
【
図11】積層セラミックコンデンサ400の断面図である。
【
図12】従来の積層セラミックコンデンサ1000の要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面とともに、本発明を実施するための形態について説明する。なお、各実施形態は、本発明の実施の形態を例示的に示したものであり、本発明が実施形態の内容に限定されることはない。また、異なる実施形態に記載された内容を組合せて実施することも可能であり、その場合の実施内容も本発明に含まれる。また、図面は、明細書の理解を助けるためのものであって、模式的に描画されている場合があり、描画された構成要素または構成要素間の寸法の比率が、明細書に記載されたそれらの寸法の比率と一致していない場合がある。また、明細書に記載されている構成要素が、図面において省略されている場合や、個数を省略して描画されている場合などがある。
【0023】
[第1実施形態]
図1(A)~(C)、
図2、
図3、
図4に、第1実施形態にかかる積層セラミックコンデンサ100を示す。ただし、
図1(A)は、積層セラミックコンデンサ100の平面図である。
図1(B)は、積層セラミックコンデンサ100の側面図である。
図1(C)は、積層セラミックコンデンサ100の正面図である。
図2は積層セラミックコンデンサ100の断面図であり、
図1(A)、(C)の一点鎖線矢印で示すX-X部分を示している。
図3は、積層セラミックコンデンサ100の要部断面図である。
図4は、第1の外部電極4(第2の外部電極5)を取り除いた、積層セラミックコンデンサ100の分解正面図である。
【0024】
なお、これらの図面においては、積層セラミックコンデンサ100の容量素子1の一方の端面を示した図を正面図、一方の主面を示した図を平面図、一方の側面を示した図を側面図としている。また、各図には、積層セラミックコンデンサ100(容量素子1)の高さ方向T、長さ方向L、幅方向Wを示しており、以下の説明において、これらの方向に言及する場合がある。
【0025】
積層セラミックコンデンサ100は、直方体形状からなる容量素子1を備えている。容量素子1は、高さ方向Tにおいて相対する第1の主面1A、第2の主面1Bと、高さ方向Tに直交する幅方向Wにおいて相対する第1の側面1C、第2の側面1Dと、高さ方向Tおよび幅方向Wの両方に直交する長さ方向Lにおいて相対する第1の端面1E、第2の端面1Fと、を有している。
【0026】
積層セラミックコンデンサ100の寸法は任意である。ただし、高さ方向Tの寸法は、たとえば、0.1mm~2.5mm程度とすることができる。幅方向Wの寸法は、たとえば、0.1mm~2.5mm程度とすることができる。長さ方向Lの寸法は、たとえば、0.1mm~3.2mm程度とすることができる。
【0027】
容量素子1は、複数の誘電体層1aと、複数の第1の内部電極2と、複数の第2の内部電極3とが積層されたものからなる。誘電体層1a、第1の内部電極2、第2の内部電極3は、容量素子1の高さ方向Tに積層されている。
【0028】
容量素子1(誘電体層1a)の材質は任意であるが、たとえば、BaTiO3を主成分とする誘電体セラミックスを使用することができる。ただし、BaTiO3に代えて、CaTiO3、SrTiO3、CaZrO3など、他の材質を主成分とする誘電体セラミックスを使用してもよい。
【0029】
誘電体層1aの厚みは任意であるが、たとえば、第1の内部電極2、第2の内部電極3が形成された容量形成の実効領域において、0.3μm~2.0μm程度とすることができる。
【0030】
誘電体層1aの層数は任意であるが、たとえば、第1の内部電極2、第2の内部電極3が形成された容量形成の実効領域において、1層~6000層程度とすることができる。
【0031】
容量素子1の上下両側に、第1の内部電極2、第2の内部電極3が形成されず、誘電体層1aのみで構成された外層(保護層)が設けられている。外層の厚みは任意であるが、たとえば、5μm~150μm程度とすることができる。なお、外層領域の誘電体層1aの厚みは、第1の内部電極2、第2の内部電極3が形成されている容量形成の実効領域の誘電体層1aの厚みよりも大きくしてもよい(ただし、
図1(B)、
図2、
図3、
図4においては、外層領域と実効領域とにおいて誘電体層1aの厚みを同じ厚みに示している)。また、外層領域の誘電体層1aの材質は、実効領域の誘電体層1aの材質と異なっていてもよい。
【0032】
図2から分かるように、第1の内部電極2は、容量素子1の長さ方向Lに伸び、容量素子1の第1の端面1Eに引出されている。第2の内部電極3は、容量素子1の長さ方向Lに伸び、容量素子1の第2の端面1Fに引出されている。なお、第1の内部電極2と第2の内部電極3とは、原則として交互に積層されている。
【0033】
第1の内部電極2、第2の内部電極3の主成分(金属成分)の材質は任意であるが、本実施形態においては、Niを使用した。ただし、Niに代えて、Cu、Ag、Pd、Auなど、他の金属を使用してもよい。また、NiやCu、Ag、Pd、Auなどは、他の金属との合金であってもよい。第1の内部電極2、第2の内部電極3は、金属成分の外に、セラミックなどの他の成分を含んでいてもよい。
【0034】
第1の内部電極2、第2の内部電極3の厚みは任意であるが、たとえば、0.3μm~1.5μm程度とすることができる。
【0035】
容量素子1の第1の端面1Eに、第1の外部電極4が形成されている。第2の端面1Fに、第2の外部電極5が形成されている。
【0036】
第1の外部電極4は、キャップ形状に形成されており、縁の部分が、容量素子1の第1の端面1Eから、第1の主面1A、第2の主面1B、第1の側面1C、第2の側面1Dに延出され、折返し部4aが形成されている。
【0037】
第2の外部電極5は、キャップ形状に形成されており、縁の部分が、容量素子1の第2の端面1Fから、第1の主面1A、第2の主面1B、第1の側面1C、第2の側面1Dに延出され、折返し部5aが形成されている。
【0038】
積層セラミックコンデンサ100は、容量素子1の第1の端面1Eに引出された第1の内部電極2が、第1の外部電極4と電気的に接続されている。容量素子1の第2の端面1Fに引出された第2の内部電極3が、第2の外部電極5と電気的に接続されている。
【0039】
第1の外部電極4、第2の外部電極5は、同一の多層構造を有している。具体的には、第1の外部電極4、第2の外部電極5は、
図2、
図3に示すように、それぞれ、容量素子1の表面に形成された下地電極層8と、下地電極層8の上に形成されたCuめっき電極層9と、Cuめっき電極層9の上に形成されNiめっき電極層10と、Niめっき電極層10の上に形成されたSnめっき電極層11とを有している。
【0040】
下地電極層8は、第1の外部電極4、第2の外部電極5のベースとなる部分である。下地電極層8は、耐湿性を向上させる機能も果たしている。Cuめっき電極層9は、主に耐湿性を向上させる機能を果たしている。Niめっき電極層10は、主に、はんだ耐熱性を向上させるとともに、接合性を向上させる機能を果たしている。Snめっき電極層11は、主にはんだ付け性を向上させる機能を果たしている。
【0041】
下地電極層8は、金属成分とセラミック成分とを有している。本実施形態においては、Niを、金属成分の主成分にしている。ただし、下地電極層8の金属成分の主成分の材質は任意であり、Niに代えて、たとえば、Cu、Agなどを主成分にしていてもよい。また、NiやCu、Agなどは、他の金属との合金であってもよい。また、下地電極層8のセラミック成分の主成分も任意である。ただし、たとえば、容量素子1(誘電体層1a)の材質と同じものを使用することができる。
【0042】
下地電極層8の厚みは任意であるが、たとえば、第1の端面1Eや第2の端面1Fの中央部の厚みの大きい領域で、2μm~150μm程度とすることができる。
【0043】
Cuめっき電極層9の厚みは任意であるが、たとえば、2μm~20μm程度とすることができる。
【0044】
Niめっき電極層10の厚みは任意であるが、たとえば、2μm~7μm程度とすることができる。
【0045】
Snめっき電極層11の厚みは任意であるが、たとえば、1μm~8μm程度とすることができる。
【0046】
積層セラミックコンデンサ100は、第1の端面1Eに凹部6が形成され、第2の端面1Fに凹部7が形成されている。本実施形態においては、第1の端面1Eに2つの凹部6が形成され、第2の端面1Fに2つの凹部7が形成されているが、凹部6、7の個数は任意であり、それぞれ増減させてもよい。
【0047】
図4に示すように、本実施形態においては、凹部6、7が、幅F
Wと、幅F
Wよりも長い長さF
Lとを有している。なお、
図4は、第1の端面1Eに形成された凹部6を示しているが、第2の端面1Fに形成された凹部7も同様の形状をしている。凹部6、7の、幅F
W、および、長さF
Lの大きさは任意であり、自由に設定することができる。
【0048】
図4から分かるように、第1の端面1Eに形成された凹部6の長さF
Lの方向が、第1の端面1Eに露出した第1の内部電極2が延びる方向と、同じ方向である。同様に、第2の端面1Fに形成された凹部7の長さF
Lの方向が、第2の端面1Fに露出した第2の内部電極3が延びる方向と、同じ方向である。ただし、凹部6、7の長さF
Lの方向は任意であり、自由に設定することができる。
【0049】
図2、
図3から分かるように、凹部6、7の深さF
Dの方向は、第1の内部電極2および第2の内部電極3が延びる方向と、同じ方向である。
【0050】
図2、
図3から分かるように、凹部6に、第1の外部電極4の下地電極層8の部分8aと、Cuめっき電極層9の部分9aとが入り込んでいる。同様に、凹部7に、第1の外部電極4の下地電極層8の部分8aと、Cuめっき電極層9の部分9aとが入り込んでいる。
【0051】
凹部6に入り込んだ、第1の外部電極4の下地電極層8の部分8aが、第1の内部電極2と電気的に接続されている。同様に、凹部7に入り込んだ、第2の外部電極5の下地電極層8の部分8aが、第2の内部電極3と電気的に接続されている。
【0052】
凹部6、7は、その部分において、第1の外部電極4および第2の外部電極5の下地電極層8(あるいは下地電極層8およびCuめっき電極層9)の厚みを大きくして、耐湿性を向上させるために形成されたものである。すなわち、凹部6、7に入り込んだ下地電極層8の部分8aの深さも、下地電極層8の厚みに加えることにより、下地電極層8の実質的な厚みが大きくなる。したがって、凹部6、7は、容量素子1の第1の端面1Eおよび第2の端面1Fにおいて、下地電極層8の厚みが小さくなりやすい、外周近傍に設けることが好ましい。
【0053】
なお、凹部6に入り込んだ下地電極層8の部分8aと、第1の内部電極2とは、必ずしも電気的に接続される必要はない。ただし、凹部6に入り込んだ下地電極層8の部分8aは、第2の内部電極3と電気的に絶縁される必要がある。同様に、凹部7に入り込んだ下地電極層8の部分8aと、第2の内部電極3とは、必ずしも電気的に接続される必要はない。ただし、凹部7に入り込んだ下地電極層8の部分8aは、第1の内部電極2と電気的に絶縁される必要がある。
【0054】
図2から分かるように、本実施形態においては、凹部6に入り込んだ下地電極層8の部分8aと、最も第1の主面1A側に配置された第1の内部電極2、および、最も第2の主面1B側に配置された第1の内部電極2とが、それぞれ電気的に接続されている。同様に、凹部7に入り込んだ下地電極層8の部分8aと、最も第1の主面1A側に配置された第2の内部電極3、および、最も第2の主面1B側に配置された第2の内部電極3とが、それぞれ電気的に接続されている。これらの領域は、下地電極層8の厚みが小さくなりやすいので、凹部6、7を形成し、下地電極層8の実質的な厚みを大きくして、耐湿性を向上させているのである。
【0055】
本実施形態においては、凹部6に入り込んだ下地電極層8の部分8aと、1つの第1の内部電極2とが電気的に接続されているが、これに代えて、凹部6に入り込んだ下地電極層8の部分8aと、複数の第1の内部電極2とを電気的に接続させてもよい。同様に、凹部7に入り込んだ下地電極層8の部分8aと、1つの第2の内部電極3とが電気的に接続されているが、これに代えて、凹部7に入り込んだ下地電極層8の部分8aと、複数の第2の内部電極3とを電気的に接続させてもよい。
【0056】
凹部6、7の深さF
Dの大きさは任意であり、自由に設定することができる。ただし、
図3に示すように、凹部6、7の深さF
Dは、その部分における、第1の端面1Eまたは第2の端面1Fを基準とした、下地電極層8の厚みPよりも大きいことが好ましい。この場合には、良好に耐湿性を向上させることができるからである。また、凹部6、7の深さF
Dは、第1の外部電極4、第2の外部電極5の折返し部4a、5aの長さQよりも小さいことが好ましい。凹部6、7の深さF
Dを大きくし過ぎると、短絡防止のために、第1の内部電極2、第2の内部電極3の長さを短くしなければならず、積層セラミックコンデンサ100の容量が小さくなってしまう虞があるからである。
【0057】
本実施形態にかかる積層セラミックコンデンサ100は、耐湿性が向上しており、IRが大きくなっている。
【0058】
(積層セラミックコンデンサ100の製造方法の一例)
第1実施形態にかかる積層セラミックコンデンサ100は、たとえば、
図5(A)~
図6(F)に示す製造方法で製造することができる。
【0059】
まず、
図5(A)に示す、未焼成容量素子51を作製する。未焼成容量素子51は、複数のセラミックグリーンシート11aと、第1の内部電極2を形成するための複数の導電性ペースト12と、第2の内部電極3を形成するための複数の導電性ペースト13とが積層され、加圧され、一体化されたものからなる。
【0060】
図示は省略するが、まず、誘電体セラミックスの粉末、バインダー樹脂、溶剤などを用意し、これらを湿式混合してセラミックスラリーを作製する。
【0061】
次に、キャリアフィルム上に、セラミックスラリーをダイコータ、グラビアコーター、マイクログラビアコーターなどを用いてシート状に塗布し、乾燥させて、セラミックグリーンシートを作製する。
【0062】
次に、所定のセラミックグリーンシートの主面に、第1の内部電極2、第2の内部電極3を形成するために、予め用意した導電性ペースト12、13を所望のパターン形状に塗布(たとえば印刷)する。なお、外層となるセラミックグリーンシートには、導電性ペーストは塗布しない。なお、導電性ペーストには、たとえば、溶剤、バインダー樹脂、金属粉末(たとえばNi粉末)などを混合したものを使用することができる。
【0063】
次に、セラミックグリーンシートを所定の順番に積層し、加熱圧着して一体化させ、
図5(A)に示す未焼成容量素子51を作製する。なお、一般的な製造ラインにおいては、多数個の積層セラミックコンデンサ100を高い生産性で製造するために、マザーセラミックグリーンシートを作製し、それらに導電性ペースト12、13を塗布し、マザーセラミックグリーンシートを積層し、加圧し、一体化させてマザー未焼成容量素子を作製し、そのマザー未焼成容量素子を個々に分割して未焼成容量素子51を作製する場合が多い。
【0064】
次に、必要に応じて、
図5(B)に示すように、未焼成容量素子51をバレル研磨にかけ、未焼成容量素子51の角部や稜線部に丸みRを形成する。
【0065】
次に、
図5(C)に示すように、未焼成容量素子51の両端面をブレードなどで部分的に切削し、凹部6、7を形成するための未焼成凹部16、17を形成する。なお、切削に使用する手段はブレードには限られず、レーザー光の照射など、別の手段であってもよい。
【0066】
次に、
図6(D)に示すように、未焼成容量素子51の両端面に、たとえばディップによって、下地電極層8を形成するための導電性ペースト18を塗布する。なお、導電性ペーストには、たとえば、溶剤、バインダー樹脂、金属粉末(たとえばNi粉末)、セラミック粉末などを混合したものを使用することができる。
図6(D)に示すように、導電性ペースト18は、未焼成凹部16、17の内壁や底部にも塗布される。
【0067】
次に、未焼成容量素子51を、所定のプロファイルで焼成して、
図6(E)に示す容量素子1を完成させる。このとき、セラミックグリーンシート11aが焼成されて誘電体層1aになり、セラミックグリーンシート11aの主面に塗布された導電性ペースト12、13が同時に焼成されて第1の内部電極2、第2の内部電極3になり、未焼成容量素子51の端面に塗布された導電性ペースト18が同時に焼成されて下地電極層8になる。また、未焼成凹部16、17が凹部6、7になり、凹部6、7の内壁や底部には、下地電極層8の部分8aが形成される。なお、下地電極層8の部分8aは、凹部6、7の内部を埋めきってもよい。
【0068】
次に、
図6(F)に示すように、下地電極層8の上にCuめっき電極層9を形成し、Cuめっき電極層9の上にNiめっき電極層10を形成し、Niめっき電極層10の上にSnめっき電極層11を形成し、積層セラミックコンデンサ100を完成させる。下地電極層8の部分8aの内部には、Cuめっき電極層9の部分9aが形成される。
【0069】
(実験1)
本発明の有効性を確認するために、次の実験1をおこなった。
【0070】
実施例として、上述した積層セラミックコンデンサ100を、20個、作製した。また、比較例として、積層セラミックコンデンサ100から凹部6、7を省略した従来の積層セラミックコンデンサを、20個、作製した。なお、作製した積層セラミックコンデンサは、全て、必要なIRの大きさを備えていた。
【0071】
次に、温度125℃、湿度95%の環境下において、72時間の間、実施例および比較例の各積層セラミックコンデンサに、3.2Vの電圧を印加した。
【0072】
72時間経過後、各積層セラミックコンデンサのIRを測定し、基準となる大きさを上回ったものを「良」とし、基準となる大きさを下回ったものを「不良」とした。実施例の不良率は0%であった。比較例の不良率は10%であった。
【0073】
以上より、本発明の有効性が確認された。
【0074】
[第2実施形態]
図7に、第2実施形態にかかる積層セラミックコンデンサ200を示す。ただし、積層セラミックコンデンサ200の要部断面図である。
【0075】
第2実施形態にかかる積層セラミックコンデンサ200は、上述した第1実施形態にかかる積層セラミックコンデンサ100の構成の一部に変更を加えた。具体的には、積層セラミックコンデンサ100では、凹部6、7を、それぞれ、ある1層の誘電体層1aと、その上下に積層された誘電体層1aの一部部分とに亘って形成した。積層セラミックコンデンサ200は、これを変更し、凹部26、27を、隣接する2層の誘電体層1aの境界領域に形成した。そして、凹部26、27の内部に、下地電極層8の部分8bと、Cuめっき電極層9の部分9bとを形成した。積層セラミックコンデンサ200の他の構成は、積層セラミックコンデンサ100と同じにした。
【0076】
(積層セラミックコンデンサ200の製造方法の一例)
第2実施形態にかかる積層セラミックコンデンサ200は、たとえば、
図8(A)、(B)に示す製造方法で製造することができる。
【0077】
まず、図示しないが、第1実施形態の製造方法で示したのと同じ方法で、セラミックグリーンシート11aを作製する。
【0078】
次に、所定のセラミックグリーンシート11aの上側主面または下側主面の凹部26、27を形成しようとする領域に、剥離剤20を塗布する。剥離剤20の材質は任意であり、振動を与えることによって、セラミックグリーンシート11aどうしを部分的に剥離させることができるものであればよい。
【0079】
次に、所定のセラミックグリーンシート11aの主面に、第1の内部電極2、第2の内部電極3を形成するために、予め用意した導電性ペースト12、13を所望のパターン形状に塗布する。なお、セラミックグリーンシート11aの主面上に剥離剤20を塗布する工程と、セラミックグリーンシート11aの主面上に導電性ペースト12、13を塗布する工程とは、順番を入れ替えてもよい。
【0080】
次に、
図8(A)に示すように、セラミックグリーンシート11aを所定の順番に積層し、加熱圧着して一体化させ、未焼成容量素子51を作製する。
【0081】
次に、
図8(B)に示すように、未焼成容量素子51をバレル研磨にかけ、未焼成容量素子51の角部や稜線部に丸みRを形成するとともに、バレル研磨の振動によって剥離剤20を塗布した部分のセラミックグリーンシート11aどうしを部分的に剥離させ、未焼成凹部56、57を形成する。なお、このとき、振動によって、未焼成凹部56、57の内部の導電性ペースト12、13も除去される。
【0082】
次に、図示しないが、第1実施形態の製造方法と同じ方法で、未焼成容量素子51の両端面に、たとえばディップによって、下地電極層8を形成するための導電性ペースト18を塗布する。
【0083】
次に、未焼成容量素子51を、所定のプロファイルで焼成して、容量素子1を完成させる。このとき、セラミックグリーンシート11aが焼成されて誘電体層1aになり、セラミックグリーンシート11aの主面に塗布された導電性ペースト12、13が同時に焼成されて第1の内部電極2、第2の内部電極3になり、未焼成容量素子51の端面に塗布された導電性ペースト18が同時に焼成されて下地電極層8になる。そして、未焼成凹部56、57が凹部26、27になり、凹部26、27の内壁や底部には、下地電極層8の部分8bが形成される。
【0084】
次に、下地電極層8の上にCuめっき電極層9を形成し、Cuめっき電極層9の上にNiめっき電極層10を形成し、Niめっき電極層10の上にSnめっき電極層を形成し、積層セラミックコンデンサ200を完成させる。下地電極層8の部分8bの内部には、Cuめっき電極層9の部分9bが形成される。
【0085】
第2実施形態にかかる積層セラミックコンデンサ200も、第1の外部電極4、第2の外部電極5の凹部26、27を形成した部分の耐湿性が向上しており、IRが大きくなっている。
【0086】
[第3実施形態]
図9に、第3実施形態にかかる積層セラミックコンデンサ300を示す。ただし、
図9は、積層セラミックコンデンサ300の要部断面図である。なお、
図9は、容量素子1の第1の端面1Eに形成した凹部36と、第1の外部電極4とを示しているが、容量素子1の第2の端面1Fにも、同様に、凹部37と、第2の外部電極5とが形成されている。
【0087】
第3実施形態にかかる積層セラミックコンデンサ300も、上述した第1実施形態にかかる積層セラミックコンデンサ100の構成の一部に変更を加えた。具体的には、積層セラミックコンデンサ100では、凹部6(凹部7)の内部に形成された下地電極層8の部分8aが、1つの第1の内部電極2(第2の内部電極3)と電気的に接続されていたが、積層セラミックコンデンサ300はこれを変更し、凹部36(凹部37)の内部に形成された下地電極層8の部分8cを、複数の第1の内部電極2(第2の内部電極3)と電気的に接続させた。なお、下地電極層8の部分8cの内部には、Cuめっき電極層9の部分9cが形成されている。積層セラミックコンデンサ300の他の構成は、積層セラミックコンデンサ100と同じにした。
【0088】
第3実施形態にかかる積層セラミックコンデンサ300も、第1の外部電極4、第2の外部電極5の凹部36、37を形成した部分の耐湿性が向上しており、IRが大きくなっている。
【0089】
[第4実施形態]
図10(A)、(B)、
図11に、第4実施形態にかかる積層セラミックコンデンサ400を示す。ただし、
図10(A)は、積層セラミックコンデンサ400の平面図である。
図10(B)は、積層セラミックコンデンサ400の側面図である。
図11は、積層セラミックコンデンサ400の断面図であり、
図10(A)の一点鎖線矢印で示すY-Y部分を示している。
【0090】
第1実施形態~第3実施形態にかかる積層セラミックコンデンサ100、200、300は、それぞれ、1対の外部電極である、第1の外部電極4と第2の外部電極5とを備えた積層セラミックコンデンサであった。第4実施形態の積層セラミックコンデンサ400は、第1の外部電極4、第2の外部電極5の他に、更に第3の外部電極40a、40bを形成することによって、3端子型コンデンサを構成している。
【0091】
積層セラミックコンデンサ100、200、300では、容量素子1の内部に、第1の内部電極2と、第2の内部電極3とが、交互に積層されていた。第4実施形態の積層セラミックコンデンサ400は、これに代えて、容量素子1の内部に、第3の内部電極44と、第1の内部電極2と、第2の内部電極3とを、この順番に繰り返して積層している。
【0092】
各第3の内部電極44は、容量素子1の第1の側面1Cと第2の側面1Dとの両側面に引き出されている。そして、第1の側面1Cに引き出された第3の内部電極44が、第3の外部電極40aに接続され、第2の側面1Dに引き出された第3の内部電極44が、第3の外部電極40bに接続されている。なお、第3の外部電極40aと第3の外部電極40bとは、容量素子1の第1の主面1Aおよび/または第2の主面1Bを経由して、相互に電気的に接続されてもよい。
【0093】
積層セラミックコンデンサ400は、容量素子1の第1の側面1Cに2つの凹部46が形成され、第2の側面1Dに2つの凹部47が形成されている。
【0094】
第3の外部電極40a、40bは、第1の外部電極4、第2の外部電極5と同様に、下地電極層8、Cuめっき電極層9と、Niめっき電極層10と、Snめっき電極層11とが積層された構造からなる。そして、凹部46、47に、下地電極層8の部分8dと、Cuめっき電極層9の部分9dとが入り込んでいる。そして、最上に積層された第3の内部電極44および最下に積層された第3の内部電極44が、それぞれ、凹部46の内部に入り込んだ下地電極層8の部分8aと、凹部47の内部に入り込んだ下地電極層8の部分8aとに、それぞれ電気的に接続されている。積層セラミックコンデンサ400の他の構成は、第1実施形態の積層セラミックコンデンサ100と同じにした。
【0095】
積層セラミックコンデンサ400は、3端子型コンデンサとして使用することができる。すなわち、積層セラミックコンデンサ400は、回路において電源ラインまたは信号ラインを途中で分断し、分断した一方に第1の外部電極4を接続し、分断した他方に第2の外部電極5を接続し、かつ、第3の外部電極40a、40bをグランドに接続することによって、3端子型コンデンサとして使用することができる。
【0096】
第4実施形態にかかる積層セラミックコンデンサ400も、第3の外部電極40a、40bの凹部46、47を形成した部分の耐湿性が向上しており、IRが大きくなっている。
【0097】
以上、第1実施形態~第4実施形態にかかる積層セラミックコンデンサ100、200、300、400について説明した。しかしながら、本発明が上述した内容に限定されることはなく、発明の趣旨に沿って種々の変更をなすことができる。
【0098】
たとえば、積層セラミックコンデンサ100、200、300、400では、下地電極層8の金属成分の主成分にNiを使用したが、金属成分の主成分の種類は任意であり、Niに代えて、たとえば、Cu、Agなどを使用してもよい。
【0099】
また、容量素子1に形成する凹部6、7等の延びる方向(長さの方向)も任意であり、各実施形態で示した方向から変更してもよい。また、容量素子1に形成する凹部6、7等の個数も任意であり、各実施形態で示した個数から増減させてもよい。
【0100】
本発明の一実施態様にかかる積層セラミックコンデンサは、「課題を解決するための手段」の欄に記載したとおりである。
【0101】
この積層セラミックコンデンサにおいて、凹部内に、下地電極層およびCuめっき電極層が入り込んでいることも好ましい。この場合には、凹部内に入り込んだ、下地電極層およびCuめっき電極層によって、耐湿性を向上させることができる
【0102】
また、第1の端面に形成された凹部に入り込んだ下地電極層と、少なくとも1つの第1の内部電極とが電気的に接続され、第2の端面に形成された凹部に入り込んだ下地電極層と、少なくとも1つの第2の内部電極とが電気的に接続されることも好ましい。この場合には、当該第1の内部電極や、当該第2の内部電極に、外部から水分が浸入することが抑制される。
【0103】
第1の外部電極を取り除いた第1の端面、または、第2の外部電極を取り除いた第2の端面を見たとき、凹部は、幅と、幅よりも長い長さとを有し、凹部の長さの方向と、第1の端面に露出した第1の内部電極が延びる方向、または、第2の端面に露出した第2の内部電極が延びる方向とが、同じ方向であることも好ましい。この場合には、当該凹部において、第1の内部電極と第1の外部電極との電気的な接続、または、第2の内部電極と第2の外部電極との電気的な接続が、良好におこなわれる。
【0104】
第1の側面および第2の側面と平行な容量素子の断面を見たとき、凹部の深さの方向と、第1の内部電極および第2の内部電極の延びる方向とが、同じ方向であることも好ましい。この場合には、当該凹部において、第1の内部電極と第1の外部電極との電気的な接続、または、第2の内部電極と第2の外部電極との電気的な接続が、良好におこなわれる。
【0105】
第1の側面および第2の側面と平行な容量素子の断面を見たとき、凹部の深さが、当該凹部が形成された位置における、第1の端面または第2の端面を基準にした、下地電極層の厚みよりも大きいことも好ましい。この場合には、良好に耐湿性を向上させることができる。
【0106】
第1の端面上に配置された第1の外部電極、および、第2の端面上に配置された第2の外部電極が、それぞれ、第1の主面および第2の主面にそれぞれ延びる、折返し部を有し、第1の側面および第2の側面と平行な容量素子の断面を見たとき、凹部の深さが、折返し部の長さよりも小さいことも好ましい。凹部の深さを大きくし過ぎると、短絡防止のために、第1の内部電極、第2の内部電極の長さを短くしなければならず、積層セラミックコンデンサの容量が小さくなってしまう虞があるからである。
【0107】
第1の側面および第2の側面と平行な容量素子の断面を見たとき、第1の端面に形成された凹部に入り込んだ下地電極層と、最も第1の主面の近くに配置された第1の内部電極、および/または、最も第2の主面の近くに配置された第1の内部電極とが電気的に接続され、第2の端面に形成された凹部に入り込んだ下地電極層と、最も第1の主面の近くに配置された第2の内部電極、および/または、最も第2の主面の近くに配置された第2の内部電極とが電気的に接続されることも好ましい。この場合には、耐湿性が低くなってしまいがちな領域の耐湿性を向上させることができる。
【0108】
下地電極層の金属成分が、Niを主成分とすることも好ましい。この場合には、容量素子や内部電極の焼成と同時に、下地電極層を焼成することが可能になり、生産性が向上する。
【0109】
複数の誘電体層から任意に選ばれた複数の誘電体層上に配置され、容量素子の内部に位置し、第1の側面、および/または、第2の側面に露出した第3の内部電極と、第1の側面上、および/または、第2の側面上に配置され、第3の内部電極と接続された第3の外部電極とを、更に有し、3端子型コンデンサが構成されることも好ましい。この場合には、耐湿性が高く、IRの大きい、3端子型の積層セラミックコンデンサを得ることができる。
【符号の説明】
【0110】
1・・・容量素子
1A・・・第1の主面
1B・・・第2の主面
1C・・・第1の側面
1D・・・第2の側面
1E・・・第1の端面
1F・・・第2の端面
1a・・・誘電体層
2・・・第1の内部電極
3・・・第2の内部電極
4・・・第1の外部電極
4a・・・折返し部
5・・・第2の外部電極
5a・・・折返し部
6、7、26、27、36、37、46、47・・・凹部
8・・・下地電極層
9・・・Cuめっき層
10・・・Niめっき層
11・・・Snめっき層
40a、40b・・・第3の外部電極
44・・・第3の内部電極