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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】物品収容設備
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20240326BHJP
   B65G 1/00 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
B65G1/04 503
B65G1/04 541
B65G1/00 501B
B65G1/04 537Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021081865
(22)【出願日】2021-05-13
(65)【公開番号】P2022175473
(43)【公開日】2022-11-25
【審査請求日】2023-01-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】黒岩 拓矢
【審査官】須山 直紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-079150(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0073159(US,A1)
【文献】特開平03-124601(JP,A)
【文献】特開2015-183998(JP,A)
【文献】特開2001-153714(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/04
B65G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収容する収容部を複数備えた収容棚と、
前記収容棚への前記物品の入庫が行われる入庫部と、
前記収容棚からの前記物品の出庫が行われる出庫部と、
前記収容棚と前記入庫部及び前記出庫部との間で前記物品を搬送する搬送装置と、
前記搬送装置を制御する制御部と、を備え、
前記搬送装置による前記物品の搬送可能領域に配置された設置部に、秤量器と在荷センサとが設置され、
前記秤量器は、前記物品が載置される載置台と、前記載置台に対して一体的に連結されると共に前記載置台に載置された前記物品の重量の計測を行う計測部と、を備え、
前記在荷センサは、前記載置台に前記物品が載置されているか否かを検知するように設けられていると共に、前記秤量器とは独立した支持部材に支持されており、
前記秤量器は、前記設置部から分離可能に設置され
前記制御部は、出庫対象の前記物品である出庫物品を出庫するように前記搬送装置と前記出庫部とを制御する出庫制御を実行可能であり、
前記出庫制御には、前記出庫物品を当該出庫物品が収容された前記収容部から前記設置部に搬送するように前記搬送装置を制御する第1搬送制御と、前記設置部において前記秤量器による前記出庫物品の重量の計測が行われた後、前記出庫物品を前記設置部から前記出庫部に搬送するように前記搬送装置を制御する第2搬送制御と、が含まれる、物品収容設備。
【請求項2】
前記物品には、荷を支持した状態の支持体である実支持体と、前記荷を支持していない状態の前記支持体である空支持体と、が含まれ、
前記出庫制御には、前記出庫物品を当該出庫物品が収容された前記収容部から前記出庫部へ搬送するように前記搬送装置を制御する直接搬送制御が含まれ、
前記制御部は、
前記出庫物品が前記実支持体である場合には、前記第1搬送制御及び前記第2搬送制御を実行し、
前記出庫物品が前記空支持体である場合には、前記直接搬送制御を実行する、請求項に記載の物品収容設備。
【請求項3】
前記物品には、揮発性物質と、当該揮発性物質を収納した容器と、が含まれ、
前記搬送可能領域に、前記容器に前記揮発性物質を供給する供給部が設けられ、
前記出庫制御には、前記設置部から前記供給部へ前記出庫物品を搬送するように前記搬送装置を制御する第3搬送制御と、前記供給部から前記出庫部へ前記出庫物品を搬送するように前記搬送装置を制御する第4搬送制御と、が含まれ、
前記制御部は、前記設置部において前記秤量器による前記出庫物品の重量の計測が行われた後、前記出庫物品の重量が規定重量未満であった場合には、前記第2搬送制御に代えて、前記第3搬送制御及び前記第4搬送制御を実行する、請求項又はに記載の物品収容設備。
【請求項4】
物品を収容する収容部を複数備えた収容棚と、
前記収容棚への前記物品の入庫が行われる入庫部と、
前記収容棚からの前記物品の出庫が行われる出庫部と、
前記収容棚と前記入庫部及び前記出庫部との間で前記物品を搬送する搬送装置と、
前記搬送装置を制御する制御部と、を備え、
前記搬送装置による前記物品の搬送可能領域に配置された設置部に、秤量器と在荷センサとが設置され、
前記秤量器は、前記物品が載置される載置台と、前記載置台に対して一体的に連結されると共に前記載置台に載置された前記物品の重量の計測を行う計測部と、を備え、
前記在荷センサは、前記載置台に前記物品が載置されているか否かを検知するように設けられていると共に、前記秤量器とは独立した支持部材に支持されており、
前記秤量器は、前記設置部から分離可能に設置され
前記制御部は、
前記載置台に前記物品が載置されていることが前記在荷センサによって検知された場合には、前記搬送装置による前記設置部への他の前記物品の搬送を禁止し、
前記載置台に前記物品が載置されていることが前記在荷センサによって検知されていない期間中に、前記秤量器にゼロ点補正を行わせる、物品収容設備。
【請求項5】
前記設置部は、複数の前記収容部のうち一部の前記収容部に設けられている、請求項1から4のいずれか一項に記載の物品収容設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を搬送する搬送装置と、物品の重量を計測する秤量器と、を備えた物品収容設備に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品の搬送や収容(保管)を行う物品収容設備として、様々なニーズに応えた設備が周知である。それらの設備の中には、例えば特許第5431720号公報(特許文献1)に開示された設備のように、物品の重量情報を指標の1つとして在庫の管理を行うものがある。特許文献1に開示された設備では、物品の搬送途中において当該物品の重量を計測することで、その重量情報を取得している。同文献の段落0047には、搬送装置(4)に秤量部を設けて、当該秤量部により物品(W)の重量を計測する旨の記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5431720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような物品収容設備に関する技術分野では、物品の重量計測には厳格性が求められることが多いため、秤量部の検査やメンテナンスが定期的に行われる。しかしながら、特許文献1の設備のように、秤量部が搬送装置と一体的に設けられている場合には、秤量部単体での検査が困難となる。秤量部単体での検査を行えない場合には、秤量部と共に、搬送装置についても検査の対象となることがある。例えば、秤量部の仕様はそのままで搬送装置の仕様のみを変更した場合にも、秤量部の検査をやり直す必要が生じるとすれば、検査の負担が大きくなるため好ましくない。また、上記のような物品の搬送を伴う設備では、物品の搬送が自動で行われるため、物品同士の干渉を避けるために、物品の有無を検知する在荷センサが搬送対象場所に設けられることがある。このような在荷センサを秤量部と一体的に設ける場合には、上記と同様に、在荷センサについても検査の対象となることがあり、検査やメンテナンスの負担が増加する可能性がある。
【0005】
上記実状に鑑みて、秤量器単体での検査やメンテンナンスを行い易い物品収容設備の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る物品収容設備は、
物品を収容する収容部を複数備えた収容棚と、
前記収容棚への前記物品の入庫が行われる入庫部と、
前記収容棚からの前記物品の出庫が行われる出庫部と、
前記収容棚と前記入庫部及び前記出庫部との間で前記物品を搬送する搬送装置と、
前記搬送装置を制御する制御部と、を備え、
前記搬送装置による前記物品の搬送可能領域に配置された設置部に、秤量器と在荷センサとが設置され、
前記秤量器は、前記物品が載置される載置台と、前記載置台に対して一体的に連結されると共に前記載置台に載置された前記物品の重量の計測を行う計測部と、を備え、
前記在荷センサは、前記載置台に前記物品が載置されているか否かを検知するように設けられていると共に、前記秤量器とは独立した支持部材に支持されており、
前記秤量器は、前記設置部から分離可能に設置され
前記制御部は、出庫対象の前記物品である出庫物品を出庫するように前記搬送装置と前記出庫部とを制御する出庫制御を実行可能であり、
前記出庫制御には、前記出庫物品を当該出庫物品が収容された前記収容部から前記設置部に搬送するように前記搬送装置を制御する第1搬送制御と、前記設置部において前記秤量器による前記出庫物品の重量の計測が行われた後、前記出庫物品を前記設置部から前記出庫部に搬送するように前記搬送装置を制御する第2搬送制御と、が含まれる
【0007】
本構成によれば、搬送装置によって物品を設置部に搬送することで、設置部に設置された秤量器によって物品の重量を計測することができる。この秤量器は、搬送装置とは別に設置部に設置されており、また、設置部から分離可能となっている。そのため本構成によれば、秤量器単体での検査やメンテナンスを行い易い。さらに、本構成によれば、秤量器の載置台に物品が載置されているか否かを検知するための在荷センサが、秤量器とは独立した支持部材に支持されているため、在荷センサとは独立して、秤量器単体での検査やメンテナンスを行うのも容易である。
また、本構成によれば、第1搬送制御と第2搬送制御との実行により、出庫物品を出庫する過程で当該出庫物品の重量を適切に計測することができる。
【0008】
本開示に係る他の物品収容設備は、
物品を収容する収容部を複数備えた収容棚と、
前記収容棚への前記物品の入庫が行われる入庫部と、
前記収容棚からの前記物品の出庫が行われる出庫部と、
前記収容棚と前記入庫部及び前記出庫部との間で前記物品を搬送する搬送装置と、
前記搬送装置を制御する制御部と、を備え、
前記搬送装置による前記物品の搬送可能領域に配置された設置部に、秤量器と在荷センサとが設置され、
前記秤量器は、前記物品が載置される載置台と、前記載置台に対して一体的に連結されると共に前記載置台に載置された前記物品の重量の計測を行う計測部と、を備え、
前記在荷センサは、前記載置台に前記物品が載置されているか否かを検知するように設けられていると共に、前記秤量器とは独立した支持部材に支持されており、
前記秤量器は、前記設置部から分離可能に設置され、
前記制御部は、
前記載置台に前記物品が載置されていることが前記在荷センサによって検知された場合には、前記搬送装置による前記設置部への他の前記物品の搬送を禁止し、
前記載置台に前記物品が載置されていることが前記在荷センサによって検知されていない期間中に、前記秤量器にゼロ点補正を行わせる。
【0009】
本構成によれば、搬送装置によって物品を設置部に搬送することで、設置部に設置された秤量器によって物品の重量を計測することができる。この秤量器は、搬送装置とは別に設置部に設置されており、また、設置部から分離可能となっている。そのため本構成によれば、秤量器単体での検査やメンテナンスを行い易い。さらに、本構成によれば、秤量器の載置台に物品が載置されているか否かを検知するための在荷センサが、秤量器とは独立した支持部材に支持されているため、在荷センサとは独立して、秤量器単体での検査やメンテナンスを行うのも容易である。
また、本構成によれば、秤量器における載置台に物品が載置されていない期間を利用して、秤量器にゼロ点補正を行わせることができる。そのため本構成によれば、物品の重量の計測を適切に行うことができる。
【0010】
本開示に係る技術のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】物品収容設備の平面図
図2】収容棚の一部を示す側面図
図3】搬送装置の側面図
図4】設置部の側面図
図5】制御ブロック図
図6】物品収容設備で行われる制御の処理手順を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、物品収容設備の実施形態について説明する。
【0013】
図1に示すように、物品収容設備100は、物品W(図2参照)を収容する収容部10を複数備えた収容棚1と、収容棚1への物品Wの入庫が行われる入庫部2と、収容棚1からの物品Wの出庫が行われる出庫部3と、収容棚1と入庫部2及び出庫部3との間で物品Wを搬送する搬送装置4と、を備えている。
【0014】
物品Wは、入庫時には、入庫部2によって収容棚1の外部から収容棚1へ搬送され、搬送装置4によって複数の収容部10のうち何れかへ搬送される。また、物品Wは、出庫時には、搬送装置4によって複数の収容部10のうち何れかから出庫部3まで搬送され、出庫部3によって収容棚1の外部へ搬送される。本実施形態では、入庫部2と出庫部3とは、互いに独立している。
【0015】
入庫部2は、搬送装置4の搬送可能領域に配置された引渡部20を備えている。入庫部2は、収容棚1の外部から引渡部20まで物品Wを搬送し、この引渡部20において物品Wを搬送装置4に引き渡す。例えば、入庫部2は、チェーンコンベヤ、ベルトコンベヤ、ローラコンベヤなどの周知のコンベヤを含んで構成されている。但し、入庫部2は、このようなコンベヤに代えて、或いは、このようなコンベヤに加えて、例えば無人搬送車などの他の搬送手段を含んでいても良い。
【0016】
出庫部3は、搬送装置4の搬送可能領域に配置された受取部30を備えている。出庫部3は、受取部30において搬送装置4から物品Wを受け取り、この受取部30から収容棚1の外部まで物品Wを搬送する。例えば、出庫部3は、チェーンコンベヤ、ベルトコンベヤ、ローラコンベヤなどの周知のコンベヤを含んで構成されている。但し、出庫部3は、このようなコンベヤに代えて、或いは、このようなコンベヤに加えて、例えば無人搬送車などの他の搬送手段を含んでいても良い。
【0017】
収容棚1は、搬送装置4の搬送可能領域に配置されている。本例では、一対の収容棚1が、搬送装置4の走行レール40を挟んで当該走行レール40に隣接するように設けられている。
【0018】
なお、上述の「搬送可能領域」とは、搬送装置4によって物品Wを搬送することができる領域である。この搬送可能領域は、搬送装置4の構造によって異なる。後述するように、本実施形態では、搬送装置4は、走行レール40と、マスト42と、移載部44と、を備えている(図3参照)。そして、搬送可能領域は、水平方向に沿って延在する走行レール40の範囲と、上下方向に沿って延在するマスト42の範囲と、上下方向視で走行レール40の延在方向に対して直交する方向に出退する移載部44の移動範囲と、に基づいて定められる。
【0019】
図2に示すように、本実施形態では、複数の収容部10が、走行レール40(図1参照)の延在方向、及び、上下方向に沿って並んで配置されている。換言すれば、収容棚1は、多段構成となっている。本例では、収容棚1は、互いに間隔を空けて並ぶ複数の支柱11を備えている。詳細な図示は省略するが、複数の支柱11は、梁部材またはトラス構造を成す斜材などの連結部材によって互いに連結されている。
【0020】
また、収容棚1は、収容部10に収容される物品Wが載置される載置板12を備えている。隣り合う一対の支柱11のそれぞれに載置板12が連結されており、1つの収容部10に、一対の載置板12が設けられている。1つの収容部10に設けられる一対の載置板12の間隔は、後述する搬送装置4の移載部44が上下方向に通過可能な間隔に設定されている。
【0021】
本実施形態では、物品Wには、荷90を支持した状態の支持体Pである実支持体Paと、荷90を支持していない状態の支持体Pである空支持体Pbと、が含まれる。そして、荷90には、揮発性物質92と、当該揮発性物質92を収納した容器91と、が含まれる。すなわち本実施形態では、物品Wには、荷90を構成する揮発性物質92及び容器91と、支持体P(実支持体Pa又は空支持体Pb)と、が含まれる。図2に示すように、各収容部10には、実支持体Pa又は空支持体Pbが収容され得る。そして、入庫部2、出庫部3、及び搬送装置4は、実支持体Pa又は空支持体Pbを搬送し得る。
【0022】
揮発性物質92は、時間の経過によって量が減少する物質であり、例えば、ドライアイス、氷、有機溶剤等を含む。本例では、揮発性物質92はドライアイスである。図示の例では、ブロック状に形成された複数の揮発性物質92(ドライアイス)が、容器91に収納されている。
【0023】
支持体Pは、荷90を支持する部材であって、例えば、荷90が載置されるパレットやトレイ等の板状の部材、荷90が収納されるコンテナやカートンケース等の容器を含む。
本例では、支持体Pはパレットである。本実施形態では、支持体Pは、移載部44(図3参照)によって下方から保持されるように構成されている。しかし、これに限らず、支持体Pとしてのパレットは、フォークが挿入される挿入孔を備え、この挿入孔に挿入されたフォークによって保持される構成であっても良い。
【0024】
図3に示すように、本実施形態では、搬送装置4は、走行レール40と、走行レール40に沿って走行する走行部41と、走行部41から上方に延在するマスト42(本例では一対のマスト42)と、一対のマスト42に対して昇降自在に連結された昇降体43と、昇降体43に設けられると共に物品Wを保持可能な移載部44と、を備えている。すなわち本例では、搬送装置4は、いわゆるスタッカークレーンとして構成されている。
【0025】
走行部41は、走行駆動部41mによって駆動され、走行レール40に沿って走行する。昇降体43は、昇降駆動部43mによって駆動され、一対のマスト42に沿って昇降する。移載部44は、移載駆動部44mによって駆動され、上下方向視で走行レール40に直交する方向に沿って出退する。本例では、移載部44は、物品Wを下方から保持するフォーク44aを含んで構成されている。
【0026】
搬送装置4は、フォーク44aの出退、及び、昇降体43の昇降により、収容部10に対して物品Wを移載するように構成されている。上述のように、収容部10には、互いに離間して配置された一対の載置板12が設けられており(図2参照)、フォーク44aが物品Wを下方から保持した状態で一対の載置板12の間を上から下に通過することで、当該物品Wが一対の載置板12に載置される。これにより、物品Wが、収容部10へ移載される。反対に、収容部10に物品Wが収容された状態、すなわち一対の載置板12に物品Wが載置された状態において、フォーク44aが一対の載置板12の間を下から上に通過することで、当該物品Wがフォーク44aによって下方から保持される。これにより、物品Wが収容部10から移載される。そして、搬送装置4は、走行部41の走行、及び、昇降体43の昇降により、収容棚1に設けられた全ての収容部10に対して物品Wを移載することが可能となっている。本例では、搬送装置4は、上記と同様の移載動作を、入庫部2及び出庫部3に対しても行うことができる。そのため、搬送装置4は、入庫部2及び出庫部3に対して物品Wを移載することが可能となっている。
【0027】
ここで、このような物品収容設備100では、物品Wの入庫時または出庫時において物品Wの重量を計測することでその重量情報を取得し、当該重量情報を用いて物品Wを管理することがある。上述のように、本実施形態では、物品Wには揮発性物質92が含まれるため、物品Wが収容部10に収容されている期間に揮発性物質92が揮発し、物品Wの重量が軽くなる場合がある。そのため、本実施形態に係る物品収容設備100では、少なくとも物品Wの出庫時に、当該物品Wの重量を計測する。以下、詳細に説明する。
【0028】
図1及び図2に示すように、物品収容設備100には、設置部5が設けられている。設置部5は、搬送装置4の搬送可能領域に配置されている。そして、設置部5に、秤量器7が設置されている(図2参照)。本実施形態では、設置部5は、複数の収容部10のうち一部の収容部10に設けられている。
【0029】
図4に示すように、秤量器7は、物品Wが載置される載置台71と、載置台71に対して一体的に連結されると共に載置台71に載置された物品Wの重量の計測を行う計測部72と、を備えている。搬送装置4は、秤量器7の載置台71に物品Wを搬送するように構成され、秤量器7は、載置台71に載置された物品Wの重量を、計測部72によって計測するように構成されている。このように、秤量器7は、搬送装置4とは別に、設置部5に設置されている。従来では、秤量器と搬送装置とが一体的に設けられていることで、秤量器単体での検査やメンテナンスを行うことが困難な場合があった。しかしながら、本開示に係る物品収容設備100によれば、搬送装置4と秤量器7とが別に設けられているため、秤量器7単体での検査やメンテナンスを行い易い。
【0030】
また、秤量器7は、設置部5から分離可能に設置されている。そのため、秤量器7を、設置部5から分離して、例えば検査やメンテナンスのために設備の外部に持ち運ぶことも容易に行える。従って、秤量器7単体での検査やメンテナンスを行い易い。本実施形態では、秤量器7は、設備の床面に対して、直接的に設置され、或いは台などの部材を介して間接的に設置される。秤量器7は、床面や台などに対して単に載置されているだけでも良いし、ボルトなどの固定部材によって床面や台などに対して取り外し可能に固定されていても良い。
【0031】
本実施形態では、計測部72は、上方を向く計測面72Fを有しており、計測面72Fが支えている対象物の重量の計測を行う。本例では、計測面72Fに載置台71が連結されており、計測部72は、載置台71に載置された対象物、すなわち物品Wの重量の計測を行う。そのため、本例では、計測部72は、載置台71に物品Wが載置されていない状態と物品Wが載置された状態との計測値の差を、物品Wの重量として検出する。
【0032】
本実施形態では、載置台71は、複数の脚部711と、物品Wが載置される載置部712と、を備えている。複数の脚部711のそれぞれは、計測部72における計測面72Fから上方に延在するように立設されている。例えば、矩形状の計測面72Fにおける四隅のそれぞれに、脚部711が立設された構成とすることができる。この場合、載置台71は、4つの脚部711を備えている。載置部712は、複数の脚部711それぞれの上端部に設けられる。すなわち、搬送装置4によって設置部5に搬送された物品Wは、複数の脚部711それぞれの上端部に設けられた載置部712に載置される。載置部712は、物品Wが載置されるのに適した形状であると好適である。本実施形態では、複数の脚部711のそれぞれに、上方を向く面を有する板状部材が設けられ、それらの板状部材によって載置部712が構成されている。図示の例のように、載置部712を構成する板状部材は、上方を向く面の他、物品Wの側面を案内する案内面を有していても良い。
【0033】
図4に示すように、計測面72Fから載置部712までの上下方向の長さは、規定長さLに設定されている。本実施形態では、規定長さLは、フォーク44a(移載部44)の上下方向の厚みと、搬送装置4が物品Wの移載動作を行う場合に上下動するフォーク44aの移動範囲と、一定の余裕代と、を合計した長さ以上に設定されている。換言すれば、規定長さLは、物品Wを下方から保持するように構成されたフォーク44a(移載部44)が、計測部72に干渉しないように載置台71に対して適切に物品Wの移載を行える長さに設定されている。この規定長さLは、複数の脚部711の上下方向の長さを変更することによって容易に調節することができる。詳細な図示は省略するが、例えば、載置台71は、複数の脚部711を伸縮させることによりこれらの上下方向の長さを調節する調節部を備えていても良い。なお、隣り合う脚部711の水平方向の間隔は、当該間隔にフォーク44a(移載部44)が進入できるように、フォーク44a(移載部44)の水平方向の幅よりも大きい間隔に設定されている。
【0034】
本開示に係る物品収容設備100では、設置部5には、秤量器7に加えて、在荷センサ8が設置されている。在荷センサ8は、載置台71に物品Wが載置されているか否かを検知するように設けられていると共に、秤量器7とは独立した支持部材Sに支持されている。在荷センサ8が備えられていることにより、載置台71に物品Wが載置されている状態で、当該載置台71に別の物品Wが移載されることを回避できる。そして、上記のように在荷センサ8は、秤量器7とは独立した支持部材Sに支持されている。すなわち、秤量器7は、搬送装置4だけでなく、在荷センサ8に対しても独立している。これにより、在荷センサ8とは独立して、秤量器7単体での検査やメンテナンスを容易に行うことができる。
【0035】
本実施形態では、支持部材Sは、収容棚1の構成部材のうち何れかとされている。詳細には、支持部材Sは、支柱11とされている。図示の例では、設置部5の周囲に配置された支柱11が支持部材Sとされている。すなわち、設置部5の周囲に配置された1本又は複数本の支柱11によって在荷センサ8が支持されている。
【0036】
本実施形態では、在荷センサ8は、光軸の遮断の有無により対象物の存在を検知する光センサとして構成されており、検知光を投光する投光部81と、投光部81により投光された検知光を受光する受光部82と、を備えている。本例では、投光部81と受光部82とは互いに対向して配置されている。図示の例では、設置部5の周囲に配置された一対の支柱11のうち一方の支柱11に投光部81が支持されており、他方の支柱11に受光部82が支持されている。在荷センサ8は、投光部81から投光された検知光が受光部82によって受光されていない場合に、載置台71に物品Wが有ることを検知する。在荷センサ8による検知結果は、後述するように、制御部C(図5参照)へ送信される。
【0037】
上述のように、本実施形態では、物品Wには揮発性物質92が含まれるため、物品Wが収容部10に収容されている期間にその重量が軽くなる場合がある。そのため本実施形態に係る物品収容設備100には、図1に示すように、容器91に揮発性物質92を供給する供給部6が設けられている。供給部6は、搬送装置4の搬送可能領域に配置されている。これにより、出庫時において物品Wの重量が規定重量を満たさない場合に、搬送装置4によって物品Wを供給部6まで搬送し、当該供給部6において揮発性物質92を補充することができる。供給部6では、機械または人、或いはそれらの双方によって、必要量の揮発性物質92が容器91に供給される。
【0038】
本実施形態では、供給部6は、入庫部2よりも、出庫部3に近い場所に設けられている。これにより、物品Wの出庫時において、効率的に揮発性物質92を補充することができる。図1に示す例では、供給部6は、設置部5に隣接して設けられている。これにより、設置部5において物品Wの重量の計測が行われて、その計測結果によって揮発性物質92の量が足りないと判断された場合に、揮発性物質92の補充のために当該物品Wを効率的に供給部6へ搬送することができる。従って、本構成によれば、揮発性物質92の効率的な補充、及び、物品Wの効率的な搬送を実現することができる。
【0039】
次に、物品収容設備100の制御構成について、図5及び図6を主に参照して説明する。
【0040】
図5に示すように、物品収容設備100は、搬送装置4を制御する制御部Cを備えている。本例では、制御部Cは、設備の全体を管理するように構成されており、搬送装置4の他にも、入庫部2、出庫部3、秤量器7、及び供給部6を制御する。また、制御部Cは、有線または無線により、在荷センサ8と通信可能に構成されている。これにより、制御部Cは、在荷センサ8による物品Wの検知結果を取得可能となっている。制御部Cは、例えば、マイクロコンピュータ等のプロセッサ、メモリ等の周辺回路等を備えている。そして、これらのハードウェアとコンピュータ等のプロセッサ上で実行されるプログラムとの協働により、各機能が実現される。
【0041】
搬送装置4と、秤量器7と、在荷センサ8とは、制御構成としても互いに独立している。換言すれば、搬送装置4と、秤量器7と、在荷センサ8とは、互いに通信しないように構成されている。搬送装置4と、秤量器7と、在荷センサ8とのそれぞれは、制御部Cとの間で通信するように構成されている。なお、詳細な図示は省略するが、秤量器7と在荷センサ8とのそれぞれは、例えば、作業者が操作可能な操作部や在荷センサ8による検知結果及び秤量器7による計測結果等を表示する表示部などを備えたユーザーインターフェース装置を介して、制御部Cと通信を行うように構成されていても良い。
【0042】
本実施形態では、制御部Cは、載置台71に物品Wが載置されていないことが在荷センサ8によって検知された場合には、搬送装置4による設置部5への物品Wの搬送を許可する。そして、制御部Cは、載置台71に物品Wが載置されていることが在荷センサ8によって検知された場合には、搬送装置4による設置部5への他の物品Wの搬送を禁止する。
これにより、設置部5において物品W同士が干渉することを避けることができる。
【0043】
本実施形態では、制御部Cは、載置台71に物品Wが載置されていることが在荷センサ8によって検知されていない期間中に、秤量器7にゼロ点補正を行わせる。これにより、秤量器7における載置台71に物品Wが載置されていない期間を利用して、秤量器7にゼロ点補正を行わせることができる。そのため本構成によれば、物品Wの重量の計測を適切に行うことができる。なお、「ゼロ点補正」とは、秤量器7の載置台71に物品Wが載置されていない状態で、計測部72の計測値をゼロとするように補正することである。これにより、秤量器7の経年変化や外的要因による誤差を補正することができる。
【0044】
次に、物品Wを出庫する場合における制御部Cによる搬送制御について、詳細に説明する。なお、以下では、出庫対象の物品Wを「出庫対象物品」とする。この出庫対象物品は、実質的には物品Wと同様であるため、物品Wと同一の参照符(すなわち「W」)を用いることとする。
【0045】
本実施形態では、制御部Cは、出庫物品Wを出庫するように搬送装置4と出庫部3とを制御する出庫制御を実行可能である。本例では、出庫制御には、出庫物品Wを当該出庫物品Wが収容された収容部10から設置部5に搬送するように搬送装置4を制御する第1搬送制御と、設置部5において秤量器7による出庫物品Wの重量の計測が行われた後、出庫物品Wを設置部5から出庫部3に搬送するように搬送装置4を制御する第2搬送制御と、が含まれる。また、出庫制御には、出庫物品Wを当該出庫物品Wが収容された収容部10から出庫部3へ搬送するように搬送装置4を制御する直接搬送制御が含まれる。制御部Cが直接搬送制御を実行する場合には、搬送装置4は、出庫物品Wを、設置部5を介することなく、当該出庫物品Wが収容された収容部10から出庫部3へ直接搬送する。
【0046】
制御部Cは、出庫物品Wが実支持体Pa(図2参照)である場合には、第1搬送制御及び第2搬送制御を実行する。説明を加えると、上述のように、実支持体Paは、荷90を支持した状態の支持体Pであり、この荷90には揮発性物質92が含まれる。そのため、出庫物品Wが実支持体Paである場合には、収容部10に収容されている期間中に揮発性物質92が揮発している可能性を考慮して、出庫する前に、当該出庫物品Wの重量の計測を行う。この場合、制御部Cは、第1搬送制御を実行することにより、実支持体Paである出庫物品Wを、搬送装置4によって設置部5まで搬送させる。設置部5では、秤量器7によって出庫物品Wの重量の計測が行われる。秤量器7は、出庫物品Wの重量の計測が完了すると、その旨を制御部Cに通知する。秤量器7から通知を受けた制御部Cは、第2搬送制御を実行することにより、実支持体Paである出庫物品Wを、搬送装置4によって出庫部3まで搬送させる。
【0047】
ここで、秤量器7によって出庫物品Wの重量の計測を行った結果、出庫物品Wの重量が規定重量を満たさない場合がある。これは、揮発性物質92を含む物品Wが収容部10に収容されている期間に揮発して、その重量が軽くなるために起こる。なお、「規定重量」は、設備の用途、物品Wの種類、或いは顧客のオーダー情報などに基づいて適宜定められる。
【0048】
本実施形態では、出庫制御には、設置部5から供給部6へ出庫物品Wを搬送するように搬送装置4を制御する第3搬送制御と、供給部6から出庫部3へ出庫物品Wを搬送するように搬送装置4を制御する第4搬送制御と、が含まれる。そして、制御部Cは、設置部5において秤量器7による出庫物品Wの重量の計測が行われた後、出庫物品Wの重量が規定重量未満であった場合には、第2搬送制御に代えて、第3搬送制御及び第4搬送制御を実行する。すなわち、制御部Cは、出庫物品Wの重量が規定重量未満であった場合には、当該出庫物品Wを、搬送装置4によって設置部5から供給部6まで搬送させる。これにより、供給部6において、必要量の揮発性物質92を補充することができる。供給部6は、揮発性物質92の補充が完了すると、その旨を制御部Cに通知する。この通知は、機械が自動的に、または、人の操作に応じて行われる。供給部6から通知を受けた制御部Cは、第4搬送制御を実行することにより、揮発性物質92の補充が完了した出庫物品Wを、搬送装置4によって出庫部3まで搬送させる。
【0049】
一方、制御部Cは、出庫物品Wが空支持体Pb(図2参照)である場合には、直接搬送制御を実行する。説明を加えると、上述のように、空支持体Pbは、荷90を支持していない状態の支持体Pである。そのため、出庫物品Wが空支持体Pbである場合には、出庫前に、当該出庫物品Wの重量の計測を行う必要が無い。この場合、制御部Cは、直接搬送制御を実行することにより、空支持体Pbである出庫物品Wを、搬送装置4によって、設置部5を介することなく出庫部3まで直接搬送させる。
【0050】
次に、図6のフローチャートを参照して、物品収容設備100で行われる制御の処理手順について説明する。
【0051】
図6に示すように、制御部C(図5参照)は、出庫依頼があった場合には(ステップ#1:Yes)、出庫依頼に係る出庫物品Wが実支持体Paであるか否かを判断する(ステップ#2)。例えば、出庫依頼に係る出庫物品Wが実支持体Paであるか空支持体Pbであるかの情報は、上記出庫依頼の情報に含まれていると良い。なお、出庫依頼は、例えば、人の操作により入力された情報に基づいて生成され、或いは、ネットワークを経由して受信したオーダー情報に基づいて自動的に生成される。
【0052】
制御部Cは、出庫依頼に係る出庫物品Wが実支持体Paであると判断した場合には(ステップ#2:Yes)、第1搬送制御を実行する(ステップ#3)。これにより、搬送装置4は、出庫依頼に係る出庫物品Wを、当該出庫物品Wが収容された収容部10から設置部5まで搬送する。設置部5では、秤量器7によって出庫物品Wの重量の計測が行われる(ステップ#4)。そして、制御部Cは、出庫物品Wの重量が規定重量を満たすか否かを判断する(ステップ#5)。この判断は、秤量器7から通知された計測結果に基づいて行われる。
【0053】
制御部Cは、出庫物品Wの重量が規定重量を満たすと判断した場合には(ステップ#5:Yes)、第2搬送制御を実行する(ステップ#6)。これにより、搬送装置4は、重量の計測を終えた出庫物品Wを、設置部5から出庫部3まで搬送する。
【0054】
制御部Cは、出庫物品Wの重量が規定重量を満たさないと判断した場合には(ステップ#5:No)、第3搬送制御を実行する(ステップ#7)。これにより、搬送装置4は、揮発性物質92の補充が必要な出庫物品Wを、設置部5から供給部6まで搬送する。供給部6では、出庫物品Wに対して必要量の揮発性物質92が補充される。制御部Cは、揮発性物質92の補充が完了した旨の通知を供給部6から受けると、第4搬送制御を実行する(ステップ#8)。これにより、搬送装置4は、揮発性物質92の補充が完了した出庫物品Wを、供給部6から出庫部3まで搬送する。
【0055】
制御部Cは、上述のステップ#2において、出庫依頼に係る出庫物品Wが空支持体Pbであると判断した場合には(ステップ#2:No)、直接搬送制御を実行する(ステップ#9)。これにより、搬送装置4は、空支持体Pbである出庫物品Wを、当該出庫物品Wが収容された収容部10から出庫部3まで直接搬送する。
【0056】
〔その他の実施形態〕
次に、物品収容設備のその他の実施形態について説明する。
【0057】
(1)上記の実施形態では、設置部5が、複数の収容部10のうち一部の収容部10に設けられている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、設置部5は、物品収容設備100の内部に設けられていれば良く、例えば、収容部10以外の箇所に設けられていても良い。また、設置部5は、複数設けられていても良い。この場合において、複数の設置部5の全てが各収容部10に設けられていても良いし、複数の設置部5の全てが収容部10以外の箇所に設けられていても良いし、複数の設置部5のうちの一部が収容部10に設けられ、残りの一部が収容部10以外の箇所に設けられていても良い。
【0058】
(2)上記の実施形態では、在荷センサ8を支持するための支持部材Sが、支柱11とされている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、支持部材Sが収容棚1の構成部材の何れかとされる場合には、支持部材Sは、載置板12であっても良いし、或いは、梁部材またはトラス構造を成す斜材などの連結部材あっても良い。さらには、支持部材Sは、収容棚1の構成部材である必要は無く、在荷センサ8を支持するための専用の部材であっても良い。
【0059】
(3)上記の実施形態では、在荷センサ8が、光軸の遮断の有無により対象物の存在を検知する光センサとして構成されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、在荷センサ8としては、例えば、対象物との接触により当該対象物の存在を検知する接触式のセンサや、超音波の反射波に基づいて対象物を検知する超音波センサ等、公知の各種センサを用いることができる。
【0060】
(4)上記の実施形態では、物品Wには、荷90を支持した状態の支持体Pである実支持体Paと、荷90を支持していない状態の支持体Pである空支持体Pbと、が含まれる例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、物品Wは、支持体Pを含まない概念であっても良い。換言すれば、荷90のみが物品Wとされていても良い。
【0061】
(5)上記の実施形態では、荷90には、容器91と、容器91に収納された揮発性物質92と、が含まれる例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、荷90には、食料品や生活用品などの各種商品、又は、工場の生産ライン等において用いられる部品や仕掛品などが含まれていても良い。
【0062】
(6)上記の実施形態では、容器91に揮発性物質92を供給する供給部6が設けられており、この供給部6は、搬送装置4の搬送可能領域に配置されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、供給部6は、物品収容設備100における搬送可能領域以外の箇所に設けられていても良いし、或いは、物品収容設備100には設けられていなくても良い。
【0063】
(7)上記の実施形態では、制御部Cが、載置台71に物品Wが載置されていることが在荷センサ8によって検知されていない期間中に、秤量器7にゼロ点補正を行わせる例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、人の操作によって、適切なタイミングで、秤量器7のゼロ点補正が行われても良い。
【0064】
(8)上記の実施形態では、搬送装置4が、いわゆるスタッカークレーンとして構成されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、搬送装置4は、有軌道式または無軌道式の無人搬送車や、天井付近を走行する天井搬送車など、周知の搬送装置であって良い。
【0065】
(9)上記の実施形態では、移載部44が、物品Wを下方から保持するフォーク44aを含んで構成されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、移載部44は、例えば、フォーク44aに代えて、コンベヤを含んでいても良いし、或いは、物品Wを側方または上方から把持するチャック等の把持機構を含んでいても良い。
【0066】
(10)上記の実施形態では、収容棚1が、多段構成となっている例について説明した。
しかし、このような例に限定されることなく、収容棚1は、1段構成であっても良い。
【0067】
(11)上記の実施形態では、入庫部2と出庫部3とが、互いに独立している例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、入庫部2と出庫部3とは一体であっても良い。例えば、入庫部2と出庫部3とはコンベヤなどの1つの装置によって構成され、この装置によって物品Wの入庫及び出庫の双方が行われても良い。
【0068】
(12)上記の実施形態では、物品Wの出庫時に当該物品Wの重量を計測する例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、物品Wの入庫時にのみ、当該物品Wの重量を計測しても良いし、或いは、入庫時および出庫時の双方で物品Wの重量を計測しても良い。
【0069】
(13)なお、上述した実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0070】
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明した物品収容設備について説明する。
【0071】
本開示に係る物品収容設備は、
物品を収容する収容部を複数備えた収容棚と、
前記収容棚への前記物品の入庫が行われる入庫部と、
前記収容棚からの前記物品の出庫が行われる出庫部と、
前記収容棚と前記入庫部及び前記出庫部との間で前記物品を搬送する搬送装置と、を備え、
前記搬送装置による前記物品の搬送可能領域に配置された設置部に、秤量器と在荷センサとが設置され、
前記秤量器は、前記物品が載置される載置台と、前記載置台に対して一体的に連結されると共に前記載置台に載置された前記物品の重量の計測を行う計測部と、を備え、
前記在荷センサは、前記載置台に前記物品が載置されているか否かを検知するように設けられていると共に、前記秤量器とは独立した支持部材に支持されており、
前記秤量器は、前記設置部から分離可能に設置されている。
【0072】
本構成によれば、搬送装置によって物品を設置部に搬送することで、設置部に設置された秤量器によって物品の重量を計測することができる。この秤量器は、搬送装置とは別に設置部に設置されており、また、設置部から分離可能となっている。そのため本構成によれば、秤量器単体での検査やメンテナンスを行い易い。さらに、本構成によれば、秤量器の載置台に物品が載置されているか否かを検知するための在荷センサが、秤量器とは独立した支持部材に支持されているため、在荷センサとは独立して、秤量器単体での検査やメンテナンスを行うのも容易である。
【0073】
ここで、
前記設置部は、複数の前記収容部のうち一部の前記収容部に設けられている、と好適である。
【0074】
本構成によれば、収容棚とは別に、設置部を設けるためのスペースを確保する必要がないため、設備の小型化を図り易い。
【0075】
また、
前記搬送装置を制御する制御部を備え、
前記制御部は、出庫対象の前記物品である出庫物品を出庫するように前記搬送装置と前記出庫部とを制御する出庫制御を実行可能であり、
前記出庫制御には、前記出庫物品を当該出庫物品が収容された前記収容部から前記設置部に搬送するように前記搬送装置を制御する第1搬送制御と、前記設置部において前記秤量器による前記出庫物品の重量の計測が行われた後、前記出庫物品を前記設置部から前記出庫部に搬送するように前記搬送装置を制御する第2搬送制御と、が含まれる、と好適である。
【0076】
本構成によれば、第1搬送制御と第2搬送制御との実行により、出庫物品を出庫する過程で当該出庫物品の重量を適切に計測することができる。
【0077】
また、上記構成において、
前記物品には、荷を支持した状態の支持体である実支持体と、前記荷を支持していない状態の前記支持体である空支持体と、が含まれ、
前記出庫制御には、前記出庫物品を当該出庫物品が収容された前記収容部から前記出庫部へ搬送するように前記搬送装置を制御する直接搬送制御が含まれ、
前記制御部は、
前記出庫物品が前記実支持体である場合には、前記第1搬送制御及び前記第2搬送制御を実行し、
前記出庫物品が前記空支持体である場合には、前記直接搬送制御を実行する、と好適である。
【0078】
本構成によれば、重量を計測する必要がない出庫物品(空支持体)については、直接搬送制御の実行により、当該出庫物品を収容部から出庫部へ直接搬送することができる。従って、設備全体として、搬送のサイクルタイムを短縮することができる。
【0079】
また、上記構成において、
前記物品には、揮発性物質と、当該揮発性物質を収納した容器と、が含まれ、
前記搬送可能領域に、前記容器に前記揮発性物質を供給する供給部が設けられ、
前記出庫制御には、前記設置部から前記供給部へ前記出庫物品を搬送するように前記搬送装置を制御する第3搬送制御と、前記供給部から前記出庫部へ前記出庫物品を搬送するように前記搬送装置を制御する第4搬送制御と、が含まれ、
前記制御部は、前記設置部において前記秤量器による前記出庫物品の重量の計測が行われた後、前記出庫物品の重量が規定重量未満であった場合には、前記第2搬送制御に代えて、前記第3搬送制御及び前記第4搬送制御を実行する、と好適である。
【0080】
物品に揮発性物質が含まれることで、物品が収容部に収容されている期間にその重量が軽くなり、出庫時において規定重量を満たさない場合がある。本構成によれば、このような場合であっても、第3搬送制御の実行により出庫物品を供給部に搬送するため、供給部において揮発性物質を補充することができる。そして、その後、第4搬送制御の実行により、揮発性物質が補充された出庫物品を適切に出庫部に搬送することができる。
【0081】
また、
前記搬送装置を制御する制御部を備え、
前記制御部は、
前記載置台に前記物品が載置されていることが前記在荷センサによって検知された場合には、前記搬送装置による前記設置部への他の前記物品の搬送を禁止し、
前記載置台に前記物品が載置されていることが前記在荷センサによって検知されていない期間中に、前記秤量器にゼロ点補正を行わせる、と好適である。
【0082】
本構成によれば、秤量器における載置台に物品が載置されていない期間を利用して、秤量器にゼロ点補正を行わせることができる。そのため本構成によれば、物品の重量の計測を適切に行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本開示に係る技術は、物品を搬送する搬送装置と、物品の重量を計測する秤量器と、を備えた物品収容設備に利用することができる。
【符号の説明】
【0084】
100 :物品収容設備
1 :収容棚
10 :収容部
2 :入庫部
3 :出庫部
4 :搬送装置
5 :設置部
6 :供給部
7 :秤量器
71 :載置台
72 :計測部
8 :在荷センサ
S :支持部材
C :制御部
W :物品
W :出庫物品
90 :荷
91 :容器
92 :揮発性物質
P :支持体
Pa :実支持体
Pb :空支持体
図1
図2
図3
図4
図5
図6