(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】操作量検出装置
(51)【国際特許分類】
G05G 1/38 20080401AFI20240326BHJP
G05G 1/30 20080401ALI20240326BHJP
B60T 7/02 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
G05G1/38
G05G1/30 E
B60T7/02 D
(21)【出願番号】P 2021211493
(22)【出願日】2021-12-24
【審査請求日】2023-10-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】磯野 宏
【審査官】前田 浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-141729(JP,A)
【文献】特開2021-60092(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05G 1/38
G05G 1/30
B60T 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペダルに入力される操作力によって回転中心軸回りに回転し、回転トルクを伝達する第1の部材と、
前記回転中心軸回りに回転可能であり且つ前記第1の部材に対して前記回転中心軸の軸方向に相対移動可能であり、前記第1の部材と反力部材との間に介在し、前記第1の部材から伝達される前記回転トルクの反力が前記反力部材から入力される第2の部材と、
前記第1の部材の回転を前記第1の部材と前記第2の部材との前記軸方向の相対移動に変換することにより前記回転トルクを前記軸方向の力であるスラスト力に変換する変換機構と、
前記反力部材と離間して設けられ、前記スラスト力によって弾性的に変形する弾性体と、
前記弾性体に固定され、前記弾性体の変形量を検出する検出子と、
を備えたペダル操作量検出装置。
【請求項2】
前記弾性体および前記検出子は、前記軸方向で前記第1の部材と前記第2の部材との間に位置し前記第1の部材または前記第2の部材と一体に前記回転中心軸回りに回転する、請求項1に記載の操作量検出装置。
【請求項3】
前記軸方向に離間し、前記第1の部材と前記第2の部材とを前記回転中心軸回りに回転可能に支持する二つの壁部を有した支持部材を備え、
前記第1の部材と前記第2の部材とは、前記二つの壁部の間に位置し、前記操作力によって前記軸方向で互いに離間する方向に相対移動し、前記第1の部材が一方の前記壁部に押し付けられる、請求項1に記載の操作量検出装置。
【請求項4】
前記弾性体および前記検出子は、前記二つの壁部の間に位置し、他方の前記壁部に固定された、請求項3に記載の操作量検出装置。
【請求項5】
前記軸方向に離間し、前記第1の部材と前記第2の部材とを前記回転中心軸回りに回転可能に支持する二つの壁部を有した支持部材を備え、
前記第1の部材と前記第2の部材とは、前記操作力によって前記軸方向で互いに近づく方向に相対移動し一方の前記壁部を挟み込む、請求項1に記載の操作量検出装置。
【請求項6】
前記弾性体および前記検出子は、前記二つの壁部の外側に位置して前記一方の前記壁部に固定された、請求項5に記載の操作量検出装置。
【請求項7】
前記第1の部材は、パラレルリンクのリンクを構成する、請求項1~6のうちいずれか一つに記載の操作量検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、操作量検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ペダル装置のペダルの操作量を検出する操作量検出装置として、ペダル装置に連連結されペダルの操作力に対する反力をペダル装置に伝達する反力部材に、検出子としての起歪体が設けられ、この起歪体の歪量を検出するものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、起歪体が反力部材に設けられているため、起歪体の設置が反力部材の形状等の制約を受けるという問題があった。
【0005】
本開示の課題の一つは、検出子の設置が反力部材による制約を受けにくい操作量検出装置を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の操作量検出装置は、ペダルに入力される操作力によって回転中心軸回りに回転し、回転トルクを伝達する第1の部材と、前記回転中心軸回りに回転可能であり且つ前記第1の部材に対して前記回転中心軸の軸方向に相対移動可能であり、前記第1の部材と反力部材との間に介在し、前記第1の部材から伝達される前記回転トルクの反力が前記反力部材から入力される第2の部材と、前記第1の部材の回転を前記第1の部材と前記第2の部材との前記軸方向の相対移動に変換することにより前記回転トルクを前記軸方向の力であるスラスト力に変換する変換機構と、前記反力部材と離間して設けられ、前記スラスト力によって弾性的に変形する弾性体と、前記弾性体に固定され、前記弾性体の変形量を検出する検出子と、を備える。
【0007】
このような構成によれば、検出子が、反力部材と離間して設けられた弾性体に固定されているので、検出子の設置が反力部材による制約を受けにくい。
【0008】
前記操作量検出装置では、例えば、前記弾性体および前記検出子は、前記軸方向で前記第1の部材と前記第2の部材との間に位置し前記第1の部材または前記第2の部材と一体に前記回転中心軸回りに回転する。
【0009】
このような構成によれば、弾性体および前記検出子が第1の部材または第2の部材と一体に回転中心軸回りに回転するので、弾性体および前記検出子が第1の部材および第2の部材とは別々に回転する構成に比べて、弾性体および検出子と、第1の部材または第2の部材とを回転可能に支持する構成(軸受)の簡素化がし易い。
【0010】
前記操作量検出装置は、例えば、前記軸方向に離間し、前記第1の部材と前記第2の部材とを前記回転中心軸回りに回転可能に支持する二つの壁部を有した支持部材を備え、前記第1の部材と前記第2の部材とは、前記二つの壁部の間に位置し、前記操作力によって前記軸方向で互いに離間する方向に相対移動し、前記第1の部材が一方の前記壁部に押し付けられる。
【0011】
このような構成によれば、第1の部材が一方の壁部に押し付けられるので、第1の部材に軸方向のガタツキの発生が抑制される。
【0012】
前記操作量検出装置では、例えば、前記弾性体および前記検出子は、前記二つの壁部の間に位置し、他方の前記壁部に固定されている。
【0013】
このような構成によれば、検出子に対する配線の取り回しや組付け作業性が向上する。
【0014】
前記操作量検出装置は、前記軸方向に離間し、前記第1の部材と前記第2の部材とを前記回転中心軸回りに回転可能に支持する二つの壁部を有した支持部材を備え、前記第1の部材と前記第2の部材とは、前記操作力によって前記軸方向で互いに近づく方向に相対移動し一方の前記壁部を挟み込む。
【0015】
このような構成によれば、第1の部材と第2の部材とが一方の壁部を挟み込むので、第1の部材および第2の部材の軸方向のガタツキの発生が抑制される。
【0016】
前記操作量検出装置では、例えば、前記弾性体および前記検出子は、前記二つの壁部の外側に位置して前記一方の前記壁部に固定されている。
【0017】
このような構成によれば、検出子に対する配線の取り回しや組付け作業性が向上する。
【0018】
前記操作量検出装置では、例えば、前記第1の部材は、パラレルリンクのリンクを構成する。
【0019】
このような構成によれば、パラレルリンクによってペダルの移動軌跡を直線に近づけやすい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、第1の実施形態のペダル装置の例示的な側面図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態のペダル装置の例示的な正面図である。
【
図4】
図4は、第2の実施形態のペダル装置の例示的な正面図である。
【
図6】
図6は、第3の実施形態のペダル装置の例示的な正面図である。
【
図8】
図8は、第4の実施形態のペダル装置の例示的な正面図である。
【
図9】
図9は、第4の実施形態のペダル装置の例示的な側面図であって、ペダルが初期位置に位置した状態の図である。
【
図10】
図10は、第4の実施形態のペダル装置の例示的な側面図であって、ペダルが最大踏込み位置に位置した状態の図である。
【
図11】
図11は、第4の実施形態のペダル装置のモータの制御における反力とペダルストロークとの関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の例示的な実施形態を開示する。以下に示される実施形態の構成(技術的特徴)、ならびに当該構成によってもたらされる作用および結果(効果)は、いずれも一例である。
【0022】
以下の複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれている。それら同様の構成要素には共通の符号が付与されるとともに、重複する説明が省略される。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合がある。また、図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、本明細書では、序数は、部品や、部材、部位、位置、方向等を区別するためだけに用いられており、順番や優先度を示すものではない。
【0023】
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態のペダル装置1の例示的な側面図である。
図2は、第1の実施形態のペダル装置1の例示的な正面図である。
【0024】
図1および
図2に示されるペダル装置1は、車両に搭載されるブレーキペダル装置である。なお。ペダル装置1は、アクセルペダル装置であってもよい。
【0025】
以下の説明では、便宜上、互いに直交する三方向が定義されている。X方向は、車両の前後方向の前方と一致する。Y方向は、車両の幅方向の一方と一致する。Z方向は、車両の上下方向の上方と一致する。
【0026】
ペダル装置1は、ペダル2と、操作量検出装置3と、を備える。ペダル2は、例えば、板状に構成され、操作者によって踏み込み操作される。操作量検出装置3は、ペダル2の操作量を検出して出力する。
【0027】
図3は、
図2のIII-III断面図である。
図2および
図3に示されるように、操作量検出装置3は、支持部材11と、ボルト12と、ナット13と、レバー部材14,15と、支持部材16と、弾性体17と、検出子18と、押圧部材19と、変換機構20と、を備える。
【0028】
支持部材11は、二つの壁部11a,11bと、連結壁部11cと、を有する。二つの壁部11a,11bは、Y方向に離間している。別の言い方をすると、二つの壁部11a,11bは、Y方向に延びる回転中心軸Ax1の軸方向に離間している。壁部11a,11bには、貫通孔11a1,11b1が設けられている。壁部11a,11bは、車両の車体に固定される。連結壁部11cは、二つの壁部11a,11bのZ方向の端部同士を連結している。
【0029】
図3に示されるように、ボルト12は、回転中心軸Ax1の軸方向に延びて貫通孔11a1,11b1に挿入されている。ボルト12は、ナット13と結合して、二つの壁部11a,11bに固定されている。また、ボルト12は、カラー27内に挿入されている。
【0030】
レバー部材14は、ペダル2に入力される操作力によって回転中心軸Ax1回りに回転し、回転トルクを伝達する。詳細には、レバー部材14は、シャフト部14aと、アーム部14bと、を有する。シャフト部14aは、回転中心軸Ax1回りの円筒状に形成されている。シャフト部14aには、ボルト12が挿入されている。シャフト部14aの軸方向の両端部は、軸受23,24によって回転可能に支持されている。また、シャフト部14aの外周面には、ヘリカルスプライン14cが形成されている。アーム部14bは、シャフト部14aから回転中心軸Ax1の径方向に延びている。アーム部14bの先端部には、ペダル2が固定されている。レバー部材14は、第1のリンクの一例である。
【0031】
レバー部材15は、回転中心軸Ax1回りに回転可能であり且つレバー部材14に対して回転中心軸Ax1の軸方向に相対移動可能である。詳細には、レバー部材15は、シャフト部15aと、アーム部15bと、を有する。シャフト部15aは、回転中心軸Ax1回りの円筒状に形成されている。シャフト部15aには、レバー部材14のシャフト部15aが挿入されている。シャフト部15aの内周面には、ヘリカルスプライン15cが形成されている。ヘリカルスプライン15cは、ヘリカルスプライン14cと噛み合っている。アーム部15bは、シャフト部15aから回転中心軸Ax1の径方向に延びている。アーム部14bの先端部には、反力部材22がシャフト26を介して連結されている。反力部材22は、例えばクレビスである。反力部材22は、オペレーティングロッド21に連結されている。反力部材22は、レバー部材14から伝達される回転トルクに対する反力をレバー部材15に入力する。
【0032】
変換機構20は、ヘリカルスプライン14cが形成されたシャフト部14aと、ヘリカルスプライン15cが形成されたシャフト部15aと、を有する。変換機構20は、レバー部材14の回転をレバー部材14とレバー部材15との軸方向の相対移動に変換することにより回転トルクを軸方向の力であるスラスト力に変換する。具体的には、変換機構20は、レバー部材14の回転をレバー部材14のアーム部14bとレバー部材15のアーム部15bとが近づく方向のレバー部材の移動に変換することにより回転トルクを軸方向の力であるスラスト力に変換する。
【0033】
支持部材16は、アーム部14bとアーム部15bとの間に位置している。支持部材11は、回転中心軸Ax1回りの円筒状に形成されている。
【0034】
弾性体17は、支持部材16の内周面から回転中心軸Ax1に向かって突出している。弾性体17は、回転中心軸Ax1回りの円板状に形成さている。弾性体17は、反力部材22と離間して設けられている。
【0035】
検出子18は、弾性体17に固定され、弾性体17の変形量(歪量)を検出する。検出子18は、例えば、回転中心軸Ax1回りに間隔をあけて複数設けられている。検出子18は、例えば、歪ゲージである。
【0036】
押圧部材19は、支持部材16の内側でアーム部14bとアーム部15bとの間に位置している。押圧部材19は、回転中心軸Ax1回りの筒状に形成されている。押圧部材19は、回転中心軸Ax1に対して傾斜した押圧面19aを有し、この押圧面19aによって弾性対17の先端部を軸方向に押す。押圧部材19とアーム部15bとの間には軸受25が介在しており、押圧部材19、弾性体17、および検出子18は、アーム部15bに対して相対回転可能である。押圧部材19、弾性体17、および検出子18は、アーム部14b(レバー部材14)と一体に回転する。
【0037】
以上の構成において、ペダル2が踏み込まれると、レバー部材14が回転中心軸Ax1回りに回転し、変換機構20がレバー部材14の回転をレバー部材14とレバー部材15との軸方向の相対移動に変換することによりレバー部材14の回転トルクを軸方向の力であるスラスト力に変換する。このとき、レバー部材15が軸方向(Y方向)に移動して押圧部材19を介して弾性体17を軸方向に押す。これにより弾性体17が弾性変形する。すなわち、スラスト力によって弾性体17が弾性変形する。検出子18は、弾性体17の変形量を検出して出力する。この弾性体17の変形量は、ペダル2の操作量の一例である。弾性体17の変形量は、ペダル2に加えられる踏力と比例関係にあるので、弾性体17の変形量と踏力との関係を示す情報(式やテーブル)によって踏力を算出することができる。
【0038】
以上のように、本実施形態では、操作量検出装置3は、レバー部材14(第1の部材)と、レバー部材15(第2の部材)と、変換機構20と、弾性体17と、検出子18と、を備える。レバー部材14は、ペダル2に入力される操作力によって回転中心軸Ax1回りに回転し、回転トルクを伝達する。レバー部材15は、回転中心軸Ax1回りに回転可能であり且つレバー部材14に対して回転中心軸Ax1の軸方向に相対移動可能であり、レバー部材14と反力部材22との間に介在し、レバー部材14から伝達される回転トルクの反力が反力部材22から入力される。変換機構20は、レバー部材14の回転をレバー部材14とレバー部材15との軸方向の相対移動に変換することにより回転トルクを軸方向の力であるスラスト力に変換する。弾性体17は、反力部材22と離間して設けられ、スラスト力によって弾性的に変形する。検出子18は、弾性体17に固定され、弾性体17の変形量を検出する。
【0039】
このような構成によれば、検出子18が、反力部材22と離間して設けられた弾性体17に固定されているので、検出子18の設置が反力部材22による制約を受けにくい。
【0040】
また、弾性体17および検出子18は、軸方向でレバー部材14とレバー部材15との間に位置しレバー部材14と一体に回転中心軸Ax1回りに回転する。
【0041】
このような構成によれば、弾性体17および検出子18がレバー部材14と一体に回転中心軸Ax1回りに回転するので、弾性体17および検出子18とがレバー部材14およびレバー部材15とは別々に回転する構成に比べて、弾性体17、検出子18、およびレバー部材14を回転可能に支持する構成(軸受)の簡素化がし易い。
【0042】
なお、上記では、一例として、弾性体17および検出子18が、軸方向でレバー部材14とレバー部材15との間に位置し、レバー部材14(第1の部材)のアーム部14bと一体に回転中心軸Ax1回りに回転する構成が示されたが、これに限定されない。弾性体17および検出子18は、軸方向でレバー部材14とレバー部材15との間に位置し、レバー部材15(第2の部材)のアーム部15bと一体に回転中心軸Ax1回りに回転する構成であってもよい。このような構成によれば、弾性体17および検出子18がレバー部材15と一体に回転中心軸Ax1回りに回転するので、弾性体17および検出子18とがレバー部材14およびレバー部材15とは別々に回転する構成に比べて、弾性体17、検出子18、およびレバー部材15を回転可能に支持する構成(軸受)の簡素化がし易い。
【0043】
<第2の実施形態>
図4は、第2の実施形態のペダル装置1の例示的な正面図である。
図5は、
図4のV-V断面図である。
【0044】
図4および
図5に示されるように、本実施形態では、レバー部材14とレバー部材15とは、二つの壁部11a,11bの間に位置し、操作力によって軸方向で互いに離間する方向に相対移動し、レバー部材14が一方の壁部11bに押し付けられる。
【0045】
また、弾性体17および検出子18は、二つの壁部11a,11bの間に位置し、壁部11aに固定されている。
【0046】
以上のように、本実施形態では、レバー部材14とレバー部材15とは、二つの壁部11a,11bの間に位置し、操作力によって軸方向で互いに離間する方向に相対移動し、レバー部材14が一方の壁部11bに押し付けられる。
【0047】
このような構成によれば、レバー部材14が一方の壁部11bに押し付けられるので、レバー部材14に軸方向のガタツキの発生が抑制される。
【0048】
また、弾性体17および検出子18が、二つの壁部11a,11bの間に位置し、他方の壁部11aに固定されている。
【0049】
このような構成によれば、検出子18に対する配線の取り回しや組付け作業性が向上する。
【0050】
<第3の実施形態>
図6は、第3の実施形態のペダル装置1の例示的な正面図である。
図7は、
図6のVII-VII断面図である。
【0051】
図6および
図7に示されるように、本実施形態では、レバー部材14のY方向の反対側の端部14dは、二つの壁部11a,11bの外側に位置し、この端部14dにフランジ部14eが設けられている。フランジ部14eは、二つの壁部11a,11bの外側に位置している。
【0052】
また、本実施形態では、支持部材16と、弾性体17と、検出子18と、押圧部材19と、軸受25は、二つの壁部11a,11bの外側であって、フランジ部14eと壁部11aとの間に位置している。また、弾性体17および検出子18は、二つの壁部11a,11bの外側に位置して一方の壁部11aに固定されている。
【0053】
上記構成では、レバー部材14とレバー部材15とは、操作力によって軸方向で互いに近づく方向に相対移動し一方の壁部11aを挟み込む。
【0054】
このような構成によれば、レバー部材14とレバー部材15とが一方の壁部11aを挟み込むので、レバー部材14およびレバー部材15の軸方向のガタツキの発生が抑制される。
【0055】
また、弾性体17および検出子18は、二つの壁部11a,11bの外側に位置して一方の壁部11aに固定されている。
【0056】
このような構成によれば、検出子18に対する配線の取り回しや組付け作業性が向上する。
【0057】
<第4の実施形態>
図8は、第4の実施形態のペダル装置1の例示的な正面図である。
図9は、第4の実施形態のペダル装置1の例示的な側面図であって、ペダル2が初期位置に位置した状態の図である。
図10は、第4の実施形態のペダル装置1の例示的な側面図であって、ペダル2が最大踏込み位置に位置した状態の図である。
【0058】
図8~
図10に示されるように、本実施形態では、ペダル装置1は、反力生成装置であるモータ50と、リンク機構60と、減速機構66と、を備える点が、第1の実施形態と異なる。ペダル装置1は、アクセルペダル装置100の横に配置されている。
【0059】
リンク機構60は、パラレルリンクである。詳細には、リンク機構60は、レバー部材14と、レバー部材62と、連結リンク63と、を有する。
【0060】
連結リンク63には、ペダル2が固定されている。レバー部材14の一端部14mは、回転中心軸Ax1回りに回転可能に支持部材11に支持されている。レバー部材14の他端部14nは、連結リンク63と回転中心軸Ax3回りに相対回転可能に、シャフト71を介して連結リンク63に連結されている。レバー部材62の一端部62mは、回転中心軸Ax2回りに回転可能にシャフト72を介して支持部材11に支持されている。シャフト72には、レバー部材62の回転量を検知する回転センサが設けられている。レバー部材62の他端部62nは、連結リンク63と回転中心軸Ax4回りに相対回転可能に、シャフト73を介して連結リンク63に連結されている。すなわち、連結リンク63は、レバー部材14における回転中心軸Ax1とは反対側の他端部14nと、レバー部材62における回転中心軸Ax2とは反対側の他端部62nとを連結している。連結リンク63は、ペダル2を回転中心軸Ax1と直交する方向に移動可能に支持する。
【0061】
モータ50は、回転シャフト51を有する、回転シャフト51は、回転中心軸Ax5回りに回転する。モータ50は、電力が供給されることにより操作力の反力としての反力トルクを回転シャフト51に生成する。また、モータ50は、回転シャフト51の制動が可能なブレーキ付きモータである。
【0062】
減速機構66は、レバー部材14と回転シャフト51との間に介在する。減速機構66は、扇状のレバー部材15と、歯車65,67と、を有する。レバー部材15は、変換機構20を介してレバー部材14に連結されている。レバー部材15は、レバー部材14の回転に伴ってレバー部材14と同じ方向に回転中心軸Ax1回りに回転する。本実施形態では、レバー部材15は、扇状に形成されており、レバー部材15の円弧状の縁部15hには、歯15iが設けられている。すなわち、レバー部材15は、扇状の歯車である。
【0063】
歯車65は、回転中心軸Ax6回りに回転可能に支持部材11に支持されている。歯車65は、レバー部材15と噛み合っている。レバー部材15は、歯車65に固定され、歯車65と一体に回転中心軸Ax6回りに回転する。レバー部材15の直径は、歯車65よりも大きい。レバー部材15の歯数は、歯車65よりも多い。レバー部材15は、モータ50の回転シャフト51の外周面に設けられた歯車51aに噛み合っている。回転中心軸Ax1~Ax6は、互いに平行である。
【0064】
上記構成の減速機構66は、モータ50の回転シャフト51の反力トルクを増幅させて回転中心軸Ax1回りのトルクに変換してレバー部材14に伝達する。これにより、モータ50は比較的小型のものを適用可能である。
【0065】
また、レバー部材14およびモータ50は、レバー部材62に対してペダル2とは反対側に位置する。また、回転中心軸Ax1,Ax2,Ax5は、ペダル2よりも下方に位置する。
【0066】
以上の構成において、ペダル2が踏み込み操作されると、ペダル2がリンク機構60に支持されながら回転中心軸Ax1と直交する方向に移動する。リンク機構60の変形によって、レバー部材15が回転中心軸Ax1回りに回転し、歯車65,67が回転中心軸Ax6回りに回転し、ペダル2の操作力がレバー部材15からモータ50の回転シャフト51に伝達される。
【0067】
図11は、第4の実施形態のペダル装置1のモータ50の制御における反力とペダルストロークとの関係を示す図である。
図11の横軸は、モータ50が生成する反力の大きさを示し、
図11の縦軸は、ペダル2のストロークの量を示す。
図11の線L1は、モータが回転シャフト51に生成する反力とブレーキによる摩擦力との合計を示す。
図11の線L2は、モータ50が回転シャフト51に生成する反力を示し、線L3は、摩擦力の大きさを示す。モータ50は、
図11の線L1の反力を発生するように制御装置によって制御される。
【0068】
以上のように、本実施形態では、レバー部材14は、リンク機構60(パラレルリンク)のリンクを構成する。このような構成によれば、リンク機構60(パラレルリンク)によってペダル2の移動軌跡を直線に近づけやすい。
【0069】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0070】
2:ペダル
3:操作量検出装置
11:支持部材
11a,11b:壁部
14:レバー部材(第1の部材)
15:レバー部材(第2の部材)
17:弾性体
18:検出子
20:変換機構
22:反力部材
60:リンク機構(パラレルリンク)
Ax1:回転中心軸