(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】情報処理装置および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G05B 23/02 20060101AFI20240326BHJP
G05B 19/418 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
G05B23/02 301X
G05B19/418 Z
(21)【出願番号】P 2021522633
(86)(22)【出願日】2020-02-07
(86)【国際出願番号】 JP2020004796
(87)【国際公開番号】W WO2020240939
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2022-03-07
(31)【優先権主張番号】P 2019100606
(32)【優先日】2019-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000191009
【氏名又は名称】新東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】赤塚 成啓
(72)【発明者】
【氏名】中村 直寿
【審査官】松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】特開平4-15710(JP,A)
【文献】特開2018-149597(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/02
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製造施設における設備の状態を表す情報を受信する通信インタフェースと、前記情報を参照して動作するコントローラと、を備えており、
前記コントローラは、
受信された前記設備の状態を表す情報が第1条件を満たす場合に、前記設備のメンテナンスを促す第1アラームを出力する処理と、
前記設備の状態を表す情報が第2条件を満たす場合に、前記設備における異常の発生または異常の予兆を示す第2アラームを出力する処理と、
前記第1アラームが出力された回数を緊急度別に統計した結果を示す情報および前記第2アラームが出力された回数を緊急度別に統計した結果を示す情報を、区別して認識可能な態様で出力する処理と、を実行
し、
さらに、前記コントローラは、
ユーザによって入力される情報に基づいて、前記設備の状態を表す情報を判定する判定条件と、前記第1アラームおよび前記第2アラームの何れかを示す種別とを関連付けたルールを取得する処理を実行し、
前記設備の状態を表す情報が前記判定条件を満たし、且つ、前記判定条件に関連付けられた種別が前記第1アラームである場合に、前記第1条件が満たされたものとして、前記第1アラームを出力する処理を実行し、
前記設備の状態を表す情報が前記判定条件を満たし、且つ、前記判定条件に関連付けられた種別が前記第2アラームである場合に、前記第2条件が満たされたものとして、前記第2アラームを出力する処理を実行し、
前記設備の1種類の状態を表す情報を判定する判定条件が、前記緊急度が高い順に複数設定されている場合、複数の判定条件を前記緊急度が高い順に判断し、前記設備の1種類の状態を表す情報が前記複数の判定条件のうち、何れか1つの判定条件を満たしたとき、以降の判定条件を判断することを中止する処理を実行する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記コントローラは、
プログラムに従って前記各処理を実行するプロセッサと、
前記プログラムを格納したメモリと、を備える、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記コントローラは、
前記第1アラームを、前記メンテナンスの必要性に応じて段階的に出力する、請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記コントローラは、
前記第1アラームを、前記第1条件が満たされたか否かに関わらず、所定のタイミングでさらに出力する、請求項1から3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記コントローラは、
前記第2アラームを、前記異常が発生する可能性に応じて段階的に出力する、請求項1から4の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記コントローラは、
前記第1アラームまたは前記第2アラームを解消するために交換または調整が必要となる部品に関連する情報を出力する処理をさらに実行する、ことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記コントローラは、
前記第2アラームが示す異常の発生または異常の予兆を解消するための対処方法を表す情報を出力する処理をさらに実行することを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
情報処理装置が、
製造施設における設備の状態を表す情報を受信するステップと、
前記設備の状態を表す情報が第1条件を満たす場合に、前記設備のメンテナンスを促す第1アラームを出力するステップと、
前記設備の状態を表す情報が第2条件を満たす場合に、前記設備における異常の発生または異常の予兆を示す第2アラームを出力するステップと、
前記第1アラームが出力された回数を緊急度別に統計した結果を示す情報および前記第2アラームが出力された回数を緊急度別に統計した結果を示す情報を、区別して認識可能な態様で出力するステップと、を含
み、
前記情報処理装置が、さらに
ユーザによって入力される情報に基づいて、前記設備の状態を表す情報を判定する判定条件と、前記第1アラームおよび前記第2アラームの何れかを示す種別とを関連付けたルールを取得するステップと、
前記設備の状態を表す情報が前記判定条件を満たし、且つ、前記判定条件に関連付けられた種別が前記第1アラームである場合に、前記第1条件が満たされたものとして、前記第1アラームを出力するステップと、
前記設備の状態を表す情報が前記判定条件を満たし、且つ、前記判定条件に関連付けられた種別が前記第2アラームである場合に、前記第2条件が満たされたものとして、前記第2アラームを出力するステップと、
前記設備の1種類の状態を表す情報を判定する判定条件が、前記緊急度が高い順に複数設定されている場合、複数の判定条件を前記緊急度が高い順に判断し、前記設備の1種類の状態を表す情報が前記複数の判定条件のうち、何れか1つの判定条件を満たしたとき、以降の判定条件を判断することを中止するステップと、を含む、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製造施設における設備に関するアラームを出力する情報処理装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
製造施設における設備についてアラームを出力する情報処理装置が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、プラント内の各アラーム情報について、詳細な情報を含むウィンドウを表示することが記載されている。当該ウィンドウは、該当するアラーム情報が関連するデバイスについて、そのデバイスが故障していること、またはそのデバイスが保守を必要としていること等の情報を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】日本国公開特許公報「特表2004-532449号公報(2004年10月21日公開)」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、製造施設における設備の状態によって、担当者の作業が大きく異なる場合がある。例えば、設備に異常が発生した場合、現場での作業が必要となる。また、メンテナンスの必要性があれば、現場に赴く前の作業(例えば消耗品の発注等)が必要となる可能性がある。このため、担当者にとって、設備の状態を適切に判断したいというニーズがある。また、担当者にとって、設備の状態を適切に判断するために、設備に異常が発生する傾向、メンテナンスが必要となる傾向等を把握したいというニーズがある。特許文献1に記載された構成では、設備の状態を判断するために提示される情報に改良の余地がある。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、製造施設における設備について、設備の状態をより適切に判断するための情報を提示する情報処理装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理装置は、製造施設における設備の状態を表す情報を受信する通信インタフェースと、前記情報を参照して動作するコントローラと、を備えている。前記コントローラは、受信された前記設備の状態を表す情報が第1条件を満たす場合に、前記設備のメンテナンスを促す第1アラームを出力する処理と、前記設備の状態を表す情報が第2条件を満たす場合に、前記設備における異常の発生または異常の予兆を示す第2アラームを出力する処理と、前記第1アラームが出力される傾向および前記第2アラームが出力される傾向を、区別して認識可能な態様で出力する処理と、を実行する。
【0008】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、情報処理装置が、製造施設における設備の状態を表す情報を受信するステップと、前記設備の状態を表す情報が第1条件を満たす場合に、前記設備のメンテナンスを促す第1アラームを出力するステップと、前記設備の状態を表す情報が第2条件を満たす場合に、前記設備における異常の発生または異常の予兆を示す第2アラームを出力するステップと、前記第1アラームが出力される傾向および前記第2アラームが出力される傾向を、区別して認識可能な態様で出力するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、製造ラインにおける設備について、部品交換を行うかそれ以外のメンテナンスを行うかの判断をより適切に行うための情報を提示する情報処理装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態1に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施形態1におけるゲートウェイの構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態1におけるサーバの構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の実施形態1における製造ラインの構成データの具体例を示すブロック図である。
【
図5】本発明の実施形態1における端末の構成を示すブロック図である。
【
図6】本発明の実施形態1に係る情報処理システムの動作を示すフローチャートである。
【
図7】(a)は、本発明の実施形態1において表示される設定画面の一例を示す図である。(b)は、当該設定画面によって設定された設定データの一例を示す図である。
【
図8】(a)は、本発明の実施形態1において表示される設定画面の一例を示す図である。(b)は、当該設定画面によって設定された設定データの一例を示す図である。
【
図9】本発明の実施形態1における収集設定データの一例を示す図である。
【
図10】本発明の実施形態1に係るゲートウェイの動作の詳細を示すフローチャートである。
【
図11】本発明の実施形態1に係るゲートウェイの動作の詳細を示すフローチャートである。
【
図12】本発明の実施形態1において表示される、複数の設備の状態およびアラームを表す画面の一例を示す図である。
【
図13】本発明の実施形態1において表示される、設備の状態を表す画面の一例を示す図である。
【
図14】本発明の実施形態1において表示される、設備の状態を表す画面の一例を示す図である。
【
図15】本発明の実施形態1において表示される、設備の状態を表す画面の一例を示す図である。
【
図16】本発明の実施形態1において表示される、設備の状態を表す画面の一例を示す図である。
【
図17】本発明の実施形態1に係るサーバの動作の示すフローチャートである。
【
図18】本発明の実施形態1において表示される設定画面の一例を示す図である。
【
図19】
図18に示した設定画面によって設定された設定データの一例を示す図である。
【
図21】本発明の実施形態1において表示される、設備アラームを表す画面の一例を示す図である。
【
図22】本発明の実施形態1において表示される、保全アラームを表す画面の一例を示す図である。
【
図23】本発明の実施形態1において表示される、設備アラームの詳細を表す画面の一例を示す図である。
【
図24】本発明の実施形態1において表示される、保全アラームの詳細を表す画面の一例を示す図である。
【
図25】本発明の実施形態2に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔実施形態1〕
以下、本発明の実施形態1について、詳細に説明する。
【0012】
<情報処理システム1の構成>
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の構成を示すブロック図である。
図1において、情報処理システム1は、ゲートウェイ10と、サーバ20と、端末30とを含む。情報処理システム1は、製造ライン9におけるn個の設備Mi(i=1~n、nは1以上の整数)を管理するシステムである。なお、サーバ20は、本発明における情報処理装置の一例である。
【0013】
ゲートウェイ10は、製造ライン9を含む製造施設90に設置され、各設備Miの状態に関する情報を収集する。サーバ20は、ゲートウェイ10とWAN(Wide Area Network)1001を介して接続され、ゲートウェイ10を介して各設備Miの状態に関する情報を受信する。端末30は、WAN1001を介してサーバ20に接続され、サーバ20から提供される各設備Miに関する情報を表示する。例えば、端末30は、各設備Miのメンテナンスを担当する担当者によって携帯されるノート型コンピュータ、スマートフォン、タブレット等であってもよい。また、例えば、端末30は、製造ライン9のメンテナンスに対応するサポート
センターに設置されていてもよい。また、例えば、端末30は、製造ライン9の現場担当者が使用するために、製造施設90に設置されていてもよい。また、
図1には、情報処理システム1に1の端末30が含まれる例を示しているが、情報処理システム1には、複数の端末30が含まれていてもよい。例えば、複数の端末30のうちいずれかが、上述した担当者によって携帯され、他のいずれかが、上述したサポートセンターに設定され、他のいずれかが、製造施設90に設置されていてもよい。
【0014】
(製造ライン9の構成)
製造ライン9は、
図1に示すように、n個の設備Miと、n個のコントローラPiと、m個の外付けのセンサCj(j=1~m、mは1以上の整数)と、センサ親機CPとを含んでいる。製造ライン9は、一例として、鋳型等を製造するラインであるが、これらに限られない。
【0015】
各設備Miは、コントローラPiを内蔵する。設備Miは、一例として、造型機、ブラスト装置、または集塵機等であるが、これらに限られない。
【0016】
各コントローラPiは、設備Miを制御する。コントローラPiは、一例として、設備Miの各部を制御するプログラムにしたがって動作するPLC(Programmable Logic Controller)コントローラである。各コントローラPiは、設備Miの内的な状態を表す情報を取得する。内的な状態を表す情報とは、一例として、設備Miの電源状態、スタンバイ状態、所定部品の点検処理が行われた回数を表す情報、所定部品の稼働時間、所定部品の交換日時、所定作業に要した処理時間、内蔵のセンサによって計測される情報等である。ただし、内的な状態を表す情報は、これらに限られない。
【0017】
また、各コントローラPiは、製造施設90に敷設されたLAN(Local Area Network)9001を介して、後述するゲートウェイ10に接続される。なお、LAN9001は、有線LAN、無線LAN、またはこれらの組み合わせによって構成される。各コントローラPiは、ゲートウェイ10からの要求に応じて、要求された情報を当該ゲートウェイ10に送信する。
【0018】
各センサCjは、設備M1~Mnの少なくとも何れかに付帯する。ここで、付帯するとは、設備Miの外的な状態を計測するために、設備Miに後付けで設置されることをいう。センサCjの設置場所自体は、設備Miの内部であっても外部であっても構わない。また、1つの設備Miに付帯するセンサCjの個数は、1つに限らず、複数であってもよい。また、n個の設備Miのうち、センサCjが付帯しない設備Miがあってもよい。
図1の例では、設備M1には、センサC1、C2が付帯する。設備M2には、センサC3が付帯する。設備Mnには、センサCmが付帯する。
【0019】
各センサCjは、設備Miの外的な状態を表す情報を取得する。外的な状態を表す情報の一例としては、設備Miの振動を表す情報が挙げられる。また、他の例としては、設備Mi内の2室(例えば集塵機内のクリーンルームおよびダーティールーム)の差圧を表す情報が挙げられる。また、他の例としては、設備Miの部品を回転駆動するためのモータ電流値が挙げられる。また、他の例としては、設備Miの作動油の汚れを表す情報が挙げられる。また、他の例としては、設備Miに注入される湯温等が挙げられる。ただし、外的な状態を表す情報は、これらに限られない。また、センサCjは、一例として、振動センサ、CT(Current Transformer)センサ、マノメータ、油中劣化センサ、非接触温度センサ等であるが、これらに限られない。
【0020】
また、各センサCjは、センサ親機CPに通信可能に接続される。一例として、各センサCjとセンサ親機CPとの間は、無線センサネットワークを介して接続される。無線センサネットワークは、例えば、赤外線やBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信によって構築される。また、センサ親機CPおよびセンサCj間では、所定のプロトコルにしたがって情報が送受信される。換言すると、センサ親機CPが対応する無線センサネットワークに接続する通信インタフェースを有し、センサ親機CPが対応するプロトコルにしたがって情報を送受信するセンサCjであれば、何れかの設備Miに付帯するものとして後付けで容易に増設可能である。
【0021】
センサCjは、周期的に情報を計測してセンサ親機CPに送信するタイプのものであってもよい。また、センサCjは、所定条件を満たす情報を計測した場合にセンサ親機CPに送信するタイプのものであってもよい。また、センサCjは、センサ親機CPからの要求に応じて計測した情報をセンサ親機CPに送信するタイプのものであってもよい。
【0022】
センサ親機CPは、各センサCjによって計測された、設備Miの外的な状態を表す情報を受信する。なお、センサ親機CPがセンサCjから情報を受信するタイミングは、上述したセンサCjのタイプに応じたタイミングである。センサ親機CPは、各センサCjから受信した情報を、当該センサCjの識別情報に関連付けてセンサ親機CPのメモリ(図示せず)に記憶する。
【0023】
また、センサ親機CPは、LAN9001を介して、ゲートウェイ10に接続される。センサ親機CPは、ゲートウェイ10からの要求に応じて、要求されたセンサCjが計測した情報を、メモリから読みだして当該ゲートウェイ10に送信する。送信する情報は、前回のゲートウェイ10からの要求の後、今回のゲートウェイ10からの要求までに、当該センサCjによって計測された情報である。
【0024】
なお、本実施形態では、製造ライン9は1つのセンサ親機CPを有しているが、センサ親機CPと同様に構成される複数のセンサ親機を含んでいてもよい。その場合、各センサCjは、複数のセンサ親機の何れかに接続される。また、複数のセンサ親機の少なくとも1つは、他の少なくとも1つのセンサ親機と異なる無線センサネットワークに接続するものであってもよい。また、複数のセンサ親機の少なくとも1つは、他の少なくとも1つのセンサ親機と異なるプロトコルを用いて各センサCjと通信するものであってもよい。
【0025】
(ゲートウェイ10のハードウェア構成)
図2は、ゲートウェイ10のハードウェア構成を示すブロック図である。ゲートウェイ10は、プロセッサ101と、主メモリ102と、補助メモリ103と、通信インタフェース104と、通信インタフェース105とを有するコンピュータによって構成される。なお、主メモリ102および補助メモリ103は、本発明における、ゲートウェイが備えるメモリの一例である。また、通信インタフェース104は、本発明における、ゲートウェイが備える、コントローラと通信する通信インタフェース、および、センサとコントローラを介さずに通信する通信インタフェースの一例である。また、通信インタフェース105は、本発明における、ゲートウェイが備える、センサと通信する通信インタフェースの一例である。
【0026】
プロセッサ101、主メモリ102、補助メモリ103、通信インタフェース104、および通信インタフェース105は、バス109を介して互いに接続されている。プロセッサ101としては、例えば、単一又は複数のマイクロプロセッサ、単一又は複数のデジタルシグナルプロセッサ、単一又は複数のマイクロコントローラ、又はこれらの組み合わせが用いられる。主メモリ102としては、例えば、単一又は複数の半導体RAM(random access memory)が用いられる。補助メモリ103としては、例えば、単一又は複数のHDD(Hard Disk Drive)、単一又は複数のSSD(Solid State Drive)、又はこれらの組み合わせが用いられる。また、補助メモリ103の一部又は全部は、通信インタフェース104または105を介して接続されたネットワーク上のストレージであってもよい。通信インタフェース104は、インターネット等のWAN1001に接続する。通信インタフェース105は、有線または無線のLAN9001に接続する。
【0027】
補助メモリ103には、後述するゲートウェイ10の処理S10をプロセッサ101に実行させるためのプログラムP10が格納されている。プロセッサ101は、補助メモリ103に格納されたプログラムP10を主メモリ102上に展開し、主メモリ102上に展開されたプログラムP10に含まれる各命令を実行することによって、処理S10に含まれる各ステップを実行する。また、補助メモリ103には、処理S10を実行するためにプロセッサ101が参照する各種データが格納されている。
【0028】
なお、ここでは、内部記憶媒体である補助メモリ103に格納されているプログラムP10に従ってプロセッサ101が処理S10を実行する形態について説明したが、これに限定されない。例えば、外部記録媒体に格納されているプログラムP10に従ってプロセッサ101が処理S10を実行する形態を採用してもよい。この場合、外部記録媒体としては、コンピュータが読み取り可能な「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、又はプログラマブル論理回路などを用いることができる。あるいは、通信インタフェース104または105を介して接続されるネットワーク上から取得したプログラムP10に従ってプロセッサ101が処理S10を実施する形態を採用してもよい。
【0029】
また、ここでは、単一のコンピュータを用いてゲートウェイ10を実現する形態について説明したが、これに限定されない。すなわち、互いに通信可能に構成された複数のコンピュータを用いてゲートウェイ10を実現する形態を採用してもよい。この場合、処理S10を構成する各ステップを、これらのコンピュータにより並列的に実行することが可能になる。
【0030】
(ゲートウェイ10の機能の概要)
ゲートウェイ10は、各コントローラPiから、設備Miの内的な状態を表す情報を取得する機能を有する。そのために、ゲートウェイ10は、各コントローラPiが対応する接続プロトコルにしたがって、当該コントローラPiとの間で情報の送受信を行う。
【0031】
また、ゲートウェイ10は、各センサCjから、設備Miの外的な状態を表す情報を取得する機能を有する。そのために、ゲートウェイ10は、センサ親機CPが対応する接続プロトコルにしたがって、センサ親機CPとの間で情報の送受信を行う。
【0032】
また、ゲートウェイ10は、各コントローラPiおよび各センサCjから、設備Miの内的な状態を表す情報および外的な状態を表す情報を取得し、取得した情報をサーバ20に送信する機能を有する。以降、これらの情報を取得することを、収集する、とも記載する。収集処理は、後述の収集設定データにしたがって実行される。
【0033】
(ゲートウェイ10に記憶される情報)
ゲートウェイ10は、補助メモリ103に、収集設定データを記憶する。収集設定データは、サーバ20から受信される。収集設定データの詳細については後述する。
【0034】
(サーバ20のハードウェア構成)
図3は、サーバ20のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ20は、コントローラ200と、通信インタフェース204とを含むコンピュータによって構成される。コントローラ200は、プロセッサ201と、主メモリ202と、補助メモリ203と、を含む。なお、主メモリ202および補助メモリ203は、本発明における、サーバが備えるメモリの一例である。また、通信インタフェース204は、本発明における、サーバが備える通信インタフェースの一例である。
【0035】
プロセッサ201、主メモリ202、補助メモリ203、および通信インタフェース204は、バス209を介して互いに接続されている。プロセッサ201としては、例えば、単一又は複数のマイクロプロセッサ、単一又は複数のデジタルシグナルプロセッサ、単一又は複数のマイクロコントローラ、又はこれらの組み合わせが用いられる。主メモリ202としては、例えば、単一又は複数の半導体RAMが用いられる。補助メモリ203としては、例えば、単一又は複数のHDD、単一又は複数のSSD、又はこれらの組み合わせが用いられる。また、補助メモリ203の一部又は全部は、通信インタフェース204を介して接続されたネットワーク上のストレージであってもよい。通信インタフェース204は、WAN1001に接続する。
【0036】
補助メモリ203には、後述するサーバ20の処理S20_1、S20_2をプロセッサ201に実行させるためのプログラムP20_1、P20_2が格納されている。プロセッサ201は、補助メモリ203に格納されたプログラムP20_1、P20_2を主メモリ202上に展開し、主メモリ202上に展開されたプログラムP20_1、P20_2に含まれる各命令を実行する。これによって、プロセッサ201は、処理S20_1、S20_2に含まれる各ステップを実行する。また、補助メモリ203には、処理S20_1、S20_2を実行するためにプロセッサ201が参照する各種データが格納されている。
【0037】
通信インタフェース204は、WAN1001を介してゲートウェイ10および端末30に接続される。
【0038】
なお、ここでは、内部記憶媒体である補助メモリ203に格納されているプログラムP20_1、P20_2に従ってプロセッサ201が処理S20_1、S20_2を実行する形態について説明したが、これに限定されない。すなわち、外部記録媒体に格納されているプログラムP20_1、P20_2に従ってプロセッサ201が処理S20_1、S20_2を実行する形態を採用してもよい。この場合、外部記録媒体としては、コンピュータが読み取り可能な「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、又はプログラマブル論理回路などを用いることができる。あるいは、通信インタフェース204を介して接続されるネットワーク上から取得したプログラムP20_1、P20_2に従ってプロセッサ201が処理S20_1、S20_2を実施する形態を採用してもよい。
【0039】
また、ここでは、単一のコンピュータを用いてサーバ20を実現する形態について説明したが、これに限定されない。すなわち、互いに通信可能に構成された複数のコンピュータを用いてサーバ20を実現する形態を採用してもよい。この場合、処理S20_1、S20_2を構成する各ステップを、これらのコンピュータにより並列的に実行することが可能になる。
【0040】
(サーバ20の機能の概要)
サーバ20は、各設備Miについて収集した内的な状態を表す情報および外的な状態を表す情報を蓄積する機能を有する。
【0041】
また、サーバ20は、各設備Miの内的な状態を表す情報および外的な状態を表す情報を統合して出力する機能を有する。統合して出力するとは、設備Miの内的な状態を表す情報および外的な状態を表す情報に関する統計情報を出力することであってもよい。また、統合して出力するとは、設備Miの内的な状態を表す情報および外的な状態を表す情報を、同一画面に含まれるよう出力することであってもよい。統合して出力する一例として、設備Miの内的な状態を表す情報に基づくアラームの出力回数および外的な状態を表す情報に基づくアラームの出力回数の合計数を出力することが挙げられる。統合して出力する他の一例として、設備Miの内的な状態を表す情報および外的な状態を表す情報の時間変化をそれぞれ表すグラフを、共通の時間軸で重畳表示することが挙げられる。また、統合して出力する他の一例としては、設備Miの内的な状態を表す情報および外的な状態を表す情報を、設備Miの外観画像に、各状態に対応する位置で重畳することが挙げられる。これらの例の具体例については後述する。
【0042】
また、サーバ20は、各設備Miについて、後述する保全アラームが出力される傾向、および、後述する設備アラームが出力される傾向を出力する機能を有する。なお、保全アラームまたは設備アラームが出力されるとは、出力装置に出力されることであってもよいし、所定の連絡先宛て(例えば、メールアドレス、電話番号等)に所定の通信手段(例えば、メール、電話、ファクシミリ等)で送信されることであってもよい。また、各アラームが出力される傾向は、一例として、出力回数の合計数等といった統計情報、アラームが出力される原因となる物理量の時間変化等によって表されるが、これらに限られない。以降、アラームが出力される傾向を、アラームの発生傾向とも記載する。
【0043】
また、サーバ20は、各設備Miについてどのような内的な状態を表す情報および外的な状態を表す情報を収集するかを表す収集設定データを取得する機能を有する。
【0044】
また、サーバ20は、各設備Miについて、設備Miの状態を判定する判定条件と、保全アラームおよび設備アラームの何れかを示す種別とを関連付けたアラーム設定データを取得する機能を有する。以降、種別「保全アラーム」に関連付けられた判定条件を、保全アラームの判定条件、とも記載する。保全アラームの判定条件は、本発明における第1条件に相当する。また、種別「設備アラーム」に関連付けられた判定条件を、設備アラームの判定条件、とも記載する。設備アラームの判定条件は、本発明における第2条件に相当する。
【0045】
(保全アラーム)
ここで、保全アラームとは、設備Miのメンテナンスを促すアラームである。保全アラームは、本発明における第1アラームに相当する。具体的には、保全アラームは、設備の異常には関わらないメンテナンスが推奨されることを示す。設備の異常に関わらないメンテナンスの一例としては、部品の調整、交換、消耗品の補充等が挙げられるが、これらに限られない。保全アラームは、設備Miをメンテナンスする合図としての役割を有する。
【0046】
例えば、鋳造施設の造型機における保全アラームの具体例を以下に示す。ライナの使用時間が閾値を超過したことを示す保全アラームは、ライナの点検または交換を促すためのアラームである。また、消耗品の残量が閾値を下回ったことを示す保全アラームは、消耗品の補充を促すためのアラームである。また、軸受に対する給油脂の周期が閾値を超過したことを示す保全アラームは、点検または給油脂を促すためのアラームである。また、モータの負荷電流値の傾向が異常であることを示す保全アラームは、点検またはモータの交換を促すためのアラームである。
【0047】
また、保全アラームの判定条件として、設備Miの状態が、メンテナンスが推奨される状態であるか否かを判定する条件が定められる。保全アラームの判定条件の一例としては、運転経過時間が閾値を超える、消耗品の残量を示すセンサ値が閾値を下回る、等が挙げられるが、これらに限られない。サーバ20は、設備Miの状態を表す情報が保全アラームの判定条件を満たすと、保全アラームを出力するとともに、補助メモリ203に記憶する。
【0048】
また、保全アラームは、メンテナンスの必要性に応じて、段階的に出力されてもよい。換言すると、保全アラームの判定条件は、メンテナンスの必要性に応じて段階的に定められてもよい。なお、保全アラームの段階数は、1(換言すると、段階が設定されない)であってもよいし、複数であってもよい。
【0049】
また、例えば、保全アラームは、保全アラームの判定条件が満たされたか否かに関わらず、所定のタイミングで出力されてもよい。所定のタイミングとしては、事前に定められたスケジュールに基づくタイミング、定期的なタイミング、入力操作によって指示されたタイミング等が挙げられる。例えば、定期的に保全アラームが出力されることにより、ユーザに、定期メンテナンスを促すことができる。また、入力操作により指示されたタイミングで保全アラームが出力されることにより、ユーザに臨時メンテナンスを促すことができる。
【0050】
(設備アラーム)
設備アラームとは、設備Miにおける異常の発生または異常の予兆を示すアラームである。設備アラームは、本発明における第2アラームに相当する。ここで、設備Miは、当該設備Miに異常を示す事象が発生した場合に、当該設備Miが故障に至らないよう停止する機能を有している。設備アラームは、そのような設備Miが停止したこと(異常)、または、停止に至る事象が発生したこと(予兆)を示す。設備アラームは、設備Miにおける異常の発生を報知する役割、または、異常が発生する前段階での警告を報知する役割を有する。
【0051】
例えば、鋳造施設の造型機における設備アラームの具体例を以下に示す。モータのサーマルトリップ異常またはその予兆を示す設備アラームによって、異物除去またはモータ交換が必要となる。また、シリンダの上昇端の異常またはその予兆を示す設備アラームによって、異物除去または給油脂が必要となる。また、ベルトスリップまたはその予兆を示す設備アラームによって、ベルトのテンション調整が必要となる。また、フィルタの異常またはその予兆を示す設備アラームによって、フィルタ交換が必要となる。
【0052】
設備アラームの判定条件としては、設備Miの状態が、異常または異常の予兆を示すことを判定する条件が定められる。設備アラームの判定条件の一例としては、設備Miの所定部分の温度が閾値を超える(または、下回る)、設備Mi内部を流れる流体の流量が閾値を超える(または、下回る)等が挙げられるが、これらに限られない。サーバ20は、設備Miの状態を表す情報が設備アラームの判定条件を満たすと、設備アラームを出力するとともに、補助メモリ203に記憶する。
【0053】
また、設備アラームは、設備に異常が発生する可能性に応じて、段階的に出力されてもよい。例えば、設備Miの異常を示す物理量が閾値α1を超えると、当該設備Miが停止することを想定する。この場合、設備アラームの判定条件として、当該物理量がα1を超えるとの条件と、α1より小さいα2を超えるとの条件とが定められるとする。このとき、当該物理量が閾値α2を超えると出力される設備アラームは、当該設備Miの異常の予兆を示す。また、当該物理量が閾値α1を超えると出力される設備アラームは、当該設備Miの異常を示す。なお、設備アラームの段階数は、1(換言すると、段階が設定されない)であってもよいし、複数であってもよい。
【0054】
(サーバ20に記憶される情報)
サーバ20は、補助メモリ203に、製造ライン9の構成に関する構成データと、収集設定データと、アラーム設定データとを記憶する。収集設定データおよびアラーム設定データの詳細については後述する。ここでは、構成データの具体例について説明する。
【0055】
図4は、製造ライン9の構成データの一例を示す図である。構成データは、各設備Miに関する情報と、各センサCjに関する情報とを含む。
【0056】
図4(a)に示す各行は、設備Miに関する情報を表している。各設備Miに関する情報は、当該設備Miの識別情報「設備名」と、内蔵されるコントローラPiのネットワークアドレスと、当該コントローラPiが対応する接続プロトコルと、当該設備Miの部品の識別情報「部品名」と、関連ファイル1および関連ファイル2の識別情報とを含む。この例では、例えば、設備M1に内蔵されるコントローラPiのネットワークアドレスは「アドレス1」であり、対応する接続プロトコルは「プロトコルA」である。また、設備M1には、部品A、部品Bが含まれる。また、設備M1の関連ファイル1としてマニュアルAが登録され、関連ファイル2として外観画像Aが登録されている。
【0057】
図4(b)に示す各行は、センサCjに関する情報を表している。各センサCjに関する情報は、当該センサCjの識別情報「センサ名」と、当該センサCjが接続するセンサ親機CPのネットワークアドレスと、当該センサ親機CPが対応する接続プロトコルとを含む。この例では、例えば、センサC1は、ネットワークアドレス「アドレス10」のセンサ親機CPに接続される。また、当該センサ親機CPが対応する接続プロトコルは、「プロトコルC」である。
【0058】
なお、製造ライン9の構成データは、
図4(a)および(b)に示した情報に限らず、他の情報を含んでいてもよい。
【0059】
(端末30のハードウェア構成)
図5は、端末30のハードウェア構成を示すブロック図である。端末30は、プロセッサ301と、主メモリ302と、補助メモリ303と、通信インタフェース304と、入出力インタフェース305とを有するコンピュータによって構成される。
【0060】
プロセッサ301、主メモリ302、補助メモリ303、通信インタフェース304、および入出力インタフェース305は、バス309を介して互いに接続されている。プロセッサ301としては、例えば、単一又は複数のマイクロプロセッサ、単一又は複数のデジタルシグナルプロセッサ、単一又は複数のマイクロコントローラ、又はこれらの組み合わせが用いられる。主メモリ302としては、例えば、単一又は複数の半導体RAMが用いられる。補助メモリ303としては、例えば、単一又は複数のHDD、単一又は複数のSSD、又はこれらの組み合わせが用いられる。また、補助メモリ303の一部又は全部は、通信インタフェース304または305を介して接続されたネットワーク上のストレージであってもよい。通信インタフェース304は、WAN1001に接続する。入出力インタフェース305としては、例えば、USB(Universal Serial Bus)インタフェース、赤外線やBluetooth(登録商標)等の近距離通信インタフェース、又はこれらの組み合わせが用いられる。
【0061】
入出力インタフェース305には、入力装置310および出力装置320が接続される。入力装置310としては、例えば、キーボード、マウス、タッチパッド、マイク、又はこれらの組み合わせ等が用いられる。出力装置320としては、例えば、ディスプレイ、プリンタ、スピーカ、又はこれらの組み合わせが用いられる。例えば、端末30は、ノート型コンピュータ等のように、入力装置310として機能するキーボートおよびタッチパッド、並びに、出力装置320として機能するディスプレイを内蔵していてもよい。また、端末30は、スマートフォン、タブレット等のように、入力装置310および出力装置320として機能するタッチパネルを内蔵していてもよい。
【0062】
補助メモリ303には、端末30の処理をプロセッサ301に実行させるためのプログラムP30が格納されている。プロセッサ301は、補助メモリ303に格納されたプログラムP30を主メモリ302上に展開し、主メモリ302上に展開されたプログラムP30に含まれる各命令を実行する。また、補助メモリ303には、端末30の処理を実行するためにプロセッサ301が参照する各種データが格納されている。
【0063】
なお、ここでは、内部記憶媒体である補助メモリ303に格納されているプログラムP30に従ってプロセッサ301が動作する形態について説明したが、これに限定されない。例えば、外部記録媒体に格納されているプログラムP30に従ってプロセッサ301が動作する形態を採用してもよい。この場合、外部記録媒体としては、コンピュータが読み取り可能な「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、又はプログラマブル論理回路などを用いることができる。あるいは、通信インタフェース304または305を介して接続されるネットワーク上から取得したプログラムP30に従ってプロセッサ301が動作する形態を採用してもよい。
【0064】
また、ここでは、単一のコンピュータを用いて端末30を実現する形態について説明したが、これに限定されない。すなわち、互いに通信可能に構成された複数のコンピュータを用いて端末30を実現する形態を採用してもよい。
【0065】
(端末30の機能の概要)
端末30は、設備Miの内的な状態を表す情報および外的な状態を表す情報が統合された情報をサーバ20から受信し、出力装置320に出力する機能を有する。また、端末30は、収集設定データおよびアラーム設定データを設定するための情報を入力装置310から取得し、サーバ20に送信する機能を有する。
【0066】
<情報処理システムが実行する処理の流れ>
以上のように構成される情報処理システム1が実行する処理の流れについて説明する。
【0067】
(各設備Miの状態を表す情報を収集・表示する処理)
図6は、情報処理システム1が、各設備Miの状態を表す情報を収集し、統合して表示する処理の流れを説明するフローチャートである。
図6において、左図はサーバの処理S20_1を示し、右図はゲートウェイの処理S10を示し、左右を結ぶ破線の矢印は、データの流れを示す。
【0068】
ステップS101において、サーバ20は、収集設定データを取得する処理を実行する。一例として、収集設定データは、コントローラPiから受信すべき内的な状態を表す情報の識別情報と、当該情報を受信すべきタイミングとを含む。また、一例として、収集設定データは、センサCjから受信すべき外的な状態を表す情報の識別情報と、当該情報を取得すべきタイミングとを含む。取得すべきタイミングは、例えば、1秒間隔、10秒間隔等といった、所定間隔を表す情報によって表される。
【0069】
また、収集設定データは、ユーザによって入力される情報に基づいて設定される。例えば、サーバ20は、端末30に収集設定データの設定画面を送信し、端末30は、出力装置320としてのディスプレイに当該設定画面を表示する。また、端末30は、入力装置310を介して設定画面に対して入力される情報をサーバ20に送信し、サーバ20は、受信した情報に基づいて収集設定データを取得する。収集設定データおよびその設定画面の具体例については詳細を後述する。
【0070】
ステップS102において、サーバ20は、収集設定データを、ゲートウェイ10に送信する。
【0071】
ステップS103において、ゲートウェイ10は、受信した収集設定データを、補助メモリ103に記憶する。
【0072】
ステップS104において、サーバ20は、収集開始を指示する情報を、ゲートウェイ10に送信する。ゲートウェイ10は、収集設定データにしたがって、各コントローラPiおよび各センサCjからの情報の収集を開始する。
【0073】
ステップS105において、ゲートウェイ10は、収集設定データにしたがって、各コントローラPiから、当該コントローラPiによって取得される設備Miの内的な状態を表す情報を受信する。受信した情報は、受信日時に関連付けて補助メモリ103に記憶される。本ステップの処理の詳細については後述する。
【0074】
ステップS106において、ゲートウェイ10は、収集設定データにしたがって、センサ親機CPを介して、各センサCjによって計測される設備Miの外的な状態を表す情報を受信する。受信した情報は、受信日時に関連付けて補助メモリ103に記憶される。本ステップの処理の詳細については後述する。
【0075】
ステップS107において、ゲートウェイ10は、各設備Miの内的な状態を表す情報および外的な状態を表す情報を、サーバ20に送信するタイミングであるか否かを判断する。例えば、ゲートウェイ10は、前回送信したタイミングから所定期間(例えば、1分、5分等)が経過した場合に、当該タイミングであると判断してもよい。また、例えば、ゲートウェイ10は、前回の送信タイミング以降にステップS105およびS106で補助メモリ103に記憶された情報の容量が所定量を超えた場合に、当該タイミングであると判断してもよい。なお、ゲートウェイ10は、その他の条件が満たされた場合に、当該タイミングであると判断してもよい。ステップS107でNoの場合、ステップS105からの処理が繰り返される。ステップS107でYesの場合、次のステップS108の処理が実行される。
【0076】
ステップS108において、ゲートウェイ10は、各設備Miの内的な状態を表す情報および外的な状態を表す情報を、サーバ20に送信する処理を実行する。送信する情報は、前回当該ステップの処理を実行後、ステップS105およびS106において補助メモリ103に記憶された情報である。
【0077】
ステップS109において、サーバ20は、ゲートウェイ10から受信した、各設備Miの内的な状態を表す情報および外的な状態を表す情報を、受信日時に関連付けて補助メモリ203に記憶する。
【0078】
ステップS110において、サーバ20は、各設備Miについて、補助メモリ203に記憶された内的な状態を表す情報および外的な状態を表す情報を、統合して出力する処理を実行する。このとき、サーバ20は、補助メモリ203に記憶された内的な状態を表す情報および外的な状態を表す情報を、受信日時に基づいて統合してもよい。例えば、受信日時に基づいて統合する例としては、所定期間(例として、過去の1日間、1週間等)に受信された内的な状態を表す情報および外的な状態を表す情報の統計情報を出力する処理が挙げられる。また、他の例としては、時間変化をグラフ化して共通の時間軸で重畳表示する処理が挙げられる。また、他の例としては、時系列順に一覧表示する処理が挙げられる。ただし、受信日時に基づいて統合する例は、これらに限られない。
【0079】
なお、ステップS110の処理は、ステップS109が実行される度に続けて実行されなくてよい。具体的には、ステップS109の処理は、ゲートウェイ10から各設備Miの内的な状態を表す情報および外的な状態を表す情報が受信される度に実行される。これにより、補助メモリ203に、各設備Miの内的な状態を表す情報および外的な状態を表す情報が蓄積される。また、ステップS110の処理は、所定のタイミングで、補助メモリ203に蓄積された情報に基づいて実行される。所定のタイミングとは、例えば、所定間隔(例えば、5分毎)等であってもよいし、端末30から要求されたタイミングであってもよいし、その他の条件を満たすタイミングであってもよい。
【0080】
ステップS111において、サーバ20は、収集を停止する条件が満たされたか否かに基づいて、収集を停止するか否かを判断する。例えば、サーバ20は、端末30から、収集設定データの再設定を要求する情報を受信した場合、収集を停止すると判断する。また、サーバ20は、製造ライン9が稼動していないとの情報を受信した場合、収集を停止すると判断する。ステップS111でNoの場合、ステップS109からの処理が繰り返される。ステップS111でYesの場合、次のステップS112の処理が実行される。
【0081】
ステップS112において、サーバ20は、収集の停止を指示する情報を、ゲートウェイ10に送信する。
【0082】
ステップS113において、ゲートウェイ10は、収集の停止を指示する情報を受信したか否かを判断する。ステップS113でNoの場合、ゲートウェイ10は、ステップS105からの処理を繰り返す。ステップS113でYesの場合、ゲートウェイ10は、ステップS103からの処理を繰り返す。
【0083】
(ステップS101において表示される画面の具体例)
ステップS101において表示される収集設定データの設定画面について、具体例を用いて説明する。ここでは、ステップS101で、設定画面G1および設定画面G2が表示される例について説明する。設定画面G1は、内的な状態を表す情報に関する設定を受け付ける画面である。設定画面G2は、外的な状態を表す情報に関する設定を受け付ける画面である。
【0084】
なお、この具体例では、n個の設備Miについて収集対象となる内的な状態を表す情報および外的な状態を表す情報の各々は、「タグ」と呼ばれる識別情報によって識別される。以降、当該タグによって識別される情報について収集されたデータを、当該タグの収集データとも記載する。
【0085】
図7(a)は、設定画面G1の一例を示す図である。設定画面G1は、設備名、タグ名、デバイス名、単位変換、単位、収集周期をそれぞれ入力可能なフィールドG101~G106と、登録ボタン
G112と、戻るボタン
G111とを含む。なお、各フィールドG101~G106には、選択リストの表示、入力文字種の制限などといった、入力支援機能が付帯していてもよい。
【0086】
設備名のフィールドG101は、製造ライン9の構成データに含まれる何れかの設備Miの識別情報が入力されるUIオブジェクトである。本実施形態では、設備Miに1つのコントローラPiが内蔵されることとしているため、設備Miの識別情報が入力されることにより、内的な状態を表す情報を収集すべきコントローラPiが特定される。
【0087】
タグ名のフィールドG102は、当該設備Miから収集する情報の識別情報が入力されるUIオブジェクトである。
【0088】
デバイス名のフィールドG103は、コントローラPiにおいて、当該内的な状態を表す情報が格納されるデバイスの識別情報が入力されるUIオブジェクトである。
【0089】
単位変換のフィールドG104は、当該デバイスから収集される情報の単位を他の単位に変換する変換ルールが入力されるUIオブジェクトである。変換ルールは、例えば、計算式で表される。
【0090】
単位のフィールドG105は、変換ルールにより単位変換された後の単位を表す情報が入力されるUIオブジェクトである。
【0091】
収集周期のフィールドG106は、当該内的な状態を表す情報を収集する周期が入力されるUIオブジェクトである。例えば、収集周期は、秒、分、時間等の単位で入力可能であってもよい。
【0092】
設定画面G1は、端末30からの要求にしたがって、サーバ20から端末30に送信され、出力装置320としてのディスプレイに表示される。設定画面G1において入力装置310から入力された情報は、登録ボタンG112に対する操作に応答して、端末30からサーバ20に送信され、内的な状態を表す情報の設定データとして、補助メモリ203に記憶される。当該設定データに基づいて、サーバ20からゲートウェイ10に送信される収集設定データが生成される。なお、戻るボタンG111に対する操作が受け付けられた場合は、設定画面G1において入力された情報がサーバ20に送信されることなく、設定画面G1の表示が終了する。
【0093】
図7(b)は、補助メモリ203に記憶された、内的な状態を表す情報の設定データの一例を示す図である。この例では、例えば、識別情報「タグT11」に関連付けて設定された情報は、以下の通りである。すなわち、当該設定された情報は、設備M1に内蔵されるコントローラP1から、デバイス「データレジスタD01」に格納された値を、収集周期30秒で収集し、収集した値を計算式1により単位変換して単位1で表される値にすることを表す。タグT12、T13、T14についても、同様に説明される。なお、以降、コントローラPiから収集される内的な状態を表す情報のタグには、T1k(k=1,2,3・・・)の参照符号を付して説明する。
【0094】
図8(a)は、設定画面G2の一例を示す図である。設定画面G2は、設備名、タグ名、センサ名、単位変換、単位、収集周期をそれぞれ入力可能なフィールドG201~G206と、登録ボタン
G212と、戻るボタン
G211とを含む。各フィールドG201~G206には、設定画面G1と同様、上述した入力支援機能が付帯していてもよい。
【0095】
設備名、タグ名、単位変換、単位および収集周期の各フィールドG201~G202、G204~G206については、設定画面G1に含まれる同名のフィールドと同様であるため、説明を省略する。
【0096】
センサ名のフィールドG203は、製造ライン9の構成データに含まれる何れかのセンサCjの識別情報が入力されるUIオブジェクトである。本実施形態では、当該設定画面G2において、設備Miの識別情報およびセンサCjの識別情報が入力されることにより、設備MiにセンサCjが付帯するものとして登録される。
【0097】
設定画面G2は、端末30からの要求にしたがって、サーバ20から端末30に送信され、出力装置320としてのディスプレイに表示される。設定画面G2において入力装置310から入力された情報は、登録ボタンG212に対する操作に応答して、端末30からサーバ20に送信され、外的な状態を表す情報の設定データとして、補助メモリ203に記憶される。当該設定データに基づいて、サーバ20からゲートウェイ10に送信される収集設定データが生成される。なお、戻るボタンG211に対する操作が受け付けられた場合は、設定画面G1において入力された情報がサーバ20に送信されることなく、設定画面G1の表示が終了する。
【0098】
図8(b)は、補助メモリ203に記憶された、外的な状態を表す情報の設定データの一例を示す図である。この例では、例えば、識別情報「タグT21」に関連付けて、設備M1に付帯する「センサC1」によって計測された値を、収集周期1秒で収集し、収集した値を計算式4により単位変換して単位4で表される値とすることが設定されている。タグT22、T23についても、同様に説明される。なお、以降、センサCjから収集される外的な状態を表す情報のタグには、T2k(k=1,2,3・・・)の参照符号を付して説明する。
【0099】
(ステップS102で送信される情報の具体例)
図9は、ステップS102でサーバ20からゲートウェイ10に送信される、収集設定データの具体例を示す図である。
図9において、収集設定データは、タグ名と、ネットワークアドレスと、デバイス名またはセンサ名と、接続プロトコルと、単位変換と、収集周期との情報を含む。当該収集設定データは、
図7(b)および
図8(b)にそれぞれ示した設定データに基づいて生成される。ここで、
図7(b)および
図8(b)にそれぞれ示した設定データには、例えば「ネットワークアドレス」のように収集処理に必要な情報と、例えば「単位」のように表示処理に必要な情報とが含まれる。そこで、サーバ20は、
図7(b)および
図8(b)にそれぞれ示した設定データから、収集処理に必要な情報を抽出して
図9に示す収集設定データを生成し、ゲートウェイ10に送信する。
【0100】
ゲートウェイ10は、例えば、当該収集設定データの1行目にしたがって、アドレス1のコントローラPiとプロトコルAで通信し、そのデータレジスタD01の情報を30秒毎に収集する。そして、ゲートウェイ10は、収集した情報を計算式1で単位変換した情報を、タグT11の収集データとして、収集日時に関連付けて補助メモリ103に保存する。同様にして、ゲートウェイ10は、タグT12~T14、T21~T23の収集データおよび収集日時を補助メモリ103に保存する。そして、ゲートウェイ10は、所定の送信タイミングで、補助メモリ103に保存したタグT11~T14、T21~T23の収集データおよび収集日時を、サーバ20に送信する。
【0101】
(ステップS105における処理の詳細)
ステップS105における処理の詳細について説明する。
図10は、ステップS105における、内的な状態を表す情報を収集する処理の詳細な流れの具体例を示すフローチャートである。
図10において、左図は、ゲートウェイ10の動作を示し、右図は、コントローラPiの動作を示す。また、左右を結ぶ破線の矢印は、データの流れを示す。
【0102】
ゲートウェイ10は、サーバ20から受信した収集設定データのうち、コントローラPiのネットワークアドレスに関連付けられた各タグについて、ステップS131~S134の動作を実行する。
【0103】
ステップS131において、ゲートウェイ10は、収集設定データを参照し、当該タグに関連付けられた収集周期であるか否かを判断する。ステップS131でNoの場合、当該タグに関する処理を終了する。ステップS131でYesの場合、次のステップS132の処理が実行される。
【0104】
ステップS132において、ゲートウェイ10は、収集設定データを参照し、設備Miの内的な状態を表す情報が格納されたデバイスを指定する情報を、該当するネットワークアドレスのコントローラPiに送信する。
【0105】
ステップS133において、指定されたデバイスに格納されたデータが読み出され、ゲートウェイ10に対して送信される。
【0106】
ステップS134において、ゲートウェイ10は、受信した情報を、当該タグの識別情報および収集日時に関連付けて、補助メモリ103に記憶する。
【0107】
該当する各タグについてステップS131~S134の処理を終了すると、ゲートウェイ10は、再度、該当する各タグについてステップS131~S134の処理を繰り返す。
【0108】
(ステップS106における処理の詳細)
ステップS106における処理の詳細について説明する。
図11は、ステップS106における、外的な状態を表す情報を収集する処理の詳細な流れの具体例を示すフローチャートである。
図11において、左図は、ゲートウェイ10の動作を示し、中央の図は、センサ親機CPの動作を示し、右図は、センサの動作を示す。また、左右を結ぶ破線の矢印は、データの流れを示す。
【0109】
ゲートウェイ10は、サーバ20から受信した、収集設定データのうち、センサ親機CPのネットワークアドレスに関連付けられた各タグについて、ステップS141~S146の動作を実行する。
【0110】
ステップS141において、ゲートウェイ10は、収集設定データを参照し、当該タグに関連付けられた収集周期であるか否かを判断する。ステップS141でNoの場合、当該タグに関する処理を終了する。ステップS141でYesの場合、次のステップS142の処理が実行される。
【0111】
ステップS142において、ゲートウェイ10は、設備Miの外的な状態を表す情報として、センサ親機CPに対して、当該タグが示すセンサCjによって計測された情報を要求する。
【0112】
ステップS143において、センサ親機CPは、要求されたセンサCjに対して、計測した情報を要求する。なお、本ステップの処理は、該当するセンサCjが、センサ親機CPからの要求に応じて計測した情報を送信するタイプである場合に実行される。該当するセンサCjが、所定周期毎に情報を計測してセンサ親機CPに送信するタイプ、または、所定条件を満たす情報を計測するとセンサ親機CPに送信するタイプである場合、本ステップの処理は省略される。
【0113】
ステップS144において、当該センサCjは、計測した情報をセンサ親機CPに対して送信する。なお、本ステップの処理は、該当するセンサCjが、センサ親機CPからの要求に応じて計測した情報を送信するタイプである場合に、ステップS143における要求に応じて実行される。該当するセンサCjが、所定周期毎に情報を計測してセンサ親機CPに送信するタイプ、または、所定条件を満たす情報を計測するとセンサ親機CPに送信するタイプである場合、本ステップの処理は、それぞれの該当するタイミングで随時実行される。また、この場合、計測した情報は、センサ親機CPのメモリに蓄積される。
【0114】
ステップS145において、センサ親機CPは、センサCjによって計測された情報をゲートウェイ10に対して送信する。
【0115】
ステップS146において、ゲートウェイ10は、受信した情報を、当該タグの識別情報および収集日時に関連付けて、補助メモリ103に記憶する。
【0116】
該当する各タグについてステップS141~S146の処理を終了すると、ゲートウェイ10は、再度、該当する各タグについてステップS141~S146の処理を繰り返す。
【0117】
(ステップS110において表示される画面の具体例)
ステップS110において、出力装置320としてのディスプレイに表示される画面の具体例について説明する。
図12~
図16は、それぞれ、各設備Miについて内的な状態を表す情報および外的な状態を表す情報を統合した画面の具体例を示す図である。以降、内的な状態を表す情報および外的な状態を表す情報を統合した情報を、単に、統合した情報とも記載する。
【0118】
(メイン画面)
図12は、メイン画面G3を示す図であり、複数の設備Miの各々に関して統合した情報を含んでいる。当該メイン画面G3により、ユーザは、複数の設備Mi各々について統合された情報を一覧することができる。
【0119】
図12において、メイン画面G3は、エリアG301aと、エリアG301bと、エリアG301cと、エリアG301dとを含む。エリアG301aは、設備M1に関して統合した情報を含む。エリアG301bは、設備M2に関して統合した情報を含む。エリアG301cは、設備M3に関して統合した情報を含む。エリアG301dは、設備M4に関して統合した情報を含む。
【0120】
エリアG301aは、タグエリアG302aと、稼動状態エリアG303aと、設備アラームエリアG304aと、保全アラームエリアG305aと、ボタンG306aとを含む。エリアG301b~G301dの各々は、エリアG301aと同様に、タグエリアG302b~G302d、稼動状態エリアG303b~G303d、設備アラームエリアG304b~G304d、保全アラームエリアG305b~G305d、およびボタンG306b~G306dを含む。以降、添え字としてa~dの何れかを付した参照符号G301~G306を特に区別する必要がない場合には、単に、G301~G306とも記載する。
【0121】
タグエリアG302は、該当する設備Miについて収集されたタグの何れかの収集データが表示されるエリアである。この例では、例えば、タグエリアG302aには、タグT11について、67.8(℃)という収集データが表示されている。すなわち、タグエリアG302に表示されるタグは、設備Miの内的な状態を表す情報を表すタグまたは外的な状態を表す情報を表すタグである。
【0122】
また、タグエリアG302は、他のタグを選択するためのボタンG306を含む。ボタンG306に対する操作に応答して、該当する設備Miについて収集された他のタグの収集データが表示される。この例では、例えば、設備M4についてボタンG306dに対する操作が受け付けられることにより、設備M4について収集されたタグの選択リストが表示されている。選択リスト対する操作に応答して、タグエリアG302dの表示内容が、選択されたタグの収集データに変更される。
【0123】
稼動状態エリアG303は、該当する設備Miの稼動状態が表示されるエリアである。稼動状態は、設備Miについて収集された、設備Miの稼動状態を表すタグの履歴に基づいて表示される。この例では、設備Miの稼動状態を表すタグの収集データは、「稼動」、「待機」、「異常」、「停止」の何れかを示す。稼動状態を表すタグは、コントローラPiから収集される内的な状態を表す情報である。稼動状態エリアG303は、各稼動状態の割合の表示を含む。各稼動状態の割合は、所定期間における総稼働時間のうちの割合であってもよい。所定期間は、1日、1週間、1ヶ月等であってもよいが、これらに限られない。
【0124】
設備アラームエリアG304は、設備アラームの発生傾向が表示されるエリアである。当該発生傾向は、当該設備Miの状態を表す1または複数のタグの収集データが設備アラームの判定条件を満たした回数、すなわち、設備アラームの発生回数を緊急度別に合計した情報で表される。合計される回数は、所定時点で初期値にリセットされてもよい。所定時点とは、日、週、月の開始時点などであってもよいが、これらに限られない。また、発生傾向は、発生回数に限らず、各緊急度の発生割合など、その他の情報によって表されていてもよい。また、発生傾向は、グラフ等によってグラフィカルに表されていてもよい。
【0125】
また、設備アラームエリアG304は、当該設備Miについて、何れかのタグの直近の収集データが設備アラームの判定条件を満たしている場合には、当該設備アラームが発生中であることを表す情報を含む。この例では、設備M2の設備アラームエリアG304bには、設備M2の外的な状態を表すタグT24について、緊急度「警告」の設備アラームが発生中であることが表示されている。これは、タグT24の直近の収集データが、タグT24について設定された設備アラームのうち緊急度「警告」の判定条件を満たしていることを表している。
【0126】
保全アラームエリアG305の詳細は、設備アラームエリアG304の説明において設備アラームを保全アラームと読み替えることにより、同様に説明される。この例では、設備M1、M2、M4の保全アラームエリアG305a、305b、305dには、緊急度別に合計された保全アラームの発生回数が表示される。設備M3の保全アラームエリアG305cには、設備M3の内的な状態を表すタグT19について、緊急度「危険」の保全アラームが発生中であることを表している。
【0127】
このように、メイン画面G3では、タグエリアG302において、設備Miの内的な状態を表す情報を表すタグまたは外的な状態を表す情報を表すタグの収集データが表示される。また、設備アラームエリアG304では、設備Miの内的な状態を表すタグおよび外的な状態を表すタグについて設備アラームの判定条件が満たされた回数が、緊急度別に統合された発生傾向が表示される。保全アラームエリアG305についても同様である。
【0128】
このように、設備アラームエリアG304および保全アラームエリアG305は、本発明における「前記内的な状態を表す情報および前記外的な状態を表す情報を統合」した情報の一例として、以下の情報を含む。当該情報は、内的な状態が「異常」(または「警告」、「注意」)の状態となった回数と、外的な状態が「異常」(または「警告」、「注意」)となった回数の合計数を表す。
【0129】
また、設備アラームエリアG304および保全アラームエリアG305は、本発明における「設備に関するアラームが統合された情報」の一例として、上記合計数を表す情報を含んでいる。
【0130】
また、保全アラームエリアG305は、本発明における「第1アラームが出力される傾向」の一例として、保全アラームが出力された回数の合計を含んでいる。また、設備アラームエリアG304は、本発明における「第2アラームが出力される傾向」の一例として、設備アラームが出力された回数の合計を含んでいる。
【0131】
(グラフィックモニタ画面)
図13は、グラフィックモニタ画面G4を示す図であり、設備M1に関して統合した情報を含んでいる。当該グラフィックモニタ画面G4により、ユーザは、任意の設備Miについて収集された内的な状態を表す情報および外的な状態を表す情報が、設備Miの物理的な構造において取得された位置を一括して把握することができる。
【0132】
図13において、グラフィックモニタ画面G4は、選択ボタンG401と、画像G402と、タグラベルG405a~G405dと、を含む。以降、タグラベルG405a~G405dを区別する必要がない場合は、単にタグラベルG405とも記載する。
【0133】
画像G402は、設備M1の外観画像である。外観画像は、
図4に示した構成データにおいて登録されたものである。
【0134】
タグラベルG405は、設備M1に関するタグの収集データを表すラベルである。タグラベルG405は、画像G402に重畳して表示される。タグラベルG405の画像G402上における表示位置は、当該タグラベルG405が示すタグに関連付けて事前に補助メモリ203に記憶される。
【0135】
選択ボタンG401は、グラフィックモニタ画面G4に表示される設備Miを選択するためのボタンである。選択ボタンG401に対する操作に応答して、設備M1~Mnの一覧が選択リストとして表示される。そして、選択リストに対する操作に応答して、グラフィックモニタ画面G4の表示内容は、選択された設備Miに対応する表示内容に変更される。
【0136】
このように、グラフィックモニタ画面G4は、設備M1の内的な状態を表す情報に対応するタグT11およびT12と、設備M1の外的な状態を表す情報に対応するタグT21およびT22とをそれぞれ表すタグラベルG405a~G405dを含む。すなわち、グラフィックモニタ画面G4は、設備Miの内的な状態を表す情報、および外的な状態を表す情報を統合した情報を含んでいる。
【0137】
(計測値モニタ画面)
図14は、計測値モニタ画面G5を示す図であり、設備M1に関して統合した情報を含んでいる。当該計測値モニタ画面G5により、ユーザは、任意の設備Miについて収集された内的な状態を表す情報および外的な状態を表す情報の履歴を把握することができる。
【0138】
図14において、計測値モニタ画面G5は、選択ボタンG501と、表G502とを含む。
【0139】
表G502は、設備M1に関するタグT11、T12、T21、T22の収集データの履歴を示している。選択ボタンG501は、計測値モニタ画面G5に表示される設備Miを選択するためのボタンである。選択ボタンG501の詳細については、上述した選択ボタンG401と同様であるため、詳細な説明を繰り返さない。
【0140】
このように、計測値モニタ画面G5は、設備M1の内的な状態を表す情報を表すタグT11およびT12と、設備M1の外的な状態を表す情報を表すタグT21およびT22との履歴を含む。すなわち、計測値モニタ画面G5は、設備M1の内的な状態を表す情報および外的な状態を表す情報を統合した情報を含んでいる。
【0141】
(グラフモニタ画面)
図15は、グラフモニタ画面G6を示す図であり、設備M1に関して統合した情報を含んでいる。当該グラフモニタ画面G6により、ユーザは、任意の設備Miについて収集された内的な状態を表す情報および外的な状態を表す情報の変化をグラフィカルに把握することができる。
【0142】
図15において、グラフモニタ画面G6は、選択ボタンG601と、グラフエリアG602と、データ選択ボタンG606とを含む。
【0143】
グラフエリアG602は、設備M1に関するタグT11、T21、T22の値の変化を表すグラフを含んでいる。グラフの横軸は時間の経過を表す。
【0144】
データ選択ボタンG606は、グラフエリアG602に表示するタグを選択するためのボタンである。データ選択ボタンG606が操作されることにより、設備M1に関するタグの一覧が選択リストとして表示される。選択リストからは、1または複数のタグが選択可能である。選択リストに対する操作に応答して、グラフエリアG602に表示されたタグT11、T21、T22のグラフは、選択されたタグのグラフに変更される。
【0145】
選択ボタンG601は、グラフモニタ画面G6に表示される設備Miを選択するためのボタンである。選択ボタンG601の詳細については、上述した選択ボタンG401と同様であるため、詳細な説明を繰り返さない。
【0146】
このように、グラフモニタ画面G6は、設備M1の内的な状態を表す情報を表すタグT11と、設備M1の外的な状態を表す情報を表すタグT21、T22との各々の変化を表すグラフを含む。すなわち、グラフモニタ画面G6は、設備M1の内的な状態を表す情報および外的な状態を表す情報を統合した情報を含んでいる。
【0147】
(稼動モニタ画面)
図16は、稼動モニタ画面G7を示す図であり、設備M1に関する稼動状況を表す情報を含んでいる。当該稼動モニタ画面G7により、ユーザは、任意の設備Miの稼動状況の履歴をグラフィカルに把握することができる。
【0148】
図16において、稼動モニタ画面G7は、選択ボタンG701と、稼動状況エリア
G706とを含む。
【0149】
稼動状況エリアG706は、設備M1に関する日別の稼動状況を表す棒グラフを含んでいる。棒グラフは、当該日付における稼動状態「稼動」、「異常」、「待機」、「停止」の割合を表している。選択ボタンG701は、稼動モニタ画面G7に表示される設備Miを選択するためのボタンである。選択ボタンG701の詳細については、上述した選択ボタンG401と同様であるため、詳細な説明を繰り返さない。
【0150】
(アラームの発生傾向を出力する処理)
図17は、サーバ20が、保全アラームおよび設備アラームの発生傾向を表示する処理S20_2の流れを説明するフローチャートである。
【0151】
ステップS201において、サーバ20は、ユーザによって入力装置310を介して入力される情報に基づいて、アラーム設定データを取得する。アラーム設定データは、設備の状態を判定する判定条件と、保全アラームおよび設備アラームの何れかを示す種別とを関連付けたアラームルールからなる。アラーム設定データは、補助メモリ203に記憶される。
【0152】
一例として、判定条件は、収集データが閾値以上である、閾値以下である、オンからオフに変化した、オフからオンに変化した等であってもよいが、これらに限られない。また、判定条件は、さらに、当該条件を満たしたと連続して判定された回数が閾値を超えることを含んでいてもよい。
【0153】
ステップS202において、サーバ20は、ゲートウェイ10から、各設備Miの内的な状態を表す情報、外的な状態を表す情報、またはその両方の収集データを受信する。本ステップの処理は、
図6に示したステップS108におけるゲートウェイ10からの送信処理に応じて実行される。
【0154】
ステップS203において、サーバ20は、アラーム設定データを参照し、受信した収集データのうち、保全アラームの判定条件を満たすものがあるか否かを判断する。ステップS203でNoの場合、後述するステップS205の処理が実行される。ステップS203でYesの場合、次のステップS204の処理が実行される。
【0155】
ステップS204において、サーバ20は、保全アラームを出力する。保全アラームは、例えば、タグ名と、判定条件を満たした収集データと、当該判定条件の内容とを含む。また、サーバ20は、保全アラームを、収集日時と関連付けて補助メモリ203に記憶する。
【0156】
ステップS205において、サーバ20は、アラーム設定データを参照し、受信した収集データのうち、設備アラームの判定条件を満たすものがあるか否かを判断する。ステップS205でNoの場合、後述するステップS207の処理が実行される。ステップS205でYesの場合、次のステップS206の処理が実行される。
【0157】
ステップS206において、サーバ20は、設備アラームを出力する。設備アラームは、例えば、タグ名と、判定条件を満たした収集データと、当該判定条件の内容とを含む。また、サーバ20は、設備アラームを、収集日時と関連付けて補助メモリ203に記憶する。
【0158】
ステップS207において、サーバ20は、補助メモリ203に記憶された、保全アラームおよび設備アラームに基づいて、保全アラームの発生傾向および設備アラームの発生傾向を、各設備Miについて区別して認識可能な態様で出力する。
【0159】
(ステップS201において表示される画面の具体例)
図18は、ステップS201において、出力装置320としてのディスプレイに表示される設定画面G8の具体例を示す図である。設定画面G8は、設備Miに関するアラームルールを設定するための入力操作を受け付ける。設定画面G8は、設備名、タグ名をそれぞれ入力可能なフィールドG801、G802と、ルール種別を設定する領域G803と、判定条件を設定する領域G804a~G804cと、登録ボタン
G812と、戻るボタン
G811とを含む。なお、この例では、1つのタグ、すなわち、各設備Miの1種類の内的または外的な状態を表す情報について、3つまでの判定条件を設定できるものとしているが、各タグについて設定可能な判定条件の個数は、1または2であってもよいし、4以上であってもよい。
【0160】
設備名のフィールドG801は、製造ライン9の構成データに含まれる何れかの設備Miの識別情報が入力されるUIオブジェクトである。
【0161】
タグ名のフィールドG802は、収集設定データに含まれる何れかのタグ名が入力されるUIオブジェクトである。
【0162】
ルール種別を設定する領域G803は、ルール種別を選択する1組のラジオボタンG803aと、部品名を入力可能なフィールドG803bとを含む。
【0163】
ラジオボタンG803aは、設備アラームまたは保全アラームの種別を択一で選択させるUIオブジェクトである。
【0164】
部品名のフィールドG803bは、ルール種別として保全アラームが選択された場合に、保全アラームに係る部品名が入力されるUIオブジェクトである。入力される部品名は、製造ライン9の構成データにおいて、該当する設備Miの部品として登録された部品名である。
【0165】
判定条件を設定する領域G804aは、当該タグに関する1つ目の判定条件No.1を設定する。判定条件を設定する領域G804aは、条件および連続発生回数をそれぞれ入力可能なフィールドG805a、G806aと、緊急度および動作をそれぞれ選択可能なドロップダウンリストG807a、G808aとを含む。
【0166】
条件のフィールドG805aは、該当するタグの収集データに関する条件が入力されるUIオブジェクトである。例えば、当該タグの収集データが連続的な値をとり得る場合に、フィールドG805aには、閾値以上または閾値以下等の条件が入力され得る。また、当該タグの収集データがオンまたはオフ等の2値である場合、フィールドG805aには、オンからオフへの変化、または、オフからオンへの変化等の条件が入力され得る。ただし、フィールドG805aに入力される情報は、これらに限られない。
【0167】
連続発生回数のフィールドG806aは、フィールドG805aに入力される条件が連続して満たされる回数(以降、連続発生回数とも記載)の閾値が入力されるUIオブジェクトである。なお、各アラームルールの判定条件は、所定のタイミングで、サーバ20によって判定される。所定のタイミングとは、例えば、各タグの収集データがサーバ20によって受信されたタイミングであってもよいし、所定間隔毎であってもよい。
【0168】
緊急度のドロップダウンリストG807aは、当該判定条件の緊急度を選択させるUIオブジェクトである。本実施形態では、図示のように、ルール種別として保全アラームが選択されている場合の選択肢は、「危険」、「警告」、「注意」の3つであるものとする。また、ルール種別として設備アラームが選択されている場合の選択肢は、「異常」、「警告」、「注意」の3つであるものとする。
【0169】
動作のドロップダウンリストG808aは、当該条件が満たされた回数が連続発生回数以上となった場合の報知動作を選択させるUIオブジェクトである。本実施形態では、図示のように、動作の選択肢は、「メール通知」、「メイン画面表示」の2つであるものとする。なお、メール通知が選択された場合、事前に登録された通知先のリスト(図示せず)が表示され、通知先が選択されるように構成してもよい。
【0170】
判定条件を設定する領域G804bは、当該タグに関する2つ目の判定条件No.2を設定する。判定条件を設定する領域G804cは、当該タグ名に関する3つ目の判定条件No.3を設定する。判定条件を設定する領域G804b、G804cに関する詳細については、領域G804aと同様であるため説明を繰り返さない。
【0171】
登録ボタン
G812および戻るボタン
G811については、
図7(a)で説明した登録ボタン
G112および戻るボタン
G111と同様であるため、説明を繰り返さない。
【0172】
なお、設定画面G8に含まれる各フィールドには、選択リストの表示、入力文字種の制限などといった、入力支援機能が付帯していてもよい。
【0173】
図19は、設定画面G8に対する入力操作に基づいて補助メモリ203に記憶された、アラーム設定データの一例を示す図である。この例では、例えば、設備M1の内的な状態を表す情報を識別する「タグT11」に関して、ルール種別「設備アラーム」の判定条件No.1~No.3が設定されている。また、当該「タグT11」として受信する収集データは、連続した値をとり得る数値であるとする。タグT11の判定条件No.3は、タグT11の収集データが100以上であると2回連続して判定された場合に、設備M1における異常の予兆を示す緊急度「注意」の設備アラームを、メイン画面に表示することを表している。タグT11の判定条件No.2は、タグT11の収集データが130以上であると3回連続して判定された場合に、設備M1に異常が発生する可能性がさらに高い予兆を示す緊急度「警告」の設備アラームを、担当者aにメールで通知することを表している。タグT11の判定条件No.1は、タグT11の収集データが150以上であると5回連続して判定された場合に、設備M1に異常が発生したことを示す緊急度「異常」の設備アラームを、担当者aおよび顧客bにメールで通知することを表している。
【0174】
また、例えば、設備M1の外的な状態を表す情報「タグT21」に関して、ルール種別「保全アラーム」の判定条件No.1~No.3が設定されている。また、当該「タグT21」として受信する収集データは、連続した値をとり得る数値であるとする。タグT21の判定条件No.3は、タグT21の収集データが35以下であると判定された場合に、メンテナンスが推奨される緊急度「注意」の保全アラームを、メイン画面に表示することを表している。タグT21の判定条件No.2は、タグT21の収集データが30以下であると判定された場合に、メンテナンスの必要性が「注意」より高い緊急度「警告」の保全アラームを、担当者cにメールで通知することを表している。タグT21の判定条件No.1は、タグT21の収集データが25以下であると判定された場合に、メンテナンスの必要性が「警告」より高い緊急度「危険」の保全アラームを、担当者cおよび顧客dにメールで通知することを表している。
【0175】
また、例えば、設備M1の内的な状態を表す情報「タグT12」に関して、ルール種別「設備アラーム」の判定条件No.1~No.3が設定されている。また、当該「タグT12」として受信する収集データは、オン(ON)またはオフ(OFF)の2値であるとする。タグT12の判定条件No.3は、タグT12の収集データがオンからオフに変化したことが2回連続して判定された場合に、設備M1における異常の予兆を示す緊急度「注意」の設備アラームを、メイン画面に表示することを表している。タグT12の判定条件No.2は、タグT12の収集データがオンからオフに変化したことが3回連続して判定された場合に、設備M1に異常が発生する可能性が「注意」より高い予兆を示す緊急度「警告」の設備アラームを、担当者aにメールで通知することを表している。タグT12の判定条件No.1は、タグT12の収集データがオンからオフに変化したことが5回連続して判定された場合に、設備M1に異常が発生したことを示す緊急度「異常」の設備アラームを、担当者aおよび顧客bにメールで通知することを表している。
【0176】
なお、各タグについて複数の判定条件が設定されている場合、判定条件No.1~No.3は、この順に判断が行われ、何れかの判定条件が満たされた時点で、それ以降の判定条件が判断されないようにしてもよい。また、連続判定回数は、当該判定条件を満たさないと判定された時点で初期値(例えば、0回)にリセットされる。また、連続判定回数は、同一のタグについて当該判定条件より判定順序が早い判定条件が満たされた時点でも、初期値にリセットされる。
【0177】
図20は、
図19に示したアラーム設定データのさらなる具体例を示す図である。ここでは、製造施設としての鋳造施設において鋳型を造型する造型機、および、鋳型の表面を加工するショットブラスト装置について、保全アラームおよび設備アラームの判定条件を設定したアラーム設定データrule1~10について説明する。
【0178】
rule1は、設備Miの1つである「造型機A」の内的な状態を表す情報を識別するタグ「枠セット異常」に関して、ルール種別「設備アラーム」の段階的な判定条件No.1~No.3を含む。当該タグで受信される収集データは、上型および下型間に生じるズレ量である。当該ズレ量は、「造型機A」のコントローラPiによって取得可能である。上型および下型間のズレが大きいと、生産物である鋳物に不具合が生じるため、「造型機A」は、ズレ量が閾値以上になると停止する。
【0179】
タグ「枠セット異常」の判定条件No.3は、ズレ量が2ミリメートル以上であると判定された場合に、当該ズレ量に関する異常の予兆を示す緊急度「注意」の設備アラームを、メイン画面に表示することを表している。判定条件No.2は、ズレ量が3ミリメートル以上であると判定された場合に、ズレ量の異常により「造型機A」が停止する可能性がさらに高くなったことを示す緊急度「警告」の設備アラームを、担当者aにメールで通知することを表している。判定条件No.1は、ズレ量が5ミリメートル以上であると判定された場合に、ズレ量の異常により「造型機A」が停止したことを示す緊急度「異常」の設備アラームを、メイン画面に表示するとともに、担当者aおよび顧客bにメールで通知することを表している。
【0180】
rule2は、「造型機A」の内的な状態を表す情報を識別するタグ「油圧作動圧力低下」に関して、ルール種別「設備アラーム」の段階的な判定条件No.1~No.3を含む。当該タグで受信される収集データは、油圧ポンプの油圧である。当該油圧は、「造型機A」のコントローラPiによって取得可能である。当該油圧が低いと、油圧ポンプの作動圧力が低下して鋳型の強度不足となり、造型不良につながる。このため、「造型機A」は、油圧が閾値以下になると停止する。
【0181】
タグ「油圧作動圧力低下」の判定条件No.1~No.3では、それぞれ、油圧の判定条件として、5メガパスカル以下、6メガパスカル以下、7メガパスカル以下が設定されている。これらの判定条件No.1~No.3が満たされた場合に段階的に出力される設備アラームについては、rule1と同様に説明されるため、詳細な説明を繰り返さない。
【0182】
rule3は、「造型機A」の内的な状態を表す情報を識別するタグ「油面異常低下」に関して、ルール種別「設備アラーム」の段階的な判定条件No.1~No.3を含む。タグ「油圧異常低下」で受信される収集データは、オイルシールバルブの油量である。当該油量は、「造型機A」のコントローラPiによって取得可能である。当該油量が低下すると、油圧ポンプの作動圧力低下の原因となり、その結果、鋳型の強度不足、造型不良につながる。このため、「造型機A」は、油量が閾値以下になると停止する。
【0183】
タグ「油面異常低下」の判定条件No.1~No.3では、それぞれ、油量の判定条件として、80リットル以下、85リットル以下、90リットル以下が設定されている。これらの判定条件No.1~No.3が満たされた場合に段階的に出力される設備アラームについては、rule1と同様に説明されるため、詳細な説明を繰り返さない。
【0184】
rule4は、設備Miの1つである「ショットブラスト装置B」の内的な状態を表す情報を識別するタグ「モータサーマルトリップ異常」に関して、ルール種別「設備アラーム」の判定条件No.1を含む。当該タグで受信される収集データは、投射装置インペラを回転するためのモータの負荷電流値である。当該電流値は、「ショットブラスト装置B」のコントローラPiによって取得可能である。当該電流値が高くなると、モータの焼損故障につながる。このため、「ショットブラスト装置B」は、当該電流値が閾値以上になると停止する。
【0185】
タグ「モータサーマルトリップ異常」の判定条件No.1は、電流値が15アンペア以上であると判定された場合に、モータサーマルトリップ異常により「ショットブラスト装置B」が停止したことを示す緊急度「異常」の設備アラームを、担当者aおよび顧客bにメールで通知することを表している。この例では、タグ「モータサーマルトリップ異常」に関する設備アラームは、異常が発生する前段階で出力されることなく、異常が発生した段階で出力される。ただし、当該タグに関する設備アラームは、段階的に出力されてもよい。
【0186】
rule5は、「ショットブラスト装置B」の内的な状態を表す情報を識別するタグ「ライナの使用時間超過」に関して、ルール種別「保全アラーム」の判定条件No.1を含む。当該タグで受信される収集データは、ライナの使用時間である。当該使用時間は、「ショットブラスト装置B」のコントローラPiによって取得可能である。ライナは、当使用時間が長くなると、ライナを貫通して本体に穴があく。また、異常振動や強度不足等、他の部位にもダメージが及ぶ。このため、ライナの使用時間が閾値以上になると、ライナの交換が推奨される。
【0187】
タグ「ライナの使用時間超過」の判定条件No.1は、使用時間が500時間以上であると判定された場合に、ライナの交換の必要性が高いことを示す緊急度「警告」の保全アラームを、担当者aおよび顧客bにメールで通知することを表している。この例では、タグ「ライナの使用時間超過」に関する保全アラームは、段階的に出力されないが、段階的に出力されるよう設定されてもよい。
【0188】
rule6は、「ショットブラスト装置B」の内的な状態を表す情報を識別するタグ「消耗品下限検知」に関して、ルール種別「保全アラーム」の判定条件No.1を含む。タグ「消耗品下限検知」で受信される収集データは、投射装置インペラを回転するためのモータの負荷電流値である。当該電流値は、当該「ショットブラスト装置B」のコントローラPiによって取得可能である。当該電流値は、投射材が多いと高くなり、少なくなると低くなる。投射材が不足すると処理効果が低下するため、当該電流値が閾値以下になれば、投射材の補充が推奨される。
【0189】
タグ「消耗品下限検知」の判定条件No.1は、当該電流値が25.8アンペア以下であると判定された場合に、投射材の補充の必要性が高いことを示す緊急度「警告」の保全アラームを、担当者aおよび顧客bにメールで通知することを表している。この例では、タグ「消耗品下限検知」に関する保全アラームは、段階的に出力されないが、段階的に出力されるよう設定されてもよい。
【0190】
rule7は、「ショットブラスト装置B」の内的な状態を表す情報を識別するタグ「軸受の給油脂周期超過」に関して、ルール種別「保全アラーム」の判定条件No.1を含む。タグ「軸受の給油脂周期超過」で受信される収集データは、軸受のグリース給油経過時間である。当該経過時間は、当該「ショットブラスト装置B」のコントローラPiによって取得可能である。当該経過時間が閾値以上になると、軸受の摩擦が増え、摩耗や熱発生で部品寿命が低下する。このため、当該経過時間が閾値以上になると軸受の交換が推奨される。
【0191】
タグ「軸受の給油脂周期超過」の判定条件No.1は、当該周期が350時間以上であると判定された場合に、軸受の交換の必要性が高いことを示す緊急度「警告」の保全アラームを、担当者aおよび顧客bにメールで通知することを表している。この例では、タグ「軸受の給油脂周期超過」に関する保全アラームは、段階的に出力されないが、段階的に出力されるよう設定されてもよい。
【0192】
rule8は、設備Miの1つである「造型機C」の内的な状態を表す情報を識別するタグ「シリンダ上昇端異常」に関して、ルール種別「設備アラーム」の判定条件No.1を含む。タグ「シリンダ上昇端異常」で受信される収集データは、シリンダの上昇異常を検知するとオフになるオートスイッチのオン/オフ値である。当該オン/オフ値は、「造型機C」のコントローラPiによって取得可能である。シリンダの上昇異常が検知されると、装置が動作不良となり造型不良につながる。このため、当該オートスイッチがオフになると、「造型機C」が停止する。
【0193】
タグ「シリンダ上昇端異常」の判定条件No.1は、当該オン/オフ値がオンからオフに変化したと判定された場合に、シリンダ上昇端の異常により「造型機C」が停止したことを示す緊急度「異常」の設備アラームを、担当者aおよび顧客bにメールで通知することを表している。この例では、タグ「シリンダ上昇端異常」に関する設備アラームは、段階的に出力されないが、段階的に出力されるよう設定されてもよい。
【0194】
rule9は、「造型機C」の内的な状態を表す情報を識別するタグ「エアレーション圧力センサ異常」に関して、ルール種別「設備アラーム」の判定条件No.1を含む。タグ「エアレーション圧力センサ異常」で受信される収集データは、エアレーションの圧力センサ値である。当該圧力センサ値は、「造型機C」のコントローラPiによって取得可能である。当該圧力センサ値が取得される状態(オン)から取得できない状態(オフ)になると、鋳型の強度不足となり造型不良につながるため、「造型機C」が停止する。
【0195】
タグ「エアレーション圧力センサ異常」の判定条件No.1は、当該圧力センサ値がオンからオフに変化したと判定された場合に、「造型機C」が停止したことを示す緊急度「異常」の設備アラームを、担当者aおよび顧客bにメールで通知することを表している。この例では、タグ「エアレーション圧力センサ異常」に関する設備アラームは、段階的に出力されないが、段階的に出力されるよう設定されてもよい。
【0196】
rule10は、「造型機C」の内的な状態を表す情報を識別するタグ「スクイズボードCYエンコーダ異常」に関して、ルール種別「設備アラーム」の判定条件No.1を含む。当該タグで受信される収集データは、エンコーダからの出力値である。エンコーダの出力値は、「造型機C」のコントローラPiによって取得可能である。エンコーダの出力値が取得される状態(オン)から取得できない状態(オフ)になると、タンク内の砂計量ができなくなり造型不良につながるため、「造型機C」が停止する。
【0197】
タグ「スクイズボードCYエンコーダ異常」の判定条件No.1は、エンコーダの出力値がオンからオフに変化したと判定された場合に、スクイズボードCYエンコーダ異常により「造型機C」が停止したことを示す緊急度「異常」の設備アラームを、担当者aおよび顧客bにメールで通知することを表している。この例では、タグ「スクイズボードCYエンコーダ異常」に関する設備アラームは、段階的に出力されないが、段階的に出力されるよう設定されてもよい。
【0198】
(ステップS204、S206において表示される画面の具体例)
ここで、ステップS204、S206において、出力装置320としてのディスプレイに表示される画面の具体例について説明する。
図12に示したメイン画面G3において、上述したように、設備アラームエリアG304では、設備アラームが発生中の場合、当該設備アラームが発生中であることが表示される。すなわち、ステップS206における設備アラームの出力処理が実行される。また、保全アラームエリアG305では、保全アラームが発生中の場合、当該保全アラームが発生中であることが表示される。すなわち、ステップS204における保全アラームの出力処理が実行される。
【0199】
(ステップS207において表示される画面の具体例)
ここで、ステップS207において、出力装置320としてのディスプレイに表示される画面の具体例について説明する。
【0200】
(メイン画面)
図12に示したメイン画面G3は、設備M1~M4の各々に関して、設備アラームエリアG304と、保全アラームエリアG305とを含んでいる。設備アラームエリアG304は、設備アラームの発生傾向として、当該設備アラームが発生した緊急度別の回数、または、現在発生中の設備アラームに係る情報を含んでいる。また、保全アラームエリアG305は、保全アラームの発生傾向として、当該保全アラームが発生した緊急度別の回数、または、現在発生中の保全アラームに係る状態を含んでいる。
【0201】
このように、メイン画面G3によって、ユーザは、設備アラームの発生傾向と、保全アラームの発生傾向とを、区別して認識することが可能である。
【0202】
(設備アラーム画面)
図21は、設備アラーム画面G9を示す図であり、この例では、製造ライン9全体で出力された設備アラームを含んでいる。
【0203】
図21において、設備アラーム画面G9は、一覧G902を含む。また、一覧G902の各行は、詳細ボタンG903と、関連ボタンG904とを含む。
【0204】
一覧G902に含まれる各行は、設備アラームを表し、発生日時と、設備名と、緊急度と、設備アラームが出力されたタグ名とを含む。詳細ボタンG903が操作されると、当該設備アラームについて、後述する設備アラーム詳細画面G11が表示される。関連ボタンG904が操作されると、当該設備アラームが示す異常に関連する情報として、設備Miのマニュアルファイルが表示される。マニュアルファイルには、設備アラームが示す異常の発生または異常の予兆を解消するための対処方法が含まれる。マニュアルファイルは、
図5(a)に示したように、製造ライン9の構成データにおいて該当する設備Miに関連付けて登録されたファイルである。
【0205】
当該設備アラーム画面G9により、ユーザは、製造ライン9全体における設備アラームが出力された履歴を把握することができる。また、ユーザは、当該設備Miについて発生した設備アラームに対応するため、関連するマニュアルファイルを参照することができる。
【0206】
(保全アラーム画面)
図22は、保全アラーム画面G10を示す図であり、この例では、製造ライン9全体で出力された保全アラームを含んでいる。
【0207】
図22において、保全アラーム画面G10は、一覧G1002を含む。また、一覧G1002の各行は、詳細ボタンG1003と、部品ボタンG1004とを含む。
【0208】
一覧G1002に含まれる各行は、保全アラームを表し、発生日時と、設備名と、部品名と、緊急度と、保全アラームが出力されたタグ名とを含む。詳細ボタンG1003が操作されると、当該保全アラームについて後述する保全アラーム詳細画面G12が表示される。部品ボタンG1004が操作されると、当該保全アラームによって促されるメンテナンスにおいて交換または調整が必要となる部品に関連する情報が表示される。部品に関連する情報は、例えば、部品のメーカ、品番、品名、仕様、参考納入日数、在庫数等を含んでいてもよいが、これらに限られない。
【0209】
当該保全アラーム画面G10により、ユーザは、製造ライン9全体における保全アラームの発生履歴を把握することができる。また、ユーザは、当該設備Miについて発生した保全アラームによって促されるメンテナンスを行うため、交換または調整が必要となる部品の詳細を参照することができる。
【0210】
このように、設備アラーム画面G9および保全アラーム画面G10をそれぞれ視認することによって、ユーザは、設備アラームの発生傾向と、保全アラームの発生傾向とを、区別して認識することが可能である。これにより、ユーザは、各設備Miの内的な状態および外的な状態に基づいて、設備のメンテナンスが必要であるか、異常または異常の予兆に対する対処が必要であるかを判断することができる。なお、本例において、設備アラーム画面G9は、保全アラーム画面G10と同様の部品ボタンG1004を含んでいてもよい。例えば、モータのサーマルトリップ異常では、モータの交換が必要となる場合がある。このように、異常を解消するために部品の交換または調整が必要となる可能性がある設備アラームについては、部品ボタンG1004が表示されてもよい。
【0211】
(設備アラーム詳細画面)
図23は、設備アラーム詳細画面G11を示す図であり、この例では、設備M1に係るタグT11について出力された設備アラームの詳細を含んでいる。
【0212】
図23において、設備アラーム詳細画面G11は、タグ11の収集データのグラフと、緊急度別の閾値を示す線とを含んでいる。これによりユーザは、タグ11の収集データが表す設備M1の状態が、設備アラームに係る緊急度別の閾値を上回ったタイミング、回数等を視覚的に把握することができる。
【0213】
(保全アラーム詳細画面)
図24は、保全アラーム詳細画面G12を示す図であり、この例では、設備M1に係るタグT21について出力された保全アラームの詳細を含んでいる。
【0214】
図24において、保全アラーム詳細画面G12は、タグ21の収集データのグラフと、緊急度別の閾値を示す線とを含んでいる。これによりユーザは、タグ21の収集データが表す設備M1の状態が、保全アラームに係る緊急度別の閾値を上回ったタイミング、回数等を視覚的に把握することができる。
【0215】
<本実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態は、ゲートウェイ10が、各コントローラPiから内的な状態を表す情報を取得するとともに、各センサCjからの外的な状態を表す情報を、n個のコントローラPiの何れも介さずに取得する。これにより、本実施形態は、コントローラPiのプログラムを書き換えることなく、センサCjを自由に増減することができ、センサCjを増減する自由度が高くなる、という効果を奏する。
【0216】
また、本実施形態は、ゲートウェイ10が、設備Mi毎に、内的な状態を表す情報および外的な状態を表す情報を統合して表示する。このため、ユーザは、設備Miの状態を、統合的に把握することができる。
【0217】
また、本実施形態は、サーバ20が、各設備Miについて、設備アラームの発生傾向と、保全アラームの発生傾向とを区別して認識可能に提示する。これにより、メンテナンス担当者または現場の担当者等の端末30のユーザは、設備Miについて、メンテナンスが必要であるか、異常または異常の予兆に対する対処が必要であるかを、より適切に判断することができる。
【0218】
また、本実施形態は、タグの収集データ(設備Miの状態)を判定する判定条件に対して、保全アラームおよび設備アラームのルール種別をユーザが選択して関連付けることが可能である。例えば、設備Miがある状態のときに、製造ライン9の状況または現場のニーズに応じて、メンテナンスが望ましい場合と、異常に対する対処が望ましい場合があると考えられる。したがって、本実施形態における端末30のユーザは、メンテナンスを行うか異常に対する対処を行うかを、製造ライン9の状況または現場のニーズに応じてより適切に判断することができる。
【0219】
〔変形例〕
なお、本実施形態において、情報処理システム1は、ゲートウェイ10とそれぞれ同様に構成される複数のゲートウェイ10_x(x=1,2,・・・)を含んでいてもよい。この場合、各設備Miの内的な状態を表す情報および外的な状態を表す情報は、複数のゲートウェイ10_xの何れかによって収集される。例えば、製造ライン9が複数のサブラインからなる場合等のように、製造施設90内において、n個の設備Miが物理的に異なるエリア(例えば異なるフロア等)に分散して設置されている場合がある。この場合、各エリアにゲートウェイ10_xを設置し、各エリア内のゲートウェイ10_xが、当該エリア内の設備Miの内的な状態を表す情報および外的な状態を表す情報を収集するようにしてもよい。
【0220】
また、本実施形態において、ゲートウェイ10およびサーバ20間は、WAN1001で接続される例について説明した。これに限らず、ゲートウェイ10およびサーバ20間は、携帯電話回線網を用いて1対1で接続されてもよい。その場合、ゲートウェイ10およびサーバ20間をWAN1001等で接続するための設置コストが不要になるという利点がある。その他、各ゲートウェイ10およびサーバ20間の通信手段は、上述した例に限定されない。
【0221】
また、本実施形態において、情報処理システム1は、仲介装置をさらに含んでもよい。仲介装置は、n個のコントローラPiのうち一部または全部と、ゲートウェイ10との間の通信を仲介する。例えば、n個のコントローラPiのうち一部が接続プロトコルとしてプロトコルA,Bの何れかに対応し、他の一部がプロトコルC、Dの何れかに対応しているとする。また、ゲートウェイ10がプロトコルA、Bによる通信に対応するが、プロトコルC、Dによる通信に対応していないとする。この場合、プロトコルC、Dによる通信に対応する仲介装置を含むことにより、情報処理システム1において、管理可能な設備MiのコントローラPiの種類の自由度が増す。
【0222】
また、本実施形態において、サーバ20は、内的な状態を表す情報および外的な状態を表す情報を統合した情報を、ディスプレイに限らず、その他の種類の出力装置320に出力してもよい。また、サーバ20は、ディスプレイに限らず、その他の種類の出力装置320に、設備アラームおよび保全アラームの発生傾向を区別して認識可能な態様で出力してもよい。他の種類の出力装置320としては、スピーカ、プリンタ等がある。例えば、統合した情報は、プリンタによって紙媒体に印刷されてもよい。また、各発生傾向は、スピーカによって、異なる種類の音声により区別して出力されてもよい。
【0223】
〔実施形態2〕
次に、本発明の実施形態2について、詳細に説明する。
【0224】
<情報処理システム2の構成>
図25は、本実施形態に係る情報処理システム2の構成を示すブロック図である。
図25において、情報処理システム2は、N個のゲートウェイ10_x(x=1~N、Nは2以上の整数)と、サーバ20_1とを含む。情報処理システム2は、M個の製造ライン9_y(y=1~M、Mは2以上の整数)の各々における設備を管理するシステムである。
【0225】
各製造ライン9_yは、N個の製造施設90_xの何れかに設置される。1つの製造施設90_xに、複数の製造ライン9_yが設置されていてもよい。
図25の例では、製造施設90_1は、製造ライン9_1および9_2を含む。製造施設90_2は、製造ライン9_3を含む。製造施設90_Nは、製造ライン9_Mを含む。各ゲートウェイ10_xは、対応する製造施設90_xに設置される。各ゲートウェイ10_xは、WAN1001を介してサーバ20_1に通信可能に接続される。
【0226】
各ゲートウェイ10_xは、実施形態1に係るゲートウェイ10と同様に構成される。
【0227】
サーバ20_1は、実施形態1に係るサーバ20と同様に構成されることに加えて、次の構成を有する。サーバ20_1は、各製造施設90_xについて、内的な状態を表す情報および外的な状態を表す情報を統合して出力する。また、サーバ20_1は、複数の製造ライン9_yを含む製造施設90_xについては、さらに、各製造ライン9_yについて、内的な状態を表す情報および外的な状態を表す情報を統合して出力してもよい。
【0228】
このため、サーバ20_1は、各製造施設90_xおよび各製造ライン9_yについて、
図5に示した構成データを記憶する。また、
図7および
図8で説明した設定データで用いるタグ名は、全ての製造施設90_1~90_Nにおいて一意に定まることが望ましい。
【0229】
このような構成により、情報処理システム2は、
図6を用いて説明した実施形態1に係る情報処理システム1と同様に動作する。ただし、ステップS110またはステップS207で、製造施設90_x別および製造ライン90_y別に、
図11~
図16に示したような画面を表示する点が異なる。
【0230】
このように、本実施形態は、複数の製造施設90_xに設置された複数の製造ライン90_yを一括して管理することができる。その結果、同一の担当者、または、同一の組織が複数の製造施設90_xにおける複数の製造ライン9_y管理する場合に、メンテナンスに必要な情報を容易に把握させることができる。
【0231】
なお、実施形態1に記載した各変形例は、実施形態2にも適用することができる。また、本実施形態では、複数の製造施設の各々に、1つずつゲートウェイが設置される例について説明した。これに限らず、複数の製造施設のうち少なくとも1つに、複数のゲートウェイが設置されてもよい。
【0232】
〔まとめ〕
上述した実施形態に係る情報処理装置は、製造施設における設備の状態を表す情報を受信する通信インタフェースと、前記情報を参照して動作するコントローラと、を備えている。前記コントローラは、受信された前記設備の状態を表す情報が第1条件を満たす場合に、前記設備のメンテナンスを促す第1アラームを出力する処理と、前記設備の状態を表す情報が第2条件を満たす場合に、前記設備における異常の発生または異常の予兆を示す第2アラームを出力する処理と、前記第1アラームが出力される傾向および前記第2アラームが出力される傾向を、区別して認識可能な態様で出力する処理と、を実行する。
【0233】
上記情報処理装置は、例えば、サーバとして実現される。この場合、上記コントローラは、サーバに含まれるコントローラとして実現される。出力される傾向は、例えば、第1アラームの出力回数の合計数、第2アラームの出力回数の合計数等といった統計情報、第1アラームが出力される原因となる設備の状態の時間変化、第2アラームが出力される原因となる設備の状態の時間変化等によって表される。上記の構成によれば、ユーザは、製造ラインにおける設備について第1アラームが出力される傾向および第2アラームが出力される傾向を区別して把握できるので、メンテナンスを行うか、異常の発生または異常の予兆に対処する作業を行うかをより適切に判断できる。
【0234】
上述した実施形態に係る情報処理装置において、前記コントローラは、プログラムに従って前記各処理を実行するプロセッサと、前記プログラムを格納したメモリと、を備える、ことが好ましい。
【0235】
上記の構成によれば、上述した情報処理装置を、プログラムを用いて実現することができる。
【0236】
上述した実施形態に係る情報処理装置において、前記コントローラは、前記第1アラームを、前記メンテナンスの必要性に応じて段階的に出力する、ことが好ましい。
【0237】
上記の構成によれば、設備に対するメンテナンスを、必要性に応じて段階的にユーザに促すことができる。
【0238】
上述した実施形態に係る情報処理装置において、前記コントローラは、前記第1アラームを、前記第1条件が満たされたか否かに関わらず、所定のタイミングでさらに出力する、ことが好ましい。
【0239】
上記の構成によれば、設備の状態に関わらず、ユーザに対して設備のメンテナンスを促すことができる。
【0240】
上述した実施形態に係る情報処理装置において、前記コントローラは、前記第2アラームを、前記異常が発生する可能性に応じて段階的に出力する、ことが好ましい。
【0241】
上記の構成によれば、設備が異常に至る前段階から、ユーザに対して段階的に警告を報知することができる。
【0242】
上述した実施形態に係る情報処理装置において、前記コントローラは、前記第1アラームまたは前記第2アラームを解消するために交換または調整が必要となる部品に関連する情報を出力する処理をさらに実行する、ことが好ましい。
【0243】
上記の構成によれば、ユーザは、交換または調整が必要となる部品の詳細を知ることができる。
【0244】
上述した実施形態に係る情報処理装置において、前記コントローラは、前記第2アラームが示す異常の発生または異常の予兆を解消するための対処方法を表す情報を出力する処理をさらに実行する、ことが好ましい。
【0245】
上記の構成によれば、ユーザは、異常の発生または異常の予兆を解消するための対処方法を容易に知ることができる。
【0246】
上述した実施形態に係る情報処理装置は、次のように構成されることが好ましい。すなわち、前記コントローラは、ユーザによって入力される情報に基づいて、前記設備の状態を表す情報を判定する判定条件と、前記第1アラームおよび前記第2アラームの何れかを示す種別とを関連付けたルールを取得する処理をさらに実行する。前記コントローラは、前記設備の状態を表す情報が前記判定条件を満たし、且つ、前記判定条件に関連付けられた種別が前記第1アラームである場合に、前記第1条件が満たされたものとして、前記第1アラームを出力する処理を実行する。また、前記コントローラは、前記設備の状態を表す情報が前記判定条件を満たし、且つ、前記判定条件に関連付けられた種別が前記第2アラームである場合に、前記第2条件が満たされたものとして、前記第2アラームを出力する処理を実行する。
【0247】
上記の構成によれば、ユーザは、設備の状態が条件を満たした場合に、設備アラームを出力するべきか保全アラームを出力するべきかを、現場の状況やニーズを考慮して事前に設定することができる。
【0248】
上述した実施形態に係る情報処理方法は、情報処理装置が、製造施設における設備の状態を表す情報を受信するステップと、前記設備の状態を表す情報が第1条件を満たす場合に、前記設備のメンテナンスを促す第1アラームを出力するステップと、前記設備の状態を表す情報が第2条件を満たす場合に、前記設備における異常の発生または異常の予兆を示す第2アラームを出力するステップと、前記第1アラームが出力される傾向および前記第2アラームが出力される傾向を、区別して認識可能な態様で出力するステップと、を含む。
【0249】
上記の構成によれば、上述した情報処理装置と同様の効果を奏する。
【0250】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。上述した実施形態に含まれる個々の技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0251】
1、2 情報処理システム
10 ゲートウェイ
20 サーバ(情報処理装置)
30 端末
101、201、301 プロセッサ
102、202、302 主メモリ
103、203、303 補助メモリ
104、105、204、304、305 通信インタフェース
109、209、309 バス
305 入出力インタフェース
310 入力装置
320 出力装置
1001 WAN
90 製造施設
9 製造ライン
9001 LAN
Mi 設備
Pi コントローラ
CP センサ親機
Cj センサ