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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】作業車両
(51)【国際特許分類】
   A01D 67/00 20060101AFI20240326BHJP
   B62D 55/06 20060101ALI20240326BHJP
   B62D 55/14 20060101ALI20240326BHJP
   B62D 55/08 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
A01D67/00 F
B62D55/06
B62D55/14 Z
B62D55/08 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022085252
(22)【出願日】2022-05-25
(65)【公開番号】P2023173181
(43)【公開日】2023-12-07
【審査請求日】2022-09-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089934
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 淳一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100092945
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 千秋
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 学
(72)【発明者】
【氏名】高橋 佑典
(72)【発明者】
【氏名】玉田 晋太郎
【審査官】大澤 元成
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-141125(JP,A)
【文献】特開平09-058539(JP,A)
【文献】特開2007-116911(JP,A)
【文献】特開2015-067210(JP,A)
【文献】特開2008-055938(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 67/00
B62D 55/00-55/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体フレ-ム1は、少なくとも、機体左右一対の前後方向の前後フレーム20と、機体前後一対の左右方向の左右フレーム21を有して構成し、前後フレーム20と左右フレーム21の交差部22の下部に、左右の走行クローラー10の走行フレーム11を支持する前側フットフレーム25および後側フットフレーム26のそれぞれを装着し、走行フレーム11には前後方向に複数の前記転輪15を配置し、転輪15は、前側フットフレーム25および後側フットフレーム26の前後に配置する構成とし、後側フットフレーム26の後部に設けられる後端転輪15の上部に、クローラーベルト31の内周面に接触する上転輪28を配置し、前側および後側フットフレーム25、26の前後間、および機体フレーム1の前後フレーム20と走行フレーム11の上下間で、空間部30を形成し、走行クローラー10の一部を構成する複数の転輪15および上転輪28は、中央に位置する左右一対の取付ステー34を支持軸33に装着すると共に、支持軸33の取付ステー34の左右両側に接触輪35を各々設けて構成し、走行フレーム11に取付ける取付ステー34の上部は接地輪35より上方に位置させ、各転輪15および上転輪28は走行フレーム11から各々着脱可能な構成とすると共に、走行フレーム11への取付位置を、前後調節可能に構成したことを特徴とする作業車両。
【請求項2】
走行クローラー10のクローラーベルト31の走行を案内するクローラーガイド45を、走行フレーム11の下方側に着脱可能に装着し、クローラーガイド45は、転輪15を構成する左右一対の接触輪35の左右中央の空間に通過させて配置したことを特徴とする請求項1に記載の作業車両。
【請求項3】
クローラーガイド45は、走行フレーム11の下側に取付部材により着脱可能に取付けたことを特徴とする請求項2に記載の作業車両。
【請求項4】
走行クローラー10にはクローラーベルト31を無端状に巻回して設け、クローラーベルト31は駆動輪12の位置を基準に駆動輪12から機体内側端部までの長さTは、駆動輪12から機体外側端部までの長さtよりも短くし、クローラーベルト31の機体外側端部は、機体フレーム機体フレ-ム1の機体外側端部よりも内側に位置するように構成したことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の作業車両。
【請求項5】
複数の転輪15のうちの、最後尾の転輪15および上転輪28よりも後方に、クローラーベルト31の形状を維持する遊動輪13と、走行クローラー10にかかる負荷に対して可動して遊動輪13を前後移動させるクローラーテンショナー60とを設け、遊動輪13およびクローラーテンショナー60は、転輪15および上転輪28の左右幅内に配置したことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の作業車両。
【請求項6】
複数の転輪15のうちの、最後尾の転輪15および上転輪28よりも後方に、クローラーベルト31の形状を維持する遊動輪13と、走行クローラー10にかかる負荷に対して可動して遊動輪13を前後移動させるクローラーテンショナー60とを設け、遊動輪13およびクローラーテンショナー60は、転輪15および上転輪28の左右幅内に配置したことを特徴とする請求項4に記載の作業車両。
【請求項7】
走行クローラー10にはクローラーベルト31を無端状に巻回して設け、クローラーベルト31は駆動輪12の位置を基準に駆動輪12から機体内側端部までの長さTは、駆動輪12から機体外側端部までの長さtよりも短くし、クローラーベルト31の機体外側端部は、機体フレーム機体フレ-ム1の機体外側端部よりも内側に位置するように構成したことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の作業車両。
【請求項8】
走行クローラー10にはクローラーベルト31を無端状に巻回して設け、クローラーベルト31は駆動輪12の位置を基準に駆動輪12から機体内側端部までの長さTは、駆動輪12から機体外側端部までの長さtよりも短くし、クローラーベルト31の機体外側端部は、機体フレーム機体フレ-ム1の機体外側端部よりも内側に位置するように構成したことを特徴とする請求項4に記載の作業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車両に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、コンバインのクローラーは、駆動輪と遊動輪の間に走行フレームの下部に複数の転輪を配置すると共に、上部側にテンションスプロケットを設け、クローラーベルトを無端状に巻回した構成は、公知である(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-157592
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記公知例は、転輪の配置間隔は位置によって間隔が狭い箇所と広い箇所があり、狭いところに泥土が入り込むと、除去作業により多くの労力が必要になると共に、泥土の詰まりにより走行が妨げられる問題がある。
また、転輪の間隔が広い部分には、上部側に上転輪を設けてクローラーベルトの弛みを防止しているが、前後方向の中央部付近に設けられているため、泥土が走行フレームの上部側に入り込むと、上転輪と走行フレームの間に泥土が溜まり、除去作業に時間と労力を要すると共に、走行停止する問題がある。
本願は、走行装置の特に転輪と上転輪の配置を工夫し、走行フレームおよび転輪ならびに上転輪周辺の泥土の詰まりを抑制すると共に、機体フレ-ムと走行装置との剛性を向上させて、湿田走行性能を向上させ、メンテナンス性を向上させたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明では、機体フレ-ム1は、少なくとも、機体左右一対の前後方向の前後フレーム20と、機体前後一対の左右方向の左右フレーム21を有して構成し、前後フレーム20と左右フレーム21の交差部22の下部に、左右の走行クローラー10の走行フレーム11を支持する前側フットフレーム25および後側フットフレーム26のそれぞれを装着し、走行フレーム11には前後方向に複数の転輪15を配置し、転輪15は、前側フットフレーム25および後側フットフレーム26の前後に配置する構成とし、後側フットフレーム26の後部に設けられる後端転輪15の上部に、クローラーベルト31の内周面に接触する上転輪28を配置し、前側および後側フットフレーム25、26の前後間、および機体フレーム1の前後フレーム20と走行フレーム11の上下間で、空間部30を形成し、走行クローラー10の一部を構成する複数の転輪15および上転輪28は、中央に位置する左右一対の取付ステー34を支持軸33に装着すると共に、支持軸33の取付ステー34の左右両側に接触輪35を各々設けて構成し、走行フレーム11に取付ける取付ステー34の上部は接地輪35より上方に位置させ、各転輪15および上転輪28は走行フレーム11から各々着脱可能な構成とすると共に、走行フレーム11への取付位置を、前後調節可能に構成したことを特徴とする作業車両としたものである。
請求項の発明では、走行クローラー10のクローラーベルト31の走行を案内するクローラーガイド45を、走行フレーム11の下方側に着脱可能に装着し、クローラーガイド45は、転輪15を構成する左右一対の接触輪35の左右中央の空間に通過させて配置したことを特徴とする請求項3に記載の作業車両としたものである。
請求項の発明では、クローラーガイド45は、走行フレーム11の下側に取付部材により着脱可能に取付けたことを特徴とする請求項4に記載の作業車両としたものである。
請求項の発明では、走行クローラー10にはクローラーベルト31を無端状に巻回して設け、クローラーベルト31は駆動輪12の位置を基準に駆動輪12から機体内側端部までの長さTは、駆動輪12から機体外側端部までの長さtよりも短くし、クローラーベルト31の機体外側端部は、機体フレーム機体フレ-ム1の機体外側端部よりも内側に位置するように構成したことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の作業車両としたものである。
請求項の発明では、複数の転輪15のうちの、最後尾の転輪15および上転輪28よりも後方に、クローラーベルト31の形状を維持する遊動輪13と、走行クローラー10にかかる負荷に対して可動して遊動輪13を前後移動させるクローラーテンショナー60とを設け、遊動輪13およびクローラーテンショナー60は、転輪15および上転輪28の左右幅内に配置したことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の作業車両としたものである。
請求項の発明では、複数の転輪15のうちの、最後尾の転輪15および上転輪28よりも後方に、クローラーベルト31の形状を維持する遊動輪13と、走行クローラー10にかかる負荷に対して可動して遊動輪13を前後移動させるクローラーテンショナー60とを設け、遊動輪13およびクローラーテンショナー60は、転輪15および上転輪28の左右幅内に配置したことを特徴とする請求項6に記載の作業車両としたものである。
請求項の発明では、走行クローラー10にはクローラーベルト31を無端状に巻回して設け、クローラーベルト31は駆動輪12の位置を基準に駆動輪12から機体内側端部までの長さTは、駆動輪12から機体外側端部までの長さtよりも短くし、クローラーベルト31の機体外側端部は、機体フレーム機体フレ-ム1の機体外側端部よりも内側に位置するように構成したことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の作業車両としたものである。
請求項の発明では、走行クローラー10にはクローラーベルト31を無端状に巻回して設け、クローラーベルト31は駆動輪12の位置を基準に駆動輪12から機体内側端部までの長さTは、駆動輪12から機体外側端部までの長さtよりも短くし、クローラーベルト31の機体外側端部は、機体フレーム機体フレ-ム1の機体外側端部よりも内側に位置するように構成したことを特徴とする請求項6に記載の作業車両としたものである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明では、機体フレ-ム1の左右一対の前後フレーム20と前後一対の左右フレーム21の交差部22の下方に、左右の走行クローラー10の走行フレーム11を支持する前側フットフレーム25および後側フットフレーム26を設け、走行フレーム11に前後方向に複数配置した転輪15を、前側フットフレーム25および後側フットフレーム26の前後に、ほぼ等間隔を空けて配置する構成としているので、構造上強度の高い部分に走行フレーム11を装着でき、走行による負荷を受けても走行フレーム11および機体フレ-ム1が破損しにくくなり、前側フットフレーム25と後側フットフレーム26の前後に、転輪15をほぼ等間隔空けて配置しているので、走行による負荷を分散しやすくすると共に、極端な土詰まりによる走行停止が防止でき、さらに、作業中に入り込んだ土の除去作業も容易であり、メンテナンス性を高くできる。
また、後側フットフレーム26の後部に設けられる後端転輪15の上部に、クローラーベルト31の内周面に接触する上転輪28を配置し、前側フットフレーム25および後側フットフレーム26の前後間および機体フレーム1の前後フレーム20と走行フレーム11の上下間に空間部30を形成しているので、上転輪28をクローラーベルト31の内面に接させて後側フットフレーム26の上側方を通過させて配置することにより、走行フレーム11と走行フレーム11の上方のクローラーベルト31の下面との間の空間部30へ入り込んだ土の流出が円滑になって、空間部30内の泥土の溜まりを抑制でき、また、仮に空間部30内へ泥土が入り込んでも、取り出し作業を容易にでき、メンテナンス性を向上させることができる。また、走行フレーム11の上部側に空間部30を形成することにより、走行クローラー10の上下の大部分が泥中に浸かっても走行フレーム11の左右に溜まりにくくなるので、湿田走行性を向上させることができる。
また、走行クローラー10の一部を構成する複数の転輪15および上転輪28は、支持軸33に左右一対の取付ステー34を装着すると共に、支持軸33の左右両側に接触輪35を各々設けて構成しているので、各転輪15および上転輪28は走行フレーム11から各々着脱可能な構成を、簡単に実現でき、着脱可能としたことにより、劣化や破損した転輪(上転輪28)15だけを容易に交換することができ、走行性能を維持でき、また、各転輪15および上転輪28は走行フレーム11への取付位置を、前後調節可能に構成しているので、クローラーベルト31の張りを適正化しやすく、走行性を向上させることができる。
請求項の発明では、クローラーガイド45を、走行フレーム11の下方側に着脱可能に装着し、クローラーガイド45は、転輪15を構成する左右一対の接触輪35の左右中央の空間に通過させて配置しているので、クローラーガイド45の着脱を容易にでき、メンテナンス性を向上させることができる。
請求項の発明では、クローラーガイド45は、走行フレーム11の下側に取付部材により着脱可能に取付けているので、クローラーガイド45は走行フレーム11に対して下方に向けて取り外しでき、メンテナンス性をさらに向上させることができる。
請求項の発明では、走行クローラー10にはクローラーベルト31を無端状に巻回して設け、クローラーベルト31は駆動輪12の位置を基準に駆動輪12から機体内側端部までの長さTは、駆動輪12から機体外側端部までの長さtよりも短くし、クローラーベルト31の機体外側端部は、機体フレーム機体フレ-ム1の機体外側端部よりも内側に位置するように構成しているので、機体の左右両外側付近に左右の走行クローラー10を配置することにより、左右の走行クローラー10の間に泥土が溜まりにくく、泥土に足を取られて走行不能になることを防止することができる。
請求項5~8の発明では、複数の転輪15のうちの、最後尾の転輪15および上転輪28よりも後方に、クローラーベルト31の形状を維持する遊動輪(テンションローラー)13と、走行クローラー10にかかる負荷に対して可動して遊動輪13とを前後移動させるクローラーテンショナー60を設け、遊動輪13およびクローラーテンショナー60は、転輪15および上転輪28の左右幅内に配置しているので、転輪15および上転輪28の左右幅内に遊動輪13とクローラーテンショナー60を配置したことにより、遊動輪13やクローラーテンショナー60がクローラーベルト31からはみ出して泥が引っ掛かることが無く、走行クローラー10に泥が詰まって走行不能になることが防止される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】コンバインの側面図。
図2】機体フレームの平面図。
図3】クローラーを省略した走行装置と機体フレームの側面図。
図4】クローラーを省略した走行装置と機体フレームの正面図。
図5】クローラーを省略した走行装置と機体フレームの背面図。
図6】機体フレームの平面図。
図7】機体フレームとクローラーを省略した走行装置の組立状態側面図。
図8】クローラーガイド取付前状態の斜視図。
図9】クローラーガイドを取付けた状態の斜視図。
図10】機体フレームと前側フットフレームの正面図。
図11】機体フレームと後側フットフレームの背面図。
図12】転輪の斜視図と同透視状態正面図と同正面図。
図13】転輪の分解状態正面図と同正面図。
図14】機体フレームと走行装置の背面図。
図15】遊動輪(テンションローラー)付近の側面図。
図16】同斜視図。
図17】エンジンの側面図。
図18】同正面図。
図19】同側面図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の一実施形態を図面により説明すると、1は機体フレ-ム、2は機体フレ-ム1の下方位置に設けた走行装置、3は機体フレ-ム1の上方位置に設けた脱穀装置、4は機体フレ-ム1の前方に設けた刈取装置、5は前記脱穀装置3の側部に設けた該脱穀装置3より取出された穀物を一時貯留するグレンタンク、6は操縦部である(図1)。
なお、本発明を説明するにあたり、理解を容易にするため、作業車両の走行方向を基準に前後・左右・上下等の方向を示して説明するが、これにより、本発明の構成が限定されることはない。
走行装置2は、左右一対の走行クローラー10を有して構成する。走行クローラー10は走行フレーム(クローラーフレーム・転輪フレーム)11の前側に設けた駆動輪12と後側に設けた遊動輪(テンションローラー)13の間に複数設けた転輪15の外周に掛け回して構成する。
【0009】
機体フレ-ム1は、少なくとも、左右一対の前後方向の前後フレーム20と、前後一対の左右方向の左右フレーム21を有して構成し、前後フレーム20と左右フレーム21の交差部(交点・交差位置)交差部22の下方に、左右の走行クローラー10の走行フレーム11を支持する前側フットフレーム25および後側フットフレーム26のそれぞれを装着する。
走行フレーム11には前後方向に複数の前記転輪15を配置する。転輪15は、前側フットフレーム25および後側フットフレーム26の前後に、ほぼ等間隔を空けて配置する構成とする。
そのため、前後フレーム20と左右フレーム21の交差部22の下方に前側フットフレーム25と後側フットフレーム26を設けることにより、構造上強度の高い部分に装着でき、走行により負荷を受けても破損しにくくなる。
【0010】
前側フットフレーム25と後側フットフレーム26の前後に、転輪15をほぼ等間隔を空けて配置することにより、負荷が分散されやすくなると共に、ある程度の間隔があることで土詰まりによる走行停止が防止される。
さらに、作業中に入り込んだ土の除去作業も容易であり、メンテナンス性が高い。
この場合、転輪15は側面視で前側フットフレーム25と後側フットフレーム26との間にそれぞれ均等距離の間隔で配置してもよい。
そのため、走行フレーム11に強固に組み付けられた前側フットフレーム25及び後側フットフレーム26の前後に、均等な距離で転輪15を各々設けることにより、前側フットフレーム25と後側フットフレーム26が前後の転輪15から受ける負荷を均等に分散でき、走行フレーム11や前側フットフレーム25及び後側フットフレーム26の破損が防止される。
【0011】
また、間隔が均等であることにより、前側フットフレーム25及び後側フットフレーム26の前後での土詰まりが偏って生じにくく、仮に土詰まりが生じても前後間隔に偏りが無いので、除去作業を行いやすい構造となる。
また、このようにすることにより、耐久性・湿田走行性能・メンテナンス性の優れた海外コンバイン向け作業機を提供できる。
また、湿田作業性能(走破性・泥押し・泥抜け・マフラー水没防止)を向上させられる。
また、メンテナンス性能を向上させられる。
後側フットフレーム26の後部に設けられる後端転輪15(第5転輪15)の上部に、クローラーベルト31の内周面に接触する上転輪(転輪15)28を配置する。
前側および後側フットフレーム25、26の前後間、および機体フレーム1の前後フレーム20と走行フレーム11の上下間で、空間部30を形成する。
そのため、上転輪28をクローラーベルト31の内面に接させて後側フットフレーム26の上側方を通過させて配置することにより、走行フレーム11と走行フレーム11の上方のクローラーベルト31の下面との間の内部空間部30に入り込んだ土を取り出しやすく、メンテナンス性が向上する。
【0012】
また、走行フレーム11の上部側に空間部30を形成することにより、走行クローラー10の上下の大部分が泥中に浸かっても走行フレーム11の左右に溜まりにくくなるので、湿田走行性が向上する。
前後方向に複数設けた第五転輪15上に上転輪28を配置し、上転輪28の前方に後側フットフレーム26を配置する構成とする。
そのため、上転輪28で走行クローラー10のクローラーベルト31の内側と後側フットフレーム26の上面との間の距離を確保し、後側フットフレーム26股下の空間を大きくでき、湿田走破性を向上させられる。
側面視で前側フットフレーム25と後側フットフレーム26の間、走行フレーム11上には部材を配置せずに空間部30を形成する。
そのため、走行クローラー10の左右両側から泥抜けが良好になって、湿田走破性を向上させられる。
【0013】
すなわち、従来では、走行フレーム11の前後中間部の上方に上転輪28を設けていたので、走行フレーム11の上方に設けた部材の存在が走行クローラー10の内側から外側へ、または、走行クローラー10の外側から内側への泥抜けの抵抗になり、湿田走行性能を低下させていたが、本発明では、側面視で前側フットフレーム25と後側フットフレーム26の間の走行フレーム11上方に空間部30を形成しているので、泥抜け性能を向上させ、湿田走行性能を向上させられる。
また、走破性・泥押し・泥抜け・マフラー水没防止の作用効果も期待できる。
また、走行フレーム11と上方のクローラーベルト31の内面(下面)との間に空間部30を形成しているので、泥落とし等のメンテナンス性を向上させられる。
走行クローラー10の一部を構成する複数の転輪15および上転輪28は、支持軸33に左右一対の取付ステー34を装着すると共に、支持軸33の左右両側に接触輪35を各々設けて構成する。
【0014】
各転輪15および上転輪28は走行フレーム11から各々着脱可能な構成とする。
また、各転輪15および上転輪28は走行フレーム11への取付位置を、前後調節可能に構成する。
前記転輪15および上転輪28は、中央に位置する一対の取付ステー34の側方に位置するように左右一対の接触輪35を支持軸33によりそれぞれ軸装して取付ける(図12,13)。
そのため、すべての転輪15の接触輪35を1個ずつ容易に脱着可能となり、摩耗度合いで配置転換を可能とし、走行装置2全体の耐久性を向上させられる。
そのため、これにより、耐久性(構造物強化)を向上させ、湿田作業性能(走破性・泥押し・泥抜け・マフラー水没防止)を向上させ、メンテナンス性能を向上させられる。
すなわち、転輪15および上転輪28は、支持軸33の左右中央部分を基準に、前後左右対称分割構成とし、接触輪35の脱着交換を容易にし、メンテナンスを容易にする。
【0015】
そのため、転輪15および上転輪28を各々走行フレーム11から着脱可能としたことにより、劣化や破損した転輪(上転輪28)15だけを容易に交換することができ、走行性能を維持できる。
また、転輪15および上転輪28の取付位置を各々前後調節できることにより、クローラーベルト31の張りを適正化しやすく、走行性が向上する。
平面視において、機体フレ-ム1の土台上枠38のほぼ中央に後側フットフレーム26を横方向に配置した構成としている。
そのため、機体前後方向の重量バランスを良好にすることができる。
また、これにより、耐久性(構造物強化)を向上させ、湿田作業性能(走破性・泥押し・泥抜け・マフラー水没防止)を向上させ、メンテナンス性能を向上させられる。
なお、機体フレ-ム1の構成は任意であり、前記したように、少なくとも、機体左右一対の前後方向の前後フレーム20と、機体前後一対の左右方向の左右フレーム21を有して構成すればよく、後側フットフレーム26と機体フレ-ム1との取付構成は任意であって、平面視において、機体フレ-ム1のほぼ中央に後側フットフレーム26を横方向に配置すればよい。
【0016】
上転輪28はステ-39と共に走行フレーム11にアッシー部材とpして脱着可能としている。
そのため、上転輪28を単独で脱着可能となり、クローラーベルト31の脱着容易化を図れる。
また、これにより、耐久性(構造物強化)を向上させ、湿田作業性能(走破性・泥押し・泥抜け・マフラー水没防止)を向上させ、メンテナンス性能を向上させられる。
転輪15は、取付ステー34の上部の左右一対の取付部40の上面を、走行フレーム11の左右側面に側方に突出するように設けたフレーム側取付部41の下面に当接させ、固定具42により4か所固定する。
43は支持軸33を支持する軸受である。
この場合、フレーム側取付部41の各取付孔(図示省略)を前後方向に長い長孔に形成し、これにより、転輪15の取付位置を前後に変更調節可能に構成する。
そのため、転輪15の取付位置を組立調整でき、取付位置精度を向上させられる。
これにより、走行装置2の製品精度向上・直進性向上を図ることができ、さらに、クローラーベルト31の張りを適正化しやすく、走行性が向上する。
【0017】
なお、上転輪28は、図示は省略するが、取付ステー34の下部の左右一対の取付部40の下面を、走行フレーム11に固定具42により所固定する。
クローラーガイド45を、走行フレーム11の下方側に着脱可能に装着する(図3、7)。クローラーガイド45は、転輪15を構成する左右一対の接触輪35の左右中央の空間を、前後に通過させて配置する。
そのため、走行フレーム11に転輪15を取付付けたまま、クローラーガイド45のみを着脱できるので、メンテナンス性が向上する。
また、クローラーガイド45には、上方に起立するステー46を前後方向に複数設け、ステー46を走行フレーム11に下方に突出するように設けた取付部47にボルト等の固定具48により着脱可能に取付ける。
そのため、クローラーガイド45は走行フレーム11に対して下方に向けて取り外しできるので、メンテナンス性がさらに向上する。
【0018】
走行フレーム11の下面の内側部分に下方に突出する平板形状の取付部47を前後方向に複数配置し、取付部47にクローラーガイド45に設けたステー46を固定具48により着脱自在に取付ける(図7)。
そのため、クローラーガイド45の取付構成を簡素化でき、クローラーガイド45の取付部品精度を向上させられる。
また、これにより、走行フレーム11の下面と走行フレーム11の下方のクローラーベルト31の上面との間における泥抜けを良好にし、湿田走破性を向上させられる。
転輪15のみならず、クローラーガイド45を、走行フレーム11から脱着可能とした構成としている。
そのため、走行フレーム11を下部からジャッキアップすることで、転輪15およびクローラーガイド45の着脱を容易にできる。
また、クローラーガイド45は固定具48により走行フレーム11の取付部47に取付ているので、転輪15を外すことなく、着脱でき、泥土の除去作業等のメンテナンス作業を容易に行うことかできる。
【0019】
そのため、これにより、耐久性(構造物強化)を向上させ、湿田作業性能(走破性・泥押し・泥抜け・マフラー水没防止)を向上させ、メンテナンス性能を向上させられる。
転輪15を取付ステー34により走行フレーム11を構成する下枠51の下部を跨いで左右に接触輪35を位置させて設ける。
これにより、走行フレーム11の下枠51のフレーム側取付部41と左右の取付ステー34との連結部分は、正面視において転輪15よりも上方とする(図13)。
そのため、走行フレーム11を地面から離間させて下方空間を大きく広げることができるので、湿田泥押し抵抗を低減させ、走破性向上させることができる。
この場合、従来では、走行フレームに機体外側方から転輪を装着していたので、走行フレームが地面に近く、クローラ側方から入り込む泥土が走行フレームの下面と下方移動するクローラーの間の下部空間内に詰まりやすく、クローラーが泥を押して走行抵抗が高まり、走行速度が不安定になりやすかった。
【0020】
本発明では、走行フレーム11の下枠51に形成するフレーム側取付部41と左右の取付ステー34との連結部分が、正面視において転輪15よりも上方に位置することにより、転輪15は走行フレーム11の下枠51から下方に吊られる配置となる(図13)。
これにより、走行フレーム11の下枠51と地面の上下間隔が従来構成よりも広くなって、走行フレーム11の下枠51の下方空間部を泥土が通過しやすくなるので、停滞した泥土に周囲の泥土が張り付いて大きくなるのを防止し、その結果、走行抵抗となることを防止できる。
また、上記構成により、耐久性(構造物強化)を向上させ、湿田作業性能(走破性・泥押し・泥抜け・マフラー水没防止)を向上させ、メンテナンス性能を向上させられる。
前後に複数設けた転輪15のうちの、最後尾の第五転輪15の取付け位置付近に縦板状の取付部49を設け、取付部49は後側フットフレーム26と遊動輪13の取付ステー50を連結する構成とする(図16、17)。
そのため、荷重のかかる第五転輪15の強度保持できる。
【0021】
また、これにより、耐久性向上・湿田作業性能向上(走破性・泥押し・泥抜け・マフラー水没防止)・メンテナンス性能向上させることができる。
前記走行フレーム11は下枠51と上枠52とにより形成し、走行フレーム11の上枠52と機体フレ-ム1のステ-39と下枠51の前側を連結する前側フットフレーム25は平面視においてミッションケース53のミッション取付部54とエンジン搭載部55の中間に配置する(図2、3)。
すなわち、前記走行フレーム11は下枠51と上枠52とにより形成され、これら下枠51と上枠52を連結する前側フットフレーム25は、平面視及び側面視において、ミッションケース53を取り付けるミッション取付部54と、エンジン取付部55との前後間における中間に配置するものとする。
これにより、機体フレ-ム1および走行装置2の前側部分の強度バランス均一化でき、変形防止することができる。
また、上記構成により、耐久性(構造物強化)を向上させ、湿田作業性能(走破性・泥押し・泥抜け・マフラー水没防止)を向上させ、メンテナンス性能を向上させられる。
【0022】
走行クローラー10にはクローラーベルト31を無端状に巻回して設け、クローラーベルト31は駆動輪12の位置を基準に駆動輪12から機体内側端部までの長さTは、駆動輪12から機体外側端部までの長さtよりも短くし、クローラーベルト31の機体外側端部は、機体フレーム機体フレ-ム1の機体外側端部よりも内側に位置するように構成する(図14)。
そのため、機体の左右両外側付近に左右の走行クローラー10を配置することにより、左右の走行クローラー10の間に泥土が溜まりにくく、泥土に足を取られて走行不能になることが防止される。
走行クローラー10にはクローラーベルト31を無端状に巻回して設け、クローラーベルト31は正面視において駆動輪12の位置を基準に駆動輪12から機体内側端部までの長さTは、駆動輪12から機体外側端部までの長さtよりも短くし、クローラーベルト31の機体外側端部は、機体フレーム機体フレ-ム1の機体外側端部よりも内側に位置するように構成する。
すなわち、ミッションケース53および機体フレ-ム1に対する走行クローラー10の配置と、クローラーベルト31の左右幅は同じだが、左右一側においては駆動輪12の位置を基準にクローラーベルト31を外側に寄せ、クローラーベルト31の機体内側幅は狭く、クローラーベルト31の機体外側幅は広い形状とし、クローラーベルト31の外側縁端を機体フレ-ム1の外側端位置より内側に配置構成する。
【0023】
一方、左右他側においては、クローラーベルト31の機体内側幅は広く、クローラーベルト31の機体外側幅は狭い形状とし、クローラーベルト31の外側縁端は機体フレーム1の外側端位置よりも機体内側に配置する。
上記のとおり、機体幅ギリギリにクローラーベルト31を配置することで、湿田走行安定化・左右傾斜安定化向上させる
クローラーベルト31の左右幅を、機体フレーム1の土台上枠38の左右両外側端部に位置する前後フレーム20と、この前後フレーム20よりも機体内側で前後方向を長手方向として設けられる内側前後フレーム20aの左右幅と略同じ長さとすることができるので、クローラーベルト31の接地面積が増大し、これにより、ぬかるみやすい湿田でも走行姿勢が乱れにくくなり、安定した刈取作業走行が可能となる。
また、左右のクローラーベルト31、31と駆動輪12、12とは、正面視におけるクローラーベルト31の左右中央部から各々偏倚した位置で接触する構成であり、本発明では、左右一側のクローラーベルト31の巻回域内には駆動輪12が機体内側寄りに配置されていると共に、左右他側のクローラーベルト31の巻回域内には駆動輪12が機体外側寄りに配置されている。
【0024】
この走行クローラ10の構造により、機体のバランスは左右一側方向に偏りやすくなるが、一方で機体フレーム1の左右他側には重量物であるエンジン71が設けられると共に、グレンタンク5や操縦部6への作業者の搭乗により重量バランスが機体他側寄りになりがちな構造であるので、本構成とすることで、機体左右方向の傾斜が生じにくくなる。
また、上記構成により、コンバインの機体幅を変更せず、走行安定性を向上させられる。
また、耐久性(構造物強化)を向上させ、湿田作業性能(走破性・泥押し・泥抜け・マフラー水没防止)を向上させ、メンテナンス性能を向上させられる。
走行装置2のクローラーベルト31と駆動輪12との位置関係を、正面視において駆動輪12の位置を基準に駆動輪12から機体内側端部までの長さTは、駆動輪12から機体外側端部までの長さtよりも短くした構成とし、側面視において、前側および後側フットフレーム25、26の前後間、および機体フレーム1の前後フレーム20と走行フレーム11の上下間で、空間部30を形成する。
そのため、この空間部30の形成により泥抜け・藁くず抜けが促進でき、湿田走破性向上させられる。
【0025】
また、耐久性(構造物強化)を向上させ、湿田作業性能(走破性・泥押し・泥抜け・マフラー水没防止)を向上させ、メンテナンス性能を向上させられる。
この場合、走行フレーム11と機体フレ-ム1を連結する後側フットフレーム26の下端部形状を、遊動輪13の軸心高さまでの形状とし、強度を保持した状態で下部の空間を円弧状に広く形成した構成とする。
従来では連結部分の最下端が遊転輪の軸芯よりも下方であり後部フットフレームの下端面と地面の距離が近く、泥土が溜まっていって走行抵抗が増したり、圃場面を不用意に荒らしたりする問題があった。
本発明では、後側フットフレーム26の機体外側端部、すなわち走行フレーム11の下枠51に連結する部分を、後端部の遊動輪13の軸芯高さと略同じ、乃至やや上方とすることにより、下枠51と強固に連結しつつ、後部フットフレーム26を地面から十分に離間させる構造となり、泥押し等が生じにくくでき、泥抜け改善による湿田走破性を向上させられる。
【0026】
複数の転輪15のうちの、最後尾の転輪15および上転輪28よりも後方に、クローラーベルト31の形状を維持する遊動輪(テンションローラー)13と、走行クローラー10にかかる負荷に対して可動して遊動輪13を前後移動させるクローラーテンショナー60を設け、遊動輪13およびクローラーテンショナー60は、転輪15および上転輪28の左右幅内に配置する(図14、16、17)。
転輪15および上転輪28の左右幅内に遊動輪13とクローラーテンショナー60を配置したことにより、遊動輪13やクローラーテンショナー60がクローラーベルト31からはみ出して泥が引っ掛かることが無く、走行クローラー10に泥が詰まって走行不能になることが防止される。
上転輪28・遊動輪13・クローラーテンショナー60を背面視でラップさせて幅方向の面積を減らす構成とする。
そのため、走行抵抗を低減させ、湿田走破性を向上させられる。
また、耐久性(構造物強化)を向上させ、湿田作業性能(走破性・泥押し・泥抜け・マフラー水没防止)を向上させ、メンテナンス性能を向上させられる。
【0027】
後側フットフレーム26は、機体フレーム(土台上枠38)1の下部に水平な姿勢で装着される左右部分の下端部が、機体前側のミッションケース53の下端部よりも上方、乃至ミッションケース53の下端部と略同じ高さとなるように配置される。
そのため、ミッションケース53の下部側が、従来構成に比し圃場面から離れているので、多少泥土が盛り上がっていても接触することなく通過できる。
また、ミッションケース53を地面から上方に十分離間させることができるので、後進時にミッションケース53が泥土に接触し、ミッションケース53に泥が堆積することや、ミッションケース53が障害物に接触することを防止できる。
また、耐久性(構造物強化)を向上させ、湿田作業性能(走破性・泥押し・泥抜け・マフラー水没防止)を向上させ、メンテナンス性能を向上させられる。
機体フレ-ム1と左右の走行フレーム11の後方を連結保持する後側フットフレーム26を、側面視において、第五転輪15と第四転輪15の中間に配置する構成とする。
そのため、後側フットフレーム26は従来よりも前方に位置させることになり、後進時の走行フレーム11への荷重を低減させられる。
【0028】
また、後端部に配置したク燃料タンク69との支持距離が間延びするため変形するのを防止する。
また、耐久性(構造物強化)を向上させ、メンテナンス性能を向上させられる。
操縦部6の座席70の下方にエンジン71を設け、エンジン71の排気口(図示省略)には排気管72の基部を接続し、排気管72の中間部には縦筒部73を形成し、縦筒部73の下部に横筒部74を略水平状態に設け、横筒部74にマフラー75とマフラー75に続くテールパイプ76を設け、マフラー75とテールパイプ76を地上より高く配置し、湿田走行中に水没しないような構成とする(図17)。
マフラー75とテールパイプ76を、走行フレーム11を構成する上枠52の上下幅内に、排気の排出口が位置する構成とすることにより、マフラー75とテールパイプ76は、地上より高く配置でき、機体が自重により沈み込みやすい湿田での作業時において、地面を掘って大幅に走行クローラー10が土中に入り込むことや、刈り初めの反力で機体が前上がり傾斜になっても、マフラー75及びテープパイプ76と地面の間に空間が確保されて残され、排気が妨げられず、且つ泥土に接触して泥押しすることのない構成となる。
【0029】
また、湿田圃場は地面の凹凸が生じやすく、機体が沈み込まなくても凸部にマフラー75やテールパイプ76が接近することがあるが、本構成でマフラー75やテールパイプ76が凸部に接触するのを防止する。
また、コンバインでの刈取作業時、軟弱圃場で機体が埋没することがあり、このとき、泥土がテールパイプ76の排気口を塞いで、エンジンをオーバーヒート等させることがあるが、これを防止する。
すなわち、走行フレーム11の上枠52の上下幅内に、機体前後方向に亘って水平姿勢でマフラー75及びテールパイプ76を配置し、テールパイプ76の後端部は、機体下方へ排気する排気口とすべく下方に屈曲させるものとする。
そのため、テールパイプ76の排気口に泥土が詰まることを防止できるので、耐久性(構造物強化)を向上させ、湿田作業性能(走破性・泥押し・泥抜け・マフラー水没防止)を向上させ、メンテナンス性能を向上させられる。
【0030】
また、マフラー75及びテールパイプ76に泥土が付着し、この泥土を押しながら走行することを防止できるので、破損や泥押しにより圃場面が荒れることが防止される。
機体フレ-ム1の土台上枠38より上部に突出したステー81を左端に設け、ステー81に油圧バルブ82を設置する(図18)。
そのため、湿田走行時に、走行クローラー10の上面まで湿田水没した際に、油圧バルブ82が地面と接触することが防止され、油圧バルブ82を保護することができる。
また、ステー81は刈取り上下シリンダ85の回動部周辺を取り囲んだ構成とする(図18、19)
そのため、ステ-81は刈取り上下シリンダ85の回動部周辺を取り囲んでいるので、刈取り上下シリンダ85の基部の回動不良発生を回避することができる。
[符号の説明]
【0031】
1…機体フレ-ム、2…脱穀装置、3…走行装置、4…刈取装置、5…グレンタンク、6…操縦部、10…走行クローラー、11…走行フレーム、12…駆動輪、13…遊動輪、15…転輪、20…前後フレーム、21…左右フレーム、22…交差部、25…前側フットフレーム、26…後側フットフレーム、28…上転輪、30…空間部、31…クローラーベルト、33…支持軸、34…取付ステー、35…接触輪、38…土台上枠、39…ステ-、40…取付部、41…フレーム側取付部、42…固定具、43…軸受、45…クローラーガイド、46…ステー、47…取付部、48…固定具、49…取付部、50…取付ステー、51…下枠、52…上枠、53…ミッションケース、54…ミッション取付部、55…エンジン搭載部、60…クローラーテンショナー、70…座席、71…エンジン、72…排気管、73…縦筒部、74…横筒部、75…マフラー、76…テールパイプ、80…メイン角フレ-ム、81…ステ-、82…油圧バルブ、85…刈取り上下シリンダ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9
図10
図11
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