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特許7459970情報処理装置、情報処理方法、情報処理システム及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、情報処理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01G 23/48 20060101AFI20240326BHJP
   G01G 3/18 20060101ALI20240326BHJP
   G01G 19/52 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
G01G23/48
G01G3/18
G01G19/52 Z
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022564717
(86)(22)【出願日】2020-11-24
(86)【国際出願番号】 JP2020043617
(87)【国際公開番号】W WO2022113162
(87)【国際公開日】2022-06-02
【審査請求日】2023-05-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】原 亜子
【審査官】榮永 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】実開昭61-34429(JP,U)
【文献】特開2019-6605(JP,A)
【文献】特開2019-196206(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0325207(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 1/00 - 23/48
A01K 5/00 - 9/00
A01K 39/00 - 39/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物が飼料である容器または前記容器を支える支持部材に取り付けられたセンサから、前記容器または前記支持部材の、歪みに関する情報を含むセンサデータを、取得する取得手段と、
前記歪みに関する情報と、前記飼料の種類、前記飼料が給餌される家畜の種類、及び前記家畜の数のうち、少なくともいずれか一つを示す畜産データとを含む入力データと前記容器の内容物の重量との関係を学習したモデルを用いて、前記センサデータから、前記内容物の重量を算出する算出手段と、を備える、
情報処理装置。
【請求項2】
内容物が飼料である容器または前記容器を支える支持部材に取り付けられたセンサから、前記容器または前記支持部材の、歪みに関する情報を含むセンサデータを、取得する取得手段と、
前記歪みに関する情報を含む入力データと前記容器の内容物の重量との関係を学習したモデルを用いて、前記センサデータから、前記内容物の重量を算出する算出手段と、を備え、
前記取得手段は、前記飼料が給餌される家畜の種類、数及び成長段階のうち、少なくともいずれか一つに応じて、前記センサデータを取得するタイミングを変える、
情報処理装置。
【請求項3】
前記入力データは、前記容器が設置された場所の、気温、湿度、降水量及び降雪量のうち、少なくともいずれか一つを示す気象データをさらに含み、
前記算出手段は、前記気象データを含む前記入力データと前記内容物の重量との関係を学習したモデルを用いて、前記内容物の重量を算出する、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記入力データは、前記容器の材質に関する情報、前記容器の構造に関する情報、前記容器が設置された場所の位置情報、及び、前記容器の設置状態に関する情報のうち、少なくともいずれか一つを示す環境データをさらに含み、
前記算出手段は、前記環境データを含む前記入力データと前記内容物の重量との関係を学習したモデルを用いて、前記内容物の重量を算出する、
請求項1乃至3のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記取得手段によって取得されるデータに基づいて、前記モデルを更新する更新手段を備える、
請求項1乃至のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項6】
複数の異なる場所のそれぞれに前記容器及び前記支持部材が設置される場合に、
前記取得手段は、前記センサのそれぞれから前記センサデータを取得し、
前記算出手段は、前記容器のそれぞれの前記内容物の重量を算出する、
請求項1乃至のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記容器または前記支持部材の、前記歪みに関する情報を検出する検出手段と、
前記歪みに関する情報を含む前記センサデータを送信する通信手段と、を有するセンサと、
請求項1乃至のいずれかに記載の情報処理装置と、を備える、
情報処理システム。
【請求項8】
内容物が飼料である容器または前記容器を支える支持部材に取り付けられたセンサから、前記容器または前記支持部材の、歪みに関する情報を含むセンサデータを、取得し、
前記歪みに関する情報と、前記飼料の種類、前記飼料が給餌される家畜の種類、及び前記家畜の数のうち、少なくともいずれか一つを示す畜産データとを含む入力データと前記容器の内容物の重量との関係を学習したモデルを用いて、前記センサデータから、前記内容物の重量を算出する
情報処理方法。
【請求項9】
内容物が飼料である容器または前記容器を支える支持部材に取り付けられたセンサから、前記容器または前記支持部材の、歪みに関する情報を含むセンサデータを、前記飼料が給餌される家畜の種類、数及び成長段階のうち、少なくともいずれか一つに応じて取得するタイミングを変えて取得し、
前記歪みに関する情報を含む入力データと前記容器の内容物の重量との関係を学習したモデルを用いて、前記センサデータから、前記内容物の重量を算出する
情報処理方法。
【請求項10】
内容物が飼料である容器または前記容器を支える支持部材に取り付けられたセンサから、前記容器または前記支持部材の、歪みに関する情報を含むセンサデータを、取得する処理と、
前記歪みに関する情報と、前記飼料の種類、前記飼料が給餌される家畜の種類、及び前記家畜の数のうち、少なくともいずれか一つを示す畜産データとを含む入力データと前記容器の内容物の重量との関係を学習したモデルを用いて、前記センサデータから、前記内容物の重量を算出する処理と、をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項11】
内容物が飼料である容器または前記容器を支える支持部材に取り付けられたセンサから、前記容器または前記支持部材の、歪みに関する情報を含むセンサデータを、前記飼料が給餌される家畜の種類、数及び成長段階のうち、少なくともいずれか一つに応じて取得するタイミングを変えて取得する処理と、
前記歪みに関する情報を含む入力データと前記容器の内容物の重量との関係を学習したモデルを用いて、前記センサデータから、前記内容物の重量を算出する処理と、をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、重量を算出する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
資材等を保管する容器を管理する技術が存在する。例えば、特許文献1には、監視対象とする貯蔵タンクに、弁の機能を監視するセンサ、温度センサ、重量センサ、及び歪みセンサ等の各種センサを設置し、各種センサから得られるデータに基づいて、監視対象の異常を検出する技術が開示されている。
【0003】
ここで、特許文献1には、貯蔵タンクの内容物の重量を算出する具体的な方法は開示されていない。例えば、貯蔵タンクのような容器の内容物の重量を算出する方法として、ロードセルを用いる方法がある。具体的には、容器の底部にロードセルを設置し、ロードセルにかかる荷重を検出することで、内容物の重量を算出する方法である。しかしながら、この方法では、容器の設置時に、容器にロードセルを内蔵させる必要がある。そのため、既存の容器にロードセルを導入する場合には、容器を交換するためのコストがかかる虞がある。
【0004】
これに対して、特許文献2には、飼料を保管する容器であるサイロに関して、サイロの荷重がかかる支持部材に歪みセンサを固着し、歪みセンサの出力値に基づいて、サイロの貯蔵量を計測する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特表2020-510248号公報
【文献】特開2003-240623号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2には、歪みセンサの出力値である、支持部材の歪みの量に応じた電圧値を取得することが記載されている。しかしながら、特許文献2には、歪みセンサが出力した電圧値とサイロの内容物の重量との関係がどのように設定されているか記載されていない。設定される電圧値と重量との関係によっては、正確に重量が算出できない虞がある。
【0007】
本開示は、上記課題を鑑みてなされたものであり、容器の内容物の重量を正確に算出することが可能な情報処理装置等を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様にかかる情報処理装置は、容器または前記容器を支える支持部材に取り付けられたセンサから、前記容器または前記支持部材の、歪みに関する情報を含むセンサデータを、取得する取得手段と、前記歪みに関する情報を含む入力データと前記容器の内容物の重量との関係を学習したモデルを用いて、前記センサデータから、前記内容物の重量を算出する算出手段と、を備える。
【0009】
本開示の一態様にかかる情報処理方法は、容器または前記容器を支える支持部材に取り付けられたセンサから、前記容器または前記支持部材の、歪みに関する情報を含むセンサデータを、取得し、前記歪みに関する情報を含む入力データと前記容器の内容物の重量との関係を学習したモデルを用いて、前記センサデータから、前記内容物の重量を算出する。
【0010】
本開示の一態様にかかるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、容器または前記容器を支える支持部材に取り付けられたセンサから、前記容器または前記支持部材の、歪みに関する情報を含むセンサデータを、取得する処理と、前記歪みに関する情報を含む入力データと前記容器の内容物の重量との関係を学習したモデルを用いて、前記センサデータから、前記内容物の重量を算出する処理と、をコンピュータに実行させるプログラムを格納する。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、容器の内容物の重量を正確に算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の第1の実施形態の情報処理システムの構成の一例を模式的に示す図である。
図2】本開示の第1の実施形態の情報処理システムの機能構成の一例を含むブロック図である。
図3】本開示の第1の実施形態の情報処理システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
図4】本開示の第1の実施形態の変形例2における情報処理システムの構成の一例を模式的に示す図である。
図5】本開示の第1の実施形態の変形例2におけるデータベースの一例を示す図である。
図6】本開示の第2の実施形態の情報処理システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
図7】本開示の第2の実施形態の情報処理システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
図8】本開示の第3の実施形態の情報処理装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図9】本開示の第3の実施形態の情報処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図10】本開示の第1、第2、及び第3の実施形態の情報処理装置を実現するコンピュータ装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0014】
<第1の実施形態>
第1の実施形態の情報処理装置を含む情報処理システムについて説明する。
【0015】
図1は、第1の実施形態の情報処理システム1000の構成の一例を模式的に示す図である。図1に示すように情報処理システム1000は、情報処理装置100と、歪みセンサ200とを備える。情報処理装置100は、歪みセンサ200と、ネットワークを介して通信可能に接続される。また、情報処理装置100は、端末300及び記憶装置400とも通信可能に接続されてもよい。端末300は、例えば、パーソナルコンピュータであってもよいし、スマートフォンまたはタブレット型端末等の携帯型の端末であってもよい。記憶装置400は、情報処理装置100に搭載されてもよい。
【0016】
歪みセンサ200は、部材の歪みを検出するセンサである。歪みセンサ200は、容器の表面または容器を支持する支持部材の表面に取り付けられる。図1の例では、歪みセンサ200は、支持部材の表面に取り付けられている。容器には、例えば、家畜に給餌するための飼料が保管される。なお、本明細書において、容器の内容物が飼料である例について主に説明するが、容器の内容物は、この例に限らない。例えば、容器の内容物は、工業原料となる物体であってもよいし、農産物であってもよい。また、容器の内容物は、固体に限らず、液体や気体であってもよい。本明細書において、容器の内容物を資材と称することもある。容器は、資材を投入する箇所である投入口と、資材を排出する箇所である排出口を有する。容器が飼料を保管する容器であれば、容器は、例えば、畜産農家が所有する農場に設置されている。支持部材は、例えば支柱であり、容器は、複数本の支柱によって支持される。
【0017】
歪みセンサ200は、容器または支持部材の、歪みを検出する。そして、歪みセンサ200は、検出された歪みを示す情報を含むセンサデータを、ネットワークを介して情報処理装置100に送信する。情報処理装置100は、センサデータに基づき、容器の内容物の重量を算出する。このように、情報処理システム1000は、容器または支持部材に取り付けられた歪みセンサ200から得られる情報に基づいて、容器の内容物の重量を算出するシステムである。なお、情報処理装置100は、クラウド環境で構築されてもよい。すなわち、情報処理装置100は、センサデータを、歪みセンサ200からインターネットを介して取得してもよい。
【0018】
次に、図2を用いて情報処理システム1000の構成の詳細を説明する。図2は、第1の実施形態の情報処理システム1000の構成の一例を示すブロック図である。
【0019】
[歪みセンサ200の詳細]
図2に示すように、歪みセンサ200は、検出部210と通信部220とを備える。
【0020】
検出部210は、部材の歪みに関する情報を検出する。部材に外力が加わることにより、部材には伸縮が生じる。部材の歪みとは、例えば、部材に伸縮が生じた際の部材の変形量を示す。ここで、金属が伸縮すると、その金属の電気抵抗は変化する。歪みセンサ200が部材に取り付けられることにより、部材の伸縮に応じて、歪みセンサ200が有する金属は伸縮し、歪みセンサ200が有する金属の電気抵抗は変化する。検出部210は、例えば、歪みセンサ200が有する金属の電気抵抗の変化を、電圧の変化に置き換える。すなわち、検出部210は、例えば、電圧値を、部材の歪みに関する情報として検出する。なお、このように部材の歪みを検出するセンサは、歪みゲージとも呼ばれる。
【0021】
容器及び容器を支持する支持部材には、容器の内容物である資材の荷重によって歪みが生じる。そこで、本明細書においては、歪みセンサ200は、容器または支持部材において、資材の荷重に起因して歪みが生じる箇所の表面に、接着剤等によって取り付けられる。資材が例えば飼料である場合、例えば、排出口付近の容器の外側の表面や、容器に接触する支持部材(例えば支柱)の表面等である。図1の例では、歪みセンサ200が容器の支持部材の表面に取り付けられているが、資材の荷重に起因して歪みが生じる箇所の表面であれば、歪みセンサ200が取り付けられる箇所はこの例に限らない。また、歪みセンサ200は、容器及び支持部材において、資材の荷重に起因して生じる歪みの大きさが、他の箇所と比べて大きい箇所の表面に取り付けられてもよい。例えば、排出口付近の容器の表面と、容器に接触する支持部材の表面とで、予め歪みの大きさを調べ、歪みの大きさが大きい方に歪みセンサ200が取り付けられてもよい。これにより、歪みの変化を精度よく検出することができる。また、歪みセンサ200は、複数取り付けられてもよい。これにより、例えば、容器内で資材に偏りが発生したときであっても歪みの変化をより精度よく検出することができる。さらに、一つの容器に歪みセンサ200が複数取り付けられることにより、例えば、複数の歪みセンサ200のうちの一が故障したときであっても歪みの変化を検出することができる。検出部210は、例えば、容器または支持部材の歪みに関する情報として、電圧値を検出する。そして、検出部210は、電圧値を含むセンサデータを生成する。センサデータには、歪みセンサ200を識別するセンサ識別情報が含まれてもよい。このように、検出部210は、容器または支持部材の、歪みに関する情報を検出する。検出部210は、検出手段の一例である。
【0022】
通信部220は、歪みに関する情報を含むセンサデータを、ネットワークを介して情報処理装置100に送信する。通信部220は、通信手段の一例である。
【0023】
[情報処理装置100の詳細]
情報処理装置100は、取得部110と、算出部120と、出力部130とを備える。
【0024】
取得部110は、歪みセンサ200からセンサデータを取得する。すなわち、取得部110は、容器または容器を支える支持部材に取り付けられたセンサから、容器または支持部材の、歪みに関する情報を含むセンサデータを、取得する。取得部110は、取得手段の一例である。
【0025】
算出部120は、取得部110によって取得されたセンサデータに基づいて、容器の内容物の重量を算出する。このとき、算出部120は、予め生成された算出モデルに基づいて、容器の内容物の重量を算出する。算出モデルは、歪みに関する情報(例えば電圧値)を含む入力データと容器の内容物の重量との関係を学習したモデルである。例えば、算出モデルは、容器の内容物の重量を目的変数とし、歪みに関する情報を説明変数とした回帰分析が行われることにより導出された回帰式である。内容物の重量と、重量に対応する歪みに関する情報とは、例えば、容器の内容物の重量を変化させながら、歪みセンサ200によって歪みに関する情報を検出することにより取得される。
【0026】
なお、算出モデルは、上述の例に限らず、他の機械学習アルゴリズムを用いることによって生成されたものでよい。他の機械学習アルゴリズムは、例えば、SVM(Support Vector Machine)、ニューラルネットワーク、ランダムフォレスト等であるが、この例に限らない。また、算出モデルの学習は、算出部120で行われてもよい。また、学習は、情報処理装置100以外の装置で行われてもよい。
【0027】
次に、算出部120は、例えば、導出された算出モデルを記憶装置400から読み出し、当該算出モデルにセンサデータに含まれる歪みに関する情報を入力することにより、容器の内容物の重量を算出する。このように、算出部120は、歪みに関する情報を含む入力データと容器の内容物の重量との関係を学習したモデルを用いて、センサデータから、内容物の重量を算出する。算出部120は、算出手段の一例である。
【0028】
(取得部110及び算出部120の例1)
容器及び支持部材は、内容物の重量が同じであっても、温度によって生じる歪みが変わる場合がある。また、内容物は、湿度に応じて重量が変わる場合がある。このように、容器が設置された場所の気象が、重量の算出に影響を及ぼす場合がある。そこで、取得部110は、容器が設置された場所の気象データを取得してもよい。気象データには、例えば、容器が設置された場所の気温、湿度、降水量及び降雪量のうち、少なくともいずれか一つを示す情報が含まれる。なお、気象データに含まれる情報は、この例に限らない。気象データには、さらに晴れ及びくもりといった天気の情報が含まれてもよいし、風速及び風向を示す情報が含まれてもよいし、地震等による振動を示す情報が含まれてもよい。取得部110は、気象データを、ネットワークを介して接続される外部のサーバ装置から取得してもよい。例えば、取得部110は、記憶装置400に格納されたデータベースから、容器が設置された場所の情報を取得し、取得された場所における気象データを、インターネットを介して取得してもよい。また、温度センサ、湿度センサ及び加速度センサ等の各種センサが容器周辺に設置されている場合、取得部110は、当該センサによって検出されたデータを気象データとして取得してもよい。また、取得部110は、ユーザによって端末300に入力されたデータを、気象データとして取得してもよい。
【0029】
算出部120は、例えば、歪みに関する情報と気象データとを含む入力データを用いて機械学習により生成された算出モデルに対して、取得部110によって取得された歪みに関する情報及び気象データを入力することにより、容器の内容物の重量を算出する。この場合の算出モデルは、例えば、気象データと、歪みに関する情報と、を説明変数とし、容器の内容物の重量を目的変数とした機械学習により、事前に生成されたものである。
【0030】
(取得部110及び算出部120の例2)
また、容器の材質、構造、設置場所及び設置状態等も重量の算出に影響を及ぼす場合がある。例えば、容器及び支持部材の材質によって、歪み方が変わる場合がある。また、例えば、容器の容量が3トンであれば、支持部材となる支柱が3本となったり、容量が5トンの場合は支柱が4本となったり、と容器に応じて構造が変わる。構造が変わると、容器及び支持部材の荷重がかかる場所の歪み方も変わる可能性がある。また、容器の設置場所が道路に近い場合は、車両の走行による振動が伝わり、歪みセンサ200の検出に影響を及ぼす可能性がある。さらに、容器がコンクリートの土台のうえに設置されているか、土の上に設置されているか、といった設置状態も、歪み方に影響を及ぼす。そこで、取得部110は、容器の材質に関する情報、容器の構造に関する情報、容器が設置された場所の位置情報、及び、容器の設置状態に関する情報のうち、少なくともいずれか一つを含む環境データを取得してもよい。なお、環境データに含まれる情報は、この例に限らない。例えば、環境データには、容器及び支持部材の設置年数を示す情報、及び設置場所の標高を示す情報等が含まれてもよい。取得部110は、例えば環境データを、記憶装置400から取得する。この場合、環境データは、例えば、ユーザによって端末300から入力されたデータである。
【0031】
算出部120は、例えば、歪みに関する情報と環境データとを含む入力データを用いて機械学習により生成された算出モデルに、取得部110によって取得された歪みに関する情報と環境データとを入力することにより、容器の内容物の重量を算出する。この場合の算出モデルは、例えば、環境データと、歪みに関する情報と、を説明変数とし、容器の内容物の重量を目的変数とした機械学習により、事前に生成される。この機械学習において、説明変数として、気象データがさらに加えられてもよい。そして、算出部120は、算出モデルに、歪みに関する情報と環境データと気象データとを入力することにより、容器の内容物の重量を算出してもよい。
【0032】
(取得部110及び算出部120の例3)
また、例えば、容器の内容物が飼料であり、容器が、畜産農家が所有する農場に設置されているとする。飼料によっては、密度が異なったり、水分を含みやすかったりするため、飼料の種類が重量の算出に影響を及ぼす場合がある。また、飼料を給餌する家畜の種類及び数によっては、家畜が動いたことによる振動等により、歪みセンサ200の検出に影響を及ぼす可能性がある。そこで、取得部110は、さらに、飼料の種類、家畜の種類、及び家畜の数のうち、少なくともいずれか一つを示す情報を含む畜産データを取得してもよい。畜産データに含まれる情報は、この例に限らない。例えば、畜産データには、家畜の成長段階(例えば年齢及び大きさ)、及び家畜の健康状態などを示す情報が含まれてもよい。取得部110は、畜産データを例えば、記憶装置400から取得する。この場合、畜産データは、例えば、ユーザによって端末300から入力されたデータである。
【0033】
算出部120は、例えば、歪みに関する情報と畜産データとを含む入力データを用いて機械学習により生成された算出モデルに、取得部110によって取得された歪みに関する情報と畜産データとを入力することにより、容器の内容物の重量を算出する。
【0034】
この場合の算出モデルは、例えば、畜産データと、歪みに関する情報と、を説明変数とし、容器の内容物の重量を目的変数とした機械学習により、事前に生成される。この機械学習において、説明変数として、気象データと環境データとの少なくともいずれかが、さらに加えられてもよい。そして、算出部120は、算出モデルに、歪みに関する情報と、畜産データと、環境データ及び気象データの少なくともいずれかと、を入力することにより、容器の内容物の重量を算出してもよい。
【0035】
なお、例1乃至3で説明した算出モデルは、上述したSVM、ニューラルネットワーク、ランダムフォレスト等の、公知の機械学習アルゴリズムを用いることによって生成されてもよい。
【0036】
また、算出部120は、取得されたセンサデータと、気象データ、環境データ及び畜産データの少なくとも一つと、算出された重量を示す情報とを、センサデータを取得した時刻と関連付けて記憶装置400に格納してもよい。
【0037】
出力部130は、算出部120によって算出された重量を出力する。例えば、出力部130は、端末300に、算出された重量を示す情報を送信し、端末300が有するディスプレイに、算出された重量を表示させる。これにより、情報処理装置100は、ユーザに、内容物の残量を把握させることができる。例えば、ユーザが容器の所有者である場合、ユーザは容器に保管される資材の生産及び供給を行う会社に対して、効率的に注文を行うことができる。
【0038】
[情報処理システム1000の動作]
次に、情報処理システム1000の動作の一例を、図3を用いて説明する。なお、本明細書において、シーケンス図及びフローチャートの各ステップを「S101」のように、各々のステップに付した番号を用いて表現する。
【0039】
図3は、情報処理システム1000の動作の一例を示すシーケンス図である。本動作例では、歪みに関する情報に加え、気象データ、環境データ及び畜産データを学習した算出モデルが記憶装置400に格納されているとする。また、内容物は飼料であり、容器は畜産農家が所有する農場に設置されているものとする。
【0040】
歪みセンサ200の検出部210は、容器または支持部材の、歪みに関する情報を検出する(S101)。通信部220は、検出された歪みに関する情報を含むセンサデータを情報処理装置100に送信する(S102)。
【0041】
情報処理装置100の取得部110は、センサデータを取得する(S103)。また、取得部110は、気象データ、環境データ、及び畜産データを取得する(S104)。そして、算出部120は、センサデータ、気象データ、環境データ及び畜産データに基づいて、容器の内容物の重量を算出する(S105)。このとき、算出部120は、例えば、算出モデルに、歪みに関する情報、気象データ、環境データ及び畜産データを入力することにより、重量を算出する。出力部130は、算出された重量を示す情報を出力する(S106)。例えば出力部130は、端末300のディスプレイに重量を示す情報を表示させる。
【0042】
このように、第1の実施形態の情報処理装置100は、容器または容器を支える支持部材に取り付けられたセンサから、容器または支持部材の、歪みに関する情報を含むセンサデータを、ネットワークを介して取得する。そして、情報処理装置100は、歪みに関する情報を含む入力データと容器の内容物の重量との関係を学習したモデルを用いて、センサデータから、内容物の重量を算出する。これにより、第1の実施形態の情報処理装置100は、歪みから容器の内容物の重量を算出する際に、歪みに関する情報と容器の内容物の重量との関係を学習したモデルを用いているので、容器の内容物の重量を正確に算出することができる。
【0043】
また、第1の実施形態の情報処理装置100は、気象データ、環境データ、及び畜産データの少なくともいずれか一つをさらに含む入力データと内容物の重量との関係を学習したモデルを用いて、容器の内容物の重量を算出する。このように、第1の実施形態の情報処理装置100は、様々なデータを考慮することができるので、容器の内容物の重量をより正確に算出することができる。
【0044】
[変形例1]
歪みセンサ200には、センサデータを送信するタイミングが設定されていてもよい。例えば、検出部210は、所定時間ごとに、歪みに関する情報を含むセンサデータを生成し、通信部220は、センサデータの生成に応じてセンサデータを情報処理装置100に送信してもよい。センサデータが送信されるタイミングは、例えば、1時間に1回でもよいし、1日2回であってもよい。取得部110は、設定されたタイミングに応じて、センサデータを取得する。これにより、歪みセンサ200は、常時センサデータを送信する必要がないので、データ送信の負荷を軽減することができる。
【0045】
また、歪みセンサ200がセンサデータを送信するタイミングは、状況に応じて変更されてもよい。ここで、容器の内容物が飼料であり、容器が農場に設置されているとする。このとき、飼料が給餌される家畜の種類、数、または成長段階に応じて、飼料を給餌する頻度及び量が変わる場合がある。例えば、家畜の数が増加した場合、給餌する頻度や量を増加させることが考えられる。また、家畜をより成長させるために、給餌する頻度や量を増加させるも考えられる。このような場合に、例えば取得部110は、センサデータを送信するタイミングを示す情報を歪みセンサ200に送信する。歪みセンサ200の通信部220は、受信した当該タイミングを示す情報に基づいて、センサデータの生成及び送信のタイミングを設定する。なお、取得部110は、記憶装置400に格納されている家畜の種類、数、または成長段階を示す情報が更新されたときに、センサデータを送信するタイミングを示す情報を送信してもよい。また、取得部110は、端末300から送信指示を受け取ることにより、センサデータを送信するタイミングを示す情報を送信してもよい。
【0046】
このように、変形例1における情報処理システム1000は、飼料が給餌される家畜の種類、数及び成長段階のうち、少なくともいずれか一つに応じて、センサデータを取得するタイミングを変える。また、変形例1における情報処理システム1000は、飼料が給餌される家畜の種類、数及び成長段階のうち、少なくともいずれか一つに応じて変更されたタイミングで、センサデータを送信する。これにより、変形例1における情報処理システム1000は、センサデータの送受信の負荷を考慮しつつ、必要に応じて、センサデータを取得することができる。
【0047】
[変形例2]
情報処理装置100は、異なる場所に設置された複数の容器の各々の容器の内容物の重量を算出してもよい。このとき、複数の容器及び支持部材のそれぞれに、少なくとも一の歪みセンサ200が取り付けられている。
【0048】
図4は、変形例2における情報処理システム1000の構成の一例を模式的に示す図である。図4では、3か所に設置された容器のそれぞれに、歪みセンサ200-1、200-2、200-3のそれぞれが取り付けられている。なお、歪みセンサ200-1、200-2、200-3をまとめて歪みセンサ200と称することもある。情報処理装置100の取得部110は、歪みセンサ200の各々からセンサデータを取得する。算出部120は、算出モデルと、取得したセンサデータとに基づいて、各々の容器の内容物の重量を算出する。ここで、算出部120は、容器ごとに生成された算出モデルを用いて重量を算出してもよいし、いずれの容器にも対応する算出モデルを用いて重量を算出してもよい。いずれの容器にも対応する算出モデルを用いる場合、算出モデルは、さらに歪みセンサが出力する値の個体差の情報をさらに含む入力データと内容物の重量との関係を学習したモデルであってもよい。
【0049】
このように、変形例2の情報処理装置100は、複数の異なる場所のそれぞれに容器及び支持部材が設置される場合に、センサのそれぞれからセンサデータを取得し、容器のそれぞれの内容物の重量を算出する。
【0050】
なお、記憶装置400には、例えば、歪みセンサ200に関する情報と、歪みセンサ200が取り付けられた容器の情報とが関連付けられたデータベースが格納されていてもよい。図5は、データベースの一例である。図5の例では、データベースには、容器を識別する容器識別情報と、歪みセンサを識別するセンサ識別情報と、容器の位置情報と、容器の構造と、内容物の種類とが少なくとも関連付けられたデータが含まれる。データベースに含まれるデータはこの例に限らない。算出部120は、環境データや畜産データをデータベースから取得してもよい。
【0051】
そして、出力部130は、各々の容器の内容物の重量を示す情報を端末300に出力する。例えば、設置されている容器の各々が、異なる所有者に所有されているとする。出力部130は、例えば、所有者ごとの資材(容器の内容物)の重量、すなわち資材の残量を端末300に出力する。これにより、例えば、資材の生産会社は、各所有者における現在の資材の残量がわかるので、効率的な資材の生産計画をたてることができる。また、資材の配送会社は、どの所有者に資材を配送する可能性が高いかを推測できるので、効率的に配送計画をたてることができる。
【0052】
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態の情報処理装置を含む情報処理システムについて説明する。第2の実施形態では、算出モデルを更新することについて説明する。
【0053】
図6は、第2の実施形態の情報処理システム1001の構成の一例を示すブロック図である。図6に示すように、情報処理システム1001は、第1の実施形態における情報処理装置100に代わり情報処理装置101を備え、それ以外については、第1の実施形態で説明した情報処理システム1000と同様である。すなわち、情報処理システム1001は、情報処理装置101と、歪みセンサ200とを備える。なお、図6に示す情報処理システム1001の構成及び動作が、第1の実施形態の説明と重複する内容については説明を省略する。
【0054】
[情報処理装置101の詳細]
図6に示すように、情報処理装置101は、取得部110と、算出部120と、出力部130と、更新部140とを備える。
【0055】
更新部140は、算出モデルを更新する。例えば、更新部140は、容器の容量一杯に内容物が保管されているとき、または、容器内の内容物が無くなったときの、センサデータ、気象データ、環境データ、及び畜産データを取得する。そして、更新部140は、取得したセンサデータ、気象データ、環境データ、及び畜産データと、内容物の重量(例えば、容量一杯であるときの内容物の重量または0)とを訓練データとして用いて算出モデルを更新する。容量一杯であるときの内容物の重量は、例えば、変形例2に示すデータベースに含まれる。
【0056】
ここで、更新部140は、容器の容量一杯に内容物が保管されているとき、または、容器内の内容物が無くなったときに、取得部110に、センサデータ、気象データ、環境データ、及び畜産データを取得する指示を行ってもよい。この場合、更新部140は、例えば、端末300から、容器の容量一杯に内容物が保管されていること、または、容器内の内容物が無くなったことを示す通知を受けたときに指示を行ってもよい。また、更新部140は、算出部120によって算出された重量が、直前に算出された重量より、所定の値以上大きいときに、容器の容量一杯に内容物が保管されていると判定してもよい。このとき、更新部140は、算出された重量が増える直前に重量が算出された時、容器内の内容物が無くなっていたと判定してもよい。
【0057】
このように、更新部140は、取得手段によって取得されるデータに基づいて、モデルを更新する。更新部140は、更新手段の一例である。
【0058】
[情報処理システム1001の動作]
次に情報処理システム1001の動作を説明する。図7は、情報処理システム1001の動作の一例を示すシーケンス図である。なお、図7の、S101乃至S106の処理は、図3のS101乃至S106の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0059】
S106の処理の後、更新部140は、算出された重量が、直前に算出された重量より所定の値以上増加しているか否か判定する(S201)。例えば、更新部140は、記憶装置400から、直前に算出された重量を読み出し、読み出した重量とS106で算出された重量とを比較する。更新部140は、比較した結果、S106で算出された重量が、直前に算出された重量に比べて所定の値以上増加しているとき(S201のYes)、算出モデルを更新する(S202)。具体的には、更新部140は、S103及びS104で取得されたセンサデータ、気象データ、環境データ及び畜産データを取得する。そして、取得された当該データと、容量一杯であるときの内容物の重量とを用いて算出モデルを更新する。また、例えば、更新部140は、直前に算出された重量を算出したときに用いられたセンサデータ、気象データ、環境データ及び畜産データを取得する。そして、取得された当該データと、内容物が無くなったときの重量(例えば0)とを用いて算出モデルを更新する。なお、更新部140は、比較した結果、S106で算出された重量が、直前に算出された重量に比べて所定の値以上増加していないとき(S201のNo)、算出モデルの更新を行わない。
【0060】
このように、第2の実施形態の情報処理装置101は、取得されるデータに基づいて、算出モデルを更新する。これにより、第2の実施形態の情報処理装置101は、例えば、経年変化によって、容器及び支持部材の歪み方が変わったり、歪みセンサ200が検出する値が変わったりした場合であっても、容器の内容物の重量を正確に算出することができる。
【0061】
<第3の実施形態>
本開示における情報処理装置は、以下のような構成であってもよい。
【0062】
図8は、情報処理装置102の機能構成の一例を示すブロック図である。図1に示す情報処理システム1000において、情報処理装置100に代わり、情報処理装置102を備えるようにしてもよい。図8に示すように、情報処理装置102は、取得部111と算出部121とを備える。
【0063】
取得部111は、容器または容器を支える支持部材に取り付けられたセンサから、容器または支持部材の、歪みに関する情報を含むセンサデータを、ネットワークを介して取得する。センサは、例えば、容器または支持部材の伸縮に応じて、電圧値を検出する歪みゲージである。センサデータには、歪みに関する情報として、例えばセンサによって検出された電圧値が含まれる。
【0064】
算出部121は、歪みに関する情報を含む入力データと容器の内容物の重量との関係を学習したモデルを用いて、センサデータから、内容物の重量を算出する。モデルは、例えば、歪みに関する情報と容器の内容物の重量との関係を、公知の機械学習アルゴリズムを用いることによって生成されたモデルである。
【0065】
図9は、情報処理装置102の動作の一例を説明するフローチャートである。まず、取得部111は、容器または支持部材に取り付けられたセンサから、歪みに関する情報を含むセンサデータを取得する(S301)。次に算出部121は、歪みに関する情報を含む入力データと容器の内容物の重量との関係を学習したモデルを用いて、センサデータから、内容物の重量を算出する(S302)。
【0066】
このように、第1の実施形態の情報処理装置100は、容器または容器を支える支持部材に取り付けられたセンサから、容器または支持部材の、歪みに関する情報を含むセンサデータを、取得する。そして、情報処理装置100は、歪みに関する情報を含む入力データと容器の内容物の重量との関係を学習したモデルを用いて、センサデータから、内容物の重量を算出する。これにより、第1の実施形態の情報処理装置100は、歪みから容器の内容物の重量を算出する際に、歪みに関する情報を含む入力データと容器の内容物の重量との関係を学習したモデルを用いているので、容器の内容物の重量を正確に算出することができる。
【0067】
<情報処理装置のハードウェアの構成例>
上述した第1、第2、及び第3の実施形態の情報処理装置を構成するハードウェアについて説明する。図10は、各実施形態における情報処理装置を実現するコンピュータ装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図10が示す各ブロックは、各実施形態における情報処理装置及び情報処理方法を実現するコンピュータ装置10と、ソフトウェアとの組み合わせにより実現できる。
【0068】
図10に示すように、コンピュータ装置10は、プロセッサ11、RAM(Random Access Memory)12、ROM(Read Only Memory)13、記憶装置14、入出力インタフェース15、バス16、及びドライブ装置17を備える。なお、情報処理装置は、複数の電気回路によって実現されてもよい。
【0069】
記憶装置14は、プログラム(コンピュータプログラム)18を格納する。プロセッサ11は、RAM12を用いて本情報処理装置のプログラム18を実行する。具体的には、例えば、プログラム18は、図3図7、及び図9に示す処理をコンピュータに実行させるプログラムを含む。プロセッサ11が、プログラム18を実行することに応じて、本情報処理装置の各構成要素(上述した、取得部110、111、算出部120、121、出力部130、更新部140等)の機能が実現される。プログラム18は、ROM13に記憶されていてもよい。また、プログラム18は、記憶媒体20に記録され、ドライブ装置17を用いて読み出されてもよいし、図示しない外部装置から図示しないネットワークを介してコンピュータ装置10に送信されてもよい。
【0070】
入出力インタフェース15は、周辺機器(キーボード、マウス、表示装置など)19とデータをやり取りする。入出力インタフェース15は、データを取得または出力する手段として機能する。バス16は、各構成要素を接続する。
【0071】
なお、情報処理装置の実現方法には様々な変形例がある。例えば、情報処理装置は、専用の装置として実現することができる。また、情報処理装置は、複数の装置の組み合わせに基づいて実現することができる。
【0072】
各実施形態の機能における各構成要素を実現するためのプログラムを記憶媒体に記録させ、該記憶媒体に記録されたプログラムをコードとして読み出し、コンピュータにおいて実行する処理方法も各実施形態の範疇に含まれる。すなわち、コンピュータ読取可能な記憶媒体も各実施形態の範囲に含まれる。また、上述のプログラムが記録された記憶媒体、及びそのプログラム自体も各実施形態に含まれる。
【0073】
該記憶媒体は、例えばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD(Compact Disc)-ROM、磁気テープ、不揮発性メモリカード、またはROMであるが、この例に限らない。また該記憶媒体に記録されたプログラムは、単体で処理を実行しているプログラムに限らず、他のソフトウェア、拡張ボードの機能と共同して、OS(Operating System)上で動作して処理を実行するプログラムも各実施形態の範疇に含まれる。
【0074】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【0075】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0076】
<付記>
[付記1]
容器または前記容器を支える支持部材に取り付けられたセンサから、前記容器または前記支持部材の、歪みに関する情報を含むセンサデータを、取得する取得手段と、
前記歪みに関する情報を含む入力データと前記容器の内容物の重量との関係を学習したモデルを用いて、前記センサデータから、前記内容物の重量を算出する算出手段と、を備える、
情報処理装置。
【0077】
[付記2]
前記入力データは、前記容器が設置された場所の、気温、湿度、降水量及び降雪量のうち、少なくともいずれか一つを示す気象データをさらに含み、
前記算出手段は、前記気象データを含む前記入力データと前記内容物の重量との関係を学習したモデルを用いて、前記内容物の重量を算出する、
付記1に記載の情報処理装置。
【0078】
[付記3]
前記入力データは、前記容器の材質に関する情報、前記容器の構造に関する情報、前記容器が設置された場所の位置情報、及び、前記容器の設置状態に関する情報のうち、少なくともいずれか一つを示す環境データをさらに含み、
前記算出手段は、前記環境データを含む前記入力データと前記内容物の重量との関係を学習したモデルを用いて、前記内容物の重量を算出する、
付記1または2に記載の情報処理装置。
【0079】
[付記4]
前記内容物が飼料の場合、
前記入力データは、前記飼料の種類、前記飼料が給餌される家畜の種類、及び前記家畜の数のうち、少なくともいずれか一つを示す畜産データをさらに含み、
前記算出手段は、前記畜産データを含む前記入力データと前記内容物の重量との関係を学習したモデルを用いて、前記内容物の重量を算出する、
付記1乃至3のいずれかに記載の情報処理装置。
【0080】
[付記5]
前記内容物が飼料の場合、
前記取得手段は、前記飼料が給餌される家畜の種類、数及び成長段階のうち、少なくともいずれか一つに応じて、前記センサデータを取得するタイミングを変える、
付記1乃至4のいずれかに記載の情報処理装置。
【0081】
[付記6]
前記取得手段によって取得されるデータに基づいて、前記モデルを更新する更新手段を備える、
付記1乃至5のいずれかに記載の情報処理装置。
【0082】
[付記7]
複数の異なる場所のそれぞれに前記容器及び前記支持部材が設置される場合に、
前記取得手段は、前記センサのそれぞれから前記センサデータを取得し、
前記算出手段は、前記容器のそれぞれの前記内容物の重量を算出する、
付記1乃至6のいずれかに記載の情報処理装置。
【0083】
[付記8]
前記容器または前記支持部材の、前記歪みに関する情報を検出する検出手段と、
前記歪みに関する情報を含む前記センサデータを送信する通信手段と、を有するセンサと、
付記1乃至7のいずれかに記載の情報処理装置と、を備える、
情報処理システム。
【0084】
[付記9]
前記内容物が飼料の場合、
前記通信手段は、前記飼料が給餌される家畜の種類、数及び成長段階のうち、少なくともいずれか一つを示す情報に応じて変更されたタイミングで、センサデータを送信する、
付記8に記載の情報処理システム。
【0085】
[付記10]
容器または前記容器を支える支持部材に取り付けられたセンサから、前記容器または前記支持部材の、歪みに関する情報を含むセンサデータを、取得し、
前記歪みに関する情報を含む入力データと前記容器の内容物の重量との関係を学習したモデルを用いて、前記センサデータから、前記内容物の重量を算出する
情報処理方法。
【0086】
[付記11]
前記入力データは、前記容器が設置された場所の、気温、湿度、降水量及び降雪量のうち、少なくともいずれか一つを示す気象データをさらに含み、
前記気象データを含む前記入力データと前記内容物の重量との関係を学習したモデルを用いて、前記内容物の重量を算出する、
付記10に記載の情報処理方法。
【0087】
[付記12]
前記入力データは、前記容器の材質に関する情報、前記容器の構造に関する情報、前記容器が設置された場所の位置情報、及び、前記容器の設置状態に関する情報のうち、少なくともいずれか一つを示す環境データをさらに含み、
前記環境データを含む前記入力データと前記内容物の重量との関係を学習したモデルを用いて、前記内容物の重量を算出する、
付記10または11に記載の情報処理方法。
【0088】
[付記13]
前記内容物が飼料の場合、
前記入力データは、前記飼料の種類、前記飼料が給餌される家畜の種類、及び前記家畜の数のうち、少なくともいずれか一つを示す畜産データをさらに含み、
前記畜産データを含む前記入力データと前記内容物の重量との関係を学習したモデルを用いて、前記内容物の重量を算出する、
付記10乃至12のいずれかに記載の情報処理方法。
【0089】
[付記14]
前記内容物が飼料の場合、
前記飼料が給餌される家畜の種類、数及び成長段階のうち、少なくともいずれか一つに応じて、前記センサデータを取得するタイミングを変える、
付記10乃至13のいずれかに記載の情報処理方法。
【0090】
[付記15]
取得する処理において取得されたデータに基づいて、前記モデルを更新する更新手段を備える、
付記10乃至14いずれかに記載の情報処理方法。
【0091】
[付記16]
複数の異なる場所のそれぞれに前記容器及び前記支持部材が設置される場合に、
前記センサのそれぞれから前記センサデータを取得し、
前記容器のそれぞれの前記内容物の重量を算出する、
付記10乃至15のいずれかに記載の情報処理方法。
【0092】
[付記17]
容器または前記容器を支える支持部材に取り付けられたセンサから、前記容器または前記支持部材の、歪みに関する情報を含むセンサデータを、取得する処理と、
前記歪みに関する情報を含む入力データと前記容器の内容物の重量との関係を学習したモデルを用いて、前記センサデータから、前記内容物の重量を算出する処理と、をコンピュータに実行させるプログラムを格納する、
コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【0093】
[付記18]
前記入力データは、前記容器が設置された場所の、気温、湿度、降水量及び降雪量のうち、少なくともいずれか一つを示す気象データをさらに含み、
前記算出する処理において、前記気象データを含む前記入力データと前記内容物の重量との関係を学習したモデルを用いて、前記内容物の重量を算出する、
付記17に記載のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【0094】
[付記19]
前記入力データは、前記容器の材質に関する情報、前記容器の構造に関する情報、前記容器が設置された場所の位置情報、及び、前記容器の設置状態に関する情報のうち、少なくともいずれか一つを示す環境データをさらに含み、
前記算出する処理において、前記環境データを含む前記入力データと前記内容物の重量との関係を学習したモデルを用いて、前記内容物の重量を算出する、
付記17または18に記載のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【0095】
[付記20]
前記内容物が飼料の場合、
前記入力データは、前記飼料の種類、前記飼料が給餌される家畜の種類、及び前記家畜の数のうち、少なくともいずれか一つを示す畜産データをさらに含み、
前記算出する処理において、前記畜産データを含む前記入力データと前記内容物の重量との関係を学習したモデルを用いて、前記内容物の重量を算出する、
付記17乃至19のいずれかに記載のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【0096】
[付記21]
前記内容物が飼料の場合、
前記取得する処理において、前記飼料が給餌される家畜の種類、数及び成長段階のうち、少なくともいずれか一つに応じて、前記センサデータを取得するタイミングを変える、
付記17乃至20のいずれかに記載のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【0097】
[付記22]
前記取得する処理において取得されるデータに基づいて、前記モデルを更新する更新手段を備える、
付記17乃至21のいずれかに記載のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【0098】
[付記23]
複数の異なる場所のそれぞれに前記容器及び前記支持部材が設置される場合に、
前記取得する処理において、前記センサのそれぞれから前記センサデータを取得し、
前記算出する処理において、前記容器のそれぞれの前記内容物の重量を算出する、
付記17乃至22のいずれかに記載のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【符号の説明】
【0099】
100、101、102 情報処理装置
110、111 取得部
120、121 算出部
130 出力部
140 更新部
200 歪みセンサ
210 検出部
220 通信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10