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特許7460052単一はんだ体を製造するためのプレス成形デバイス、装置、はんだ付着機及び方法
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  • 特許-単一はんだ体を製造するためのプレス成形デバイス、装置、はんだ付着機及び方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】単一はんだ体を製造するためのプレス成形デバイス、装置、はんだ付着機及び方法
(51)【国際特許分類】
   B23K 35/40 20060101AFI20240326BHJP
   B21F 11/00 20060101ALI20240326BHJP
   B21J 5/00 20060101ALI20240326BHJP
   B23K 3/06 20060101ALI20240326BHJP
   B23K 1/005 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
B23K35/40 340F
B21F11/00 Z
B21J5/00 B
B23K3/06 H
B23K3/06 P
B23K1/005 A
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022129296
(22)【出願日】2022-08-15
(65)【公開番号】P2023055624
(43)【公開日】2023-04-18
【審査請求日】2022-08-15
(31)【優先権主張番号】LU500709
(32)【優先日】2021-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】LU
(73)【特許権者】
【識別番号】501198796
【氏名又は名称】パック テック-パッケージング テクノロジーズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】コルバソウ, アンドレイ
(72)【発明者】
【氏名】フェトケ, マティアス
【審査官】小川 進
(56)【参考文献】
【文献】特公昭46-022562(JP,B1)
【文献】特表平08-500295(JP,A)
【文献】特表平11-514933(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105149808(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106312358(CN,A)
【文献】特開2001-267730(JP,A)
【文献】特開2006-320929(JP,A)
【文献】特表2016-533268(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 35/40
B21F 11/00
B21J 5/00
B23K 3/06
B23K 1/005
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
はんだ材料の連続ワイヤ(3)から単一はんだ体(2)を製造するためのプレス成形デバイス(1)であって、
複数の予備形成されたはんだセクション(6)の連続したストランド(5)を得るように前記ワイヤ(3)をプレス成形するよう構成されたプレス成形機構(4)であって、複数の前記予備形成されたはんだセクション(6)が、前記ストランド(5)の長さに沿って互いに並んで等距離に配置され、プレスされた凹み部(8)によって形成された接続リンク(7)を介して互いに接続される、プレス成形機構(4)と、
単一の前記予備形成されたはんだセクション(6)を前記接続リンク(7)において次々に分離することによって、前記ストランド(5)から単一はんだ体(2)を分離するように構成された分離手段(9)と
を備え、
前記プレス成形機構(4)が、半径方向に互いに対向する凹み部(8a、8b)を前記ワイヤ(3)にプレスするように、更に、ボール状のワイヤセクションを前記ワイヤ(3)に成形するように構成され、
前記プレス成形機構(4)がノッチローラ(10a、10b)の対を備え、前記ノッチローラ(10a、10b)が相反する方向に駆動され、前記ノッチローラ(10a、10b)の各々が前記ワイヤ(3)を案内するための周溝(11a、11b)を有しており、
前記連続ワイヤ(3)は、前記周溝(11a、11b)の案内により前記ノッチローラ(10a、10b)の対の駆動軸に対して直行する方向に挿入され、単一の前記予備形成されたはんだセクション(6)が得られる、プレス成形デバイス(1)。
【請求項2】
第1のノッチローラ(10a)及び第2のノッチローラ(10b)には、それぞれ、前記予備形成されたはんだセクション(6)の形状を決定する歯形輪郭(12a、12b)が設けられている、請求項に記載のプレス成形デバイス(1)。
【請求項3】

前記分離手段(9)が、前記予備形成されたはんだセクション(6)の前記ストランド(5)の長さ方向に対して横方向に、前記単一はんだ体(2)を形成するために前記予備形成されたはんだセクション(6)の前記ストランド(5)から前記単一の予備形成されたはんだセクション(6)を分離するように構成されたせん断切断機構(13)を備える、請求項1に記載のプレス成形デバイス(1)。
【請求項4】
前記せん断切断機構(13)が、前記予備形成されたはんだセクション(6)の前記ストランド(5)の長さ方向に対して横方向に並進駆動される可動要素(14)を備える、請求項に記載のプレス成形デバイス(1)。
【請求項5】
前記せん断切断機構(13)が、前記予備形成されたはんだセクション(6)の前記ストランド(5)の長さ方向に対して横方向に回転駆動される可動要素(14)を備える、請求項に記載のプレス成形デバイス(1)。
【請求項6】
前記可動要素(14)が、緩いはんだ体(2)を成形するために前記予備形成されたはんだセクション(6)を受け入れ分離するように構成された受け入れ穴(15)を形成している、請求項4又は5に記載のプレス成形デバイス(1)。
【請求項7】
請求項1に記載のプレス成形デバイス(1)と、レーザビーム(7)によって液化されるはんだ体(2)を保持するためのはんだ噴射セクション(21)とを備える、レーザ支援式はんだ付け装置(20)。
【請求項8】
分離手段(9)の可動要素(14)が、前記はんだ体(2)を、前記予備形成されたはんだセクション(6)の前記ストランド(5)から前記はんだ噴射セクション(21)のはんだ体保持キャピラリ(16)に搬送するように構成されている、請求項に記載のレーザ支援式はんだ付け装置(20)。
【請求項9】
請求項7又は8に記載のレーザ支援式はんだ付け装置(20)と、はんだ体保持キャピラリ(16)の内側ではんだ体(2)を溶融するためのレーザビーム(7)を生成するように配置され構成されたレーザ生成デバイス(31)とを備える、はんだ付着機(30)。
【請求項10】
はんだ材料の連続ワイヤ(3)から単一はんだ体(2)を製造する方法であって、
予備形成されたはんだセクション(6)の連続したストランド(5)を得るように前記ワイヤ(3)をプレス成形するステップであって、前記予備形成されたはんだセクション(6)は、前記ストランド(5)の長さに沿って互いに並んで等距離に配置され、前記ワイヤ(3)にプレスされた凹み部(8)によって成形された接続リンク(7)を介して互いに接続される、ステップであって
ボール状のワイヤセクションを前記ワイヤ(3)に成形することによって半径方向に互いに対向する凹み部(8a、8b)が前記ワイヤ(3)にプレスされ、
プレス成形機構(4)がノッチローラ(10a、10b)の対を備え、前記ノッチローラ(10a、10b)が相反する方向に駆動され、前記ノッチローラ(10a、10b)の各々が前記ワイヤ(3)を案内するための周溝(11a、11b)を有しており、
前記連続ワイヤ(3)は、前記周溝(11a、11b)の案内により前記ノッチローラ(10a、10b)の対の駆動軸に対して直行する方向に挿入され、単一の前記予備形成されたはんだセクション(6)が得られる、ステップと、
前記接続リンク(7)において前記単一の予備形成されたはんだセクション(6)を次々に分離することによって、前記予備形成されたはんだセクション(6)の前記ストランド(5)から前記単一はんだ体(2)を分離するステップと
を含む、はんだ材料の連続ワイヤから単一はんだ体を製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、はんだ材料の連続ワイヤから単一はんだ体(single solder body)を製造するためのプレス成形デバイス及び方法に関する。さらに、本発明は、プレス成形デバイスを備えるレーザ支援式はんだ付け装置(laser-assisted soldering apparatus)及びはんだ付着機(solder deposition machine)に関する。
【背景技術】
【0002】
はんだ体、すなわちはんだボールを付与するための装置が、従来技術から周知である。これに関連して、例えば、米国特許第10,286,470号明細書が参照される。この文献は、はんだ材料付着物を別個に付与するための装置を開示している。このような装置では、通常、個々のはんだボールがキャピラリに充填されており、そこからはんだボールが溶融し、製造される対応する電子構成要素に個々に付与される。はんだボールは、通常、漏斗などの貯蔵容器内に緩く保持されており、ここからはんだボールは個々に取り外される。
【0003】
また、例えば、はんだボールの製造をより正確に行うため、及びはんだボールの形状をできるだけ理想的な球状に近づけるためなどの種々の製造方法が存在する。この点に関する従来技術は、例えば独国特許出願公開第69032249号明細書から知られている。
【0004】
しかし、はんだボールが別個のリザーバに保持されることに起因して、対応する装置の設計が比較的複雑であるという問題がある。これは、さらに、比較的大きな組み立て労力を伴うとともに、比較的大きな設置スペースを占める。同時に、はんだ体の取り扱いを十分に正確に/再現可能に実施するために、はんだ体の成形には比較的大きな製造努力が必要である。フラックスを使用することもしばしば必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、はんだ体の製造労力を低減すると同時に、レーザ支援式はんだ付け装置の可能な限り最も単純な構造を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、独立請求項1に記載のプレス成形デバイス及び独立請求項11に記載の方法によって解決される。好ましい実施形態は、従属請求項の主題である。
【0007】
本発明によれば、目的は、はんだ材料の連続ワイヤから予備成形品とも呼ばれる単一の、好ましくはボール形状又はボール状のはんだ体を製造するためのプレス成形デバイスを請求する請求項1の主題によって解決される。プレス成形デバイスは、複数の予備形成されたはんだセクションからなる連続的なストランド(紐状体)を得るようにワイヤをプレス成形するよう構成されたプレス成形機構を備え、予備形成されたはんだセクションは、ストランドの長さに沿って互いに並んで等距離に配置され、プレスされた凹み部(ノッチ)(ワイヤに押し込まれる)によって成形された接続リンクを介して互いに接続される。プレス成形デバイスは、接続リンクにおいて単一の予備形成されたはんだセクションを次々に分離することによって、ストランドから単一はんだ体を分離するように構成された分離手段をさらに備える。プレス成形されたはんだセクションの形状、サイズ及び重量は、プレス成形機構のプレス成形輪郭によって決定され、製造されるはんだ体に対応する。
【0008】
その結果、プレス成形機構の入口において、コイルから巻き出されるワイヤとしてはんだ材料を保持することができる。次いで、はんだ体は、このワイヤから直接形成され、フラックスの使用も回避することができる。したがって、はんだ体の製造プロセスが、大幅に低減される。予備形成されたはんだセクションの形成されたストランドが分離手段に直接移送されるので、この構造は設計が簡単である。さらなる利点は、以下の態様で見ることができる:非接触プロセス、はんだ接続を設定するときの最小の機械的負荷、著しくよりコンパクトな設計、最小侵襲プロセス、ミリ秒範囲の相互作用時間、周囲の構成要素との相互作用無し、キャピラリによる温度測定及び調整、はんだ体(成形部品とも呼ばれる)が安価で市販されているフラックスレスはんだワイヤから製造されること、フラックス無しのプロセス。
【0009】
本発明の別の態様によれば、プレス成形機構は、半径方向に互いに対向する凹み部をワイヤにプレスするように構成され、より好ましくは、ボール形状又はボール状のワイヤセクションをワイヤに成形するように構成される。これにより、はんだ体を簡易な手段で可能な限り高精度に形成することができる。
【0010】
本発明のさらなる態様によれば、プレス成形機構は、相反する方向に駆動され、それぞれが(ノッチローラ間の成形空間を通って)ワイヤを案内するための周溝を有する、ノッチローラの対を備える。これらの周溝はまた、より太いワイヤ、したがってより大きなはんだ体を正確に製造することを可能にする。
【0011】
本発明の一態様によれば、第1のノッチローラ(好ましくは、周溝の内側)及び第2のノッチローラ(好ましくは、周溝の内側)には、それぞれ、予備形成されたはんだセクションの形状を決定する歯形輪郭が設けられる。これにより、とりわけ対称的な、好ましくはボール形状又はボール状のはんだ体を可能な限り正確に成形することができる。第1及び第2のノッチローラの歯形輪郭は、各プレス成形されたはんだセクションの形状、サイズ、及び重量を規定し、製造されるはんだ体の負の形状を共通に成形するように設計される。
【0012】
これに関連して、本発明の別の態様は、歯形輪郭が(直線状の)圧力縁を有する歯からなることである。これにより、凹み部をできる限り薄く形成することができる。これは、予備形成されたはんだセクションのストランドから分離されたはんだ体に望ましくない延長部が残ることを回避するのに役立つ。
【0013】
本発明の一態様によれば、プレス成形デバイス、特にプレス成形機構は、ワイヤをダイとの間に挿入した状態でダイに対して移動可能な成形パンチを備える。これは、プレス成形機構を設計上可能な限り単純に保つための別の方法である。
【0014】
本発明の一態様によれば、分離手段は、予備形成されたはんだセクションのストランドの長さ方向又は前進/送給方向に対して横方向に、単一はんだ体を成形するために予備形成されたはんだセクションのストランドから単一はんだセクションを分離するように構成されたせん断切断機構を備える。その結果、はんだ体のストランドからの分離プロセスは、設計がこれもまた可能な限り簡単な分離手段によって実施される。
【0015】
本発明の一態様によれば、せん断切断機構は、予備形成されたはんだセクションのストランドの長さ方向に対して横方向に並進駆動される可動要素を備える。好ましくは、可動要素は摺動板又は摺動ピンである。これは、プレス成形デバイスを設置スペースに関してよりコンパクトに設計できることに役立つ。
【0016】
本発明の一態様によれば、せん断切断機構は、予備形成されたはんだセクションのストランドの長さ方向に対して横方向に回転駆動される可動要素を備える。好ましくは、可動要素は、例えば米国特許第10,826,470号明細書に開示されているような円形搬送ディスクの形状のディスクである。これにより、ストランドからすでに分離しているいくつかの緩いはんだ体を一時的に保管することが容易になる。したがって、より高速な付与プロセスが可能である。
【0017】
本発明の一態様によれば、可動要素は受け入れ穴を成形し、この受け入れ穴は、緩いはんだ体を作製するために予備形成されたはんだセクションを受け入れ、分離するように構成される。より好ましくは、せん断切断機構は、ハウジングに固定されているか、又はハウジングによって直接形成されている側面を有し、この側面は、可動要素がこれらの側面に対して移動するときに、受け入れ穴に受け入れられた予備形成されたはんだセクションが、ストランドの直接隣接する凹み部に沿ってストランドから分離/切断されるように寸法決めされ配置される。これにより、せん断切断機構の構成がさらに簡素化される。
【0018】
本発明の一態様によれば、プレス成形デバイスは、はんだ材料のワイヤをプレス成形機構に向けて送給するように構成された送給手段をさらに備える。これにより、ワイヤの送給が確実に制御される。
【0019】
本発明の一態様によれば、ワイヤがプレス成形される前にワイヤを特定の温度に加熱するための加熱手段が設けられる。加熱手段は、熱風ノズルのような、プレス成形機構とは別個である別個のユニットとして、又は2つのノッチローラの少なくとも一方に一体化された電気加熱コイル又はヒートパイプのような、プレス成形機構に一体化されたユニットとして構成することができる。
【0020】
さらに、本発明は、前述の態様のいずれかによるプレス成形デバイスと、レーザビームによって液化されるはんだ体を保持するためのはんだ噴射セクションとを備えるレーザ支援式はんだ付け装置に関する。これにより、装置全体を効率的に制御することができ、装置全体の設計がコンパクトになる。好ましくは、レーザ支援式はんだ付け装置は、ロボット用の機械加工ヘッドとして設計される。
【0021】
レーザ支援式はんだ付け装置に関する本発明の一態様によれば、分離手段の可動要素は、予備形成されたはんだセクションのストランドからはんだ噴射セクションのはんだ体保持キャピラリにはんだ体を搬送するように構成される。これは、はんだ体のための分離手段と搬送手段とを巧妙に組み合わせる。
【0022】
さらに、本発明は、前述の態様のいずれかによるレーザ支援式はんだ付け装置と、はんだ体保持キャピラリの内部ではんだ体を溶融するためのレーザビームを生成するように配置及び構成されたレーザ生成デバイスとを備える、はんだ付着機に関する。
【0023】
本発明によれば、目的は、はんだ材料の連続ワイヤから単一はんだ体を製造する方法であって、予備形成されたはんだセクションの連続ストランドを得るようにワイヤをプレス成形するステップであって、予備形成されたはんだセクションは、ストランドの長さに沿って互いに並んで等距離に配置され、ワイヤにプレスされた凹み部によって形成された接続リンクを介して互いに接続される、ステップと、接続リンクにおいて単一の予備形成されたはんだセクションを次々に分離することによって、予備形成されたはんだセクションのストランドからはんだ体を分離するステップとを含む、はんだ材料の連続ワイヤから単一のはんだ体を製造する方法を主張する請求項11に記載の主題によって解決される。
【0024】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】レーザ支援式はんだ付け装置の概略断面図であり、はんだ体を製造し、はんだ噴射セクションに向かって送給するための本発明の好ましい実施形態によるプレス成形デバイスを詳細に見ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図は、本質的に単なる概略図であり、本発明を理解する目的のみを意図している。例えば、簡単にするために、レーザ支援式はんだ付け装置の同じ断面にあるものとしていくつかの「通路」が示されているが、そのような「通路」は、実際にはレーザ支援式はんだ付け装置の異なる断面にあってもよいことに留意されたい。
【0027】
図1には、回路基板のような電子構成要素22をはんだ付けするための、これ以後装置20と略記するレーザ支援式はんだ付け装置20が示されている。装置20は、ロボットアームで支持される機械/結合ヘッドとして構築される。電子構成要素22は、好ましくは、はんだ付けによってピンが固定される貫通孔デバイスを表す。そのような装置は、原則として、米国特許第10,826,470号明細書から知られている。したがって、装置20の好ましい適用分野は、簡略化して示すように、はんだ付着機30である。
【0028】
はんだ付着機30は、とりわけ、レーザビーム18を生成するように構成されたレーザ生成デバイス31を含む。さらに、はんだ付着機30は、装置1を移動させ、動作中にレーザ生成デバイス31によって生成されるレーザビーム18を制御するためのロボットシステムを含む。
【0029】
図1に示す実施形態では、はんだボールの形態のようなはんだ体2が、装置20のはんだ噴射セクション21を使用することによって液化され噴射される。はんだ噴射セクション21は、キャピラリ16と略記する、はんだ体保持キャピラリ16を備える。キャピラリ16は、構成要素22の側面でその開口部19に向かって先細になっている。特に、キャピラリ16の開口部19の直径は、符号2’で示す液化したはんだ体になる固体はんだ体2の(最小)径よりも小さい。これにより、先細のキャピラリ16の直径が固体はんだ体2の直径に対応する位置に、固体はんだ体2が保持される。ボール形態の固体はんだ体2の直径は、好ましくは、500μm以上である。
【0030】
はんだ付けされるべき構成要素22上のスポットに向かって液化したはんだ体2’を噴射するために、圧力が、圧力ガス配置23によってキャピラリ16に加えられる。好ましくは、窒素(N)のような不活性ガスが、この目的のために使用される。このように、圧力ガス配置23は、固体はんだ体2を保持するためのキャピラリ16の先細部分32に対して開口部19とは反対側の領域において、キャピラリ16内にガスを導入することで、固体はんだ体2をキャピラリ16内に押し込む働きをする。
【0031】
具体的には、はんだ噴射セクション21は、レーザ生成デバイス31によって通常通りに生成されたレーザビーム18と相互作用して、はんだ体2を液化させる。レーザビーム18は、液化したはんだ体2’を生成するために、固体はんだ体2に供給される。固体はんだ体2が液化すると、液化したはんだ体2’は、キャピラリ16を出ることができるように変形し、キャピラリ16内の圧力により、キャピラリ16から(開口部19を通って)構成要素22に向かって噴射される。
【0032】
装置20、すなわちキャピラリ16を電子構成要素20に対して制御及び移動させ、レーザビーム18を、すなわちレーザビーム18の出力及び持続時間、並びに圧力ガス配置23を制御するために、装置20は、制御及び駆動手段(図示せず)を備える。制御手段は、CPU、メモリ及び入力/出力手段を含むコンピュータによって実装される。メモリは、CPUによって実行される制御プログラムを記憶してもよい。駆動手段は、キャピラリ16を駆動するための電気機械駆動部、及び装置20の他の手段、例えば電子構成要素22を保持するための保持手段(図示せず)によって実施される。
【0033】
好ましくは、固体はんだ体2の加熱中、はんだ体2自体の温度が測定され、レーザビームによって制御される。液化したはんだ体2’の温度が設定点に対して調節されるように、コントローラを使用してレーザ出力(電流)を変更する。
【0034】
温度は、好ましくは、加熱されたはんだ体2、2’に接触せずに、適切な光学素子を有するIRセンサによって測定される。IRセンサは、好ましくは光レーザ経路の一部である。
【0035】
本発明によれば、はんだ材料の連続ワイヤ3から単一のはんだ体2を製造するための、これ以後デバイス1と略記するプレス成形デバイス1が、提供される。本実施形態では、このデバイス1は、はんだ噴射セクション21の他に装置20に直接含まれるが、本発明の別の例示的な実施形態によれば、はんだ噴射セクション21に取付け可能/ここから取り外し可能な単一ユニットとして提供することができる。
【0036】
デバイス1は、はんだ材料の固体ワイヤ3をプレス成形するためのプレス成形機構4を備える。ワイヤ3は、好ましくは、プレス成形機構4から一定の距離に保持されたコイル(図示せず)から供給される。送給手段(図示せず)を介して、はんだ材料のワイヤ3が、プレス成形機構4に送られる。
【0037】
図示の実施形態では、プレス成形機構4は、2つのノッチローラ10a及び10bを備える。これらの2つのノッチローラ10a及び10bは、好ましくは、それらの回転軸の周りに回転可能に配置され、装置20のハウジング25に対して回転可能に装着される。
【0038】
ノッチローラ10a、10bの対は、相反する方向に駆動され、ノッチローラ10a、10bの間に画定された成形空間24を通ってワイヤ3が直線に沿って移動するように互いに離間されている。ノッチローラ10a、10bの対の周面プロファイルは、予備形成されたはんだセクション6の連続的な(直線状でもある)ストランド5を成形するように設計されている。これらの予備形成されたはんだセクション6は、ストランド5の長さに沿って互いに並んで等距離に配置され、ワイヤ3にプレスされた凹み部8によって形成された接続リンク7を介して互いに接続される。
【0039】
成形空間24を通るワイヤ3の移動中にこれを案内するために、各ノッチローラ10a、10bには、周溝11a、11bが設けられている。第1のノッチローラ10aには第1の周溝11aが設けられ、第2のノッチローラ10bには、第2の周溝11bが設けられている。2つの周溝11a、11bは、互いに対向しており、それぞれがワイヤ3の一部を受け入れる。
【0040】
さらに、各ノッチローラ10a、10bは、その周溝11a、11bの内側に歯形輪郭12a、12bを備える。この歯形輪郭12a、12bは、予備形成されたはんだセクション6及び凹み部8を備えるストランド5のプレス形態を直接決定する。具体的には、第1及び第2のノッチローラ10a、10bの歯形輪郭12a、12bは、それぞれのプレス成形されたはんだセクション6の形状、サイズ、及び重量を規定し、製造されるはんだ体2の負の形状を共通に成形するように設計される。この実施形態では、各歯形輪郭12a、12bは、円周方向に連続して延びている。各歯形輪郭12a、12bは、真っすぐな歯状である。
【0041】
歯形輪郭12a、12bの各歯は、図1の図平面内に延びる、好ましくは直線状の圧力縁部29を成形する。言い換えれば、各歯形輪郭12a、12bの各歯の歯先は、周方向に互いから外方に面し、圧力縁部29で交差する、2つの平坦な側面を有する。しかし、歯形輪郭12a、12bのこの形態は、当然ながら、予備形成されたはんだセクション6の意図された形態に応じて変化してもよい。
【0042】
言い換えれば、予備形成されたはんだセクション6及びその凹み部8を備えるストランド5を達成することにより、第1のノッチローラ10aの第1の歯形輪郭12aは、第1の半径方向側でワイヤ3を変形させ、第2のノッチローラ10bの第2の歯形輪郭12bは、第1の半径方向側とは反対の第2の半径方向側でワイヤ3を変形させる。より詳細に見てみると、各凹み部8が第1のノッチローラ10aによって形成された(第1の径方向側の)第1の凹み部8aと、第2のノッチローラ10bによってストランド5の反対側に形成された(第2の径方向側の)第2の凹み部8bとを備えることが明らかになる。
【0043】
したがって、装置20の動作中、2つのノッチローラ10a、10bは、互いに向かって一定の力で予荷重され、それにより、それらの回転軸の周りの回転及びワイヤ3の対応する移動中にそれらの歯形輪郭12a、12bをワイヤ3にプレスする。
【0044】
図1でさらに分かるように、2つのノッチローラ10a、10bは、等しく設計されている。しかし、変形実施形態では、2つのノッチローラ10a、10bが異なって構成されてもよいことに留意すべきである。
【0045】
さらに、別の変形実施形態では、ノッチローラ10a、10bは、打ち抜き機構に置き換えられてもよい。この点に関して、プレス成形機構4は、そのため、好ましくは、少なくともダイ(下側ダイとも呼ばれる)と、ダイと間にワイヤ3が挿入された状態でダイに対して横方向に移動可能な成形パンチ(上側ダイとも呼ばれる)とを備え、ダイ及び成形パンチには、形成されるストランド5の負プロファイルが設けられる。
【0046】
ワイヤ3がプレス成形機構4に挿入される前に、加熱手段33が、ワイヤ3を一定の温度まで加熱する。この加熱は、マイクロクラックを回避するためにワイヤ3の材料の成形性を最適化するように解決する。加熱手段33は、別個の加熱ユニット/デバイスとして、好ましくは熱風ノズルを備える熱風デバイスとして、図1に設けられている。したがって、加熱手段33は、コイルとプレス成形機構4との間に配置される。
【0047】
しかし、変形実施形態では、この加熱手段33は、異なるように設計及び/又は配置することもできることに留意されたい。したがって、加熱手段33は、好ましくは、2つ又は両方のノッチローラ10a、10bの少なくとも一方に一体化された電気加熱コイル又はヒートパイプを備える、プレス成形機構4に一体化されたユニットとして提供することさえできる。
【0048】
プレス成形機構4に加えて、デバイス1は分離手段9を備え、この分離手段9は、単一はんだ体2を1つずつストランド5から分離するように構成される。したがって、はんだ噴射セクション21におけるはんだ付けに使用される各はんだ体2は、ストランド5の予備形成されたはんだセクション6によって直接提供される。
【0049】
分離手段9において、予備形成されたはんだセクション6は、単一はんだ体2を成形するために、隣接する予備形成されたはんだセクション6に向かう接続リンク7で破断する。したがって、接続リンク7/凹み部8は、予備形成されたはんだセクション6がそれに沿って破断する穿孔と考えられる。
【0050】
図1でさらに分かるように、分離手段9は、せん断切断機構13を備える。このせん断切断機構13は、さらに、可動要素14を備える。可動要素14は、ストランド5の長手方向に対して横方向に移動可能である。可動要素14は、ハウジング25の内側に摺動可能に受け入れられた摺動板として設けられる。この実施形態におけるこのハウジング25は、装置20の、したがってはんだ噴射セクション21のハウジング25を直接構築する。これに関連して、可動要素14は、さらなる実施形態では、摺動可能なピン又は回転可能なディスクのような異なる形態でも提供されることに留意されたい。
【0051】
さらに、ハウジング25には、ハウジング25内にストランド5を挿入するための挿入ソケット26が設けられていることが分かる。挿入ソケット26は、ストランド5が、プレス成形機構4とハウジング25の内部との間を真っすぐな線に沿って可動要素14まで延びるような位置に置かれる。
【0052】
可動要素14には、予備形成されたはんだセクション6のうちの1つを受け入れるように配置され寸法決めされた受け入れ穴15が設けられている。受け入れ穴15は、貫通孔として設けることができる。受け入れ穴15は、少なくともプレス成形機構4側に向かって開口している。したがって、受け入れ穴15は、予備形成されたはんだセクション6/はんだ体2の寸法に応じた寸法を有する。少なくとも、受け入れ穴15の長さ(可動要素14の移動方向を横切る寸法)は、予備形成されたはんだセクション6の長さに対応する。
【0053】
さらに、挿入ソケット26によって側面17が設けられていることが分かる。可動要素14は、せん断切断機構13を達成するためにハウジング25の側面17と相互作用する。図1の可動要素14の示されている第1の位置において、予備形成されたはんだセクション6を受け入れ穴15に挿入した後、そして可動要素14を第1の移動方向27a(ハウジング25内に挿入されたストランド5の部分を横切る)に沿って第1の位置から第2の位置に移動させることによって、受け入れ穴15外側のストランド5の部分は、側面17と位置合わせし、受け入れ穴15の内側の予備形成されたはんだセクション6は、単一のはんだ体2を成形することによってストランド5から剥離することが、図1から理解することができる。
【0054】
さらに、可動要素14が、はんだ体2を第1の位置から第2の位置に搬送するための搬送ユニットの一部を同時に構築し、第2の位置では、はんだ体2は、好ましくは圧力ガス配置23を作動させることによって、はんだ体2をキャピラリ16内に搬送できることが明確になる。第2の位置にあるはんだ体2をキャピラリ16に向けて送出した後、可動要素14は、可動要素14を第1の移動方向27aとは反対の第2の移動方向27bに摺動させることによって第1の位置に移動されるようになる。
【0055】
このため、可動要素14が第1位置の外側に配置されたときにワイヤ3及びプレス成形機構4の移動を停止させることが好ましい。
【0056】
さらに分かるように、受け入れ穴15内の予備形成されたはんだセクション6又ははんだ体2の存在を検出するためのセンサ28が設けられれば、好適である。このセンサ28は、好ましくは、挿入ソケット26に対してハウジング25の反対側に設けられる。
【符号の説明】
【0057】
1 プレス成形デバイス
2 固形はんだ体
2’ 液化したはんだ体
3 ワイヤ
4 プレス成形機構
5 ストランド
6 予備形成されたはんだセクション
7 接合リンク
8 凹み部
8a 第1の凹み部
8b 第2の凹み部
9 分離手段
10a 第1のノッチローラ
10b 第2のノッチローラ
11a 第1の周溝
11b 第2の周溝
12a 第1の歯形輪郭
12b 第2の歯形輪郭
13 せん断切断機構
14 可動要素
15 受け入れ穴
16 はんだ体保持キャピラリ
17 側面
18 レーザビーム
19 開口部
20 レーザ支援式はんだ付け装置
21 はんだ噴射セクション
22 構成要素
23 圧力ガス配置
24 成形空間
25 ハウジング
26 挿入ソケット
27a 第1の移動方向
27b 第2の移動方向
28 センサ
29 縁部
30 はんだ付着機
31 レーザ生成デバイス
32 先細部分
33 加熱手段

図1