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  • 特許-二次元コードエンコーダ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】二次元コードエンコーダ
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/06 20060101AFI20240326BHJP
【FI】
G06K19/06 037
G06K19/06 112
G06K19/06 093
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020006652
(22)【出願日】2020-01-20
(65)【公開番号】P2021114148
(43)【公開日】2021-08-05
【審査請求日】2022-06-07
(73)【特許権者】
【識別番号】594160485
【氏名又は名称】溝口 さとし
(74)【代理人】
【識別番号】110002022
【氏名又は名称】弁理士法人コスモ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】溝口 ▲さとし▼
(72)【発明者】
【氏名】溝口 眞理子
【審査官】田名網 忠雄
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0138693(US,A1)
【文献】特開2006-320622(JP,A)
【文献】特開2019-061564(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 19/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
あらかじめ複数の二次元コードを携帯端末又はPC上で生成して格納保存する手段と、
保存された複数の前記二次元コードを三次元的な立方体ポリゴン(正六面体)の板ポリゴンの表面と裏面の12面に貼り付ける手段と、
各面に貼り付けられた前記二次元コードをタグ付けして保存する手段と、
タグ付けされた前記二次元コードを前記携帯端末又は前記PCの画面上に二次元的に表示する手段と、
を備え、
前記表面にはIDとパスワードが記録された前記二次元コードが貼り付けられ、
前記裏面には前記表面の前記二次元コードと異なる前記二次元コードであって、ダミーシンボルマークを含む前記二次元コードが貼り付けられ、
前記タグ付けされた前記二次元コードは、前記携帯端末又は前記PCに呼び出されると常に前記表面が二次元的に前記画面上に表示され、前記携帯端末又は前記PCの命令を受けて反転表示されることを特徴とする、前記携帯端末又は前記PCが備える二次元コードエンコーダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次元コードにセキュリティを担保して、大容量のデータを格納する手段を持った二次元コードエンコーダに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のモノクローム2階調(白黒)で表現された二次元コードでは、データ領域(情報データセル)と切り出しマーカー部が全く同じドット深度で表現されており、情報データセルへの記録容量が大きくなると二次元コード自体の構成するセルの密度が高まり、切り出しマーカー部と情報セル部が近接して、切り出しマーカーを認識するのに時間が掛かるという課題が生じている。
【0003】
しかし、セルの構成単位を小さくして情報量を増やす工夫も見られるが、携帯端末及びPC上の画面に平面的に表示して、エリアセンサにて読み取りを行うためには、二次元記号の面積にも制約が生じて、大容量化には課題が大きい。
【0004】
たしかに、1980年代に米国で開発された二次元コードのアルゴリズムを踏襲して開発された種々の二次元コードは、二次元コードの設計思想である記号構造も引き継いでおり、圧縮技術、多言語対応及びセキュリティ概念が米国での開発当時の技術であり、情報を大量に記録する構造として設計されていない。
【0005】
しかし、近年の技術革新によりエリアセンサの高精密化及び画像を解析するCPUの高速化により、文書、音声及び画像も記録可能な二次元コードも開発されている。
【0006】
また、下記特許文献1のように、電子データを2次元カラーコードに高密度で表現するためのセルの多色化と縮小を図る試みもなされている。
【0007】
しかし、2次元カラーコードは、使用する色の数が増えた分、退色、印刷ムラ、照明光、汚れなどの変色原因による色の変化によるセルの色の誤判定を起こし易いため、復号精度は、モノクローム2階調(白黒)の二次元コードに比べて低い。
【0008】
また、下記特許文献2のように、1980年代に開発された米国由来のアルゴリズムを使用したQRコードの一部分を隠して表示してセキュリティを担保する試みもなされてきた。
【0009】
しかし、米国由来の二次元コードは、データマトリックスコード及びQRコードも、すべてのエンコード及びデコード情報も全世界に公開されており、だれでもコードを作成および読み取り機の製造も可能となっており、コードの一部分を隠して表示してもリバースエンジニアリングで容易に解読される可能性が高いと推測される。
【0010】
また、近年下記特許文献3のように、複数の記録部を備えた三次元コードも開発されている、しかし記録部に特殊な光透過性物体を使用するなど、従来の二次元コードの記録及び読み取り処理とはとは異なり、複雑な処理手順が必要とされる。
【0011】
現在まで多種類の二次元コードおよび三次元コードが開発されてきたが、記録容量とセキュリティの問題が依然として課題として残っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】特開2011-186613号公報
【文献】特開2017-35796号公報
【文献】特許第5731061号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
解決しようとする問題点は、従来の二次元バーコードの記録容量の増大を図り、従来とは異なるセキュリティを二次元コードに提供して、記号の読み取りは従来通りの簡易なスキャニングが可能というエンコーダの提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、携帯端末及びPC上で生成される二次元コードに、あらかじめ複数の二次元コードを生成して格納保存する手段と、保存された複数の二次元コードを三次元的な立方体ポリゴン(正六面体)の各面に貼り付ける手段を設ける。
【0015】
各面に貼り付けられた二次元コードは、タグ付けされて保存され、タグ付けされた二次元コードは携帯端末及びPC画面上に呼び出されて二次元的に表示される。
【0016】
携帯端末及びPC画面上に呼び出されて二次元的に表示された二次元コードは、従来の二次元コードスキャナーにて読み取りが可能となる。
【0017】
携帯端末及びPCから呼び出されたタグ付けされた二次元コードは、常に表面が二次元的に表示され、裏面には表面と異なる認証用の別二次元記号が記録され、携帯端末及びPCの命令を受けて反転表示される。
【0018】
上記のように、立方体ポリゴン(正六面体)は、図2の如く6面(板ポリゴン)が有るので、図3のごとくあらかじめ用意された二次元コードを各面に貼り付けることにより情報量の増大が図れる。
【0019】
上記立方体ポリゴン(正六面体)の面は、両面に記録が可能となっているので、記録容量も更に増大が可能となる。
【0020】
二次元コードのセキュリティに関しては、二次元的に表示された表面の裏側に認証情報を記録することで、表示された表面の二次元コードには通常のナレッジ認証(ID,パスワード等)の情報記録のみで、サーバーでの第二次確認認証情報が無いので、スクリーンショット等によるコピー解析防止となる。
【発明の効果】
【0021】
以上の説明のように、この発明によれば、二次元コードの複数画像を立方体ポリゴン(正六面体)の各面(板ポリゴン)に貼り付けることにより情報量の増大が図られ、また認証情報は表面ではなく裏面に記録することにより、二次元コードのセキュリティが担保され、二次元コードの読み取りには特殊なリーダーは必要がなく、従来の二次元コード読み取り機の活用が可能となり、効率的に運用が可能となる二次元コードを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明にかかる二次元コードの実施例の一形態
図2】二次元コードの立方体への貼り付面の一形態
図3】あらかじめ生成されて格納される二次元コードのデザインの一形態
図4】あらかじめ生成された二次元コードの表面と裏面の一形態
図5】二次元コード認証の一形態
図6】送付用認証コード概要図
図7】サーバー側の認証受付用二次元コード概要図
図8】サーバーで認証合格後の認証用コードの一形態
図9】本発明にかかる二次元コードエンコーダのフロー概略図
【発明を実施するための形態】
【0023】
請求項に係わる発明について、その実施の形態を図1図2及び図5を参照しながら説明する。
【実施例
【0024】
携帯端末及びPC内に二次元コードを生成する手段を用意して、あらかじめ複数の二次元コード図3を生成して内部に格納保存する。
【0025】
保存された複数の二次元コード図3を三次元的な立方体ポリゴン(正六面体)図2の6面(板ポリゴン)に図1の如く貼り付ける。
【0026】
各面に貼り付けられた二次元コード図1は、タグ付けされて保存される。
【0027】
タグ付けされた二次元コード図1は携帯端末及びPCに呼び出されると、図1の右側の図の如く二次元的に表示される。
【0028】
携帯端末及びPC画面上に呼び出されて二次元的に表示された二次元コード図1の右側図は、従来の二次元コードスキャナーにて読み取りが可能となる。
【0029】
携帯端末及びPCから呼び出されたタグ付けされた二次元コードは、常に表面が二次元的に表示され、図4のごとく裏面には表面と異なる認証用の別二次元記号の記録が可能となる。
【0030】
携帯端末及びPCの命令を受けて反転表示される図4
【0031】
二次元コードのセキュリティに関しては、二次元コード(板ポリゴン)の裏面にダミーシンボルマーク図6を含めて表示記録する。
【0032】
二次元コードを認証するサーバー側には、あらかじめ図7を認証受付用二次元コードとして用意する。
【0033】
認証用送付用と認証受付用二次元コード図6図7は、ダミーシンボルマークが印字されているので、単独コードではデコードが不可能なものとする。
【0034】
二次元コード図6は、認証するサーバー側に送信されて、認証受付用二次元コード図7と合致されたときに、図8のようにデコード可能な二次元コードとなり認証が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
以上の発明によれば、携帯端末及びPC上に二次元コードを生成する手段を用意して、あらかじめ複数の二次元コードを、を三次元的な立方体ポリゴン(正六面体)図2の6面(板ポリゴン)に図1の如く貼り付けて、認証用の二次元コードを認証機関の二次元コードとマッチングすることにより、記録容量が大きくて、セキュリティが担保された二次元コードエンコーダの提供が可能となる。
【0036】
前記の如く、呼び出される二次元コードは常に表面が二次元的に表示されるので、表面には単純なナレッジ認証(IDとパスワード)の記録に留め、ナレッジ認証後自動的に面(板ポリゴン)が裏返る機能を付与することで、裏面の記載の図7がサーバー側の図8とマッチングすることにより、2段階認証となる。
【0037】
正六面体の各面の内部にも、連番タグ付けされた二次元コードの板ポリゴンをマルチレイヤー(積層)に格納する手段を持ち、順次携帯端末及びPCの画面に呼び出して、読み取りを行うことで記録容量の増大が図れる。
【符号の説明】
【0038】
1 正六面体の面1
2 正六面体の面2
3 正六面体の面3
4 正六面体の面4
5 正六面体の面5
6 正六面体の面6
7 正六面体の面に二次元コードを貼り付けた概要図
8 正六面体の面1に二次元コードを貼り付けた状況図
9 正六面体の面1の表面に貼り付けられた二次元コード
10 正六面体の面1の裏面に貼り付けられた二次元コード
1s 正六面体の面1の表面に貼り付ける二次元コード
2s 正六面体の面2の表面に貼り付ける二次元コード
3s 正六面体の面3の表面に貼り付ける二次元コード
4s 正六面体の面4の表面に貼り付ける二次元コード
5s 正六面体の面5の表面に貼り付ける二次元コード
6s 正六面体の面6の表面に貼り付ける二次元コード
11 裏面に印字された送付認証用二次元コード
12 サーバー側の認証受付用二次元コード
13 サーバーで認証合格済みの二次元コード概要図
14 認証用二次元コードに印字されているダミーシンボル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9