(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】化粧水
(51)【国際特許分類】
A61K 8/73 20060101AFI20240326BHJP
A61K 8/06 20060101ALI20240326BHJP
A61K 8/20 20060101ALI20240326BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20240326BHJP
A61K 8/365 20060101ALI20240326BHJP
A61K 8/891 20060101ALI20240326BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
A61K8/73
A61K8/06
A61K8/20
A61K8/34
A61K8/365
A61K8/891
A61Q19/00
(21)【出願番号】P 2020042506
(22)【出願日】2020-03-12
【審査請求日】2023-01-20
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 展示日 令和2年1月20日(令和2年1月20日~令和2年1月22日)、展示会名、開催場所 第10回化粧品開発展(千葉市美浜区中瀬2-1 幕張メッセ)
(73)【特許権者】
【識別番号】508001073
【氏名又は名称】株式会社シーエスラボ
(74)【代理人】
【識別番号】100136560
【氏名又は名称】森 俊晴
(72)【発明者】
【氏名】高橋 侑大
(72)【発明者】
【氏名】小林 三伸
【審査官】伊藤 真明
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第107661230(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107595761(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108721132(CN,A)
【文献】特開2000-119166(JP,A)
【文献】特開2014-144923(JP,A)
【文献】特開2019-043904(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS/KOSMET(STN)
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)油性成分を0.5~5質量%と、
(B)ジェランガムを0.05~0.3質量%と、
(C)ヒドロキシエチルセルロースを0.05~0.3質量%と、
を含有することを特徴とする化粧水。
【請求項2】
さらに、(D)カルシウム化合物および/またはマグネシウム化合物を含有する請求項1に記載の化粧水。
【請求項3】
さらにまた、(E)多価アルコールおよびエタノールよりなる群から選ばれる1種または2種以上を含有する請求項1または請求項2記載の化粧水。
【請求項4】
さらに、(F)クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、フェルラ酸、トラネキサム酸、シュウ酸、マロン酸、無水コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸、無水マレイン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸およびグルタミン酸よりなる群から選ばれる有機酸および前記有機酸のアルカリ金属塩よりなる群から選ばれる1種または2種以上を含有する請求項1~3のうちいずれか一項に記載の化粧水。
【請求項5】
前記(A)油性成分が、フェニルトリメチコン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、ジフェニルジメチコン、トリメチルシロキシフェニルジメチコンおよびトリメチルペンタフェニルトリシロキシサンよりなる群から選ばれる1種または2種以上である請求項1~4のうちいずれか一項に記載の化粧水。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧水に関し、特に、油滴の経時安定性が向上し、さらに使用後の保湿性が向上した化粧水に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から化粧料では、肌への保湿効果や水分や油分の補給等を目的として、多種類の水性成分や油性成分が配合されている。しかしながら、水と油は、表面張力に大きな差があるため混じりあわず分離する問題点があった。そこで、水性成分と油性成分を混ぜるために種々の方法が検討されている。
【0003】
かかる方法として、例えば、特許文献1には、水中油型エマルションの形態の組成物であって、a)シリコーン油、炭化水素化油、又はこれらの混合物から選択される少なくとも1種の油を含む分散した脂肪相と、b)組成物の総質量に対して0.1質量%~20質量%の範囲の量の、直鎖状又は分枝状の、飽和又は不飽和の少なくとも1つのヒドロキシル基を有する少なくとも1種のC1~C4アルコールを含む連続水性相と、c)疎水性シリカ、疎水性セルロース、デンプン、タルク、シリコーン樹脂粉末、中空半球状シリコーン粒子、ポリアミド粉末、疎水性顔料、又はこれらの混合物から選択される少なくとも1種の疎水性粒子と、d)少なくとも1種の多糖とを含む、組成物が、開示されている。また、特許文献2には、(A)アラビアガム、アルギン酸及びその塩、カラギーナン、寒天、グアーガム、クインスシード、タマリンドガム、デキストリン、デキストラン、デンプン、ローカストビーンガム、カラヤガム、トラガカントガム、ペクチン、マルメロ、キトサン、キサンタンガム、ジェランガム、ヒアルロン酸及びその塩、プルラン、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カチオン化セルロース、ポリアクリル酸アミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンからなる群より選択される1種又は2種以上の水溶性の皮膜形成性高分子、及び(B)シリコーン油を含有し、30℃における粘度が3000~15000mPa・sの範囲内にあることを特徴とするW/O/W型複合エマルジョンが、開示されている。
【0004】
さらに、特許文献3には、平均重合度が10~30であるポリグリセリンと、カプリル酸とカプリン酸の混合脂肪酸とがエステル結合したポリグリセリン脂肪酸エステル(A)と、油剤(B)と、水(C)30~88質量%を含有し、ポリグリセリン脂肪酸エステル(A)と油剤(B)の配合比率が6:1~2:1である化粧料組成物が、開示されている。さらにまた、特許文献4には、少なくとも1つの化学的紫外(UV)線吸収剤;ジメチコン、ジカプリリルカーボネート、ラウリルラクテート、ネオペンチルグリコールジヘプタノエート、グリセリン及びその組合せからなる群から選択される少なくとも1つの溶媒;及びジフェニルシロキシフェニルトリメチコンを含む少なくとも1つのジフェニルシリコーンエラストマーゲル化剤を含み、透明であり、本質的にアルコールを含まない化粧品組成物が、開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特表2016-540783号公報
【文献】特開2003-104861号公報
【文献】特開2018-154557号公報
【文献】特表2009-528377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1および特許文献2記載の技術は、エマルションであるため、経時的な油滴の合一等は避けられず、油滴の経時安定性を十分に得られるものではなかった。
【0007】
また、特許文献3はポリグリセリン脂肪酸エステル等の界面活性剤を必須とし、特許文献4はジフェニルシリコーンエラストマーゲル化剤を必須としているため、透明な化粧水は得られるものの、界面活性剤やジフェニルシリコーンエラストマーゲル化剤の影響で使用後の十分な保湿感を得られるものではなかった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、前記の従来技術の問題点を解決し、油滴の経時安定性が向上し、さらに使用後の保湿性が向上した化粧水を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、油性成分と特定の高分子を組合せ、配合量を限定することによって、前記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち、本発明の化粧水は、(A)油性成分を0.5~5質量%と、
(B)ジェランガムを0.05~0.3質量%と、
(C)ヒドロキシエチルセルロースおよびキサンタンガムよりなる群から選ばれる1種または2種以上を0.05~0.3質量%と、
を含有することを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明の化粧水は、さらに、(D)カルシウム化合物および/またはマグネシウム化合物を含有することが好ましく、(E)多価アルコールおよびエタノールよりなる群から選ばれる1種または2種以上を含有することが好ましく、さらに、(F)クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、フェルラ酸、トラネキサム酸、シュウ酸、マロン酸、無水コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸、無水マレイン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸およびグルタミン酸よりなる群から選ばれる有機酸および前記有機酸のアルカリ金属塩よりなる群から選ばれる1種または2種以上を含有することが好ましい。
【0012】
また、本発明の化粧水は、前記(A)油性成分が、フェニルトリメチコン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、ジフェニルジメチコン、トリメチルシロキシフェニルジメチコンおよびトリメチルペンタフェニルトリシロキシサンよりなる群から選ばれる1種または2種以上であることが好ましく、前記(A)油性成分が、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコンであることが特に好ましい。
【0013】
さらに、本発明の化粧水は、前記(C)成分が、ヒドロキシエチルセルロースであることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、油滴の経時安定性が向上し、さらに使用後の保湿性が向上した化粧水を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施例A~Cの「外観(油滴間隔)」および「水相の透明性」を示す写真である。
【
図2】「外観(油滴間隔)」および「水相の透明性」の悪い例を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の化粧水について具体的に説明する。
本発明の化粧水は、(A)油性成分を0.5~5質量%と、(B)ジェランガムを0.05~0.3質量%と、(C)ヒドロキシエチルセルロースおよびキサンタンガムよりなる群から選ばれる1種または2種以上を0.05~0.3質量%と、を含有することを特徴とするものである。本発明の化粧水は、油滴の経時的な分散(溶解、可溶化を含む)安定性を向上した化粧水で、使用後の保湿性を向上させる効果を有する透明化粧水である。従来よりも油分量を減らし、油滴と油滴の隙間を大きく空けることで、油滴が浮いている外観を強調でき、水相部分の透明度を上げるために、数多くある高分子や増粘剤の中から、ジェランガムと、ヒドロキシエチルセルロースおよび/またはキサンタンガムと組み合わせることで透明化粧水を得ることができる。そのため、カルボマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマー等の高分子や増粘剤では、安定性が悪く本発明の効果は得られない。また、従来は油性成分の配合量を多くすることで、油滴を存在させていたが、油滴が多いことから外観もよくなく、使用感においても油性感が強く化粧水としては満足できるものではなかったのに対し、本発明では配合量を調整することで透明な外観と良好な保湿効果のある透明化粧水を得ることができる。さらに、本発明では、界面活性剤を配合しなくても、油性成分(シリコーン油)を含有する透明化粧水を得ることができる。
【0017】
本発明において、前記(A)油性成分としては、通常の化粧水に使用でき、本発明の効果を得られるものであれば特に限定されないが、例えば、流動パラフィン(ミネラルオイル)、重質流動イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、α-オレフィンオリゴマー、ポリイソブテン、水添ポリイソブテン、ポリブテン、スクワラン、オリーブ由来スクワラン、スクワレン、ワセリン、固型パラフィン等の炭化水素類、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ろう、みつろう、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、エチレン・プロピレンコポリマー等のワックス類、ヤシ油、パーム油、パーム核油、サフラワー油、オリーブ油、ヒマシ油、アボカド油、ゴマ油、茶油、月見草油、小麦胚芽油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、ククイナッツ油、ローズヒップ油、メドウフォーム油、パーシック油、ティートリー油、ハッカ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ヒマワリ油、小麦胚芽油、アマニ油、綿実油、大豆油、落花生油、コメヌカ油、カカオ脂、シア脂、水素添加ヤシ油、水素添加ヒマシ油、ホホバ油、水素添加ホホバ油等の植物油脂類、牛脂、乳脂、馬脂、卵黄油、ミンク油、タートル油等の動物性油脂類、鯨ロウ、ラノリン、オレンジラッフィー油等の動物性ロウ類、液状ラノリン、還元ラノリン、吸着精製ラノリン、酢酸ラノリン、酢酸液状ラノリン、ヒドロキシラノリン、ポリオキシエチレンラノリン、ラノリン脂肪酸、硬質ラノリン脂肪酸、ラノリンアルコール、酢酸ラノリンアルコール、酢酸(セチル・ラノリル)エステル等のラノリン類、レシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴミエリン等のスフィンゴリン脂質、ホスファチジン酸、リゾレシチン等のリン脂質類、水素添加大豆リン脂質、部分水素添加大豆リン脂質、水素添加卵黄リン脂質、部分水素添加卵黄リン脂質等のリン脂質誘導体類、コレステロール、ジヒドロコレステロール、ラノステロール、ジヒドロラノステロール、フィトステロール、コール酸等のステロール類、サポゲニン類、サポニン類、酢酸コレステリル、ノナン酸コレステリル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(コレステリル/ベヘニル/オクチルドデシル)、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(コレステリル/オクチルドデシル)、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル/ベヘニル/オクチルドデシル)、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、N-ラウロイルサルコシンイソプロピル等のアシルサルコシンアルキルエステル、12-ヒドロキシステアリン酸コレステリル、マカデミアナッツ油脂肪酸コレステリル、マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル、イソステアリン酸フィトステリル、軟質ラノリン脂肪酸コレステリル、硬質ラノリン脂肪酸コレステリル、長鎖分岐脂肪酸コレステリル、長鎖α-ヒドロキシ脂肪酸コレステリル等のステロールエステル類、リン脂質・コレステロール複合体、リン脂質・フィトステロール複合体等の脂質複合体、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸ヘキシルデシル、イソステアリン酸オクチルドデシル、パリミチン酸セチル、パルミチン酸オクチルドデシル、オクタン酸セチル、オクタン酸ヘキシルデシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸オクチル、イソノナン酸イソトリデシル、ネオペンタン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソトリデシル、ネオペンタン酸イソステアリル、ネオデカン酸オクチルドデシル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、リシノレイン酸オクチルドデシル、ラノリン脂肪酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、エルカ酸オクチルドデシル、イソステアリン酸硬化ヒマシ油、オレイン酸エチル、アボカド油脂肪酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、イソステアリン酸イソプロピル、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸メチルヘプチル、ミリスチン酸メチルヘプチル、パルミチン酸メチルヘプチル、イソステアリン酸メチルヘプチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジブチルオクチル、アジピン酸ジイソブチル、コハク酸ジオクチル、クエン酸トリエチル等のモノアルコールカルボン酸エステル類、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、モノイソステアリン酸水添ヒマシ油、γ-エルカラクトン等のオキシ酸エステル類、トリオクタン酸グリセリル、トリオレイン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸)グリセリル、水添ロジントリグリセリド(水素添加エステルガム)、ロジントリグリセリド(エステルガム)、ベヘン酸エイコサン二酸グリセリル、トリオクタン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、ジオレイン酸プロピレングリコール、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、水素添加ロジンペンタエリスリチル、トリエチルヘキサン酸ジトリメチロールプロパン、(イソステアリン酸/セバシン酸)ジトリメチロールプロパン、トリエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、テトライソステアリン酸ポリグリセリル、ノナイソステアリン酸ポリグリセリル-10、デカ(エルカ酸/イソステアリン酸/リシノレイン酸)ポリグリセリル-8、(ヘキシルデカン酸/セバシン酸)ジグリセリルオリゴエステル、ジステアリン酸グリコール(ジステアリン酸エチレングリコール)、ジネオペンタン酸3-メチル-1,5-ペンタンジオール、ジネオペンタン酸2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール等の多価アルコール脂肪酸エステル類、ダイマージリノール酸ジイソプロピル、ダイマージリノール酸ジイソステアリル、ダイマージリノール酸ジ(イソステアリル/フィトステリル)、ダイマージリノール酸(フィトステリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイル、ジイソステアリン酸ダイマージリノレイル、ダイマージリノレイル水添ロジン縮合物、ダイマージリノール酸硬化ヒマシ油、ヒドロキシアルキルダイマージリノレイルエーテル等のダイマー酸若しくはダイマージオールの誘導体、セタノール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、ラウリルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、ホホバアルコール、キミルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール、ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2-オクチルドデカノール、ダイマージオール等の高級アルコール類、ベンジルアルコール等のアラルキルアルコール及び誘導体、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、イソヘキサデカン酸、アンテイソヘンイコサン酸、長鎖分岐脂肪酸、ダイマー酸、水素添加ダイマー酸等の高級脂肪酸類及びそのアルミニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩、カリウム、ナトリウム塩等の金属石けん類、及びアミド等の含窒素誘導体類、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド(コカミドMEA)、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(コカミドDEA)、ラウリン酸モノエタノールアミド(ラウラミドMEA)、ラウリン酸ジエタノールアミド(ラウラミドDEA)、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド(ラウラミドMIPA)、パルミチン酸モノエタノールアミド(パルタミドMEA)、パルミチン酸ジエタノールアミド(パルタミドDEA)、ヤシ油脂肪酸メチルエタノールアミド(コカミドメチルMEA)等の脂肪酸アルカノールアミド類、ジメチコン(ジメチルポリシロキサン)、高重合ジメチコン(高重合ジメチルポリシロキサン)、シクロメチコン(環状ジメチルシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン)、フェニルトリメチコン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、ジフェニルジメチコン、トリメチルシロキシフェニルジメチコン、トリメチルペンタフェニルトリシロキシサン、(アミノエチルアミノプロピルメチコン/ジメチコン)コポリマー、ジメチコノール、ジメチコノールクロスポリマー、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、アミノプロピルジメチコン及びアモジメチコン等のアミノ変性シリコーン、カチオン変性シリコーン、ジメチコンコポリオール等のポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、糖変性シリコーン、カルボン酸変性シリコーン、リン酸変性シリコーン、硫酸変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、脂肪酸変性シリコーン、アルキルエーテル変性シリコーン、アミノ酸変性シリコーン、ペプチド変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、カチオン変性及びポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性及びポリエーテル変性シリコーン、アルキル変性及びポリエーテル変性シリコーン、アミドアルキル変性シリコーン、アミノグリコール変性シリコーン、アミノフェニル変性シリコーン、ポリシロキサン・オキシアルキレン共重合体等のシリコーン類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類等を挙げることができる。ただし、本発明において、前記(A)油性成分としては、常温で液状であることが必要である。そのため、常温で固形状の油性成分を配合する場合は、常温で液状の油性成分と組合せて常温で液状の油性成分とする必要がある。なお、ここで、「常温」とは、いわゆる一般的な室内の温度(室温)であり、例えば、20~30℃の温度範囲を示す。
【0018】
また、本発明において、前記(A)油性成分としては、フェニルトリメチコン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、ジフェニルジメチコン、トリメチルシロキシフェニルジメチコンおよびトリメチルペンタフェニルトリシロキシサンよりなる群から選ばれる1種または2種以上であることが好ましく、前記(A)油性成分が、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコンであることがより好ましい。かかる前記(A)油性成分を用いることで、他の油性成分と比較して、油滴の経時安定性がより向上し、さらに使用後の保湿性もより向上することができる。
【0019】
さらに、本発明において、前記(B)ジェランガムとは、シュードモナス・エロディア(Pseudomonas elodea)菌体がブドウ糖等の炭素源を好気性発酵により菌体外に産出した天然高分子多糖類である。かかるジェランガムとしては、通常の化粧水に使用でき、本発明の効果を得られるものであれば特に限定されないが、例えば、三晶株式会社製のKELCOGEL CG-LA(商品名)、KELCOGEL CG-HA(商品名)等を挙げることができる。ジェランガムを用いることで、油滴の経時安定性がより向上し、さらに使用後の保湿性もよりすることができる。
【0020】
さらにまた、本発明において、前記(C)ヒドロキシエチルセルロースおよびキサンタンガムよりなる群から選ばれる1種または2種以上を含有するものである。具体的には、ヒドロキシエチルセルロースを含有するもの、またはキサンタンガムを含有するもの、またはヒドロキシエチルセルロースとキサンタンガムを含有するものである。中でも、本発明の化粧水は、前記(C)成分が、ヒドロキシエチルセルロースであることが好ましい。ヒドロキシエチルセルロースを用いることで、油滴の経時安定性がより向上し、さらに使用後の保湿性もよりすることができる。
【0021】
ここで、前記(C)ヒドロキシエチルセルロースとは、セルロースにエチレンオキシドを付加させた高分子である。かかるヒドロキシエチルセルロースとしては、通常の化粧水に使用でき、本発明の効果を得られるものであれば特に限定されないが、例えば、ダイセルファインケム株式会社製のHEC-SE400商品名)、HEC-SE500商品名)、HEC-SE600商品名)、HEC-SE850商品名)、HEC-SE900商品名)、HEC-EE820商品名)等を挙げることができる。
【0022】
また、前記キサンタンガムとは、微生物キサントモナス・キャンペストリス(Xanth
omonas campestris)によりブドウ糖等の栄養源を菌体外に分泌した多糖類である。かかるキサンタンガムとしては、例えば、三晶株式会社製のKELTROL CG(商品名)、KELTROL CG-T(商品名)、KELTROL CG-SFT(商品名)、KELTROL CG-BT(商品名)、KELTROL CG-RD(商品名)、KELTROL CG-F(商品名)、KELTROL CG-LAX-T(商品名)、等を挙げることができる。
【0023】
本発明の化粧水は、前記(A)油性成分を0.5~5質量%を含有するものであり、好ましくは1~2質量%含有するものである。前記(A)油性成分を0.5質量%より少ないと前記(A)油性成分の効果が得られず化粧水として保湿感等の感触が得られず、5質量%より多いと油滴の間隔が狭くなり、さらに前記(A)油性成分のべたつき感が強くなり化粧水として感触が悪くなり、本発明の効果が得られない。
【0024】
本発明の化粧水は、前記(B)ジェランガムを0.05~0.3質量%を含有するものであり、好ましくは0.1~0.2質量%、より好ましくは0.1質量%を含有するものである。前記(B)ジェランガムを0.05質量%より少ないと前記(B)ジェランガムの効果が得られず油滴の経時安定性が悪くなり、0.3質量%より多いと化粧水の透明度が低下し、さらに前記(B)ジェランガムのべたつき感が強くなり化粧水として感触が悪くなり、本発明の効果が得られない。
【0025】
本発明の化粧水は、前記(C)ヒドロキシエチルセルロースおよびキサンタンガムよりなる群から選ばれる1種または2種以上を0.05~0.3質量%を含有するものであり、好ましくは0.05~0.15質量%含有するものである。前記(C)成分を0.05質量%より少ないと前記(C)成分の効果が得られず油滴の経時安定性が悪くなり、0.3質量%より多いと化粧水の透明度が低下し、さらに前記(C)成分のべたつき感が強くなり化粧水として感触が悪くなり、本発明の効果が得られない。
【0026】
さらに、本発明の化粧水は、(D)カルシウム化合物および/またはマグネシウム化合物を含有することが好ましい。前記カルシウム化合物としては、通常の化粧水に使用でき、本発明の効果を得られるものであれば特に限定されないが、例えば、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、クエン酸カルシウム、パントテン酸カルシウム、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウムおよびホウケイ酸(Ca/Na)よりなる群から選ばれる1種または2種以上を使用することができ、中でも安定性をより向上できる塩化カルシウムが好ましい。また、前記マグネシウム化合物としては、通常の化粧水に使用でき、本発明の効果を得られるものであれば特に限定されないが、例えば、塩化マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、乳酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、リン酸アスコルビルマグネシウム、グルコン酸マグネシウムおよびケイ酸(Al/Mg)よりなる群から選ばれる1種または2種以上を使用することができ、中でも安定性をより向上できる硫酸マグネシウムが好ましい。
【0027】
また、本発明において、前記(D)カルシウム化合物および/またはマグネシウム化合物の配合量の総量としては、本発明の効果が得られれば限定されないが、0.05~0.7質量%であることが好ましい。前記(D)カルシウム化合物および/またはマグネシウム化合物の配合量の総量が上記範囲を外れると、油滴の安定性を損なうおそれがあり、好ましくない。
【0028】
さらにまた、(E)多価アルコールおよびエタノールよりなる群から選ばれる1種または2種以上を含有することが好ましい。前記多価アルコールとしては、通常の化粧水に使用でき、本発明の効果を得られるものであれば特に限定されないが、例えば、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、プロパンジオール、1,2-ヘキサンジオール、ペンチレングリコール、ペンタエリスリトール、ヘキシレングリコール、ジグリセリン、ポリグリセリン、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール・プロピレングリコール共重合体、およびそれらの重合体よりなる群から選ばれる1種または2種以上等を挙げることができる。本発明では、中でも安定性をより向上できるグリセリンおよび/またはエタノールを含有することが好ましい。
【0029】
また、本発明において、前記(E)多価アルコールおよびエタノールよりなる群から選ばれる1種または2種以上の配合量の総量としては、本発明の効果が得られれば限定されないが、2~20質量%であることが好ましく、特に、グリセリンを0~10質量%、エタノールを2~10質量%含有することが好ましい。前記(E)多価アルコールおよびエタノールよりなる群から選ばれる1種または2種以上の配合量の総量が上記範囲を外れると、油滴の安定性を損なうおそれがあり、好ましくない。
【0030】
また、本発明において、さらに、(F)クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、フェルラ酸、トラネキサム酸、シュウ酸、マロン酸、無水コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸、無水マレイン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸およびグルタミン酸よりなる群から選ばれる有機酸および前記有機酸のアルカリ金属塩よりなる群から選ばれる1種または2種以上を含有することが好ましい。クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、フェルラ酸、トラネキサム酸、シュウ酸、マロン酸、無水コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸、無水マレイン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸およびグルタミン酸よりなる群から選ばれる有機酸よりなる群から選ばれる1種または2種以上を含有していてもよいし、前記有機酸のアルカリ金属塩よりなる群から選ばれる1種または2種以上を含有していてもよいし、前記有機酸および前記有機酸のアルカリ金属塩よりなる群から選ばれる1種または2種以上を含有していてもよい。中でも、クエン酸とクエン酸ナトリウムを含有することがより好ましい。かかる有機酸や有機酸のアルカリ金属塩の配合量としては、本発明の効果が得られれば限定されないが、0.01~0.2質量%が好ましく、0.05質量%~0.1質量%であることがより好ましい。pHの調整の作用だけでなく配合量の総量が上記範囲を外れると、水相の透明性、油滴の安定性を損なう恐れがあり、好ましくない。
【0031】
本発明において、化粧水とは、人間の身体等に使用できるものであり、通常の化粧品の分類に属するものであり、医薬部外品、医薬品等の用途を排除するものではない。さらに、前記化粧水とは、基礎化粧品、メイクアップ化粧品、頭髪用化粧品等の用途を含むものである。
【0032】
さらに、本発明において、本発明の効果が損なわれない範囲で、適宜他の成分等を添加することもできる。質的、量的範囲で上記以外の任意の成分を配合することができ、化粧水に通常配合される成分、例えば、保湿剤、酸化防止剤、香料、各種ビタミン剤、キレート剤、着色剤、薬効成分、無機塩類、防腐効果を有する成分、植物抽出物など有用性成分等を配合することができる。
【0033】
抽出液成分として、例えば、カミツレエキス、パセリエキス、スイカズラエキス、コメエキス、コメヌカエキス、ホップエキス、オウバクエキス、ヨクイニンエキス、センブリエキス、メリロートエキス、バーチエキス、カンゾウエキス、シャクヤクエキス、サボンソウエキス、ヘチマエキス、トウガラシエキス、レモンエキス、ゲンチアナエキス、シソエキス、アロエエキス、ローズマリーエキス、セージエキス、タイムエキス、ユーカリエキス、茶エキス、海藻エキス、キューカンバーエキス、チョウジエキス、ニンジンエキス、マロニエエキス、ハマメリスエキス、クワエキス、チンピエキス、ピーカンナッツエキス、グレープフルーツエキス、シークワーサーエキス、パッションフルーツエキス、ビワエキス、ブドウエキス、ローズフルーツエキス、クララエキス、ペパーミントエキス等の各種抽出成分が挙げられる。
【0034】
保湿成分として、例えば、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸ナトリウム、エラスチン、グルコサミン、ヒアルロン酸、シクロデキストリン、コラーゲン、胆汁酸塩等が挙げられる。
【0035】
薬効成分として、例えば、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンEなどのビタミン類およびそれらの誘導体、グリチルリチン酸及びの誘導体、グリチルレチン酸及びの誘導体、尿素などの各種塩、クレアチニン、CoQ10、アスタキサンチン、ポリフェノール、セラミド等の成分が挙げられる。
【0036】
また、本発明において、化粧水の製造方法としては、通常の化粧水の製造方法で製造することができ、油相成分と水相成分を加熱して製造する方法を用いることができる。
【0037】
以下、本発明について、実施例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下、処方中の数値は質量%を示す。
【実施例】
【0038】
(実施例1~8)
下記表1および表2記載の配合量(含有量)で、実施例1~8の化粧水を作製した。得られた化粧水について、下記「外観(油滴間隔)試験」、「水相の透明性試験」、「使用感(油のべとつき)試験」および「油滴の安定性試験」の試験を行って総合評価を行い、結果を下記表1および表2に併記した。
【0039】
<外観(油滴間隔)試験>
得られた化粧水について、目視で外観(油滴間隔)を観察し、下記評価基準で評価した。
○:油滴間隔が大きく油滴が強調した外観である
△:油滴間隔が小さく油滴が強調した外観でなく、外観がよくない
×:油滴間隔が小さく油滴も多すぎ、油滴が強調した外観でなく、外観が悪い
【0040】
<水相の透明性試験>
得られた化粧水について、目視で化粧水の透明性を観察し、下記評価基準で評価した。
◎:透明度が高い透明
○:透明
△:半透明
×:不透明
【0041】
<使用感(油のべとつき)試験>
年齢29から62歳(平均年齢35歳)の健常な男性および女性の感触測定経験者6名(男性3名、女性3名)を被験者として、各サンプルを被験者の前腕に塗布して、「使用感(油のべとつき)」を下記評価基準で評価した。
○:べとつかなく、ほどよい保湿感がある
△:少しべとつく
×:油のべとつきが強い
【0042】
<油滴の安定性試験>
得られた化粧水について、40℃で6カ月経過後の油滴の状況を目視で観察し、下記評価基準で評価した。
◎:油敵の浮上がほとんど無く、僅かに表面に油浮きが見られる
○:油敵の浮上がほとんど無く、表面に油浮きが見られる
△:油滴の浮上が少し見られる
×:油滴が浮上し、2層状態になっている
【0043】
<総合評価>
上記「外観(油滴間隔)試験」、「水相の透明性試験」、「使用感(油のべとつき)試験」および「油滴の安定性試験」の試験結果に基づいて、下記評価基準で総合評価を行った。
○:全ての評価で◎または○である
△:1つの評価で△がある
×:一つの評価で×がある
【0044】
【0045】
【0046】
表1および表2の結果から、実施例1~8の化粧水は、「外観(油滴間隔)」、「水相の透明性」、「使用感(油のべとつき)」および「油滴の安定性」に関して良好であった。特に、実施例1~6の化粧水では、優れた結果が得られた。
【0047】
(実施例9~23、比較例1~9)
下記表3~表5記載の配合量(含有量)で、実施例9~23および比較例1~9の化粧水を作製した。得られた化粧水について、上記「外観(油滴間隔)試験」、「水相の透明性試験」、「使用感(油のべとつき)試験」、「油滴の安定性試験」および下記「使用感(エモリエント感)試験」の試験を行って総合評価を行い、結果を下記表3~表5に併記した。
【0048】
<使用感(エモリエント感)試験>
年齢29から62歳(平均年齢35歳)の健常な男性および女性の感触測定経験者6名(男性3名、女性3名)を被験者として、各サンプルを被験者の前腕に塗布して、「使用感(エモリエント感)」を下記評価基準で評価した。
○:十分なエモリエント感がある
△:エモリエント感が少ない
×:エモリエント感がない
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
表3~表5の結果から、実施例9~23の化粧水は、「外観(油滴間隔)」、「水相の透明性」、「使用感(油のべとつき)」、「使用感(エモリエント感)」および「油滴の安定性」に関して良好であった。一方、比較例1~9の化粧水は、外観(油滴間隔)」、「水相の透明性」、「使用感(油のべとつき)」、「使用感(エモリエント感)」および「油滴の安定性」に関して、すべての要件を満足に満たすことはできなかった。
【0053】
上記のように、本発明の構成とすることで、油滴を化粧水に安定に配合でき、使用後の保湿性を向上することができた。また、従来よりも油分量を減らし、油滴と油滴の隙間を大きく空けることで、油滴が浮いている外観を強調でき、ジェランガムと、ヒドロキシエチルセルロースおよび・またはキサンタンガムと組み合わせることで水相の透明度を高めることができた。
【0054】
(実施例A~C)
下記表6記載の配合量(含有量)で、実施例A~Cの化粧水を作製した。得られた化粧水について、上記「外観(油滴間隔)」および「水相の透明性」を試験し、結果を
図1示した。
【0055】
【0056】
図1は、実施例A~Cの「外観(油滴間隔)」および「水相の透明性」を示す写真であり、
図2は、「外観(油滴間隔)」および「水相の透明性」の悪い例を示す写真である。
図1に示すように、実施例A~Cの化粧水は、上記「外観(油滴間隔)試験」の「○:油滴間隔が大きく油滴が強調した外観である」、「水相の透明性試験」の「◎:透明度が高い透明」を示す良好な状態であった。また、参考に
図2に上記「外観(油滴間隔)試験」の「×:油滴間隔が小さく油滴も多すぎ、油滴が強調した外観でなく、外観が悪い」、「水相の透明性試験」の「×:不透明」な状態を示した。