(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】運搬車
(51)【国際特許分類】
B62B 3/14 20060101AFI20240326BHJP
【FI】
B62B3/14
(21)【出願番号】P 2020093962
(22)【出願日】2020-05-29
【審査請求日】2023-04-03
(73)【特許権者】
【識別番号】591006944
【氏名又は名称】三甲株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【氏名又は名称】松浦 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100202223
【氏名又は名称】軸見 可奈子
(72)【発明者】
【氏名】西村 翔馬
【審査官】山本 賢明
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第203481526(CN,U)
【文献】特開2014-166814(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62B 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面形状が略V字形のベースフレームの下面に前輪と後輪とを備える運搬車であって、運搬車同士を前後に並べて前側の運搬車の前記ベースフレームの内側に後側の運搬車の前記ベースフレームを挿入することが可能な運搬車において、
前記ベースフレームには、前記前輪と前記後輪とが接地している通常姿勢の前記ベースフレーム同士の挿入過程で前側のベースフレームと後側のベースフレームとの間で互いに摺接して前記後側のベースフレームを前記通常姿勢から前記前輪が浮いた前上がりの傾斜姿勢になるように斜め上方にガイドする摺接ガイド部が備えられ
、
前記摺接ガイド部は、前記ベースフレーム同士の挿入過程で、前記前側のベースフレームと前記後側のベースフレームの前端部同士が前後方向から見て重なった状態を維持して、前記後側のベースフレームを前記通常姿勢から前記傾斜姿勢になるようにガイドし、
前記ベースフレームには、前記ベースフレーム同士が挿入されたときに、前記ベースフレームの前端部同士の間に挟まれる緩衝部材が備えられている運搬車。
【請求項2】
平面形状が略V字形のベースフレームの下面に前輪と後輪とを備える運搬車であって、運搬車同士を前後に並べて前側の運搬車の前記ベースフレームの内側に後側の運搬車の前記ベースフレームを挿入することが可能な運搬車において、
前記ベースフレームには、前記ベースフレーム同士の挿入過程で前側のベースフレームと後側のベースフレームとの間で互いに摺接して後側のベースフレームを前上がりの傾斜姿勢になるようにガイドする摺接ガイド部が備えられ、
前記摺接ガイド部は、前記ベースフレームの上面に配置されて前後に並ぶ前側摺接ガイド部と後側摺接ガイド部とからなり、
前記後側摺接ガイド部は、前記ベースフレームから後方に延びかつ略水平な上面を有する水平部と、前記水平部の上面の後端から屈曲して後下がりに傾斜する上面を有する傾斜部とを備えてなり、
前記前側摺接ガイド部は、前記ベースフレームから起立する門形構造をなしている運搬車。
【請求項3】
前記後側摺接ガイド部のうち前記前側摺接ガイド部との摺接部分は、前後方向に延びる断面円形の部材を含んでなり、
前記前側摺接ガイド部のうち前記後側摺接ガイド部との摺接部分は、横方向に延びる断面円形の部材を含んでなる請求項2に記載の運搬車。
【請求項4】
平面形状が略V字形のベースフレームの下面に前輪と後輪とを備える運搬車であって、運搬車同士を前後に並べて前側の運搬車の前記ベースフレームの内側に後側の運搬車の前記ベースフレームを挿入することが可能な運搬車において、
前記ベースフレームに備えられ、前記ベースフレーム同士の挿入過程で前側のベースフレームと後側のベースフレームとの間で互いに摺接して後側のベースフレームを前上がりの傾斜姿勢になるようにガイドする摺接ガイド部と、
前記ベースフレームの上面に重ねられて荷物を載置可能な水平姿勢になると共に後端部を中心に上方に回動する台盤と、
前記台盤の下面に形成された下面凹部とを備え、
前記摺接ガイド部は、前記台盤が前記水平姿勢で前記下面凹部に収容される位置に配置されている運搬車。
【請求項5】
平面形状が略V字形のベースフレームの下面に前輪と後輪とを備える運搬車であって、運搬車同士を前後に並べて前側の運搬車の前記ベースフレームの内側に後側の運搬車の前記ベースフレームを挿入することが可能な運搬車において、
前記ベースフレームに備えられ、前記ベースフレーム同士の挿入過程で前側のベースフレームと後側のベースフレームとの間で互いに摺接して後側のベースフレームを前上がりの傾斜姿勢になるようにガイドする摺接ガイド部と、
平面形状が略四角形をなし、前記ベースフレームの上面に重ねられて荷物を載置可能な水平姿勢になると共に後端部を中心に上方に回動
して前記ベースフレームから起立した起立姿勢になる台盤と、
前記ベースフレームの後部から起立し、前記台盤上の荷物と共にストレッチフィルムにてラップされる後端起立部と、
前記台盤の前部から前方又は側方に突出し、前記ストレッチフィルムが係止されるフィルム係止突部と、を備える運搬車。
【請求項6】
平面形状が略V字形のベースフレームの下面に前輪と後輪とを備える運搬車であって、運搬車同士を前後に並べて前側の運搬車の前記ベースフレームの内側に後側の運搬車の前記ベースフレームを挿入することが可能な運搬車において、
前記ベースフレームに備えられ、前記ベースフレーム同士の挿入過程で前側のベースフレームと後側のベースフレームとの間で互いに摺接して後側のベースフレームを前上がりの傾斜姿勢になるようにガイドする摺接ガイド部と、
前記ベースフレームの上面に重ねられて荷物を載置可能な水平姿勢になると共に後端部を中心に上方に回動して前記ベースフレームから起立した起立姿勢になる台盤と、
前記台盤に設けられ、前記台盤が前記水平姿勢では前記ベースフレーム内への他のベースフレームの進入を規制し、前記台盤が前記起立姿勢では前記ベースフレーム内への他のベースフレームの進入を許容する進入規制部と、を備える運搬車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、荷物を搬送するための運搬車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の運搬車として、平面形状が略V字形のベースフレームの下面に車輪を備え、運搬車同士を前後に並べて前側の運搬車のベースフレームの内側に後側の運搬車のベースフレームを挿入することが可能なものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録公報第2540530号公報(
図2,7)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の運搬車は、複数台重ねた状態では、進行方向を変更するための旋回操作が困難であり、その改善が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためになされた第1の発明の態様は、平面形状が略V字形のベースフレームの下面に前輪と後輪とを備える運搬車であって、運搬車同士を前後に並べて前側の運搬車の前記ベースフレームの内側に後側の運搬車の前記ベースフレームを挿入することが可能な運搬車において、前記ベースフレームには、前記ベースフレーム同士の挿入過程で前側のベースフレームと後側のベースフレームとの間で互いに摺接して後側のベースフレームを前上がりの傾斜姿勢になるようにガイドする摺接ガイド部が備えられている運搬車である。
【0006】
第2の発明の態様は、前記摺接ガイド部の全体が、前記ベースフレームの下面より上方に配置されている第1の発明の態様に記載の運搬車である。
【0007】
第3の発明の態様は、前記摺接ガイド部は、前記ベースフレームの上面に配置されて前後に並ぶ前側摺接ガイド部と後側摺接ガイド部とからなり、前記後側摺接ガイド部は、前記ベースフレームから後方に延びかつ略水平な上面を有する水平部と、前記水平部の上面の後端から屈曲して後下がりに傾斜する上面を有する傾斜部とを備えてなり、前記前側摺接ガイド部は、前記ベースフレームから起立する門形構造をなしている第2の発明の態様に記載の運搬車である。
【0008】
第4の発明の態様は、前記後側摺接ガイド部のうち前記前側摺接ガイド部との摺接部分は、前後方向に延びる断面円形の部材を含んでなり、前記前側摺接ガイド部のうち前記後側摺接ガイド部との摺接部分は、横方向に延びる断面円形の部材を含んでなる第3の発明の態様に記載の運搬車である。
【0009】
第5の発明の態様は、前記ベースフレームの上面に重ねられて荷物を載置可能な水平姿勢になると共に後端部を中心に上方に回動する台盤と、前記台盤の下面に形成された下面凹部とを備え、前記摺接ガイド部は、前記台盤が前記水平姿勢で前記下面凹部に収容される位置に配置されている第1から第4の何れか1の発明の態様に記載の運搬車である。
【0010】
第6の発明の態様は、平面形状が略四角形をなし、前記ベースフレームの上面に重ねられて荷物を載置可能な水平姿勢になると共に後端部を中心に上方に回動して前記ベースフレームから起立した起立姿勢になる台盤と、前記ベースフレームの後部から起立し、前記台盤上の荷物と共にストレッチフィルムにてラップされる後端起立部と、前記台盤の前部から前方又は側方に突出し、前記ストレッチフィルムが係止されるフィルム係止突部と、を備える第1から第5の何れか1の発明の態様に記載の運搬車である。
【0011】
第7の発明の態様は、前記ベースフレームの上面に重ねられて荷物を載置可能な水平姿勢になると共に後端部を中心に上方に回動して前記ベースフレームから起立した起立姿勢になる台盤と、前記台盤に設けられ、前記台盤が前記水平姿勢では前記ベースフレーム内への他のベースフレームの進入を規制し、前記台盤が前記起立姿勢では前記ベースフレーム内への他のベースフレームの進入を許容する進入規制部と、を備える第1から第6の何れか1の発明の態様に記載の運搬車である。
【発明の効果】
【0012】
第1の発明の態様の運搬車同士が前後に並べられて前側の運搬車のベースフレームの内側に後側の運搬車のベースフレームが挿入されると、前側のベースフレームと後側のベースフレームの摺接ガイド部同士が摺接して後側のベースフレームが前上がりの傾斜姿勢になる。これにより、重なった運搬車群のうち先頭の運搬車以外の全ての運搬車の前輪が浮いて地面・床面との接触が減り、運搬車群の旋回操作が従来より容易になる。
【0013】
第2の発明の態様の運搬車は、摺接ガイド部の全体が、ベースフレームの下面より上方に配置されているので、フォークリフトで運搬車を搬送するために、フォークリフトのフォークをベースフレームの下方に進入させるときに、摺接ガイド部がフォークと当接して破損するような事態の発生を防ぐことができる。
【0014】
第3の発明の態様の運搬車では、摺接ガイド部は、ベースフレームの上面に配置されて前後に並ぶ前側摺接ガイド部と後側摺接ガイド部とからなる。また、後側摺接ガイド部は、略水平な上面を有する水平部と、水平部の上面の後端から屈曲して後下がりに傾斜する上面を有する傾斜部とを有し、前側摺接ガイド部は門形構造をなしている。これにより、運搬車を前後に並べて重ねると、後側の運搬車の前側摺接ガイド部の上辺部が、前側の運搬車の後側摺接ガイド部における傾斜部に摺接して水平部まで乗り上がる。これにより、後側の運搬車の傾斜姿勢が安定する。
【0015】
第4の発明の態様の運搬車では、後側摺接ガイド部のうち前側摺接ガイド部との摺接部分は、前後方向に延びる断面円形の部材を含んでなり、前側摺接ガイド部のうち後側摺接ガイド部との摺接部分は、横方向に延びる断面円形の部材を含んでなるので、後側摺接ガイド部と前側摺接ガイド部との接触が点接触となり摺接抵抗が抑えられる。
【0016】
第5の発明の態様の運搬車では、ベースフレームの上面に重ねられて後端部を中心に回動する台盤の下面に摺接ガイド部を収容する下面凹部が形成されているので、不使用時の摺接ガイド部が邪魔にならずかつ保護される。
【0017】
第6の発明の態様の運搬車では、台盤上の荷物と共に、ベースフレームの後部から起立する後端起立部をストレッチフィルムにてラップして、荷物を固定することができる。その際、台盤の前部から前方又は側方に突出するフィルム係止突部にストレッチフィルムを係止することで台盤上で荷物が安定する。
【0018】
第7の発明の態様の運搬車では、ベースフレーム上で台盤が水平姿勢になっているときには、その台盤の進入規制部によってベースフレーム内に他のベースフレームが進入することが規制されるので、荷物を載置した運搬車の台盤が、他の運搬車のベースフレームによって押し上げられて傾くような不具合が防がれる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図6】台盤が起立姿勢の運搬車を下方から見た斜視図
【
図10】前後の台車の摺接ガイド部同士が当接した状態の側断面図
【
図11】前後の台車の摺接ガイド部同士が係合した状態の側断面図
【発明を実施するための形態】
【0020】
[第1実施形態]
以下、
図1~
図12を参照して、本開示に係る運搬車10の一実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態の運搬車10は、ベースフレーム11の上面に台盤40を重ねて備える。台盤40は、例えば樹脂の射出成形品であって、平面形状が前後方向に長い四角形をなしている。なお、運搬車10は、何れの方向を前側にして使用してもよく、形状が四角形のものに限定されないが、以下、説明の便宜上、台盤40の平面形状である四角形の長手方向を単に「前後方向」、後述する後端起立部30が配置された側を「後側」、その反対側を「前側」、前後方向と直交する水平方向を「横方向」ということとする。
【0021】
台盤40の外縁部全体からは包囲壁45が垂下されている。また、
図3に示すように、包囲壁45に包囲された台盤40の下面全体には、格子状の下面リブ46が張り巡らされ、それら下面リブ46と一体に複数の円筒壁40Eが形成されている。さらに、各円筒壁40E内には、台盤40の上面より下方となる位置にリブが備えられ、
図2に示すように、台盤40の上面には、各円筒壁40Eの上端部の内側に連通する連通孔が形成されている。そして、円柱状のエラストマーが円筒壁40Eの上端部の内側に嵌合されて複数の滑止部40Gが形成されている。また、
図3に示すように、台盤40の前端部の円筒壁40Eの下端部にも円柱状のエラストマーが嵌合されて滑止部40Gが形成されている。
【0022】
図4に示すように、台盤40の後部には、1対のヒンジ金具41が横方向に間隔を開けて取り付けられている。各ヒンジ金具41は、L字形に曲げられた帯形板金の縦辺部41Bの上端に
図2に示したヒンジピン41Cを備えてなる。そして、
図4に示すように、ヒンジ金具41のうちL字の横辺部41Aが前後方向に延びた状態にされて台盤40の後部下面に重ねて螺子止めされている。また、
図2に示すように、ヒンジ金具41の縦辺部41Bは、台盤40より後面に沿わされかつ台盤40の上方位置まで延び、ヒンジピン41Cは、縦辺部41Bの上端部から横方向に延びている。そして、台盤40は、後述する後端起立部30の支持突部38にヒンジピン41Cを支持されて回動する。
【0023】
図2に示すように、台盤40の後面には、1対のヒンジ金具41に挟まれた部分を後側に突出させて後面突部40T(特許請求の範囲の「進入規制部」に相当する)が形成されている。なお、本実施形態では、ヒンジ金具41の縦辺部41Bの後面が後面突部40Tの後面より後方か又は面一に位置しているが、縦辺部41Bを別の運搬車10の衝突から保護するために、後面突部40Tを縦辺部41Bより後方突出させてもよい。
【0024】
台盤40の両側面の後端寄り位置には、後側に向かうに従って台盤40の横方向の中央に接近するように傾斜する1対の傾斜部40Sが形成され、台盤40の後端部は、全体に比べて僅かに幅狭になっている。また、台盤40の両側面のうち傾斜部40Sの前側隣となる位置には、フィルム係止孔44が形成されている。フィルム係止孔44は、包囲壁45を貫通する丸孔部44Aから前方にスリット44Bが延びた形状をなしている。また、スリット44Bの幅は、丸孔部44Aの直径の1/10~1/4程度で、丸孔部44Aから離れるに従って幅が狭くなっている。
【0025】
台盤40の1対の前側角部は丸みを帯び、それら前側角部の側面には、複数のフィルム係止突部43が備えられている。詳細には、台盤40の両側面は、台盤40の前端寄り位置から前方に向かうに従って横方向の中央に緩やかに接近しかつ丸みを帯びて、台盤40の前面に連続している。そして、複数のフィルム係止突部43は突条構造をなし、台盤40の側面の前端寄り位置から台盤40の前面の両横端部に亘って延びている。
【0026】
台盤40の前端部における横方向の中央の両側には、1対の凹部42Aが形成され、それらの間が前端係合部42Bになっている。そして、後述する後端起立部36が前端係合部42Bに係合して台盤40が起立状態に保持される(
図3参照)。
【0027】
ベースフレーム11は、例えば、鋼材を溶接してなり、
図5に示すように、平面形状がV字形になって、前側に向かうに従って幅狭になっている。具体的には、ベースフレーム11の前端部13には、平面形状が横長の台形状の前側支持プレート13Dが備えられている。そして、V字の両辺に相当する1対のサイドバー12の前端部が、前側支持プレート13Dの両側辺の上面縁部に重ねて溶接され、前側支持プレート13Dから後方に離れるに従って互いに離れるように延びている。また、1対のサイドバー12は、断面が縦長の四角形の角鋼で構成され、それらサイドバー12の前端は、前側支持プレート13Dの両辺における中間部分に配置されている。そして、1対のサイドバー12の前端部の間には、サイドバー12と同じ角鋼で構成されたフロントバー13Bが差し渡されかつ前側支持プレート13Dの上面に重ねて溶接されている。また、前側支持プレート13Dから僅かに後方に離れた位置にも、サイドバー12と同じ角鋼で構成されたフロントバー13Aが差し渡されて溶接されている。さらに、サイドバー12から前方に離れた前側支持プレート13Dの前縁部にも、サイドバー12と同じ角鋼で構成されたフロントバー13Cが前側支持プレート13Dの上面に重ねて溶接されている。なお、フロントバー13Cの全長は、前述した1対のヒンジ金具41の縦辺部41B同士の間隔より短くなっている。また、最も後側のフロントバー13Aの後面からは、1対の緩衝突部11Gが突出している。それら緩衝突部11Gは、一端有底の円筒状のエラストマー又はゴム部材をフロントバー13Cにボルトにて固定してなる。
【0028】
一方、1対のサイドバー12の後端部の下面には、それぞれ後側支持プレート14が重ねて溶接されている。1対の後側支持プレート14は、前側支持プレート13Dと同じ厚さで前後方向に長い長方形の板材の前側両角部と後側の内側角部とを切除してなる。また、各サイドバー12の後端は、後側支持プレート14の前後方向及び横方向の中間位置に配置されている。また、1対の後側支持プレート14同士の間隔は、前側支持プレート13Dの横幅より広くなっている。
【0029】
図6に示すように、1対の後側支持プレート14の下面には、1対の後輪用キャスタ55が取り付けられ前側支持プレート13Dの下面には、1対の前輪用キャスタ51が取り付けられている。後輪用キャスタ55は、後輪56を回転可能に支持する車輪支持体57の上端部が、四角形の天板58に旋回可能に連結された構造をなしている。また、後輪56の回転軸は、車輪支持体57の旋回軸と交差しないようにずれている。そして、天板58の四隅の取付孔に図示しないボルトが下方から通されて後側支持プレート14に形成された螺子孔に締め付けられている。
【0030】
一方、前輪用キャスタ51は、前輪52を回転可能に支持する車輪支持体53が天板54に旋回不能に固定された構造をなしている。そして、前輪52が前後方向に回転する状態にされて、天板54の四隅の取付孔に図示しないボルトが下方から通されて前側支持プレート13Dに形成された螺子孔に締め付けられている。
【0031】
図3に示すように、1対の後側支持プレート14の上面には、1対のコーナー突壁15が溶接されている。
図5に示すように、1対のコーナー突壁15は、平面形状がL字形をなし、1対の後側支持プレート14のうち互いに離れた外側の側縁部から後縁部の外側の端部に亘る範囲から起立している。また、コーナー突壁15のうち後側支持プレート14の後縁部に配置されている部分の前面には補強板16が重ねて溶接されている。
【0032】
図1に示すように、ベースフレーム11の後端部からは、後端起立部30が起立している。後端起立部30は、上下方向に延びる1対の外柱31の上端寄り位置の間と下端寄り位置の間とに1対の梁34が差し渡され、それら1対の梁34同士の間に、上下方向に延びる1対の中柱32が差し渡された構造をなしている。なお、これら外柱31、中柱32、梁34は、全て同じ断面四角形の角鋼で構成されている。
【0033】
1対の中柱32は、1対の外柱31の間を三等分する位置に配置され、それら1対の中柱32の上端寄り位置の間には、補強板37が差し渡されている。また、1対の外柱31のうち下側の梁34より僅かに上方となる位置と、上側の梁34より僅かに下方となる位置とには、緩衝突部30Gが備えられている。それら緩衝突部30Gは、一端有底の円筒状のエラストマー又はゴム部材を外柱31にボルトにて固定してなる。
【0034】
1対の外柱31の下端部は、1対の後側支持プレート14の上面に突き当てられかつ
図5に示すようにコーナー突壁15の内側面と補強板16の前面とに重ねて溶接されている。また、
図6に示すように、補強板16は三角形のヘッド部16Hを上端部に備え、そのヘッド部16Hが下側の梁34と外柱31との間を連絡する三角リブを構成している。また、ヘッド部16Hは、サイドバー12の上面より上方に位置している。
【0035】
下側の梁34の下面には、1対の支持突部38が備えられている。支持突部38は、角筒体の1対の対向壁に支持孔38Aを形成してなり、前述した台盤40の1対のヒンジピン41Cが支持孔38Aに通されて回転可能に支持されている。そして、台盤40は、
図2に示すように、ベースフレーム11上で水平になった水平姿勢と、
図3に示すように、後端起立部30の前面に重ねられた起立姿勢とに変更されるように回動する。詳細には、台盤40は、後端起立部30にもたれるように後端起立部30側に僅かに傾斜した位置まで回動する。また、支持突部38の下端は、補強板16のうちヘッド部16Hの下端より上方に位置し、運搬車10を後方から見ると、支持突部38の一部がヘッド部16Hと重なるように配置されている。さらには、
図5に示すように、補強板16のうちヘッド部16Hより下側部分は、1対のサイドバー12の互いの対向面を後方に延長した架空の面Kより側方に位置している。
【0036】
図1に示すように、後端起立部30における上下方向の中間位置には、台盤40を起立姿勢に保持するための台盤係合リング36が取り付けられている。台盤係合リング36は、四角形の枠体の1つの横辺が両側方に突出するように延長された構造をなし、その横辺が回転軸部35として1対の中柱32に差し渡されて回転可能に支持されている。また、台盤係合リング36は、通常は、自重により回転軸部35からそれ以外の部分が垂下された状態になっている。そして、
図3に示すように、台盤40が起立姿勢されると、台盤40の前端係合部42Bの基端部に回転軸部35が後方から対向する。この状態で、台盤係合リング36を後方に3/4周程度回転すると、台盤係合リング36の内側に台盤40の前端係合部42Bが受容されて台盤40が起立姿勢に保持される。そして、
図9に示すように、台盤40を起立姿勢にした運搬車10同士が前後方向で重ねられると、前側の運搬車10のベースフレーム11内に、後側の運搬車10のベースフレーム11が挿入される。
【0037】
図1に示すように、台盤40を水平姿勢すると、台盤40の前面が、ベースフレーム11のフロントバー13Cの前面よりも僅かに突出し、台盤40の下面が1対のサイドバー12及びフロントバー13A,13B,13Cの当面に当接する。また、
図3に示すように、台盤40の下面リブ46には、1対のサイドバー12と平行に延びる1対の当接リブ46Vが含まれると共に1対の当接リブ46Vの途中に前記した滑止部40Gが配置され、それら当接リブ46V及び滑止部40Gが1対のサイドバー12の上面に当接する。
【0038】
なお、前後に並ぶ1対の運搬車10のうち後側の運搬車10の台盤40が水平姿勢である場合には、前側の運搬車10の台盤40が起立姿勢であっても、後側の運搬車10の台盤40が、前側の運搬車10の台盤40の補強板16に当接するので、前側の運搬車10のベースフレーム11内に、後側の運搬車10のベースフレーム11が挿入されることはない。また、前側の運搬車10の台盤40が水平姿勢である場合には、後側の運搬車10の台盤40が起立姿勢であっても、後側の運搬車10の次述する前側摺接ガイド部17が、前側の運搬車10の台盤40(における後面突部40T)に当接して、前側の運搬車10のベースフレーム11内に、後側の運搬車10のベースフレーム11が挿入されない。さらに、前後の運搬車10の台盤40が共に水平姿勢である場合には、後側の運搬車10の台盤40が、前側の運搬車10の後面突部40Tか補強板16に当接して、前側の運搬車10のベースフレーム11内に、後側の運搬車10のベースフレーム11が挿入されない。
【0039】
図7に示すように、ベースフレーム11の前端部13の上面における横方向の中央には、前側摺接ガイド部17と後側摺接ガイド部19とが前後に並べて備えられている。
【0040】
前側摺接ガイド部17は、断面円形の金属製の線材を門形に折り曲げてなり、横方向に延びる横辺部17Bと、その両端から垂下した1対の縦片部17Aとを備える。また、ベースフレーム11のフロントバー13Cには、1対の縦片部17Aに対応した1対の貫通孔13Kが上下方向に貫通している。そして、例えば、1対の縦片部17Aが前側支持プレート13Dの上面とフロントバー13Cの上面とに溶接されて、前側摺接ガイド部17がフロントバー13Cから起立する門形の突部になっている。
【0041】
また、前側摺接ガイド部17の後方には、前後方向に延びるチャンネル鋼がフロントバー13A,13B間に差し渡されて台座部18が形成されている。そして、後側摺接ガイド部19が台座部18の上面に溶接されている。後側摺接ガイド部19は、断面円形の金属製の線材をU字形に折り曲げて、そのU字の1対の対向辺におけるU字の底辺寄り位置を略15°~30°程度折り曲げた構造をなしている。また、後側摺接ガイド部19の横幅は、前側摺接ガイド部17の内側に挿入可能な大きさをなしている。そして、後側摺接ガイド部19は、U字の底辺から離れた側を台座部18の上面に重ねられて溶接され、台座部18から水平後方に延びる水平部19Aと、水平部19Aから後側下方へと屈曲する傾斜部19Bとを備える。また、
図8に示すように、水平部19Aは、緩衝突部11Gより後方となる位置まで延び、水平部19Aを構成する断面円形の線材の最上部は、前側摺接ガイド部17の横辺部17Bを構成する断面円形の線材の最下部より僅かに上方に位置している。さらに、前側摺接ガイド部17の横辺部17Bに下方から接する架空の水平面は、傾斜部19Bのうち前側摺接ガイド部17とは反対側を向いた部分における上下方向の中間に位置している。これらにより、
図9に示すように、台盤40を起立姿勢にした運搬車10同士が前後方向で重ねられると、後の詳説するように、前側の運搬車10の後側摺接ガイド部19に後側の運搬車10の前側摺接ガイド部17の横辺部17Bが乗り上がり、後側の運搬車10の前輪52が床面から浮いた状態になる。
【0042】
図8に示すように、台盤40には、水平姿勢になった状態で前側摺接ガイド部17を収容する下面凹部49Aと、後側摺接ガイド部19を収容する下面凹部49Bとが備えられている。
図3に示すように、本実施形態では、台盤40のうち下面リブ46で仕切られた升目のうち前端係合部42Bの先端部の升目内が下面凹部49Aをなし、下面リブ46を一部を切除することで下面凹部49Aより後側の複数の升目を連通させて下面凹部49Bが形成されている。
【0043】
本実施形態の運搬車10の構成に関する説明は以上である。次に、この運搬車10の作用効果について説明する。運搬車10は、例えば、荷物を搭載した状態で搬送される。また、搬送時の荷崩れ防止のために、本実施形態の運搬車10では、荷物を図示しないストレッチフィルムで後端起立部30に巻き付けて固定することができる。具体的には、運搬車10の台盤40の上に、例えば複数の荷物が積み上げられる。そして、例えば、図示しないストレッチフィルムの先端部を捻り紐状としてから結び目を形成し、その結び目をフィルム係止孔44の丸孔部44Aに押し込みスリット44Bに係止する。そして、ストレッチフィルムが、荷物と後端起立部30とを纏めるように下側から横巻きにされ、最上位置の荷物まで巻き付けられる。また、ストレッチフィルムの上端部は、ストレッチフィルム同士の自己粘着性又は図示しないテープによって剥がれないように固定される。これらにより、ストレッチフィルムにより荷物が後端起立部30と台盤40とに固定される。この状態で、重なり遭ったストレッチフィルム同士は、ストレッチフィルムの途中部分は緩衝突部30Gに食い込むことで、後端起立部30に対するストレッチフィルムのズレが防がれる。さらには、ストレッチフィルムは台盤40の前端角部に押し付けられ、そこにはフィルム係止突部43が形成されているので、ストレッチフィルムが台盤40から捲れ上がるような不具合も防がれる。また、台盤40は、平面形状が前後方向に長い長方形(平面形状が略四角形)をなしており、ベースフレーム11は、平面形状が略V字形をなしているので、スリット44Bに係止したストレッチフィルムを台盤40の下面にかけつつ前端角部に押し付けるようにすることができ、このことによってもストレッチフィルムが台盤40から捲れ上がるような不具合が防がれる。これらにより、荷物が運搬車10に強固に固定されて搬送中の荷崩れが防がれる。
【0044】
また、運搬車10を移動する際に、フォークリフトが使用されることがある。これに対し、本実施形態の運搬車10では、前側摺接ガイド部17及び後側摺接ガイド部19の全体が、ベースフレーム11の下面より上方に配置されているので、フォークリフトのフォークをベースフレーム11の下方に進入させるときに、前側摺接ガイド部17及び後側摺接ガイド部19がフォークと当接して破損するような事態が防がれる。
【0045】
運搬車10は、走行中に障害物や他の運搬車10に当接することが想定されるが、本実施形態の運搬車10は、台盤40が当接によって水平姿勢から押し上げられる構造ではないので、台盤40上の荷物の安定が保たれる。また、運搬車10同士を重ね合わす際に使用される前側摺接ガイド部17及び後側摺接ガイド部19は、台盤40の下面凹部49A,49Bに収容されているので、それらが他の運搬車10や障害物に引っ掛かるような事態も防がれる。
【0046】
運搬車10からストレッチフィルムを外され台盤40上から荷物が降ろされたら、台盤40が起立姿勢にされて台盤係合リング36にて保持される。そして、
図9に示すように、複数の運搬車10が前後に重ねた状態にされて保管場所まで走行される。
【0047】
以下、前後方向で重ねられる複数の運搬車10を区別する場合には、前側の運搬車10から順番に符号の末尾にX,Y,Zを付して区別すると共に、それら運搬車10X,10Y,10Zの前側摺接ガイド部17及び後側摺接ガイド部19に対しても同様に符号の末尾にX,Y,Zを付して区別し、運搬車10同士の合体について詳説する。
【0048】
図10に示すように、運搬車10X,10Y同士を前後方向で重ねて、前側の運搬車10Xにおけるベースフレーム11の内側に後側の10Yのベースフレーム11を挿入していくと、前側の運搬車10Xの後側摺接ガイド部19Xの後端部が、後側の運搬車10Yの前側摺接ガイド部17Yの内側に突入する。そして、前側摺接ガイド部17Yの横辺部17Bが、後側摺接ガイド部19Xの傾斜部19Bに摺接して乗り上がり、
図11に示すように傾斜部19Bから水平部19Aへと乗り上がる。これにより、後側の運搬車10Yのベースフレーム11が前上がりの傾斜姿勢になり前輪52が床面Fから浮いた状態になる。
【0049】
ここで、後側摺接ガイド部19X及び前側摺接ガイド部17Yは、ともに断面円形の線材で構成されているので後側摺接ガイド部19Xと前側摺接ガイド部17Yとの接触は点接触になり、しかも、後側摺接ガイド部19Xを構成する線材は、前側摺接ガイド部17Yとの摺接移動方向に延びているので、後側摺接ガイド部19Xと前側摺接ガイド部17Yとの摺接抵抗が抑えられる。さらには、後側摺接ガイド部19Xと前側摺接ガイド部17Yとは、運搬車10の横方向の2点で点接触するので、後側の運搬車10Yの横方向の傾きも抑えられる。これらにより、前側摺接ガイド部17Yの横辺部17Bが、容易かつスムーズに後側摺接ガイド部19Xの水平部19Aに乗り上る。
【0050】
そして、後側の運搬車10Yのベースフレーム11の前面が、前側の運搬車10Xの緩衝突部11Gに当接するか、後側の運搬車10Yの台座部18Yの前面が、前側の運搬車10Xの後側摺接ガイド部19Xの後端に当接するかにより、前後の運搬車10X,10Yが互いに位置決めされる。このようにして運搬車10X,10Y同士が合体した状態になる。
【0051】
合体した運搬車10X,10Yに対して後方から更に別の運搬車10Zが後方から追加して重ねられると、先に合体した運搬車10X,10Yと同様に、
図12に示すように追加される運搬車10Zの前側摺接ガイド部17Zにおける横辺部17Bが、その前側の運搬車10Yの後側摺接ガイド部19Yに乗り上がって前輪52が床面Fが浮き、運搬車10X,10Y,10Zが合体した状態になる。このようにして任意の複数の運搬車10を合体させることができる。そして、合体した運搬車10群は、先頭の運搬車10を除く全ての運搬車10の前輪52が床面Fから浮いて地面・床面との接触が減るので、合体した運搬車10群の旋回操作が従来より容易になる。しかも、本実施形態の運搬車10では、後輪56が旋回可能になっているので、合体した運搬車10群の旋回操作が一層容易になる。
【0052】
[他の実施形態]
(1)前記実施形態の運搬車10は、台盤40を備えていたが、例えば、所謂、空港カートや買物カートのように台盤40の代わりに籠をベースフレームの上方に固定して備えた運搬車や、台盤も籠も備えない運搬車に、上述した前側摺接ガイド部及び後側摺接ガイド部や、それらに代わる摺接ガイド部を備えてもよい。また、運搬車10は、地面・床面に固定された一般にはカート置き場と呼ばれる運搬車収容庫を利用し複数台重ねてもよい。具体的には、運搬車10を前側から運搬車収容庫に収容させ、当該運搬車10のベースフレーム11の内側に後側から他の運搬車10のベースフレーム11を挿入させて重ねることもできる。
【0053】
(2)本実施形態の運搬車10では、後輪56のみが旋回可能で前輪52は旋回不能であったが、後輪と前輪とが共に旋回可能であってもよいし、共に旋回不能であってもよい。また、前輪と後輪との少なくとも一方が、レバー操作によって旋回可能な状態と旋回不能な状態とに切り替え可能であってもよい。さらには、運搬車の前輪と後輪の数は各2個に限定されず、例えば、前輪と後輪の一方を1個、他方を2個とした組み合わせや、それ以外の個数の組み合わせに適宜変更されてもよい。
【0054】
(3)前記実施形態のベースフレーム11は、所謂、二次元的にV字形になっていたが、ベースフレームは上方から見た平面形状がV字形であればよく、二次元的にV字形になっていなくてもよい。具体的には、前記実施形態のベースフレーム11の1対のサイドバー12と、それらの間を連絡するフロントバー13A,13B,13Cとは同一平面内に位置していたが、例えば、フロントバーが上下何れかの方向に門形に屈曲していたり、1対のサイドバーが上下方向で傾斜していたり、湾曲していてもよい。
【0055】
(4)前記実施形態の運搬車10は、ベースフレーム11の上面に前側摺接ガイド部17と後側摺接ガイド部19とを備えていたが、ベースフレーム11の一部が、前側摺接ガイド部及び後側摺接ガイド部の一方又は両方に兼用されていてもよい。具体的には、1対のサイドバーの前端部の間を連絡する複数のフロントバーのうち前側のフロントバーが上方に門形に屈曲して前側摺接ガイド部に兼用され、後側のフロントバーの一部が後方に湾曲して後側摺接ガイド部に兼用されていてもよい。
【0056】
(5)前記実施形態の前側摺接ガイド部17及び後側摺接ガイド部19は、運搬車10の横方向の中心に配置されていたが、前側摺接ガイド部及び後側摺接ガイド部が運搬車の横方向を中心部を挟んだ両側に配置されていてもよい。
【0057】
(6)また、前記実施形態の後側摺接ガイド部19は水平部19Aと傾斜部19Bとを備えていたが、傾斜部19Bのみであってもよいし、水平部19Aの代わりに、傾斜部19Bとは逆に前側に向かって下るように傾斜する前側傾斜部を備えてもよい。また、水平部19A又は傾斜部19Bの途中に、前側摺接ガイド部17の横辺部17Bが係合する横溝を備えてもよい。
【0058】
(7)前記実施形態の運搬車10の後端起立部30に備えた緩衝突部30Gを、後側支持プレート14及びコーナー突壁15より後側に突出させるか、後側支持プレート14及びコーナー突壁15の後面に緩衝突部を設けるかしてもよい。そうすれば、運搬車10の後側(緩衝突部30G)を壁などに当接させて当該運搬車の移動が抑制された状態で、前側から他の運搬車を重ねることができる。
【符号の説明】
【0059】
10,10X,10Y,10Z 運搬車
11 ベースフレーム
13 前端部
17,17X,17Y,17Z 前側摺接ガイド部
17B 横辺部
18 台座部
19,19X,19Y,19Z 後側摺接ガイド部
19A 水平部
19B 傾斜部
30 後端起立部
40 台盤
40T 後面突部(進入規制部)
43 フィルム係止突部
49A,49B 下面凹部
52 前輪
56 後輪