(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】立坑構築機の把持機構および立坑構築機
(51)【国際特許分類】
E21B 3/04 20060101AFI20240326BHJP
E21B 7/20 20060101ALI20240326BHJP
E02D 13/02 20060101ALI20240326BHJP
E02D 7/20 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
E21B3/04
E21B7/20
E02D13/02
E02D7/20
(21)【出願番号】P 2020129090
(22)【出願日】2020-07-30
【審査請求日】2023-03-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000141956
【氏名又は名称】株式会社コプロス
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【氏名又は名称】南瀬 透
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100182567
【氏名又は名称】遠坂 啓太
(72)【発明者】
【氏名】宮▲崎▼ 隆司
【審査官】五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-052417(JP,A)
【文献】実開平01-065925(JP,U)
【文献】特開2001-220979(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21B 1/00-49/10
E02D 13/02
E02D 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれの両端部を各々接続して環状の歯車付ベアリングを構成する複数に分割された円弧状ベアリング片と、
それぞれの両端部を各々接続して環状のベアリング取付座を構成する複数に分割された円弧状ベアリング取付座片であり、前記歯車付ベアリングが固定される円弧状ベアリング取付座片と、
円筒状部材を把持するバンド部材であり、前記ベアリング取付座に固定されるバンド部材とを備え、
前記バンド部材は、前記ベアリング取付座に固定される固定バンドおよび前記固定バンドに回動可能に取り付けられる可動バンドを含み、
分割された前記円弧状ベアリング取付座片は、分割された前記円弧状ベアリング片よりも分割数が多く、
前記複数に分割された円弧状ベアリング取付座片のうちの少なくとも一つの円弧状ベアリング取付座片は、前記複数に分割された円弧状ベアリング片同士の接続面のうちの少なくとも一つの接続面を跨いで固定される立坑構築機の把持機構。
【請求項2】
組立可能に分割された分割昇降フレームで構成された昇降フレームに回動可能に支持され、前記円筒状部材の外周部に着脱される請求項
1に記載の立坑構築機の把持機構と、
前記昇降フレームと昇降装置で連結され、前記昇降フレームを昇降させるベースフレームと、
を備えた立坑構築機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立坑工事で用いられる円筒状部材を把持する立坑構築機の把持機構および立坑構築機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、鋼管などの円筒状部材を回転させ、所定位置に圧入する立坑構築機が使用されている。立坑の施工を行うには、立坑構築機をトラックなどの運搬手段により保管場所から施工場所まで運搬することが必要である。しかし、運搬に一般道路を利用する場合、道路交通法の規定により、運搬物の幅を一定基準以下に収めなければならない。
【0003】
そこで、立坑構築機を分割して運搬時には寸法を小さくし、運搬先の施工場所で組み立てて使用するなどの対応が求められる。例えば、特許文献1には、ベースフレームに昇降且つ回動可能に支持され、円筒状部材の外周部に着脱される把持機構と、この把持機構を駆動する回転駆動装置とを備えた立坑構築機において、ベースフレームは組立可能に二分割された分割フレームを備え、把持機構は、それぞれの両端部を各々接続して環状の歯車付ベアリングを構成する二分割された円弧状ベアリング片を備えていることを特徴とする立坑構築機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
立坑構築機が使用される立坑工事においては、1つのトラブルが重大事故に繋がる可能性が高いため、使用される機器の安全性が強く求められる。そのため、安全性を十分に確保すべく、分割後に運搬先の施工場所で組み立てて使用される立坑構築機も、組み立て後の十分な強度が求められる。よって、本発明は、安全な立坑工事を行うため、組み立てて使用する際も分割部分の強度がより十分に保たれる立坑構築機の把持機構および立坑構築機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の立坑構築機の把持機構は、それぞれの両端部を各々接続して環状の歯車付ベアリングを構成する複数に分割された円弧状ベアリング片と、それぞれの両端部を各々接続して環状のベアリング取付座を構成する複数に分割された円弧状ベアリング取付座片であり、歯車付ベアリングが固定される円弧状ベアリング取付座片と、円筒状部材を把持するバンド部材であり、ベアリング取付座に固定されるバンド部材とを備え、複数に分割された円弧状ベアリング取付座片のうちの少なくとも一つの円弧状ベアリング取付座片は、複数に分割された円弧状ベアリング片同士の接続面のうちの少なくとも一つの接続面を跨いで固定される。これにより、複数に分割された円弧状ベアリング片同士の接続面のうち少なくとも一つの接続面を跨いで円弧状ベアリング取付座片が固定されることとなり、当該接続面の強度が向上する。
【0007】
また、把持機構のバンド部材は、ベアリング取付座に溶接固定される固定バンドおよび固定バンドに回動可能に取り付けられる可動バンドを含むことが望ましい。これにより、複数に分割された円弧状ベアリング取付座片に固定バンドが溶接固定され、円弧状ベアリング取付座片同士の接続面の強度が向上する。
【0008】
また、把持機構は、組立可能に分割された分割昇降フレームで構成された昇降フレームに回動可能に支持され、円筒状部材の外周部に着脱されるものであり、昇降フレームと昇降装置で連結され、昇降フレームを昇降させるベースフレームを備えた立坑構築機を構成することが望ましい。これにより、分割部分の強度が十分に保たれた把持機構を用いた立坑構築機により、立坑工事を行うことができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の立坑構築機の把持機構および立坑構築機によれば、従来より大きな立坑構築機であっても一般道路で運搬が可能な程度に分割でき、かつ、組み立てて使用する際も分割部分の強度を十分に保つことができるため、安全な立坑工事を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施の形態に係る立坑構築機を側面から見た構成を示す概略構成図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係る立坑構築機を上方から見た構成を示す概略構成図である。
【
図3】分割されたベースフレーム示す説明図である。
【
図5】本発明の実施の形態に係る把持機構の構成を示す概略構成図である。
【
図6】回転駆動装置周辺の把持機構、昇降フレームおよびベースフレームの断面図である。
【
図7】(A)は本発明の実施の形態に係る組み立て前の歯車付ベアリング、(B)は本発明の実施の形態に係る組み立て後の歯車付ベアリングを示す説明図である。
【
図8】三分割したベアリング取付座を示す説明図である。
【
図9】(A)は本発明の実施の形態に係る組み立て前のベアリング取付座およびバンド部材、(B)は本発明の実施の形態に係る組み立て後のベアリング取付座およびバンド部材を示す説明図である。
【
図10】別の実施の形態に係る歯車付ベアリングおよびベアリング取付座を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を変更しない限り、以下の内容に限定されない。なお、本明細書において「~」という表現を用いる場合、その前後の数値を含む表現として用いる。
【0012】
[立坑構築機]
図1は、本発明の実施の形態に係る立坑構築機を側面から見た構成を示す概略構成図である。
図2は、本発明の実施の形態に係る立坑構築機を上方から見た構成を示す概略構成図である。立坑構築機1は、把持機構10と、ベースフレーム20と、昇降フレーム21を備える。
【0013】
ベースフレーム20とは、地面に配置され、昇降フレーム21を昇降させるフレームである。昇降フレーム21とは、把持機構10を備えるフレームである。ベースフレーム20と昇降フレーム21は、組立可能に複数に分割される。
図3は、ベースフレーム20を分割ベースフレーム201~203に三分割したものである。一方、
図4は、昇降フレーム21を分割昇降フレーム211~213に三分割したものである。ベースフレーム20と昇降フレーム21は、昇降装置23で連結される。
【0014】
ベースフレーム20は、昇降フレーム21を昇降させる昇降シリンダーなどの昇降装置23と、施工時に立坑構築機1を地面に水平に設置するためのアウトリガー24を備える。なお、
図2~4において、昇降装置23およびアウトリガー24自身の構造は省略し、円形で記載する。
また、昇降フレーム21はさらに、把持機構10を回転可能に駆動する油圧モータなどの回転駆動装置22(
図5参照)を備える。なお、
図1に示す昇降フレーム21Uは、昇降装置23により昇降フレーム21が高さD分上昇した状態である。
【0015】
立坑構築機1の把持機構10は鋼管などの円筒状部材30の外周部に着脱され、立坑構築機1の使用時は円筒状部材30を把持する。立坑構築機1は、昇降フレーム21を上昇させて把持機構10で円筒状部材30を把持し、回転駆動装置22により円筒状部材30を回転させながら下降させて圧入を行う。上昇させた高さ分下降させると、立坑構築機1は、把持機構10の円筒状部材30の把持を解除し、再び昇降フレーム21を上昇させて把持機構10で円筒状部材30を把持する。そして、立坑構築機1は再び回転駆動装置22により円筒状部材30を回転させながら下降させて圧入を行う。このような作業を繰り返すことで、立坑構築機1は円筒状部材30を地中に圧入する。
【0016】
また、ベースフレーム20には掘削機40を連結することも可能である。掘削機40は、クレーンなどの吊下手段41を備える。掘削機40を連結することにより、円筒状部材30の回転による反力を掘削機40で受けることができ、より安全に立坑工事を行うことができる。さらに、掘削機40に設けたクレーンなどの吊下手段41でバケット42を吊り下げて、円筒状部材30内部の土砂の排出を行うことができる。
【0017】
[把持機構]
図5は、本発明の実施の形態に係る把持機構の構成を示す概略構成図である。把持機構10は、内輪がボルトにより固定される環状の歯車付ベアリング11と、歯車付ベアリング11と固定バンド131を連結するため外輪にボルトで固定されるベアリング取付座12と、ベアリング取付座12に固定バンド131が溶接にて固定されるバンド部材13を備える。
把持機構10の内輪11Bは、具体的には
図6に示すように昇降フレーム21にボルトにより固定される。
【0018】
円弧状ベアリング片111~113(
図7参照)を備えた分割昇降フレーム211~213は、道路交通法の規則内の大きさに複数に分割して運搬される(
図4参照)。そして、運搬先の施工場所で組み立てて使用される(
図2参照)。歯車付ベアリング11は、回転駆動装置22に当接して回転する外側のベアリングである外輪11Aと、昇降フレーム21に固定され回転しない内側のベアリングである内輪11Bを含む。
【0019】
バンド部材13は、円筒状部材30の外周部に把持固定され、円筒状部材30を把持する。バンド部材13は、組み立てられる複数の固定バンド131および可動バンド132を有する。固定バンド131同士は、ボルトBにより結合される。
【0020】
可動バンド132は、固定バンド131にピンFにより回動可能に取り付けられる。一方、可動バンド132同士は、バンド開閉シリンダS1およびピンS2で連結される(
図8参照)。
【0021】
固定バンド131と可動バンド132は、結合して環状のバンド部材13となる。固定バンド131は、バンド部材13に対して最大で140°を占める。バンド部材13は円筒状部材30を把持する際、可動バンド132を広げ、固定バンド131と可動バンド132の間に円筒状部材30を挿入する必要がある。そのため、可動バンド132が円筒状部材30を挿入可能な隙間まで広がるためには、固定バンド131は140°以下である必要がある。
【0022】
[実施例]
本発明の実施の形態を、
図7~9を参照して説明する。本実施の形態において、運搬時の寸法を道路交通法に規定される基準以下に収めるべく、昇降フレーム21および当該昇降フレーム21に備えられる歯車付ベアリング11は三分割される。
【0023】
図7(A)に示す円弧状ベアリング片111~113のように、歯車付ベアリング11は、約120°ずつ略均等に三分割される。円弧状ベアリング片111~113は、それぞれの両端部を各々接続して環状の歯車付ベアリング11を構成する(
図7(B)参照)。ここで、円弧状ベアリング片同士が接続された位置を、歯車付ベアリング11の分割位置P111~P113とする。
【0024】
また、円弧状ベアリング片111は、外輪片111Aと内輪片111Bからなる。同様に、円弧状ベアリング片112は外輪片112Aと内輪片112Bからなり、円弧状ベアリング片113は外輪片113Aと内輪片113Bからなる。外輪111A~113Aと内輪111B~113Bのそれぞれの両端部は、コッターCにより位置決めおよび固定される。
【0025】
[歯車付ベアリングとベアリング取付座の分割位置が重なる場合]
ここで、
図8に示すように、ベアリング取付座12も略均等に120°ずつ円弧状ベアリング取付座片121~123に三分割される場合、円弧状ベアリング取付座片同士が接続する位置は、ベアリング取付座の分割位置P121~123の3箇所となる。また、最大140°の固定バンド部材131は、120°の固定バンド1311と、10°の固定バンド1312,1313と、110°の可動バンド1321,1322で構成される。
【0026】
円弧状ベアリング取付座片121には、固定バンド1311が全面にわたって溶接固定される。また、円弧状ベアリング取付座片122,123の端部には、固定バンド1312,1313がそれぞれ溶接固定される。
【0027】
固定バンド1311と固定バンド1312、および固定バンド1311と固定バンド1313は、ボルトBにより結合される。可動バンド1321,1322の一端は、それぞれ固定バンド1312,1313にピンFで回動可能に取り付けられる。また、可動バンド1321と可動バンド1322は、バンド開閉シリンダS1およびシリンダ取り付けピンS2で連結される。
【0028】
この場合、円弧状ベアリング取付座片122,123の端部には、固定バンド1312,1313がそれぞれ溶接固定され、固定バンド1312,1313はボルトBにより固定バンド1311に結合されるが、上述したように固定バンド1312,1313は10°しかない。つまり、120°の円弧状ベアリング取付座片122に対して10°の固定バンド1312が固定されるため、固定される部分は10°÷120°=0.083と約8%程度しかない。
【0029】
さらに、ベアリング取付座12にボルトにより歯車付ベアリング11が取り付けられると、ベアリング取付座の分割位置P123と同じ位置に、歯車付ベアリング11の分割位置P113(
図7(B)参照)が重なることとなる。分割位置が重なるため、歯車付ベアリングの分割位置P113およびベアリング取付座の分割位置P123が重なった部分の強度は低くなる。
【0030】
そのため、立坑構築機1の利用時に当該部分へ回転駆動装置22など外部からの力が加わると、破損したり、不安定な動作となる恐れがある。
【0031】
[歯車付ベアリングとベアリング取付座の分割位置が重ならない場合]
よって、
図9(A)に示すように、ベアリング取付座12は、円弧状ベアリング取付座片121~124に四分割される。本実施の形態において、円弧状ベアリング取付座片121は120°、円弧状ベアリング取付座片122,123は114°、円弧状ベアリング取付座片124は12°に四分割される。
【0032】
ベアリング取付座が三分割される場合と同様に、バンド部材13は、120°の固定バンド1311と、10°の固定バンド1312,1313と、110°の可動バンド1321,1322で構成される。
【0033】
固定バンド1311と固定バンド1312、および固定バンド1311と固定バンド1313は、ボルトBにより結合される。可動バンド1321,1322の一端は、それぞれ固定バンド1312,1313にピンFで回動可能に取り付けられる。また、可動バンド1321と可動バンド1322は、バンド開閉シリンダS1およびシリンダ取り付けピンS2で連結される。なお、ベアリング取付座片122とベアリング取付座片124、およびベアリング取付座片123とベアリング取付座片124は、コッターCにより結合される。
【0034】
そうすると、
図9(B)に示すようにベアリング取付座の分割位置は分割位置P121~124の4箇所となる。そして、ベアリング取付座12にボルトにより歯車付ベアリング11が取り付けられると、歯車付ベアリング11の分割位置P113(
図7(B)参照)は、ベアリング取付座の分割位置P123,P124の間に位置することとなる。このように、歯車付ベアリング11の分割位置P113とベアリング取付座12の分割位置P123,P124は重ならないため、円弧状ベアリング取付座片122に固定バンド1312が固定される部分が約8%程度しかなくても、十分な強度を保つことができる。
【0035】
[運搬時]
把持機構10、昇降フレーム21、およびベースフレーム20は、下記に示す(a)~(c)の状態にメーカーの工場で組み立てられ、(a)~(c)の状態で現場に運搬、組立、分解される。
【0036】
(1)立坑構築機1の工場製作時に、(a)~(c)をそれぞれ組み立てる。
(a)分割ベースフレーム201と分割昇降フレーム211を昇降装置23で連結し、分割昇降フレーム211と、円弧状ベアリング片111と、円弧状ベアリング取付座片121と、固定バンド1311を組み立てる。
(b)分割ベースフレーム202と分割昇降フレーム212を昇降装置23で連結し、円弧状ベアリング片112と、円弧状ベアリング取付座片122と、固定バンド1312と、可動バンド1321を組み立てる。
(c)分割ベースフレーム203と分割昇降フレーム213を昇降装置23で連結し、円弧状ベアリング片113と、円弧状ベアリング取付座片123と、固定バンド1313と、可動バンド1322を組み立てる。
【0037】
(2)(a)~(c)をそれぞれ運搬する。
【0038】
(3)運搬後、運搬先の施工場所で(a)~(c)を組み立てる。
分割ベースフレーム201~203同士、分割昇降フレーム211~213同士を、それぞれボルト(図示せず)で接続する。そして、固定バンド1311と固定バンド1312、および固定バンド1311と固定バンド1313をボルトBで接続する。また、可動バンド1321と可動バンド1322は、バンド開閉シリンダS1とピンS2で接続する。なお、円弧状ベアリング取付座片124は、それぞれ円弧状ベアリング取付座片122,123とコッターCで結合する。
【0039】
なお、作業が終わり撤退する時は、組み立てとは逆の手順で把持機構10、昇降フレーム21およびベースフレーム20を(a)~(c)にそれぞれ分解して運搬する。
【0040】
以上のように説明した本発明の実施の形態は一例であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、一般道路で運搬が可能な程度に、
図10に示すように歯車付ベアリング11を二分割(円弧状ベアリング片911~912、歯車付ベアリングの分割位置P911~P912)でベアリング取付座12を三分割(円弧状ベアリング取付座片921~923、ベアリング取付座の分割位置P921~P923)としてもよい。または、歯車付きベアリング11を四分割以上でベアリング取付座12を五分割以上としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、立坑工事で利用される把持機および立坑構築機として有用であり、特に、従来より大きな立坑構築機も一般道路で運搬が可能な程度に分割でき、かつ、組み立てて使用する際も分割部分の強度を保つことができるため、運搬、施工上有用である。
【符号の説明】
【0042】
1 立坑構築機
10 把持機構
11 歯車付ベアリング
111~113,911~912 円弧状ベアリング片
11A 外輪
11B 内輪
111A~113A 外輪片
111B~113B 内輪片
12 ベアリング取付座
121~124,921~923 円弧状ベアリング取付座片
13 バンド部材
131,1311~1313 固定バンド
132,1321~1322 可動バンド
20 ベースフレーム
201~203 分割ベースフレーム
21 昇降フレーム
21U 上昇した状態の昇降フレーム
211~213 分割昇降フレーム
22 回転駆動装置
23 昇降装置
24 アウトリガー
30 円筒状部材
40 掘削機
41 吊下手段
42 バケット
B ボルト
C コッター
D 高さ
F ピン
S1 バンド開閉シリンダ
S2 シリンダ取り付けピン
P111~P113,P911~P912 歯車付ベアリングの分割位置
P121~P124,P921~P923 ベアリング取付座の分割位置