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  • 特許-腰用マット 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】腰用マット
(51)【国際特許分類】
   A47C 27/14 20060101AFI20240326BHJP
   A47C 27/15 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
A47C27/14 D
A47C27/15 B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020148064
(22)【出願日】2020-09-03
(65)【公開番号】P2022042608
(43)【公開日】2022-03-15
【審査請求日】2023-05-25
(73)【特許権者】
【識別番号】520339323
【氏名又は名称】大浦 利彦
(74)【代理人】
【識別番号】100177921
【弁理士】
【氏名又は名称】坂岡 範穗
(72)【発明者】
【氏名】大浦 利彦
【審査官】黒田 正法
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0152168(US,A1)
【文献】特表平4-501373(JP,A)
【文献】特開2018-110828(JP,A)
【文献】登録実用新案第3012934(JP,U)
【文献】登録実用新案第3109153(JP,U)
【文献】特開2014-223288(JP,A)
【文献】特開2007-151642(JP,A)
【文献】登録実用新案第3141345(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 27/14
A47C 27/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡合成樹脂で構成され、人の背中から腰の下に敷かれる背板部と、
発泡合成樹脂で構成され、前記背板部の裏面の横方向の端部に凸状に配置される縦桟部と、
発泡合成樹脂で構成され、前記背板部の裏面かつ縦方向の中間部分に凸状に配置され、前記縦桟部同士を連結するように渡される横桟部と、
を備えることを特徴とする腰用マット。
【請求項2】
前記縦桟部の底面にさらに凸状の副縦桟部が設けられ、
前記横桟部の底面にさらに凸状の副横桟部が設けられている請求項1に記載の腰用マット。
【請求項3】
前記背板部の裏面と前記縦桟部との角及び前記背板部の裏面と前記横桟部との角がラウンド処理又は隅肉を設けた状態とされている請求項1又は2に記載の腰用マット。
【請求項4】
前記発泡合成樹脂が、発泡スチロールである請求項1ないし3のいずれか1項に記載の腰用マット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人の背中から腰の下に敷かれる腰用マットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、寝返り時に無理のない寝姿勢をとれる背中腰用パッドを作成し、枕との関連使用により肩凝りや腰痛の緩和、軽減を図ることを目的として、特開2003-61786号公報(特許文献1)に、ウレタン板の上面に隆起部分を設けた背中腰用のパッドが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-61786号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示された背中腰用のパッドでは、ウレタン板の上面に隆起部分が設けられており、人の背中や腰に当該隆起部分が直接当接される。このため、人体への刺激が強くなりすぎて、却って腰や背中を痛めたりする原因となるおそれがあった。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、凸状となる部分を背板部の裏側に配置することで、背板部を滑らかな曲線として人体に優しく作用させることができる腰用マットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の腰用マットは、
発泡合成樹脂で構成され、人の背中から腰の下に敷かれる背板部と、
発泡合成樹脂で構成され、前記背板部の裏面の横方向の端部に凸状に配置される縦桟部と、
発泡合成樹脂で構成され、前記背板部の裏面かつ縦方向の中間部分に凸状に配置され、前記縦桟部同士を連結するように渡される横桟部と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明の腰用マットによれば、背板部が発泡合成樹脂で構成されるため、可撓性を有する。また、背板部の裏面に凸状に縦桟部と横桟部が配置される。これらにより、腰用マットを人の背中から腰にかけて敷いたとき、背板部が滑らかな曲線を描いて曲がる。これにより、人の背中や腰に部分的に強く当接されることがない。
【0008】
本発明の腰用マットの好ましい例は、
前記縦桟部の底面にさらに凸状の副縦桟部が設けられ、
前記横桟部の底面にさらに凸状の副横桟部が設けられている。
【0009】
本発明の腰用マットの好ましい例によれば、副縦桟部と副横桟部が設けられているため、敷布団やマットレス等の上に腰用マットを載置させ、さらに人が腰用マットの上に寝たときに、先ずは副縦桟部と副横桟部とが敷布団に沈み込み、次に縦桟部と横桟部とが敷布団の表面に当接される。これにより、腰用マットと人との当たり具合をさらに和らげることができる。
【0010】
本発明の腰用マットの好ましい例は、
前記背板部の裏面と前記縦桟部との角及び前記背板部の裏面と前記横桟部との角がラウンド処理又は隅肉を設けた状態とされている。
【0011】
本発明の腰用マットの好ましい例によれば、背板部の裏面と縦桟部及び横桟部との角が、ラウンド処理又は隅肉を設けた状態とされているため、背板部が縦桟部や横桟部との境で急に曲がることがない。これにより、背板部の上に人が寝たときに、背板部の曲線がより滑らかになる。
【0012】
本発明の腰用マットの好ましい例は、
前記発泡合成樹脂が、発泡スチロールである。
【0013】
本発明の腰用マットの好ましい例によれば、腰用マットが発泡スチロールで構成されているため、材料の入手が容易であるとともに、適度な可撓性を有する。
【発明の効果】
【0014】
上述したように、本発明の腰用マットによれば、凸状となる部分を背板部の裏側に配置することで、背板部を滑らかな曲線として人体に優しく作用させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係る腰用マットの斜視図である。
図2図1の腰用マットを裏返した状態を示す斜視図である。
図3図1のA-A線断面図である。
図4】腰用マットの使用状態を説明する図である。
図5】背板部が撓んだ状態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の腰用マット1の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1から図3に示すように、本実施形態の腰用マット1は、背板部10と、縦桟部20と、横桟部22とを備える。なお、図3(A)は図1のA-A線断面図、図3(B)は背板部と横桟部との角に隅肉を設けた形態を説明する図である。
【0017】
背板部10は、人の背中から腰の下に敷かれるもので、発泡合成樹脂で構成される。この発泡合成樹脂としては、発泡ポリエチレン、発泡スチロール等の可撓性を有するものが用いられる。本実施形態では、発泡スチロールを採用している(縦桟部20、横桟部22も同様。)。
【0018】
縦桟部20は、背板部10の裏面12の横方向の左右両端部に、縦方向に添って凸状に配置されるもので、発泡合成樹脂で構成される。また、縦桟部20の底面にはさらに凸状の副縦桟部21が設けられている。
【0019】
横桟部22は、背板部10の裏面12かつ縦方向の中間部分に凸状に配置され、縦桟部20同士を連結するように渡されるもので、発泡合成樹脂で構成される。また、横桟部22の底面にもさらに凸状の副横桟部23が設けられている。なお、副縦桟部21と副横桟部23は、縦桟部20と横桟部22の長さ全てに渡って設ける必要はなく、一部であってもよい。本実施形態では、副縦桟部21は縦桟部20の長さのうち、横桟部22がある位置を除いて設けられている。また、副横桟部23も横桟部22の中央部を除いて設けられている。
【0020】
さらに、図3(A)に示すように、背板部10の裏面12と縦桟部20との角、及び背板部10の裏面12と横桟部22との角が、断面を丸くしたラウンド処理30されている。また、図3(B)に示すように、ラウンド処理30の代わりに、隅肉31を設けた状態とすることもできる。
【0021】
ここで、腰用マット1の寸法であるが、例えば縦方向では30~50cm、横方向では40~60cm、高さ方向では背板部10のみで1~3cm、縦桟部20と横桟部22さらには副縦桟部21と副横桟部23を含んだ全体で4~7cmが好ましい。また、縦桟部20と横桟部22の幅は2~3cmが好ましく、副縦桟部21と副横桟部23の高さと幅は0.5~1.5cm程度が好ましい。
【0022】
次に、図4及び図5を参照して、本実施形態の腰用マット1の使用方法を説明する。図4は腰用マット1の上に人が寝た状態を説明する図、図5(A)は図3(A)に示す状態から背板部10が撓んだ状態を説明する図、図5(B)は背板部10が撓んだ状態を図1の矢印Bから見た図である。
【0023】
先ず、腰用マット1を、背板部10の表面11(図1参照)を上にして敷布団40やマットレス等の上に置く。このとき、縦桟部20の長手方向が人の頭から足に向けての方向を向くようにする。次に、横桟部22が、人の背骨のS字カーブのうち腰椎あたりの窪んでいるあたりに当接されるようにして、人が腰用マット1の上に寝る。
【0024】
すると、先ずは副縦桟部21と副横桟部23とが敷布団40に沈み込み、次に大きな荷重がかかる場所で縦桟部20と横桟部22が敷布団40に沈み込む。そして、背板部10のうち裏面12に縦桟部20と横桟部22がない場所が撓んで、図5(A)に示すように縦方向の断面図で見たときに背板部10なだらかな山形をなす。
【0025】
また、図5(B)に示すように背板部10において、縦方向の端部の中央近傍が下方向に撓んで、緩やかな凹状をなす。これにより、該凹状部分に人の背中から腰が嵌まって、背中と腰とを横方向からサポートすることができる。
【0026】
また、上記の様に人が背板部10の上に寝たとき、背板部10の裏面12と縦桟部20との角及び背板部10の裏面12と横桟部22との角がラウンド処理30又は隅肉31を設けた状態とされているため、背板部10が緩やかな曲線を描くように撓む。また、縦桟部20と横桟部22も発泡合成樹脂で構成されることから体重を受けて多少は撓む。このとき、副縦桟部21と副横桟部23がそれぞれ中央近傍に設けられていないため、縦桟部20と横桟部22とが中央近傍で僅かながら曲がりやすくなる。これらにより、人が腰用マット1の上に寝たときに、背板部10の曲線がより滑らかになるとともに、背板部10が人に対して適度な反発力を有する。
【0027】
以上、説明したように、本実施形態の腰用マット1によれば、可撓性を有する背板部10、縦桟部20、及び横桟部22を備えることにより、人が腰用マット1の上に寝たときに、背板部10がなだらかな曲線となる。これにより、背板部10が人の背骨のS字カーブに沿った曲線となり、腰痛の改善や防止に効果がある。
【0028】
また、副縦桟部21と副横桟部23が設けられることで、人が腰用マットの上に寝たときに、副縦桟部21と副横桟部23とが先に敷布団40に沈み込むため、腰用マット1を背中から腰にかけて当てている違和感を軽減させることができる。
【0029】
また、背板部10の縦方向の端部において、背板部が凹状に撓み横方向の端部が高くなるため、人の背中と腰を横方向からサポートすることができ、さらに人が寝ているうちに腰用マット1がずれてしまうことを防止できる。また、腰用マット1は敷布団40等の上に置くだけで済むため、人によって快適な腰用マット1の位置を微調整することができる。
【0030】
なお、上述した本実施形態の腰用マットは、発明の例示であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲においてその構成を適宜変更することができる。例えば、腰用マット全体を布地や薄手の軟質プラスチックで覆ってもよい。
【符号の説明】
【0031】
1・・腰用マット、
10・・背板部、11・・表面、12・・裏面、
20・・縦桟部、21・・副縦桟部、22・・横桟部、23・・副横桟部、
30・・ラウンド処理、31・・隅肉、
40・・敷布団、
図1
図2
図3
図4
図5