(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】電池モジュール
(51)【国際特許分類】
H01M 50/20 20210101AFI20240326BHJP
H01M 50/50 20210101ALI20240326BHJP
【FI】
H01M50/20
H01M50/50
(21)【出願番号】P 2020563417
(86)(22)【出願日】2019-12-04
(86)【国際出願番号】 KR2019017025
(87)【国際公開番号】W WO2020116937
(87)【国際公開日】2020-06-11
【審査請求日】2020-11-09
【審判番号】
【審判請求日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】10-2018-0156149
(32)【優先日】2018-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジンウ・パク
(72)【発明者】
【氏名】テ・グン・キム
【合議体】
【審判長】篠原 功一
【審判官】井上 信一
【審判官】渡辺 努
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2018-0078777(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの電池セルを含むセル組立体、
前記セル組立体の一面をカバーし、少なくとも一つの角部にヒンジピンを有する上部プレート、および
前記セル組立体の前記一面に隣接する他面をカバーし、前記ヒンジピンと結合するヒンジ結合部を含んで前記上部プレートと結合されるバスバーフレームを含み、
前記ヒンジ結合部は、前記ヒンジピンが安着されるヒンジピン安着部と、前記ヒンジピン安着部と結合され
たヒンジピンカバー部であって、前記ヒンジピン安着部と共に前記ヒンジピン安着部に安着された前記ヒンジピンを覆うヒンジピンカバー部
とを含み、
前記ヒンジピンおよび前記ヒンジ結合部のうちのいずれか一方は結合突起部を含み、残りの他方は前記結合突起部に対応する結合溝部を
含み、
前記ヒンジピンカバー部は、前記ヒンジピンを完全に覆い、
前記ヒンジピン安着部と前記ヒンジピンカバー部は、スナップフィット(snap fit)構造により結合される、電池モジュール。
【請求項2】
前記結合溝部は、メイン結合溝部、および前記メイン結合溝部と離隔した予備結合溝部を含む、請求項
1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記ヒンジピンは、前記結合突起部を含み、前記ヒンジ結合部は、前記メイン結合溝部および前記予備結合溝部を含む、請求項
2に記載の電池モジュール。
【請求項4】
前記ヒンジ結合部は、断面形状が円形であり、前記メイン結合溝部と前記予備結合溝部の離隔距離は、前記円形の円弧の1/4以下である、請求項
3に記載の電池モジュール。
【請求項5】
前記ヒンジ結合部により前記バスバーフレームは前記上部プレートに回動可能に結合される、請求項
2乃至
4のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項6】
前記結合突起部と前記メイン結合溝部の結合により前記バスバーフレームの回動が制限される、請求項
5に記載の電池モジュール。
【請求項7】
前記結合突起部と前記メイン結合溝部が結合された状態で前記バスバーフレームは前記上部プレートと垂直に結合される、請求項
5または
6に記載の電池モジュール。
【請求項8】
前記結合突起部と前記予備結合溝部が結合された予備結合状態で前記セル組立体が前記上部プレートの下部に安着し、前記バスバーフレームが回動して前記バスバーフレームが前記セル組立体の一面を覆うように組み立てられる、請求項
5乃至
7のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項9】
前記上部プレートの上面に形成された軟性印刷回路基板(FPCB)をさらに含み、
前記軟性印刷回路基板は、前記ヒンジ結合部に隣接して前記上部プレートの一面から前記ヒンジ結合部に隣接する一辺を超えて前記バスバーフレームの一面まで延在して形成される、請求項1乃至
8のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項10】
前記ヒンジ結合部は、前記結合突起部を含み、前記ヒンジピンは、前記メイン結合溝部および前記予備結合溝部を含む、請求項
2乃至
8のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項11】
前記ヒンジピンは、断面形状が円形であり、前記メイン結合溝部と前記予備結合溝部の離隔距離は、前記円形の円弧の1/4以下である、請求項
10に記載の電池モジュール。
【請求項12】
少なくとも一つの請求項1乃至
11のいずれか一項に記載の電池モジュール;および
前記少なくとも一つの電池モジュールをパッケージングするパックケース
を含む電池パック。
【請求項13】
少なくとも一つの
請求項12に記載の電池パックを含むデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願(ら)との相互引用)
本出願は、2018年12月6日付韓国特許出願第10-2018-0156149号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として組み含まれる。
【0002】
本発明は、電池モジュールに関し、より具体的にバスバーが装着されたバスバーフレームおよびこれと結合された上部プレートを含む電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0003】
二次電池は、製品群による適用容易性が高く、高いエネルギー密度などの電気的特性を有しているため、携帯用機器だけでなく、電気的駆動源により駆動する電気自動車またはハイブリッド自動車、電力貯蔵装置などに普遍的に応用されている。このような二次電池は、化石燃料の使用を画期的に減少させることができるという一次的な長所だけでなく、エネルギーの使用による副産物が全く発生しないという点から、環境親和性およびエネルギー効率性の向上のための新しいエネルギー源として注目されている。
【0004】
前記電気自動車などに適用される電池パックは、高出力を得るために複数の単位セルを含む多数のセル組立体を直列に連結した構造を有している。そして、前記単位セルは、正極および負極集電体、セパレータ、活物質、電解液などを含んで構成要素間の電気化学的反応により反復的な充放電が可能である。
【0005】
一方、近年、エネルギー貯蔵源としての活用をはじめとして大容量構造に対する必要性が高まり、多数の二次電池が直列および/または並列に連結された多数の電池モジュールを集合させたマルチモジュール構造の電池パックに対する需要が増加している。
【0006】
複数個の電池セルを直列/並列に連結して電池パックを構成する場合、少なくとも一つの電池セルからなる電池モジュールを先に構成し、このような少なくとも一つの電池モジュールを利用してその他構成要素を追加して電池パックを構成する方法が一般的である。前記電池パックに含まれる電池モジュールの個数、または電池モジュールに含まれる電池セルの個数は、要求される出力電圧または充放電容量により多様に設定され得る。このように設定された電池モジュールは、相互積層される複数個の電池セルおよび前記複数個の電池セルの電極リードを電気的に連結するバスバー組立体を含んで構成される。
【0007】
従来のバスバー組立体は、バスバーとバスバーフレームが結合された構造を有し、この時、バスバーフレームは電池セルの上面を覆う上部プレートと組み立てられる構成を有する。しかし、バスバーフレームと上部プレートが組み立てられた部分が工程中またはモジュールの移動中に分離される場合が発生し、この場合、バスバーフレームと上部プレートにかけて形成された軟性印刷回路基板が破れるなどの問題が発生することがある。またバスバーフレームと上部プレートの組立工程時にバスバーフレームが必要以上に回動して内部のセル組立体に損傷を与えるなどの問題が発生し得るので、このような問題を防止できる構造の必要性が台頭している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、バスバーフレームと上部プレートの分離による機器の損傷を防止し、またバスバーフレームと上部プレートを容易に組み立てることができる電池モジュールを提供することにある。
【0009】
しかし、本発明の実施例が解決しようとする課題は、前述した課題に限定されず、本発明に含まれている技術的な思想の範囲で多様に拡張され得る。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施例による電池モジュールは、少なくとも一つの電池セルを含むセル組立体、前記セル組立体の一面をカバーし、少なくとも一つの角部にヒンジピンを有する上部プレート、および前記セル組立体の一面に隣接する他面をカバーし、前記ヒンジピンと結合するヒンジ結合部を含んで前記上部プレートと結合されるバスバーフレームを含み、前記ヒンジ結合部は、前記ヒンジピンが安着されるヒンジピン安着部および前記ヒンジピンを覆うヒンジピンカバー部を含み、前記ヒンジピンおよびヒンジ結合部のうちのいずれか一方は結合突起部を含み、残りの他方は前記結合突起部に対応する結合溝部を含むことができる。
【0011】
前記ヒンジピンカバー部は、前記ヒンジピンを完全に覆ってもよい。
【0012】
前記結合溝部は、メイン結合溝部、および前記メイン結合溝部と離隔した予備結合溝部を含むことができる。
【0013】
前記ヒンジピンは、前記結合突起部を含み、前記ヒンジ結合部は、前記メイン結合溝部および前記予備結合溝部を含むことができる。
【0014】
前記ヒンジ結合部は、断面形状が円形であり、前記メイン結合溝部と前記予備結合溝部の離隔距離は、前記円形の円弧の1/4以下であってもよい。
【0015】
前記ヒンジ結合部により前記バスバーフレームは前記上部プレートに回動可能に結合されてもよい。
【0016】
前記結合突起部と前記メイン結合溝部の結合により前記バスバーフレームの回動が制限されてもよい。
【0017】
前記結合突起部と前記メイン結合溝部が結合された状態で前記バスバーフレームは前記上部プレートと垂直に結合されてもよい。
【0018】
前記結合突起部と前記予備結合溝部が結合された予備結合状態で前記セル組立体が前記上部プレートの下部に安着し、前記バスバーフレームが回動して前記バスバーフレームが前記セル組立体の一面を覆うように組み立てられてもよい。
【0019】
前記ヒンジピン安着部と前記ヒンジピンカバー部は、スナップフィット(snap fit)構造により結合されてもよい。
【0020】
前記上部プレートの上面に形成された軟性印刷回路基板(FPCB)をさらに含み、前記軟性印刷回路基板は、前記ヒンジ結合部に隣接して前記上部プレートの一面から前記ヒンジ結合部に隣接する一辺を超えて前記バスバーフレームの一面まで延在して形成されてもよい。
【0021】
前記ヒンジ結合部は、前記結合突起部を含み、前記ヒンジピンは、前記メイン結合溝部および前記予備結合溝部を含むことができる。
【0022】
前記ヒンジピンは、断面形状が円形であり、前記メイン結合溝部と前記予備結合溝部の離隔距離は、前記円形の円弧の1/4以下であってもよい。
【0023】
本発明の他の一実施例による電池パックは、少なくとも一つの前述の電池モジュール、および前記少なくとも一つの電池モジュールをパッケージングするパックケースを含むことができる。
【0024】
本発明の他の一実施例によるデバイスは、少なくとも一つの前述の電池パックを含むことができる。
【発明の効果】
【0025】
実施例によれば、ヒンジピンを完全に覆う構造によりバスバーフレームと上部プレートが分離されて軟性印刷回路基板などが損傷することを防止することができ、またヒンジ結合部とヒンジピンに形成された結合突起部と結合溝部の結合によりバスバーフレームと上部プレートの精密な組み立てを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の一実施例による電池モジュールを示す斜視図である。
【
図3】
図1のIII-III’線を切断して見た断面図である。
【
図4】本発明の一実施例による電池モジュールの組み立て過程を示す図面である。
【
図5】本発明の一実施例による電池モジュールの組み立て過程を示す拡大図である。
【
図6】本発明の他の実施例による特徴部を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付した図面を参照して本発明の多様な実施例について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳細に説明する。本発明は、多様な異なる形態に実現することができ、ここで説明する実施例に限定されない。
【0028】
また、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」という時、これは特に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除外せず、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0029】
また、明細書全体において、「平面状」という時、これは対象部分を上方から見た時を意味し、「断面状」という時、これは対象部分を垂直に切断した断面を側方から見た時を意味する。
【0030】
図1は本発明の一実施例による電池モジュールを示す斜視図である。
【0031】
図1を参照すると、電池モジュール10は、セル組立体100、セル組立体100の上面を覆う上部プレート140、および上部プレート140と結合し、セル組立体100の少なくとも一側を覆うバスバーフレーム150を含む。そしてセル組立体100と上部プレート140がモジュールケース(図示せず)内に収容され、モジュールケースの開口をバスバーフレーム150がカバーするように構成され得る。
【0032】
セル組立体100は、複数個の電池セルから構成され、一例としてパウチ型二次電池で備えられ得る。複数個の電池セルがセル組立体100内に積層されて含まれ、これらは互いに電気的に連結され得る。電池セルのそれぞれは、電極組立体と、これを収容する電池ケース、および前記電池ケース外部に突出し、前記電極組立体と電気的に連結される電極リード105(
図4に図示)を含むことができる。前記電極組立体は、正極板、負極板およびセパレータを含んで構成され、公知の構造を有する電極組立体を採択することができるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0033】
バスバーフレーム150は、セル組立体100をカバーするように配置され、バスバーフレーム150にはバスバー130が固定されて形成され得る。バスバーフレーム150は、絶縁体からなってセル組立体100から引き出される電極リード105(
図4に図示)が通過できるリードスロットを含み、バスバー130は、セル組立体100の電極リード105(
図4に図示)を電気的に連結することができる。
【0034】
バスバーフレーム150にはその他に各種電装部品が付着され得る。一例としてICB(Internal Circuit Board)およびBMS(Battery Management System)などが備えられ得、前記ICBおよびBMSボードなどの電装部品は前記複数個の電池セルと電気的に連結され得る。
【0035】
上部プレート140は、セル組立体100の上部に位置し、その両側側面にバスバーフレーム150が回動可能に結合され得る。この時、バスバー130は、バスバーフレーム150に装着され、軟性印刷回路基板(Flexible Printed Circuit Boardd、FPCB)145は上部プレート140の長さ方向に沿って上端に配置され得る。
【0036】
軟性印刷回路基板145は、バスバー130と電気的に連結されるため、これによって電池セルの過電圧および過電流などのセンシングが可能であり、その一端にコネクタ160が連結されて電圧センシングおよび温度センシングと関連した信号を電池モジュール10外部に設けられた制御器に送受信することができる。
【0037】
図2は
図1のA部分を拡大して示す図面であり、
図3は
図2のIII-III’線を切断して見た断面図である。
【0038】
図1乃至
図3を参照すると、上部プレート140とバスバーフレーム150はA部分に示すようにヒンジ構造により結合され得る。
【0039】
具体的に、上部プレート140は、少なくとも一つの角部にヒンジピン141を含む。ヒンジピン141は、バスバーフレーム150のヒンジ結合部151と結合する構成であり、上部プレート140の角部から上部プレート140の上面と平行な方向に突出した一対のヒンジピン支持部142の間に位置する。ヒンジピン141とヒンジピン支持部142は、上部プレート140の一つの角部上に1個以上、好ましくは2個以上配置され得る。
【0040】
バスバーフレーム150は、前記ヒンジピン141と結合するヒンジ結合部151を含む。ヒンジ結合部151は、バスバーフレーム150の角部からバスバーフレーム150の一面と平行な方向に突出して形成され、ヒンジ結合部151とヒンジピン141が結合することによって上部プレート140とバスバーフレーム150が直角をなして結合され得る。
【0041】
ヒンジ結合部151は、ヒンジピン141が安着されるヒンジピン安着部152と、ヒンジピン141を覆うヒンジピンカバー部153を含むことができる。ヒンジピン安着部152は、バスバーフレーム150の角部上に形成され、ヒンジピン141を収容できるようにヒンジピン141の形態に対応する円筒形面を有する。ヒンジピンカバー部153は、ヒンジピン安着部152に置かれたヒンジピン141を完全に覆えるように形成され、ヒンジピン安着部152と接する部分で回動可能に形成され、反対側ではヒンジピン安着部152とスナップフィット(snap fit)構造により結合され得る。例えば、
図3に示すように、ヒンジピン安着部152の端部にはスナップフィット溝部152aが形成され、ヒンジピンカバー部153の端部にはスナップフィット突起部153aが形成されて、これらスナップフィット溝部152aとスナップフィット突起部153aが結合することによってヒンジピン141を完全に囲むように結合され得る。しかし、本構造はこれに限定されるのではなく、スナップフィット溝部と突起部の位置は必要に応じて変更可能である。図面に示されているように一側端部だけがスナップフィット構造で形成されてもよく、両側端部共にスナップフィット構造で形成されてもよい。またスナップフィット構造でなく、プラスチック溶接などの方法により結合されることも可能であり、ヒンジピン141を完全に囲む構成であれば特に限定されない。
【0042】
このように、ヒンジ結合部151がヒンジピン141を完全に囲む構成によって、バスバーフレーム150が上部プレート140から離脱することを防止することができる。つまり、従来の構造によれば、ヒンジピン141がヒンジ結合部の上部に露出しており、電池モジュールの移動や、後続工程時にヒンジピンがヒンジ結合部から離脱することが発生した。この場合、上部プレート140の上面からバスバーフレーム150にまで延在して形成された軟性印刷回路基板145が、ヒンジピンの離脱によるバスバーフレーム150と上部プレート140の分離により破れたり切られるなどの損傷が発生するようになる。しかし、本実施例の構造によれば、ヒンジ結合部151によりヒンジピン141が完全に囲まれる構成によりバスバーフレーム150と上部プレート140が分離されることを防止することができ、したがって、軟性印刷回路基板145の損傷も防止することができる。また、ヒンジピン141を完全に囲む構成を採用するに当たり、ヒンジ結合部151がヒンジピン141を覆う別途のヒンジピンカバー部153を有するように構成したため、組み立ての容易性も維持することができる。
【0043】
図4は本発明の一実施例による電池モジュールの組み立て状態を示す図面であり、
図5は本発明の一実施例による電池モジュールの組み立て過程を示す拡大図である。
【0044】
図3乃至
図5を参照すると、本実施例による電池モジュール10において、ヒンジピン141は結合突起部141aを含み、ヒンジピン安着部152およびヒンジピンカバー部153のうちのいずれか一つには結合突起部141aに対応する結合溝部151a、151bが形成され得る。また前記結合溝部151a、151bは、メイン結合溝部151a、および前記メイン結合溝部151aと離隔して位置する予備結合溝部151bを含むことができる。
【0045】
具体的に、ヒンジピン141の結合突起部141aとヒンジピン安着部152またはヒンジピンカバー部153に形成されたメイン結合溝部151a(本実施例ではヒンジピン安着部152に形成されたものと図示)は、上部プレート140とバスバーフレーム150が直角をなして組み立てられた状態で互いに結合するように形成される。結合突起部141aがメイン結合溝部151aに安着した状態ではバスバーフレーム150の回動が制限されるため、組み立ての安定性を維持することができ、上部プレート140とバスバーフレーム150の組立時に作業者の熟練度が低くても、正確な位置で回動が止まるようになって精密度のある組み立てが可能になる。特に、バスバーフレーム150が直角以上に回動する場合、内側のセル組立体100と干渉してセル組立体100の損傷を招くことがあるが、本実施例によれば、結合突起部141aがメイン結合溝部151aの結合によりバスバーフレーム150が直角以上に回動することを防止するようになり、セル組立体100の損傷を防止することができる。
【0046】
図4に示されているように、バスバーフレーム150は、ヒンジ結合部151とヒンジピン141が結合された状態で、ヒンジピン141を軸に回動可能に構成される。この時、
図5に示されているように、ヒンジピン141に形成された結合突起部141aが、ヒンジ結合部151に形成された予備結合溝部151bと結合するように安着させた後、ヒンジピンカバー部153でヒンジピン141を覆うようにスナップフィット突起部153aをスナップフィット溝部152aに結合させる。この時、ヒンジピン安着部152とヒンジピンカバー部153が接する部分は、
図5に示されているように、プラスチックの厚さを薄くして折りたたみ可能なように形成してもよく、またはまた他のヒンジ構造を導入したり、スナップフィット構造を導入して形成してもよい。
【0047】
これによって、上部プレート140とバスバーフレーム150により形成された空間内にセル組立体100が安着する前である予備組み立て状態でも、上部プレート140とバスバーフレーム150の結合が解除されることなく、安定的に部品の移動などの作業を行うことができる。
【0048】
次に、バスバーフレーム150が矢印方向に回動する。この過程で、予備結合溝部151bと結合突起部141aの結合が解除されるが、ヒンジ結合部151はプラスチック射出物などで形成されるため、回動過程での外力により強制的にヒンジ結合部151内部が若干開かれながら結合突起部141aが予備結合溝部151bから離脱して回動が可能になる(締まり嵌め形態)。回動により結合突起部141aがメイン結合溝部151aと合うようになれば、結合突起部141aがメイン結合溝部151a内に安着するようになる。これによって、バスバーフレーム150の回動が停止して、バスバーフレーム150と上部プレート140が直角をなして結合され得る。
【0049】
この時、前記予備結合溝部151bとメイン結合溝部151a間の距離は、バスバーフレーム150が最初上部プレート140に組み立てられた状態から上部プレート140と垂直に結合する最終状態に至るまで90度内の回転角度を有するように調節され得る。つまり、ヒンジ結合部151の断面形状が円形である時、前記メイン結合溝部151aと前記予備結合溝部151bの離隔距離は、前記円形の円弧の1/4以下であってもよい。この距離は組立時に作業空間のような作業環境などにより調節可能であり、その距離が小さくなるほどバスバーフレーム150の回動距離が小さくなり得る。
【0050】
このように本発明の一実施例によれば、ヒンジピンを完全に覆う構造によりバスバーフレームと上部プレートが分離されて軟性印刷回路基板などが損傷することを防止することができ、またヒンジ結合部とヒンジピンに形成された結合突起部と結合溝部の結合によりバスバーフレームと上部プレートの精密な組み立てを容易に行うことができる。
【0051】
同時に、セル組立体100が内蔵される以前である納品状態のバスバーフレーム150と上部プレート140の予備組み立て状態でも、バスバーフレーム150と上部プレート140間の結合が離脱したり結合角度が変形されて軟性印刷回路基板などの部品が損傷することを防止することができる。
【0052】
図6は本発明の他の実施例による特徴部を示す図面である。
【0053】
図6を参照すると、本発明の他の実施例による電池モジュールは、結合突起部151cがバスバーフレーム150のヒンジピンカバー部153に形成され、結合溝部141b、141cが上部プレート140のヒンジピン141に形成される点から、前述の 実施例とは差がある。
【0054】
つまり、
図6に示したように、ヒンジピン141に結合溝部141b、141cが形成されているため、前述の実施例での組み立て環境とは異なる組み立て環境での適用も可能である。
【0055】
この時、ヒンジピン141の結合溝部141b、141cもメイン結合溝部141bおよび予備結合溝部141cを含み、メイン結合溝部141bおよび予備結合溝部141c間の距離は、バスバーフレーム150が最初上部プレート140に組み立てられた状態から上部プレート140と垂直に結合する最終状態に至るまで90度内の回転角度を有するように調節され得る。つまり、ヒンジピン141の断面形状が円形である時、前記メイン結合溝部141bと前記予備結合溝部141cの離隔距離は、前記円形の円弧の1/4以下であってもよい。この距離は、組立時に作業空間のような作業環境などにより調節可能であり、その距離が小さくなるほどバスバーフレーム150の回動距離が小さくなり得る。
【0056】
このように、結合突起部151cおよび結合溝部141b、141cの位置は組み立て順序乃至方法により適切に選択され得、バスバーフレーム150と上部プレート140が直角に組み立てられる位置で結合突起部151cとメイン結合溝部141bが結合された状態であれば特に限定されない。
【0057】
一方、本発明の実施例による電池モジュールは、一つまたはそれ以上がパックケース内にパッケージングされて電池パックを形成することができる。
【0058】
前述した電池モジュールおよびこれを含む電池パックは、多様なデバイスに適用され得る。このようなデバイスには、電気自転車、電気自動車、ハイブリッド自動車などの運送手段に適用され得るが、本発明はこれに制限されず、電池モジュールおよびこれを含む電池パックを用いることができる多様なデバイスに適用可能であり、これも本発明の権利範囲に属する。
【0059】
以上で本発明の好適な実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の多様な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0060】
10:電池モジュール
100:セル組立体
105:電極リード
130:バスバー
140:上部プレート
141:ヒンジピン
142:ヒンジピン支持部
141a、151c:結合突起部
145:軟性印刷回路基板
150:バスバーフレーム
151:ヒンジ結合部
151a、141b:メイン結合溝部
151b、141c:予備結合溝部
152:ヒンジピン安着部
153:ヒンジピンカバー部
152a:スナップフィット溝部
153a:スナップフィット突起部
160:コネクタ