(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】シート体用カッター及びシート体切断装置
(51)【国際特許分類】
E01C 23/09 20060101AFI20240326BHJP
【FI】
E01C23/09 Z
(21)【出願番号】P 2021065137
(22)【出願日】2021-04-07
【審査請求日】2022-10-18
(31)【優先権主張番号】P 2020072074
(32)【優先日】2020-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和 2年 2月 7日乃至8日のJ-GREEN堺にての施工時と、令和 2年 3月30日のJ-FREE PARKにての施工時とにおいて使用
(73)【特許権者】
【識別番号】520097456
【氏名又は名称】三洋興業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100129702
【氏名又は名称】上村 喜永
(74)【代理人】
【識別番号】100206151
【氏名又は名称】中村 惇志
(74)【代理人】
【識別番号】100218187
【氏名又は名称】前田 治子
(72)【発明者】
【氏名】谷田 智之
【審査官】小倉 宏之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06279665(US,B1)
【文献】米国特許第04049060(US,A)
【文献】米国特許第05794708(US,A)
【文献】特開2014-050366(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0107623(US,A1)
【文献】特開平04-144601(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01C 23/09
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
重機の駆動力を利用して、設置面に設置されたシート体を切断するシート体用カッターであり、
前記設置面と前記シート体との間に挿し込まれる
薄板状の挿込板と、前記挿込板の上面から立ち上がった
一つの縦刃とを備えた刃部材と、
前記縦刃の刃先を前記
重機の進行方向に向けた状態で、前記刃部材を前記
重機の進行方向側に保持する保持機構とを具備し、
前記保持機構が、前記重機と前記刃部材との間に介在する保持アームを備えており、
前記保持アームは、前記進行方向側の先端部が前記縦刃の上部に固定されるものであって、その先端部が前記進行方向に向かって先細り状になっていることを特徴とするシート体用カッター。
【請求項2】
前記シート体が、人工芝であり、
前記縦刃の上部に固定された保持機構と前記挿込板との間の距離が、前記人工芝の厚みより長くなっている請求項1記載のシート体用カッター。
【請求項3】
前記挿込板が、前記設置面と前記シート体との間に挿し込まれた状態で、当該設置面と平行又は略平行に配置される薄板状のものである請求項1又は2のいずれかに記載のシート体用カッター。
【請求項4】
前記刃部材が、前記保持機構に着脱できるように構成されている請求項1乃至
3のいずれかに記載のシート体用カッター。
【請求項5】
前記刃先が、前記
重機の前進方向を向いており、
前記縦刃が、前記
重機の後退方向を向く第2の刃先をさらに有している請求項1乃至
4のいずれかに記載のシート体用カッター。
【請求項6】
前記請求項1乃至
5のいずれかに記載のシート体用カッターと、
前記シート体用カッターが取り付けられた前記
重機とを備えていることを特徴とするシート体切断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート体用カッター及びシート体切断装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンクリート等の設置面に設置されたラバーを剥がすラバー剥離カッターとして、特許文献1には、設置面とラバーとの間に挿し込まれる水平刃とその水平刃から立ち上がる縦刃とを備えたカッター部材と、水平刃から後方へ延出する柄部とを備え、柄部をピストン運動する電動機に取り付けて使用するものが開示されている。
【0003】
しかしながら、前記ラバー剥離カッターは、柄部が水平刃に固定されているので、柄部やその柄部に取り付けられた電動機が、縦刃で切断されたラバーに引っ掛かり、特に、人工芝のような重いものであると、切断作業ができなくなるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなれたものであって、設置面に設置された人工芝等のシート体の切断作業を円滑に行うことができるシート体用カッターを得ることを主な課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明に係るシート体用カッターは、重機等の駆動装置の動力を利用して設置面に設置されたシート体を切断するシート体用カッターであり、前記設置面と前記シート体との間に挿し込まれる挿込板と、前記挿込板から立ち上がった縦刃とを備えた刃部材と、前記縦刃の刃先を前記駆動装置の進行方向に向けた状態で、前記刃部材を前記駆動装置に保持する保持機構とを具備し、前記保持機構が、前記縦刃の上部に固定されていることを特徴とするものである。
【0007】
このような構成によれば、保持機構が縦刃の上部に固定されているので、縦刃で切断されたシート体が、挿込板と保持機構との間を通過するようになる。これにより、保持機構が、縦刃で切断されたシート体に引っ掛かり難くなるため、シート体をスムーズに切断できるようになる。
【0008】
本発明の効果が顕著にあらわれる実施態様としては、前記シート体が、人工芝であり、前記縦刃の上部に固定された保持機構と前記挿込板との間の距離が、前記人工芝の厚みより長くなっているものが挙げられる。
【0009】
また、本発明は、前記挿込板が、前記設置面と前記シート体との間に挿し込まれた状態で、当該設置面と平行又は略平行に配置される薄板状のものであってもよい。
【0010】
このような構成によれば、挿込板が設置面と平行又は略平行に配置される薄板状のものであるので、挿込板が設置面とシート体との間を通過する際に生じる抵抗が小さくなり、シート体をよりスムーズに切断できるようになる。
【0011】
また、本発明は、前記保持機構が、前記駆動装置と前記刃部材との間に介在する保持アームを備えており、前記保持アームは、前記進行方向側の先端部が前記縦刃の上部に固定されるものであって、その先端部が先細り状になっているものであってもよい。
【0012】
このような構成によれば、保持アームの進行方向側の先端部が先細り状になっているので、例えば、縦刃で切断されたシート体が地面から浮き上がったとしても保持機構に引っ掛かり難くなる。
【0013】
また、本発明は、前記刃部材が、前記保持機構に着脱できるように構成されているものであってもよい。
【0014】
このような構成によれば、刃部材が保持機構に着脱可能になっているので、作業者は、刃部材を駆動装置に位置決めされた保持機構から取り外すだけで交換できる。これにより、作業者は、交換後の刃部材の駆動装置に対する位置を調節し直す必要がなくなり、交換作業が容易となる。
【0015】
また、本発明は、前記刃先が、前記駆動装置の前進方向を向いており、前記縦刃が、前記駆動装置の後退方向を向く第2の刃先をさらに有しているものであってもよい。
【0016】
このような構成によれば、例えば人工芝が貼られたグラウンドがフェンスで囲まれており、人工芝とフェンスとの間に駆動装置が入り込むスペースがなくても、人工芝を簡単に切断できるようになる。具体的には、人工芝上に停止させた駆動装置から刃部材をそのスペースに延出し、この状態から後退させて縦刃の第2の刃先を切断したい方向へ移動させれば人工芝を切断できる。
【0017】
本発明に係る人工芝切断装置は、前記いずれかに記載のシート体用カッターと、前記シート体用カッターが取り付けられた前記駆動装置とを備えていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0018】
このように構成したシート体用カッターによれば、保持機構が縦刃で切断されたシート体に引っ掛かり難くなり、シート体をスムーズに切断できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】第1の実施形態に係る人工芝切断装置を模式的に示す側面図である。
【
図2】第1の実施形態に係る人工芝用カッターを模式的に示す斜視図である。
【
図3】第1の実施形態に係る人工芝用カッターを模式的に示す平面図である。
【
図4】第1の実施形態に係る人工芝用カッターの使用状態を模式的に示す説明図である。
【
図5】その他の実施形態に係る刃部材を模式的に示す斜視図である。
【
図6】その他の実施形態に係る刃部材を用いた人工芝切断装置を模式的に示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明に係るシート体切断装置及びシート体用カッターを図面に基づいて説明する。
【0021】
本発明に係るシート体切断装置は、設置面に設置されたシート体を切断するものである。具体的には、シート体切断装置は、サッカーコート等の地面に設置された人工芝を切断する人工芝切断装置である。以下、人工芝切断装置を例示して実施形態を説明する。
【0022】
<第1の実施形態> 本実施形態に係る人工芝切断装置100は、
図1に示すように、駆動装置Mと、人工芝用カッターCと、を備えている。なお、人工芝用カッターCが、請求項におけるシート体用カッターに該当する。
【0023】
前記駆動装置Mは、人工芝用カッターCをその刃先Eを前進方向Xに向けた状態で移動させるものである。従って、前進方向Xが、請求項における進行方向となる。具体的には、駆動装置Mは、移動機構を備えた重機である。本実施形態の駆動装置Mは、排土板EBを備えたバックホウである。
【0024】
前記人工芝用カッターCは、駆動装置Mに取り付けられるものである。具体的には、人工芝用カッターCは、
図1乃至
図4に示すように、刃部材10と、刃部材10を駆動装置Mに保持する保持機構20と、を備えている。
【0025】
前記刃部材10は、地面Gと人工芝Tとの間に挿し込まれる挿込板11と、挿込板11から立ち上がった縦刃12と、を備えており、前進方向X側から視て逆T字状になっている。
【0026】
前記挿込板11は、具体的には、矩形状の薄板である。そして、挿込板11は、前進方向Xを向く一辺が先細り状に形成されている。また、挿込板11は、前進方向Xを向く一端部が刃先Eよりも前進方向Xに延伸している。これにより、例えば、地面Gと人工芝Tとが接着剤等で接着されている場合、刃先Eが人工芝Tに到達する前に、挿込板11が地面Gと人工芝Tとの間に挿し込まれ、その接着剤を切断できるようになる。また、挿込板11は、地面Gと人工芝Tとの間に挿し込まれた状態で、その地面Gと平行又は略平行に配置される。
【0027】
前記縦刃12は、挿込板11から立ち上がった薄板状のものである。具体的には、縦刃12は、挿込板11の左右方向(幅方向)中央から垂直に立ち上がっている。そして、縦刃12は、挿込板11から立ち上がった一辺に刃先Eが形成されている。また、刃先Eは、挿込板11から斜めに立ち上がっている。具体的には、刃先Eは、挿込板11から前進方向Xと反対方向(後退方向)へ向かって斜めに立ち上がっている。なお、この縦刃12の刃先Eが、人工芝用カッターCの刃先となる。
【0028】
前記保持機構20は、駆動装置Mに取り付けられるものであり、駆動装置Mに取り付けられた状態で、刃部材10をその刃先Eを前進方向Xに向けた状態で駆動装置Mに保持する構成になっている。また、保持機構20は、駆動装置Mに取り付けられた状態で、駆動装置Mから前進方向Xへ延出する先端部に刃部材10を着脱できるように構成されている。従って、保持機構20は、刃部材10を駆動装置Mから前進方向Xに離間させて保持するようになっている。
【0029】
前記保持機構20は、具体的には、駆動装置Mと刃部材10との間に介在する保持アーム21と、保持アーム21の先端部21xに設けられ、当該保持アーム21に刃部材10を固定するための刃部材固定構造22と、保持アーム21の基端部21yに設けられ、当該保持アーム21を駆動装置Mに取り付けるための取付構造23と、を備えている。
【0030】
前記保持アーム21は、前進方向に沿って延伸する主アーム21aと、主アーム21aから左右に分かれて前進方向Xと反対方向に延伸する一対の補助アーム21bと、を備えている。そして、主アーム21aは、その先端部が保持アーム21の先端部21xを構成しており、その先端部21xに刃部材固定構造22が設けられている。また、先端部21xは、前進方向Xに向かって先細り状になっている。
【0031】
前記刃部材固定構造22は、保持アーム21に刃部材10を着脱できるように取り付けるためのものである。具体的には、刃部材固定構造22は、縦刃12を形成された複数の第1貫通孔22aと、主アーム21aの先端部21xに形成された複数の第2貫通孔22bと、第1貫通孔22aと第2貫通孔22bとに挿し込まれて縦刃12と主アーム21aとを締結する締結具22cと、を備えている。
【0032】
前記各第1貫通孔22aは、縦刃12の上部12aに形成されており、縦刃12を左右方向に貫通するように形成されている。また、各第1貫通孔22aは、挿込板11と平行又は略平行に並んでいる。前記各第2貫通孔22bは、主アーム21aの先端部21xに形成されており、先端部21xを左右方向に貫通するように形成されている。締結具22cは、具体的にはボルト及びナットである。
【0033】
前記取付構造23は、駆動装置Mに保持アーム21を着脱できるように取り付けるためのものである。具体的には、取付機構23は、駆動装置Mに保持アーム21を前後・左右・上下方向に動かないように固定する構造になっている。以下、本実施形態の駆動装置Mが備える排土板EBに保持アーム21を取り付けるための取付構造23の詳細を説明する。
【0034】
前記取付構造23は、具体的には、主アーム21aの基端部21yに固定された固定枠23aと、固定枠23aから左右方向に延伸する宛て板23bと、宛て板23bの両端部を挟み込む一対のクランプ23cと、を備えている。
【0035】
前記固定枠23aは、排土板EBを前後及び上下から囲んで保持するように構造されている。そして、固定枠23aは、その内面に排土板EBを三点保持するようになっている。前記宛て板23bは、固定枠23aの前方上側の角部から左右方向に延伸した断面L字状のものであり、排土板EBの上部に宛がわれるようになっている。前記一対のクランプ23cは、排土板EBの上部とその上部に宛がわれた宛て板23bとを挟み込むものである。
【0036】
前記保持機構20に前記刃部材10を取り付ける場合には、刃先Eを前進方向Xに向けた状態で、縦刃12の上部12aを保持アーム21の先端部21xに側方から宛がって各第1貫通孔22aと各第2貫通孔22bとを連通させる。そして。締結具23cのボルトを連通した第1貫通孔22a及び第2貫通孔22bに通し、そのボルトにナットを螺合させて縦刃12と保持アーム21とを締結する。この状態において、刃部材10は、保持アーム21よりも下側に挿込板11が配置されており、保持アーム21の先端部21xと挿込板21との間の距離(鉛直方向の距離)が、人工芝Tの厚みよりも長くなるように構成されている。また、刃部材10は、保持アーム21(保持機構20)よりも刃先Eが前進方向Xに突出するように構成されている。さらに、刃部材10は、挿込板11が地面Gと平行又は略平行に配置されるようになっている。なお、刃部材10は、締結具23aを取り外すことにより、保持機構20から取り外して交換できるようになっている。
【0037】
前記駆動装置Mに人工芝用カッターCを取り付ける場合には、先ず、駆動装置Mの排土板EBをその側方から固定枠23aの枠内に通すとともに、その排土板EBの上部(上辺)に宛て板23bを宛がう。これにより、保持アーム21の排土板EBに対する前後・上下方向の動きが規制される。次に、排土板EBの上部とその上部に宛がわれた宛て板23bとをクランプ23cによって挟み込む。これにより、保持アーム21の排土板EBに対する左右方向の動きが規制される。従って、保持アーム21は、排土板EBに対する動きが規制された状態となり、刃部材10は、保持機構20によって駆動装置Mに動かないように保持された状態となる。なお、保持アーム21は、両クランプ23cを緩めることにより、排土板EBの左右方向に対する動きの規制が解除され、これにより、駆動装置Mの機体幅方向に対する刃部材10の位置を調節できるようになっている。
【0038】
本実施形態の人工芝切断装置100を使用する場合には、作業者は、人工芝Tの縁からその人工芝Tと地面Gとの間に挿込板11を挿し込み、駆動装置Mを運転して刃部材10の刃先Eを切断したい方向へ移動させて人工芝Tを切断する。
【0039】
このような構成によれば、縦刃12に固定された保持アーム21(保持機構20)の先端部21xと挿込板12との間の距離が人工芝Tの厚みよりも長くなっているので、縦刃12で切断された人工芝Tが挿込板11と保持アーム21との間を通過するようになる。これにより、縦刃12で切断された人工芝Tが、保持アーム21に引っ掛かり難くなり、分厚く重い人工芝Tであってもスムーズに切断できる。また、刃先Eが、挿込板12から前進方向と反対方向側へ傾斜して延びているので、刃先Eが人工芝Tに対して斜めに食い込むようになり、切断時の抵抗が小さくなる。また、刃先Eが、保持機構20よりも進行方向X側に離間して位置付けられているため、駆動装置Mを運転する作業者から刃先Eを確認し易くなり、例えば、人工芝Tに引かれた切断線に沿って刃先Tを移動させ易くなる。また、駆動装置Mに対して刃部材10を機体幅方向(左右方向)に移動できるので、例えば、機体幅が広い駆動装置Mに人工芝用カッターCを取り付けた場合であっても、壁際の人工芝Tを切断することできる。
【0040】
<その他の実施形態> 前記保持機構は、その先端部が縦刃の上部と着脱できないように固定されているものであってもよく、また、その基端部が駆動機構に着脱できないように固定されているものであってもよい。また、保持機構は、先端部が進行方向に向かって先細り状になっていないものであってもよい。
【0041】
前記シート体用カッターは、駆動装置が備える排土板に取り付けられているが、駆動装置が備える他の部分に取り付けるようにしてもよい。
【0042】
前記第1の実施形態では、シート体として人工芝を例示したが、シート体は、人工芝に限定されず、陸上競技場のトラック等に設置されたタータンやウレタン等であってもよく、これら以外のものであってもよい。また、シート体は、設置面に接着剤等によって接着して貼り付けられたものであってもよく、設置面に接着せずに単に載置されたものであってもよい。また、前記駆動装置も、バックホウに限定されず、他の重機であってもよく、移動機構を備えているものであれば、重機以外のものであってもよい。
【0043】
前記刃部材10の縦刃12は、駆動装置Mの前進方向Xを向く刃先Eを有しているが、
図5に示すように、駆動装置Mの後退方向Yを向く第2の刃先eをさらに有するものであってもよい。この場合、挿込板11は、他端部が第2の刃先eよりも後退方向Yへ延伸した構成し、その一辺を後退方向Y(延伸方向)に向かって先細り状に形成すればよい。
【0044】
このような刃部材12を使用すれば、
図6に示すように、例えば人工芝Tが貼られたグラウンドがフェンスFで囲まれており、人工芝TとフェンスFとの間に駆動装置Mが入り込むスペースがなくても、人工芝Tを簡単に切断できるようになる。詳述すると、人工芝T上に停止させた駆動装置Mから刃部材10をそのスペースに延出し、この状態から後退させて第2の刃先eを切断したい方向へ移動させれば人工芝Tを切断できる。この場合、後退方向Yが、請求項における進行方向となる。なお、縦刃12は、前進方向Xを向く刃先Eも有しているので、必要に応じて前記第1の実施形態と同様に駆動装置Mを前進させて人工芝Tを切断することもできる。
【0045】
前記縦刃は、駆動装置Mの前進方向又は後退方向のいずれか一方又は双方を向く刃先を有するものであればよく、例えば後退方向を向く第2の刃先のみを有するものであってもよい。
【0046】
その他、本発明は前記各実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0047】
100 人工芝切断装置
M 駆動装置
C 人工芝用カッター
10 刃部材
11 挿込板
12 縦刃
E 刃先
20 保持機構
e 第2の刃先