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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】電子部品の搬送システム
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/01 20200101AFI20240326BHJP
【FI】
G01R31/01
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021107063
(22)【出願日】2021-06-28
(65)【公開番号】P2023005272
(43)【公開日】2023-01-18
【審査請求日】2023-03-29
(73)【特許権者】
【識別番号】591009705
【氏名又は名称】株式会社 東京ウエルズ
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(72)【発明者】
【氏名】中西 規敏
(72)【発明者】
【氏名】木下 博貴
(72)【発明者】
【氏名】中村 優太
(72)【発明者】
【氏名】木内 理亨
【審査官】島田 保
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-090346(JP,A)
【文献】特開2016-125847(JP,A)
【文献】特開2005-015149(JP,A)
【文献】特表2016-503894(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/00
H01G 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が電子部品を収納するとともに円周状に配置された複数のポケットを有し、垂直または傾斜して配置され、かつ円盤状の構造をもつ回転自在のインデックステーブルと、
前記インデックステーブルに設けられ、前記電子部品の試験を行う電子部品試験装置と、
前記インデックステーブル上で前記電子部品を貯留するとともに、前記インデックステーブルのポケットに対応して設けられた貯留セクションを有し、前記貯留セクションは少なくとも前記インデックステーブルの下端部から下流側に向かって45度の範囲内に配置される電子部品貯留部と、
前記電子部品貯留部の前記貯留セクションへ前記電子部品を供給する電子部品供給部と、
制御部と、を備え、
前記電子部品貯留部に前記貯留セクションに対応して、前記インデックステーブルの下端部から下流側に向かって5度~25度の範囲内のいずれかに、前記電子部品が前記ポケットに収納されたか否かを検出する電子部品検出部を設け、
前記電子部品供給部から前記貯留セクションへ供給される電子部品の供給量を検出する供給量検出センサが設けられ、
前記制御部は、前記電子部品貯留部に設けられた前記電子部品検出部からの信号に基づいて、前記貯留セクション内の前記電子部品の総量を予測するとともに、前記貯留セクション内の前記電子部品が予め定められた所定量となるよう、前記供給量検出センサにより前記電子部品の供給量を検出しながら、前記電子部品供給部を制御して、前記電子部品を前記貯留セクションへ供給する、電子部品の搬送システム。
【請求項2】
前記電子部品検出部は、前記インデックステーブルの下端部から下流側に向かって15度の位置に設けられている、請求項1記載の電子部品の搬送システム。
【請求項3】
前記複数のポケットは、前記インデックステーブル上に、円周状にかつ多列に配置され、前記電子部品貯留部は、多列に配置された複数のポケットに対応して複数の貯留セクションを有する、請求項1または2記載の電子部品の搬送システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記電子部品検出部からの信号に基づいて、前記電子部品検出部により検出された前記ポケットが前記インデックステーブルの下端部から下流側に向かって45度の位置に達するまでの時間内に前記電子部品供給部から所定量の前記電子部品を前記貯留セクションへ供給する、請求項1記載の電子部品の搬送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は多数の電子部品をインデックステーブル上で所定間隔をおいて配置して搬送する電子部品の搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
生産された例えばコンデンサ等の電子部品は、全数について所定の試験が行われ、良品のみが出荷される。
【0003】
従来より、大量の電子部品に対して、効率良く全数試験を行うことが求められている。
【0004】
しかしながら電子部品に対して効率良く全数試験を行うことができる電子部品の搬送システムは開発されていないのが実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特表2000-501174号公報
【文献】特開2005-15149号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示はこのような点を考慮してなされたものであり、インデックステーブル上に多数の電子部品を所定間隔をおいて配置しながら搬送し、電子部品に対して効率良く全数試験を行うことができる電子部品の搬送システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、各々が電子部品を収納するとともに円周状に配置された複数のポケットを有し、垂直または傾斜して配置され、かつ円盤状の構造をもつ回転自在のインデックステーブルと、前記インデックステーブルに設けられ、前記電子部品の試験を行う電子部品試験装置と、前記インデックステーブル上で前記電子部品を貯留するとともに、前記インデックステーブルのポケットに対応して設けられた貯留セクションを有し、前記貯留セクションは少なくとも前記インデックステーブルの下端部から下流側に向かって45度の範囲内に配置される電子部品貯留部と、前記電子部品貯留部の前記貯留セクションへ前記電子部品を供給する電子部品供給部と、制御部と、を備え、前記電子部品貯留部に前記貯留セクションに対応して、前記インデックステーブルの下端部から下流側に向かって5度~25度の範囲内のいずれかに、前記電子部品が前記ポケットに収納されたか否かを検出する電子部品検出部を設け、前記制御部は、前記電子部品貯留部に設けられた前記電子部品検出部からの信号に基づいて、前記電子部品供給部を制御して、所定量の前記電子部品を前記貯留セクションへ供給する、電子部品の搬送システムである。
【0008】
本開示は、前記電子部品検出部は、前記インデックステーブルの下端部から下流側に向かって15度の位置に設けられている、電子部品の搬送システムである。
【0009】
本開示は、前記電子部品供給部から前記貯留セクションへ供給される電子部品の供給量を検出する供給量検出センサが設けられている、電子部品の搬送システムである。
【0010】
本開示は、前記複数のポケットは、前記インデックステーブル上に、円周状にかつ多列に配置され、前記電子部品貯留部は、多列に配置された複数のポケットに対応して複数の貯留セクションを有する、電子部品の搬送システムである。
【0011】
本開示は、前記制御部は、前記電子部品検出部からの信号に基づいて、前記電子部品検出部により検出された前記ポケットが前記インデックステーブルの下端部から下流側に向かって45度の位置に達するまでの時間内に前記電子部品供給部から所定量の前記電子部品を前記貯留セクションへ供給する、電子部品の搬送システムである。
【発明の効果】
【0012】
以上のように本開示によれば、多数の電子部品をインデックステーブル上に所定間隔をおいて高い充填率をもって配置しながら搬送することができ、このことにより電子部品に対して効率良く全数試験を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は本開示による電子部品の搬送システムを示す概略図。
図2図2はインデックステーブル上に設けられた電子部品貯留部を示す図。
図3図3は電子部品貯留部と電子部品供給部の接続構造を示す図。
図4図4は電子部品貯留部と、電子部品供給部と、供給フィーダの接続構造を示す図。
図5図5はインデックステーブルと、電子部品貯留部との接続構造を示す図。
図6図6は電子部品の搬送システムの作用を示す図。
図7図7はインデックステーブルを停止したときの電子部品搬送システムを示す図。
図8図8は貯留セクション内に最小数の電子部品が収納された状態を示す図。
図9図9は貯留セクション内に単位密度1の状態で電子部品が収納された状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して電子部品搬送システムの本実施の形態について説明する。
【0015】
まず図1により、電子部品の搬送システム10の概略を説明する。
【0016】
図1に示すように、電子部品の搬送システム10はインデックステーブル11に形成されたポケット12内にコンデンサ等の電子部品W(図6および図7参照)を収納し、インデックステーブル11を間欠回転させることにより電子部品Wを搬送して、電子部品Wに対して各種の試験を施すものである。
【0017】
このような電子部品の搬送システム10は、傾斜面10aを有する構造体10Aと、構造体10Aの傾斜面10a上に設けられ、各々が電子部品Wを収納するとともに円周状に多列、例えば8列に配置されたポケット12を有する円盤状の構造をもつインデックステーブル11と、インデックステーブル11上に設けられ、インデックステーブル11のポケット12内に収納された電子部品Wに対して試験を行う電子部品試験装置30と、電子部品試験装置で試験された電子部品Wを排出する電子部品排出部50とを備えている。
【0018】
このうち構造体10Aの傾斜面10aは、水平面に対して約60度傾斜しており、インデックステーブル11はこの傾斜面10a上で時計方向に間欠回転する。なおインデックステーブル11を傾斜面10a上に配置する代わりに、傾斜面10aではなく、構造体10Aの垂直面(図示せず)に配置してもよい。
【0019】
また電子部品試験装置30は、インデックステーブル11のポケット12内に収納された電子部品Wに対して、試験を行うものである。ここで電子部品Wに対して試験を行うとは、電子部品Wを例えば、100~170℃まで加熱して熱負荷をかけながら電気的付加を印加する試験、あるいは電子部品Wを加熱して熱付加をかけながら、電気的付加を印加し、かつ電子部品Wの電気的測定を行う試験を含む。電子部品試験装置30は、その他、電圧負荷を印加して試験したり、カメラによる外観試験したり、温度負荷をかけて試験したり、電流を負荷して試験したりするものであるが、電子部品試験装置30はその他各種の電気的試験を行うこともできる。このような電子部品試験装置30は構造体10Aの傾斜面10aに、インデックステーブル11を覆うように設けられている。
【0020】
また電子部品排出部50は、構造体10Aの傾斜面10aに設けられた排出板50aと、排出板50aに取り付けられ、インデックステーブル11のポケット12内に収納された電子部品Wを外部へ排出する排出パイプ51とを有する。そして排出パイプ51には、図示しない吸引機構が接続され、この排出パイプ51により排出された電子部品Wは、電子部品試験装置30による試験結果に応じて分類される。
【0021】
また構造体10Aの傾斜面10aには、インデックステーブル11の下方部には、電子部品貯留部20が設けられ、さらにこの電子部品貯留部20には電子部品貯留部20に電子部品Wを供給する電子部品供給部15が接続されている。
【0022】
また電子部品供給部15には、電子部品供給部15へ電子部品Wを補充する供給フィーダ18が接続されている。
【0023】
ところでインデックステーブル11は、回動軸11aの回りに間欠回転する。またインデックステーブル11の回動軸11aは、図示しない駆動機構により駆動される。
【0024】
さらに上述した構成要素、例えばインデックステーブル11の駆動機構、供給フィーダ18、電子部品供給部15、電子部品試験装置30、および電子部品排出部50の吸引機構は、いずれも制御部40により駆動制御される。
【0025】
次に図2乃至図7により、インデックステーブル11上に設けられた電子部品貯留部20と、電子部品貯留部20へ電子部品Wを供給する電子部品供給部15と、電子部品供給部15へ電子部品Wを補充する供給フィーダ18について述べる。
【0026】
図2乃至図7に示すように、電子部品貯留部20はインデックステーブル11上で電子部品Wを貯留する貯留セクション23を有し、この貯留セクション23はインデックステーブル11の8列のポケット12に対応して8列設けられている。
【0027】
すなわち電子部品貯留部20は貯留部本体21と、貯留部本体21内に設けられた複数の壁面22とを有し、電子部品貯留部20の壁面22間に8列の貯留セクション23が形成されている。各貯留セクション23内には、インデックステーブル11の対応する列のポケット12内に収納される電子部品Wが貯留される。
【0028】
この場合、インデックステーブル8には8列のポケット12が円周状に配置されているため、8列のポケット12に対応して電子部品貯留部20の壁面22、および壁面22間に形成された貯留セクション23も円周状に構成されている。
【0029】
また電子部品供給部15は平面扇形をもつ仕切板15bを有し、仕切板15bの基部に開口15aが形成されている。そして電子部品供給部15が回動し、仕切板15b内に蓄積された電子部品Wが開口15aから所望の貯留セクション23内に供給されるようになっている(図3および図4参照)。
【0030】
本実施の形態において、電子部品供給部15は供給部本体15Aを有し、この供給部本体15A内に開口15aを有する仕切板15bが設けられている。
【0031】
そして電子部品供給部15の供給部本体15Aは、基台17上に回動軸16を介して取り付けられており、基台17上で回動軸16が回動することにより開口15aの位置が変化して、仕切板15b内に蓄積されていた電子部品Wが開口15aから所望の貯留セクション23内に投入される。
【0032】
また電子部品供給部15には、図4に示すように、電子部品供給部15内に電子部品Wを補充する供給フィーダ18が接続されており、この供給フィーダ18の出口には電子部品の供給量を検出する供給量検出センサ19が設けられている。供給フィーダ18から電子部品供給部15内に補充された電子部品Wは、電子部品供給部15から開口15aを介して所望の貯留セクション23内に投入されるため、供給量検出センサ19は電子部品供給部15から貯留セクション23へ供給される電子部品Wの供給量を検出するよう機能する。
【0033】
ところで電子部品貯留部20の各貯留セクション23は、少なくともインデックステーブル11の下端部11Aから下流側に向かって45度の範囲内に配置されている。本実施の形態においては、各貯留セクション23はインデックステーブル11の下端部11Aを基準として上流側に向かって15度、下流側に向かって90度の範囲α1に渡って配置されている(図6および図7参照)。
【0034】
また、電子部品貯留部20には、各貯留セクション23に対応して、インデックステーブル11の下端部11Aから下流側に向かって5度~25度の範囲α2内のいずれかの位置に、本実施の形態においてはインデックステーブル11の下端部11Aから下流側に向かって15度の位置に電子部品Wがポケット12内に収納されたか否かを検出する電子部品検出部25が設けられている。
【0035】
電子部品貯留部20に設けられた電子部品検出部25は、上述のように各貯留セクション23に対応して設けられ、この電子部品検出部25は、裏側の投光部から光を投光し、表側の受光センサで受光してポケット12内の電子部品Wを検出する透過型センサ、または表側からポケット12内の電子部品Wに光を投光し、電子部品Wからの反射光を検出する反射型センサのいずれかからなる。
【0036】
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
【0037】
まず電子部品供給部15内のコンデンサ等からなる電子部品Wが、電子部品貯留部20の所望の貯留セクション23内に供給され、各貯留セクション23内の電子部品Wはこの貯留セクション23内に貯留される。
【0038】
この間、インデックステーブル11が時計方向に回転し、インデックステーブル11の各ポケット12内に貯留セクション23内に貯留された電子部品Wが収納される。この場合、インデックステーブル11の裏側に吸引機構(図示せず)が設けられ、貯留セクション23内の電子部品Wは吸引機構により吸引されてインデックステーブル11の各ポケット12内に収納される。
【0039】
電子部品Wが電子部品供給部15から各貯留セクション23内に供給される場合、電子部品Wは電子部品供給部15の開口15aを介して貯留セクション23内に上方部から投入され、貯留セクション23内に投入された電子部品Wは重力により落下して各貯留セクション23の下方部に貯留される。
【0040】
各貯留セクション23内に電子部品供給部15から電子部品Wが投入される間、インデックステーブル11は時計方向に間欠的に回転しているため、各貯留セクション23内の電子部品Wはインデックステーブル11との摩擦力により、インデックステーブル11の下端部11Aを基準として下流側に向かって15度の位置を中心に固まりとなって貯留する。そして各貯留セクション23内で固まりとなって貯留する電子部品Wは、下端部11Aから下流側に向かって15度の位置を中心としてその数が最大となり、電子部品Wの数は下流側に向かって45°の位置まで徐々に減少し、同様にインデックステーブルの下端部11Aまで徐々に減少する。
【0041】
このように、各貯留セクション23内の電子部品Wの数は下端部11Aから下流側に向かって15度の位置を中心とする山形をなし、電子部品Wは下流側に向かって45°の位置まで徐々にその数を減らしながら存在し、同様に上流側に向かって下端部11Aまで徐々にその数を減らしながら存在する(図6参照)。
【0042】
この場合、各貯留セクション23の電子部品Wは、インデックステーブル11が回転していないと仮定すると、インデックステーブル11からの摩擦力がないため、インデックステーブル11の下端部11Aを基準として、下流側に向かって20度の位置から上流側に向かって10度の位置までの範囲に分布することになる(図7参照)。
【0043】
本実施の形態によれば、上述のように図6に示すように、各貯留セクション23内の電子部品Wの数はインデックステーブル11の下端部11Aから下流側に向かって15度の位置を中心とする山形をなし、電子部品Wは下端部11Aから下流側に向かって45度の位置から下端部11Aまで分布する。このため下端部11Aから下流側に向かって45度の位置から下端部11Aまでの範囲において、インデックステーブル11のポケット12内に電子部品Wが収納されることになる。
【0044】
また本実施の形態においては、電子部品貯留部20には、各貯留セクション23に対応してインデックステーブル11の下端部11Aから下流側に向かって5度~25度の範囲α2の範囲内、好ましくは下端部11Aから下流側に向かって15度の位置に電子部品検出部25が設けられている。このためこの電子部品検出部25によって、この電子部品検出部25の設定位置において、電子部品Wがポケット12内に収納されたか否かを検出することができる。
【0045】
このように電子部品検出部25によってポケット12内の電子部品Wの有無を検出することにより、後述のように電子部品Wを電子部品貯留部20内に適切な分量だけ供給することができ、ポケット12内に確実に電子部品Wを供給することができる。
【0046】
すなわち、各貯留セクション23内において、電子部品Wは下端部11Aから下流側に向かって15度の位置を中心として下流側に向かって45度の位置から、上流側に向かって下端部11Aまでの範囲に渡り分布し、インデックステーブル11がこの範囲を通過する間、インデックステーブル11のポケット12内に電子部品Wが収納される。
【0047】
そして電子部品Wの数が最大となるインデックステーブル11の下端部11Aから下流側に向かって15度の位置に電子部品検出部25を設けている。この電子部品Wの数が最大となるインデックステーブル11の下端部11Aから下流側に向かって15度の位置は、ポケット12内に多数の電子部品Wが収納される位置であり、この位置において電子部品検出部25によりポケット12内の電子部品Wの有無を検出することにより、各貯留セクション23内に山形状に分布する電子部品Wの総量を予測することが可能となる。
【0048】
次に電子部品検出部25からの信号は制御部40へ送られる。制御部40は電子部品検出部25からの信号に基づいて、各貯留セクション23内の電子部品Wの総量が少ない判断した場合、例えば図8に示すように貯留セクション23内にインデックステーブル11の下端部11Aを基準として下流側に向かって15度の位置から下端部11Aまでの範囲にしか電子部品Wが存在しないと判断した場合、供給フィーダ18から所定量の電子部品Wを電子部品供給部15内に補充し、電子部品供給部15から所定量の貯留セクション23内に電子部品Wを供給する。
【0049】
この場合、電子部品検出部25からの信号に基づいて、制御部40は各貯留セクション23内の電子部品Wの総量を予測し、供給量検出センサ19により補充量を検出しながら各貯留セクション23内に所定量の電子部品Wを供給する。
【0050】
各貯留セクション23内に供給される所定量の電子部品Wは、各貯留セクション23内に貯留可能な最大数であることが好ましい。
【0051】
ここで各貯留セクション23内に貯留可能な最大数とは以下のようにして定められる。
【0052】
図9に示すように、各貯留セクション23内において、インデックステーブル11の下端部11Aから、下流側に向かって45度の位置までの範囲に隙間なく電子部品Wを並べた状態を単位密度1とする。各貯留セクション23内において、単位密度1の4倍、すなわち単位密度4だけ電子部品Wを各貯留セクション23内に供給すると、電子部品Wが過度に密集することなく、電子部品Wがインデックステーブル11のポケット12内に充填もれもなく確実に収納することが判っている。
【0053】
このため、電子部品検出部25からの信号に基づいて、制御部40は各貯留セクション23内の電子部品Wの総量を予測し、制御部40は上記の単位密度4の状態の電子部品Wの総量から予測された電子部品の総量を減じた数だけ、供給フィーダ18から電子部品供給部15を経て貯留セクション23内に電子部品Wを供給する。
【0054】
このようにしてインデックステーブル11のポケット12内に高い充填率をもって電子部品Wを収納させることができる。
【0055】
電子部品貯留部20においてインデックステーブル11のポケット12内に高い充填率をもって収納された電子部品Wは、インデックステーブル11が間欠回転することにより電子部品試験装置30まで搬送され、この電子部品試験装置30によって電子部品Wに対して所定の試験が施される。
【0056】
次にインデックステーブル11のポケット12内の電子部品Wは、インデックステーブル11の間欠回転に伴って電子部品排出部50まで搬送され、この電子部品排出部50から外方へ排出される。その後、電子部品Wは電子部品試験装置30の試験結果に基づいて、分類される。
【0057】
以上のように本実施の形態によれば、各貯留セクション23内において、電子部品Wの数が最大となるインデックステーブル11の下端部11Aから下流側に向かって15度の位置に電子部品検出部25を設け、この電子部品検出部25によってポケット12内の電子部品Wの有無を検出する。このことにより各貯留セクション23内に、インデックステーブル11の下端部11Aから下流側に向かって15度の位置を中心とする山形状に分布する電子部品Wの総量を予測することができる。そして電子部品検出部25からの信号に基づいて、供給量検出センサ19により補充量を検出しながら、各貯留セクション23内に所定量の電子部品Wを供給する。このようにしてインデックステーブル11のポケット12内に高い充填率をもって電子部品Wを収納させることができる。
【0058】
また電子部品検出部25は、各貯留セクション23内において、電子部品Wの数が最大となるインデックステーブル11の下端部11Aから下流側に向かって15度の位置に設けられている。この場合、電子部品検出部25によって電子部品Wの充填率が低いと検出されたポケット12がインデックステーブル11の下端部11Aから下流側に向かって45度の位置に達するまでの時間内に、電子部品供給部15から貯留セクション23内へ電子部品Wを供給することにより、電子部品Wが充填されないポケット12内に、補充された電子部品Wを適切に収納することができる。
【0059】
すなわち各貯留セクション23内において電子部品Wはインデックステーブル11の下端部11Aから下流側に向かって15度の位置を中心として山形状に分布し、この電子部品Wは下端部11Aから下流側に向かう45度の位置までの範囲に存在する。
【0060】
従って、電子部品検出部25によって検出されたポケット12がインデックステーブル11の下端部11Aから下流側に向かって45度の位置に達するまでの時間内に電子部品供給部15から貯留セクション23内へ電子部品Wを供給することにより、電子部品Wが充填されていないポケット12内へも電子部品Wを適切に収納することができる。
【符号の説明】
【0061】
10 電子部品の搬送システム
10A 構造体
10a 傾斜面
11 インデックステーブル
11a 回動軸
12 ポケット
15 電子部品供給部
18 供給フィーダ
19 供給量検出センサ
20 電子部品貯留部
21 貯留部本体
22 壁面
23 貯留セクション
25 電子部品検出部
30 電子部品試験装置
40 制御部
50 電子部品排出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9