(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】ロボット箱詰め装置
(51)【国際特許分類】
B65B 5/08 20060101AFI20240326BHJP
B65B 35/36 20060101ALI20240326BHJP
B65B 35/54 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
B65B5/08
B65B35/36
B65B35/54
(21)【出願番号】P 2023039667
(22)【出願日】2023-03-14
(62)【分割の表示】P 2019106491の分割
【原出願日】2019-06-06
【審査請求日】2023-04-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000206093
【氏名又は名称】大森機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092598
【氏名又は名称】松井 伸一
(72)【発明者】
【氏名】早川 智敬
【審査官】西塚 祐斗
(56)【参考文献】
【文献】特公平07-098572(JP,B2)
【文献】特開2019-043636(JP,A)
【文献】特許第6153027(JP,B2)
【文献】特開平09-315405(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第01020358(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0000121(US,A1)
【文献】登録実用新案第3061274(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 5/08
B65B 35/36
B65B 35/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一搬送装置上の物品を保持するとともに移動して第二搬送装置上の箱に供給する物品移し替えロボットを備え、
前記箱は、前記物品を2個並べて収納するものであり、前記箱の本体の上端開口部における一方の短辺に、中仕切用フラップを設け、
前記物品移し替えロボットは、搬送面と平行な平面内で回転可能な支持部材と、その支持部材に支持される第一保持部材及び第二保持部材と、前記支持部材を前記第一搬送装置上と前記第二搬送装置上に移動させる移動手段を備え、
前記物品移し替えロボットは、前記第一保持部材と前記第二保持部材が前記第一搬送装置上の2つの前記物品をそれぞれ保持し、前記移動手段により前記第一保持部材と前記第二保持部材を前記第二搬送装置上に移動し、その移動途中或いは前記第二搬送装置上で前記支持部材を回転させて前記第一保持部材及び前記第二保持部材を、前記第二搬送装置上で待機する前後の前記箱の上に位置させ、前記第一保持部材及び前記第二保持部材の保持を解除して前記物品をそれぞれの前記箱に供給するようにし、
前記物品移し替えロボットは、前記箱に対して最初に供給する前記物品は、前記中仕切用フラップを設けた前記短辺側に行うようにし、
前記箱内に前記最初の物品を供給した状態で前記中仕切用フラップを折り曲げる折り曲げ手段を備え、
前記物品移し替えロボットにより、前記箱に対して2つめの前記物品を供給する際に、その供給する前記物品が前記折り曲げられた前記中仕切用フラップを箱内に押し込むようにしたことを特徴とするロボット箱詰め装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボット箱詰め装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
物品用の搬送ライン上を流れる複数の物品を保持し、当該物品を箱用の搬送ライン上にある上部開口した箱内に移し替え供給するロボット箱詰め装置として、例えば特許文献1に開示された装置がある。この特許文献1に開示された装置は、ロボットアームの先端部に、回転機構を介して帯板状の支持部材を設け、その支持部材の両端に保持手段としての第1グリッパと第2グリッパとを設けたロボットを用い、箱詰め処理を行う。第1グリッパと第2グリッパの開閉作動により、起立した物品を上方から把持し、その状態でロボットアームにより物品を上部開口した箱の上に移動するとともに、第1グリッパと第2グリッパの把持を解除して物品を箱内に供給する。これにより、2個の物品を同時に同一の箱に対して箱詰めする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
箱詰め対象の物品が、例えばノズル付き容器のようなものの場合、ノズルの先端は容器本体の外周縁よりも外側に突出するものがある。そのようなノズル付き容器を箱詰めする場合、例えば矩形の箱の内寸は、容器本体の外周の寸法形状に応じたものとし、ノズルを例えば矩形の箱の角部付近に位置するように収納すると、箱の寸法を容器本体の外形寸法に比べてさほど大きくすること無く、ノズルを含めて綺麗に収納できるとともに、容器本体も箱の内周面との隙間を小さくすることが可能となる。
【0005】
しかし、特許文献1のように、複数の容器を同時に把持し、同時に箱詰めするような装置では、複数の容器を、それぞれノズルの角度を所定の向きに揃えて箱詰めするのは難しい。また、例えば、第1グリッパと第2グリッパのそれぞれを自転可能にし、容器を把持した状態で各グリッパが回転することでノズルの向きを変移させることはできるものの装置の構造が複雑化する。
【0006】
上述した課題はそれぞれ独立したものとして記載しているものであり、本発明は、必ずしも記載した課題の全てを解決できる必要はなく、少なくとも一つの課題が解決できれば良い。またこの課題を解決するための構成についても単独で分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明のロボット箱詰め装置は、(1)ノズル部を備えた物品を2列で搬送する第一搬送装置と、前記物品を収納する上部開口する箱を搬送する第二搬送装置と、前記第一搬送装置上の前記物品を保持するとともに移動して前記第二搬送装置上の前記箱に供給する物品移し替えロボットを備え、前記第一搬送装置は、前記2列のそれぞれの先頭の前記物品の位置を、搬送方向に沿って前後にずらし、前記ノズル部を後ろ向きの状態で待機させるようにし、前記物品移し替えロボットは、搬送面と平行な平面内で回転可能な支持部材と、その支持部材に支持される第一保持部材及び第二保持部材と、前記支持部材を前記第一搬送装置上と前記第二搬送装置上に移動させる移動手段を備え、前記物品移し替えロボットは、前記第一保持部材と前記第二保持部材が前記第一搬送装置上で待機する前記2列の先頭の前記物品をそれぞれ保持し、前記移動手段により前記第一保持部材と前記第二保持部材を前記第二搬送装置上に移動し、その移動途中或いは前記第二搬送装置上で前記支持部材を回転させて前記第一保持部材及び前記第二保持部材を、前記第二搬送装置上で待機する前後の前記箱の上に位置させ、前記第一保持部材及び前記第二保持部材の保持を解除して前記物品をそれぞれの前記箱に供給するようにし、前記支持部材の回転により前記物品の前記ノズル部が、前記箱の角部側に位置するように構成した。
【0008】
このようにすると、例えば物品移し替えロボットが、支持部材を第一搬送装置上の所定位置に移動させると共に、支持部材を回転させることで、第一保持部材と第二保持部材をそれぞれ第一搬送装置上で待機する2列のそれぞれの先頭の物品の上方に位置させ、当該物品を把持することができる。そして、その把持した状態のまま移動手段を動作させると、第一保持部材及び第二保持部材を第二搬送装置上に位置させることができ、さらに適宜のタイミングで支持部材を回転させることで第一保持部材と第二保持部材をそれぞれ第二搬送装置で搬送される異なる箱の上に位置させることができ、把持を解除することで、物品をそれぞれの箱に供給することができる。さらに、第一搬送装置上で待機する物品は、ともに後ろ側を向いているため、上記のように支持部材を回転させると、第一保持部材及び第二保持部材は、物品を保持した状態のまま支持部材の回転中心を中心とする所定の演習場を移動し、それに伴い物品のノズル部の向きも回転し、箱の角部付近に至る。このように、本発明によれば、第一搬送装置上で待機する物品のノズルの向きを後ろ向きにすることで、支持部材の回転により物品移し替えロボットが保持する2の物品のノズル部の向きを変えて箱の角部側に合わせることができる。
【0009】
例えば、ノズル部付きの物品は、ノズル部の先端が物品の容器本体の周縁よりも外に出っ張っているものがあり、そのような物品では箱入れの際にノズル部の向きを合わせるのは重要であるが、本発明では、ノズル部が上流を向いている物品を二個とって、支持部材が回転することで、ノズル部の向きをよい位置にそろえることができる。
【0010】
(2)前記箱は、前記物品を2個並べて収納するものであり、前記第二搬送装置は、前記箱を平面視で横長の状態で搬送するようにし、前記第一保持部材は、前記箱の搬送方向の左側を或いは右側の一方側に保持した前記物品を供給し、前記第二保持部材は、前記第一保持部材と異なる側に保持した前記物品を供給するとよい。このようにすると、簡単な動作・制御で、最終的に2個の物品を箱内の所定位置に供給することができる。
【0011】
(3)前記箱は、前記物品を2個並べて収納するものであり、前記箱の本体の上端開口部における一方の短辺に、中仕切用フラップを設け、前記物品移し替えロボットは、前記箱に対して最初に供給する前記物品は、前記中仕切用フラップを設けた前記短辺側に行うようにし、前記箱内に前記最初の物品を供給した状態で前記中仕切用フラップを折り曲げる折り曲げ手段を備え、前記物品移し替えロボットにより、前記箱に対して2つめの前記物品を供給する際に、その供給する前記物品が前記折り曲げられた前記中仕切用フラップを箱内に押し込むようにするとよい。このようにすると、簡単な動作・制御で、同一の箱内に収納される2個の物品の間に、中仕切用フラップを介在させ、中仕切用フラップ入りの箱を形成できる。
【0012】
(4)前記箱は、前記物品を1個収納するものであり、前記第一保持部材と前記第二保持部材は、前後に並ぶ前記箱にそれぞれ保持した前記物品を供給するとよい。このようにすると、効率よく、1個入りの箱に対し、ノズル部の向きを箱の角部に向けた状態で箱詰め処理を行える。上記の(2),(3)の発明と組み合わせると、例えば第二搬送装置で搬送する箱の種類を変えることで、一個入れと二個入れを許容できる。
【0013】
(5)前記第一搬送装置は、前記物品が移動する経路となる第一通路部及び第二通路部を備え、前記第一通路部と前記第二通路部の搬入口付近に、その上流側から搬送されてくる前記物品をいずれかの通路に振り分ける手段を配置し、前記第一通路部を移動する前記物品の前記ノズル部は、その第一通路部の通路を形成する一対の周壁の少なくとも一方に接触して前記後ろ向きの状態になり、前記第二通路部を移動する前記物品の前記ノズル部は、その第二通路部の通路を形成する一対の周壁の少なくとも一方に接触して前記後ろ向きの状態になるようにし、前記第一通路部と前記第二通路部における前記物品の搬出口の位置を搬送方向に対して前後にずらすようにするとよい。このようにすると、例えば第一通路部及び第二通路部の上流側からノズル部の向きが前向きと後ろ向きでランダムな状態で搬送されてきても、第一通路部と第二通路部から搬出される際には後ろ向きにそろえることができる。
【0014】
(6)前記第一通路部の搬出口或いは前記第二通路部の搬出口で待機する前記物品の前記ノズル部に対し、前記第一搬送装置の搬送方向に対して交差する方向に付勢して前記ノズル部の向きを揃える機能を備えるとよい。このようにすると、ノズル部の向きを精度良くそろえることができ、箱の角部に精度良く向かせることが可能となるので良い。
【0015】
(7)第一搬送装置上の物品を保持するとともに移動して第二搬送装置上の箱に供給する物品移し替えロボットを備え、前記箱は、前記物品を2個並べて収納するものであり、前記箱の本体の上端開口部における一方の短辺に、中仕切用フラップを設け、前記物品移し替えロボットは、搬送面と平行な平面内で回転可能な支持部材と、その支持部材に支持される第一保持部材及び第二保持部材と、前記支持部材を前記第一搬送装置上と前記第二搬送装置上に移動させる移動手段を備え、前記物品移し替えロボットは、前記第一保持部材と前記第二保持部材が前記第一搬送装置上の2つの前記物品をそれぞれ保持し、前記移動手段により前記第一保持部材と前記第二保持部材を前記第二搬送装置上に移動し、その移動途中或いは前記第二搬送装置上で前記支持部材を回転させて前記第一保持部材及び前記第二保持部材を、前記第二搬送装置上で待機する前後の前記箱の上に位置させ、前記第一保持部材及び前記第二保持部材の保持を解除して前記物品をそれぞれの前記箱に供給するようにし、前記物品移し替えロボットは、前記箱に対して最初に供給する前記物品は、前記中仕切用フラップを設けた前記短辺側に行うようにし、前記箱内に前記最初の物品を供給した状態で前記中仕切用フラップを折り曲げる折り曲げ手段を備え、前記物品移し替えロボットにより、前記箱に対して2つめの前記物品を供給する際に、その供給する前記物品が前記折り曲げられた前記中仕切用フラップを箱内に押し込むようにするとよい。このようにすると、箱内に物品を2個並べて収納するものにおいて、2個並びの物品間に中仕切を配置することができるのでよい。
【0016】
(8) 物品を2列で搬送する第一搬送装置と、前記物品を収納する上部開口する箱を搬送する第二搬送装置と、前記第一搬送装置上の前記物品を保持するとともに移動して前記第二搬送装置上の前記箱に供給する物品移し替えロボットを備え、前記第一搬送装置は、前記2列のそれぞれの先頭の前記物品の位置を、搬送方向に沿って前後にずらした状態で待機させるようにし、前記物品移し替えロボットは、搬送面と平行な平面内で回転可能な支持部材と、その支持部材に支持される第一保持部材及び第二保持部材と、前記支持部材を前記第一搬送装置上と前記第二搬送装置上に移動させる移動手段を備え、前記物品移し替えロボットは、前記第一保持部材と前記第二保持部材が前記第一搬送装置上で待機する前記2列の先頭の前記物品をそれぞれ保持し、前記移動手段により前記第一保持部材と前記第二保持部材を前記第二搬送装置上に移動し、その移動途中或いは前記第二搬送装置上で前記支持部材を回転させて前記第一保持部材及び前記第二保持部材を、前記第二搬送装置上で待機する前後の前記箱の上に位置させ、前記第一保持部材及び前記第二保持部材の保持を解除して前記物品をそれぞれの前記箱に供給するようにし、前記第一搬送装置で待機する前記2列のそれぞれの先頭の前記物品の相対位置を変更調整可能に構成し、その相対位置の変更にあわせて前記支持部材に支持される前記第一保持部材及び前記第二保持部材の間隔を異ならせるように構成したことをするとよい。このようにすると、1個入り用の箱と、2個入り用の箱を兼用したロボット箱詰め装置を構成できるのでよい。待機する各先頭の物品の相対位置の変更調整は、搬送方向に沿った方向の距離と、搬送方向に対して直交する方向の距離の少なくとも一方を変えるようにすると良く、特に、ノズル部を備えた物品の場合、両方とも変更できるようにするとより好ましい。係る変更調整に応じて行う第一保持部材及び前記第二保持部材の間隔を異ならせるようにする構成は、例えば、同一の支持部材に取り付ける第一保持部材と第二保持部材の少なくとも一方を支持部材に対して移動可能に構成するようにしたり、予め異なる間隔になるように支持部材に取り付けたものを複数用意し、移動手段に着脱したりするとよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、2個の物品を同時に別々の箱内に供給するに際し、簡単な構成・制御でノズル部をそれぞれの箱の角部付近に向かせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明に係るロボット箱詰め装置の好適な一実施形態を示す平面図である。
【
図2】第一搬送装置上に配置する物品の振り分け・ノズル部の向き揃え機構を示す図である。
【
図4】物品移し替えロボットを示す図(その1)である。
【
図5】物品移し替えロボットを示す図(その2)である。
【
図6】物品移し替えロボットを示す図(その3)である。
【
図7】物品移し替えロボットを示す図(その4)である。
【
図8】箱に供給する際のノズル部の向きを、箱の角付近にする機能を説明図である。
【
図9】中仕切付の箱を形成する機能を説明図である。
【
図10】2個入り用箱に対する箱詰め処理を説明する図である。
【
図11】1個入り用箱に対する箱詰め処理を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の好適な実施形態について図面に基づき、詳細に説明する。なお、本発明は、これに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。
【0020】
図1は、本発明に係るロボット箱詰め装置の好適な一実施形態を示している。本実施形態のロボット箱詰め装置は、物品1を起立姿勢で搬送する第一搬送装置11と、その第一搬送装置11に並列して配置され、箱5を搬送する第二搬送装置12と、第一搬送装置11で搬送される物品1を保持するとともに所定の軌跡で移動し第二搬送装置12上の箱5に供給する物品移し替えロボット13等を備える。
【0021】
箱5に対する箱詰め対象の物品1は、本実施形態では、例えばノズル付容器としている。ノズル付容器は、
図6,
図7,
図10等に示すように、有底で略円筒状の容器本体2と、容器本体2の上方開口部位である首部に装着するキャップ部3と、そのキャップ部3に設け容器本体2に収納した内容物を吐出するためのノズル部4等を備える。
【0022】
第一搬送装置11は、ベルトコンベア14からなる搬送面を有する。物品1は、上流側の装置から第一搬送装置11の搬送面の幅方向の中央付近に順次供給され、ノズル部4の向きがランダムな姿勢で搬送される。搬送面の上方所定位置には、物品1を搬送面の幅方向の中心位置に移動させる左右一対のガイド部16を配置する。
図2に拡大して示すように、ガイド部16は、物品1のキャップ部3に接触する位置に配置され、一対のガイド部16の対向面間の距離は、搬送方向の下流側にいくに従って徐々に短くなり、その最下流端では、キャップ部3の直径とほぼ等しくしている。これにより、搬送面の中央付近を移動する物品1は、左右一対のガイド部16間の領域に進入し、そのまま前進移動すると、物品1のキャップ部3は、一方のガイド部16に接触し、そのガイド部16に沿って斜めに前進移動する。そして、物品1がガイド部16の最下流端に至ると、搬送面の中心位置に位置決めされそのまま搬出される。
【0023】
さらに本形態では、ガイド部16は、物品1のノズル部4に接触可能な位置に配置する。これにより、物品1がガイド部16から搬出される際には、ノズル部4は前方或いは後方の所定角度範囲内を向いた姿勢となる。すなわち、例えばノズル部4の先端がガイド部16に接触すると、物品1の前進移動に伴いノズル部4の先端がガイド部16に沿って搬送面の幅方向の中央側に移動するように物品1が回転する。これにより、物品1がガイド部16から搬出される際には、ノズル部4の先端は、左右一対のガイド部16の最下流端の間を通過することになる。よって、ノズル部4の先端は、容器本体2の前側或いは後側に位置し、搬送方向に対して所定角度範囲内を向いた前向き或いは後ろ向きの姿勢となる。
【0024】
一対のガイド部16の下流端には、それぞれ物品1の移動を案内する二股状に分岐した第一通路部18と第二通路部19を配置する。第一通路部18は搬送方向の左側を進む経路を取り、第二通路部19は搬送方向の右側を進む経路を取る。第一通路部18と第二通路部19の上流端である搬入口は、ガイド部16の搬出口に近接した位置に配置する。第一通路部18と第二通路部19の搬入口近傍には、搬送面と平行な平面内で所定角度範囲内で正逆回転する振り分けプレート20を配置する。この振り分けプレート20は、円盤状の本体20aの外周縁の2箇所に略円弧状に切り欠かれた凹部20bを有する形状からなり、その凹部20bが物品1の容器本体2に接触可能としている。
【0025】
そして、振り分けプレート20は、一方の凹部20bがガイド部16の下流側で当該ガイド部16の搬出口に対向する位置に配置された姿勢で待機する。これにより、ガイド部16から搬出された物品1は、振り分けプレート20の凹部20bに接触して一時停止する。この状態で、振り分けプレート20が時計方向或いは反時計方向に回転すると、凹部20bの位置も回転方向に移動し、それにともない凹部20b内に符合する物品1も追従して移動し、第一通路部18或いは第二通路部19内に供給される。これにより、振り分けプレート20が、時計方向と反時計方向に交互に所定角度回転することで、ガイド部16から前後一列で搬出される物品1は、交互に第一通路部18と第二通路部19に振り分けられる。
【0026】
図2に拡大して示すように、第一通路部18と第二通路部19は、それぞれキャップ部3の直径とほぼ等しい通路幅を有し、ベルトコンベア14から搬送力を受ける物品1は、キャップ部3が接触する第一通路部18或いは第二通路部19に案内され、所定の軌跡で移動する。第一通路部18と第二通路部19は、搬入部位となる上流側は振り分けプレート20の本体20aの外周縁に対応した中心角が略90度の円弧状の区間を有し、当該区間に続いてベルトコンベア14の搬送方向と平行な直線状の区間を有する。第一通路部18の直線状の区間よりも第二通路部19の直線状の区間を長くし、当該第二通路部19の直線状の区間の先端位置を第一通路部18の直線状の区間よりも下流側に位置させる。さらに各直線状の区間の先端の搬出口には、それぞれスターホイール17を配置する。各直線状の区間から搬出された物品1は、それぞれ対応するスターホイール17にて保持されて一時停止する。これにより、第一通路部18と第二通路部19をそれぞれ進む先頭の物品1は、スターホイール17にて一時停止されることから、前後にずれた特定の相対位置関係で待機する。
【0027】
さらに、第一通路部18の通路幅を規定する第一外周壁18aと第一内周壁18bは、キャップ部3の直径とほぼ等しい間隔で平行に配置され、それら第一外周壁18aと第一内周壁18bは、キャップ部3並びにノズル部4に接触可能な高さに配置される。そして、第一外周壁18aは進行方向の左側に配置されるガイド部16に接続され、第一内周壁18bの上流側の先端は、左側に配置されるガイド部16の下流側先端部位の搬送方向下流側に位置する。なお、
図2等に示すように、第一外周壁18aと第一内周壁18bは、その上端同士が第一天板18cで接続された構成となる。
【0028】
同様に、第二通路部19の通路幅を規定する第二外周壁19aと第二内周壁19bは、キャップ部3の直径とほぼ等しい間隔で平行に配置され、それら第二外周壁19aと第二内周壁19bは、キャップ部3並びにノズル部4に接触可能な高さに配置される。そして、第二外周壁19aは進行方向の右側に配置されるガイド部16に接続され、第二内周壁19bの上流側の先端は、左側に配置されるガイド部16の下流側先端部位の搬送方向下流側に位置する。そして、
図2等に示すように、第二外周壁19aと第二内周壁19bは、その上端同士が第二天板19cで接続された構成となる。
【0029】
上記の配置レイアウトをとることで、左右一対のガイド部16間の搬出側の対向面には、第一内周壁18b並びに第二内周壁19bの上流側端部が存在せず、開放状態となる。これにより、例えば
図1,
図2,
図3(a)に示すように、左右一対のガイド部16から搬出されて振り分けプレート20の凹部20b内に位置する物品1が、ノズル部4を前方を向いた姿勢にある状態では、ノズル部4は、第一内周壁18bと第二内周壁19bの間の空間を通りさらに下流側に突出した状態となる。この状態で、振り分けプレート20が所定方向に回転(
図1,
図2,
図3(a)の例では、時計方向に回転)すると、キャップ部3は第一外周壁18aと第一内周壁18b間に案内されて第一通路部18内を移動し、その際にノズル部4は第一内周壁18bの上流端に接触し、ノズル部4の先端が徐々に上流側に移動するように変位する(
図3(b)等参照)。そして、最終的にノズル部4は第一外周壁18aと第一内周壁18bとの間の通路に進入する(
図3(c)等参照)。これにより、第一通路部18内では、物品1はノズル部4が進行方向の後側に向いた姿勢で移動する。同様に、第二通路部19内に移動した物品1は、ノズル部4が第二内周壁19bに接触して向きを変えながら第二通路部19内を移動する(
図3(d)等参照)。
【0030】
一方、ノズル部4が進行方向の後ろを向いた姿勢でガイド部16内を移動する物品1は、ノズル部4が第一外周壁18a或いは第二外周壁19aに接触して向きを変えながら第一通路部18或いは第二通路部19内を移動する(
図3(d)等参照)。よって、第一通路部18並びに第二通路部19内を移動し、スターホイール17にて一時停止される物品1は、ノズル部4が全て進行方向の後側を向いた姿勢に揃う。
【0031】
さらに本実施形態では、天板18c、19cの下流側の端部は、その一部が切り欠いている(
図2等参照)。これによりノズル部4の回転は規制されるが、物品1の取り出し時にノズル部4が天板18c,19cに干渉しない。
【0032】
図4~
図7等に示すように、本形態の物品移し替えロボット13は、ロボットアーム21が水平平面内の所定の領域内を移動するスカラロボットからなり、ロボットアーム21の先端に支持軸22を昇降可能に配置し、その支持軸22の下端に支持軸22と直交する水平平面内で回転する回転機構23を取り付け、その回転機構23に2本の支持ロッド24を介して帯板状の支持部材25を取り付け、支持部材25の両端の下面側に第一保持部材26と第二保持部材27を設ける。第一保持部材26は、開閉する3片の把持爪26aを有し、その把持爪26aが閉じることで物品1のキャップ部3の外周囲を三点支持してしっかり保持する。同様に、第二保持部材27は、開閉する3片の把持爪27aを有し、その把持爪27aが閉じることで物品1のキャップ部3の外周囲を三点支持してしっかり保持する。
【0033】
第一保持部材26と第二保持部材27との距離は、第一通路部18と第二通路部19の下流端側においてそれぞれスターホイール17にて一時停止している物品1間の距離と等しくしている。
【0034】
ロボットアーム21の先端は、第一搬送装置11の第一通路部18と第二通路部19の下流側端付近の上方領域(第一領域)と、第二搬送装置12の例えば箱5への物品供給位置の上方領域(第二領域)の間を行き来するように移動する。そして、第一領域と第二領域の間を移動する際には、支持軸22は上昇位置で保持され、第一保持部材26,第二保持部材27も上昇位置で移動する。一方、ロボットアーム21の先端が第一領域並びに第二領域に至ると、支持軸22は下降移動する。また、下降移動中或いは下降開始前の適宜のタイミングで回転機構23が動作し、支持部材25を水平平面内で所定角度回転させ、第一保持部材26と第二保持部材27を適宜の位置に位置させる。
【0035】
具体的には、第一領域においては、第一保持部材26と第二保持部材27が、第一通路部18と第二通路部19の下流端側においてそれぞれスターホイール17にて一時停止している物品1のそれぞれの上に位置する角度で停止する(
図8(b)等参照)。また、第二領域においては、第一保持部材26と第二保持部材27が保持する物品1をそれぞれ供給する箱5の上に位置する角度で停止する(
図8(a),(c)等参照)。
【0036】
そして、第一領域においては、支持軸22の下降移動に追従して支持部材25ひいては第一保持部材26と第二保持部材27が下降移動し、適宜のタイミングで把持爪26a,27aが開閉してそれぞれが物品1のキャップ部3をつかむ(
図8(b)等参照)。このように2つの物品1を同時に把持した状態で支持軸22が上昇し、ロボットアーム21が旋回してその先端が第二搬送装置12上の第二領域に至る。このとき第二搬送装置12における箱5の搬送は一時停止し、上方開口した箱5は物品供給位置で待機する。また、例えばこのロボットアーム21の先端の移動中或いは第二領域に至った際に、回転機構23が動作し、第一保持部材26と第二保持部材27ひいてはそれらが保持する物品1が、第二搬送装置12上で待機する前後の箱5の所定位置に対向する角度位置にし、その状態で第二領域にある支持軸22を下降移動する。これにより、物品1は、それぞれ箱5内の所定位置に挿入される(
図8(a)等参照)。そして、適宜のタイミングで把持爪26a,27aが開いて物品1に対する保持を解除し、物品1を箱5に供給する。これにより、2個の物品1を、異なる箱5に対してそれぞれ同時に箱詰めする。
【0037】
一方、第二搬送装置12は、バケットコンベアから構成され、搬送方向の前後に配置される一組の前壁部30と後壁部31の間で箱5を挟み込んだ状態で間欠駆動し、当該箱5を間欠搬送する。前壁部30は、第二タイミングベルト34に対して一定間隔毎に複数個を取付け、後壁部31は、第一タイミングベルト33に対して一定間隔毎に複数個を取付ける。そして、第一タイミングベルト33は、第二搬送装置12の搬送方向の前後に配置した第一タイミングプーリ36に掛け渡す。また第二タイミングベルト34は、第二搬送装置12の搬送方向の前後に配置した第二タイミングプーリ37に掛け渡す。前後に配置された第一タイミングプーリ36と第二タイミングプーリ37は、それぞれ同軸に配置され、運転中は第一タイミングプーリ36と第二タイミングプーリ37は同速度で回転する。これにより、第一タイミングベルト33と第二タイミングベルト34は同速度で回転移動し、各ベルトに取り付けられた前壁部30と後壁部31は、相対位置関係すなわち両者間の距離を一定に保ったまま前進移動し、それに伴い前壁部30と後壁部31間に挟まれた箱5を搬送する。また、第一タイミングベルト33と第二タイミングベルト34の相対位置を調整可能としており、前壁部30と後壁部31の間隔を変更することで、異なるサイズの箱5を搬送可能としている。
【0038】
さらに本実施形態は、第二搬送装置12の搬送ラインに近接する所定位置に配置される、第二搬送装置12の前壁部30と後壁部31の間に箱5を供給するカートン供給装置40や、供給された箱5のフラップを折り曲げるフラップ折り曲げ装置41や、フラップを糊付けして箱5を閉じる糊付け装置(図示省略)等を備える。
【0039】
カートン供給装置40は、例えば、シート状に折り畳まれたカートン6を起立させた駒立て状態で貯留するホッパー部45と、そのホッパー部45に貯留された複数のカートン6の先頭から一枚ずつ取り出すカートン取出装置46と、そのカートン取出装置46で取り出された折り畳まれたカートン6を受け取り、カートン取出装置46と協働してカートン6を開いて上部開口する箱5に形成して第二搬送装置12上に供給するカートン受け渡し装置47を備える。
【0040】
カートン取出装置46は、所定の軌跡で移動する支持アーム46aと、その支持アーム46aの先端に取り付けられた第一吸引ノズル46bと、図示省略する支持アーム46aを移動させる機構等を備える。所定の軌跡は、少なくとも水平平面内で反転する区間を有し、
図1中実線で示す第一吸引ノズル46bがホッパー部45内に貯留されるカートン6に対向する状態(第一位置)と、
図1中破線で示す第一吸引ノズル46bが第二搬送装置12の搬送ライン側を向く状態(第二位置)を遷移するように構成する。さらに、本実施形態では、第一位置と第二位置の間で遷移する際に、搬送方向に対して直交方向に前後進移動するようにし、第二位置が第二搬送装置12の搬送ラインの近くにし、第二位置にある第一吸引ノズル46bで吸着保持されたカートン6が搬送ラインの側縁付近で待機するように構成する。
【0041】
カートン受け渡し装置47は、所定の軌跡で移動する支持アーム47aと、その支持アーム47aの先端に取り付けられた第二吸引ノズル47bと、図示省略する支持アーム47aを移動させる機構等を備える。所定の軌跡は、第二吸引ノズル47bが第二搬送装置12の搬送ラインに向いている第一吸引ノズル46bに対して接近離反移動するように搬送ライン上を搬送方向に対して直交する方向に前後進移動する。
【0042】
そして、上記の構成のカートン供給装置40は、カートン取出装置46が、第一位置に位置させた第一吸引ノズル46bでホッパー部45内のカートン6を吸着保持し、その状態のまま第一吸引ノズル46bを第二位置に遷移させ、保持した折り畳まれたカートン6を第二搬送装置12の搬送ライン側に向け、その状態で待機する。次いで、カートン受け渡し装置47が動作し、第二吸引ノズル47bを前進移動させ、待機しているカートン6の所定部位に接触させるとともに吸着する。この第二吸引ノズル47bが吸着する面は、カートン6を開いて形成される箱5における第一吸引ノズル46bが吸着保持している面に対向する面である。
【0043】
カートン取出装置46とカートン受け渡し装置47を相対的に移動して対向する面を離反させる。例えば、カートン受け渡し装置47は、カートン6の所定の面を吸着した第二吸引ノズル47bを、吸着した状態のまま後退移動する。このとき、第一吸引ノズル46bは、第二位置で待機したまま或いは後退移動するとよい。
対向する面が離反したら、カートン取出装置46の第一吸引ノズル46bの吸引を解除し、カートン受け渡し装置47を後退させる。 箱5は第二吸引ノズル47bのみによる保持に切り替える。そして、カートン受け渡し装置47の後退移動ともない、カートン6は、第二搬送装置12であるバケットコンベアのバケット、すなわち、前壁部30と後壁部31の間に進入し、両壁に押し当てて移動することで起函される。つまり、折り畳まれたカートン6が開き、上部開口した有底の箱5が形成され、各箱5が第二搬送装置12の前壁部30と後壁部31の間にセットする。
【0044】
本実施形態では、物品1を箱詰めする対象の箱5は、上方が開口して起立した姿勢で第二搬送装置12上にセットする。さらに、本実施形態で用いる箱5は、物品1を並べて収納する2本入り用のもので、箱5は横長、すなわち搬送方向に対して直交する方向に2個の物品1を供給するようにセットする(
図1,
図10(a)等参照)。
【0045】
本実施形態で用いる箱5は、2本入り用のもので、起立した物品1を2個並べて収納するもので、収納した2個の物品1の間に中仕切を配置可能とするものである。具体的には、
図10等に示すように、上部開口した状態の箱5の本体5aの上端縁に連続して、それぞれフラップを有し、第二搬送装置12を搬送しながらその途中で適宜のフラップを折り曲げることで閉塞した箱5を形成する。一対の短辺のうちの一方(例えば第二搬送装置12の搬送方向の右側で、第一搬送装置11の配置側)に連続するフラップは中仕切用フラップ5bとなり、他方に連続するフラップは外蓋用フラップ5cとなる。また一対の長辺のうちの一方(例えば、第二搬送装置12の搬送方向の後側)のフラップは、内蓋用フラップ5dとなり、他方のフラップは折り曲げることなくディスプレイ用フラップ5eとなる。
【0046】
中仕切用フラップ5bは、本体5aの上端縁の部位から、所定距離離れた位置に当該上端縁と平行な方向に延びる折り癖5hを有し、その折り癖5hよりも先端側の部位が中仕切部5iとなる。所定距離は、箱5の本体5aの長辺の長さの約半分であり、中仕切用フラップ5bを本体5aの上端縁の部位で折り曲げると、折り癖5hまでの部位が本体5a内に収納された1本の物品1の上方を覆うようになる。そして、折り癖5hの部分を山折りにすると、折り癖5hより先端側の中仕切部5iが本体5a内に入り込む。そして、本体5a内に2本の物品1を収納した状態では、当該中仕切部5iが2本の物品1の間に介在し、物品1同士が直接接触することを抑制し、中仕切として機能する。
【0047】
内蓋用フラップ5dは、箱5の本体5aの上方開口部と略同一の矩形状を有し、本体5aの上端縁の部分で折り曲げると、上方開口部を塞ぐように構成する。さらに内蓋用フラップ5dの先端には、差し込みフラップ5gを連続して形成する。内蓋用フラップ5dと差し込みフラップ5gの境界部分を適宜の方向に折り曲げると、内蓋用フラップ5dが本体5aの上方開口部を塞いだ際に、差し込みフラップ5gは本体5a内に収納されるように構成する。
【0048】
外蓋用フラップ5cは、箱5の本体5aの上方開口部と略同一の矩形状を有し、本体5aの上端縁の部分で折り曲げると、上方開口部を塞ぐように構成する。ディスプレイ用フラップ5eは、物品1の商品名や、キャッチコピー等の宣伝・広告その他のデザイン等を印刷しており、外蓋用フラップ5cを閉じた状態でも起立した姿勢で外に露出するように構成する。
【0049】
上述した各フラップは、第二搬送装置12の搬送ラインに沿って適宜配置されるフラップ折り曲げ装置41により順次折り畳まれ、糊付け装置(図示省略)により外蓋用フラップ5cが糊付け固定する。
【0050】
フラップ折り曲げ装置41は、複数の装置から構成され、
図1,
図9等に示すように、上流から順に、上方に向けて起立する各フラップを外に向けて倒すように広げるフラップ開き装置51と、中仕切用フラップ5bの折り癖5hを折り曲げる折り癖付け装置52と、中仕切用フラップ5bを本体5aの上方開口部を覆うように倒す中仕切用フラップ折り曲げ装置53と、内蓋用フラップ5dを本体5aの上方開口部を覆うように倒す内蓋用フラップ折り曲げ装置(図示省略)と、外蓋用フラップ5cを本体5aの上方開口部を覆うように倒す外蓋用フラップ折り曲げ装置(図示省略)等を備える。
【0051】
フラップ開き装置51は、
図9(a)に示すように、角錐台状のプッシャー部材51aと、そのプッシャー部材51aを昇降移動する駆動機構等を備える。プッシャー部材51aは、下方が先細り状に配置し、下側の底面は本体5aの上部開口部よりも小さい寸法形状とし、上側の天面が本体5aの上部開口部よりも大きい寸法形状とする。
【0052】
プッシャー部材51aは、第二搬送装置12で搬送され、一時停止する箱5の上方に位置させ、当該位置で昇降する。
図10(a)に示すように、カートン供給装置40により第二搬送装置12上に供給された箱5は、上部開口し各フラップが本体5aの上端縁からまっすぐ上方に起立した姿勢となる。そして、その上部開口した状態のまま間欠移動し、箱5がプッシャー部材51aの下で一時停止する。その状態でプッシャー部材51aが下降移動し、
図9(a)に示すように、プッシャー部材51aの下方部位が箱5の本体5a内に入り込むと、プッシャー部材51aの側面に案内されて各フラップは上端側が外に移動して、広がる姿勢に遷移する。このように各フラップが外に広がる姿勢となるので、下流側の後行程において物品移し替えロボット13が物品1を箱5内に供給する際に、スムーズに挿入できる。なお、本形態では、プッシャー部材51aは、中仕切用フラップ5b、外蓋用フラップ5c、内蓋用フラップ5d並びにディスプレイ用フラップ5eをそれぞれ外に広がるように折り曲げるが、
図1では図示の便宜上中仕切用フラップ5bと外蓋用フラップ5cのみ折り曲げて外に広がった状態を示し、内蓋用フラップ5d並びにディスプレイ用フラップ5eの図示を省略している。
【0053】
フラップ開き装置51により各フラップが外に開いた姿勢に遷移した箱5は、間欠移動して折り癖付け装置52の設置位置で一時停止する。
図1,
図9(b)等に示すように折り癖付け装置52は、所定位置に固定設置されるL字型の受けプレート52aと、搬送ラインに対して前後進移動可能に配置される第一付勢部材52bと、第一付勢部材52bを往復移動させる駆動機構(図示省略)等を備える。
【0054】
受けプレート52aは、搬送方向に沿って水平に延びる下側片52a′と、その下側片52a′の上流側の一端から上方に延びる連結片52a″とを備え、連結片52a″を所定の機枠に直接または連結部材を介して取り付け固定することで、受けプレート52aを所望位置に所望の姿勢に固定設置する。当該所望の位置・姿勢は、例えば以下のようにすると良い。
【0055】
受けプレート52aは、第二搬送装置12の搬送ラインの搬送方向右側の外側に、当該搬送方向に沿うように配置し、さらに、上方にいくに従って外に位置するように傾斜状に配置する。受けプレート52aの傾斜角度は、プッシャー部材51aの側面の傾斜角度に応じたものとし、プッシャー部材51aで広げられて開いた中仕切用フラップ5bの傾きにあわせている。さらに、L字型の受けプレート52aにおける水平方向に延びる下側片52a′は、その高さ方向の幅が、中仕切用フラップ5bの基端(箱5の本体5aの上端縁)から折り癖5hまでの長さと等しいか若干短く設定する。そして受けプレート52aは、第二搬送装置12により搬送される箱5の中仕切用フラップ5bの内側に位置し、下側片52a′の上端縁が折り癖5hの通過位置と等しいか若干低い位置し、下側片52a′の下端縁が箱5の本体5aの上端縁より上方に位置するように設定する。これにより、第二搬送装置12により搬送される箱5の中仕切用フラップ5bは、受けプレート52aの外側を通過する。さらに、搬送途中の箱5が折り癖付け装置52の設置領域で一時停止した際、中仕切用フラップ5bが、連結片52a″に接触しないようにする。
【0056】
一方、第一付勢部材52bは、その先端が受けプレート52aの下側片52a′の上端縁に近接する領域を通過するように往復移動可能に配置する。そして、第一付勢部材52bの先端が、下側片52a′より外側に離れた位置に待機し、所定のタイミングで第二搬送装置12の搬送ラインに向けて前後進移動する。
【0057】
これにより、折り癖付け装置52の設置領域で箱5が一時停止すると、中仕切用フラップ5bは受けプレート52aの下側片52a′の外側に位置し、中仕切用フラップ5bの外側に第一付勢部材52bが待機した状態となる(
図9(b)等参照)。この状態で第一付勢部材52bが前進移動すると、第一付勢部材52bの先端と、受けプレート52aの下側片52a′の上端縁との間で中仕切用フラップ5bを挟み込み、折り曲げる。箱5の搬送の一時停止中では、中仕切用フラップ5bの折り癖5hが、下側片52a′の上端縁付近に位置しているので、上記の第一付勢部材52bが前進し、その先端が下側片52a′上を通過して搬送ライン側に至ると、中仕切用フラップ5bは、折り癖5hの部位で折り曲げられる(
図9(b)中、二点鎖線参照)。
【0058】
中仕切用フラップ折り曲げ装置53は、搬送ラインに対して前後進移動可能に配置される第二付勢部材53aと、第二付勢部材53aを往復移動させる駆動機構(図示省略)等を備える。第二付勢部材53aは、箱5の本体5aの上端縁と同じから若干高い位置に置いて水平移動し、前進移動時に一時停止中の箱5の中仕切用フラップ5bに接触して本体5aの上部開口部側に付勢する。この付勢力を受けて、中仕切用フラップ5bは、本体5aの上端縁の接続部位から折り曲げられ、本体5aの上部開口部を覆うように変位する(
図9(c-1)等参照)。
【0059】
そして、中仕切用フラップ5bの折り癖5hより先端側の部位である中仕切部5iを本体5aの内部に挿入する処理は、物品1の供給処理と協働して行う。すなわち、上述したように、物品移し替えロボット13は、第一搬送装置11で把持した2個の物品1を、第二搬送装置12上の前後に並ぶ異なる箱5に対してそれぞれ同時に箱詰めする。このとき、搬送方向の後側の箱5には、物品移し替えロボット13側(搬送方向の右側)に供給し、搬送方向の前側の箱5には、物品移し替えロボット13から離れた側(搬送方向の左側)に供給する。そして、係る1回の物品の供給作業が終了すると、第二搬送装置12により箱5が1ピッチ分搬送され、物品移し替えロボット13における物品供給エリアの進行方向の後側にいた箱5は、当該物品供給エリアの進行方向の前側に移動する。よって、次の物品1の供給処理で、当該前側に位置する箱5の物品移し替えロボット13から離れた側(搬送方向の左側)に物品1を供給することで、箱5内に2本の物品1が収納される。
【0060】
そして、上記の物品供給エリアの進行方向の後側には折り癖付け装置52を配置し、物品供給エリアの進行方向の前側には中仕切用フラップ折り曲げ装置53を配置し、それら各装置と物品移し替えロボット13は、以下のように動作し、2個入り用の箱5内に、2本の物品1を収納するとともに、当該2本の物品1の間に中仕切用フラップ5bを配置する。まず、搬送方向の後側の1本目の物品1を収納する箱5に対しては、物品移し替えロボット13が、物品1を箱5の本体5a内に供給した後、折り癖付け装置52が動作し、中仕切用フラップ5bの折り癖5hを折り曲げる。
【0061】
一方、物品供給エリアの進行方向の前側に位置する箱5の本体5a内には、その搬送方向右側に物品1が収納されており、その状態で、まず、中仕切用フラップ折り曲げ装置53が動作し、中仕切用フラップ5bを折り曲げ、本体5aの上部開口部を覆う。これにより、例えば
図9(c-1)に示すように、中仕切用フラップ5bは、折り癖5hの部分で山折り状態で、既に収納されている物品1の上方を覆う。その状態で、物品移し替えロボット13が動作し、箱5の本体5aの開いている空間内に物品1を供給する。このとき、当該空間の上方には、中仕切用フラップ5bの折り癖5hより先端側の中仕切部5iが存在しているので、物品1の箱5の本体5a内の供給に伴い、物品1の底部が中仕切部5iを下方に付勢する。そして、物品1を本体5a内に収納すると、例えば
図9(c-2)に示すように、物品1の下降移動に追従して、折り癖5hで折り曲げられてその先端がわの中仕切部5iが本体5a内に入り込み、物品1間に位置する。これにより、2つの物品1の間に中仕切部5iが介在する状態となる。このように、本形態では、物品移し替えロボット13にて、物品1を箱5内に1本入れた後で中仕切用フラップ5bを閉じ、次の1本の物品1を入れる際に当該中仕切用フラップ5bを押し込み・折り込みながら中仕切付の箱5を形成する。
【0062】
なお、具体的な装置構成並びに動作の説明を省略するが、この中仕切を形成した後、通常のフラップ折り曲げ装置により所定のフラップを折り曲げて箱5を閉塞するとともに、糊付け装置により外蓋用フラップ5cを糊付けして接着し、箱詰め処理を完了する。そして、第二搬送装置12の下流側に配置されたプッシャー式の排出装置60により、物品を収納した箱5を押し出し、下流側の搬送路に排出する。
【0063】
なお、
図10(e)~(k)は、上記の各フラップの折曲げや糊付け作業の工程をしめしており、各図がそれぞれ第二搬送装置12で一時停止する箇所を示しているわけではなく、複数の工程を同一の一時停止する場所で行うようにしてもよい。各工程を簡単に説明すると、
図10(e),(f)は、内蓋用フラップ5dの折り曲げ工程を示しており、同じ一時停止する場所で行われる。また、
図10(g),(h)は、外蓋用フラップ5cの折り曲げ工程を示しており、同じ一時停止する場所(例えば内蓋用フラップの折り曲げ工程を行う場所の一つ下流側の場所)で行われる。
図10(i)は、さらに下流側の所定位置で行われる糊付け工程を示しており、折り曲げられた外蓋用フラップ5cを少しあげて糊を塗布する。その後、
図10(j)に示すように外蓋用フラップ5cを畳むことで、糊付けてして外蓋用フラップ5cを接着固定する。これにより、
図10(k)に示すように2個入りの箱が完成する。
【0064】
また、第一搬送装置11上で待機する前後にずれた2つの物品1は、ともにノズル部4が搬送方向の上流側に向いた姿勢となっており、支持部材25が水平平面内で所定角度回転することで、第一保持部材26と第二保持部材27で保持された物品1は、ノズル部4の向きが当該所定角度回転する。そして、本形態では、支持部材25を所定角度回転することで、箱5の本体5a内に物品1を収納した際、
図1等に示すように、ノズル部4が箱5の本体5aの角部付近に位置する。所定角度は、45度から少しずれた角度とし(
図8(b)と(a))、ノズル部4が角部から少しずれているが箱5の外に突出しない範囲内に位置するように設定する。このようにすることで、矩形の箱5の内寸は、物品1の容器本体2の外径に対してさほど大きくすること無く、ノズル部4を含めて綺麗に収納できるとともに、容器本体2も箱5の内周面との隙間を小さくすることが可能となる。
【0065】
さらに、本形態では、物品移し替えロボット13にて2個の物品1を把持した状態で第一搬送装置11から箱5に移し替えるに際し、例えば第一保持部材26,第二保持部材27をそれぞれ自転させて個々の物品1をそれぞれ回転させてノズル部4の向きを箱5の所定位置に位置させるのではなく、第一保持部材26,第二保持部材27を支持する支持部材25を回転させ、第一保持部材26と第二保持部材27を所定の円周上を移動させることでノズル部4の向きを変更することができる。よって、簡単な構成・制御で、ノズル部4を、箱5の角部付近に位置する状態で箱詰めをすることができる。
【0066】
上述した実施形態では、2個入り用の箱5に対する箱詰めに適用する例を説明したが、本実施形態のロボット箱詰め装置は、1個入り用の箱5′に対する箱詰め処理も行える構成としている(
図11等参照)。すなわち、第一搬送装置11側では、上述した実施形態と同様に、物品1を2列に振り分け、各列の先頭の物品1は、ともにノズル部4が進行方向の後側を向いた姿勢で前後に所定距離を置いた状態で待機する。
【0067】
一方、第二搬送装置12は、1個入り用の箱5′を前壁部30と後壁部31との間で挟み込んで保持した状態で、一列縦隊で間欠搬送する。具体的な図示は省略するが、フラップ開き装置は、一時停止中の箱に対し、上方より所定形状のプッシャー部材を下降移動させ、当該箱の本体の上端縁に連続して形成される各フラップを外に開いた姿勢にする。第二搬送装置12は、そのようにフラップが開いた箱を間欠移動させ、次段の物品供給エリアに移す。物品供給エリアは、前後2個分の箱が一列に並んだ状態で待機する。
【0068】
物品移し替えロボット13は、第一搬送装置11上で待機する2つの物品1をそれぞれ第一保持部材26と第二保持部材27が保持し(
図8(b)等参照)、第二搬送装置12上の物品供給エリアに移動する。この移動中の適宜のタイミングで支持部材25が所定角度(例えば45度)回転し、第二搬送装置12の搬送方向と平行な方向に延びるように遷移する。これにより、第一保持部材26と第二保持部材27は、第二搬送装置12の搬送方向に沿って平行な方向に所定距離をおいて前後に位置する(
図8(c)等参照)。所定距離は、第二搬送装置12上を移動する箱の搬送ピッチに対応する長さとする。これにより、物品移し替えロボット13の第一保持部材26と第二保持部材27で保持するそれぞれの物品1を、物品供給エリアで待機する2個の箱5′内に収納するとともに、保持を解除することで、物品1が箱5′内に供給される。また、例えば支持部材25が45度回転すると、ノズル部4の向きは、搬送方向に対して45度傾斜する方向となり、箱5の角部に位置する状態で箱詰めをすることができる。
【0069】
このように物品1を上部開口する箱5′の本体5′a内に収納した後、適宜のフラップ折り曲げ装置により所定のフラップを折り曲げて箱5′を閉塞するとともに、糊付け装置により外蓋用フラップを糊付けして接着し、箱詰め処理を完了する。
【0070】
上述した実施形態では、第一搬送装置11では、物品1を2列に振り分け、各列の物品1は、ともにノズル部4が進行方向の後側を向いた姿勢となる。図示の例では、すべての物品1のノズル部4は、搬送方向と平行な方向に向いているが、実際には、第一通路部18,第二通路部19の幅の範囲内で揃う。そこで、より精度よく同一方向を向くため、例えば、第一通路部18と第二通路部19の搬出端近傍に、ノズル部4の向きを揃える装置を設けるとよい。係る揃える装置は、例えば、シリンダなどで往復移動するプッシャー部材を備え、そのプッシャー部材でノズル部4を搬送方向に対して交差する方向に付勢し、ノズル部4を第一内周壁18b或いは第一外周壁18aや第二外周壁19a或いは第二内周壁19bに突き当てて向きを揃えたり、さらにはそれら周壁とは別の部材に突き当て揃えたりするとよい。別の部材に突き当て揃える場合は、別の部材を突き当てる側の周壁は、その下流 を短くするか、別の部材が通過可能な孔部を設けるとよい。
【0071】
また上述した実施形態並びに変形例では、物品1はノズル部を備えたものとしたが、例えばノズル部なしの物品の箱詰めに適用してもよい。例えば、中仕切用フラップ5bを備えた2個入り用の箱5に対して箱詰めする際に、上述した実施形態等のように、2個の物品を同時に同じ箱に供給するのではなく、前後の箱に1つずつ供給し、2個目の物品を本体5a内に収納する際に、その物品の底部で中仕切用フラップ5bを折り曲げて箱5の本体5a内に中仕切用フラップ5bの先端部分を収納することで、2つの物品間に中仕切を配置した箱に対して効率よく箱詰め処理ができるのでよい。
【0072】
上述した実施形態では、第一搬送装置11は、単一の装置で構成したが、本発明はこれに限ることはなく、例えば複数の搬送装置を並列配置したものでもよい。この場合、物品1は、異なる種類や、容器本体2の直径が異なるもの、または容器本体2の形状が異なるものでもよい。
【0073】
また、上述したように、本実施形態では、2個入り用の箱5に対する箱詰め処理と、1個入り用の箱5′に対する箱詰め処理も行える構成としたが、いずれか一方の専用の装置とするとよい。兼用にした場合、第一搬送装置11上で待機する2つの物品1の位置すなわちスターホイール17の位置が固定とすると、
図8(b)に示すように、支持部材25が第一搬送装置11の搬送方向に対して所定角度で傾斜している姿勢で第一保持部材26と第二保持部材27でそれぞれの物品1を保持する。そして、2個入り用の箱5に供給するためには、
図8(a)に示すように例えば第一保持部材26が保持する物品1は、箱5の手前側に供給し、第二保持部材27が保持する物品1は、箱5の奥側に供給するようにするため、支持部材25は第二搬送装置12の搬送方向に対して所定角度傾斜した姿勢となる。一方、1個入り用の箱5に供給するためには、
図8(c)に示すように、支持部材25は第二搬送装置12の搬送方向と平行な姿勢となる。よって、
図8(b)に示す第一搬送装置11の搬送方向に対して所定角度で傾斜している支持部材25から、第二搬送装置12で箱5,5′に物品を供給するために当該支持部材25が回転する回転角度は、異なる。そして、その回転角度の相違が、箱5,5′に物品1を供給した際のノズル部4の角度位置に現れる。つまり、仮に、第一搬送装置11上で待機する物品1のノズル部4が、搬送方向で真後ろを向いているとすると、支持部材25が45度回転すると、箱5,5′に収納した物品1のノズル部4は、箱の一つの頂点に正対する。そのため、2個入り用の箱5或いは1個入り用の箱5′のいずれか一方に供給する際に支持部材を45度回転させてノズル部4を箱の頂点を向くようにすると、他方の箱に供給する際には、45度よりもずれてしまいノズル部4を頂点から少しずれた位置を向いて収納されしまう。ノズル部4は、必ずしも箱の角部の先端である頂点を向く必要は無く、頂点から一定の範囲内の角部側を向いていればよいが、頂点を向くようにすると、ノズル部4が箱から飛び出ないようにする際のノズル部4の長さの許容範囲が長くなる。そこで2個入り用の箱5に対する箱詰め処理と、1個入り用の箱5′に対する箱詰め処理のいずれか一方を行う専用の装置とすると、例えば支持部材25が45度回転するように設定することが容易に行えるのでよい。
【0074】
また、上述した実施形態のように第一搬送装置11上で待機する2つの物品1の位置すなわちスターホイール17の位置が固定とした場合、一方の箱に供給する際に支持部材25を45度回転するのではなく、2個入り用の箱5に供給する場合は例えば(45+α)度回転させ、1個入り用の箱5′に供給する場合は例えば(45-β)度回転させるように設定するとよく、αとβが同じにすると特によい。何れの場合も、α,βは正の値である。
【0075】
さらにまた、1個入り用の箱と、2個入り用の箱を兼用したロボット箱詰め装置とした場合、例えば第一搬送装置11で待機する2つの物品1の相対位置を変更調整可能にするとよい。例えば、一方または両方のスターホイール17を搬送方向及びまたは搬送方向に対して直交する方向へ位置調整が可能に構成するとよい。また、係る位置調整により2つの物品1の相対位置が変わることにともない、2つの物品間の距離が変更されることがあり、それに対応するため、第一保持部材26と第二保持部材27の位置関係を調整可能とするとよい。係る調整可能にするためには、例えば、第一保持部材26と第二保持部材27の少なくとも一方を、支持部材25に対して移動可能に取り付けるとよい。移動可能は、例えば支持部材25の取付面にガイドレールを設け、第一保持部材26及びまたは第二保持部材27をガイドレールに沿って移動可能に取り付けるなどするとよい。移動可能に取り付ける保持部材は、一方にすると構成が簡単になるが、好ましくは例えば両方とも移動可能な構成にするとよい。
【0076】
両方とも移動可能な構成にした場合、支持部材25の回転中心から第一保持部材26と第二保持部材27までのそれぞれの距離を等しくすることが容易に行えるのでよい。また、第一保持部材26と第二保持部材27の位置関係の調整は、一つの支持部材に対する第一保持部材26及びまたは第二保持部材27の取付位置を変更するのではなく、支持部材25に取り付けた第一保持部材26と第二保持部材27の間隔が異なるものを複数用意し、ロボットアーム21に対し、アタッチメントのように支持部材25ごと交換するようにすると良い。異なる間隔のものを交換することで、第一保持部材26と第二保持部材27
の支持部材25への取付構造が簡単になるのでよい。
【0077】
例えば、スターホイール17の搬送方向の間隔(条件1)と、スターホイール17の搬送方向に対して直交する方向の間隔(条件2)と、第一保持部材26と第二保持部材27の間隔(条件3)を変更可能にした場合、ノズル部4を備えた物品1の物品移し替えを行う場合の1個入り用箱と、2個入り用箱における各部の具体的な調整は、例えば以下のようにすると良い(下記の「広い」、「狭い」は、1個入りと、2個入りとを比較したときの長さを示す)。
【0078】
1個入り用の場合、条件1:狭い、条件2:広い、条件3:狭い
2個入り用の場合、条件1:広い、条件2:狭い、条件3:広い
なおまた、ノズル部4の向きを箱5,5′の角部に向かせるか否かにかかわらず、本形態のように調整を行わない場合、物品1の容器本体2が箱5,5′の側面に接触し、箱内に供給できないおそれがある。特に、容器本体2の外形寸法と、箱の内寸の差がほぼ無いような状態の場合、
図8(b)と
図8(c)の角度差に伴う物品1の搬送方向の供給位置のずれの影響が無視できず、容器本体2の底が、箱の開口部の縁に接触するおそれがある。よって、1個入り用と2個入り用で兼用する場合、上述したように調整ができるようにすると良い。
【0079】
また、1個入り用と2個入り用の兼用タイプの場合、ノズル部4を備えない物品の箱詰めや、中仕切用フラップ5bを備えないカートン・箱に対する箱詰めに適用してもよい。
【0080】
以上、本発明の様々な側面を実施形態を用いて説明してきたが、これらの実施形態や説明は、本発明の範囲を制限する目的でなされたものではなく、本発明の理解に資するために提供されたものであることを付言しておく。本発明の範囲は、明細書に明示的に説明された構成や製法に限定されるものではなく、本明細書に開示される本発明の様々な側面の組み合わせをも、その範囲に含むものである。本発明のうち、特許を受けようとする構成を、添付の特許請求の範囲に特定したが、現在の処は特許請求の範囲に特定されていない構成であっても、本明細書に開示される構成を、将来的に特許請求する可能性があることを、念のために申し述べる。
【符号の説明】
【0081】
1 :物品
2 :容器本体
3 :キャップ部
4 :ノズル部
5 :箱
5a :本体
5b :中仕切用フラップ
5i :中仕切部
5′ :箱
11 :第一搬送装置
12 :第二搬送装置
13 :物品移し替えロボット
18 :第一通路部
19 :第二通路部
20 :振り分けプレート
21 :ロボットアーム
25 :支持部材
26 :第一保持部材
27 :第二保持部材
41 :フラップ折り曲げ装置
51 :フラップ開き装置
52 :折り癖付け装置
53 :中仕切用フラップ折り曲げ装置