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特許7460215水道メータ位置特定検針システム、水道メータ位置特定検針方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】水道メータ位置特定検針システム、水道メータ位置特定検針方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20240326BHJP
【FI】
G01C21/26 P
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023042268
(22)【出願日】2023-03-16
【審査請求日】2023-08-07
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和4年6月29日、日刊電波新聞に掲載。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和4年9月8日、ウェブサイトhttps://qzss.go.jp/usage/userreport/index.htmlhttps://qzss.go.jp/usage/userreport/kis_220908.htmlにおいて公開。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和4年9月28日、東京ビッグサイトにおいて開催されたN-Plus2022秋で公開。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和4年11月8日、ウェブサイトhttps://www.kis.co.jp/news/水道ナビゲーションシステムのご紹介/https://www.kis.co.jp/solution/public/smart/https://www.kis.co.jp/solution/public/smart-navigation/において公開。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和4年11月7日、日本水道新聞に掲載。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和4年12月8日、G空間EXPO2022(地理空間情報フォーラム2022WEBサイト内)で公開。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504103825
【氏名又は名称】株式会社KIS
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【弁理士】
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】西村 泰徳
【審査官】佐々木 佳祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-100087(JP,A)
【文献】特開2001-258079(JP,A)
【文献】特開2009-252002(JP,A)
【文献】特開2002-290318(JP,A)
【文献】特開2000-286989(JP,A)
【文献】特開2021-144566(JP,A)
【文献】特開2015-002432(JP,A)
【文献】特開2014-052380(JP,A)
【文献】特開2013-101013(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00-25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水道メータの位置を特定し検針を行うための水道メータ位置特定検針システムであって、
一つ乃至複数のナビゲーション衛星および前記ナビゲーション衛星に関する補強信号を放送する補助衛星から測位される、水道メータおよびユーザの位置情報を少なくとも取得する取得部と、
取得した前記位置情報から前記ユーザを前記水道メータの敷設位置に誘導する誘導部と、
前記水道メータの検針情報を入力する入力部と、
入力した前記検針情報と取得した前記位置情報を少なくとも出力する出力部と、
を備える水道メータ位置特定検針システム。
【請求項2】
前記水道メータおよび前記ユーザの前記位置情報と、入力した前記検針情報とを少なくとも送受信する通信部を備える請求項1に記載の水道メータ位置特定検針システム。
【請求項3】
前記誘導部は、誘導時に前記水道メータの敷設位置付近の近景および遠景を少なくとも表示する請求項1に記載の水道メータ位置特定検針システム。
【請求項4】
前記取得部は、前記水道メータの前記検針情報を入力する度に入力時の位置情報を取得し、前記水道メータの前記位置情報を補正する請求項1に記載の水道メータ位置特定検針システム。
【請求項5】
前記水道メータの敷設位置付近の近景および遠景を撮影する撮影部をさらに備え、前記撮影部は、撮影位置の位置情報と、撮影した画像および映像と、前記水道メータの前記位置情報とを関連付ける請求項1に記載の水道メータ位置特定検針システム。
【請求項6】
前記水道メータに前記ユーザを誘導し検針を行うための作業端末と、前記作業端末と通信可能に接続されたコンピュータとを備える請求項1乃至5の何れか1項に記載の水道メータ位置特定検針システム。
【請求項7】
前記作業端末と通信可能に接続される前記位置情報を取得するための測位補助端末をさらに備える請求項6に記載の水道メータ位置特定検針システム。
【請求項8】
記補助衛星は、少なくとも準天頂衛星「みちびき」(登録商標)である請求項1に記載の水道メータ位置特定検針システム。
【請求項9】
水道メータの位置特定と検針を行う水道メータ位置特定検針方法であって、
一つ乃至複数のナビゲーション衛星および前記ナビゲーション衛星に関する補強信号を放送する補助衛星から測位される、水道メータおよびユーザの位置情報を少なくとも取得する取得ステップと、
取得した前記位置情報から前記ユーザを前記水道メータの敷設位置に誘導する誘導ステップと、
前記水道メータの検針情報を入力する入力ステップと、
入力した前記検針情報と取得した前記位置情報を少なくとも出力する出力ステップと、
を備える水道メータ位置特定検針方法。
【請求項10】
水道メータの位置特定と検針を行う水道メータ位置特定検針システムに、
一つ乃至複数のナビゲーション衛星および前記ナビゲーション衛星に関する補強信号を放送する補助衛星から測位される、水道メータおよびユーザの位置情報を少なくとも取得する取得ステップと、
取得した前記位置情報から前記ユーザを前記水道メータの敷設位置に誘導する誘導ステップと、
前記水道メータの検針情報を入力する入力ステップと、
入力した前記検針情報と取得した前記位置情報を少なくとも出力する出力ステップと、
を実行させるためのコンピュータ読取り可能なプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水道メータ位置特定検針システム、水道メータ位置特定検針方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
令和元年の水道法改正により、水道施設台帳の整備が義務付けられた(水道法第22条の3)ことにより、水道施設の末端となる水道メータの種類、設置位置の整備対応が求められている。
【0003】
現状の水道メータの位置は、施設時の設計図等の図面を元に管理されており、図面等も主に紙媒体であるため、紛失や登録誤りや変更時の記載不備など十分な確度と言い難い。
さらに、水道メータ設置敷地内でも、例えば家屋裏や物陰などの敷地入り口から視認し辛い箇所に水道メータが埋設されている場合があり、現場ごとの検針員のみが正確な位置を認識していることも少なくない。そのため、検針員が専任化し全体で効率良く検針を行えない問題がある。
そのため、現場で水道メータの位置を正確かつ迅速に把握し、効率的に検針を行う技術が求められている。
【0004】
水道メータの位置特定および効率的な検針のため、無線通信機能を付加した水道メータを設置して現場付近で遠隔検針を行う技術が提供されている(特許文献1)。
他には、対象とするメータに小型発振器(ビーコン)を取り付け、ビーコンを利用した設置位置特定および検針結果を現場付近で行う技術が提供されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2021―12169号公報
【文献】特開2019―100785号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載の技術では、地中に埋設されていて、かつ電波等を妨げやすい部材で保護されている場合が多い水道メータにおいて、水道メータに取り付けた通信機能を十分に機能させるために、交換が必要な電源やより強力な通信機器を要することで設置場所が限定され、効率的な検針運用を行うことは難しい。
【0007】
そこで、本発明は、これらの課題に鑑み、検針時にGPSと補強電波(L1S)を用いて水道メータのより正確な位置を把握できるとともに、前記水道メータの敷設位置まで誘導することによって、効率的な検針を行うことが可能となるとともに、引き継ぎによる前任の現地同行も不要とし、より効率的に検針を行える水道メータ位置特定検針システム、水道メータ位置特定検針方法、およびプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0009】
第1の特徴に係る発明は、水道メータの位置を特定し検針を行うための水道メータ位置特定検針システムであって、
一つ乃至複数のナビゲーション衛星および前記ナビゲーション衛星に関する補強信号を放送する補助衛星から測位される、水道メータおよびユーザの位置情報を少なくとも取得する取得部と、
取得した前記位置情報から前記ユーザを前記水道メータ敷設位置に誘導する誘導部と、
前記水道メータの検針情報を入力する入力部と、
入力した前記検針情報と取得した前記位置情報を少なくとも出力する出力部と、
を備える水道メータ位置特定検針システムを提供する。
【0010】
第1の特徴に係る発明によれば、水道メータ位置特定検針システムにおいて、
一つ乃至複数のナビゲーション衛星および前記ナビゲーション衛星に関する補強信号を放送する補助衛星から測位される、水道メータおよびユーザの位置情報を少なくとも取得する取得部と、
取得した前記位置情報から前記ユーザを前記水道メータ敷設位置に誘導する誘導部と、
前記水道メータの検針情報を入力する入力部と、
入力した前記検針情報と取得した前記位置情報を少なくとも出力する出力部と、を備える。
【0011】
第1の特徴に係る発明は、水道メータ位置特定検針システムのカテゴリであるが水道メータ位置特定検針方法、およびプログラムであっても同様の作用、効果を奏する。
【0012】
第2の特徴に係る発明は、第1の特徴に係る発明である水道メータ位置特定検針システムであって、前記水道メータおよび前記ユーザの前記位置情報と、入力した前記検針情報とを少なくとも送受信する通信部を備える水道メータ位置特定検針システムを提供する。
【0013】
第2の特徴に係る発明によれば、水道メータ位置特定検針システムにおいて、前記水道メータおよび前記ユーザの前記位置情報と、入力した前記検針情報とを、後述する通信可能に接続されたコンピュータおよびまたは測位補助端末と少なくとも送受信する通信部を備える。
【0014】
第3の特徴に係る発明は、第1の特徴に係る発明である水道メータ位置特定検針システムであって、前記誘導部は、誘導時に前記水道メータ敷設位置付近の近景および遠景を少なくとも表示する水道メータ位置特定検針システムを提供する。
【0015】
第3の特徴に係る発明によれば、水道メータ位置特定検針システムにおいて、前記誘導部は、誘導時に前記水道メータ敷設位置付近の近景および遠景を少なくとも表示する。
【0016】
第4の特徴に係る発明は、第1の特徴に係る発明である水道メータ位置特定検針システムであって、前記取得部は、前記水道メータの前記検針情報を入力する度に入力時の前記位置情報を取得し、前記水道メータ敷設位置情報を補正する水道メータ位置特定検針システムを提供する。
【0017】
第4の特徴に係る発明によれば、水道メータ位置特定検針システムにおいて、前記取得部は、前記水道メータの前記検針情報を入力する度に入力時の前記位置情報を取得し、前記水道メータ敷設位置情報を補正する。
【0018】
第5の特徴に係る発明は、第1の特徴に係る発明である水道メータ位置特定検針システムであって、前記水道メータ敷設位置付近の近景および遠景を撮影する撮影部をさらに備え、前記撮影部は、撮影位置の位置情報と、撮影した画像および映像と、前記水道メータの前記位置情報とを関連付ける水道メータ位置特定検針システムを提供する。
【0019】
第5の特徴に係る発明によれば、水道メータ位置特定検針システムにおいて、前記水道メータ敷設位置付近の近景および遠景を撮影する撮影部をさらに備え、前記撮影部は、撮影位置の位置情報と、撮影した画像および映像と、前記水道メータの前記位置情報とを関連付ける。
【0020】
第6の特徴に係る発明は、第1乃至第5の何れか一つの特徴に係る発明である水道メータ位置特定検針システムであって、前記水道メータに前記ユーザを誘導し検針を行うための作業端末と、前記作業端末と通信可能に接続されたコンピュータとを備える水道メータ位置特定検針システムを提供する。
【0021】
第6の特徴に係る発明によれば、水道メータ位置特定検針システムにおいて、前記水道メータに前記ユーザを誘導し検針を行うための作業端末と、前記作業端末と通信可能に接続されたコンピュータとを備える。
【0022】
第7の特徴に係る発明は、第5の特徴に係る発明である水道メータ位置特定検針システムであって、前記作業端末と通信可能に接続される前記位置情報を取得するための前記測位補助端末をさらに備える水道メータ位置特定検針システムを提供する。
【0023】
第7の特徴に係る発明によれば、水道メータ位置特定検針システムにおいて、前記作業端末と通信可能に接続される前記位置情報を取得するための前記測位補助端末をさらに備える。
【0024】
第8の特徴に係る発明は、第1の特徴に係る発明である水道メータ位置特定検針システムであって、前記補助衛星は、準天頂衛星「みちびき」(登録商標)を用いて測位される水道メータ位置特定検針システムを提供する。
【0025】
第8の特徴に係る発明によれば、水道メータ位置特定検針システムにおいて、前記補助衛星は、少なくとも準天頂衛星「みちびき」(登録商標)である
【0026】
第9の特徴に係る発明は、水道メータ位置特定検針システムにおいて、
一つ乃至複数のナビゲーション衛星および前記ナビゲーション衛星に関する補強信号を放送する補助衛星から測位される、水道メータおよびユーザの位置情報を少なくとも取得する取得ステップと、
取得した前記位置情報から前記ユーザを前記水道メータ敷設位置に誘導する誘導ステップと、
前記水道メータの検針情報を入力する入力ステップと、
入力した前記検針情報と取得した前記位置情報を少なくとも出力する出力ステップと、
を備える水道メータ位置特定検針方法を提供する。
【0027】
第10の特徴に係る発明は、水道メータの位置特定と検針を行う水道メータ位置特定検針システムにおいて、
一つ乃至複数のナビゲーション衛星および前記ナビゲーション衛星に関する補強信号を放送する補助衛星から測位される、水道メータおよびユーザの位置情報を少なくとも取得する取得ステップと、
取得した前記位置情報から前記ユーザを前記水道メータ敷設位置に誘導する誘導ステップと、
前記水道メータの検針情報を入力する入力ステップと、
入力した前記検針情報と取得した前記位置情報を少なくとも出力する出力ステップと、
を実行させるためのコンピュータ読取り可能なプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、水道メータのより正確な位置を把握できるとともに、前記水道メータ敷設位置まで誘導することによって、引き継ぎ等に前任の同行が不要となることでより効率的な検針運用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の実施形態に係る水道メータ位置特定検針システムの基本概念および基本構成を説明する図である。
図2】本発明の実施形態に係る水道メータ位置特定検針システムの位置特定誘導処理フローを示す図である。
図3】本発明の実施形態に係る水道メータ位置特定検針システムが出力する位置特定誘導処理の一例を示すイメージ図である。
図4】本発明の実施形態に係る水道メータ位置特定検針システムの誘導補助処理フローを示す図である。
図5】本発明の実施形態に係る水道メータ位置特定検針システムが出力する誘導補助処理の一例を示すイメージ図である。
図6】本発明の実施形態に係る水道メータ位置特定検針システムの誘導補助向上処理の構成を示す図である。
図7】本発明の実施形態に係る水道メータ位置特定検針システム1の誘導補助向上処理フローを示す図である。
図8】本発明の実施形態に係る水道メータ位置特定検針システム1の検針処理フローを示す図である。
図9】本発明の実施形態に係る水道メータ位置特定検針システム1が出力する検針処理の一例を示すイメージ図である。
図10】本発明の実施形態に係る水道メータ位置特定検針システム1が出力する一覧表示の一例を示すイメージ図である。
図11】本発明の実施形態に係る水道メータ位置特定検針システム1の水道メータ位置情報の補正処理フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。以降の図においては、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号または符号を付している。
【0031】
[基本概念/基本構成]
図1は、本発明の実施形態に係る水道メータ位置特定検針システムの基本概念および基本構成を説明するための図である。
【0032】
図1に示すように、本発明の実施形態に係る水道メータ位置特定検針システム1は、
水道メータ2とユーザ3の位置情報を少なくとも取得する取得部301と、
取得した前記位置情報である水道メータ位置情報10とユーザ位置情報11とからユーザ3を水道メータ2に誘導する誘導部302と、
ユーザ3が誘導された水道メータ2の検針情報12を入力する入力部303と、
入力した検針情報12と取得した前記位置情報を少なくとも出力する出力部304と、から構成される。
【0033】
本発明の実施形態に係る水道メータ位置特定検針システム1は、上述した構成に加え
水道メータ2とユーザ3の位置情報である水道メータ位置情報10とユーザ位置情報11と入力された検針情報12とを、ネットワーク7を介した、測位補助端末6と作業端末8間、およびまたは作業端末8とコンピュータ9間、で少なくとも送受信する通信部305を更に備える。
【0034】
ここで、水道メータ位置特定検針システム1の水道メータ位置情報10およびユーザ位置情報11とは、緯度経度情報を少なくとも含む情報を示し、水道メータ位置特定検針システム1の検針情報12とは、水道メータ2が示す累積流量を少なくとも含む情報を示す。
【0035】
図1に示すように、水道メータ位置特定検針システム1のユーザ位置情報11は、GNSS用の航法信号を放送する一つ乃至複数のナビゲーション衛星4あるいは一つ乃至複数のナビゲーション衛星4および前記ナビゲーション衛星に関する補強信号を放送する補助衛星5と、測位機能を有する測位補助端末6とから測位される。
【0036】
水道メータ位置特定検針システム1のナビゲーション衛星4およびまたは補助衛星5として少なくとも準天頂衛星「みちびき」(登録商標)を用いてよい。
【0037】
ここで、ユーザ位置情報11の測位は、作業端末8が測位機能を有していれば、測位補助端末6を介さず、一つ乃至複数のナビゲーション衛星4あるいは一つ乃至複数のナビゲーション衛星4および補助衛星5と、測位機能を有する作業端末8とから測位されてよい。
【0038】
水道メータ位置特定検針システム1の測位補助端末6は、例えば、測位機能と通信機能を有したスマートウォッチやタブレット端末等の電子デバイスであってよい。
【0039】
水道メータ位置特定検針システム1の作業端末8は、例えば、測位機能と有したスマートフォンやタブレット端末等の電子デバイスであってよく、コンピュータ9は、例えば、オンプレミスサーバやオンプレミスコンピューティングシステム、またはクラウドサーバやクラウドコンピューティングシステムであって、本実施形態では、クラウドコンピューティングシステムである。
【0040】
ここで、水道メータ位置特定検針システム1の測位補助端末6、作業端末8、コンピュータ9は、ネットワーク7で通信可能に接続されていれば、それぞれ1つ乃至複数あってよい。また、ネットワーク7は例えば、Bluetooth(登録商標)やWi―Fi(登録商標)等の無線通信環境に限定されず、それぞれにUSBケーブル等のインターフェースを用いて物理的に接続されてもよい。
【0041】
水道メータ位置特定検針システム1の作業端末8は、制御部200として、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、等と、他の端末や装置等と通信可能にするためのデバイス、例えば、Wi―Fi対応デバイス等と、を少なくとも備え、記憶部210として、半導体メモリ、記録媒体、メモリカード等によるデータのストレージ部を備える。ストレージ部はネットワーク通信可能な外部に存在してもよい。
【0042】
水道メータ位置特定検針システム1の作業端末8において、制御部200が所定のプログラムを読み込むことにより、記憶部210と協働して、取得部301、誘導部302、入力部303、出力部304、通信部305、を実現する。
【0043】
水道メータ位置特定検針システム1のコンピュータ9は、CPU、GPU、RAM、ROM、等と、通信部として他の端末や装置等と通信可能にするためのデバイス、例えば、Wi―Fi対応デバイス等と、を少なくとも備え、記憶部として半導体メモリ、記録媒体、メモリカード等によるデータのストレージ部を備える。ストレージ部はネットワーク通信可能な外部に存在してもよい。
【0044】
以上が水道メータ位置特定検針システム1の基本概念および基本構成である。
【0045】
以下、水道メータ位置特定検針システム1の基本概念および基本構成を基に本発明の実施形態を更に詳しく説明する。
【0046】
[位置特定誘導処理]
図2は、本発明の実施形態に係る水道メータ位置特定検針システム1の位置特定誘導処理フローを示す図である。図3は、本発明の実施形態に係る水道メータ位置特定検針システム1が出力する位置特定誘導処理の一例を示すイメージ図である。図1図2および図3に基づいて、水道メータ位置特定検針システム1が実現する位置特定誘導処理について説明する。
【0047】
図1に示した水道メータ位置特定検針システム1の取得部301は、図2に示すように、作業端末8の記憶部210に予め保存された、およびまたは作業端末8とネットワーク7で通信可能に接続されたコンピュータ9の記憶部(非図示)に予め保存された水道メータ位置情報10を取得する(ステップS401)。
【0048】
さらに、図1に示した水道メータ位置特定検針システム1の取得部301は、図2に示すように、ナビゲーション衛星4と、補助衛星5と、測位補助端末6とによって測位されたユーザ位置情報11を取得する(ステップS402)。
【0049】
次に、図2および図3左に示すように取得した水道メータ位置情報10から、ユーザ3が目的とする水道メータ2を選択する(ステップS403)。
【0050】
図2および図3右に示すように、水道メータ位置特定検針システム1の誘導部302は、ユーザ3が選択した水道メータ2の水道メータ位置情報10と、取得したユーザ3のユーザ位置情報11と、からユーザ3を選択した水道メータ2に誘導する(ステップS404)。
【0051】
ここで、誘導部302は図3右に示すように、例えば、常時取得するユーザ位置情報11からユーザ3のユーザ位置を中心とした拡大縮小自在に表示可能なナビゲーションマップを表示し、水道メータ位置情報10を基にユーザ3を目的とする水道メータ2に誘導してよい。
【0052】
以上の位置特定誘導処理によって、ユーザ3を目的とする水道メータ2に誘導することが可能となる。
【0053】
なお、このような水道メータ位置特定検針システム1であれば、地震などの災害による水道管損傷時、即ち、地震等でインターネット等のネットワークや、電源が使用不可能で、当該水道メータの周囲に倒壊が発生している場合においても、携帯電子端末である作業端末8であれば、ナビゲーション衛星4などを用いて測位することで、迅速に当該水道メータに誘導でき、前記水道管の損傷箇所の絞り込みが可能となる。
【0054】
[誘導補助処理]
図4は、本発明の実施形態に係る水道メータ位置特定検針システム1の誘導補助処理フローを示す図である。図5は、本発明の実施形態に係る水道メータ位置特定検針システム1が出力する誘導補助処理の一例を示すイメージ図である。水道メータ位置特定検針システム1が実現する誘導補助処理について、図4および図5に基づいて説明する。
【0055】
水道メータ位置特定検針システム1の誘導補助処理において、取得部301は水道メータ位置情報10として遠景情報13および近景情報14を少なくとも取得する(ステップS405)。
【0056】
上述した水道メータ位置特定検針システム1の位置特定誘導処理において、ユーザ3を目的とする水道メータ2に誘導する際、誘導部302は誘導補助処理において、取得した遠景情報13および近景情報14を少なくとも出力し表示する(ステップS406)。
【0057】
ここで、取得した遠景情報13および近景情報14は、例えば、目的とする水道メータ2の周辺にある目印となる設置物から水道メータ2までの映像や、目印のテキスト情報、前記目印となる設置物の画像や水道メータ2が収められているメータボックスの画像などであってよく、形式および個数は限定されない。
【0058】
図5に示すように、水道メータ位置特定検針システム1の誘導補助処理において、取得した遠景情報13および近景情報14を少なくとも表示することにより、ユーザ3が目視で目的とする水道メータ2の周辺状況を確認でき、より効率的に誘導することが可能となる。
【0059】
以上が、誘導補助処理である。
【0060】
[誘導補助向上処理]
図6は、本発明の実施形態に係る水道メータ位置特定検針システム1の誘導補助向上処理の構成を示す図である。図7は、本発明の実施形態に係る水道メータ位置特定検針システム1の誘導補助向上処理フローを示す図である。水道メータ位置特定検針システム1が実現する誘導補助向上処理について、図6および図7に基づいて説明する。
【0061】
図6に示すように、本発明の実施形態に係る水道メータ位置特定検針システム1は、
水道メータ位置情報10と撮影位置情報15とを少なくとも取得する取得部301と、
水道メータ敷設位置付近の遠景情報13および近景情報14を撮影し、撮影した遠景情報13および近景情報14と、少なくとも取得した水道メータ位置情報10および撮影位置情報15とを関連付ける撮影部306と、
関連付けた情報を送受信する通信部305と、から構成される。
【0062】
水道メータ位置特定検針システム1の誘導補助向上処理における作業端末8は、カメラ機能を備えている例えば、スマートフォンやタブレット端末等の電子デバイスであってよい。
【0063】
水道メータ位置特定検針システム1の作業端末8において、制御部200が所定のプログラムを読み込むことにより、記憶部210と協働して、撮影部306を実現する。
【0064】
図7に示すように、ユーザが作業端末8のカメラ機能を用いて水道メータ2敷設付近の遠景及び近景を撮影する(ステップS407)。
【0065】
水道メータ位置特定検針システム1の取得部301は、撮影部306により前記撮影毎にユーザ位置情報11を撮影位置情報15として取得する(ステップS408)。
【0066】
次に、水道メータ位置特定検針システム1の撮影部306は、撮影した遠景及び近景と取得した撮影位置情報15とを関連付けて遠景情報13及び近景情報14として、取得した水道メータ位置情報10と関連付ける(ステップS409)。
【0067】
ここで、関連付けた遠景情報13、近景情報14、水道メータ位置情報10は、作業端末8の記憶部210に保存してよく、通信部305によって作業端末8とネットワーク7を介して通信可能に接続されたコンピュータ9の記憶部(非図示)に保存してよい。
【0068】
以上が、誘導補助向上処理である。水道メータ位置特定検針システム1の誘導補助向上処理によって、上述した誘導補助処理の精度が向上し、より効率的に当該水道メータへの誘導を効率化することが可能となる。
【0069】
[検針処理]
図8は、本発明の実施形態に係る水道メータ位置特定検針システム1の検針処理フローを示す図である。図9は、本発明の実施形態に係る水道メータ位置特定検針システム1が出力する検針処理の一例を示すイメージ図である。図10は、本発明の実施形態に係る水道メータ位置特定検針システム1が出力する一覧表示の一例を示すイメージ図である。水道メータ位置特定検針システム1が実現する検針処理について、図8図9および図10に基づいて説明する。
【0070】
図8に示すように、ユーザ3は検針を行う水道メータ2の敷設箇所で水道メータ位置情報10を取得する(ステップS410)。
【0071】
ここで、上述した水道メータ位置特定検針システム1の位置特定誘導処理において、誘導時に目的とする水道メータ2の水道メータ位置情報10を取得している場合は、本行程を省略してよい。
【0072】
次に、図9に示すように、ユーザ3は検針を行う水道メータ2の検針情報12を確認し、検針情報12を入力する(ステップS411)。
【0073】
ここで、水道メータ位置特定検針システム1の入力部303は、入力された検針情報12を検針入力情報16として受け付け、取得部301は、ユーザ位置情報11を取得する(ステップS412)。
【0074】
次に、水道メータ位置特定検針システム1の入力部303は、取得した水道メータ位置情報10と、検針入力情報16と、入力時に取得したユーザ位置情報を関連付ける(ステップS413)。
【0075】
次に、水道メータ位置特定検針システム1の出力部304は、図10に示すように水道情報17と、関連付けた水道メータ位置情報10と、関連付けた検針入力情報16と、を少なくとも出力する(ステップS414)。
【0076】
ここで、水道情報17とは、水道メータ2の認識番号である水栓番号と、特定範囲内の各水道メータ2を検針するための順路毎に設定された検針順路番号と、水道メータ2が取り付けられている住所を示す設備住所と、水道メータ2が接続された水道の使用者を示す使用者名と、取り付けられた水道メータ2の種別、番号、口径、検定有効期限と、を少なくとも含む。
【0077】
なお、出力される情報は、例えば、水道事業に携わる各自治体や施設などが管理する、厚生労働省基準の水道施設台帳や統合型GISに準じた形式で出力してよく、同様に検針結果である検針入力情報16も当該施設に応じた形式で出力して良い。
【0078】
また、前記出力される情報は、水道メータ位置特定検針システム1を利用するユーザおよび利用者によって項目を任意に選択してもよい。
【0079】
水道情報17、関連付けた水道メータ位置情報10、検針入力情報16および当該情報は、作業端末8の記憶部210に保存してよく、通信部305によって作業端末8とネットワーク7を介して通信可能に接続されたコンピュータ9の記憶部(非図示)に保存してよい。
【0080】
以上が検針処理である。水道メータ位置特定検針システム1の検針処理によって、ユーザ3の検針時に、当該水道メータ2の水道情報17として、検針結果である検針入力情報16と検診した位置の情報となる水道メータ位置情報10とを関連付けて記録することが可能となり、任意の台帳等の形式で表示することも可能となる。
【0081】
[水道メータ位置情報の補正処理]
図11は、本発明の実施形態に係る水道メータ位置特定検針システム1の水道メータ位置情報の補正処理フローを示す図である。水道メータ位置特定検針システム1が実現する水道メータ位置情報の補正処理について、図11に基づいて説明する。
【0082】
図11に示すように、水道メータ位置特定検針システム1の取得部301は、上述した検針処理において関連付けられた水道メータ位置情報10と、検針入力情報16と、ユーザ位置情報11とを取得し、取得した各々の情報から水道メータ位置情報10を補正する
(ステップS414)。
【0083】
なお、検針時を含むユーザ位置情報の測位において、一つ乃至複数のナビゲーション衛星4および補助衛星5を用いても数メートルの誤差は生じる。準天頂衛星「みちびき」を用いることで測位精度は向上するが、誤差をなくすことは困難である。
定期的に行われる検診時において都度当該水道メータの位置情報を測位し、当該水道メータの位置情報を蓄積し関連付けることで位置情報の精度向上が可能となる。
【0084】
上述した位置情報の精度向上は、例えば、蓄積した当該水道メータの位置情報から、使用する衛星の予想誤差範囲を閾値として設定し、蓄積した当該水道メータの位置情報の平均値または中央値を当該水道メータの水道メータ位置情報10として設定し、更新し続けることで位置情報の精度を向上してもよい。
【0085】
以上が水道メータ位置情報の補正処理である。
【0086】
このような水道メータ位置特定検針システム1によれば、検針時にナビゲーション衛星4や補助衛星5によるGPSと補強電波を用いて、水道メータ2のより正確な位置を把握できるとともに、水道メータ2敷設位置までユーザ3を誘導することによって、効率的な検針を行うことが可能となるとともに、引き継ぎによる前任の現地同行も不要とし、より効率的に検針を行うことが可能となる。
【0087】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0088】
1 水道メータ位置特定検針システム
2 水道メータ
3 ユーザ
4 ナビゲーション衛星
5 補助衛星
6 測位補助端末
7 ネットワーク
8 作業端末
9 コンピュータ
10 水道メータ位置情報
11 ユーザ位置情報
12 検針情報
13 遠景情報
14 近景情報
15 撮影位置情報
16 検針入力情報
17 水道情報

【要約】
【課題】検針時にGPSと補強電波(L1S)を用いて水道メータのより正確な位置を把握できるとともに、前記水道メータの敷設位置まで誘導することによって、効率的な検針を行うことが可能となるとともに、引き継ぎによる前任の現地同行も不要とし、より効率的に検針を行える水道メータ位置特定検針システム、水道メータ位置特定検針方法、およびプログラムを提供する。
【解決手段】水道メータ位置特定検針システムにおいて、水道メータ2およびユーザ3の位置情報を少なくとも取得する取得部301と、取得した前記位置情報から前記ユーザを前記水道メータ敷設位置に誘導する誘導部302と、前記水道メータの検針情報を入力する入力部303と、入力した前記検針情報と取得した前記位置情報を少なくとも出力する出力部304と、を備える。
【選択図】図1

図1
図2
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図4
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図6
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図9
図10
図11