IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社千悠社の特許一覧

<>
  • 特許-情報処理装置および情報処理プログラム 図1
  • 特許-情報処理装置および情報処理プログラム 図2
  • 特許-情報処理装置および情報処理プログラム 図3
  • 特許-情報処理装置および情報処理プログラム 図4
  • 特許-情報処理装置および情報処理プログラム 図5
  • 特許-情報処理装置および情報処理プログラム 図6
  • 特許-情報処理装置および情報処理プログラム 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】情報処理装置および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0201 20230101AFI20240326BHJP
   G06Q 10/101 20230101ALI20240326BHJP
   G06Q 50/04 20120101ALI20240326BHJP
【FI】
G06Q30/0201
G06Q10/101
G06Q50/04
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023134452
(22)【出願日】2023-08-22
【審査請求日】2023-08-23
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521540601
【氏名又は名称】株式会社千悠社
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【弁理士】
【氏名又は名称】南瀬 透
(74)【代理人】
【識別番号】100219483
【弁理士】
【氏名又は名称】宇野 智也
(72)【発明者】
【氏名】千原 悠聖
【審査官】久宗 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-189879(JP,A)
【文献】特許第4361235(JP,B2)
【文献】特開2003-331107(JP,A)
【文献】特開2002-092293(JP,A)
【文献】特開2020-091869(JP,A)
【文献】特開2006-330788(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0273380(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
消費者に商品を販売する売り手と、前記売り手に商品を供給する供給者と、を仲介する情報処理装置であって、
前記売り手に関する情報と、前記供給者に関する情報と、前記売り手と前記供給者との間で売買される商品に関する情報と、が記憶される記憶手段と、
前記売り手の端末に、前記供給者が販売している商品に対する要望が入力される第1の入力フォームと、前記供給者の端末に、売り手の要望に基づいて提案された企画段階における商品の写真および説明が入力される第2の入力フォームと、を表示させる表示手段と、
前記第1の入力フォームに入力され、前記売り手の端末から送信された情報を現行商品要望情報として前記記憶手段に記憶させ、かつ、前記第2の入力フォームに入力され、前記供給者の端末から送信された情報を提案情報として前記記憶手段に記憶させる制御手段と、を有し、
前記表示手段は、前記記憶手段に記憶された前記現行商品要望情報に基づいて、要望があった商品を販売している前記供給者の端末に、当該商品に対する前記売り手の要望を表示させ、かつ、前記記憶手段に記憶された前記提案情報に基づいて、前記売り手の端末に、前記供給者が売り手の要望に基づいて提案した企画段階における商品の写真および説明を表示させる
情報処理装置。
【請求項2】
前記表示手段は、前記売り手の端末に、前記提案情報に基づいた企画段階における商品に対する要望が入力される第3の入力フォームを表示させ、
前記記憶手段は、前記第3の入力フォームに入力され、前記売り手の端末から送信された情報を企画商品要望情報として前記記憶手段に記憶し、
前記表示手段は、前記記憶手段に記憶された前記企画商品要望情報に基づいて、要望があった企画段階における商品を提案した前記供給者の端末に、当該商品に対する前記売り手の要望を表示させる
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
コンピュータを、請求項1または2に記載の情報処理装置として動作させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置および情報処理プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、BtoB(Business-to-Business)などの電子商取引が一般的に行われている。例えば、量販店やドラッグストア、ホームセンターなど商品を販売する売り手(バイヤー)と、このような売り手に商品を供給する各種メーカーなどの供給者(サプライヤー)とが、インターネットを介して商取引を行うことが一般化している。
【0003】
ここで、電子商取引に関する発明として、例えば特許文献1に記載のものがある。
特許文献1には、取引の処理の状態に関する必要な情報を迅速に提供することを目的とした取引支援システムが記載されている。この取引支援システムは、電子商取引電子商取引の内容を示す情報である電子商取引情報を記憶している電子商取引情報記憶部と、電子商取引に関する情報を表示するための画面構成を示す情報であって、取引主体と、ユーザに対して表示しうる電子商取引の処理状態に関する情報とが対応付けて記録されている画面構成情報を記憶する画面構成情報記憶部と、取引主体の情報を取得する取引主体情報取得部と、取引主体が実行する電子商取引に関する電子商取引情報を取得する電子商取引情報取得部と、取得した取引主体の情報、および取得した電子商取引情報に応じて、取引主体の情報を用いて画面構成情報を参照して、取得した取引主体に対応した電子商取引の処理状態を示した画面を構成するための情報を生成して出力する処理状態出力部と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-142562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来からプライベートブランド商品といった、低価格で販売することやオリジナリティを持たせることなどを目的として、従来は商品の開発や製造を行なわない業態の小売店などが、独自に企画・開発を手がけて展開する自主企画商品がある。
【0006】
そのため、インターネットを通じて行われる売り手と供給者との商取引においても、プライベートブランド商品を販売したいと要望している売り手が存在する。そして、このような要望に対応すべく、供給者が、企画レベル・アイデアレベルの商品を提案したり、売り手が、商品に関する要望を出したりして、積極的な商品の企画・開発を実現することが求められている。
【0007】
よって、本発明は、インターネットを通じて行われる売り手と供給者との商取引において、積極的な商品の企画・開発を実現し得る情報処理装置などを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る情報処理装置は、商品を販売する売り手と、売り手に商品を供給する供給者と、を仲介する情報処理装置であって、売り手に関する情報と、供給者に関する情報と、売り手と供給者との間で売買される商品に関する情報と、が記憶される記憶手段と、供給者の端末に、企画段階における商品の写真および説明が入力される入力フォームを表示させる表示手段と、当該入力フォームに入力され、供給者の端末から送信された情報を提案情報として記憶手段に記憶させる制御手段と、を有し、表示手段は、記憶手段に記憶された提案情報に基づいて、売り手の端末に、供給者が提案した企画段階における商品の写真および説明を表示させる。
【0009】
これにより、供給者が、端末に表示された入力フォームに企画段階における商品の写真および説明を入力して情報処理装置へ送信すると、情報処理装置は、当該入力フォームに入力された情報を記憶手段に記憶すると共に、売り手の端末に任意のタイミングで、供給者が提案した企画段階における商品の写真および説明を表示させる。
【0010】
また、表示手段は、売り手の端末に、供給者が販売している商品に対する要望が入力される入力フォームを表示させ、記憶手段は、当該入力フォームに入力され、売り手の端末から送信された情報を現行商品要望情報として記憶手段に記憶し、表示手段は、記憶手段に記憶された現行商品要望情報に基づいて、要望があった商品を販売している供給者の端末に、当該商品に対する売り手の要望を表示させることが望ましい。
【0011】
これにより、売り手が、端末に表示された入力フォームに現行商品要望情報を入力して情報処理装置へ送信すると、情報処理装置は、当該入力フォームに入力された情報を記憶手段に記憶すると共に、要望があった商品を販売している供給者の端末に任意のタイミングで、当該商品に対する売り手の要望を表示させる。
【0012】
なお、表示手段は、売り手の端末に、提案情報に基づいた企画段階における商品に対する要望が入力される入力フォームを表示させ、記憶手段は、当該入力フォームに入力され、売り手の端末から送信された情報を企画商品要望情報として記憶手段に記憶し、表示手段は、記憶手段に記憶された企画商品要望情報に基づいて、要望があった企画段階における商品を提案した供給者の端末に、当該商品に対する売り手の要望を表示させることが望ましい。
【0013】
これにより、売り手が、端末に表示された入力フォームに企画商品要望情報を入力して情報処理装置へ送信すると、情報処理装置は、当該入力フォームに入力された情報を記憶手段に記憶すると共に、要望があった企画段階における商品を提案した供給者の端末に任意のタイミングで、当該商品に対する売り手の要望を表示させる。
【0014】
一方、本発明に係る情報処理プログラムは、コンピュータを、これらの機能を有する情報処理装置として動作させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る情報処理装置は、かかる構成により、供給者が、端末に表示された入力フォームに企画段階における商品の写真および説明を入力して情報処理装置へ送信すると、情報処理装置は、当該入力フォームに入力された情報を記憶手段に記憶すると共に、売り手の端末に任意のタイミングで、供給者が提案した企画段階における商品の写真および説明を表示させるため、売り手は端末を用いて、供給者から投稿された企画商品(提案情報)を、説明文や画像などで分かりやすく確認することができ。よって、供給者は企画レベル・アイデアレベルの商品であっても、形のある提案情報として多くの売り手が容易に閲覧することができる環境に投げ込むことができ、売り手の反応を見ることができるため、本発明に係る情報処理装置は、インターネットを通じて行われる売り手と供給者との商取引において、積極的な商品の企画・開発を実現し得ることができる。
【0016】
また、情報処理装置は、記憶手段に記憶された現行商品要望情報に基づいて、要望があった商品を販売している供給者の端末に、当該商品に対する売り手の要望を表示させる構成により、要望があった商品を販売している供給者の端末に任意のタイミングで、当該商品に対する売り手の要望を表示させることができるため、供給者は売り手がどのような商品を欲しがっているのかを、迅速かつ容易に把握することができる。そして、供給者は現行商品を改良したり、「目玉商品」や「尖った商品」など売り手の要望に応えるべく、既存の考えに捉われない斬新な商品を提案したりすることができる。
【0017】
なお、情報処理装置は、記憶手段に記憶された企画商品要望情報に基づいて、要望があった企画段階における商品を提案した供給者の端末に、当該商品に対する売り手の要望を表示させる構成により、要望があった企画段階における商品を提案した供給者の端末に任意のタイミングで、当該商品に対する売り手の要望を表示させたりすることができるため、供給者は、売り手から投稿された企画商品に対する要望を、説明文や画像、またはチャットなどで分かりやすく確認(把握)することができ、売り手の要望に基づいた企画商品の改良を迅速に行ったり、企画商品を販売できるレベルのものに迅速に近付けたりすることができる。
【0018】
一方、本発明に係る情報処理プログラムによれば、本発明に係る情報処理装置と同様の作用効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施の形態に係る情報処理システムの概略構成図および本発明の実施の形態に係る情報処理装置の概略機能ブロック図である。
図2】企画商品に関する売り手、供給者、および情報処理装置のやり取りを示すシーケンス図である。
図3】現行商品に関する要望に関する売り手、供給者、および情報処理装置のやり取りを示すシーケンス図である。
図4】企画商品に対する売り手、供給者、および情報処理装置のやり取りを示すシーケンス図である。
図5】(A)は、売り手が所有する端末に表示されるメイン画面の一例を示す図であり、(B)は、供給者が所有する端末に表示されるメイン画面の一例を示す図である。
図6】供給者が所有する端末に表示される入力フォームの一例を示す図であり、(A)は商品を登録する例を示す図、(B)は企画商品を登録する例を示す図である。
図7】売り手が所有する端末に表示される入力フォームの一例を示す図であり、(A)は現行商品に関する要望を入力する例を示す図、(B)は企画商品に対する要望を入力する例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に本発明の実施形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を変更しない限り、以下の内容に限定されない。また、本説明において、売り手を単にバイヤーと、供給者を単にサプライヤーということもある。
【0021】
[情報処理システム]
本発明の実施の形態に係る情報処理システム100(以下、「本システム100」ということもある)は、図1に示すように、情報処理装置10、およびバイヤーが所有する端末20とサプライヤーが所有する端末30とを含む。これらはネットワーク通信網Nを介して、相互に通信可能である。なお、詳細には、本システム100は複数のバイヤーがそれぞれ所有する複数の端末20と、複数のサプライヤーがそれぞれ所有する複数の端末30を含む。
【0022】
本システム100において、バイヤーは例えばスーパーマーケットやコンビニなどの量販店、ドラッグストア、ホームセンター、個人商店など商品を販売する企業である。また、サプライヤーは例えば商品を企画・開発・製造する各種メーカーなどである。
【0023】
サプライヤーにより製造された商品はバイヤーに供給され、バイヤーの店舗から消費者に販売される。情報処理装置10は、商品を販売するバイヤーと、バイヤーに商品を供給するサプライヤーと、を仲介するものである。
【0024】
[端末]
端末20はバイヤーが所有する端末であり、例えばパソコンやスマートフォン、タブレットなどである。端末20は、通信手段201、記憶手段202、入力手段203を有する。
【0025】
通信手段201は、ネットワーク通信網Nと有線または無線で繋がり、各種データを情報処理装置10へ送信したり各種データを情報処理装置10から受信したりして、情報処理装置10と通信を行う機能である。
【0026】
記憶手段202は、端末20が備えているメモリやストレージなどである。
【0027】
また、入力手段203は、タッチパネルやキーボード、マウスなど、端末20が備えているディスプレイ画面などに表示された入力欄やチェックボックスなどに文字や数字、チェックなどを入力する機能である。なお、入力手段203により、端末20の記憶手段202に記憶されている写真や動画などを入力(選択)することができる。
【0028】
一方、端末30はサプライヤーが所有する端末であり、端末20と同様にパソコンやスマートフォン、タブレットなどである。また、端末30は、端末20の通信手段201、記憶手段202、入力手段203と同等の機能である通信手段301、記憶手段302、入力手段303を有する。
【0029】
また、端末20,30として、ブラウザ機能(Google ChromeやSafariなど)を有するパソコンやスマートフォンなどを用いることができる。そして、ブラウザ機能を用いて、情報処理装置10から受信した各種データに基づく内容を表示させたり、表示された内容(例えば、入力フォーム)に回答を入力したりすることができる。
若しくは、端末20,30に本システム100専用のアプリケーションをインストールして、当該アプリケーションにより、情報処理装置10と各種データのやり取りを行うこともできる。
【0030】
なお、端末20であるか端末30であるか(バイヤーが所有する端末であるか、それともサプライヤーが所有する端末であるか)は、情報処理装置10が端末に表示させるログイン画面からログインした際のアカウント情報により識別される。
【0031】
[情報処理装置]
情報処理装置10は、いわばオンプレミス型やクラウド型のサーバであり、通信手段101、記憶手段102、表示手段103、制御手段104を有する。
【0032】
通信手段101は、ネットワーク通信網Nと有線または無線で繋がり、各種データを端末20,30へ送信したり各種データを端末20,30から受信したりして、端末20,30と通信を行う機能である。
【0033】
記憶手段102は、メモリやデータベースなどであり、情報処理装置1が動作するためのプログラムや、バイヤーに関する情報、サプライヤーに関する情報、商品に関する情報、および後述する端末20,30から送信された各種情報などが記憶される。
【0034】
バイヤー、サプライヤーに関する情報とは、会社名、住所、電話番号、メールアドレス、年商、従業員数、主な取り扱い商品のカテゴリー、登記登録本、代表者および担当者に関する情報などである。
また、商品に関する情報とは、商品名や商品の説明、商品の画像(画像、動画)、価格などである。
【0035】
表示手段103は、記憶手段102に記憶された情報や入力フォームの雛形などを参照して、これらを端末20,30に送信することで、端末20,30の画面に各種情報や入力フォームなどを表示させる機能である。
なお、制御手段1034、情報処理装置10の各種制御を行う。例えば、端末20,30から入力フォームに入力された情報(入力内容)を記憶手段102に記憶させる。
【0036】
[本システムの流れ]
以下、図1および図2~7を参照して、バイヤーやサプライヤーが本システムを利用する流れについて説明する。
(1.企画商品の提案)
図2に示すように、まず、サプライヤーが端末30により、情報処理装置10に対して企画段階における商品(本説明において、単に企画商品ということもある)に関する提案入力フォームの表示要求を送信すると(ステップS101)、情報処理装置10は、端末30へその応答として入力フォームを返信する(ステップS102)。
【0037】
この時、サプライヤーは、端末30に表示されたメイン画面(図5(B)参照)の任意のボタン(例えば、「商品」の「商談中(企画商品)」)を押下することにより、情報処理装置10に対して企画商品に関する提案入力フォームの表示要求を送信することができる。
【0038】
そして、サプライヤーが端末30に表示された当該入力フォームに必要な情報を入力して情報処理装置10へ送信し(ステップS103)、情報処理装置10がこの情報を提案情報として記憶手段102に記憶することで、企画商品(提案情報)の登録がなされる。
【0039】
なお、図6(B)は企画商品を登録する入力フォームの一例を示す図であるが、このように、企画商品を登録するための情報として、商品名や商品の説明文、商品のカテゴリー、および商品の画像(写真、動画)の入力が必要となる。もちろん、企画商品を説明するための情報であれば、これ以外にも適宜追加することができる。例えば、PB(プライベートブランド)対応条件に関する欄を設けて、サプライヤーはこの欄にプライベートブランド商品として取り扱う場合に希望する条件(例えば、最低発注数やパッケージなどの価格)を入力することができる。また、各入力情報の必要性(必須/任意)も適宜変更することができる。
【0040】
企画商品が情報処理装置10に登録された後、バイヤーが所有する端末20から企画商品の表示要求が送信されると(ステップS201)、情報処理装置10はその応答として、記憶手段102に記憶されている提案情報を参照し、当該情報を端末20へ返信する(ステップS202)。
【0041】
バイヤーは、情報処理装置10が有する既知の商品検索機能で企画商品を検索(例えば、情報処理装置10の記憶手段102に記憶されている全商品のうち、「企画商品」で絞った検索)し、ヒットした企画商品について、企画商品の表示要求を送信することができる。若しくは、サプライヤーは、ダイレクトメールやチャットなど既知の通知手段により、任意のタイミング(例えば、端末30から企画商品を投稿したタイミング)で、特定のバイヤーに対して企画商品(提案情報)を通知することもできる。このような通知処理は、端末30から企画商品が投稿されたタイミングを契機に、情報処理装置10の表示手段103や制御手段104が行うこともできる。
なお、表示手段103は、企画商品(提案情報)をバイヤーが所有する端末20に表示させる際、例えば「商品名:[企画商品]くまのぬいぐるみ」など、表示されている商品は企画商品であることがバイヤーなどに分かるように表示させる。
【0042】
このように、バイヤーは端末20で、サプライヤーから投稿された企画商品(提案情報)を、説明文や画像などで分かりやすく確認することができる。よって、サプライヤーは企画レベル・アイデアレベルの商品であっても、形のある提案情報として多くのバイヤーが閲覧することができる環境に投げ込むことができ、バイヤーの反応を見ることができる。
【0043】
なお、サプライヤーは、企画商品以外に、実際に販売する商品を情報処理装置10に登録することもできる(図6(A)参照)。よって、最終版として実際に大量生産が決まった商品と、企画段階であり、今後改良が重ねられる可能性がある企画商品と、を分けて情報処理装置10に登録することができる。
【0044】
(2.現行商品への要望)
図3は、現行商品に関する要望に関するバイヤー(バイヤーが所有する端末20)、サプライヤー(サプライヤーが所有する端末30)、および情報処理装置10のやり取りを示すシーケンス図である。図3に示すように、バイヤーは端末20から情報処理装置10に登録され、既に販売されている商品(本説明において、単に現行商品ということもある)の情報を閲覧することができる(ステップS301,302)。
【0045】
そして、バイヤーは、現行商品に関する要望がある場合は、その旨をサプライヤーに伝えることができる。具体的には、バイヤーは端末20に表示されたメイン画面(図5(A)参照)の任意のボタン(例えば、「リクエスト」の「掲載中(現行商品)」)を押下することにより、情報処理装置10に対して現行商品に関する要望入力フォームの表示要求を送信する(ステップS401)。
【0046】
これに対して、情報処理装置10は、端末20へその応答として入力フォームを返信する(ステップS402)。
【0047】
そして、バイヤーが端末20に表示された当該入力フォームに必要な情報を入力して情報処理装置10へ送信し(ステップS403)、情報処理装置10がこの情報を現行商品要望情報として記憶手段102に記憶することで、現行商品に関する要望の登録がなされる。
【0048】
その後、サプライヤーが所有する端末30(30A)から現行商品に関する要望の表示要求が送信されると(ステップS501)、情報処理装置10はその応答として、記憶手段102に記憶されている現行商品要望情報を参照し、当該情報を端末30(30A)へ返信する(ステップS502)。
【0049】
なお、現行商品に関する要望とは、例えば「目玉商品が欲しい」や「尖った商品が欲しい」といったざっくりとした要望、「この商品の味が違うバージョンが欲しい、色が違うバージョンが欲しい、飲みきれるまたは食べきれるように容量を減らしたバージョンが欲しい」といった細かい要望など、バイヤーが求める様々な商品の内容である。
【0050】
また、図7(A)は現行商品に関する要望を入力(登録)する入力フォームの一例を示す図であるが、このように、要望を登録するための情報として、商品名および要望の入力が必要となる。もちろん、バイヤーからの要望を適切に伝えるための情報を、この入力フォームに適宜追加することができる。
【0051】
この時、現行商品に関する要望は1つの商品に対して出されるため、当該商品を販売しているサプライヤーのみ(例えば、端末30Aを所有するサプライヤーのみ)が、この要望を閲覧することができる。
【0052】
このように、サプライヤーは端末30で、バイヤーから投稿された現行商品に関する要望を、説明文や画像などで分かりやすく確認することができる。よって、サプライヤーはバイヤーがどのような商品を欲しがっているのかを、迅速かつ容易に把握することができる。そして、サプライヤーは現行商品を改良したり、「目玉商品」や「尖った商品」などの要望に応えるべく、既存の考えに捉われない斬新な商品を提案したりすることができる。
【0053】
特に、前述したようにサプライヤーは企画レベル・アイデアレベルの商品を提案情報として投稿することができるため、「目玉商品」や「尖った商品」などの要望にマッチした、荒削りながらも斬新な商品を迅速に提案することができる。
【0054】
(3.企画商品への要望)
図4は、企画商品に対する要望に関するバイヤー(バイヤーが所有する端末20)、サプライヤー(サプライヤーが所有する端末30)、および情報処理装置10のやり取りを示すシーケンス図である。現行商品への要望と同様に、バイヤーは企画商品に対しても要望を投稿することができる。
【0055】
前述したように、バイヤーは端末20から情報処理装置10に登録されている企画商品(提案情報)を閲覧することができる(ステップS201,202)。
【0056】
そして、バイヤーは、企画商品に対する要望がある場合は、その旨をサプライヤーに伝えることができる。具体的には、バイヤーは端末20に表示されたメイン画面(図5(A)参照)の任意のボタン(例えば、「リクエスト」の「商談中(企画商品)」)を押下することにより、情報処理装置10に対して企画商品に対する要望入力フォームの表示要求を送信することができる(ステップS601)。
【0057】
これに対して、情報処理装置10は、端末20へその応答として入力フォームを返信する(ステップS602)。
【0058】
そして、バイヤーが端末20に表示された当該入力フォームに必要な情報を入力して情報処理装置10へ送信し(ステップS603)、情報処理装置10がこの情報を企画商品要望情報として記憶手段102に記憶することで、企画商品に関する要望の登録がなされる。
【0059】
その後、サプライヤーが所有する端末30(30A)から企画商品に関する要望の表示要求が送信されると(ステップS701)、情報処理装置10はその応答として、記憶手段102に記憶されている企画商品要望情報を参照し、当該情報を端末30(30A)へ返信する(ステップS702)。
【0060】
なお、企画商品に関する要望とは、例えば「(商品が食料や飲料であれば)この成分を足して欲しい」や「パッケージを変えて欲しい」といった要望などである。
【0061】
また、図7(B)は企画商品に関する要望を入力(登録)する入力フォームの一例を示す図であるが、このように、要望を登録するための情報として、企画商品名および要望の入力が必要となる。もちろん、バイヤーからの要望を適切に伝えるための情報を、この入力フォームに適宜追加することができる。
【0062】
このように、サプライヤーは端末30で、現行商品に関する要望と同様に、バイヤーから投稿された企画商品に対する要望を、説明文や画像、またはチャットなどで分かりやすく確認(把握)することができるため、バイヤーの要望に基づいた企画商品の改良を迅速に行うことができる。
【0063】
つまり、バイヤーとサプライヤーはお互いの要望をざっくばらんに交換することができる。この際、入力フォームとしてチャット形式を採用して、数多くの要望を迅速に交換することで、企画商品を販売できるレベルのものに迅速に近付けることができる。
もちろん、現行商品に関しても、チャット形式のやり取りを採用して、バイヤーとサプライヤーとのお互いの要望を迅速に交換することができる。
【0064】
特に、企画商品は企画レベル・アイデアレベルの商品であり、いわば詳細内容が固まっていない商品であるため、企画商品をバイヤーたちの目にさらした後、その反応を迅速に得て、ブラッシュアップを図ることが求められる。
【0065】
以上のように説明した本システム100や情報処理装置10などは、本発明に係る情報処理システムや情報処理装置などを例示するものであり、本発明の趣旨を逸脱しない限り、本発明の構成は例示したものに限定されない。
例えば、端末20,30に表示させる各画面のレイアウトや表示内容は、適宜設計変更することができる。また、どの画面のどのボタンからどの処理へ飛ぶのか、またはページ遷移などの構成も適宜設計変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、インターネットを通じて行われる売り手と供給者との商取引において、積極的な商品の企画・開発を実現し得る情報処理装置などを提供することができるため、産業上有用である。
【符号の説明】
【0067】
10 情報処理装置
101 通信手段
102 記憶手段
103 表示手段
104 制御手段
20,20A,20B バイヤーが所有する端末
201 通信手段
202 記憶手段
203 入力手段
30,30A,30B サプライヤーが所有する端末
301 通信手段
302 記憶手段
303 入力手段
100 情報処理システム
N ネットワーク通信網
【要約】
【課題】インターネットを通じて行われる売り手と供給者との商取引において、積極的な商品の企画・開発を実現し得る情報処理装置などを提供する。
【解決手段】情報処理装置10は、売り手と、売り手に商品を供給する供給者と、を仲介する情報処理装置10であって、売り手に関する情報と、供給者に関する情報と、売り手と供給者との間で売買される商品に関する情報と、が記憶される記憶手段102と、供給者の端末30に、企画段階における商品の写真および説明が入力される入力フォームを表示させる表示手段103と、供給者の端末30から送信された、当該入力フォームに入力された情報を提案情報として記憶手段に記憶させる制御手段104と、を有し、表示手段103は、記憶手段102に記憶された提案情報に基づいて、売り手の端末20に、供給者が提案した企画段階における商品の写真および説明を表示させる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7