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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】ゲーム用カードおよびカードゲーム
(51)【国際特許分類】
   A63F 1/02 20060101AFI20240326BHJP
   A63F 1/06 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
A63F1/02 A
A63F1/02 J
A63F1/06 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023189959
(22)【出願日】2023-11-07
【審査請求日】2023-11-07
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512139249
【氏名又は名称】株式会社バンピーファクトリー
(74)【代理人】
【識別番号】100166279
【弁理士】
【氏名又は名称】前渋 正治
(72)【発明者】
【氏名】漆原 貴之
【審査官】金子 和孝
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-283995(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 1/02
A63F 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長方形でかつ四つ角が丸められたゲーム用カードであって、
前記四つ角にそれぞれ対応して設けられた数値表示部と、
前記数値表示部に表示された数値の大きさに応じた長さの帯状の図形が表示される数値ゲージ表示部と、
カードに応じて設定されたランクを示すカードランク表示部と、
カードに応じたイラストが表示されるイラスト表示部とを含み、
前記数値表示部に表示される数値の合計値は、前記カードランク表示部において示されるカードのランクに応じた値であり、
前記数値ゲージ表示部に表示される帯状の図形は、対応している前記数値表示部が設けられている前記四つ角において、前記角を構成する二辺に前記帯状の図形の長さ方向が沿うようにそれぞれ2つずつ設けられるとともに、その長さの起点がカードの端であることを特徴とするゲーム用カード。
【請求項2】
前記数値表示部に表示される数値の最大値をN、前記長方形の短辺の長さをL、前記四つ角が丸められた状態のアールの半径をrとすると、L/2N>rが満たされることを特徴とする請求項1に記載のゲーム用カード。
【請求項3】
前記数値ゲージ表示部は、前記数値表示部に表示された数値の大きさに応じた長さの帯状の図形に加えて、前記帯状の図形と前記帯状の図形における帯が沿う辺との間の隙間として枠が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のゲーム用カード。
【請求項4】
前記枠の隙間の幅は、前記数値表示部に表示される数値の単位に相当する前記数値ゲージ表示部の帯の長さの半分以下であることを特徴とする請求項3に記載のゲーム用カード。
【請求項5】
前記数値表示部は、予め定められた複数種類の色のいずれかが付されていることを特徴とする請求項1に記載のゲーム用カード
【請求項6】
長方形でかつ四つ角が丸められたゲーム用カード及び前記ゲーム用カードが配置されるゲームシートを含むカードゲームであって、
前記ゲーム用カードは、
前記四つ角にそれぞれ対応して設けられた数値表示部と、
前記数値表示部に表示された数値の大きさに応じた長さの帯状の図形が表示される数値ゲージ表示部と、
カードに応じて設定されたランクを示すカードランク表示部と、
カードに応じたイラストが表示されるイラスト表示部とを含み、
前記ゲームシートは、
前記長方形に応じた大きさのマスが複数行及び複数列の行列状に配置されたカード配置マスを含み、
前記数値表示部に表示される数値の合計値は、前記カードランク表示部において示されるカードのランクに応じた値であり、
前記数値ゲージ表示部に表示される帯状の図形は、対応している前記数値表示部が設けられている前記四つ角において、前記角を構成する二辺に前記帯状の図形の長さ方向が沿うようにそれぞれ2つずつ設けられるとともに、その長さの起点がカードの端であり、
前記カード配置マスにおいて隣り合って配置されたカード同士の優劣を決定する際に、前記カード配置マスの行列の格子点のうち、互いに隣り合うカードの両方が接している格子点に注目し、前記ゲーム用カードに含まれる数値表示部のうち、注目した前記格子点に近接する数値表示部に表示された数値の比較により隣り合って配置されたカード同士の優劣を決定することを特徴とするカードゲーム。
【請求項7】
前記数値表示部は、予め定められた複数種類の色のいずれかが付されており、
前記ゲームシートは、前記カード配置マスの行列の格子点のうち少なくとも一部に、前記複数種類の色のいずれかが付された属性マークを含み、
前記カード配置マスにおいて隣り合って配置されたカード同士の優劣を決定する際に、注目した前記格子点に近接する数値表示部に付された色と、注目した前記格子点に付された属性マークの色との関係に応じてカード同士の優劣を変化させることを特徴とする請求項6に記載のカードゲーム。
【請求項8】
前記カード配置マスにおいて隣り合って配置されたカード同士の優劣を決定する際に、注目した前記格子点に近接する数値表示部に付された色と、注目した前記格子点に付された属性マークの色とが一致している場合に、その数値表示部に表示された数値に追加点を付与することを特徴とする請求項7に記載のカードゲーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム用カードおよびカードゲームに関する。
【背景技術】
【0002】
カードを用いて遊ぶゲームが様々に提案されて提供されている。一般的に普及しているトレーディングカードゲームとしては、カード面にキャラクター等が描かれ、そのキャラクターの能力として設定された数値がゲーム上の能力値、強さとして用いられることが多い。
【0003】
そのような数値を用いたゲームではなく、年代、時代、文化に左右されない直感的な認識が可能なゲームとして、複数の異なる背景領域を備えるカード同士を対向させ、それによって形成される連係図形に応じて優劣を判定するゲームが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2023-065938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されているように、数値を用いることなく図形のみによって優劣を判定することにより、想定されているような目的を達成することは可能であるが、カード毎の個性には限界がある。特に、トレーディングカードゲームとして、ゲーム上での性能とコレクション性を高める上では、カードに表示される数値は複数であることが好ましい。これにより、カードの個性を多様化させることができる。
【0006】
しかしながら、カード面に表示された数値を用いるゲームにおいては、必ず数値の比較という手順が必要となり、直感的な遊戯が阻害されてしまう。また、カードの個性を多様化させるために複数の数値をカードに表示させる場合には、上述したような直感的な遊戯が阻害されてしまう問題がより顕著になることに加えて、複数の数値それぞれの数値をゲームで活かすことが難しくなるという問題も生じる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係るゲーム用カードは、長方形でかつ四つ角が丸められたゲーム用カードであって、前記四つ角にそれぞれ対応して設けられた数値表示部と、前記数値表示部に表示された数値の大きさに応じた長さの帯状の図形が表示される数値ゲージ表示部と、カードに応じて設定されたランクを示すカードランク表示部と、カードに応じたイラストが表示されるイラスト表示部とを含み、前記数値表示部に表示される数値の合計値は、前記カードランク表示部において示されるカードのランクに応じた値であり、前記数値ゲージ表示部に表示される帯状の図形は、対応している前記数値表示部が設けられている前記四つ角において、前記角を構成する二辺に前記帯状の図形の長さ方向が沿うようにそれぞれ2つずつ設けられるとともに、その長さの起点がカードの端であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、数値を用いるカードゲームにおいても可能な限り直感的な遊戯を可能とすると供に、カード面に表示された複数の数値をゲーム上で活かすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係るゲーム用カードの例を示す図である。
図2】本発明の実施形態に係るゲーム用カードに表示された数値ゲージ表示部の例を示す図である。
図3】本発明の実施形態に係るゲームシートの例を示す図である。
図4】本発明の実施形態に係るカードゲームの進行を示すフローチャートである。
図5】本発明の実施形態に係るカードゲームにおけるゲーム開始時の状態およびカードの配置ルールを示す図である。
図6】本発明の実施形態に係るカードゲームの進行状態において上下方向でバトルが発生した状態を示す図である。
図7】本発明の実施形態に係るカードゲームにおける上下方向のバトルの詳細を示す図である。
図8】本発明の実施形態に係るカードゲームの進行状態において斜め方向でバトルが発生した状態を示す図である。
図9】本発明の実施形態に係るカードゲームにおける斜め方向のバトルの詳細を示す図である。
図10】本発明の実施形態に係るカードゲームの進行状態において斜め方向でバトルが発生しかつ仲間ルールが適用される状態を示す図である。
図11】本発明の実施形態に係るカードゲームにおける斜め方向のバトルでかつ仲間ルールが適用される場合の詳細を示す図である。
図12】本発明の実施形態に係るカードゲームの進行状態において上下方向および斜め方向でバトルが発生しかつ仲間ルールが適用される状態を示す図である。
図13】本発明の実施形態に係るカードゲームにおける上下方向および斜め方向のバトルでかつ仲間ルールが適用される場合の詳細を示す図である。
図14】本発明の実施形態に係るカードゲームの進行状態において左右方向及び斜め方向でバトルが発生しかつ仲間ルールが適用される状態を示す図である。
図15】本発明の実施形態に係るカードゲームにおける左右方向および斜め方向のバトルでかつ仲間ルールが適用される場合の詳細を示す図である。
図16】本発明の実施形態に係るカードゲームの進行状態において勧誘ルールが適用される場合の例を示す図である。
図17】本発明の実施形態に係るカードゲームの進行状態において勧誘ルールが適用される場合の例を示す図である。
図18】本発明の実施形態に係るバトル処理の手順を示すフローチャートである。
図19】本発明の実施形態に係る終了判定の条件を示す図である。
図20】本発明の他の実施形態に係るゲーム用カードの例を示す図である。
図21】本発明の他の実施形態に係るゲーム用カードに表示された数値ゲージの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。図1は、本実施形態に係るゲーム用カード1の表面を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係るゲーム用カード1は、数値表示部11a~11d、数値ゲージ表示部12a~12d、カードランク表示部13、イラスト表示部14を含む。
【0011】
図1に示す通り、本実施形態に係るゲーム用カード1は長方形を基本としてその四つ角に丸み、いわゆるR(アール)が設けられた形状である。数値表示部11a~11dは、図1に示すようにゲーム用カード1の四隅に対応して設けられ、任意の数値が表示される円形のスペースである。図1に示すように、カードの左上に配置された数値表示部11aから時計回りに数値表示部11b、数値表示部11c、数値表示部11dとして配置されている。以降、数値表示部11a~11dをまとめて数値表示部11とする。
【0012】
図1の例において数値表示部11a~11dにはそれぞれ「5」という数値が表示されているが、この数値はカードによって異なり、その数値がそれぞれのカードの個性としてゲームにおいて意味を有する。ただし、各カードの数値表示部11a~11dに表示された数値の合計値にはルールが設けられており、その合計値はカードランク表示部13に表示されたカードのランクに応じて定められている。
【0013】
本実施形態においては、カードランク表示部13に表示されたカードのランクが「ノーマル」である場合には、数値表示部11a~11dに表示された数値の合計値は「20」であり、「レア」である場合には数値表示部11a~11dに表示された数値の合計値は「24」である。また、数値表示部11a~11dに表示される数値の取りうる値の最大値は「10」である。ただし、これは本実施形態に係る一例であり、それぞれの数値が取りうる範囲の条件は任意に設定可能である。
【0014】
本実施形態に係る数値表示部11にはそれぞれ異なる属性が定められており、その属性に応じた色が付されている。本実施形態の図面においては、数値表示部11に付された色をドットパターンの濃さや斜線及び無地を用いて表現し、図1の例においては、数値表示部11aは無地、数値表示部11bは薄いドットパターン、数値表示部11cは濃いドットパターン、数値表示部11dは斜線で示されている。
【0015】
尚、図1においては、四箇所の数値表示部11にそれぞれ異なる色が付され、全4色が用いられている例が示されている。これは一例であり、カード毎にいずれか一色であってもよいし、四箇所のうち一部のみが共通していても良い。この数値表示部11に付された色によって属性が定められることにより、カードに含まれる情報量を増やし、カードの個性をより多様化させることができる。
【0016】
数値ゲージ表示部12a~12dは、ゲーム用カード1の四隅に対応して設けられ、同じくそれぞれの四隅に対応する数値表示部11の数値に応じた長さの帯状の図形(バー)が表示されるスペースである。図1に示すように、カードの左上に配置された数値ゲージ表示部12aから時計回りに数値ゲージ表示部12b、数値ゲージ表示部12c、数値ゲージ表示部12dとして配置されている。以降、数値ゲージ表示部12a~12dをまとめて数値ゲージ表示部12とする。
【0017】
図2を参照して、本実施形態に係る数値ゲージ表示部12の仕様について説明する。図2に示すように、本実施形態に係る数値ゲージ表示部12は、同じ四隅に設けられた数値表示部11の数値に応じた長さのバーが、カードの辺に沿って表示されるスペースであるが、そのバーは辺の一方向だけでなく、カードの角を形成する二辺の両方に向かって同一の長さで形成される。
【0018】
また、図2(a)、(b)に示すように、数値ゲージ表示部12は、数値ゲージ表示部12と、その帯状図形が沿う辺との隙間である枠121に囲われて表示されているためにカードの端には接してはいないが、それぞれのバーの長さの起点はカードの端となっている。そのため、図2(a)、(b)に示すように、ゲージの単位、即ち数値表示部11に表示される数字の「1」に対応するマスの長さは、枠121のスペース及びカードのRの分短くなっている。
【0019】
図2(a)、(b)に示すように、本実施形態に係る数値ゲージ表示部12は、最大値である「10」に対応した数のマスが設けられた上で、数値表示部11に表示された数値に応じたマス数が塗りつぶされて埋められる形で表示される。図2(a)は数値表示部11に表示された数値が「9」である場合の例であり、図2(b)は数値表示部11に表示された数値が「1」である場合の例である。
【0020】
上述した通り、本実施形態に係るゲーム用カードの角はRが設けられた形状となっているが、このRのサイズによっては、数値表示部11に表示された数値が「1」である場合に、数値ゲージ表示部12の表示スペースが削れてしまい、図2(b)に示すように適切に表示されなくなってしまう。そのような状態を防ぐため、本実施形態に係るゲーム用カードの角のRサイズは、数値表示部11に表示される数値のレギュレーションに応じて定めされたサイズを有する。
【0021】
具体的には、本実施形態に係る数値表示部11に表示される数値の最大値は「10」であり、それに対応した数値ゲージ表示部12の表示スペースを確保するために、ゲーム用カード1の短辺を20等分した長さ、すなわち数値表示部11に表示される数値「1」に相当する分の長さが、角のRの半径よりも長い必要がある。即ち、ゲーム用カード1の短辺をL、角のRの半径をrとすると、少なくともL/20>rが満たされる事が好ましい。
【0022】
この式における「20」は、数値表示部11に表示される数値の最大値「10」の2つ分であり、数値表示部11に表示される数値の最大値をNとすると2Nとなる。従って、L/2N>rが満たされる事が好ましい。尚、数値ゲージ表示部12の描画を念頭にすればゲーム用カード1の角にはRの半径は小さく、若しくはRが無い方が良い。しかしながら、Rの存在によってゲーム中における要素の視認性が向上している。これについては後に詳述する。
【0023】
また、枠121が設けられることにより、上述した角のRによる数値ゲージ表示部12の表示スペースの侵食を低減することができる。ただし、数値ゲージ表示部12は、後述するようにカードを隣り合わせてその長さ比較する用途で設けられているため、枠121の幅が広くなり過ぎると、隣り合わせたカード同士の数値ゲージ表示部12の比較がしづらくなってしまう。そのため、枠121の幅は広くても数値表示部11に表示される数値「1」分に対応する数値ゲージ表示部12の長さ以下であり、より好ましくはその半分以下である。
【0024】
次に、本実施形態に係るカードゲーム用のゲームシート2の仕様について図3を参照して説明する。図3に示すように、本実施形態に係るゲームシート2は、5行5列のカード配置マス21を挟んでプレイヤー二人が向かい合うように配置される。カード配置マス21のうち最もそれぞれのプレイヤー側の行の中央のマスはセンターマス22であり、両プレイヤーは最初にこのマスにカードを配置する。
【0025】
それぞれのプレイヤー側から見てカード配置マス21外側の右側に配置されたマスは楽屋マス23であり、プレイヤーの手札になる前のカードが山札として置かれる。他方、プレイヤー側から見てカード配置マス21外側の左側に配置されたマスは離脱マス24であり、一度カード配置マス21に配置された後にゲームの進行によって取り除かれたカードが置かれる。
【0026】
カード配置マス21の各マスを区切る罫線が交わる格子の点の一部には、図3に示すように丸印が付されて色付けがされた属性マーク25が配置されている。属性マーク25は図3に示すように全部で8箇所あり、その色は全4色で各色二箇所となっている。属性マーク25の色は、図1において説明した数値表示部11に付されている属性に応じた色に対応しており、属性に関するルールに用いられる。これについては後に詳述する。
【0027】
次に、本実施形態に係るゲームの進行について図4のフローチャートを用いて説明する。ゲームの準備として、各プレイヤーはノーマルカード16枚、レアカード4枚からなる20枚のカードをデッキとして用意し、シャッフルして楽屋マス23に置く。そして、ゲームの開始に際して、まず各プレイヤーは任意の方法により手番順を決め、(S401)、楽屋マス23に置いたカードを上から順番に6枚引いて手札とし(S402)、その中から1枚選んで自身のセンターマス22に置く(S403)。このようにして準備が整ったら、S401で決めた順番で手番が開始される(S404)。
【0028】
手番が始まると、手番のプレイヤーは自身の楽屋マス23にカードがあれば(S405/YES)、その一番上からカードを1枚引いて手札に加える(S406)。そして手番のプレイヤーは、5行5列のカード配置マス21の中に、自分の手札のいずれかを配置することが可能なマスがある場合(S407/YES)、カードの配置ルールに従ってカードを置く(S408)。
【0029】
ここで、カードの配置ルールについて図5を参照して説明する。図5はカード開始時の状況においてカードの配置ルールを示す図である。図に示す通り、それぞれのプレイヤーのセンターマス22には、S402において置かれた最初のカードが配置されている。そして、図中上側のプレイヤー1はレアリティが「ノーマル」のカードを配置しようとしており、図中下側のプレイヤー2は、レアリティが「レア」のカードを配置しようとしている。
【0030】
図5においては、それぞれのプレイヤーがカードを配置可能である範囲が破線で囲まれて示されている。図5に示す通り、レアリティが「ノーマル」のカードを配置しようとしているプレイヤー1は、自身のカードが配置されているマスの上下左右のいずれかのマスにカードを配置することが可能である。他方、レアリティが「レア」のカードを配置しようとしているプレイヤー2は、自身のカードが配置されているマスの上下左右に加えて、斜めのマス
のいずれかにカードを配置することが可能である。
【0031】
尚、図5においてはセンターマス22にのみカードが配置されている状態であるため、既にカードが配置されているマスの下側及び斜め下側のマスは対象外であるが、ゲームが進んでカード配置マス21の中程に自身のカードが配置されており、下側及び斜め下側のマスが空欄であれば、新たにカードを配置する事が可能である。例えば、手札にノーマルのカードのみがある場合において、既にカード配置マス21に配置されている自陣のカードの上下左右のマスが相手のカードで埋まっている場合には、カード配置可能なマスがないことになる。
【0032】
このような配置ルールに従って新たにカードを配置していき、相手プレイヤーのセンターマス22に配置されたカードを除去することが勝利条件の一つである。カード配置マス21に新たにカードが配置され、新たに配置されたカードの上下左右斜めに隣接するマスに相手プレイヤーのカードが既に配置されている場合(S409/NO)、カードの配置条件に従ってバトル処理が行われる(S410)。
【0033】
バトル処理の詳細については後述するが、S410のバトル処理の結果、手番プレイヤーのカードがバトルに勝利した場合には、バトルに負けた相手プレイヤーのカードがカード配置マス21から除去され、離脱マス24に置かれる。そのようにして除去されたカードが相手のセンターマス22のカードであった場合(S411/YES)、手番プレイヤーの勝利としてゲームは終了する。S411の判断条件がゲームの終了条件の1つ目である。
【0034】
S407において新たにカードを配置する事が可能なマスがなかった場合(S407/NO)や、新たに配置されたカードの上下左右斜めに隣接するマスに相手プレイヤーのカードがなかった場合(S409/NO)、並びにバトル処理の結果相手センターカードが除去されていない場合(S411/NO)には、各手番の最後に終了判定が行われる(S412)。S412の終了判定は、いずれか一方のプレイヤーのセンターカードが除去される前に、両プレイヤーがそれ以上カードを配置することが不可能な状況であるか否かの判定である。S412の判定の詳細については後に詳述する。S412において判断される条件が、ゲームの終了条件の2つ目以降である。
【0035】
S412の判定の結果、終了条件が満たされていた、即ち両プレイヤーがそれ以上カードを配置することができない状況であれば(S412/YES)、カード配置マス21の状況に応じて両者の点数を計算して勝敗を判断し(S413)、ゲームは終了する。S413における点数計算は、その時点でカード配置マス21に配置されているカードの枚数を数えることで行い、カードの枚数が多いほうが勝ちとなる。S412において判定されるゲームの終了条件のいずれにも該当しなかった場合(S412/NO)、手番を交代して(S414)、S404からの手順を繰り返す。
【0036】
S410のバトル処理の詳細について説明する。図6は、新たにカードが配置された結果、相手プレイヤーのカードと上下方向に隣接した状態の例を示す図である。図中の破線で囲まれた部分の情報がバトルに用いられる。図7(a)、図7(b)は、図6の状態におけるバトル処理の詳細を示す図である。本実施形態に係るバトル処理は、5行5列で構成されるカード配置マス21の格子点に注目し、それぞれを戦場と見立てて処理される。そのため、図1において説明したような、本実施形態に係るゲーム用カード1の仕様を活かすことができる。
【0037】
図7(a)の例においては、新たに配置されたカードと相手プレイヤーのカードとが隣接している範囲に存在するカード配置マス21の格子点が戦場となる結果、それぞれの戦場である格子点に近接している数値表示部11の数値同士、すなわち図7(a)に破線で囲って示されているように、互いに対向する数字同士が比較されることでバトル処理が行われ、カード間の優劣が決定される。図7(a)の場合、右側で対向する数字はプレイヤー1、プレイヤー2ともに「5」であり、左側で対向する数字はプレイヤー1が「10」で、プレイヤー2が「4」である。
【0038】
本実施形態に係るカードの四隅にはそれぞれの数値に応じた長さの数値ゲージ表示部12が表示されている。図7(a)の状況においては、右側で対向する数字は図中において右側のカードの端が起点となっており、カードの中央部に向かって数値分の長さで表示されている。他方、左側で対向する数字は図中において左側のカードの端が起点となっており、カードの中央部に向かって数値分の長さで表示されている。従って、この数値ゲージ表示部12の長さを比較することで一目瞭然でそれぞれの大小を判別することが可能であり、直感的なゲームを楽しむことができる。
【0039】
図7(a)の場合、そのまま判断すれば、右側は5対5で引き分け、左側は10対4でプレイヤー1の勝ちであり、1勝1引き分けでプレイヤー1側のカードの勝利となる。ここで、図7(a)に示す通り、プレイヤー2のカードの数値表示部11の色は、属性マーク25の色と共通している。従って、プレイヤー2側のカードには数値の比較において属性の追加点が付与される。
【0040】
図7(b)は、図7(a)の状況における属性ルールを示す図である。図7(b)に示すように、右側におけるプレイヤー2のカードの数値表示部11の色はその下の属性マーク25の色と共通しているため、数値に1点の追加点が付与され、「6」になる。また、左側におけるプレイヤー2のカードの数値表示部11の色もその下の属性マーク25の色と共通しているため、数値に1点の追加点が付与され、「5」になる。その結果、右側は5対6でプレイヤー2の勝ち、左側は10対5でプレイヤー1の勝ちであり、1勝1敗で引き分けとなる。引き分けの場合、ゲームの盤面はそのままとなる。
【0041】
図8は、新たにカードが配置された結果、相手プレイヤーのカードと斜め方向に隣接した状態の例を示す図である。上述したように、本実施形態に係るゲームにおいてはカード配置マス21の格子点を戦場としてバトル処理が行われるため、図中の破線で囲まれた部分、すなわち斜め方向に対向している角の数値表示部11の情報がバトルに用いられる。
【0042】
図9(a)、図9(b)は、図8の状態におけるバトル処理の詳細を示す図である。斜め方向に隣接するマスでのバトルでは、互いに対向する数字同士、一箇所のみの数字を比較する。図9(a)の場合、対向する数字はプレイヤー1が「10」で、プレイヤー2が「5」である。また、図9(a)の場合には属性の一致も存在しないので、そのまま数字を比較する。その結果、手番側プレイヤーが配置したカードの負けとなる。
【0043】
尚、斜め方向に隣接するバトルの場合、図7(a)、図7(b)において説明したような数値ゲージ表示部12の長さの比較による判定はそのままでは容易ではないが、図9(b)に示すように、一方のカードの端と他方の数値ゲージ表示部12の上限とを、図中に一点鎖線で示すように同一の線上に並べて配置することにより、数値ゲージ表示部12の長さの比較による判定を容易に行うことが可能となる。手番側プレイヤーが配置したカードが負けた場合も、引き分けの場合と同様にゲームの盤面はそのままとなる。
【0044】
図10は、新たにカードが配置された結果、相手プレイヤーのカードと斜め方向に隣接する点は図8と同様であるが、その際に戦場となる格子点に手番側プレイヤーの他のカードが存在する場合の例である。この場合、バトル処理に際して仲間ルールが適用される。図11(a)、図11(b)は、図10の場合のバトル処理の詳細を示す図である。
【0045】
斜め方向に隣接する場合のバトルでは、図9(a)において説明した通り、互いに対向する数字同士、一箇所のみの数字を比較するが、その際、対象となる戦場である格子点に存在する他のカードの数値も加算する。このルールを仲間ルールと呼ぶ。図11(a)の場合、新たに配置されたカードの数字は「6」であり、対向する相手方プレイヤーのカードの数字は「10」である。これに対して、仲間ルールにより、新たに配置されたカードの右隣(対向する相手方プレイヤーのカードの下)のカードの数値「4」が、新たに配置されたカードの数値に加算される。
【0046】
図11(a)の状態をそのまま判断すれば、「6」+「4」と「10」とを比較して引き分けとなるが、図11(a)に示す通り、新たに配置されたカードの数値表示部11の色は、属性マーク25の色と共通している。従って、新たに配置されたカードには数値の比較において属性の追加点が付与される。
【0047】
図11(b)は、図11(a)の状況における属性ルールを示す図である。図11(b)に示すように、新たに配置されたカードの数値表示部11の色はその下の属性マーク25の色と共通しているため、数値に1点の追加点が付与され、「7」になる。その結果、「7」+「4」と「10」とで、プレイヤー2の勝ちとなる。新たに配置されたカードがバトルに勝った場合、バトルの相手方のカードは取り除かれて離脱マス24に置かれる。
【0048】
尚、図11(a)の場合も、斜め方向に隣接するバトルの場合と同様に、数値ゲージ表示部12の長さの比較による判定はそのままでは容易ではないが、図11(b)に示すように、仲間となるカード同士の端をピッタリとくっつけた上で、一方のカードと他方のカードとの数値ゲージ表示部12の上限を図中に一点鎖線で示すように同一の線上に並べて配置することにより、数値ゲージ表示部12の長さの比較による判定を容易に行うことが可能となる。
【0049】
図12は、新たにカードが配置された結果、隣接する相手方プレイヤーのカードが上下方向および斜め方向の二通りであり、かつ図10と同様に右隣に仲間ルールが適用されるカードが既に配置されている場合の例である。この場合、バトル処理に際して仲間ルールが適用されることに加えて、上下方向および斜め方向の双方についてバトル処理が行われる。図13(a)、図13(b)は、図12の場合のバトル処理の詳細を示す図である。
【0050】
図13(a)に破線で囲って示すように、図12の場合のバトルでは図中左側の格子点および図中右側の格子点のそれぞれで数字が比較される。ここで、上下方向のバトルでは左右両方の格子点の比較が用いられ、斜め方向のバトルでは図中右側の格子点の比較が用いられる。図中左側の格子点の比較では、プレイヤー1の数字が「8」、プレイヤー2の数字が「4」であり、属性マーク25は無いためそのまま比較される。
【0051】
他方、図中右側の格子点の比較では、プレイヤー1側、プレイヤー2側双方に仲間ルールが適用されることとなる。また、プレイヤー2側の左側のカードの数値表示部11の属性の色が属性マーク25の色と一致しており、属性一致による追加点が加算される。図13(b)は、図中右側の格子点の数値比較の態様を示す図である。
【0052】
図13(b)に示すように、図中右側の格子点における数値比較においては、プレイヤー1、プレイヤー2双方に仲間ルールが適用され、プレイヤー1側は「2」+「10」となる。他方、プレイヤー2側は、左側のカードが属性ルールにより追加点が加算されて「6」が「7」となり、「7」+「4」となる。この場合も、それぞれのプレイヤーのカードの端がピッタリと合わせられ、数値ゲージ表示部12の一方の上限を図中に一点鎖線で示すように同一の線上に並べて配置することにより、数値ゲージ表示部12の長さの比較による判定を容易に行うことが可能となる。
【0053】
図13(b)の例においては、数値ゲージ表示部12の長さからも一目瞭然なようにプレイヤー1側の方の数字が大きい。この結果は、新たに配置されたカードと斜め方向に隣接するカード、即ち図中右下のカードとのバトル処理に加えて、上下方向に隣接するカード、即ち図中左下のカードとのバトル処理にも用いられる。図7(a)、(b)において説明したように、上下左右方向に隣接するカード同士のバトル処理においては、互いに対向する数値同士を比較する。図13(a)、(b)の例においては、図13(a)に示す左側の格子点におけるプレイヤー1の「8」とプレイヤー2の「4」との比較と、図13(b)に示す仲間ルールが適用される格子点の比較とで処理される。その結果、プレイヤー1によって新たに配置されたカードの勝利となる。
【0054】
図12及び図13(a)、(b)のバトル処理の結果、上下方向に隣接するバトルにおいても、斜め方向に隣接するバトルにおいても、プレイヤー1が新たに配置したカードの勝利となる。その結果、プレイヤー2側のカードは両方とも取り除かれ、離脱マス24に置かれる事となる。尚、図13(a)、(b)の例においては、戦場として注目する格子点の周囲4マス全てにカードが配置され、ゲームシート2がカードによって覆い隠された状態となるが、図に示す通り、ゲーム用カード1に設けられたRにより、格子点がわずかに空白になってゲームシート2が視認可能となる。これにより、配置されているカードを避けることなく格子点の属性マーク25を識別することが可能である。
【0055】
図14は、新たにカードが配置された結果、隣接する相手方プレイヤーのカードが左右方向及び斜め方向であり、かつ仲間ルールが適用されるカードが2枚以上ある場合の例を示す図である。図15(a)は、図14において新たに配置されたカードの右上の格子点の数値比較の詳細を示す図である。
【0056】
図15(a)に示すように、新たに配置されたカードの右上の格子点を戦場とする数値比較においては、新たに配置されたカードの右側に隣接するカードに加えて、右斜上に隣接するカードが仲間ルールによってプレイヤー1側の数値比較に参加する。その結果、プレイヤー1側の数値は「7」+「3」となり、プレイヤー2側の数値「5」を上回る。この結果は、新たに配置されたカードと右隣に隣接するカードの一方の格子点におけるバトル処理に加えて、右斜上に隣接するカードとのバトル処理にも用いられる。
【0057】
図13までの数値ゲージ表示部12の長さの比較態様においては横方向の長さで比較がお行われていたが、図15(a)の例においてはカードの配置関係上、数値ゲージ表示部12を合わせて比較する際には縦方向の長さで比較される。このような数値ゲージ表示部12の長さの比較態様は、本実施形態に係るゲーム用カード1において四つ角のそれぞれに対応して設けられる数値ゲージ表示部12が、それぞれの角を形成する辺の双方に沿って描画されることにより可能となっている。
【0058】
図15(b)は、図14において新たに配置されたカードの右下の格子点の数値比較の詳細を示す図である。図15(b)に示すように、右下の格子点を戦場とする数値比較においては、新たに配置されたカードに加えて下側に隣接するカード及び右斜下側に隣接するカードが仲間ルールによりプレイヤー2側の数値比較に参加する。また、新たに配置されたカード及び下側に隣接するカードの数値表示部11の色が属性マーク25と一致しており、それぞれの数値に属性ルールによる追加点が加算され、その結果、プレイヤー2側の数値は「3」+「4」+「4」となり、プレイヤー1側の数値「10」を上回る。
【0059】
尚、図15(b)のように3枚のカードの数値が加算される場合には、3枚のうち2枚のカードの端をピッタリと合わせ、残りの1枚を90度回転させてカードの端と数値ゲージ表示部12の上限とをピッタリ合わせた上で、図中に一点鎖線で示すように数値ゲージ表示部12の他方の上限を同一の線上に並べて配置することにより、数値ゲージ表示部12の長さの比較による判定を容易に行うことが可能となる。このようにカードを90度回転させることによる数値ゲージ表示部12の連結比較は、本実施形態に係るゲーム用カード1において四つ角のそれぞれに対応して設けられる数値ゲージ表示部12が、それぞれの角を形成する辺の双方に沿って描画されることにより可能となっている。
【0060】
図16は、バトル処理において特別な場合に発生する勧誘ルールを説明する図である。図16に示すように、新たに配置されたカードの上方向に隣接するマスに相手方のカードが配置されており、上下方向でバトルが発生する。しかしながら、図に示す通り左右それぞれの格子点における戦場で数値が同一である場合勧誘ルールが適用され、バトルにならずに隣接している相手方のカードを図17に示すように反転させ、所属するプレイヤーを逆にする。以降、反転されたカードは逆側のプレイヤー陣営のカードとして扱われる。ただし、反転されたカードが離脱マス24に置かれる際には、元の所有者プレイヤー側の離脱マス24に置かれる。尚、新たに配置されたカードに隣接する他の相手方のカードがある場合、勧誘ルールを適用して相手方プレイヤーのカードを反転してから他のカードとのバトル処理を行う。
【0061】
図18は、上述したバトル処理の手順を示すフローチャートである。図18に示すようにバトル処理が開始されると、まずは図16図17において説明した勧誘ルールの判定が行われる(S1801)。その結果、勧誘ルールに適合するカードがある場合には、(S1801/YES)、勧誘ルールの対象となるカードを反転させる(S1802)。それでもまだバトル対象となる相手方のカードがある場合には(S1803/YES)、実際のバトル処理を開始する。
【0062】
バトル処理において、まずはバトル位置が一つ選択される(S1804)。S1804の手順は、図12図14において説明したように、新たに配置されたカードの上下左右斜め方向の複数に相手プレイヤーのカードが配置されている場合に、そのうちの1つを選択する手順である。
【0063】
図12図14において説明したように、新たにカードが配置されることによって複数のカードとの間でバトルが生じる場合であっても、1つのカードとのバトルが他のカードとのバトルに影響を与えることはないため、バトル位置の選択順は任意である。バトル位置が選択されると、そのバトルにおいて参照される戦場、即ちカード配置マス21の格子点における属性一致、即ち、数値表示部11の色と属性マーク25の色との一致が判定される(S1805)。その結果、属性一致が成立していれば(S1805/YES)、対象となる数値表示部11の数字に属性点が追加される(S1806)。
【0064】
そのようにして各格子点における数値表示部11の数値が確定すると、格子点において数値を比較する事により勝敗判定が行われる(S1807)。この際、上下左右方向のバトル位置であれば、2つの格子点についてそれぞれ勝敗判定が行われ、斜め方向のバトル位置であれば1つの格子点について勝敗判定が行われる。また、仲間ルールが適用されるカードがある場合には、図11(a)、(b)、図13(a)、(b)、図15(a)、(b)において説明したように、数値が合算されて勝敗判定が行われる。
【0065】
1つのバトル位置についてS1807の勝敗判定が行われると、その手番で新たにカードが配置されたことによって生じた全バトル位置が選択されるまでS1804からの処理を繰り返す(S1808/NO)。全バトル位置についての勝敗判定が終了すると(S1808/YES)、非手番側のカードに負けカードがある場合(S1809/YES)には、その負けカードを離脱マス24に移動し(S1810)、バトル処理が終了する。
【0066】
図19は、図4のS412における終了判定の条件を示す図である。上述した通り、S412における終了判定は、両プレイヤーがそれ以上カードを配置することが不可能な状況であるか否かの判定であり、具体的には図19に示す通り、「カード配置マス21に空きがない」「両者手札がない」「一方のプレイヤーにカード配置可能なマスがない&他方のプレイヤーに手札がない」という条件で判定される。
【0067】
「カード配置マス21に空きがない」及び「両者手札がない」についてはその通りである。「一方のプレイヤーにカード配置可能なマスがない&他方のプレイヤーに手札がない」について説明する。図5において説明したように、本実施形態に係るカードゲームにおいては、レアカードは既に配置されている自陣カードの上下左右斜めに、ノーマルカードは上下左右に配置可能である。ここで、カード配置マス21上のカードの配置状況によっては、カード配置マス21に空きマスがあり、かつ手札があったとしても、上記の条件に合致せずにカードを配置することができない場合(以降、「カード配置可能マスなし状態」とする)がある。
【0068】
そのようなカード配置マスなし状態は、例えばカード配置マス21の空きマスが自陣カードの斜め方向にしかなく、手札にはノーマルカードしかない場合に生じる。そのような場合のカード配置マス21の空きマスは、相手プレイヤーにとっては自陣カードの上下左右方向であるため、相手プレイヤーにとってはノーマルカードであっても配置可能なマスである。しかしながら、そのようなカード配置マスなし状態において、相手プレイヤーの手札がゼロであった場合、両者がカードを配置できない状態となる。このような状態が「一方のプレイヤーにカード配置可能なマスがない&他方のプレイヤーに手札がない」状態であり、そのような場合にもゲームを終了する。
【0069】
以上、説明したように、本実施形態に係るゲーム用カード1においては、カードの四隅にそれぞれ数値表示部11が設けられて数値が表示されており、カード上に表示される数値の数を増やしてカードの個性が多様化されている。そして、それぞれの数値がカードの四隅というわかりやすい位置に配置されているため、ゲームにおいてそれぞれの数値が用いられる場面を明確化し、カード面に表示された複数の数値をゲーム上で活かすことができる。また、それぞれの数値表示部11に表示された数値に応じた長さの数値ゲージ表示部12が表示されているため、その長さの比較により数値の比較が可能であるため、可能な限り直感的な遊戯が可能となる。
【0070】
また、本実施形態に係るゲームシート2を用いるカードゲームにおいては、5行5列のカード配置マス21の格子点をそれぞれ戦場と見立て、上下左右斜めに隣接するカード同士のバトルにおいては、それぞれの格子点に対応する数値表示部11の数値を用いる。そのため、ゲーム用カード1においてカードの四隅に表示された数値表示部11の数値を活かすことができる。
【0071】
また、5行5列のカード配置マス21の格子点のうち特定の点にのみ配置された属性マーク25により、ゲーム用カード1の数値表示部11に付された色に意味を持たせ、カードの個性をより多様化し、ゲームの戦略性を高めることが可能となる。
【0072】
また、カードの四隅にそれぞれ配置された数値と、カード配置マス21の格子点を戦場と見立てる、という組み合わせにより、1つの格子点に対応する数値が、図13(a)の右側の破線円部に示されるように最大で4つとなる。このため、1つの戦場である格子点において仲間ルールも含めて勝敗判定の対象となるカードが明確であり、かつ数値ゲージ表示部12の効果により勝敗判定をより直感的に行うことが可能となる。
【0073】
尚、上記実施形態においては、斜め方向に隣接する場合のバトル、上下左右方向に隣接する場合のバトルの両方において仲間ルールが適用される場合を例として説明したが、これは一例である。この他、仲間ルールの適用は斜め方向のみとしても良いし、逆に上下左右方向のみとしても良い。また、仲間ルール自体を採用しなくても良い。
【0074】
また、仲間ルールが適用される場合においては、図15(b)において説明したように、格子点に対応する数値を全て参入する場合を例として説明したが、新たに配置されたカード、即ちバトルの起点となるカードに加えて、格子点に対応する他の2枚のカードのうちいずれか1枚のみを選択するようにしても良い。
【0075】
また、上記実施形態においては、図1図2(a)、(b)において説明したように、数値ゲージ表示部12の長さの起点がカードの端となっていながらも、枠121が設けられるとともにカードの角のRに沿って丸まった結果、ゲージのうち「1」に対応するマスの長さは、枠121のスペース及びカードのRの分短くなっている。
【0076】
これに対して、図20及び図21(a)、(b)に示すように、数値ゲージ表示部12の長さ方向においてカードの端に向かう部分については、枠121を設けずにカードの端側に貫通するように描画しても良い。これにより、数値ゲージ表示部12の長さの起点がカードの端になっているということをより直感的に理解可能となり、数値ゲージ表示部12による直感的な数値比較の効果を高めることができる。
【0077】
また、上記実施形態においては、図1等に示すように、カードランク表示部13として、「ノーマル」、「レア」等のようにカードのランクが文字情報として表示されている場合を例として説明した。しかしながらこれは一例であり、文字情報として明示する場合の他、ノーマルに対応する「N」、レアに対応する「R」等の一文字やそれを示すロゴマーク等をカードランク表示部13として用いても良いし、カードがレアカードであることを示すホログラム加工等のカード面への視覚的加工をカードランク表示部13としても良く、何らかの方法によりユーザがカードのランクを識別できるようにすれば良い。
【0078】
また、上記実施形態においては、図5において説明したように、ノーマルカードを配置する場合には既にカード配置マス21に配置されている自陣カードの上下左右に隣接するマスに配置可能であり、レアカードを配置する場合には、それに加えて斜め方向に隣接するマスにも配置可能である場合を例として説明した。しかしながらこれは一例であり、カードのランクに関わらず上下左右に隣接するマスにのみ配置可能としても良いし、斜め方向に隣接するマスにも配置可能としても良い。
【0079】
また、上記実施形態においては、図7(b)等において説明したように、数値表示部11に付された色と、属性マーク25に付された色とが一致した場合に、数値表示部11に表示されている数値を1点加算する場合を例として説明した。しかしながらこれは一例であり、数値表示部11に付された色と属性マークの色との関係に応じてカード同士の優劣を変化させる態様であれば採用可能である。
【0080】
例えば、予め定められた複数種類の色同士の関係性を詳しく設定し、その関係性に応じた変化を与えることが考えられる。例えば、色が一致した場合には「+1」に加えて、特定の関係性の場合には「+2」、他の関係性の場合には「-1」といった態様が考えられる。このような態様により、ゲームの戦略性を更に向上させることが可能である。このような色同士の関係性については、ゲームシート2の空きスペース、例えば一方のプレイヤーの楽屋マスと他方のプレイヤーの離脱マスとの間のスペース等に表示しておくことにより、ゲームプレイの利便性を向上することが可能である。
【0081】
また、上述したように予め定められた複数種類の色同士の関係性を詳しく設定する場合、数値表示部11に付された色と属性マークの色との関係だけでなく、数値を比較する一方のカードの数値表示部11の色と他方のカードの数値表示部11の色との関係によっても変化をつけるようにしても良い。このように、本実施形態に係るゲーム用カード1によれば、数値表示部11に属性に応じた色を設定することで、ゲームの戦略性がより高められている。
【0082】
また、上記実施形態においては、S413の点数計算の手順において、それぞれのプレイヤーがその時点でカード配置マス21に配置されている自陣カードの枚数を数え、カード枚数が多い方を勝ちとする態様を例として説明した。しかしながらこれは一例であり、例えばカードのランクに応じてカウント数を変えてもよい。例えば、レアカードは2枚分としてカウントするような態様が考えられる。
【0083】
また、上記実施形態においては、各プレイヤーがノーマルカード16枚、レアカード4枚からなる20枚のカードをデッキとして用意する場合を例として説明したが、これは一例であり、それ以上であってもそれ以下であっても良い。また、上記実施形態においては、バトルに負けた非手番側プレイヤーのカードは、図18のS1810において離脱マス24に置かれ、ゲームに復帰できる可能性はない場合を例として説明したが、これは一例であり、カードを伏せて楽屋マス23の一番下に追加するようにしても良い。これにより、図19に示す終了条件のうち、「両者手札がない」という条件が回避され、よりじっくりとゲームをプレイすることが可能となる。
【0084】
また、上記実施形態においては、図18において説明したように、バトル処理においてまず先に勧誘ルールの適合を判断する場合を例として説明した。しかしながらこれは一例であり、新たにカードが配置された際の状態ですべてのバトルを処理した後で勧誘ルールの適合有無を判断するようにしても良い。
【0085】
また、上記実施形態においては、ゲームシート2に設けられるカード配置マス21は5行5列の行列状に配置される場合を例としているが、これは一例であり、複数行および複数列の行列状であれば、上記と同様にゲームを楽しむことが可能である。ただし、センターマス22を設ける関係上、プレイヤーが向かい合う方向と直行する方向のマスの数は奇数であることが好ましい。
【0086】
また、上記実施形態においては、図3に示すゲームシート2を用い、図4において説明した手順に従って行うゲームを例として説明した。これにより、上述したように、カード配置マス21の格子点や属性マーク25により、ゲーム用カード1の仕様を活かした、戦略性の高いゲームを楽しむことが可能である。しかしながら、これは本実施形態に係るゲーム用カード1を用いて行うゲームの一例であり、本実施形態に係るゲーム用カード1を用いることで様々なゲームを行うことができる。
【0087】
どのような場合においても、カードの四隅にそれぞれ数値が配置されているという本実施形態に係るゲーム用カード1の仕様により、カード面に表示された数値のいずれの値を用いるかを、ゲームの状況に応じて容易に認識することが可能である。また、数値ゲージ表示部12の機能により、数値同士の比較、特に複数のカードの数値を合算する場合の数値の比較を容易に行うことが可能となる。
【符号の説明】
【0088】
1 ゲーム用カード
2 ゲームシート
11、11a、11b、11c、11d 数値表示部
12、12a、12b、12c、12d 数値ゲージ
13 カードランク表示部
14 イラスト表示部
21 カード配置マス
22 センターマス
23 楽屋マス
24 離脱マス
25 属性マーク
121 枠
【要約】
【課題】数値を用いるカードゲームにおいても可能な限り直感的な遊戯を可能とすると供に、カード面に表示された複数の数値をゲーム上で活かすこと。
【解決手段】長方形でかつ四つ角が丸められたゲーム用カードであって、四つ角にそれぞれ対応して設けられた数値表示部と、数値表示部に表示された数値の大きさに応じた長さの帯状の図形が表示される数値ゲージ表示部と、カードに応じて設定されたランクを示すカードランク表示部と、カードに応じたイラストが表示されるイラスト表示部とを含み、数値表示部に表示される数値の合計値は、カードのランクに応じた値であり、数値ゲージ表示部に表示される帯状の図形は、対応している数値表示部が設けられている四つ角において、角を構成する二辺に帯状の図形の長さ方向が沿うようにそれぞれ2つずつ設けられるとともに、その長さの起点がカードの端であることを特徴とする。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
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図21