(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】テント
(51)【国際特許分類】
E04H 15/16 20060101AFI20240326BHJP
E04H 15/54 20060101ALI20240326BHJP
E04H 15/42 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
E04H15/16
E04H15/54
E04H15/42
(21)【出願番号】P 2023521906
(86)(22)【出願日】2021-09-29
(86)【国際出願番号】 KR2021013295
(87)【国際公開番号】W WO2022085974
(87)【国際公開日】2022-04-28
【審査請求日】2023-04-11
(31)【優先権主張番号】10-2020-0135151
(32)【優先日】2020-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521444228
【氏名又は名称】ジェイケーエル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラー, ジェ クン
【審査官】伊藤 昭治
(56)【参考文献】
【文献】実開昭56-009220(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2007/0017563(US,A1)
【文献】韓国登録実用新案第20-0314973(KR,Y1)
【文献】韓国公開実用新案第20-2018-0001636(KR,U)
【文献】米国特許出願公開第2016/0115708(US,A1)
【文献】韓国登録実用新案第20-0267526(KR,Y1)
【文献】特開2013-091914(JP,A)
【文献】特表2017-512092(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H15/00 - 15/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テントが組み立てられたときに組み立てられたテントフレームを形成する複数の支持フレームと、
前記テントフレームによって支持されて前記テントフレームの内部空間を包むテント布と、
前記テントフレームの頂部から地面に水平な方向又は地面に対して上方に傾斜した方向に延びるリッジフレームと、
前記リッジフレームによって支持されて前記テントフレームの頂部に突出した形で設けられ、前記テント布との間にオーニング空間を形成するオーニング布と、
前記オーニング空間の内側で一端は前記オーニング布の底面に結合され、他端は前記テント布の外面に結合されて前記テント布を上方に引っ張る連結紐とを含む、テント。
【請求項2】
前記オーニング布は、ポケットの形で前記テント布の外面に取り付けられる、請求項1に記載のテント。
【請求項3】
前記オーニング空間は、前記テントフレームの頂部の周囲に沿って複数の空間として形成される、請求項1に記載のテント。
【請求項4】
前記連結紐の一端は、前記オーニング布が前記リッジフレームに固定される部位の直下方に結合される、請求項1に記載のテント。
【請求項5】
前記オーニング布の外面には、前記リッジフレームとの結合のためのクリップが設けられ、前記クリップが設けられた部位の前記オーニング布の内面に前記連結紐の一端が結合される、請求項1に記載のテント。
【請求項6】
前記テントフレームの頂部に備えられ、前記支持フレームと前記リッジフレームとを取り外し可能に結合するコネクタをさらに含む、請求項1に記載のテント。
【請求項7】
前記連結紐の一端は、前記リッジフレームの固定端から前記リッジフレームの全長の1/4乃至3/4の間の距離だけ離間した地点で連結される、請求項1に記載のテント。
【請求項8】
前記リッジフレームは、地面に対して上向きに傾斜した方向に延びる、請求項1に記載のテント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テントに関し、より詳しくは、良好な換気性や耐風性を有するテントに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、テントは、キャンプやキャンプの際に就寝等のために設置される構造であって、ポール状のフレームにテント布を張り付ける形で設置される。
テントの側面から風が吹くと、テントの側面の傾斜した部分に風がぶつかり、このような風の力によりテントが本来の形態を維持できず崩れる恐れがある。したがって、風の力により崩れない耐風性を向上させることがテントの設計で重要な課題となっている。また、テントの設計にあたって、換気を円滑にし、且つ内部空間をなるべく広く確保することも重要な課題である。
【0003】
従来のテントの一例が韓国公開特許公報第10-2012-0037505号に開示されている。この文献に開示されたテントは換気口を備えているが、換気口の大きさが小さいため空気の流入と排出が円滑でないという問題がある。また、テントの側面に風に抵抗する構造物がないため耐風性が良くなく、テントの形態が上方に行くほど急激に傾斜した形態をなすため、テントの内部空間が狭くなるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前述した問題点を解決するためのものであって、テントの側面に吹く風に耐えることができるとともに、より広い内部空間を提供することができ、且つ良好な換気性を有するテントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施例に係るテントは、テントが組み立てられたときに組み立てられたテントフレームを形成する複数の支持フレームと、テントフレームによって支持されてテントフレームの内部空間を包むテント布と、テントフレームの頂部から地面に水平な方向又は地面に対して上方に傾斜した方向に延びるリッジフレームと、リッジフレームによって支持されてテントフレームの頂部に突出した形で設けられ、テント布との間にオーニング空間を形成するオーニング布と、およびオーニング空間の内側で一端はオーニング布の底面に結合され、他端はテント布の外面に結合されてテント布を上方に引っ張る連結紐とを含んでよい。
【0006】
他の例において、オーニング布は、ポケットの形でテント布の外面に取り付けられてよい。
また他の例において、オーニング空間は、テントフレームの頂部の周囲に沿って複数で形成されてよい。
また他の例において、連結紐の一端は、オーニング布がリッジフレームに固定される部位の直下方に結合されてよい。
また他の例において、オーニング布の外面には、リッジフレームとの結合のためのクリップが設けられ、クリップが設けられた部位のオーニング布の内面に連結紐の一端が結合されてよい。
【0007】
また他の例において、テントは、テントフレームの頂部に備えられ、支持フレームとリッジフレームとを取り外し可能に結合するコネクタをさらに含んでよい。
また他の例において、連結紐の一端は、リッジフレームの固定端からリッジフレームの全長の1/4乃至3/4の間の距離だけ離間した地点で連結されてよい。
また他の例において、リッジフレームは、地面に対して上向きに傾斜した方向に延びてよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施例に係るテントによれば、テントの上部にオーニング布によるオーニング空間を形成することで、テントの側面に風が吹く場合、オーニング空間によってテントを上方に持ち上げる力を発生させてテントを崩す力を相殺することによって、耐風性を強化することができる。
また、オーニング空間の内側に換気口を設けると、テント内部への風の流入が円滑になってテントの換気を容易にすることができる。
また、オーニング空間を形成するオーニング布の底面に設けられる連結紐により、オーニング布の下側のテント布の一部を上方に引っ張ることで、テントの上側内部空間を広く確保するとともにテント布のたるみを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1実施例に係るテントを示した斜視図である。
【
図2】
図1のテントに適用され得るコネクタを示した斜視図である。
【
図3】
図1のテントの一部分を透視して示した図である。
【
図4】
図3のテントの一部分を拡大して示した側面図である。
【
図5】
図4のA-A部分を切断して示した断面図である。
【
図6】
図1のテントの側面に風が吹く場合にテントに作用する力を説明するための図である。
【
図7】本発明の第2実施例に係るテントの側面図である。
【
図8】本発明の第3実施例に係るテントの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施例について添付図面を参照して詳細に説明する。なお、各図面の構成要素に参照符号を付するにあたって、同一の構成要素に対して異なる参照符号が付されることがあるが、可能な限り同一の参照符号を付するようにしていることに留意されたい。また、本発明の実施例を説明するにあたって、関連する公知の構成または機能の具体的な説明が本発明の実施例についての理解を阻害すると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。
【0011】
第1実施例
図1は、本発明の第1実施例に係るテントを示した斜視図であり、
図2は、
図1のテントに適用され得るコネクタを示した斜視図である。
図1に示したように、本発明の第1実施例に係るテント1は、複数の支持フレーム10、テント布12、リッジフレーム20、オーニング布21、およびコネクタ30を含む。
複数の支持フレーム10は、テント1が組み立てられたときに組み立てられたテントフレームを形成する。テントフレームは、テント1の内部に内部空間を形成する。例えば、複数の支持フレーム10のそれぞれは曲げられた形状を有し、一端部がコネクタ30によって互いに連結され、他端部は地面上で支持される。したがって、複数の支持フレーム10は互いに組み立てられてテントフレームを形成することができる。
図1に示した実施例に係るテント1は、4つの支持フレーム10を備えており、4つの支持フレーム10は、コネクタ30によって互いに連結されてテントフレームを形成している。
【0012】
ただし、テントフレームの形状は、
図1に示した形状に限定されず、複数の支持フレーム10が組み立てられて形成することができる様々な形状を有してよい。例えば、複数の支持フレーム10のそれぞれがアーチ状に曲げられてテント1が組み立てられたときに地面上で支持される2つの端部を有してよい。すなわち、支持フレーム10の形状は、前述したような形状に限定されず、組み立てられて内部空間を形成するテントフレームを形成することができる形状であれば本実施例に含まれ得る。
【0013】
支持フレーム10は、夫々の端部を地面上に固定させるための固定部11を含んでよい。例えば、固定部11はリング状の部材であってよく、テント1は、リング状の固定部11を通過して支持フレーム10を地面に固定させることができる別の部材をさらに含んでよい。このとき、別の部材は、固定部11を通過する固定釘であってよく、ユーザは固定釘を地面に固定させることにより、支持フレーム10を地面に固定させることができる。一方、固定部11の構成は前述したような構成に限定されず、支持フレーム10を固定させることができる構成であれば本実施例に含まれ得る。また、固定部11は、後述するテント布12に取り付けられてもよい。
【0014】
テント布12は、テントフレームによって支持されてテントフレームの内部空間を包むことができる。例えば、テント布12は、複数の結合部材13によってテントフレームに張り付けられ、テントフレームが形成する内部空間の少なくとも一部を囲む。テント布12によって囲まれた空間はテント1の内部の空間として活用することができ、テント布12によって囲まれていない部分はテントの内部と通じる出入り口にすることができる。
図1に示した実施例において、テント布12は、テント1の基底面が六角形の形状をなすように支持フレーム10および固定部11を介して地面に固定される。
【0015】
結合部材13は、テント布12をテントフレームに結合させることができる部材である。例えば、結合部材13は、テント布12の外面に取り付けられて支持フレーム10に結合され得るクリップまたはフック状の部材であってよい。また、結合部材13はリング状の部材で形成されてもよい。支持フレーム10がリング状の結合部材13を貫通することによって、テント布12がテントフレームに結合されてよい。一方、結合部材13の形状は、前述したような形状に限定されず、テント布12をテントフレームに結合させることができる様々な形状を有してよい。
【0016】
結合部材13は、テント布12の外面に取り付けられ、テント布12がテントフレームに張り付けられたときにテントフレームの形状に対応する位置に配置されてよい。例えば、複数の結合部材13は、テント布12がテントフレームに張り付けられたときにそれぞれの支持フレーム10の長手方向に沿って一定の間隔で配置されるようにテント布12に取り付けられてよい。
【0017】
一方、
図1に示した実施例では、テントフレームの内側にテント布12が張り付けられる場合について説明したが、テント布12の張り付け方式は前述したような方式に限定されない。例えば、テントフレームの外側にテント布12が被される場合も可能である。
図1に示した実施例において、テント1は、一対のリッジフレーム20を備えており、それぞれのリッジフレーム20は、テントフレームの頂部から地面に水平な方向に延びている。より具体的に、一対のリッジフレーム20は、それぞれの一端がテントフレームの頂部に結合して固定され、それぞれの一端を中心に互いに異なる方向に離れるように延びている。
【0018】
オーニング(日除け)布21は、テントフレームの頂部に突出した形で設けられるようにリッジフレーム20によって支持されている。これにより、オーニング布21は、テント布12との間でオーニング(日除け)空間を形成する。オーニング布21は、前述したテント布12と同様に、オーニング布21の外面に取り付けられたクリップ22によってリッジフレーム20と結合されてよい。一方、クリップ22は、前述した結合部材13と実質的に同じ構成であってもよく、それについての詳細な説明は省略することにする。
また、オーニング布21は、ポケット状にテント布12の外面に取り付けられてよい。例えば、ポケット状とは、オーニング布21の一方側がテント布12に取り付けられることでオーニング布21の他方側が外側に向かって開放された形態のことを意味する。これにより、オーニング布21は、テント布12との間で外部に向かって開放されたオーニング空間を形成することができる。
【0019】
一方、
図1に示した実施例において、テント1は、互いに対向する一対のリッジフレーム20を備えることによって、互いに逆方向に開放されるオーニング空間を備えている。なお、リッジフレーム20およびオーニング空間の配置や個数は前述したものに限定されない。例えば、複数のリッジフレーム20がテントフレームの頂部の周りに沿って放射状に配置されるようにテントフレームに結合されてよく、それによってオーニング空間がテントフレームの頂部の周囲に沿って複数で形成されてよい。
【0020】
コネクタ30は、テントフレームの頂部に配置されて複数の支持フレーム10がテントフレームを形成するように支持フレーム10を取り外し可能に結合することができる。さらに、コネクタ30は、リッジフレーム20をテントフレームに取り外し可能に結合することができる。
【0021】
例えば、
図2に示したように、コネクタ30は、リング状のボディ部31と、ボディ部31の側面に所定の間隔を空けて配置されて支持フレーム10とリッジフレーム20の一端が挿入され得る挿入孔32を含んでよい。それによって支持フレーム10とリッジフレーム20の一端がコネクタ30によって放射状に連結され得る。
【0022】
図2に示した実施例において、コネクタ30は6つの挿入孔32を備えている。このとき、4つの支持フレーム10がそれぞれ互いに対向する挿入孔32に挿入されることでテントフレームを形成しており、同様に、2つのリッジフレーム20が互いに対向する挿入孔32に挿入されてテントフレームに連結される。
【0023】
一方、コネクタ30の挿入孔32の個数は前述したものに限定されず、支持フレーム10およびリッジフレーム20の個数に応じて変形自在に実施されてよい。また、コネクタ30の形状は前述したものに限定されず、コネクタ30は支持フレーム10およびリッジフレーム20の形状に応じて他の形状を有してもよい。例えば、アーチ状の支持フレーム10を互いに連結してテントフレームを形成し、リッジフレーム20をテントフレームに連結するために、コネクタはボディ部と筒状部を備えてよい。ボディ部にはそれぞれの支持フレーム10が貫通して挿入される複数の貫通孔が上下に並んで形成され、筒状部はボディ部の上部に形成されてリッジフレーム20が挿入されてよい。
【0024】
図3は、
図1のテントの一部分を透視して示した図であり、
図4は、
図3のテントの一部分を拡大して示した側面図であり、
図5は、
図4のA-A部分を切断して示した断面図である。
図3乃至
図5を参照すると、テント1は連結紐23を含む。連結紐23は、オーニング空間の内側に配置されており、一端はオーニング布21の底面に結合され、他端はテント布12の外面に結合される。したがって、連結紐23は、オーニング布21とテント布12とを連結することができ、それによって連結紐23はテント布12を上方に引っ張ることができる。
【0025】
連結紐23の一端は、オーニング布21がリッジフレーム20に固定される部位の直下方に結合されてよい。具体的に、前述したように、オーニング布21の外面には、リッジフレーム20との結合のためのクリップ22が設けられており、連結紐23の一端は、クリップ22が設けられた部位のオーニング布21の内面に結合されてよい。
【0026】
連結紐23の一端は、リッジフレーム20の固定端からリッジフレーム20の全長の1/4乃至3/4の間の距離だけ離間した地点で連結されてよく、好ましくは、連結紐23は、リッジフレーム20の中間地点に連結されてよい。したがって、連結紐23がリッジフレーム20の自由端に連結される場合に比べて、リッジフレーム20が過度にたるむことを防止することができる。また、リッジフレーム20が過度にたるむことが防止されることから、リッジフレーム20は、連結紐23がテント布12を上方に引っ張ることができるようにする十分な支持力を提供することができる。
【0027】
図4および
図5に示したように、テント布12に連結紐23の張力が加えられることにより、テント布12の一部は上方に持ち上げられるリフト部12Aを形成する。したがって、リフト部12Aが持ち上がることによって、テント1の内部空間をより広くすることができる。
【0028】
一方、テントフレームにテント布12を張り付けるとき、テントフレームと結合されていない部位でテント布12のたるみが発生することがある。しかし、本実施例では、連結紐23をテント布12に取り付けることによって、テント布12を上方に引っ張ることができる。これにより、本実施例のテント1は、テント布12のたるみを防止することができる。
【0029】
また、テント布12は、外気が流入しテント1の内部空間の空気が流出し得る換気口14を含んでよい。換気口14は、オーニング空間の内側のテント布12上に設けられてよい。一方側が外部に開放されたオーニング空間を介して風の流入が行われてよく、外気が換気口14を介してテント1の内部空間に流入することにより、テント1の内部空間の換気が容易に行われ得る。また、オーニング布21がオーニングの役割をすることにより、換気口14を介して雨水がテント1の内部空間に流入する恐れがない。
【0030】
前述したように、互いに対して逆方向に延びる一対のリッジフレーム20によってオーニング空間がテント1に対して互いに対向する側面に形成されてよい。一対のオーニング空間のいずれか一方のオーニング空間の内側に形成された換気口14を介して風が流入する場合には、反対側のオーニング空間に形成された換気口14を介して風が容易に流出することができる。したがって、テント1の内部空間の換気がより容易に行われ得る。
本実施例では、一対の換気口14がテント1の反対側面に形成された場合を例に挙げて説明したが、前述したものに限定されない。例えば、オーニング空間はテントフレームの頂部の周囲に沿って複数で形成されてもよく、換気口14は、複数のオーニング空間のそれぞれに形成されることによってテントフレームの頂部の周囲に沿って複数で形成されてもよい。
【0031】
図6は、
図1のテントの側面に風が吹く場合にテントに作用する力を説明するための図である。
図6を参照すると、テント1の側面に風が吹く場合にテント1の側面の傾斜部分に風がぶつかるようになり、このような風の影響によりテント1は地面に向かって下方へと力を受けることになる。これにより、テント1の側面に強風が吹く場合には、テント1が崩れ落ちるという問題が発生することがある。
【0032】
しかし、本実施例のテント1は、側面に風が吹く場合に、オーニング布21とテント布12との間に形成されたオーニング空間に風が到達するようになり、風はオーニング布21の内側でオーニング布21とぶつかるようになる。これによりオーニング布21は上方への力を受ける。したがって、
図5に示したように、オーニング布21に上方へと作用する風の力はテント1に下方へと作用する風の力と相殺され得る。このように本実施例のテント1は、側面に強風が吹く場合でもこれに耐えることができるので、一般的なテントに比べて耐風性が強化される。
【0033】
第2実施例
図7は、本発明の第2実施例に係るテントの側面図である。以下では、
図7を参照して本発明の第2実施例に係るテントについて説明する。なお、第1実施例に係るテントと同一または相当する構成には同一または相当する図面符号を付して具体的な説明は省略する。
図7を参照すると、リッジフレーム20'は、テントフレームの頂部から地面に対して上方に傾斜した方向に延びている。
【0034】
第1実施例のテント1の場合よりもリッジフレーム20'が上方に傾斜して配置されることにより、テント布12に作用する張力がさらに増加するようになる。これにより、テント布12のリフト部12Aが持ち上げられる程度も併せて増加するようになってテント2の内部空間をより広くすることができるとともに、テント布12のたるみをさらに防止することができる。
【0035】
また、第1実施例のテント1の場合よりも、オーニング布21とテント布12との間に形成されるオーニング空間の体積を増加させることができ、且つオーニング空間から外部に向かって開放された部分をさらに広げることができる。したがって、オーニング空間を介しての外気の流入をより容易にすることができるので、テント2の内部空間の換気をより容易に行うことができる。
【0036】
第3実施例
図8は、本発明の第3実施例に係るテントの平面図である。以下では、
図8を参照して本発明の第3実施例に係るテントについて説明する。なお、第1実施例に係るテントと同一または相当する構成には同一または相当する符号を付して具体的な説明は省略する。
図8を参照すると、テント3の基底面は四角形の形状をなしている。テント3の基底面が四角形の形状である場合でも、テント布12にはリフト部12Aが形成されてよい。したがって、リフト部12Aが持ち上げられることによって、テント3の内部空間をより広くすることができる。
【0037】
また、前述した実施例のように、連結紐23がリッジフレーム20の途中に連結されてよいので、リッジフレーム20は、テント3の隅部同士を連結する仮想線よりもテント3の外側に突出して延びてよい。したがって、オーニング布21とテント布12との間に形成されるオーニング空間の体積を増加させることができ、それによってオーニング空間を介しての外気の流入をより容易にすることができる。
【0038】
一方、
図1乃至
図8に示した実施例において、テントフレームは、4つの支持フレーム10がコネクタ30によって放射状に互いに連結されているが、これに限定されない。例えば、テントフレームは、水平方向に延びた屋根フレームと、一端は屋根フレームの少なくとも一端に結合され他端は地面に固定された脚フレームと、を含み、リッジフレームは屋根フレームに連結されてよい。すなわち、テントフレームは、複数の支持フレームが互いに組み立てられて内部空間を形成することができるものであれば、本実施例に含まれ得る。
【0039】
また、本実施例のテントの基底面は様々な形状を有してよい。前述したように、四角形または六角形の基底面を有してよく、支持フレームの組み立て方法に応じて、三角形、五角形、または多角形の形状の基底面を有するテントフレームを形成することができる。
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で様々に修正および変形が可能である。したがって、本発明に開示された実施例は、本発明の技術思想を限定するものではなく説明するためのものであり、このような実施例によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は以下の特許請求の範囲によって解釈されるべきであり、それと同等の範囲内にあるすべての技術思想は本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。