(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】マッチング支援装置、マッチング支援方法、プログラム及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20240326BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240326BHJP
【FI】
G06Q30/0601 312
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2020058018
(22)【出願日】2020-03-27
【審査請求日】2023-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201732
【氏名又は名称】松縄 正登
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【氏名又は名称】伊佐治 創
(72)【発明者】
【氏名】山木 将之
(72)【発明者】
【氏名】井上 俊輔
【審査官】中野 修平
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-133056(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取得手段、スコア化手段、マッチング手段、及び出力手段を含み、
前記取得手段は、申請情報、及び施設情報を取得し、
前記スコア化手段は、任意の点数表により、前記申請情報及び前記施設情報の少なくとも一方の情報に対し、項目毎に点数をつけてスコア化し、
前記マッチング手段は、前記点数、多次元ベクトルの長さ、及び予め設定した条件の少なくとも一つに基づき、複数の申請者及び複数の施設の中から、前記申請者と前記施設とを組み合わせるマッチングを実行し、
前記マッチング手段は、推定手段、及び算出手段を含み、
前記推定手段は、前記点数が
、他の対象者の申請情報
に対する項目毎の点数、または他の施設の施設情報
に対する項目毎の点数と同点となる場合に、複数のマッチングパターンを推定し、
前記算出手段は、前記マッチングパターン毎に、二乗和平方根を用いて、複数の要素によって構成される多次元ベクトルの長さを算出し、
前記出力手段は、前記マッチングの結果を出力する、マッチング支援装置。
【請求項2】
前記マッチング手段は、さらに、条件設定手段を含み、
前記条件設定手段は、前記予め設定した条件として、前記マッチングに手動によるマッチングの介入を可能とする介入条件を設定し、
前記マッチング手段は、
前記予め設定した条件のうち少なくとも前記介入条件に基づき、複数の申請者及び複数の施設の中から、前記申請者と前記施設とを組み合わせる手動によるマッチングを実行する、請求項1記載のマッチング支援装置。
【請求項3】
前記マッチング手段は、さらに、推奨手段を含み
、
前記マッチング手段は、
前記予め設定した条件のうち少なくとも前記介入条件に基づき、複数の申請者及び複数の施設の中から、前記申請者と前記施設とを組み合わせる手動によるマッチングを実行し、
前記推奨手段は、前記手動によるマッチングが実行された場合、マッチング候補の対象者及び前記施設の少なくとも一方を推奨し、
前記マッチング手段は、さらに、前記手動
によるマッチングの選択、及び
、前記推奨されたマッチング候補の選択の少なくとも一方による
、前記点数、多次元ベクトルの長さ、及び予め設定した条件の少なくとも一つに基づき、複数の申請者及び複数の施設の中から、前記申請者と前記施設とを組み合わせるマッチングを実行する、請求項2記載のマッチング支援装置。
【請求項4】
前記条件設定手段は、さらに、前記予め設定した条件として、前記出力されたマッチングの結果に対し、再マッチングの対象外とする再マッチング対象外フラグを立てるためのフラグ条件を設定し、
前記マッチング手段は、前記再マッチング対象外フラグに基づき、前記マッチングを再実行する、請求項2または3記載のマッチング支援装置。
【請求項5】
前記多次元ベクトルが、以下の3つの要素によって構成される3次元ベクトルである、請求項1から4のいずれか一項に記載のマッチング支援装置。
要素1:複数の対象者のうちマッチングされた対象者の数
要素2:上位の点数を有する対象者に対する影響度
要素3:申請者の推定満足度
【請求項6】
前記算出手段は、前記要素毎に重み付けを行う、請求項1から5のいずれか一項に記載のマッチング支援装置。
【請求項7】
前記出力手段は、前記マッチングの結果を任意の項目毎に順位形式で出力する、請求項1から6のいずれか一項に記載のマッチング支援装置。
【請求項8】
前記出力手段は、さらに、前記マッチングした前記施設を地図上にマッピングして出力する、請求項1から7のいずれか一項に記載のマッチング支援装置。
【請求項9】
取得工程、スコア化工程、マッチング工程、及び出力工程を含み、
前記取得工程は、申請情報、及び施設情報を取得し、
前記スコア化工程は、任意の点数表により、前記申請情報及び前記施設情報の少なくとも一方の情報に対し、項目毎に点数をつけてスコア化し、
前記マッチング工程は、前記点数、多次元ベクトルの長さ、及び予め設定した条件の少なくとも一つに基づき、複数の申請者及び複数の施設の中から、前記申請者と前記施設とを組み合わせるマッチングを実行し、
前記マッチング工程は、推定工程、及び算出工程を含み、
前記推定工程は、前記点数が
、他の対象者の申請情報
に対する項目毎の点数、または他の施設の施設情報
に対する項目毎の点数と同点となる場合に、複数のマッチングパターンを推定し、
前記算出工程は、前記マッチングパターン毎に、二乗和平方根を用いて、複数の要素によって構成される多次元ベクトルの長さを算出し、
前記出力工程は、前記マッチングの結果を出力
し、
前記各工程がコンピュータによって実行される、マッチング支援方法。
【請求項10】
コンピュータに、取得手順、スコア化手順、マッチング手順、及び出力手順を含む手順を実行させるためのプログラムであって、
前記取得手順は、申請情報、及び施設情報を取得し、
前記スコア化手順は、任意の点数表により、前記申請情報及び前記施設情報の少なくとも一方の情報に対し、項目毎に点数をつけてスコア化し、
前記マッチング手順は、前記点数、多次元ベクトルの長さ、及び予め設定した条件の少なくとも一つに基づき、複数の申請者及び複数の施設の中から、前記申請者と前記施設とを組み合わせるマッチングを実行し、
前記マッチング手順は、推定手順、及び算出手順を含み、
前記推定手順は、前記点数が
、他の対象者の申請情報
に対する項目毎の点数、または他の施設の施設情報
に対する項目毎の点数と同点となる場合に、複数のマッチングパターンを推定し、
前記算出手順は、前記マッチングパターン毎に、二乗和平方根を用いて、複数の要素によって構成される多次元ベクトルの長さを算出し、
前記出力手順は、前記マッチングの結果を出力する、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッチング支援装置、マッチング支援方法、プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
保育園等の施設に入所を申請する申請者に、要望する条件に合った1または複数の施設をネットワークを利用して仲介するシステムが報告されている(例えば、特許文献1等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
最適な申請者と施設との組み合わせを算出し、且つ短時間で処理可能な技術が求められている。
【0005】
そこで、本発明は、最適な申請者と施設との組み合わせを算出し、且つ短時間で処理可能なマッチング支援装置、マッチング支援方法、プログラム及び記録媒体の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明のマッチング支援装置は、
取得手段、スコア化手段、マッチング手段、及び出力手段を含み、
前記取得手段は、申請情報、及び施設情報を取得し、
前記スコア化手段は、任意の点数表により、前記申請情報及び前記施設情報の少なくとも一方の情報に対し、項目毎に点数をつけてスコア化し、
前記マッチング手段は、前記点数、多次元ベクトルの長さ、及び予め設定した条件の少なくとも一つに基づき、複数の申請者及び複数の施設の中から、前記申請者と前記施設とを組み合わせるマッチングを実行し、
前記マッチング手段は、推定手段、及び算出手段を含み、
前記推定手段は、前記点数が他の対象者の申請情報または他の施設の施設情報と同点となる場合に、複数のマッチングパターンを推定し、
前記算出手段は、前記マッチングパターン毎に、二乗和平方根を用いて、複数の要素によって構成される多次元ベクトルの長さを算出し、
前記出力手段は、前記マッチングの結果を出力する、装置である。
【0007】
本発明のマッチング支援方法は、
取得工程、スコア化工程、マッチング工程、及び出力工程を含み、
前記取得工程は、申請情報、及び施設情報を取得し、
前記スコア化工程は、任意の点数表により、前記申請情報及び前記施設情報の少なくとも一方の情報に対し、項目毎に点数をつけてスコア化し、
前記マッチング工程は、前記点数、多次元ベクトルの長さ、及び予め設定した条件の少なくとも一つに基づき、複数の申請者及び複数の施設の中から、前記申請者と前記施設とを組み合わせるマッチングを実行し、
前記マッチング工程は、推定工程、及び算出工程を含み、
前記推定工程は、前記点数が他の対象者の申請情報または他の施設の施設情報と同点となる場合に、複数のマッチングパターンを推定し、
前記算出工程は、前記マッチングパターン毎に、二乗和平方根を用いて、複数の要素によって構成される多次元ベクトルの長さを算出し、
前記出力工程は、前記マッチングの結果を出力する、方法である。
【0008】
本発明のプログラムは、
コンピュータに、取得手順、スコア化手順、マッチング手順、及び出力手順を含む手順を実行させるためのプログラムであって、
前記取得手順は、申請情報、及び施設情報を取得し、
前記スコア化手順は、任意の点数表により、前記申請情報及び前記施設情報の少なくとも一方の情報に対し、項目毎に点数をつけてスコア化し、
前記マッチング手順は、前記点数、多次元ベクトルの長さ、及び予め設定した条件の少なくとも一つに基づき、複数の申請者及び複数の施設の中から、前記申請者と前記施設とを組み合わせるマッチングを実行し、
前記マッチング手順は、推定手順、及び算出手順を含み、
前記推定手順は、前記点数が他の対象者の申請情報または他の施設の施設情報と同点となる場合に、複数のマッチングパターンを推定し、
前記算出手順は、前記マッチングパターン毎に、二乗和平方根を用いて、複数の要素によって構成される多次元ベクトルの長さを算出し、
前記出力手順は、前記マッチングの結果を出力する、プログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、最適な申請者と施設との組み合わせを算出し、且つ短時間で処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施形態1の装置の一例の構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態1の装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態1の装置における処理の一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、実施形態1の装置を保育園と保育園への入園希望者とのマッチングに適用した一例を示す模式図である。
【
図5】
図5は、実施形態1の装置を保育園と保育園への入園希望者とのマッチングに適用した一例を示す模式図である。
【
図6】
図6は、実施形態1の装置を保育園と保育園への入園希望者とのマッチングに適用した一例を示す模式図である。
【
図7】
図7は、実施形態1の装置を保育園と保育園への入園希望者とのマッチングに適用した一例を示す模式図である。
【
図8】
図8は、実施形態1の装置を保育園と保育園への入園希望者とのマッチングに適用した一例を示す模式図である。
【
図9】
図9は、実施形態1の装置を保育園と保育園への入園希望者とのマッチングに適用した一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明のマッチング支援装置において、例えば、
前記マッチング手段は、さらに、条件設定手段を含み、
前記条件設定手段は、前記予め設定した条件として、前記マッチングに手動によるマッチングの介入を可能とする介入条件を設定し、
前記マッチング手段は、前記介入条件を満たす前記申請者と前記施設との組み合わせが出現した場合に、前記マッチングに手動によるマッチングを介入する、という態様であってもよい。
【0012】
本発明のマッチング支援装置において、例えば、
前記マッチング手段は、さらに、推奨手段を含み、
前記推奨手段は、前記介入条件を満たす前記申請者と前記施設との組み合わせが出現した場合、マッチング候補の対象者及び前記施設の少なくとも一方を推奨し、
前記マッチング手段は、前記介入条件を満たす前記申請者と前記施設との組み合わせが出現した場合に、前記手動及び前記推奨されたマッチング候補の選択の少なくとも一方によるマッチングを実行する、という態様であってもよい。
【0013】
本発明のマッチング支援装置において、例えば、
前記条件設定手段は、さらに、前記予め設定した条件として、前記出力されたマッチングの結果に対し、再マッチングの対象外とする再マッチング対象外フラグを立てるためのフラグ条件を設定し、
前記マッチング手段は、前記再マッチング対象外フラグに基づき、前記マッチングを再実行する、という態様であってもよい。
【0014】
本発明のマッチング支援装置において、例えば、前記多次元ベクトルが、以下の3つの要素によって構成される3次元ベクトルである、という態様であってもよい。
要素1:複数の対象者のうちマッチングされた対象者の数
要素2:上位の点数を有する対象者に対する影響度
要素3:申請者の推定満足度
【0015】
本発明のマッチング支援装置において、例えば、
前記算出手段は、前記要素毎に重み付けを行う、という態様であってもよい。
【0016】
本発明のマッチング支援装置において、例えば、
前記出力手段は、前記マッチングの結果を任意の項目毎に順位形式で出力する、という態様であってもよい。
【0017】
本発明のマッチング支援装置において、例えば、
前記出力手段は、さらに、前記マッチングした前記施設を地図上にマッピングして出力する、という態様であってもよい。
【0018】
本発明のマッチング支援方法において、例えば、
前記マッチング工程は、さらに、条件設定工程を含み、
前記条件設定工程は、前記予め設定した条件として、前記マッチングに手動によるマッチングの介入を可能とする介入条件を設定し、
前記マッチング工程は、前記介入条件を満たす前記申請者と前記施設との組み合わせが出現した場合に、前記マッチングに手動によるマッチングを介入する、という態様であってもよい。
【0019】
本発明のマッチング支援方法において、例えば、
前記マッチング工程は、さらに、推奨工程を含み、
前記推奨工程は、前記介入条件を満たす前記申請者と前記施設との組み合わせが出現した場合、マッチング候補の対象者及び前記施設の少なくとも一方を推奨し、
前記マッチング工程は、前記介入条件を満たす前記申請者と前記施設との組み合わせが出現した場合に、前記手動及び前記推奨されたマッチング候補の選択の少なくとも一方によるマッチングを実行する、という態様であってもよい。
【0020】
本発明のマッチング支援方法において、例えば、
前記条件設定工程は、さらに、前記予め設定した条件として、前記出力されたマッチングの結果に対し、再マッチングの対象外とする再マッチング対象外フラグを立てるためのフラグ条件を設定し、
前記マッチング工程は、前記再マッチング対象外フラグに基づき、前記マッチングを再実行する、という態様であってもよい。
【0021】
本発明のマッチング支援方法において、例えば、前記多次元ベクトルが、以下の3つの要素によって構成される3次元ベクトルである、という態様であってもよい。
要素1:複数の対象者のうちマッチングされた対象者の数
要素2:上位の点数を有する対象者に対する影響度
要素3:申請者の推定満足度
【0022】
本発明のマッチング支援方法において、例えば、
前記算出工程は、前記要素毎に重み付けを行う、という態様であってもよい。
【0023】
本発明のマッチング支援方法において、例えば、
前記出力工程は、前記マッチングの結果を任意の項目毎に順位形式で出力する、という態様であってもよい。
【0024】
本発明のマッチング支援方法において、例えば、
前記出力工程は、さらに、前記マッチングした前記施設を地図上にマッピングして出力する、という態様であってもよい。
【0025】
本発明のプログラムにおいて、例えば、
前記マッチング手順は、さらに、条件設定手順を含み、
前記条件設定手順は、前記予め設定した条件として、前記マッチングに手動によるマッチングの介入を可能とする介入条件を設定し、
前記マッチング手順は、前記介入条件を満たす前記申請者と前記施設との組み合わせが出現した場合に、前記マッチングに手動によるマッチングを介入する、という態様であってもよい。
【0026】
本発明のプログラムにおいて、例えば、
前記マッチング手順は、さらに、推奨手順を含み、
前記推奨手順は、前記介入条件を満たす前記申請者と前記施設との組み合わせが出現した場合、マッチング候補の対象者及び前記施設の少なくとも一方を推奨し、
前記マッチング手順は、前記介入条件を満たす前記申請者と前記施設との組み合わせが出現した場合に、前記手動及び前記推奨されたマッチング候補の選択の少なくとも一方によるマッチングを実行する、という態様であってもよい。
【0027】
本発明のプログラムにおいて、例えば、
前記条件設定手順は、さらに、前記予め設定した条件として、前記出力されたマッチングの結果に対し、再マッチングの対象外とする再マッチング対象外フラグを立てるためのフラグ条件を設定し、
前記マッチング手順は、前記再マッチング対象外フラグに基づき、前記マッチングを再実行する、という態様であってもよい。
【0028】
本発明のプログラムにおいて、例えば、前記多次元ベクトルが、以下の3つの要素によって構成される3次元ベクトルである、という態様であってもよい。
要素1:複数の対象者のうちマッチングされた対象者の数
要素2:上位の点数を有する対象者に対する影響度
要素3:申請者の推定満足度
【0029】
本発明のプログラムにおいて、例えば、
前記算出手順は、前記要素毎に重み付けを行う、という態様であってもよい。
【0030】
本発明のプログラムにおいて、例えば、
前記出力手順は、前記マッチングの結果を任意の項目毎に順位形式で出力する、という態様であってもよい。
【0031】
本発明のプログラムにおいて、例えば、
前記出力手順は、さらに、前記マッチングした前記施設を地図上にマッピングして出力する、という態様であってもよい。
【0032】
本発明の記録媒体は、本発明のプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0033】
本発明において、「施設」は、特に制限されず、例えば、保育園、介護施設、病院、等がある。また、本発明において、前記施設への入所(入園・入院等ともいう)を申請する申請者と、前記施設への入所の対象となる対象者は、同じでもよいし、異なっていてもよい。本発明において、「申請者」は、特に制限されず、例えば、子供の保育園への入園を希望する親、介護施設への入所を希望する被介護者及びその家族、病院への入院を検討中の患者、その家族、及び医療従事者、救急患者の受け入れを申請する医療従事者等がある。
【0034】
本発明の適用分野は、特に制限されず、例えば、前記対象者に着目して前記施設を選定する場合や、前記施設に着目して前記対象者を選定する場合等、前記対象者と前記施設とのマッチングを必要とする分野であればよい。
【0035】
本発明の実施形態について図を用いて説明する。本発明は、以下の実施形態には限定されない。以下の各図において、同一部分には、同一符号を付している。また、各実施形態の説明は、特に言及がない限り、互いの説明を援用でき、各実施形態の構成は、特に言及がない限り、組合せ可能である。
【0036】
[実施形態1]
図1は、本実施形態のマッチング支援装置10の一例の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本装置10は、取得手段11、スコア化手段12、マッチング手段13、及び出力手段14を含む。マッチング手段13は、推定手段131、及び算出手段132を含む。
【0037】
本装置10は、例えば、前記各部を含む1つの装置でもよいし、前記各部が、通信回線網を介して接続可能な装置でもよい。また、本装置10は、前記通信回線網を介して、後述する外部装置と接続可能である。前記通信回線網は、特に制限されず、公知のネットワークを使用でき、例えば、有線でも無線でもよい。前記通信回線網は、例えば、インターネット回線、WWW(World Wide Web)、電話回線、LAN(Local Area Network)、SAN(Storage Area Network)、DTN(Delay Tolerant Networking)等があげられる。無線通信としては、例えば、WiFi(Wireless Fidelity)、Bluetooth(登録商標)等が挙げられる。前記無線通信としては、各装置が直接通信する形態(Ad Hoc通信)、アクセスポイントを介した間接通信のいずれであってもよい。本装置10は、例えば、システムとしてサーバに組み込まれていてもよい。また、本装置10は、例えば、本発明のプログラムがインストールされたパーソナルコンピュータ(PC、例えば、デスクトップ型、ノート型)、スマートフォン、タブレット端末等であってもよい。
【0038】
図2に、本装置10のハードウエア構成のブロック図を例示する。本装置10は、例えば、中央演算装置(CPU,GPU等)101、メモリ102、バス103、記憶装置104、入力装置105、表示装置106、通信デバイス107等を有する。本装置10のハードウエア構成の各部は、それぞれのインタフェース(I/F)により、バス103を介して相互に接続されている。
【0039】
中央演算装置(中央処理装置)101は、本装置10の全体の制御を担う。本装置10において、中央演算装置101により、例えば、本発明のプログラムやその他のプログラムが実行され、また、各種情報の読み込みや書き込みが行われる。具体的には、例えば、中央演算装置101が、取得手段11、スコア化手段12、マッチング手段13、及び出力手段14として機能する。
【0040】
バス103は、例えば、外部装置とも接続できる。前記外部装置は、例えば、外部データベース、プリンター、記憶装置、撮像装置(カメラ等)等があげられる。本装置10は、例えば、バス103に接続された通信デバイス107により、前記通信回線網に接続でき、前記通信回線網を介して、外部装置と接続することもできる。
【0041】
メモリ102は、例えば、メインメモリ(主記憶装置)が挙げられる。中央演算装置101が処理を行う際には、例えば、後述する記憶装置104に記憶されている本発明のプログラム等の種々の動作プログラムを、メモリ102が読み込み、中央演算装置101は、メモリ102からデータを受け取って、プログラムを実行する。前記メインメモリは、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)である。また、メモリ102は、例えば、ROM(読み出し専用メモリ)であってもよい。
【0042】
記憶装置104は、例えば、前記メインメモリ(主記憶装置)に対して、いわゆる補助記憶装置ともいう。前述のように、記憶装置104には、本発明のプログラムを含む動作プログラムが格納されている。記憶装置104は、例えば、記録媒体と、記録媒体に読み書きするドライブとの組合せであってもよい。前記記録媒体は、特に制限されず、例えば、内蔵型でも外付け型でもよく、HD(ハードディスク)、CD-ROM、CD-R、CD-RW、MO、DVD、フラッシュメモリー、メモリーカード等が挙げられる。記憶装置104は、例えば、記録媒体とドライブとが一体化されたハードディスクドライブ(HDD)、及びソリッドステートドライブ(SSD)であってもよい。
【0043】
本装置10において、メモリ102及び記憶装置104は、管理者からのアクセス情報及びログ情報、並びに、外部データベース(図示せず)から取得した情報を記憶することも可能である。
【0044】
本装置10は、例えば、さらに、入力装置105、表示装置106を有する。入力装置105は、例えば、タッチパネル、キーボード、マウス等である。表示装置106は、例えば、LEDディスプレイ、液晶ディスプレイ等が挙げられる。
【0045】
つぎに、本実施形態のマッチング支援方法の一例を、
図3のフローチャートに基づき説明する。本実施形態のマッチング支援方法は、例えば、
図1のマッチング支援装置10を用いて、次のように実施する。なお、本実施形態のマッチング支援方法は、
図1のマッチング支援装置10の使用には限定されない。
【0046】
まず、取得手段11により、申請情報、及び施設情報を取得する(S1)。前記申請情報は、例えば、申請者情報、対象者情報、希望施設情報等の情報がある。前記申請者情報は、例えば、前記申請者の名前、生年月日、性別、世帯年収、前記対象者との関係等の情報がある。前記対象者情報は、例えば、前記対象者の名前、生年月日、性別、病歴、アレルギーの有無、家族構成等の情報がある。前記希望施設情報は、前記申請者が希望する施設の情報であり、例えば、施設名、施設のエリア、施設の設備、受け入れ可能人数、空き人数等の情報がある。前記取得の形式は、特に制限されず、例えば、前記通信回路網を介して取得してもよいし、入力装置105を用いて前記各情報が入力されることで、取得してもよい。
【0047】
次に、スコア化手段12により、任意の点数表により、前記申請情報及び前記施設情報の少なくとも一方の情報に対し、項目毎に点数をつけてスコア化する(S2)。前記点数表は、特に制限されず、例えば、自治体や施設が公開している「保育所入所基準指数表」等を取得して用いてもよいし、ユーザが予め作成した点数表を用いてもよい。前記点数には、例えば、総合点、基準点、調整点等がある。前記対象者に兄弟等の家族がいる場合、スコア化手段12は、前記対象者の点数を、前記家族の点数と同一にしてもよいし、前記家族の点数との平均にしてもよい。前記対象者の点数を前記同一にするか前記平均とするかは、例えば、本装置10のユーザが任意に選択可能である。
【0048】
次に、マッチング手段13により、前記点数、後述の多次元ベクトルの長さ、及び予め設定した条件の少なくとも一つに基づき、複数の申請者及び複数の施設の中から、前記申請者と前記施設とを組み合わせるマッチングを実行する(S3)。以下において、前記マッチングは、例えば、自動マッチングともいう。前記予め設定した条件は、特に制限されず、任意に設定可能である。具体的には、例えば、前記マッチングに手動によるマッチングの介入を可能とする介入条件、後述の出力手段14によって出力されたマッチングの結果に対し、再マッチングの対象外とする再マッチング対象外フラグを立てるためのフラグ条件等である。また、本装置10は、前記予め設定した条件として、前記対象者の兄弟等の家族と同じ施設への入所を希望するか、及びその希望する程度を設定してもよい。さらに、本装置10は、前記予め設定した条件として、前記兄弟等の家族間において、対象者毎に優先順位を設定してもよい。マッチング手段13が、前記点数に基づき、前記マッチングを実行する場合は、例えば、前記点数(総合点や基準点、調整点等)の高い順からマッチングを実行してもよい。マッチング手段13が、前記多次元ベクトルの長さに基づき、前記マッチングを実行する場合は、例えば、前記多次元ベクトルの長さの長い順からマッチングを実行してもよい。
【0049】
具体的に、マッチング手段13は、推定手段131により、前記点数が他の対象者の申請情報または他の施設の施設情報と同点となる場合に、複数のマッチングパターンを推定する(S3-1)。そして、算出手段132により、前記マッチングパターン毎に、二乗和平方根を用いて、複数の要素によって構成される多次元ベクトルの長さを算出する(S3-2)。より具体的には、実施形態2にて説明する。
【0050】
そして、出力手段14は、前記マッチングの結果を出力し(S4)、終了する(END)。前記出力の形式は、特に制限されず、例えば、前記マッチングの結果を任意の項目毎に順位形式で出力してもよいし、前記マッチングした前記施設を地図上にマッピングして出力してもよい。これにより、前記マッチングの結果を視覚的に把握しやすくなる。
【0051】
マッチング手段13は、例えば、さらに、条件設定手段を含んでもよい。前記条件設定手段は、前記予め設定した条件として、前記自動マッチングに手動によるマッチングの介入を可能とする介入条件を設定する。前記手動によるマッチングとは、例えば、ユーザが目視により、前記申請者と前記施設とを組み合わせるマッチングを実行することをいう。そして、マッチング手段13は、前記介入条件を満たす前記申請者と前記施設との組み合わせが出現した場合に、前記自動マッチングに手動によるマッチングを介入する。本装置10は、例えば、前記手動によるマッチングの介入前の前記自動マッチングの結果を記憶装置104に一時的に記録してもよい。そして、本装置10は、例えば、前記記録した自動マッチングの結果に、前記手動による前記申請者と前記施設との組み合わせに対するマッチングの結果を付加し、さらに、他の申請者及び他の施設に対する自動マッチングの処理を実行する。本装置10は、例えば、さらに、推奨手段を含んでもよい。前記推奨手段は、前記介入条件を満たす前記申請者と前記施設との組み合わせが出現した場合、マッチング候補の対象者及び前記施設の少なくとも一方を推奨する。そして、マッチング手段13は、例えば、前記介入条件を満たす前記申請者と前記施設との組み合わせが出現した場合に、前記手動及び本装置10によって推奨されたマッチング候補の選択の少なくとも一方によるマッチングを実行する。
【0052】
前記設定手段は、さらに、前記予め設定した条件として、出力手段14によって出力されたマッチングの結果に対し、再マッチングの対象外とする再マッチング対象外フラグを立てるためのフラグ条件を設定してもよい。この場合、マッチング手段13は、前記再マッチング対象外フラグに基づき、前記マッチングを再実行する。すなわち、この場合において、本装置10は、前記工程(S3)から前記工程(S4)を反復処理する。具体的には、例えば、本装置10とは別に手動でマッチングさせて確定した場合や、前記出力されたマッチングの結果により、前記マッチングの結果に含まれる複数の対象者及び複数の施設から、一部の対象者及び一部の施設において前記マッチングが確定した場合、等がある。
【0053】
本実施形態のマッチング支援装置10によれば、最適な申請者と施設との組み合わせを算出し、且つ短時間で処理することができる。また、本装置10によれば、例えば、手動でのマッチング処理も可能であるため、マッチング処理の原理が不明(いわゆる、ブラックボックス)であり、マッチング処理をやり直す等の問題を解消できる。また、本装置10によれば、予め設定した条件に基づいたマッチングを行うため、兄弟等のカップリングを考慮したマッチングが可能となる。さらに、本装置10によれば、例えば、多次元ベクトルを用いることで、複数の対象者及び複数の施設に対し、より最適なマッチングを行うことができる。特に、保育園への入園選考において、従来は、作業員が多数の申請書類等を目視で確認して、対象者に点数をつけて選考を行っていた。そのため、選考に時間や人手がかかっていた。しかしながら、本装置10によれば、入園選考を短時間で処理することが可能であり、人的コストも抑えられる。
【0054】
[実施形態2]
具体的に、保育園と保育園への入園希望者とのマッチングに本装置10を適用した一例を
図4~
図9を用いて説明する。
【0055】
取得手段11は、
図4に示す申請情報と、施設情報とを取得する。なお、前記施設情報において、「年齢」とは、各施設における受け入れ可能な園児の年齢を意味し、「募集」とは、各施設における受け入れ可能総人数から在籍園児総人数を引いた、いわゆる「空き人数」、「募集人数」を意味する。次に、スコア化手段12は、前記対象者毎に、点数をつける。この場合において、本装置10は、例えば、施設Eに在園している対象者(3)が、転所を希望しているため、施設Eにおける「募集」を0から仮定的に1に変更する。
【0056】
次に、マッチング手段13は、
図5に示すように、前記点数が最も高い対象者(1)を保育園Eにマッチング(配属、配園ともいう)するように仮決定する。このため、施設Eにおける「募集」は、1から0に変更される。しかしながら、対象者(2)~対象者(7)は、点数が同点であり、さらに、各施設の募集人数に対し、希望する前記対象者が多い等の競合が生じる。そこで、推定手段131は、対象者(2)~対象者(7)と、各施設とのマッチングパターンを推定する。前記推定したマッチングパターンの一部の一例を
図6に示す。
【0057】
次に、算出手段132は、前記マッチングパターン毎に、複数の要素によって構成される多次元ベクトルの長さを算出する。
図6では、前記複数の要素として、複数の対象者のうちマッチングされた対象者の数(配属人数(A))、上位の点数を有する対象者に対する影響度(転入不可影響度(B))、申請者の推定満足度(申請者満足度(C))の3つを設定した。さらに、前記申請者の推定満足度においては、各マッチングパターンによって、前記申請者の希望をどの程度実現できたかを示す希望満足度(C-1)と、兄弟等の家族が同じ施設に入れたかを示す親族満足度(C-2)との2つを設定した。
【0058】
具体的に、配属人数(A)について説明する。パターンNo.1において、対象者(2)~対象者(7)のうち、施設Dへの転所を希望する対象者(3)以外の5人は、施設A~Dのいずれか一つに入園できるため、算出手段132により、配属人数(A)は「5」となる。一方で、パターンNo.3において、対象者(3)及び対象者(5)以外の4人は、施設A~Dのいずれか一つに入園できるため、算出手段132により、配属人数(A)は「4」となる。
【0059】
具体的に、転入不可影響度(B)について説明する。パターン1のように、対象者(3)が配属できないマッチングパターンの場合、対象者(1)が仮決定した施設Eに配属されないことになる。すなわち、このようなマッチングパターンにおいては、対象者(3)よりも点数が上位の1人に影響があるということで、算出手段132により、転入不可影響度(B)は1になる。
【0060】
具体的に、希望満足度(C-1)について説明する。パターンNo.1において、対象者(4)は、第2希望に配属されるため、予め設定した希望満足度点数表より点数は90である。さらに、希望満足度(C-1)に、重み付けとして0.3が設定されているため、算出手段132により、希望満足度(C-1)は、90に0.3を乗じて27となる。前記希望満足度点数表は、特に制限されず、任意に設定可能である。前記希望満足度点数表の一例を
図9に示す。
【0061】
具体的に、親族満足度(C-2)について説明する。対象者(4)~(6)は、兄弟であり、同一施設への入所を希望している。しかしながら、パターンNo.1では、兄弟の配属施設数は施設A及びBの2施設となる。ここで、予め設定した親族満足度点数表より、同一施設への入所を希望している兄弟に対し、2施設を割り当てた場合の点数は50とする。前記親族満足度点数表は、特に制限されず、任意に設定可能である。前記親族満足度点数表の一例を
図9に示す。また、親族満足度(C-2)に、重み付けとして0.7が設定されているため、算出手段132により、親族満足度(C-2)は、50に0.7を乗じて35となる。一方で、パターン3では、対象者(5)がいずれの施設にも配属されておらず、且つ対象者(4)と対象者(6)が配属される施設は異なっている。ここで、予め設定した親族満足度点数表により、対象者(5)における点数は、0であり、対象者(4)及び対象者(6)における点数は、それぞれ50とする。算出手段132は、この3人の合計点数(100)を3人で割り、重み付けの0.7を乗じて、23.333となる。
【0062】
そして、算出手段132は、
図7に示すように、二乗和平方根により、配属人数(A)の値と、転入不可影響度(B)の値と、申請者満足度(C)の値(希望満足度(C-1)の値と親族満足度(C-2)の値の合計)を用いて、3次元ベクトルの長さを算出する。算出手段132は、例えば、
図7に示すように、要素毎に設定されている重みを用いて、各要素に重み付けを行う。より具体的には、
図8に示す式を用いて、3次元ベクトルの長さを算出する。マッチング手段13は、
図7に示すマッチングパターンの中から、最も3次元ベクトルの長さが長いパターンNo.10を最適なマッチングパターンと推定する。
【0063】
そして、出力手段14は、前記パターンNo.10及び前記仮決定した対象者(1)を保育園Eにマッチング(配属)することを組み合わせたデータを前記マッチングの結果として出力する。
【0064】
マッチング手段13は、例えば、予め設定した条件として、制限事項が設定されている場合、特定のマッチングパターンをマッチングの対象外としてもよい。前記制限事項として、例えば、同時期の入園を希望している兄弟等のうち配属されない対象者が存在するマッチングパターン(例えば、
図6におけるパターンNo.3等)、同一施設への入園を希望している兄弟等において少なくとも1人が異なる施設へ配属されるマッチングパターン(例えば、
図6におけるパターンNo.1等)、前記優先順位の低い兄弟が希望する施設へ配属され、且つ優先順位の高い兄弟がどの施設にも配属されないマッチングパターン等がある。
【0065】
[実施形態3]
本実施形態のプログラムは、前記実施形態1及び2記載の方法の各工程を、手順として、コンピュータに実行させるためのプログラムである。本発明において、「手順」は、「処理」と読み替えてもよい。また、本実施形態のプログラムは、例えば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されていてもよい。前記記録媒体としては、特に限定されず、例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク(HD)、光ディスク等が挙げられる。
【0066】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をできる。
【0067】
<付記>
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のように記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
取得手段、スコア化手段、マッチング手段、及び出力手段を含み、
前記取得手段は、申請情報、及び施設情報を取得し、
前記スコア化手段は、任意の点数表により、前記申請情報及び前記施設情報の少なくとも一方の情報に対し、項目毎に点数をつけてスコア化し、
前記マッチング手段は、前記点数、多次元ベクトルの長さ、及び予め設定した条件の少なくとも一つに基づき、複数の申請者及び複数の施設の中から、前記申請者と前記施設とを組み合わせるマッチングを実行し、
前記マッチング手段は、推定手段、及び算出手段を含み、
前記推定手段は、前記点数が他の対象者の申請情報または他の施設の施設情報と同点となる場合に、複数のマッチングパターンを推定し、
前記算出手段は、前記マッチングパターン毎に、二乗和平方根を用いて、複数の要素によって構成される多次元ベクトルの長さを算出し、
前記出力手段は、前記マッチングの結果を出力する、マッチング支援装置。
(付記2)
前記マッチング手段は、さらに、条件設定手段を含み、
前記条件設定手段は、前記予め設定した条件として、前記マッチングに手動によるマッチングの介入を可能とする介入条件を設定し、
前記マッチング手段は、前記介入条件を満たす前記申請者と前記施設との組み合わせが出現した場合に、前記マッチングに手動によるマッチングを介入する、付記1記載のマッチング支援装置。
(付記3)
前記マッチング手段は、さらに、推奨手段を含み、
前記推奨手段は、前記介入条件を満たす前記申請者と前記施設との組み合わせが出現した場合、マッチング候補の対象者及び前記施設の少なくとも一方を推奨し、
前記マッチング手段は、前記介入条件を満たす前記申請者と前記施設との組み合わせが出現した場合に、前記手動及び前記推奨されたマッチング候補の選択の少なくとも一方によるマッチングを実行する、付記2記載のマッチング支援装置。
(付記4)
前記条件設定手段は、さらに、前記予め設定した条件として、前記出力されたマッチングの結果に対し、再マッチングの対象外とする再マッチング対象外フラグを立てるためのフラグ条件を設定し、
前記マッチング手段は、前記再マッチング対象外フラグに基づき、前記マッチングを再実行する、付記2または3記載のマッチング支援装置。
(付記5)
前記多次元ベクトルが、以下の3つの要素によって構成される3次元ベクトルである、付記1から4のいずれかに記載のマッチング支援装置。
要素1:複数の対象者のうちマッチングされた対象者の数
要素2:上位の点数を有する対象者に対する影響度
要素3:申請者の推定満足度
(付記6)
前記算出手段は、前記要素毎に重み付けを行う、付記1から5のいずれかに記載のマッチング支援装置。
(付記7)
前記出力手段は、前記マッチングの結果を任意の項目毎に順位形式で出力する、付記1から6のいずれかに記載のマッチング支援装置。
(付記8)
前記出力手段は、さらに、前記マッチングした前記施設を地図上にマッピングして出力する、付記1から7のいずれかに記載のマッチング支援装置。
(付記9)
取得工程、スコア化工程、マッチング工程、及び出力工程を含み、
前記取得工程は、申請情報、及び施設情報を取得し、
前記スコア化工程は、任意の点数表により、前記申請情報及び前記施設情報の少なくとも一方の情報に対し、項目毎に点数をつけてスコア化し、
前記マッチング工程は、前記点数、多次元ベクトルの長さ、及び予め設定した条件の少なくとも一つに基づき、複数の申請者及び複数の施設の中から、前記申請者と前記施設とを組み合わせるマッチングを実行し、
前記マッチング工程は、推定工程、及び算出工程を含み、
前記推定工程は、前記点数が他の対象者の申請情報または他の施設の施設情報と同点となる場合に、複数のマッチングパターンを推定し、
前記算出工程は、前記マッチングパターン毎に、二乗和平方根を用いて、複数の要素によって構成される多次元ベクトルの長さを算出し、
前記出力工程は、前記マッチングの結果を出力する、マッチング支援方法。
(付記10)
前記マッチング工程は、さらに、条件設定工程を含み、
前記条件設定工程は、前記予め設定した条件として、前記マッチングに手動によるマッチングの介入を可能とする介入条件を設定し、
前記マッチング工程は、前記介入条件を満たす前記申請者と前記施設との組み合わせが出現した場合に、前記マッチングに手動によるマッチングを介入する、付記9記載のマッチング支援方法。
(付記11)
前記マッチング工程は、さらに、推奨工程を含み、
前記推奨工程は、前記介入条件を満たす前記申請者と前記施設との組み合わせが出現した場合、マッチング候補の対象者及び前記施設の少なくとも一方を推奨し、
前記マッチング工程は、前記介入条件を満たす前記申請者と前記施設との組み合わせが出現した場合に、前記手動及び前記推奨されたマッチング候補の選択の少なくとも一方によるマッチングを実行する、付記10記載のマッチング支援方法。
(付記12)
前記条件設定工程は、さらに、前記予め設定した条件として、前記出力されたマッチングの結果に対し、再マッチングの対象外とする再マッチング対象外フラグを立てるためのフラグ条件を設定し、
前記マッチング工程は、前記再マッチング対象外フラグに基づき、前記マッチングを再実行する、付記10または11記載のマッチング支援方法。
(付記13)
前記多次元ベクトルが、以下の3つの要素によって構成される3次元ベクトルである、付記9から12のいずれかに記載のマッチング支援方法。
要素1:複数の対象者のうちマッチングされた対象者の数
要素2:上位の点数を有する対象者に対する影響度
要素3:申請者の推定満足度
(付記14)
前記算出工程は、前記要素毎に重み付けを行う、付記9から13のいずれかに記載のマッチング支援方法。
(付記15)
前記出力工程は、前記マッチングの結果を任意の項目毎に順位形式で出力する、付記9から14のいずれかに記載のマッチング支援方法。
(付記16)
前記出力工程は、さらに、前記マッチングした前記施設を地図上にマッピングして出力する、付記9から15のいずれかに記載のマッチング支援方法。
(付記17)
コンピュータに、取得手順、スコア化手順、マッチング手順、及び出力手順を含む手順を実行させるためのプログラムであって、
前記取得手順は、申請情報、及び施設情報を取得し、
前記スコア化手順は、任意の点数表により、前記申請情報及び前記施設情報の少なくとも一方の情報に対し、項目毎に点数をつけてスコア化し、
前記マッチング手順は、前記点数、多次元ベクトルの長さ、及び予め設定した条件の少なくとも一つに基づき、複数の申請者及び複数の施設の中から、前記申請者と前記施設とを組み合わせるマッチングを実行し、
前記マッチング手順は、推定手順、及び算出手順を含み、
前記推定手順は、前記点数が他の対象者の申請情報または他の施設の施設情報と同点となる場合に、複数のマッチングパターンを推定し、
前記算出手順は、前記マッチングパターン毎に、二乗和平方根を用いて、複数の要素によって構成される多次元ベクトルの長さを算出し、
前記出力手順は、前記マッチングの結果を出力する、プログラム。
(付記18)
前記マッチング手順は、さらに、条件設定手順を含み、
前記条件設定手順は、前記予め設定した条件として、前記マッチングに手動によるマッチングの介入を可能とする介入条件を設定し、
前記マッチング手順は、前記介入条件を満たす前記申請者と前記施設との組み合わせが出現した場合に、前記マッチングに手動によるマッチングを介入する、付記17記載のプログラム。
(付記19)
前記マッチング手順は、さらに、推奨手順を含み、
前記推奨手順は、前記介入条件を満たす前記申請者と前記施設との組み合わせが出現した場合、マッチング候補の対象者及び前記施設の少なくとも一方を推奨し、
前記マッチング手順は、前記介入条件を満たす前記申請者と前記施設との組み合わせが出現した場合に、前記手動及び前記推奨されたマッチング候補の選択の少なくとも一方によるマッチングを実行する、付記18記載のプログラム。
(付記20)
前記条件設定手順は、さらに、前記予め設定した条件として、前記出力されたマッチングの結果に対し、再マッチングの対象外とする再マッチング対象外フラグを立てるためのフラグ条件を設定し、
前記マッチング手順は、前記再マッチング対象外フラグに基づき、前記マッチングを再実行する、付記18または19記載のプログラム。
(付記21)
前記多次元ベクトルが、以下の3つの要素によって構成される3次元ベクトルである、付記17から20のいずれかに記載のプログラム。
要素1:複数の対象者のうちマッチングされた対象者の数
要素2:上位の点数を有する対象者に対する影響度
要素3:申請者の推定満足度
(付記22)
前記算出手順は、前記要素毎に重み付けを行う、付記17から21のいずれかに記載のプログラム。
(付記23)
前記出力手順は、前記マッチングの結果を任意の項目毎に順位形式で出力する、付記17から22のいずれかに記載のプログラム。
(付記24)
前記出力手順は、さらに、前記マッチングした前記施設を地図上にマッピングして出力する、付記17から23のいずれかに記載のプログラム。
(付記25)
付記17から24のいずれかに記載のプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明によれば、最適な申請者と施設との組み合わせを算出し、且つ短時間で処理することができる。このため、本発明は、例えば、対象者と施設とのマッチングを必要とする分野において、特に有用である。
【符号の説明】
【0069】
10 マッチング支援装置
11 取得手段
12 スコア化手段
13 マッチング手段
131 推定手段
132 算出手段
14 出力手段