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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】通信システム
(51)【国際特許分類】
   H04W 74/08 20240101AFI20240326BHJP
   H04W 48/10 20090101ALI20240326BHJP
   H04W 52/04 20090101ALI20240326BHJP
   H04W 72/044 20230101ALI20240326BHJP
【FI】
H04W74/08
H04W48/10
H04W52/04
H04W72/044
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022504710
(86)(22)【出願日】2021-02-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-28
(86)【国際出願番号】 JP2021004223
(87)【国際公開番号】W WO2021161907
(87)【国際公開日】2021-08-19
【審査請求日】2022-01-24
【審判番号】
【審判請求日】2023-09-01
(31)【優先権主張番号】2002086.3
(32)【優先日】2020-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141519
【弁理士】
【氏名又は名称】梶田 邦之
(72)【発明者】
【氏名】グロウ, マキシム
(72)【発明者】
【氏名】ハイララ, チャディ
(72)【発明者】
【氏名】チェン, ユーファー
(72)【発明者】
【氏名】グプタ, ニーラジ
【合議体】
【審判長】中木 努
【審判官】本郷 彰
【審判官】新田 亮
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/007336(WO,A1)
【文献】特表2017-514396(JP,A)
【文献】Panasonic,Discussion on the RACH Type Selection,3GPP TSG RAN WG2 #107 R2-1909238,2019年08月15日
【文献】Perspecta Labs, CISA ECD, AT & T, T-Mobile, Verizon, Ericsson, Qualcomm,RA Prioritization for MPS for 2-step RACH,3GPP TSG RAN WG2 #108 R2-1916269,2019年11月13日
【文献】MediaTek Inc.,LBT for Random Access in NR-U,3GPP TSG RAN WG2 #104 R2-1816478,2018年11月01日
【文献】CMCC,Further discussion on RA type selection,3GPP TSG RAN WG2 #107bis R2-1912954,2019年10月04日
【文献】ZTE Corporation, Sanechips, CATT,Consideration on the load balance between 2-step RACH and 4-step RACH,3GPP TSG RAN WG2 #107 R2-1911501,2019年08月19日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24-7/26
H04W4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
3GPP TSG SA WG1-4
3GPP TSG CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器(user equipment:UE)であって、
プリアンブル部分と物理アップリンク共有チャネル(Physical Uplink Shared CHannel:PUSCH)送信部分とを含む第1のランダムアクセスメッセージ(Message A:MsgA)を送信するための参照信号受信電力(Reference Signal Received Power:RSRP)しきい値を示す情報とUEによる少なくとも1つのサービス又は使用のタイプに対応するパラメータを示す情報とを受信する手段と
RSRPを測定する手段と、
前記RSRPと前記RSRPしきい値と前記UEに対応するサービス又は使用のタイプに対応する前記パラメータとに基づいて、行われるランダムアクセス手順を決定する手段と、
を備える、UE。
【請求項2】
接続試行の優先度レベルを決定する手段を備え、
前記パラメータは、前記優先度レベルに対応する請求項1記載のUE。
【請求項3】
前記RSRPが前記RSRPしきい値と前記パラメータとの合計以上である場合に、前記第1のランダムアクセスメッセージ(Message A:MsgA)を送信する手段を備える、請求項1又は2記載のUE。
【請求項4】
前記RSRPが前記RSRPしきい値と前記パラメータとの合計未満である場合に、プリアンブル部分を含むがPUSCH送信部分を含まない第1のランダムアクセスメッセージ(Message 1:Msg1)を送信する手段を備える、請求項1又は2記載のUE。
【請求項5】
プリアンブル部分と物理アップリンク共有チャネル(Physical Uplink Shared CHannel:PUSCH)送信部分とを含む第1のランダムアクセスメッセージ(Message A:MsgA)をユーザ機器(user equipment:UE)が送信するための参照信号受信電力(Reference Signal Received Power:RSRP)しきい値を示す情報と前記UEによる少なくとも1つのサービス又は使用のタイプに対応するパラメータを示す情報とを送信する手段と、
前記UEにより測定されるRSRPと前記RSRPしきい値と前記UEに対応するサービス又は使用のタイプに対応するパラメータとに基づいて、前記UEとランダムアクセス手順を実行する手段と、
を備える基地局。
【請求項6】
ユーザ機器(user equipment:UE)における方法であって、
プリアンブル部分と物理アップリンク共有チャネル(Physical Uplink Shared CHannel:PUSCH)送信部分とを含む第1のランダムアクセスメッセージ(Message A:MsgA)を送信するための参照信号受信電力(Reference Signal Received Power:RSRP)しきい値を示す情報と前記UEによる少なくとも1つのサービス又は使用のタイプに対応するパラメータを示す情報とを受信することと
RSRPを測定することと、
前記RSRPと前記RSRPしきい値と前記UEに対応するサービス又は使用のタイプに対応するパラメータとに基づいて、行われるランダムアクセス手順を決定することと、を含む、UEにおける方法。
【請求項7】
プリアンブル部分と物理アップリンク共有チャネル(Physical Uplink Shared CHannel:PUSCH)送信部分とを含む第1のランダムアクセスメッセージ(Message A:MsgA)をユーザ機器(user equipment:UE)が送信するための参照信号受信電力(Reference Signal Received Power:RSRP)しきい値を示す情報と前記UEによる少なくとも1つのサービス又は使用のタイプに対応するパラメータを示す情報とを送信することと、
前記UEにより測定されるRSRPと前記RSRPしきい値と前記UEに対応するサービス又は使用のタイプに対応するパラメータとに基づいて、前記UEとランダムアクセス手順を実行することと、
を含む、基地局における方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システムに関する。本発明は、(LTEアドバンス及びNext Generation(次世代)又は5Gネットワークを含む)3GPP(3rd Generation Partnership Project:第3世代パートナーシッププロジェクト)規格又は等価物若しくはその派生物に従って動作する無線通信システム及びその装置に特に関連するが、これに限定するものではない。本発明は、必ずしもこれに限定するものではないが、いわゆるランダムアクセス手順に特に関連する。
【背景技術】
【0002】
3GPP規格の最近の動向は、EPC(Evolved Packet Core:発展型パケットコア)ネットワーク及びE-UTRAN(Evolved UMTS Terrestrial Radio Access Network:進化型UMTS地上無線アクセスネットワーク)のLTE(Long Term Evolution:ロングタームエボリューション)と呼ばれ、概して「4G」とも呼ばれる。更に、用語「5G」及び「NR」(new radio:ニューラジオ)は、様々なアプリケーション及びサービスをサポートすることが期待される、進化する通信技術を指す。5Gネットワークの様々な詳細は、例えば、NGMN(Next Generation Mobile Networks)アライアンスによる「NGMN 5G White Paper:NGMN 5G白書」V1.0に記載されており、その文献はhttps://www.ngmn.org/5g-white-paper.htmlから入手可能である。3GPPは、いわゆる3GPP NextGen(次世代)無線アクセスネットワーク(RAN)及び3GPP NextGenコアネットワークを通じて、5Gをサポートすることを意図する。
【0003】
3GPP規格の下では、NodeB(又はLTEにおいては「eNB」、5Gにおいては「gNB」)は、通信装置(ユーザ機器又は「UE」)がコアネットワークに接続し、他の通信装置又は遠隔サーバと通信するための基地局である。簡略化のため、本願は、このような何らかの基地局を指すために基地局という用語を使用する。
簡略化のため、本願は、1つ以上の基地局を介してコアネットワークに接続することができる何らかの通信装置を指すために、モバイル装置、ユーザ装置又はUEという用語を使用する。
【0004】
通信装置は、例えば、携帯電話、スマートフォン、ユーザ機器、携帯情報端末、ラップトップ/タブレットコンピュータ、ウェブブラウザ、電子書籍リーダなどの移動通信装置であってもよい。このようなモバイル(又は概して据え置き型)装置は、典型的にはユーザにより操作される。但し、3GPP規格は、また、いわゆる「IoT(Internet of Things:モノのインターネット)」装置(例えばNB-IoT(Narrow-Band IoT:狭帯域IoT)装置)をネットワークに接続することも可能にしており、IoT装置は、典型的には、様々な測定機器、遠隔測定機器、監視システム、トラッキング及びトレース装置、車載安全システム、車両メンテナンスシステム、道路センサ、デジタルビルボード、POS(販売時点情報管理:point of sale)端末、リモートコントロールシステム、及び同様のものなどの自動化機器を含む。事実上、モノのインターネットは、適切な電子機器、ソフトウェア、センサ、ネットワーク接続性、及び/又は同様のものを装備した装置(又は「モノ」)のネットワークであって、これらの装置が、相互にデータを収集したり、他の通信装置とデータを交換したりすることを可能にする。IoT装置はまたMTC(Machine-Type Communication:マシンタイプコミュニケーション)通信装置又はM2M(Machine-to-Machine:マシンツーマシン)通信装置と呼ばれることがある、ということが理解される。
【0005】
簡略化のため、本願は、多くの場合説明においてモバイル装置に言及するが、説明されている技術は、このような通信装置が人間の入力によって制御されるか又はメモリに記憶されたソフトウェア命令によって制御されるかに関わらず、データ送信/受信するために通信ネットワークに接続することができる任意の通信装置(モバイル及び/又は概して据え置き型)に実装することができる、ということが理解される。
【0006】
コアネットワーク(すなわち、LTEの場合の「EPC」及び5Gの場合の「5GC」)は、典型的には、(とりわけ)加入者管理、モビリティ管理、課金、セキュリティ、及び通話/セッション管理のための機能をホスティングし、インターネットなどの外部ネットワークに対する通信装置の接続を提供する。
【0007】
UEが基地局を介してデータを通信することができる前には、UEが位置するセルを提供する基地局との間で、いわゆる(競合ベース)ランダムアクセス手順を行なう必要がある。現在、リリース15では、ランダムアクセス手順は、4ステップの手順である。「Msg1」と称される第1のステップでは、UEは、PRACH(Physical Random Access Channel:物理ランダムアクセスチャネル)プリアンブルを送信する。基地局がプリアンブルを検出すると、基地局は(「Msg2」とも呼ばれる)RAR(random access response:ランダムアクセス応答)で応答する。RARは、検出されたプリアンブル識別子、時間進行コマンド(time-advance command)、TC-RNTI(temporary C-RNTI:一時的C-RNTI)、及び(「Msg3」と称される)UEからのPUSCH(Physical Uplink Shared CHannel:物理アップリンク共有チャネル)送信をスケジューリングするためのアップリンクグラントを含む。UEは、スケジューリングされたようにMsg3を送信し、競合解決のための識別子を含む。Msg3の受信に応じて、ネットワークは、(「Msg4」とも呼ばれる)競合解決メッセージを、競合解決識別子とともに送信する。UEが正常にMsg4を受信し、且つその競合解決識別子を検出すると、UEは、PUCCH(Physical Uplink Control CHannel:物理アップリンク制御チャネル)上で肯定応答を送信し、それにより、4ステップのランダムアクセス手順が完了する。
【0008】
3GPP規格のリリース16から、(現在使用されている4ステップのランダムアクセス手順に加えて)2ステップのランダムアクセス手順が提案されている。2ステップのランダムアクセスは、主に、(超)低遅延通信、10msの制御プレーン遅延、急速なハンドオーバ、免許不要帯域における効率的なチャネルアクセス、及び小さなデータパケットの送信などをサポートすることを意図している。
【0009】
見て分かるように、4ステップのランダムアクセス手順は、UEと基地局との間で2ラウンドトリップ・サイクルを必要とする。2ステップのランダムアクセス手順は、UEと基地局との間で単一のラウンドトリップ・サイクルを使用することによって、遅延及び制御シグナリングのオーバヘッドを低減させることを目的としている。事実上、これは、UEのPRACHプリアンブル(Msg1)送信とスケジューリングされたPUSCH送信(Msg3)とを(「MsgA」と称される)単一のメッセージに組み合わせることによって実現される。同様に、基地局からUEに対するRAR(random-access response:ランダムアクセス応答/Msg2)及び競合解決メッセージ(Msg4)は、2ステップのランダムアクセス手順で組み合わされる(そして「MsgB」と称される)。
【0010】
2ステップのランダムアクセス手順のMsgAの電力しきい値に関して、現在の3GPP仕様及びドラフトは、メッセージのPRACH部分(msgA-PRACH)とPUSCH部分(msgA-PUSCH)との双方の部分を受信者(基地局/gNB)が復号できるということを保証するために、2つの異なる目標受信電力レベルを使用することを提案している。
【0011】
PRACH部分については、初期のランダムアクセスプリアンブル電力が「preambleReceivedTargetPower(プリアンブル目標受信電力)」情報要素を介して指定される。
【0012】
PUSCH部分については、UEにより使用される初期のランダムアクセスプリアンブル電力が、次式によって与えられる。
【数1】
パラメータΔMsgA_PUSCHは、2ステップのランダムアクセス手順について設定され得る、プリアンブル目標受信電力に対するオフセットである。パラメータが存在しない場合、4ステップのランダムアクセス手順のパラメータ「delta_preamble_msg3」が代わりに使用される。
【0013】
UEは、2ステップのランダムアクセスと旧来の4ステップのランダムアクセスとのどちらか(すなわち、Msg1とMsgAとのどちらを送信するのか)を選択する必要がある。2ステップのランダムアクセスに対するアクセスは、(アップリンクPUSCH送信が同期されていないので)旧来の手順に比べて堅牢でなく、且つ、チャネル品質の低いUEに適応させるために比較的より大きな(事前に割り当てられた)PUSCHフォーマットを必要とするため、制限されている。また、PUSCHリソースは、プリアンブルのみ(すなわちMsg1)よりも多くのスペクトラムを必要とし、且つ、複数のプリアンブルが単一のPRU(PUSCH resource unit:PUSCHリソースユニット)にマッピングされているため、2ステップのランダムアクセスのリソースは、旧来のランダムアクセスリソースよりも輻輳する可能性が高い。但し、2ステップのランダムアクセス手順は、(セルサイズに関わらず)Rel-15 NRにおける任意のセルで使用されてもよい、ということが理解される。
【0014】
更に、3GPPのRAN2ワークグループは、RSRP(Reference Signal Received Power、参照信号受信電力)しきい値を使用して2ステップのランダムアクセス負荷を制御することに合意しており、これにより、堅牢性を高めるためにチャネル品質の低いUEのアクセスを制限し、且つ、衝突を低減させる(カバレッジが少ないとUEが少なくなる)。このRSRPしきい値は、(「SystemInformationType1」又は「SIB1」内の)システム情報の部分として報知される「msgA-rsrp-Threshold」パラメータによって与えられる。事実上、msgA-rsrp-Thresholdパラメータは、2ステップのランダムアクセスタイプと4ステップのランダムアクセスタイプの両方のタイプのランダムアクセスリソースが構成されている場合にどちらかを選択するためのRSRPしきい値を指定する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明者は、適切なランダムアクセス手順(2ステップ又は4ステップ)の選択がRSRPしきい値(すなわち無線品質)に基づくので、当初の目的のように、それがUEのカテゴリ/優先度ではなく、主にUEの位置に左右されているということを見い出した。4ステップのランダムアクセスを試みることができるUEは、また、技術的には2ステップのランダムアクセスを試みることができる(注記:カバレッジは、msg3-PUSCHと比較して、msgA-PUSCH電力オフセットによる影響を受ける可能性がある)。
結果的に、RSRPしきい値は、アクセス負荷を効果的に低減することができるが、チャネル品質が(基地局に対する相対的な)UEの位置に主に依存するので、ネットワークは、どれだけのUEのチャネル品質が良い/悪いのかを制御するわけではない。そのため、RSRPしきい値は、不正確な(過)負荷制御メカニズムであると考えられる。例えば、セルの中央に近接して位置する(従って適用可能なRSRPしきい値を超える)低プライオリティのUEは、2ステップのランダムアクセスにアクセスし、(通常、セル内には低プライオリティのユーザが多数あるので)他のランダムアクセス送信との衝突を引き起こすかもしれない。他方、セル端部の近く(従って適用可能なRSRPしきい値未満)の高プライオリティのユーザは、2ステップのランダムアクセス手順を使用することは全く許可されないかもしれず、当該ユーザは(2ステップ手順を使用することができるユーザと比較して)遅延を被るかもしれない。
【0016】
要約すれば、RSRPしきい値は、基地局にそのセルのカバレッジエリア全体にわたって正確に負荷制御を実現させることができない。従って、本発明の好適で例示的な実施形態は、上記の問題の1つ以上で解決する又は少なくとも部分的に対処する、方法及び装置を提供することを目的とする。
【0017】
当業者の理解の効率性のために、本発明は、3GPPシステム(UMTS、LTE、NR)との関連で詳細に説明されるが、本発明の原理は、通信装置又はUE(User Equipment:ユーザ機器)が無線アクセス技術を使用してコアネットワークにアクセスする他のシステムにも適用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0018】
1つの例示的な態様では、本発明は、UE(user equipment:ユーザ機器)により行われる方法であって、プリアンブル部分とPUSCH(Physical Uplink Shared CHannel:物理アップリンク共有チャネル)送信部分とを含むランダムアクセスメッセージを送信するためのRSRP(Reference Signal Received Power:参照信号受信電力)しきい値を識別する情報を受信することと、少なくとも1つの優先度レベルにそれぞれ関連付けられた少なくとも1つのオフセットを識別する情報を取得することと、前記UEにより測定されたRSRPと前記RSRPしきい値と前記UEに関連付けられた優先度レベルとに基づいて行われるランダムアクセス手順のタイプを決定することと、を備える方法を提供する。
【0019】
1つの例示的な態様では、本発明は、基地局により行われる方法であって、プリアンブル部分とPUSCH(Physical Uplink Shared CHannel:物理アップリンク共有チャネル)送信部分とを含むランダムアクセスメッセージをUE(user equipment:ユーザ機器)によって送信するためのRSRP(Reference Signal Received Power:参照信号受信電力)しきい値を識別する情報を報知することと、前記UEにより測定されたRSRPと前記RSRPしきい値と前記UEに関連付けられた優先度レベルとに基づいて、前記UEとともにランダムアクセス手順を実行することと、を備える方法を提供する。
【0020】
1つの例示的な態様では、本発明は、UE(user equipment:ユーザ機器)であって、プリアンブル部分とPUSCH(Physical Uplink Shared CHannel:物理アップリンク共有チャネル)送信部分とを含むランダムアクセスメッセージを送信するためのRSRP(Reference Signal Received Power:参照信号受信電力)しきい値を識別する情報を受信する手段と、少なくとも1つの優先度レベルにそれぞれ関連付けられた少なくとも1つのオフセットを識別する情報を取得する手段と、前記UEにより測定されたRSRPと前記RSRPしきい値と前記UEに関連付けられた優先度レベルとに基づいて行われるランダムアクセス手順のタイプを決定する手段と、を備えるUEを提供する。
【0021】
1つの例示的な態様では、本発明は、基地局であって、プリアンブル部分とPUSCH(Physical Uplink Shared CHannel:物理アップリンク共有チャネル)送信部分とを含むランダムアクセスメッセージをUE(user equipment:ユーザ機器)によって送信するためのRSRP(Reference Signal Received Power:参照信号受信電力)しきい値を識別する情報を報知する手段と、前記UEにより測定されたRSRPと前記RSRPしきい値と前記UEに関連付けられた優先度レベルとに基づいて、前記UEとともにランダムアクセス手順を実行する手段と、を備える基地局を提供する。
【0022】
別の例示的な態様では、本発明は、コントローラとトランシーバとを備えるUE(user equipment:ユーザ機器)を提供し、ここで、コントローラは、プリアンブル部分とPUSCH(Physical Uplink Shared CHannel:物理アップリンク共有チャネル)送信部分とを含むランダムアクセスメッセージを送信するためのRSRP(Reference Signal Received Power:参照信号受信電力)しきい値を識別する情報を受信するように前記トランシーバを制御し、少なくとも1つの優先度レベルにそれぞれ関連付けられた少なくとも1つのオフセットを識別する情報を取得し、前記UEにより測定されたRSRPと前記RSRPしきい値と前記UEに関連付けられた優先度レベルとに基づいて行われるランダムアクセス手順のタイプを決定する、ように構成される。
【0023】
更に別の例示的な態様では、本発明は、コントローラとトランシーバとを備える基地局を提供し、ここで、コントローラは、プリアンブル部分とPUSCH(Physical Uplink Shared CHannel:物理アップリンク共有チャネル)送信部分とを含むランダムアクセスメッセージをUE(user equipment:ユーザ機器)によって送信するためのRSRP(Reference Signal Received Power:参照信号受信電力)しきい値を識別する情報を報知するように前記トランシーバを制御し、前記UEにより測定されたRSRPと前記RSRPしきい値と前記UEに関連付けられた優先度レベルとに基づいて、前記UEとともにランダムアクセス手順を実行する、ように構成される。
【0024】
本発明の例示的な態様は、対応するシステム、装置、及びコンピュータプログラムプロダクト、例えば、例示的な態様に記載された方法、及び、上記の又は特許請求の範囲に列挙された側面を実行するようにプログラマブルプロセッサをプログラムするように動作可能な、及び/又は特許請求の範囲の何れかに列挙された装置を提供するように適切に構成されたコンピュータをプログラミングするように格納された命令を有するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に及ぶ。
【0025】
本明細書(この用語には特許請求の範囲が含まれる)に開示されている及び/又は図面に示されている各特徴は、他の開示及び/又は図示されている特徴から独立して(又はそれらと組み合わせて)本発明に組み込んでもよい。特に限定されることなく、特定の独立請求項に従属する何れかの請求項の機能は、任意の組み合わせで、又は個別に、その独立請求項内に導入してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
次に、本発明の例示的な実施形態を、以下の添付の図面を参照しながら、例示的に説明する。
図1図1は、本発明の例示的な実施形態が適用され得るモバイル(セルラ又は無線)通信システムを概略的に示す。
図2図2は、図1に示したシステムの一部を形成するUE(user equipment:ユーザ機器)のブロック図である。
図3図3は、図1に示したシステムの一部を形成する基地局のブロック図である。
図4図4は、図1に示したシステムの一部を形成するコアネットワークノードエンティティのブロック図である。
図5図5は、優先度レベルベースのランダムアクセス手順が図1のシステムにおいて行われ得る、例示的な方法のタイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
概要
図1は、本発明の例示的な実施形態が適用可能なモバイル(セルラ又は無線)通信システム1を概略的に示す。
【0028】
このネットワークでは、モバイル装置3(UE)のユーザが適切な3GPP RAT(radio access technology:無線アクセス技術)、例えば、E‐UTRA(Evolved Universal Terrestrial Radio Access)及び/又は5G RATを使用して、各基地局5及びコアネットワーク7を介して、互いに及び他のユーザと通信することができる。多数の基地局5が(無線)アクセスネットワーク又は(R)ANを形成する、ということが理解される。当業者が理解するように、1台のモバイル装置3及び1台の基地局5が例示の目的で図1に示されるが、システムは、実装される際に、典型的には他の基地局及びモバイル装置(UE)を含む。
【0029】
各基地局5は、1つ又は複数の関連付けられたセルを(直接的に、又、はホーム基地局、リレー、リモート無線ヘッド、及び/又は分散ユニットなどの他のノードを介して)制御する。E‐UTRA/4Gプロトコルをサポートする基地局5は「eNB」(evolved NodeB)と呼ばれてもよく、Next Generation(次世代)/5Gプロトコルをサポートする基地局5は「gNB」(next generation NodeB)と呼ばれてもよい。いくつかの基地局5は、4G及び5Gの双方、及び/又は他の任意の3GPP又は非3GPPの通信プロトコルをサポートするように構成されてもよい、ということが理解される。
【0030】
モバイル装置3とそのサービング基地局5とは、適切なエアインタフェース(例えば、いわゆる「Uu」インタフェース及び/又は同様のもの)を介して接続される。隣接する基地局5は(いわゆる「X2」インタフェース、及び/又は「Xn」インタフェースなどの)適切な基地局間インタフェースを介して互いに接続される。基地局5は、また、(いわゆる「S1」、「N1」、「N2」、及び/又は「N3」インタフェースなど)適切なインタフェースを介して、コアネットワークノードに接続される。
【0031】
コアネットワーク7は、典型的には電気通信システム1における通信をサポートするための論理ノード(又は「機能」)を含む。典型的には、例えば、「Next Generation(次世代)」/5Gシステムのコアネットワーク7は他の機能の中でもとりわけ、CPF(control plane function:制御プレーン機能)11とUPF(user plane function:ユーザプレーン機能)12とを含む。コアネットワーク7が、他のものの中でもとりわけ、AMF(Access and Mobility Management Function:アクセス及びモビリティ管理機能)13も含んでもよい、ということが理解される。コアネットワーク7から(インターネットなどの)外部IPネットワーク20への接続も、提供されてもよい。
【0032】
本システムは、旧来(すなわち、4ステップ)及び2ステップのランダムアクセス手順をサポートする。但し、関連するRSRPしきい値を満たすUE3のみが2ステップのランダムアクセス手順を使用することを許可される。
【0033】
有利なことに、このシステムでは、2ステップのランダムアクセス手順を使用するための効果的なRSRPしきい値は、UEに関連付けられた優先度レベルに基づく。具体的には、異なるオフセットが、UEタイプ及び/又はその使用タイプ(すなわちUE優先度レベル)に応じた(SIB1において報知される)デフォルトのRSRPしきい値に適用され、それにより、異なるUE優先度レベルの異なる実効的なRSRPしきい値をもたらす。
【0034】
これは、UEタイプ及び/又は使用タイプに基づく適切なランダムアクセスパラメータ(例えば、UE優先度レベルベースのオフセット)を指定し、これらのパラメータをUE3に対して通信することによって実現されてもよい。いくつかのケースにおいて、例えば、初期アクセスの目的のために、(優先度レベルごとの)デフォルトのランダムアクセスオフセットが、UE3によって記憶されてもよい。この場合、ネットワークが適切な(例えばセル固有の)オフセット値を未だに提供していなくても、UE3は、ローカルメモリからデフォルトのオフセットを取得することができる。
【0035】
UE優先度レベルベースのオフセットを識別する情報は、(例えばSIB1における)ブロードキャスト(報知)又はユニキャスト(単一送信)(例えばRRC(Radio Resource Control:無線リソース制御))を介してUE3に提供されてもよい。代替的に、少なくともいくつかの優先度レベルについて、適用可能なオフセットは、事前に設定されてもよいし、又は、例えば、デフォルト値として関連する3GPP規格で規定された、暗示的な方式で提供されてもよい。
【0036】
UE優先度レベルの固有のオフセット(又はそれぞれのUE優先度レベルについてのオフセットのリスト)(を識別する情報)が適切にフォーマットされた情報要素(例えば「MsgA-rsrp-ThresholdOffset」及び/又は同様のもの)に含まれてもよい、ということが理解される。
【0037】
例えば、「RACH-ConfigCommon」IEの「msgA-rsrp-Threshold」IEは、SIB1を介して報知されるRSRPしきい値の1つ以上の優先度レベルの固有のオフセットを含む、所定のセルにおける適切なランダムアクセスパラメータを指定するように構成されてもよい。この場合、様々な優先度レベルの固有のオフセットが報知され、各UEは、その関連付けられたUEタイプ及び/又は使用タイプに基づくそれ自身の適用可能なオフセットを作り出す。
【0038】
代替的に、適用可能なRSRPしきい値オフセット(を識別する情報)は、専用のシグナリング(例えばRRCシグナリング)を使用して、特定のUEに対して提供されてもよい。例えば、RRCSetupメッセージは、MsgA(例えば「MsgA-rsrp-ThresholdOffset」IE及び/又は同様のもの)に適用可能なRSRPしきい値オフセットを指定する適切な情報要素を含むように構成されてもよい。
【0039】
4~8つの優先度レベル(いずれにせよ、少なくとも2つの優先度レベル)が使用されてもよいということが理解される。例えば、4つの優先度レベルが使用される場合、以下の異なるオフセット値を構成してもよい。
・Offset_0=-∞
(事実上、UEは、このオフセットを使用して2ステップのランダムアクセスを常に試みることができる)
・Offset_1=-10dB (例として)
(この場合、UEは、オフセットのない場合よりも、2ステップのランダムアクセスを試みるチャンスが相対的に高い)
・Offset_2=0dB (すなわち、オフセットがない、又は比較的低いオフセット)
(UEは、通常通りに振る舞い、SIB1において報知されたデフォルトのしきい値に追従する)
・Offset_3=+∞
(事実上、UEは、このオフセットを使用して2ステップのランダムアクセスを試みることができない)
【0040】
第1のオプションでは、SIB1は、MsgAに適用可能なRSRPしきい値オフセットを指定するための適切な情報要素(例えば「MsgA-rsrp-ThresholdOffset」IE及び/又は同様のもの)を含む。(第1のオプションと組み合わせてもよい)第2のオプションでは、RRCSetupメッセージは、MsgAに適用可能なRSRPしきい値オフセットを指定するための適切な(オプションの)情報要素(例えば「MsgA-rsrp-ThresholdOffset」IE及び/又は同様のもの)を含む。この情報要素もまた後の段階で、例えば、「RRCReconfiguration」メッセージ及び/又は同様のものにおいて導入されてもよいということが理解される。
【0041】
どのオプションを使用するのか、すなわち、どのようにUE3が適用可能なオフセット値(又はUEが異なる優先度レベルを有することができる場合のオフセット値)を取得するかに関わらず、UE3は、適用可能なオフセット値を後で用いるために記憶する。どのタイプのランダムアクセスを開始するのかを選択する場合、記憶されたオフセットを、所定のセルのRSRPしきい値に追加する(合計する)ことができる。この場合、例えば、実効的なオフセットは、i)msgA-rsrp-Thresholdパラメータによって指示されたしきい値と、ii)オフセット値の合計とによって与えられる。
【0042】
有利なことに、ネットワーク(基地局5)は、UEの位置/RSRPしきい値のみよりもむしろ、それらの優先度レベルに応じてUEに対して2ステップのランダムアクセス手順へのアクセスを許可する。2ステップのランダムアクセス手順は、また、セル端部で(及び場合によっては既存のPUSCH電力オフセットを使用するカバレッジ外のUEに対して)の使用を可能にすることができる。
【0043】
モバイル装置
図2は、図1に示したモバイル装置3(例えば携帯電話又はIoT装置)の主要な構成要素を示すブロック図である。図示したように、モバイル装置3は、1つ以上のアンテナ33を介して、基地局5に信号を送信し、当該基地局5から信号を受信するように動作可能なトランシーバ回路31を含む。モバイル装置3は、モバイル装置3の動作を制御するコントローラ37を有する。コントローラ37は、メモリ39に関連付けられ、トランシーバ回路31に結合される。必ずしもその動作に必要ではないが、モバイル装置3は、当然ながら、通常の携帯電話(ユーザインターフェース35など)の通常の機能のすべてを有し、これは、必要に応じて、ハードウェア、ソフトウェア、及びファームウェアの任意の1つ又は任意の組み合わせによって提供され得る。ソフトウェアは、メモリ39内にプリインストールされてもよく、及び/又は、例えば、電気通信ネットワークを介して若しくはRMD(removable data storage device:リムーバブルデータストレージ装置)からダウンロードされてもよい。
【0044】
コントローラ37は、この例では、メモリ39内に記憶されたプログラム命令又はソフトウェア命令によって、モバイル装置3の全体の動作を制御するように構成される。図示したように、これらのソフトウェア命令は、とりわけ、オペレーティングシステム41と、通信制御モジュール43と、ランダムアクセスモジュール45とを含む。
【0045】
通信制御モジュール43は、モバイル装置3と、そのサービング基地局5(及び他のユーザ機器、コアネットワークノードなどのサービング基地局5に接続された他の通信装置)との間の通信を制御するように動作可能である。
【0046】
ランダムアクセスモジュール45は、基地局5との適切なランダムアクセス手順を実行する役割を担う。ランダムアクセス手順は、例えば、モバイル装置3に関連付けられた優先度に応じて4ステップのランダムアクセス手順又は2ステップのランダムアクセス手順の何れかとしてもよい。
【0047】
図2には示さないが、モバイル装置3は、また、典型的には、ページングモジュールと、RRCモジュールと、NASモジュールとを含むことになる。
【0048】
ページングモジュールは、モバイル装置3がページングされることができる(RANベースの)ページングエリアを(例えば、セルのリストの形式で)維持し、モバイル装置3に宛てられたページングメッセージについて監視するようにトランシーバ31を制御する役割を担う。ページングモジュールは、また、モバイル装置3がネットワークによってページングされている場合、他のモジュール(例えばランダムアクセスモジュール45)に通知する役割も担う。
【0049】
RRCモジュールは、RRC規格に従ってフォーマットされたシグナリングメッセージを生成し、送信し、受信するように動作可能である。例えば、このようなメッセージは、モバイル装置3とそのサービング基地局5との間で交換される。RRCメッセージは、例えば、(モバイル装置3に関連付けられた優先度レベルに依存した)ランダムアクセス手順を行なうことに関するメッセージを含んでもよい。例えば、RRCメッセージは、実行するランダムアクセスのタイプを決定するための1つ以上の優先度レベルの固有のオフセットを識別する情報を含んでもよい。
【0050】
NASモジュールは、NAS規格に従ってフォーマットされたシグナリングメッセージを生成し、送信し、受信するように動作可能である。例えば、このようなメッセージは、(RRCモジュールを使用するサービング基地局5を介して)モバイル装置3とAMF13との間で交換される。NASメッセージは、例えば、モバイル装置3が現在配置されているトラッキングエリア(又はセル)を登録及び/又は更新することに関するメッセージを含んでもよい。NASメッセージは、また、モバイル装置3に関連付けられた優先度レベルに関するメッセージを含んでもよい。
【0051】
基地局
図3は、図1に示した基地局5の主要な構成要素を示すブロック図である。図示するように、基地局5は、1つ以上のアンテナ53を介して(モバイル装置3などの)ユーザ機器に信号を送信し、該ユーザ機器からの信号を受信するトランシーバ回路51と、コアネットワーク7に信号を送信し、該コアネットワーク7からの信号を受信コアネットワークインタフェース55(例えば、S1インタフェース、NG-Cインタフェース、及び/又は同様のもの)と、隣接の基地局に信号を送信し、該基地局からの信号を受信する基地局インタフェース56(例えば、X2インタフェース、Xnインタフェース及び/又は同様のもの)とを有する。基地局5は、メモリ59内に記憶されたソフトウェアに従って基地局5の動作を制御するコントローラ57を有する。ソフトウェアは、メモリ59に予めインストールされていてもよく、及び/又は電気通信ネットワーク1を介して、若しくは例えばRMD(removable data storage device:リムーバブルなデータ記憶装置)からダウンロードされてもよい。ソフトウェアは、とりわけ、オペレーティングシステム61と、少なくとも通信制御モジュール63と、ランダムアクセスモジュール65とを含む。
【0052】
通信制御モジュール63は、基地局5と、UE3やコアネットワークノードなどの他のノードとの間のシグナリングを処理(生成/送信/受信)する役割を担う。このようなシグナリングは、例えば、モバイル装置3の動作を管理するための制御データ(例えば、NAS、RRC、ページング、システム情報、及び/又は同様のもの)を含んでもよい。
【0053】
ランダムアクセスモジュール65は、そのセルにおいてUE3との適切なランダムアクセス手順を実行する役割を担う。ランダムアクセス手順は、例えば、UE3に関連付けられた優先度レベルに応じて、4ステップのランダムアクセス手順又は2ステップのランダムアクセス手順の何れかとしてもよい。
【0054】
図3には示していないが、基地局5は、また、典型的には、RRCモジュールと、基地局間インタフェースモジュール(例えばX2/Xnモジュール)と、適切なコアネットワークインタフェースモジュールとを含むことになる。
【0055】
RRCモジュールは、RRC規格に従ってフォーマットされたシグナリングメッセージを生成し、送信し、受信するように動作可能である。例えば、このようなメッセージは、基地局5とモバイル装置3(及び基地局5のセル内の他のユーザ機器)との間で交換される。RRCメッセージは、例えば、UEに関連付けられた優先度レベルに関するメッセージと、(優先度レベルに応じて)ランダムアクセス手順を行なうことに関するメッセージとを含んでもよい。例えば、RRCメッセージは、ランダムアクセスの1つ以上の優先度レベルの固有のオフセットを識別する情報を含んでもよい。
【0056】
基地局間インタフェースモジュールは、X2AP(又はXnAP)規格に従ってフォーマットされたシグナリングメッセージ(X2/Xnメッセージ)を生成し、送信し、受信するように動作可能である。X2/Xnメッセージは、例えば、モバイル装置3のページング、ハンドオーバ、データ転送、及び隣接の基地局間でのUEコンテキスト(及びモバイル装置3に関する他の情報)の転送/フェッチ、に関するメッセージを含んでもよい。X2/Xnメッセージは、例えば、UEに関連付けられた優先度レベルに関するメッセージを含んでもよい。
【0057】
コアネットワークインタフェースモジュールは、NG-C規格(又はLTEにおけるS1AP規格)に従ってフォーマットされたシグナリングメッセージを生成し、送信し、受信するように動作可能である。例えば、このようなメッセージは、基地局5とAMF13(又はLTEにおけるMME)との間で交換される。NG-C(又はS1AP)メッセージは、例えば、UEに関連付けられた優先度レベルに関するメッセージを含んでもよい。
【0058】
コアネットワークノード
図4は、図1に示した一般的なコアネットワークノード(又は機能)、例えばAMF13の主要な構成要素を示すブロック図である。図示したように、コアネットワークノードは、ネットワークインタフェース75を介して(UE3及び(R)ANノード5を含む)他のノードに信号を送信し、当該他のノードから信号を受信するように動作可能なトランシーバ回路71を含む。コントローラ77は、メモリ79に記憶されたソフトウェアに従って、コアネットワークノードの動作を制御する。ソフトウェアは、メモリ79に予めインストールされていてもよく、及び/又は電気通信ネットワーク1を介して、若しくは例えばRMD(removable data storage device:リムーバブルなデータ記憶装置)からダウンロードされてもよい。ソフトウェアは、とりわけ、オペレーティングシステム81と、少なくとも通信制御モジュール83とを含む。通信制御モジュール83は、コアネットワークノードと、UE 3、(R)ANノード5、及び他のコアネットワークノードなどの他のノードとの間のシグナリングを処理(生成/送受信)する役割を担う。
【0059】
詳細な説明
ここで、UEを適切な優先度レベルにマッピングすることができる、いくつかの例示的な方法について、より詳細な説明を行なう。事実上、異なる優先度レベルに異なるUEをマッピングすることによって、アクセスネットワーク(基地局)は、特定のUEが(特にランダムアクセスの試行について)2ステップのランダムアクセス手順又は4ステップのランダムアクセス手順の何れを使用することができるのかを含む、そのセルにおけるUEの振る舞いを制御することができる。
【0060】
3GPPは、(初期接続の前でも)UEを分類する複数のツールを提供する。例えば、以下の情報は、他のUEよりもどのUEを優先的にするのかを決定するために(アクセス)ネットワークによって使用されてもよい。
・3GPP TS(Technical Specification:技術仕様書)22.261 V16.10.0は、UEアクセスアイデンティティ及びカテゴリを指定する。
・NR-U(NR user-plane:NRユーザプレーン)については、3GPPは、論理チャネルに基づくCAPC(Channel Access Priority Classes:チャネルアクセス優先度クラス)を定義する。
・RRC接続を(再)確立する(又は再開する)場合、UEは、RRC接続を要求する理由を示す適切なRRC確立原因を提供する。
・3GPP TS 38.331 V15.8.0の5.3.14項は、いわゆる統合アクセス制御手順を規定する。この手順の目的は、上層レイヤ(例えばRRC層)からの要求に際して、所定のアクセスカテゴリ及び1つ以上のアクセスアイデンティティに関連付けられたアクセス試行に対するアクセス規制チェックを行なうことである。統合アクセス制御手順では、「UAC-BarringPerCatList」IE(information element:情報要素)は、アクセスカテゴリのリストについてのアクセス制御パラメータを提供する。具体的には、(3GPP TS 22.261において定義されたように)アクセスカテゴリごとに、UAC-BarringPerCatList IEは、そのカテゴリに関連するアクセス規制ルールを定義するエントリ(「UAC-BarringPerCat」)を含む。
【0061】
上記の情報は、ランダムアクセスを試みる前にUE側にて認識されている。有利なことに、UE3は、上記の情報の1つ以上に基づいて、そのUEに対して(及び/又はそのランダムアクセスの試行に対して)適切な2ステップのランダムアクセス優先度レベルを導出するように構成されてもよい。そのため、UEは、UEアクセスアイデンティティ、UEアクセスカテゴリ、CAPC、RRC確立原因、及び適用可能なアクセス規制ルールのうちの少なくとも1つに基づいて(MsgAを送信することにより)2ステップのランダムアクセス手順又は(Msg1を送信することにより)4ステップのランダムアクセス手順の何れかを始動するかを決定するように構成されてもよい。
【0062】
実装例1:概要
この例では、SIB1は、MsgAに適用可能なRSRPしきい値オフセットを規定するための適切な情報要素(例えば「MsgA-rsrp-ThresholdOffset」IE及び/又は同様のもの)を含む。
【0063】
上記で説明したように、2ステップのランダムアクセス手順を使用するための実効的なしきい値は、(UEのタイプ及び/又は使用に応じた)UE固有の優先度レベルに基づいてもよい。SIB1において報知されるRSRPしきい値に対して異なるオフセットを適用することによって、異なるUE優先度レベルに対して異なる実効的なRSRPしきい値を実現してもよい。
【0064】
これは、UEタイプ及び/又は使用タイプに基づいた適切なランダムアクセスパラメータの規定によって実現されてもよい。例えば、「RACH-ConfigCommon」IEの「rsrp-ThresholdSSB」IEは、SIB1において報知されたRSRPしきい値の1つ以上の優先度レベルの固有のオフセットを含む、所定のセルにおける適切なランダムアクセスパラメータを規定するように構成されてもよい。
【表1】
【0065】
実装例1:ユーザアクセスアイデンティティによるマッピング
UE固有の優先度レベル及び対応するRSRPオフセットは、UEに関連付けられたUEアクセスアイデンティティに基づいて(場合によっては、他の情報と組み合わせて)導出されてもよい。表2は、3GPP TS 22.261のV16.10.0の6.22.2.2項において定義されたUEアクセスアイデンティティの概要を示す。要約すれば、UEアクセスアイデンティティは、4ビットを備えており、UEのタイプを記述し、SIMにおいてハードコード(hardcoded)される。見て分かるように、アイデンティティ3~10は、将来の使用のためにリザーブされる。
【0066】
【表2】
【0067】
実装例1:ユーザアクセスカテゴリによるマッピング
UE固有の優先度レベル及び対応するRSRPオフセットは、UEに関連付けられたUEアクセスカテゴリに基づいて(場合によっては、他の情報と組み合わせて)導出されてもよい。表3は、3GPP TS V16.10.0の6.22.2.3項において22.261の定義されたUEアクセスカテゴリの概要を示す。要約すれば、UEアクセスカテゴリは、6ビットを備え、UEがネットワークにどのようにアクセスするのかを決定し、ユースケース(例えば、緊急事態(emergency))及びアクセスアイデンティティに従って変化する。見て分かるように、カテゴリ32~63はオペレータの分類に基づく。
【0068】
【表3】
【0069】
実装例1:RRC確立原因によるマッピング
UE固有の優先度レベル及び対応するRSRPオフセットは、また、UEに関連付けられたRRC確立原因(及び/又は他の情報)に基づいて導出されてもよい。3GPP TS 38.331 V15.8.0は、UEアクセスカテゴリに直接リンクされ、且つ異なる優先レベルをマッピングするために使用することができる、異なるRRC確立原因を規定する。現在規定されている確立原因値は、以下のとおりである。すなわち、緊急事態、highPriorityAccess、mt-Access、mo-Signalling、mo-Data、mo-VoiceCall、mo-VideoCall、mo-SMS、mps-PriorityAccess、mcs-PriorityAccess、spare6、spare5、spare4、spare3、spare2、及び、spare1である。UE3は、基地局5に対してRRCSetupRequestメッセージを送信する際に適切な確立原因を含めるように構成される。
【0070】
比較的優先度の高い通信(例えば、緊急事態、highPriorityAccess、mps-PriorityAccess、及びmcs-PriorityAccess)が、可能な場合には常に、2ステップのランダムアクセス手順を使用することができ、従って、旧来のランダムアクセスよりも低い遅延から利点を得るということを保証するために、これらの通信は、実行するランダムアクセス手順のタイプ(すなわち、Msg1又はMsgAの何れを送信するのか)を選択する際に、比較的高い優先度レベルに割り当てられて、関連付けられたRSRPしきい値オフセットを使用してもよい。他方、比較的低い優先度の通信(例えば、mt-Access、mo-Signalling、mo-Data、mo-VoiceCall、mo-VideoCall、及びmo-SMS)は、ランダムアクセス手順のタイプを選択する際に、比較的低い優先度レベルに割り当てられ、関連付けられたRSRPしきい値オフセットを使用してもよい。
【0071】
実装例2:RRC情報要素を介するマッピング
(上記の第1の実装例と組み合わせてもよい)この例では、RRCSetupメッセージは、MsgAに適用可能なRSRPしきい値オフセットを規定する適切な情報要素(例えば「MsgA-rsrp-ThresholdOffset」IE及び/又は同様のもの)を含む。例えば、MsgA-rsrp-ThresholdOffset IEは、以下のように、RRCSetupメッセージに含まれてもよい。
【表4】
【0072】
この情報要素(又は同様のもの)は、また、例えば、しきい値を更新する必要がある場合に、例えば「RRCReconfiguration」メッセージ及び/又は同様のものにおいて、後の段階で導入されてもよいということが理解される。
【0073】
要約すれば、UEは、静的情報(例えば、UEアクセスアイデンティティ/UEアクセスカテゴリ)及び動的情報(例えば、RRC確立原因又はネットワーク報知情報)のうちの少なくとも1つに応じて関連付けられた優先度レベル内に分類されてもよい。
【0074】
各基準は、制限を有しており、各々に多くの値があるので、制限のある優先度レベルのセットが使用されるということが理解される。これは、必要に応じて、ネットワークによって構成(及び再構成)することができる。
【0075】
動作
図5は、優先度レベルベースのランダムアクセス手順が図1のシステムにおいて行われ得る、例示的な方法のタイミング図である。
【0076】
見て分かるように、基地局5は、ステップS1において、基地局5のセル内の2ステップのランダムアクセスのRSRPしきい値を含む適切にフォーマットされたSIB1を送信(報知)するように構成される。具体的には、SIB1は、MsgA/2ステップのランダムアクセスに適用可能なRSRPしきい値をシグナリングする適切な情報要素を含む。一例では、情報要素は「msgA-rsrp-Threshold」情報要素又は同様のものを備える。異なるセルは、異なる関連付けられたRSRPしきい値を有してもよく、適用可能なRSRPしきい値は、各セルにおけるSIB1を介して示される、ということが理解される。
【0077】
ステップS2において、基地局5は、その固有のUE優先度レベルについて2ステップのランダムアクセス手順を試みるか(又は旧来の4ステップのランダムアクセス手順にフォールバックするか)否かを決定する際にUE3に適用される、少なくとも1つのUE優先度レベルのRSRPオフセットを識別する情報を(報知メッセージ又は専用メッセージの何れかを介して)送信する。
【0078】
RSRPオフセット(又はRSRPオフセットのセット)を識別する情報は、SIB1メッセージの部分、例えば、その適切な情報要素を形成してもよく、その場合には、ステップS1及びS2を(上記の実装例1に従って)組み合わせることができる、ということが理解される。但し、RSRPオフセットが個別のメッセージで(例えば、専用メッセージで)提供される場合、ステップS1及びS2は、それらが異なるメッセージを伴うため、個別に行われる(ステップS2が実装例2に対応する)。この場合、適切であれば、RSRPオフセットは、SIB1におけるRSRPしきい値の前に、UE3に示されてもよい、すなわち、ステップS2は、ステップS1に先行してもよい、ということもまた理解される。
【0079】
RSRPオフセットが(ステップS1において)SIB1を介してシグナリングされる場合、SIB1は、少なくとも1つの優先度レベルについて、その優先度レベルのMsgAに適用可能なRSRPしきい値オフセットを規定する適切な情報要素(例えば、「MsgA-rsrp-ThresholdOffset」又は同様のもの)を含む。RSRPオフセットが専用メッセージ(例えば、RRCメッセージ)を介してステップS2においてシグナリングされる場合、RSRPオフセットは、専用メッセージの適切な情報要素に(例えば、「MsgA-rsrp-ThresholdOffset」IE又は同様のものに)含まれる。UE3が所定のUE優先度レベルに対する1つを超えたオフセット(「MsgA-rsrp-ThresholdOffset」情報要素)を受信する場合、最後に受信した値を使用するということが理解される。これは、オフセットの更新によって、ネットワークが負荷バランシングを行ない、不要な遅延なく、更新されるオフセットを関連するUEに対して提供することを可能にする。
【0080】
UE3は、後続のランダムアクセス手順のために、受信したRSRPしきい値及び任意のRSRPオフセットを、そのメモリ39に記憶する。
【0081】
ステップS3において、UE3は、UE3がランダムアクセス手順を行なうことを必要とするネットワークとの接続を確立する必要があると(そのランダムアクセスモジュール45を使用して)決定する。ネットワークからのページングメッセージ、又はUE3に送信するべきデータを有する上位層からの指示によって、このステップがトリガされてもよいということが理解される。このステップの一部として、UE3は、また、RSRPしきい値及び適用可能なUE優先度の固有のオフセットに基づいて2ステップのランダムアクセス手順が許可された試行か否かを決定する。言い換えれば、UE3は、基地局5に対してMsgA又はMsg1の何れを送信するのかを決定する。
【0082】
UE優先度固有のオフセットが、(ランダムアクセス手順をトリガしたサービスのタイプに関係なく)UE3によるすべての通信に適用可能であってもよいということが理解される。代替的に、UE3は、異なるサービス又は異なる通信カテゴリに対して異なるRSRPオフセットを適用するように構成されてもよく、その場合には、ステップS3における決定は、また、ランダムアクセス手順をトリガしたサービス又は使用タイプを考慮に入れる(そして、UE3は、サービス又は使用タイプに基づいて関連するオフセットを適用する)。
【0083】
ステップS4においては、ステップS3で決定の結果に応じて、UE3は、適切にフォーマットされたMsg1メッセージ(UE3によって測定されたRSRPが適用可能なRSRPしきい値と関連するオフセットとの合計未満であることがステップS3で決定された場合)又は適切にフォーマットされたMsgAメッセージ(UE3によって測定されたRSRPが適用可能なRSRPしきい値と関連するオフセットとの合計を満たす若しくは超えることがステップS3で決定された場合)を生成し送信することによって、ランダムアクセス手順を始動する。
【0084】
ランダムアクセス手順の残りの部分は、簡略化のために、省略される。
【0085】
有利なことに、UE3は、UEの位置/RSRPしきい値のみというよりむしろ、その優先度レベルに応じて2ステップのランダムアクセス手順を使用することができる。UE3は、また、(少なくとも比較的優先度の高い通信又は使用タイプについて)セル端部にて2ステップのランダムアクセス手順を使用することもできる。
【0086】
変形例及び代替例
詳細な例示的な実施形態を上述してきた。当業者が理解するように、上記の例示的な実施形態に対して、多数の変形及び代替を行なうことができ、そこで実施される本発明の利点を得ることができる。ここでは、例示のために、これらの代替例及び変形例のうちのいくつかだけを説明する。
【0087】
UE優先度固有のRSRPオフセット値は、固定(事前設定)、報知(SIB1を介して)、又はユニキャスト(専用のシグナリングを介して)のうちの何れかが可能であることが理解される。初期のアクセスのためにデフォルト値が使用されてもよい(その場合には、SIB1を介してRSRPオフセット値を報知する必要がない)ということもまた理解される。この場合、UEの各RRC接続手順(例えば、RRC確立、RRC再開、RRC再構成)は、デフォルト値を更新するためのオプションのRSRPオフセットフィールドを搬送するように構成されてもよい。
【0088】
上記の説明において、2ステップのランダムアクセス手順及び4ステップのランダムアクセス手順は、個別の手順として説明している。但し、2ステップのランダムアクセス手順のMsgAを送信した後、(例えばネットワークによって指示された場合、又は衝突がある場合)UEは4ステップのランダムアクセス手順に切り替えてもよい、ということが理解される。具体的には、UEは、MsgAを送信した後、基地局からのMsgB応答を待つ。前述のように、MsgBは、ランダムアクセス応答と競合解決メッセージとを備える。
但し、以下の3つの起こりうる結果がある。
・基地局がMsgA PRACHプリアンブルを検出しない場合、UEに対して応答は送信されない。この場合、UEは、MsgAを再送信し、及び/又は、4ステップのRACHにフォールバックする(すなわち、Msg1を送信する)ように構成されてもよい。セル内で許容されるMsgAの再送信数は、適切なパラメータ(例えば、カウンタ及び/又は同様のもの)によって制限されてもよい。
・基地局がMsgAプリアンブルを検出したもののMsgA PUSCHを復号することに失敗した場合、基地局は、RAPID(random-access preamble identifier:ランダムアクセスプリアンブル識別子)と以前に送信されたMsgAのPUSCH部分を再送信するためのアップリンクグラントととともに、適切にフォーマットされたRAR(「fallbackRAR」)をUEに送信する。fallbackRARの受信に際して、UEは、4ステップのランダムアクセス手順にフォールバックし、Msg3を送信する(MsgA PUSCHの再送信)。
・基地局がMsgAを検出し、MsgA PUSCHを正常に復号した場合、基地局は、適切にフォーマットされたRAR(「successRAR」)を、MsgAの競合解決識別子とともに、UEに送信する。successRARを受信することにより、2ステップのランダムアクセス手順は正常に完了する。
【0089】
上記の説明では、理解しやすくするために、UE、(R)ANノード、コアネットワークノードはいくつかの個別モジュール(通信制御モジュールなど)を有するものとして、説明されている。これらのモジュールは、例えば、既存のシステムが本発明を実装するように変形された特定の用途のために、又は、例えば、最初から本発明の特徴を念頭に置いて設計されたシステムにおける他の用途のために、このように提供されてもよいが、その一方で、これらのモジュールは、オペレーティングシステム又はコードの全体に組み込まれてもよく、従って、これらのモジュールは、別個のエンティティとして識別できなくてもよい。これらのモジュールは、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせで実装されてもよい。
【0090】
各コントローラは、例えば、1つ以上のハードウェアで実装されたコンピュータプロセッサ、マイクロプロセッサ、CPU(central processing unit:中央処理装置)、ALU(arithmetic logic unit:算術論理ユニット)、IO(input/output:入出力)回路、内部メモリ/キャッシュ(プログラム及び/又はデータ)、プロセッシングレジスタ、通信バス(例えば、制御、データ、及び/又はアドレスバス)、DMA(direct memory access:ダイレクトメモリアクセス)機能、ハードウェア又はソフトウェアで実装されたカウンタ、ポインタ、及び/又はタイマ、及び/又は同様のものを含む(但しそれらに限定はされない)任意の適当な形式の処理回路を備えてもよい。
【0091】
上記の例示的な実施形態では、多数のソフトウェアモジュールを説明した。当業者には理解されるように、ソフトウェアモジュールは、コンパイルされた形態又はコンパイルされていない形態で提供されてもよく、コンピュータネットワーク上の信号として、又は記録媒体上で、UE、(R)ANノード、及びコアネットワークノードに供給されてもよい。更に、このソフトウェアの一部又は全部によって実行される機能は、1つ又は複数の専用ハードウェア回路を使用して実行してもよい。但し、ソフトウェアモジュールの使用はUE、(R)ANノード、及びコアネットワークノードの更新を容易にし、それらの機能を更新するために好ましい。
【0092】
現在の5Gアーキテクチャにおいては、gNBの内部構造は、F1インタフェースによって接続される、CU(Central Unit:中央ユニット)及びDU(Distributed Unit:分散ユニット)として知られる2つの部分に分割されてもよい。CUが複数のDUに接続(及び制御)されてもよいことが理解される。これは、「分割(split)」アーキテクチャの使用を可能にし、それによって、典型的には「上位の」CU層(例えばPDCP、但し必然的又はこれに限定するものではない)と、典型的には「下位の」DU層(例えばRLC/MAC/PHY、但し必然的又はこれに限定するものではない)とを個別に実装させる。そのため、例えば、各gNBにおいて、下位層DU機能をローカルに保持しながら、(例えば、単一の処理装置によって、又はクラウドベース若しくは仮想化されたシステムにおいて)複数のgNBsの上位層CU機能を中央に実装してもよい。CUは、次世代コアとの通信を行なってもよく、DUは、周辺の(すなわちgNBによって操作されたセル内の)UEとのエアインタフェースを通じて通信を行なってもよい、ということが理解される。
【0093】
分散gNBは、より詳細には、以下の機能ユニットを含む。
gNB-CU(gNB Central Unit:gNB中央ユニット):gNBのRRC(Radio Resource Control:無線リソース制御)、SDAP(Service Data Adaptation Protocol:サービスデータ適応プロトコル)及びPDCP(Packet Data Convergence Protocol:パケットデータコンバージェンスプロトコル)層、又はEn-gNBのRRC及びPDCP層をホスティングし、1つ以上のgNB-DUの動作を制御する論理ノード。gNB-CUは、gNB-DUに接続されたF1インタフェースを終端させる。
gNB-DU(gNB Distributed Unit:gNB分散ユニット):gNB又はEn-gNBのRLC(Radio Link Control:無線リンク制御)、MAC(Medium Access Control:媒体アクセス制御)、及びPHY(Physical:物理)層をホスティングする論理ノードであって、その動作は、gNB-CUによって部分的に制御される。1つのgNB-DUは、1つ又は複数のセルをサポートする。1つのセルは、1つのgNB-DUのみによってサポートされる。gNB-DUは、gNB-CUに接続されたF1インタフェースを終端させる。
gNB-CU-CP(gNB-CU-Control Plane:gNB-CU-制御プレーン):En-gNB又はgNBのRRC及びgNB-CUのPDCPプロトコルの制御プレーン部分をホスティングする論理ノード。gNB-CU-CPは、gNB-CU-UPに接続されたE1インタフェース、及びgNB-DUに接続されたF1-Cインタフェースを終端させる。
gNB-CU-UP(gNB-CU-User Plane:gNB-CU-ユーザプレーン):En-gNBのgNB-CUのPDCPプロトコルのユーザプレーン部分、PDCPプロトコルのユーザプレーン部分、及びgNBのgNB-CUのSDAPプロトコルをホスティングする論理ノード。gNB-CU-UPは、gNB-CU-CPに接続されたE1インタフェース、及びgNB-DUに接続されたF1-Uインタフェースを終端させる。
【0094】
本開示におけるユーザ機器(又は「UE」)は、無線インタフェースを介してネットワークに接続されるエンティティである。UEは、また、「移動局」、「モバイル装置」、「無線装置」、又は「WTRU」(wireless transmit/receive unit:無線送受信ユニット)と呼ばれてもよい。
【0095】
本開示が専用の通信装置に限定されずに、以下の段落で説明するような通信機能を有する任意の装置に適用可能であることに留意するべきである。
【0096】
「ユーザ機器」又は「UE」(3GPPで使用される用語として)、「移動局」、「モバイル装置」、及び「無線装置」という用語は、概して、互いに同義であるように意図されており、端末、携帯電話、スマートフォン、タブレット、セルラIoT装置、IoT装置、及び機械装置などのスタンドアロンの移動局を含む。「移動局」及び「モバイル装置」という用語は、長期間にわたって静止して留まっている装置をも包含することが理解される。
【0097】
UEは、例えば、生産若しくは製造のための機器のアイテム及び/又はエネルギー関連の機械装置のアイテム(例えば、ボイラ、エンジン、タービン、ソーラーパネル、風力タービン、水力発電機、火力発電機、原子力発電機、バッテリ、原子力システム及び/又は関連機器、重電機器、真空ポンプを含むポンプ、コンプレッサ、ファン、送風器、油圧機器、空気圧機器、金属加工機械、マニプレータ、ロボット及び/又はそれらのアプリケーションシステム、ツール、モールド又はダイ、ローラ、コンベヤ、昇降機器、資材荷役機器、繊維機械、裁縫ミシン、印刷及び/又は関連機械装置、紙工機械装置、化学機械装置、鉱山及び/又は建設及び/又は関連機器、農業、林業、及び/又は漁業用の機械装置及び/又は器具、安全及び/又は環境保全機器、トラクタ、精密ベアリング、チェーン、ギア、送電機器、潤滑機器、バルブ、管継手、及び/又は先に言及した機器又は機械装置などのためのアプリケーションシステム、などの機器又は機械装置)であってもよい。
【0098】
UEは、例えば、輸送設備のアイテム(例えば、鉄道車両、自動車、モータサイクル、自転車、列車、バス、カート、人力車、船舶及びその他の船、航空機、ロケット、人工衛星、ドローン、気球、などの輸送設備)であってもよい。
【0099】
UEは、例えば、情報通信機器のアイテム(例えば、電子計算機及び関連機器、通信及び関連機器、電子構成部品、などの情報通信機器)であってもよい。
【0100】
UEは、例えば、冷凍機、冷凍機応用製品、貿易品目及び/又はサービス業機器、自動販売機、自動サービス機械、事務機械又は機器、民生用電子及び電子機器(例えば、オーディオ機器、ビデオ機器、スピーカ、ラジオ、テレビ、電子レンジ、炊飯器、コーヒーマシン、皿洗い機、洗濯機、ドライヤ、電子ファン又は関連機器、掃除機、などの民生用電子機器)であってもよい。
【0101】
UEは、例えば、電気応用システム又は機器(例えば、X線システム、粒子加速器、ラジオアイソトープ機器、音波機器、電磁応用機器、電子電力応用機器、などの電気応用システム又は機器)であってもよい。
【0102】
UEは、例えば、電子ランプ、照明器具、計測器、分析器、試験器、調査又は感知器具(例えば、煙探知器、人感センサ、動作センサ、無線タグなどの調査又は感知器具)、腕時計又は掛け時計、実験器具、光学機器、医療機器及び/又はシステム、兵器、刃物のアイテム、手工具、又は同様のものであってもよい。
【0103】
UEは、例えば、無線を装備した携帯情報端末又は関連機器(例えば別の電子機器(例えば、パーソナルコンピュータ、電気計測器)に取り付け又は挿入するように設計された無線カード又はモジュールなど)であってもよい。
【0104】
UEは、様々な有線及び/又は無線通信技術を使用して、「IoT」(internet of things:モノのインターネット)に関して、以下に説明するアプリケーション、サービス、及びソリューションを提供する装置又はシステムの一部であってもよい。
【0105】
モノのインターネットの装置(又は「モノ」)は、適切な電子機器、ソフトウェア、センサ、ネットワーク接続性及び/又は同様のものを装備してもよく、これらの装置が、相互に及び他の通信装置と、データを収集したり交換したりすることを可能にする。IoT装置は、内部メモリ内に記憶されたソフトウェア命令に従う、自動化機器を含んでもよい。IoT装置は、人間の監督又は対話を必要とせずに動作してもよい。IoT装置は、また、長期間にわたって、静止したまま及び/又は非アクティブのままであってもよい。IoT装置は、(概して)据え置き型装置の一部として実装されてもよい。IoT装置は、また、非据え置き型装置(例えば車両)に組み込まれたり、又は監視/追跡される動物又は人間に取り付けられたりしてもよい。
【0106】
データを送受信するために通信ネットワークに接続することができる任意の通信装置が人間の入力又はメモリ内に記憶されたソフトウェア命令によって制御されるか否かに関わらず、このような通信装置に、IoT技術を実装することができるということが理解される。
【0107】
IoT装置は、また、MTC(Machine-Type Communication:マシンタイプコミュニケーション)装置又はM2M(Machine-to-Machine:マシンツーマシン)通信装置と呼ばれることがある、ということが理解される。UEが1つ以上のIoT又はMTCアプリケーションをサポートしてもよいことが理解される。MTCアプリケーションのいくつかの例を、以下の表にリストアップする(出典:3GPP TS 22.368のV13.1.0、付録B(これらの内容は参照によって本明細書に組み込まれる))。このリストは、網羅的ではなく、マシンタイプの通信アプリケーションのいくつかの例を示すことを意図している。
【表5】
アプリケーション、サービス、及びソリューションは、仮想移動体通信事業者(Mobile Virtual Network Operator:MVNO)サービス、緊急無線通信システム、PBX(Private Branch eXchange:構内電話交換機)システム、PHS/デジタルコードレス電気通信システム、POS(Point of sale:販売時点情報管理)システム、アドバタイズコールシステム(advertise calling system)、MBMS(Multimedia Broadcast and Multicast Service:マルチメディア放送・マルチキャストサービス)、V2X(Vehicle to Everything:ビークルツーエブリシング)システム、列車無線システム、位置情報関連サービス、災害/緊急無線通信サービス、コミュニティサービス、ビデオストリーミングサービス、フェムトセルアプリケーションサービス、VoLTE(Voice over LTE:ボイスオーバーLTE)サービス、充電サービス、ラジオオンデマンドサービス、ローミングサービス、行動監視サービス、通信事業者/通信NW選択サービス、機能制限サービス、PoC(Proof of Concept:概念実証)サービス、個人情報管理サービス、アドホックネットワーク/DTN(Delay Tolerant Networking:遅延耐性ネットワーキング)サービス、などであってもよい。
【0108】
更に、上記のUEカテゴリは、本文書に記載された技術的思想の応用及び例示的な実施形態の単なる例である。言うまでもなく、これらの技術的思想及び例示的な実施形態は、上記のUEに限定されないし、それに対して様々な変形をすることができる。
【0109】
UEにより行われる方法は、接続試行の優先度レベルを決定することと、前記UEにより測定された前記RSRPと前記RSRPしきい値と前記接続試行の優先度レベルに関連付けられたオフセットとに基づいて、接続用のMsg1/MsgA(first random access message:第1のランダムアクセスメッセージ)を送信することと、を更に備えてもよい。
【0110】
UEにより行われる方法は、前記UEにより測定された前記RSRPが前記しきい値と前記UEに関連付けられた前記優先度レベルに関連付けられたオフセットとの合計以上である場合に、プリアンブル部分とPUSCH送信部分とを含むMsgA(first random access message:第1のランダムアクセスメッセージ)を生成して送信すること、を更に備えてもよい。
【0111】
UEにより行われる方法は、前記UEにより測定された前記RSRPが前記しきい値と前記UEに関連付けられた前記優先度レベルに関連付けられたオフセットとの合計未満である場合に、プリアンブル部分を含むがPUSCH送信部分を含まないMsg1(first random access message:第1のランダムアクセスメッセージ)を生成して送信すること、を更に備えてもよい。
【0112】
UEにより行われる方法は、前記ネットワークからのMsg2(second random access message:第2のランダムアクセスメッセージ)の受信に応じて、PUSCH送信部分を含むMsg3(third random access message:第3のランダムアクセスメッセージ)を生成して送信すること、を更に備えてもよい。
【0113】
UEにより行われる方法は、優先度レベルごとに対応するオフセットを識別する情報要素を受信することによって、少なくとも1つの優先度レベルにそれぞれ関連付けられた少なくとも1つのオフセットを識別する前記情報を取得すること、を備えてもよい。この場合、前記情報要素は、システム情報メッセージ(例えば、SIB1)と専用メッセージ(例えば、無線リソース制御メッセージ)とのうちの少なくとも1つに含まれてもよい。前記情報要素は少なくとも1つの「MsgA-rsrp-ThresholdOffset」情報要素を含んでもよい。
【0114】
基地局により行われる方法は、少なくとも1つの優先度レベルにそれぞれ関連付けられた少なくとも1つのオフセットを識別する情報を、前記UEに送信すること、を更に備えてもよい。
【0115】
基地局により行われる方法は、前記UEにより測定された前記RSRPに基づくMsg1/MsgA(first random access message:第1のランダムアクセスメッセージ)と、前記RSRPしきい値と、前記UEによる接続試行についての優先度レベルに関連付けられたオフセットとを、前記UEから受信すること、を更に備えてもよい。
【0116】
前記優先度レベルは、前記UEに関連付けられたUEアクセスアイデンティティと、前記UEに関連付けられたUEアクセスカテゴリと、前記UEに関連付けられたCAPC(Channel Access Priority Class:チャネルアクセス優先度クラス)と、前記UEに関連付けられたRRC確立原因と、前記UEに関連付けられたアクセス規制ルールとのうちの少なくとも1つに基づいてもよい。
【0117】
前記少なくとも1つの優先度レベルにそれぞれ関連付けられた前記少なくとも1つのオフセットは、前記しきい値に適用されると、プリアンブル部分とPUSCH(Physical Uplink Shared CHannel:物理アップリンク共有チャネル)送信部分を含むランダムアクセスメッセージを送信する可能性が比較的高くなるオフセットと、前記しきい値に適用されると、プリアンブル部分とPUSCH(Physical Uplink Shared CHannel:物理アップリンク共有チャネル)送信部分とを含むランダムアクセスメッセージを送信する可能性が比較的低くなるオフセットと、前記しきい値に適用されると、前記UEにより測定されたRSRPに関係なく、プリアンブル部分とPUSCH(Physical Uplink Shared CHannel:物理アップリンク共有チャネル)送信部分とを含むランダムアクセスメッセージを前記UEが送信することを可能にするオフセットと、前記しきい値に適用されると、プリアンブル部分とPUSCH(Physical Uplink Shared CHannel:物理アップリンク共有チャネル)送信部分とを含むランダムアクセスメッセージを前記UEが送信することを防止するオフセットと、のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0118】
様々な他の変形が当業者には明らかであり、ここでは、それ以上詳細には説明しない。
【0119】
(付記1)
UE(user equipment:ユーザ機器)により行われる方法であって、
プリアンブル部分とPUSCH(Physical Uplink Shared CHannel:物理アップリンク共有チャネル)送信部分とを含むランダムアクセスメッセージを送信するためのRSRP(Reference Signal Received Power:参照信号受信電力)しきい値を識別する情報を受信することと、
少なくとも1つの優先度レベルにそれぞれ関連付けられた少なくとも1つのオフセットを識別する情報を取得することと、
前記UEにより測定されたRSRPと前記RSRPしきい値と前記UEに関連付けられた優先度レベルとに基づいて行われるランダムアクセス手順のタイプを決定することと、を備える方法。
【0120】
(付記2)
接続試行の優先度レベルを決定することと、
前記UEにより測定された前記RSRPと前記RSRPしきい値と前記接続試行の優先度レベルに関連付けられたオフセットとに基づいて、接続用のMsg1/MsgA(first random access message:第1のランダムアクセスメッセージ)を送信することと、
を更に備える付記1記載の方法。
【0121】
(付記3)
前記UEにより測定された前記RSRPが前記しきい値と前記UEに関連付けられた前記優先度レベルに関連付けられたオフセットとの合計以上である場合に、プリアンブル部分とPUSCH送信部分とを含むMsgA(first random access message:第1のランダムアクセスメッセージ)を生成して送信すること、
を更に備える付記1又は2記載の方法。
【0122】
(付記4)
前記UEにより測定された前記RSRPが前記しきい値と前記UEに関連付けられた前記優先度レベルに関連付けられたオフセットとの合計未満である場合に、プリアンブル部分を含むがPUSCH送信部分を含まないMsg1(first random access message:第1のランダムアクセスメッセージ)を生成して送信すること、
を更に備える付記1又は2記載の方法。
【0123】
(付記5)
前記ネットワークからのMsg2(second random access message:第2のランダムアクセスメッセージ)の受信に応じて、PUSCH送信部分を含むMsg3(third random access message:第3のランダムアクセスメッセージ)を生成して送信すること、
を更に備える付記1乃至4のうち何れか1項記載の方法。
【0124】
(付記6)
優先度レベルごとに対応するオフセットを識別する情報要素を受信することによって、少なくとも1つの優先度レベルにそれぞれ関連付けられた少なくとも1つのオフセットを識別する前記情報を取得すること、を備える付記1乃至5のうち何れか1項記載の方法。
【0125】
(付記7)
前記情報要素は、システム情報メッセージ(例えば、SIB1)と専用メッセージ(例えば、無線リソース制御メッセージ)とのうちの少なくとも1つに含まれる、付記6記載の方法。
【0126】
(付記8)
前記情報要素は少なくとも1つの「MsgA-rsrp-ThresholdOffset」情報要素を含む、付記6又は7記載の方法。
【0127】
(付記9)
前記優先度レベルは、前記UEに関連付けられたUEアクセスアイデンティティと、前記UEに関連付けられたUEアクセスカテゴリと、前記UEに関連付けられたCAPC(Channel Access Priority Class:チャネルアクセス優先度クラス)と、前記UEに関連付けられたRRC確立原因と、前記UEに関連付けられたアクセス規制ルールとのうちの、少なくとも1つに基づいている、付記1乃至8のうち何れか1項記載の方法。
【0128】
(付記10)
少なくとも1つの優先度レベルにそれぞれ関連付けられた前記少なくとも1つのオフセットは、
前記しきい値に適用されると、プリアンブル部分とPUSCH(Physical Uplink Shared CHannel:物理アップリンク共有チャネル)送信部分とを含むランダムアクセスメッセージを送信する可能性が比較的高くなるオフセットと、
前記しきい値に適用されると、プリアンブル部分とPUSCH(Physical Uplink Shared CHannel:物理アップリンク共有チャネル)送信部分とを含むランダムアクセスメッセージを送信する可能性が比較的低くなるオフセットと、
前記しきい値に適用されると、前記UEにより測定されたRSRPに関係なく、プリアンブル部分とPUSCH(Physical Uplink Shared CHannel:物理アップリンク共有チャネル)送信部分とを含むランダムアクセスメッセージを前記UEが送信することを可能にするオフセットと、
前記しきい値に適用されると、プリアンブル部分とPUSCH(Physical Uplink Shared CHannel:物理アップリンク共有チャネル)送信部分とを含むランダムアクセスメッセージを前記UEが送信することを防止するオフセットと、
のうちの少なくとも1つを含む、付記1乃至9のうち何れか1項記載の方法。
【0129】
(付記11)
基地局により行われる方法であって、
プリアンブル部分とPUSCH(Physical Uplink Shared CHannel:物理アップリンク共有チャネル)送信部分とを含むランダムアクセスメッセージをUE(user equipment:ユーザ機器)によって送信するためのRSRP(Reference Signal Received Power:参照信号受信電力)しきい値を識別する情報を報知することと、
前記UEにより測定されたRSRPと前記RSRPしきい値と前記UEに関連付けられた優先度レベルとに基づいて、前記UEとともにランダムアクセス手順を実行することと、
を備える方法。
【0130】
(付記12)
少なくとも1つの優先度レベルにそれぞれ関連付けられた少なくとも1つのオフセットを識別する情報を、前記UEに送信すること、
を更に備える付記11記載の方法。
【0131】
(付記13)
前記UEにより測定された前記RSRPに基づくMsg1/MsgA(first random access message:第1のランダムアクセスメッセージ)と、前記RSRPしきい値と、前記UEによる接続試行についての優先度レベルに関連付けられたオフセットとを、前記UEから受信すること、
を更に備える付記11又は12記載の方法。
【0132】
(付記14)
UE(user equipment:ユーザ機器)であって、
プリアンブル部分とPUSCH(Physical Uplink Shared CHannel:物理アップリンク共有チャネル)送信部分とを含むランダムアクセスメッセージを送信するためのRSRP(Reference Signal Received Power:参照信号受信電力)しきい値を識別する情報を受信する手段と、
少なくとも1つの優先度レベルにそれぞれ関連付けられた少なくとも1つのオフセットを識別する情報を取得する手段と、
前記UEにより測定されたRSRPと前記RSRPしきい値と前記UEに関連付けられた優先度レベルとに基づいて行われるランダムアクセス手順のタイプを決定する手段と、を備えるUE。
【0133】
(付記15)
基地局であって、
プリアンブル部分とPUSCH(Physical Uplink Shared CHannel:物理アップリンク共有チャネル)送信部分とを含むランダムアクセスメッセージをUE(user equipment:ユーザ機器)によって送信するためのRSRP(Reference Signal Received Power:参照信号受信電力)しきい値を識別する情報を報知する手段と、
前記UEにより測定されたRSRPと前記RSRPしきい値と前記UEに関連付けられた優先度レベルとに基づいて、前記UEとともにランダムアクセス手順を実行する手段と、
を備える基地局。
【0134】
本出願は2020年2月14日に出願された英国特許出願第2002086.3号に基づいており、その優先権の利益を主張し、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。

図1
図2
図3
図4
図5