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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】不良電池検知システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/42 20060101AFI20240326BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20240326BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
H01M10/42 P
H01M10/48 P
H02J7/00 Q
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022539053
(86)(22)【出願日】2021-05-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-28
(86)【国際出願番号】 KR2021006618
(87)【国際公開番号】W WO2021256721
(87)【国際公開日】2021-12-23
【審査請求日】2022-06-28
(31)【優先権主張番号】10-2020-0072624
(32)【優先日】2020-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホワン、ジ ウォン
(72)【発明者】
【氏名】チョ、ヒュン キ
(72)【発明者】
【氏名】リー、サン フーン
(72)【発明者】
【氏名】パク、ジェ ドン
(72)【発明者】
【氏名】リー、フ ジュン
(72)【発明者】
【氏名】クォン、ジュン ヒュン
【審査官】木村 励
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/120292(WO,A1)
【文献】特表2019-536215(JP,A)
【文献】特開2013-207901(JP,A)
【文献】特開2017-174587(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0183252(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/42
H01M 10/48
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電池モジュールとマッチングされて前記第1電池モジュールをモニターする第1センサと、
前記第1センサと通信する第1マスター装置とを含み、
前記第1センサそれぞれは、
モニターモードにおいて、マッチングされた第1電池モジュールの電圧、電流、および温度の少なくとも1つの情報を含む第1データを収集する第1モニター回路と、
通信モードにおいて、前記第1データを前記第1マスター装置に有線通信および/または無線通信を介して出力する第1通信回路と
前記第1マスター装置から受信される前記第1データに基づいて、前記第1電池モジュールのうち不良電池モジュールを選別するサーバとを含み、
前記サーバは、前記第1電池モジュールに前記不良電池モジュールが含まれる場合、前記第1マスター装置に第1通知信号を出力し、前記第1マスター装置は、前記第1通知信号に基づいて、前記不良電池モジュールと1対1にマッチングされる第1センサに第2通知信号を出力し、前記第1センサは、前記第2通知信号が受信される場合、前記不良電池モジュールの位置情報を含む検知信号を前記第1マスター装置に出力し、前記第1マスター装置は、前記検知信号に基づいて、前記不良電池モジュールにマッチングされた前記第1センサの位置を把握し、
前記第1モニター回路は、前記通信モードにおいてターン-オフ(turn-off)され、
前記第1通信回路は、前記モニターモードにおいてターン-オフされる、不良電池検知システム。
【請求項2】
前記第1センサは、それぞれ前記第1電池モジュールに付着され、
前記第1マスター装置は、前記第1電池モジュールが含まれた第1パレットに付着される、請求項1に記載の不良電池検知システム。
【請求項3】
前記第1センサそれぞれは、前記モニターモードにおいて、前記第1モニター回路をターン-オン(turn-on)させ、前記第1通信回路をターン-オフさせ、前記通信モードにおいて、前記第1モニター回路をターン-オフさせ、前記第1通信回路をターン-オンさせる第1制御回路をさらに含む、請求項1に記載の不良電池検知システム。
【請求項4】
前記第1マスター装置は、前記モニターモードにおいて、前記第1センサそれぞれの前記第1モニター回路がターン-オンされ、前記第1通信回路がターン-オフされ、前記通信モードにおいて、前記第1センサそれぞれの前記第1モニター回路がターン-オフされ、前記第1通信回路がターン-オンされるように、前記第1センサを制御する、請求項1に記載の不良電池検知システム。
【請求項5】
前記第1センサそれぞれは、前記第1モニター回路および前記第1通信回路に駆動電源を供給するための補助電池をさらに含む、請求項1に記載の不良電池検知システム。
【請求項6】
第2電池モジュールと1対1にマッチングされて前記第2電池モジュールに関する第2データを収集する第2センサと、
前記第2センサと通信して前記第2データを受信する第2マスター装置と、をさらに含み、
前記サーバは、前記第1マスター装置から受信される前記第1データおよび前記第2マスター装置から受信される前記第2データに基づいて、前記第1電池モジュールおよび前記第2電池モジュールのうち前記不良電池モジュールを選別し、
前記第1電池モジュールおよび前記第2電池モジュールは、それぞれ異なるパレットに保管される、請求項1から5のいずれか一項に記載の不良電池検知システム。
【請求項7】
前記第1データは、前記第1電池モジュールの開放電圧を示し、
前記第2データは、前記第2電池モジュールの開放電圧を示し、
前記不良電池モジュールは、電池モジュールの開放電圧が基準電圧よりも低い電池モジュールである、請求項6に記載の不良電池検知システム。
【請求項8】

前記不良電池モジュールと1対1にマッチングされる前記第1センサは、前記第2通知信号に基づいて、動作モードをアラームモードに転換する、請求項6に記載の不良電池検知システム。
【請求項9】
前記不良電池モジュールと1対1にマッチングされる前記第1センサは、前記アラームモードにおいて、前記不良電池モジュールの位置情報を含む検知信号を出力する、請求項8に記載の不良電池検知システム。
【請求項10】
前記検知信号は、前記不良電池モジュールのID(Identification)を含む、請求項9に記載の不良電池検知システム。
【請求項11】
第1センサの第1モニター回路により、モニター区間で、前記第1センサとマッチングされた第1電池モジュールそれぞれの電圧、電流、および温度の少なくとも1つの情報を含む第1データを収集するステップと、
第2センサの第2モニター回路により、前記モニター区間で、前記第2センサとマッチングされた第2電池モジュールそれぞれの第2データを収集するステップと、
通信区間で、前記第1センサの第1通信回路と有線通信および/または無線通信により通信する第1マスター装置を介して、前記第1データをサーバに出力するステップと、
前記通信区間で、前記第2センサの第2通信回路と通信する第2マスター装置を介して、前記第2データを前記サーバに出力するステップと、
前記サーバにより、前記第1データおよび前記第2データに基づいて、前記第1電池モジュールおよび前記第2電池モジュールのうち不良疑いがある疑い電池モジュールを選別するステップと
前記サーバが、前記疑い電池モジュールに対する情報を含む第1通知信号を前記第1マスター装置または前記第2マスター装置に出力するステップと、
前記第1マスター装置または前記第2マスター装置が、前記第1センサおよび前記第2センサのうち前記疑い電池モジュールにマッチングされたセンサに第2通知信号を出力するステップと、
前記第1センサまたは前記第2センサが、前記第2通知信号が受信される場合、前記マッチングされた前記第1電池モジュールまたは前記第2電池モジュールの位置情報が含まれた検知信号を前記第1マスター装置または前記第2マスター装置に出力するステップと、
前記第1マスター装置または前記第2マスター装置が、前記検知信号に基づいて、前記疑い電池モジュールにマッチングされた前記センサの位置を把握するステップと、を含み、
前記モニター区間で、前記第1通信回路および前記第2通信回路それぞれに入力される駆動電源が遮断され、
前記通信区間で、前記第1モニター回路および前記第2モニター回路それぞれに入力される駆動電源が遮断される、不良電池検知方法。
【請求項12】
記検知信号は、前記疑い電池モジュールにマッチングされた前記センサのIDを含む、請求項11に記載の不良電池検知方法。
【請求項13】
記疑い電池モジュールにマッチングされた前記センサを前記疑い電池モジュールから脱着し、前記センサが正常であるか否かを検査するステップと、
前記センサが正常である場合、前記疑い電池モジュールを不良電池モジュールに決定し、前記センサが異常である場合、前記疑い電池モジュールに対する検査を再び行う、請求項12に記載の不良電池検知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2020年06月15日付けの韓国特許出願第10-2020-0072624号に基づく優先権の利益を主張し、該当韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は、本明細書の一部として組み込まれる。
【0002】
本発明は、不良電池検知システムに関し、より詳細には、製造ステップ以後に不良電池モジュールを検知するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
近年、二次電池に対する研究開発が活発に行われている。ここで、二次電池は、充放電が可能な電池であって、従来のNi/Cd電池、Ni/MH電池などと、最近のリチウムイオン電池とを何れも含む。二次電池の中でも、リチウムイオン電池は、従来のNi/Cd電池、Ni/MH電池などに比べて、エネルギー密度が遥かに高いという長所がある。リチウムイオン電池は、小型、軽量に製作することができるため、移動機器の電源として用いられる。特に、リチウムイオン電池は、電気自動車の電源として用いることができるため、次世代エネルギー貯蔵媒体として注目を浴びている。
【0004】
二次電池は、一般的に、複数の電池セルが直列および/または並列に連結された電池モジュール単位で用いられる。製造ステップ以後に、電池モジュールは、パレットに保管されてモニターされる。モニタリングを介して電池モジュールのうち不良電池モジュールが選別され、モニター期間が長くなるほど、選別正確度が高くなる。但し、従来は、モニター期間に応じて増加する電力および費用の問題により、電池モジュールが短い期間の間にのみモニターされることができた。また、従来方法によると、パレットに含まれた複数の電池モジュールのうち不良電池モジュールの位置を把握し難いという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述した技術的課題を解決するためのものであり、本発明の目的は、有線通信および/または無線通信を用いる不良電池検知システムおよび方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態に係る不良電池検知システムは、第1センサおよび第1マスター装置を含むことができる。第1センサは、第1電池モジュールと1対1にマッチングされ、第1電池モジュールをモニターすることができる。第1マスター装置は、第1センサと通信することができる。第1センサそれぞれは、モニターモードにおいて、1対1にマッチングされた第1電池モジュールに関する第1データを収集する第1モニター回路と、通信モードにおいて、第1データを第1マスター装置に出力する第1通信回路とを含むことができる。第1モニター回路は、通信モードにおいてターン-オフされることができる。第1通信回路は、モニターモードにおいてターン-オフされることができる。
【0007】
本発明の実施形態に係る不良電池検知方法は、第1センサの第1モニター回路により、モニター区間で、第1センサと1対1にマッチングされた第1電池モジュールそれぞれの第1データを収集するステップと、第2センサの第2モニター回路により、モニター区間で、第2センサと1対1にマッチングされた第2電池モジュールそれぞれの第2データを収集するステップと、通信区間で、第1センサの第1通信回路と通信する第1マスター装置を介して、第1データをサーバに出力するステップと、通信区間で、第2センサの第2通信回路と通信する第2マスター装置を介して、第2データをサーバに出力するステップと、サーバにより、第1データおよび第2データに基づいて、第1電池モジュールおよび第2電池モジュールのうち不良疑いがある疑い電池モジュールを選別するステップとを含むことができる。モニター区間で、第1通信回路および第2通信回路それぞれに入力される駆動電源が遮断されることができる。通信区間で、第1モニター回路および第2モニター回路それぞれに入力される駆動電源が遮断されることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、センサ、マスター装置、サーバを用いて電池モジュールを広範囲に管理することができ、不良電池モジュールの位置をさらに簡便で且つ正確に把握することができる。また、本発明のセンサは、動作モードに応じて一部の回路をターン-オフさせることで、電池モジュールをモニターするのに消耗される電力を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の不良電池検知システムを示すブロック図である。
図2図1の不良電池検知システムが不良電池モジュールを検知する方法を説明するためのフローチャートである。
図3図1の不良電池検知システムが不良電池モジュールを検知する方法を説明するためのフローチャートである。
図4図1のセンサの構成を示すブロック図である。
図5図1のセンサの動作を示すフローチャートである。
図6】本発明の一実施形態に係る電池診断装置のハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本発明の多様な実施形態について詳細に説明する。本文書において、図面上の同一の構成要素に対しては同一の参照符号を付し、同一の構成要素に対して重複した説明は省略する。
【0011】
本文書に開示されている本発明の多様な実施形態に対して、特定の構造的及び機能的説明は、単に本発明の実施形態を説明するための目的で例示されたものであり、本発明の多様な実施形態は、種々の形態で実施されてもよく、本文書に説明された実施形態に限定されるものと解釈されてはならない。
【0012】
多様な実施形態で用いられた「第1」、「第2」、「1番目」、または「2番目」などの表現は、多様な構成要素を、順序および/または重要度に関係なく修飾してもよく、当該構成要素を限定しない。例えば、本発明の権利範囲から逸脱せずに、第1構成要素は第2構成要素と命名してもよく、それと同様に第2構成要素も第1構成要素に変更して命名してもよい。
【0013】
本文書で用いられた用語は、単に特定の実施形態を説明するために用いられたものであって、他の実施形態の範囲を限定しようとするものではない。単数の表現は、文脈上、明らかに他を意味しない限り、複数の表現を含んでもよい。
【0014】
技術的または科学的な用語を含めてここで用いられる全ての用語は、本発明の技術分野における通常の知識を有する者により一般的に理解されるものと同一の意味を有し得る。一般的に用いられる辞書に定義された用語は、関連技術の文脈上の意味と同一または類似の意味を有するものと解釈されてもよく、本文書で明らかに定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味に解釈されない。場合によっては、本文書で定義された用語であっても、本発明の実施形態を排除するように解釈されてはならない。
【0015】
図1は、本発明の不良電池検知システムを示すブロック図である。
不良電池検知システム1は、n個の電池モジュール100-1~100-n、n個のセンサ200-1~200-n、第1マスター装置20、m個の電池モジュール100a-1~100a-m、m個のセンサ200a-1~200a-m、第2マスター装置20a、コンピューティング装置30、およびサーバ40を含むことができる。n個の電池モジュール100-1~100-nは、製造後に第1パレット10に保管されるか、または第1パレット10に入れられて輸送されることができる。また、m個の電池モジュール100a-1~100a-mも、製造後に第2パレット10aに保管されるか、または第2パレット10aに入れられて輸送されることができる。「n」、「m」は自然数である。
【0016】
電池モジュール100-1~100-nおよび電池モジュール100a-1~100a-mが製造されてから出荷前まで、不良電池検知システム1は、電池モジュール100-1~100-nおよび電池モジュール100a-1~100a-mをモニターし、不良電池モジュールを選別することができる。ここで、電池モジュールが製造されてから出荷前までの期間は、電池モジュールがパレットに保管される期間であってもよい。以下の説明において、不良電池モジュールは、電池モジュールの開放電圧(OCV、Open Circuit Voltage)が基準電圧よりも低い電池モジュールを意味する。基準電圧は、製造直後の電池モジュールの電圧と電池モジュールの通常の自己放電率に基づいて設定された電圧であってもよい。また、基準電圧は、ユーザにより設定された値であるか、または実験結果に応じて設定された値であってもよい。
【0017】
電池モジュール100-1~100-nおよびセンサ200-1~200-nは、第1パレット10に入れられて保管されることができる。電池モジュール100-1~100-nそれぞれは、直列または並列に連結された電池セルを含むことができる。センサ200-1~200-nは、それぞれ、電池モジュール100-1~100-nと1対1にマッチングされることができる。センサ200-1~200-nそれぞれは、1対1にマッチングされた電池モジュールに付着され、1対1にマッチングされた電池モジュールをモニターすることができる。例として、センサ200-1が電池モジュール100-1に1対1にマッチングされる場合、センサ200-1は、電池モジュール100-1に付着され、電池モジュール100-1をモニターすることができる。
【0018】
以下の説明において、説明の便宜上、センサ200-1と電池モジュール100-1との間で行われる動作を集中的に説明する。残りのセンサ200-2~200-n、200a-1~200a-mと残りの電池モジュール100-2~100-n、100a-1~100a-mとの間で行われる動作は、センサ200-1と電池モジュール100-1との間で行われる動作に対応する。
【0019】
モニターモードにおいて、センサ200-1は、電池モジュール100-1の状態に関する第1データを収集することができる。具体的に、センサ200-1は、電池モジュール100-1両端の電圧を測定することができる。第1データは、電池モジュール100-1両端の電圧に関する情報を含むことができる。電池モジュール100-1両端の電圧は、電池モジュール100-1に含まれた全ての電池セルの電圧の和を意味し得る。但し、本発明は、これに限定されず、第1データは、電池モジュール100-1の電圧、電流、および温度などに対する情報を含むことができる。
【0020】
通信モードにおいて、センサ200-1は、第1マスター装置20と通信することができる。具体的に、センサ200-1は、モニターモードにおいて収集した第1データを第1マスター装置20に出力することができる。また、電池モジュール100-1が不良電池モジュールである場合、センサ200-1は、第1マスター装置20から通知信号を受信することができる。
【0021】
センサ200-1は、モニター回路および通信回路を含むことができる。センサ200-1は、モニターモードにおいて、モニター回路を用いて、電池モジュール100-1に関する第1データを収集することができる。センサ200-1は、通信モードにおいて、通信回路を用いて、第1マスター装置20と通信することができる。センサ200-1は、モニターモードにおいて、モニター回路をターン-オン(turn-on)させ、通信回路をターン-オフ(turn-off)させることができる。センサ200-1は、通信モードにおいて、通信回路をターン-オンさせ、モニター回路をターン-オフさせることができる。センサ200-1は、かかる動作により、電池モジュール100-1をモニターするのに消耗される電力を減少させることができる。以下の説明において、回路をターン-オフさせるとは、回路に入力される駆動電源を遮断させることを意味し、回路をターン-オンさせるとは、回路に駆動電源を入力させることを意味する。
【0022】
通信モードにおいて、センサ200-1~200-nは、電池モジュール100-1~100-nに関する第1データを第1マスター装置20に出力することができる。センサ200a-1~200a-mは、電池モジュール100a-1~100a-mに関する第2データを第2マスター装置20aに出力することができる。第2データは、電池モジュール100a-1~100a-mの電圧に対する情報を含むことができる。第1マスター装置20および第2マスター装置20aは、第1パレット10および第2パレット10aと1対1にマッチングされることができる。第1マスター装置20および第2マスター装置20aそれぞれは、1対1にマッチングされたパレットに付着され、1対1にマッチングされたパレットに含まれたセンサと通信することができる。センサ200-1~200-nおよびセンサ200a-1~200a-mは、通信プロトコルを介して、それぞれ、第1マスター装置20および第2マスター装置20aと有線通信および/または無線通信することができる。有線通信プロトコルは、I2C(inter integrated circuit)インターフェース、SPI(serial peripheral interface)、RS-232、RS-422、RS-485、イーサネット(登録商標)、CAN(controller area network)、CANFD(flexible data rate)、LIN(local interconnect network)、FlexRay、DeviceNet、Fieldbus、ieee1394(firewire(登録商標))、USB(universal serial bus)などであってもよい。無線通信技術としては、WLAN(Wireless LAN)(Wi-Fi(登録商標))、Wibro(Wireless broadband)、Wimax(登録商標)(World Interoperability for Microwave Access)、WCDMA(登録商標)(Wideband Code Division Multiple Access)、HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)、LTE(Long Term Evolution)などを利用することができる。また、近距離通信(short range communication)技術としては、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth(登録商標))、RFID(Radio Frequency Identification)、赤外線通信(IrDA、Infrared Data Association)、UWB(Ultra Wideband)、ジグビー(ZigBee(登録商標))などを利用することができる。
【0023】
第1マスター装置20は、センサ200-1~200-nから受信された第1データをコンピューティング装置30に出力することができる。第2マスター装置20aは、センサ200a-1~200a-mから受信された第2データをコンピューティング装置30に出力することができる。コンピューティング装置30は、デスクトップ(Desktop)、ノートブック(Notebook)、スマートフォン(Smartphone)、スマートパッド(smartpad)、タブレットPC(TabletPC)などのうち1つであってもよい。
【0024】
コンピューティング装置30は、第1データおよび第2データをサーバ40に出力することができる。サーバ40は、コンピューティング装置30よりも多い量のデータを格納し処理可能な装置であってもよい。サーバ40は、第1データおよび第2データに基づいて、電池モジュール100-1~100-n、100a-1~100a-mのうち疑い電池モジュールを選別することができる。サーバ40は、基準電圧のレベルよりも低い電圧を有する電池モジュールを選別する方法を用いて、不良疑いがある疑い電池モジュールを選別することができる。図1を参照して、サーバ40が電池モジュール100-1~100-n、100a-1~100a-mに対するデータを一度受信した後に疑い電池モジュールを選別するものと説明されるが、本発明は、これに限定されない。サーバ40は、電池モジュール100-1~100-n、100a-1~100a-mに対するデータを何度も受信した後にデータをまとめ、疑い電池モジュールを選別することもできる。
【0025】
疑い電池モジュールを選別した後、サーバ40は、第1通知信号をコンピューティング装置30に出力することができる。第1通知信号は、疑い電池モジュールに対する情報を含むことができる。コンピューティング装置30は、第1通知信号を、疑い電池モジュールが含まれたパレットに対応するマスター装置に出力することができる。以下の説明において、疑い電池モジュールが電池モジュール100-1であるものと仮定する。よって、コンピューティング装置30は、第1マスター装置20に第1通知信号を伝達することができる。
【0026】
第1通知信号に基づいて、第1マスター装置20は、電池モジュール100-1に対応するセンサ200-1に第2通知信号を出力することができる。第2通知信号が受信される場合、センサ200-1は、動作モードを転換することができる。第2通知信号が受信される場合、センサ200-1は、アラームモードで動作することができる。アラームモードにおいて、センサ200-1は、電池モジュール100-1の位置情報が含まれた検知信号を第1マスター装置20に出力することができる。例として、検知信号は、電池モジュール100-1のID(Identification)を示すことができる。第1マスター装置20および/またはサーバ40は、IDに対応する電池モジュールの位置を格納することができる。ユーザは、第1マスター装置20および/またはサーバ40に格納された位置情報に基づいて、電池モジュール100-1の位置をさらに容易で且つ正確に把握することができる。但し、本発明は、これに限定されず、センサ200-1は、光、音などを出力する方式で自身の位置を示すこともできる。センサ200-1の動作は、図4を参照して詳しく説明する。
【0027】
電池モジュール100-1に1対1にマッチングされたセンサ200-1が正常に動作するか否かに基づいて、ユーザおよび/またはサーバ40は、疑い電池モジュールに選別された電池モジュール100-1が不良電池モジュールであるか否かを判定することができる。
【0028】
図2および図3は、図1の不良電池検知システム1が不良電池モジュールを検知する方法を説明するためのフローチャートである。
図2および図3を参照すると、不良電池検知システム1は、電池モジュール100-1~100-nのうち一次疑い電池モジュールを選別し、一次疑い電池モジュールのうち二次疑い電池モジュールを選別することができる。不良電池検知システム1は、二次疑い電池モジュールに付着されたセンサが正常に動作するか否かを検査した後、最終的に不良電池モジュールを選別することができる。
【0029】
図2を参照して、不良電池検知システム1が一次疑い電池モジュールを選別する方法を説明する。図3を参照して、不良電池検知システム1が二次疑い電池モジュールを選別する方法を説明する。図2および図3を参照して、不良電池検知システム1が2回の選別過程を経た後に不良電池モジュールを最終的に選別する方法が説明されるが、本発明は、これに限定されない。不良電池検知システム1は、少なくとも1回の選別過程を経た後に、不良電池モジュールを最終的に選別することができる。また、図2および図3を参照して、電池モジュール100-1~100-nに対する検査を行う動作のみが説明されるが、本発明は、これに限定されない。不良電池検知システム1は、サーバ40を用いて、電池モジュール100-1~100-nだけでなく、電池モジュール100a-1~100a-mに対する検査を行うことができる。
【0030】
S110の動作において、電池モジュール100-1~100-nの製造が完了することができる。電池モジュール100-1~100-nは、製造後にパレットに保管されることができる。
S115の動作において、センサ200-1~200-nは、それぞれ電池モジュール100-1~100-nに付着されることができる。
【0031】
S120の動作において、センサ200-1~200-nは、付着された電池モジュール100-1~100-nに対する一次データを収集することができる。一次データは、電池モジュール100-1~100-nの電圧に対する情報を含むことができる。
【0032】
S125の動作において、センサ200-1~200-nは、収集された一次データを第1マスター装置20に出力することができる。
S130の動作において、第1マスター装置20は、センサ200-1~200-nから受信された一次データをサーバ40に出力することができる。
【0033】
S135の動作において、サーバ40は、一次データに基づいて、電池モジュール100-1~100-nのうち一次疑い電池モジュールを選別することができる。
S140の動作において、サーバ40は、一次疑い電池モジュールに対する情報を含む第1通知信号を第1マスター装置20に出力することができる。
【0034】
S145の動作において、第1通知信号に含まれた情報に基づいて、第1マスター装置20は、センサ200-1~200-nのうち一次疑い電池モジュールに対応するセンサに第2通知信号を出力することができる。
【0035】
S150の動作において、第2通知信号が受信されたセンサは、動作モードをアラームモードに転換することができる。アラームモードにおいて、センサは、検知信号を出力することができる。ユーザおよび/または第1マスター装置20は、検知信号に基づいて、一次疑い電池モジュールの位置を把握することができる。
S155の動作において、ユーザは、一次疑い電池モジュールを選別して別に積載することができる。
【0036】
図3を参照して、S160の動作~S197の動作を説明する。S160の動作~S197の動作は、一次疑い電池モジュールに対して行われる動作である。図3を参照する説明において、「センサ」は、一次疑い電池モジュールに付着されたセンサを意味する。
【0037】
S160の動作において、センサは、一次疑い電池モジュールに対する二次データを収集することができる。二次データは、一次疑い電池モジュールの電圧に対する情報を含むことができる。
【0038】
S165の動作において、センサは、収集された二次データを第1マスター装置20に出力することができる。
S170の動作において、第1マスター装置20は、センサから受信された二次データをサーバ40に出力することができる。
【0039】
S175の動作において、サーバ40は、二次データに基づいて、一次電池モジュールのうち二次疑い電池モジュールを選別することができる。
S180の動作において、サーバ40は、二次疑い電池モジュールに対する情報を含む第3通知信号を第1マスター装置20に出力することができる。
【0040】
S185の動作において、第3通知信号に含まれた情報に基づいて、第1マスター装置20は、センサのうち二次疑い電池モジュールに対応するセンサに第4通知信号を出力することができる。
【0041】
S187の動作において、第4通知信号が受信されたセンサは、動作モードをアラームモードに転換することができる。アラームモードにおいて、センサは、検知信号を出力することができる。ユーザおよび/または第1マスター装置20は、検知信号に基づいて、二次疑い電池モジュールの位置を把握することができる。
S190の動作において、ユーザは、二次疑い電池モジュールを選別して分離することができる。
【0042】
S195の動作において、二次疑い電池モジュールに対応するセンサが正常であるか否かを検査することができる。前記検査は、第1マスター装置20および/またはユーザにより行われるか、またはセンサにより自体的に行われることができる。正常と判別されたセンサに対応する二次疑い電池モジュールは、最終的に不良電池モジュールと判別されることができる。異常と判別されたセンサに対応する二次疑い電池モジュールに対しては、再び検査が行われることができる。検査結果に応じて、二次疑い電池モジュールが不良であるか否かを決定することができる。
【0043】
S197の動作において、正常と判別された電池モジュールを出荷することができる。不良と判別された電池モジュールは廃棄処分することができる。
【0044】
図4は、図1のセンサ200-1の構成を示すブロック図である。
センサ200-1は、補助電池210、モニター回路220、通信回路230、および制御回路240を含むことができる。図1には示されていないが、センサ200-1は、コネクタ300-1を介して図1の電池モジュール100-1と連結されることができる。
【0045】
センサ200-1の構成220、230、240は、補助電池210から駆動電源の供給を受けることができる。センサ200-1の構成220、230、240は、補助電池210から供給される駆動電源に基づいて動作することができる。
【0046】
制御回路240は、センサ200-1の動作モードに応じて、モニター回路220および/または通信回路230をターン-オンまたはターン-オフさせることができる。制御回路240は、モニター回路220および/または通信回路230をターン-オンまたはターン-オフさせるために、補助電池210を制御するか、またはモニター回路220および通信回路230と補助電池210との間のスイッチを制御することができる。制御回路240により、モニター回路220および/または通信回路230に入力される電源が遮断されるか、またはスイッチがターン-オフされることができる。また、制御回路240により、モニター回路220および/または通信回路230に電源が供給されるか、またはスイッチがターン-オンされることができる。
【0047】
センサ200-1の使用前に、ユーザは、センサ200-1をリセットさせることができる。リセットした直後、モニター回路220および通信回路230は、ターン-オンされた状態であってもよい。センサ200-1の動作モードがモニターモードに転換される場合、制御回路240は、通信回路230をターン-オフさせることができる。モニターモードにおいて、モニター回路220は、コネクタ300-1を介して電池モジュール100-1に関するデータを収集することができる。センサ200-1は、収集されたデータをメモリ(図示せず)に格納することができる。
【0048】
設定された期間の経過後、センサ200-1は、動作モードをモニターモードから通信モードに転換することができる。「設定された期間」は、電池モジュール100-1に関するデータを十分に収集することができるようにユーザが設定しておいた期間を意味する。センサ200-1の動作モードが通信モードに転換される場合、制御回路240は、通信回路230をターン-オンさせ、モニター回路220をターン-オフさせることができる。通信回路230は、モニター回路220または通信回路230は、メモリから電池モジュール100-1に関するデータを受信することができる。通信回路230は、電池モジュール100-1に関するデータを第1マスター装置20に出力することができる。
【0049】
電池モジュール100-1に関するデータが出力された後、第1マスター装置20から通知信号が受信されない場合、センサ200-1は、再びモニターモードで動作することができる。この場合、制御回路240は、通信回路230をターン-オフさせ、モニター回路220をターン-オンさせることができる。
【0050】
電池モジュール100-1に関するデータが出力された後、第1マスター装置20から通知信号が受信される場合、センサ200-1は、アラームモードで動作することができる。アラームモードにおいて、通信回路230は、検知信号を出力することができる。センサ200-1は、自身の位置を知らせるために、検知信号だけでなく、光および/または音を出力することができる。センサ200-1は、オーディオ装置(図示せず)を介して音を出力することができる。また、センサ200-1は、LED(Light Emitting Diode)のような発光装置(図示せず)を介して光を出力することができる。検知信号が出力された後、センサ200-1は、再びモニターモードで動作することができる。
【0051】
図5は、図1のセンサ200-1の動作を示すフローチャートである。
図5を参照して、センサ200-1がS210の動作前に、通信モードまたはアラームモードで動作中であるものと仮定する。
【0052】
S210の動作において、センサ200-1は、動作モードをモニターモードに転換することができる。
S220の動作において、センサ200-1は、通信回路230をターン-オフさせ、モニター回路220をターン-オンさせることができる。
【0053】
S225の動作において、センサ200-1は、電池モジュール100-1からデータを収集することができる。
S230の動作において、センサ200-1は、設定された期間が経過したか否かを判断することができる。
【0054】
設定された期間が経過していない場合、再びS210の動作が行われる。
設定された期間が経過した場合、S240の動作が行われる。S240の動作において、センサ200-1は、モニターモードを通信モードに転換することができる。
【0055】
S250の動作において、センサ200-1は、通信回路230をターン-オンさせ、モニター回路220をターン-オフさせることができる。
S260の動作において、センサ200-1は、収集されたデータを第1マスター装置20に出力することができる。
S270の動作において、センサ200-1は、第1マスター装置20からアラーム信号が受信されるか否かに応じて動作モードを決定することができる。
【0056】
アラーム信号が受信されない場合、再びS210の動作が行われる。
アラーム信号が受信される場合、S280の動作が行われる。S280の動作において、センサ200-1は、動作モードをアラームモードに転換することができる。
S290の動作において、センサ200-1は、検知信号を出力することができる。
【0057】
図6は、本発明の一実施形態に係る電池診断装置のハードウェア構成を示す図である。
図6を参照すると、電池診断装置800は、各種処理および各構成を制御するマイクロコントローラ(MCU)810と、オペレーティングシステムプログラムおよび各種プログラム(例えば、電池診断プログラム、電圧近似式の算出プログラムなど)などが記録されるメモリ820と、電池セルモジュールおよび/または半導体スイッチング素子との間で入力インターフェースおよび出力インターフェースを提供する入出力インターフェース830と、有無線通信網を介して外部と通信可能な通信インターフェース840とを備えることができる。このように、本発明に係るコンピュータプログラムは、メモリ820に記録され、マイクロコントローラ810により処理されることで、例えば、図2に示した各機能ブロックを行うモジュールとして実現されてもよい。
【0058】
上述した内容は、本発明を実施するための具体的な実施形態である。本発明は、上述した実施形態だけでなく、単に設計変更されるかまたは容易に変更可能な実施形態も含むことができるであろう。また、本発明は、実施形態を用いて容易に変形して実施可能な技術も含むことができるであろう。よって、本発明の範囲は、上述した実施形態に限定して定めてはならず、後述の特許請求の範囲だけでなく、本発明の特許請求の範囲と均等なものによって定めなければならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6