(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】バッテリパック内部での無線通信方法およびその方法を提供するマスタBMS
(51)【国際特許分類】
H04B 1/7143 20110101AFI20240326BHJP
【FI】
H04B1/7143
(21)【出願番号】P 2022564757
(86)(22)【出願日】2021-08-10
(86)【国際出願番号】 KR2021010597
(87)【国際公開番号】W WO2022059922
(87)【国際公開日】2022-03-24
【審査請求日】2022-10-31
(31)【優先権主張番号】10-2020-0121337
(32)【優先日】2020-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヨーン、ホ ビュン
【審査官】北村 智彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/159300(WO,A1)
【文献】特開2010-171980(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0060801(KR,A)
【文献】特表2013-541320(JP,A)
【文献】特表2020-526161(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0084090(US,A1)
【文献】特開2008-125110(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/7143
H01M 10/42
H02J 7/00
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリパック内部で、周波数ホッピング方法でスレーブBMS(Battery Management System)と無線通信を行うマスタBMSであって、
前記無線通信に使用される周波数帯域に属する複数のチャネルが前記バッテリパック外部の装置によってスキャンされて生成された第1チャネルスキャン情報を受信する通信部と、
前記周波数帯域に属する前記複数のチャネルをスキャンして第2チャネルスキャン情報を生成するチャネル分析部と、
前記無線通信に対する基準SNR(Signal to Noise Ratio)値が保存される保存部と、
前記周波数ホッピング方法に使用されるホッピングチャネルを前記第1チャネルスキャン情報に基づいて選択し、前記第2チャネルスキャン情報および前記基準SNR値に基づいて前記選択されたホッピングチャネルの信号強度を計算する制御部と、
を含む、マスタBMS。
【請求項2】
前記第1チャネルスキャン情報は、
前記複数のチャネルそれぞれの第1ノイズ強度を含み、
前記制御部は、
前記第1ノイズ強度を基準値と比較し、前記複数のチャネルのうち前記第1ノイズ強度が第1基準値より小さいチャネルを前記ホッピングチャネルとして選択する、請求項1に記載のマスタBMS。
【請求項3】
前記第1チャネルスキャン情報は、
前記複数のチャネルそれぞれの第1ノイズ種類および第1ノイズ強度を含み、
前記制御部は、
前記第1ノイズ強度を基準値と比較し、前記複数のチャネルのうち前記第1ノイズ強度が第1基準値より小さく、前記第1ノイズ種類に既に指定されたノイズが含まれていないチャネルを前記ホッピングチャネルとして選択する、請求項1に記載のマスタBMS。
【請求項4】
前記第2チャネルスキャン情報は、
前記複数のチャネルそれぞれの第2ノイズ強度を含み、
前記制御部は、
前記第2ノイズ強度に対して前記基準SNR値を満たす信号強度を計算し、前記計算された信号強度を前記ホッピングチャネルの信号強度とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のマスタBMS。
【請求項5】
前記制御部は、
前記ホッピングチャネルに基づいて前記周波数ホッピング方法のホッピングコードを生成し、
前記スレーブBMSと同じ時間に同じホッピングチャネルに位置するように前記ホッピングコードに基づいて前記スレーブBMSと同期化を行う、請求項1から4のいずれか一項に記載のマスタBMS。
【請求項6】
前記周波数帯域は、
ISM(Industrial Scientific Medical)バンドが属する周波数帯域を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のマスタBMS。
【請求項7】
バッテリパック内部でマスタBMS(Battery Management System)が周波数ホッピング方法でスレーブBMSと無線通信を行う方法であって、
前記無線通信に使用される周波数帯域に属する複数のチャネルが前記バッテリパック外部の装置によってスキャンされて生成された第1チャネルスキャン情報を受信する段階と、
前記第1チャネルスキャン情報に基づいて前記周波数ホッピング方法に使用されるホッピングチャネルを選択する段階と、
前記バッテリパック内部で前記周波数帯域に属する前記複数のチャネルをスキャンして生成された第2チャネルスキャン情報と前記無線通信に対する基準SNR(Signal to Noise Ratio)値に基づいて前記ホッピングチャネルの信号強度を計算する段階と、
前記ホッピングチャネルに基づいて前記周波数ホッピング方法のホッピングコードを生成する段階と、
を含む、バッテリパック内部での無線通信方法。
【請求項8】
前記ホッピングチャネルを選択する段階は、
前記第1チャネルスキャン情報に含まれた前記複数のチャネルそれぞれの第1ノイズ強度を基準値と比較し、前記複数のチャネルのうち前記第1ノイズ強度が第1基準値より小さいチャネルを前記ホッピングチャネルとして選択する、請求項7に記載のバッテリパック内部での無線通信方法。
【請求項9】
前記ホッピングチャネルを選択する段階は、
前記第1チャネルスキャン情報に含まれた前記複数のチャネルそれぞれの第1ノイズ強度を基準値と比較し、前記複数のチャネルのうち前記第1ノイズ強度が第1基準値より小さく、前記第1チャネルスキャン情報に含まれた第1ノイズ種類に既に指定されたノイズが含まれていないチャネルを前記ホッピングチャネルとして選択する、請求項7に記載のバッテリパック内部での無線通信方法。
【請求項10】
前記ホッピングチャネルの信号強度を計算する段階は、
前記第2チャネルスキャン情報に含まれた前記ホッピングチャネルの第2ノイズ強度に対して前記基準SNR値を満たす信号強度を計算し、前記計算された信号強度を前記ホッピングチャネルの信号強度とする、請求項7から9のいずれか一項に記載のバッテリパック内部での無線通信方法。
【請求項11】
前記周波数ホッピング方法のホッピングコードを生成する段階の後、
前記スレーブBMSと同じ時間に同じホッピングチャネルに位置するように前記ホッピングコードに基づいて前記スレーブBMSと同期化を行う段階をさらに含む、請求項7から10のいずれか一項に記載のバッテリパック内部での無線通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願との相互引用]
本出願は2020年9月21日付韓国特許出願第10-2020-0121337号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、バッテリパック(Battery Pack)内部での無線通信方法に関し、より詳細にはマスタBMSとスレーブBMSの間の無線通信方法およびその方法を提供するマスタBMSに関する。
【背景技術】
【0003】
バッテリパック、特に、自動車やESSなどに使用される中大型バッテリパックの場合、多数のバッテリモジュールが含まれ得る。そして、このような多数のバッテリモジュールは互いに直列および/または並列に連結されるマルチモジュール構造を有することによって、バッテリパックの容量および/または出力を増大させることができる。
【0004】
マルチ構造のバッテリパックは回路ロジックやPCB構成などによって多様な形態で実現することができる。この場合、バッテリ管理システム(Battery Management System,BMS)は、モニタリングと制御の効率性などを向上させるために、マルチスレーブ構造が主に用いられる。マルチスレーブ構造は、バッテリパックを構成する複数のバッテリモジュールそれぞれを複数のスレーブBMS(Slave BMS)が担当するようにし、マスタBMS(Master BMS)が複数のスレーブBMSを統合制御するように構成される。
【0005】
従来のバッテリパック内部でのマスタBMSと複数のスレーブBMSの間は有線通信方式を用いたが、複雑な通信回線など問題が多かった。そこで、最近ではバッテリパック内部でのマスタBMSと複数のスレーブBMSの間の通信は無線通信方法を用いようとする試みが多い。
【0006】
しかし、無線通信方法もまた、問題を内包しているが、最も代表的な問題はバッテリ電力消費の問題である。バッテリパック内部ではバッテリ情報に関するデータを送受信するので通信正確度が重要である。したがって、マスタBMSは最悪の場合(worst case)を仮定してデータを伝送するときの信号電力(Transmission Power)を最大に設定し、設定された信号電力で複数のスレーブBMSと無線通信を行う。したがって、過度な電力消耗が持続して発生し得る。
【0007】
すなわち、スレーブBMSはバッテリモジュールに電気的に接続され、バッテリモジュールから電力の供給を受けて無線通信を行うことができる。したがって、実際の外部ノイズの影響を反映せず、最悪の場合を考慮した最大(max)信号電力でデータを送受信することによってバッテリモジュールの電力が急速に減少する問題が発生し得る。
【0008】
したがって、バッテリパック内部でマスタBMSと複数のスレーブBMSの間の無線通信を行う時、最適(optimal)の信号電力でデータを送受信してバッテリモジュールの電力消費を減らすことができ、外部のノイズによる干渉現象を低減できる通信方法が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、バッテリパック外部で測定された複数のチャネル別のノイズ強度およびノイズ種類に基づいて、周波数ホッピング方法に使用される複数のホッピングチャネルを選択するバッテリパック内部での無線通信方法およびその方法を提供するマスタBMSを提供する。
【0010】
本発明は、バッテリパック内部で測定した複数のチャネル別のノイズ強度に基づいて、複数のホッピングチャネルそれぞれに対する信号電力(Transsmission Power,TP)を算出するバッテリパック内部での無線通信方法およびその方法を提供するマスタBMSを提供する。
【0011】
本発明は、複数のホッピングチャネルおよび各ホッピングチャネル別に算出された信号電力に基づいてホッピングコードを生成し、ホッピングコードに応じてマスタBMSとスレーブBMSの間の無線通信を行うバッテリパック内部での無線通信方法およびその方法を提供するマスタBMSを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一特徴によるマスタBMSは、バッテリパック内部で、周波数ホッピング方法でスレーブBMS(Battery Management System)と無線通信を行うマスタBMSであって、前記無線通信に使用される周波数帯域に属する複数のチャネルが前記バッテリパック外部の装置によってスキャンされて生成された第1チャネルスキャン情報を受信する通信部、前記周波数帯域に属する前記複数のチャネルをスキャンして第2チャネルスキャン情報を生成するチャネル分析部、前記無線通信に対する基準SNR(Signal to Noise Ratio)値が保存される保存部、そして前記周波数ホッピング方法に使用されるホッピングチャネルを前記第1チャネルスキャン情報に基づいて選択し、前記第2チャネルスキャン情報および前記基準SNR値に基づいて前記選択されたホッピングチャネルの信号強度を計算する制御部を含む。
【0013】
前記第1チャネルスキャン情報は、前記複数のチャネルそれぞれの第1ノイズ強度を含み、前記制御部は、前記第1ノイズ強度を基準値と比較し、前記複数のチャネルのうち前記第1ノイズ強度が前記第1基準値より小さいチャネルを前記ホッピングチャネルとして選択し得る。
【0014】
前記第1チャネルスキャン情報は、前記複数のチャネルそれぞれの第1ノイズ種類および第1ノイズ強度を含み、前記制御部は、前記第1ノイズ強度を基準値と比較し、前記複数のチャネルのうち前記第1ノイズ強度が前記第1基準値より小さく、前記第1ノイズ種類に既に指定されたノイズが含まれていないチャネルを前記ホッピングチャネルとして選択し得る。
【0015】
前記第2チャネルスキャン情報は、前記複数のチャネルそれぞれの第2ノイズ強度を含み、前記制御部は、前記第2ノイズ強度に対して前記基準SNR値を満たす信号強度を計算し、前記計算された信号強度を前記ホッピングチャネルの信号強度とし得る。
【0016】
前記制御部は、前記ホッピングチャネルおよび前記ホッピングチャネルの信号強度に基づいて前記周波数ホッピング方法のホッピングコードを生成し、前記スレーブBMSと同じ時間に同じホッピングチャネルに位置するように前記ホッピングコードに基づいて前記スレーブBMSと同期化を行い得る。
【0017】
前記周波数帯域は、ISM(Industrial Scientific Medical)バンドが属する周波数帯域を含み得る。
【0018】
本発明の他の特徴によるバッテリパック内部での無線通信方法は、バッテリパック内部でマスタBMS(Battery Management System)が周波数ホッピング方法でスレーブBMSと無線通信を行う方法であって、前記無線通信に使用される周波数帯域に属する複数のチャネルが前記バッテリパック外部の装置によってスキャンされて生成された第1チャネルスキャン情報を受信する段階、前記第1チャネルスキャン情報に基づいて前記周波数ホッピング方法に使用されるホッピングチャネルを選択する段階、前記バッテリパック内部で前記周波数帯域に属する前記複数のチャネルをスキャンして生成された第2チャネルスキャン情報と前記無線通信に対する基準SNR(Signal to Noise Ratio)値に基づいて前記ホッピングチャネルの信号強度を計算する段階、そして、前記ホッピングチャネルおよび前記ホッピングチャネルの信号強度に基づいて前記周波数ホッピング方法のホッピングコードを生成する段階を含む。
【0019】
前記ホッピングチャネルを選択する段階は、前記第1チャネルスキャン情報に含まれた前記複数のチャネルそれぞれの第1ノイズ強度を基準値と比較し、前記複数のチャネルのうち前記第1ノイズ強度が前記第1基準値より小さいチャネルを前記ホッピングチャネルとして選択し得る。
【0020】
前記ホッピングチャネルを選択する段階は、前記第1チャネルスキャン情報に含まれた前記複数のチャネルそれぞれの第1ノイズ強度を基準値と比較し、前記複数のチャネルのうち前記第1ノイズ強度が前記第1基準値より小さく、前記第1チャネルスキャン情報に含まれた第1ノイズ種類に既に指定されたノイズが含まれていないチャネルを前記ホッピングチャネルとして選択し得る。
【0021】
前記ホッピングチャネルの信号強度を計算する段階は、前記第2チャネルスキャン情報に含まれた前記ホッピングチャネルの第2ノイズ強度に対して前記基準SNR値を満たす信号強度を計算し、前記計算された信号強度を前記ホッピングチャネルの信号強度とし得る。
【0022】
前記周波数ホッピング方法のホッピングコードを生成する段階の後、前記スレーブBMSと同じ時間に同じホッピングチャネルに位置するように前記ホッピングコードに基づいて前記スレーブBMSと同期化を行う段階をさらに含み得る。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、マスタBMSとスレーブBMSの間の無線通信のためのホッピングチャネルをバッテリパック外部で測定したノイズ強度および/またはノイズ種類に基づいて選択することによって、ISM(Industrial Scientific Medical)バンドを共通して使用するブルートゥース(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)(Wi-Fi)など他の通信プロトコルとの干渉(interference)問題を避けることができる。
【0024】
本発明は、ホッピングチャネル別の信号電力をバッテリパック内部で測定したノイズ強度に基づいて最適な値を算出することによって、マスタBMSとスレーブBMSの間の無線通信のための不要な電力消費を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】一実施形態によりバッテリパック内部での無線通信方法を提供するシステムを説明する図である。
【
図2】
図1のマスタBMSの構成を説明する図である。
【
図3】一実施形態によるバッテリパックでの無線通信方法を説明する流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付する図面を参照して本明細書に開示された実施形態を詳細に説明するが、同一または類似の構成要素には同一、類似の図面符号を付与し、これに係る重複する説明は省略する。以下の説明で使用される構成要素に対する接尾辞の「モジュール」および/または「部」は明細書作成の容易さだけを考慮して付与するか混用するものであって、それ自体が互いに区別する意味または役割を有するものではない。また、本明細書に開示された実施形態を説明するにあたり関連する公知技術に係る具体的な説明が本明細書に開示された実施形態の要旨を曖昧にすると判断される場合はその詳細な説明を省略する。また、添付する図面は本明細書に開示された実施形態を容易に理解できるようにするためのものであり、添付する図面によって本明細書に開示された技術的思想は制限されず、本発明の思想および技術範囲に含まれるすべての変更、均等物または代替物を含むものとして理解しなければならない。
【0027】
第1、第2などのように序数を含む用語は多様な構成要素を説明するために使用できるが、前記構成要素は前記用語によって限定されない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的にのみ使用される。
【0028】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いる、「接続されて」いると言及された場合には、その他の構成要素に直接連結されているかまたは接続されていることもできるが、中間に他の構成要素が存在し得るものとして理解されなければならない。反面、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いる、「直接接続されて」いると言及された場合は、中間に他の構成要素が存在しないものとして理解されなければならない。
【0029】
本出願で、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定するためであり、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加の可能性をあらかじめ排除しないものとして理解されなければならない。
【0030】
図1は一実施形態によるバッテリパック内部での無線通信方法を提供するシステムを説明する図である。
【0031】
図1を参照すると、バッテリパックでの無線通信方法を提供するシステムは、外部端末1そして自動車システム2を含む。
【0032】
外部端末1は自動車に搭乗した運転者が所持する携帯端末であり得る。例えば、運転者が自動車に搭乗して自動車システム2をオンさせると、外部端末1と自動車システム2は既に設定された通信モジュールで無線通信を行うことができる。この時、通信モジュールはブルートゥース(Bluetooth(登録商標))、Wi-Fi(Wi-Fi)、ジグビー(登録商標)(Zigbee(登録商標))などの通信モジュールであり得る。
【0033】
外部端末1は、周波数帯域の複数のチャネルをスキャンし、複数のチャネルそれぞれのノイズ種類およびノイズ強度を測定して第1チャネルスキャン情報を生成する。例えば、外部端末1は、自動車システム2がオンされると、所定周期ごとにまたはリアルタイムで第1チャネルスキャン情報を生成して自動車システム2に伝送するアプリケーション(application)を含む。
【0034】
一実施形態により、周波数帯域はISM(Industrial Scientific Medical)帯域を含むことができる。ISM帯域は、産業、科学、医療用に割り当てられ、別途の使用許可なしに使用できる周波数帯域である。全世界的に900MHZ、2.4GHZ、5.7GHZ帯域に共通ISM帯域が設定されている。例えば、ブルートゥース(Bluetooth)とジグビー(Zigbee)は一つの周波数帯域(2.4GHZ)を使用し、Wi-Fi(Wi-Fi)は二つの周波数帯域(2.4GHZ、5GHZ)を使用する。
【0035】
ISM帯域は、多様な無線通信装置が使用する周波数帯域であるから、通信干渉による性能低下の問題がある。通信干渉を防止するために、ISM帯域を使用するブルートゥース(Bluetooth)、Wi-Fi(Wi-Fi)、ジグビー(Zigbee)などの通信プロトコルは周波数ホッピング(Frequency Hopping)方式で通信する。周波数ホッピングは使用する周波数帯域を所定の帯域幅を有する複数のチャネルに分けて、複数のチャネルを特定のパターン(以下、ホッピングコード)に合わせて早く移動しながらデータを分割して伝送する通信方法である。
【0036】
自動車システム2は制御装置10、そしてバッテリパック20を含む。
【0037】
制御装置10は自動車システム2を全般的に制御する装置であり、例えば、電子制御装置(Electronic Control Unit,ECU)であり得るが、これに限定されるものではない。
【0038】
一実施形態により、制御装置10は外部端末1と無線通信を行う第1通信装置、そしてバッテリパック20と車両通信を行う第2通信装置を含むことができる。第1通信装置は、ブルートゥース(Bluetooth)、Wi-Fi(Wi-Fi)、またはジグビー(Zigbee)などの無線通信モジュールを含むことができる。第2通信装置は、車両内の通信に使用されるCAN(Controller Area Network)、LIN(Local Interconnect Network)、またはFlexRayなどの車両通信モジュールを含むことができる。
【0039】
制御装置10は第1通信モジュールを介して外部端末1から第1チャネルスキャン情報を受信し、第2通信モジュールを介してバッテリパック20に第1チャネルスキャン情報を伝達する。
【0040】
バッテリパック20は、マスタBMS(Battery Management System,100)、そしてスレーブBMS(Battery Management System,200)を含む。
【0041】
バッテリパック(pack)はマスタBMS100およびスレーブBMS200以外の複数のバッテリモジュール(module)(図示せず)を含む。各バッテリモジュール(module)は電気的に直列連結された複数のバッテリセル(cell)を含む。例えば、バッテリパック(pack)は自動車に搭載され、モータが駆動するように電力を供給するか、またはオーディオ、エアコンのような各種電装品が作動するように電力を供給することができる。この時、自動車は、バッテリパック(pack)から駆動電源が供給される電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HEV,PHEVなど)であり得る。
【0042】
バッテリパック20は外部にある各種電子装置はCAN、LIN、FlexRayのような車両通信方法で通信するが、一実施形態により、バッテリパック20内部にある各種電子装置は周波数ホッピング方法による無線通信方法で通信する。一実施形態により、マスタBMS100はバッテリパック20内部に備えられるが、外部にある制御装置10とCAN通信のような車両通信方法で通信し、内部にあるスレーブBMS200と周波数ホッピング方法による無線通信方法で通信することができる。スレーブBMS200はバッテリパック20内部に備えられ、外部と直接通信できず、マスタBMS100と周波数ホッピング方法による無線通信方法で通信することができる。
【0043】
無線通信の性能は絶対的な信号強度によって決定されず、ノイズ強度に対して信号強度の比率値、すなわち、相対的な信号強度によって決定される。信号の平均電力(信号電力)は増幅器や、減衰器によって変形され、伝達過程でノイズ(雑音)が加えられ、伝送特性が劣化するので、それ自体では無線通信性能の指標として使用することが難しい。すなわち、無線通信の性能は信号対ノイズ比(Signal to Noise Ratio:SNR)により決定される。
【0044】
信号対ノイズ比(SNR)は情報が載せられた信号にノイズが及ぼす影響力を定量的に示す尺度であって、信号レベルがノイズレベルに比べてどれくらい高い電力レベルを有するのかその程度を示す。すなわち、信号は単独で存在する場合はまれであり、多くはノイズとともに共存する。信号対ノイズ比(SNR)によりノイズが信号に及ぼす影響を定量的に確認することができる。
【0045】
【0046】
前記数式1は、信号対ノイズ比(SNR)を計算する公式である。PSは平均信号電力であり、PNは平均ノイズ電力であり、信号対ノイズ比(SNR)の単位はデシベル(dB)を使用する。数式1を参照すると、信号対ノイズ比(SNR)は数値が大きいほどノイズ影響が小さいことを意味する。
【0047】
例えば、良好な信号対ノイズ比(SNR)水準は、音声の場合40dB以上(好ましくは60dB)、映像の場合45dB以上(好ましくは55dB)であり得る。一実施形態により、マスタBMS100とスレーブBMS200の相互間の送受信するデータの場合、良好な信号対ノイズ比(SNR)水準は制御装置10のような上位制御装置によって設定される。
【0048】
マスタBMS100は、複数のスレーブBMS200_1,200_2,…,200_Nを統合して制御する。例えば、マスタBMS100は、複数のスレーブBMS200と無線通信してバッテリ情報などを受信して命令を伝送する。この時、バッテリ情報は、スレーブBMS200が測定した情報(例えば、セル電流、セル電圧、セル温度など)および推定した情報(例えば、SOC(State of Charge)、SOH(State of Health))を含むことができる。
【0049】
一実施形態により、マスタBMS100は、周波数ホッピングコード(Frequency Hopping Sequence)を生成し、周波数ホッピングコードに応じてスレーブBMS200と無線通信することができる。例えば、マスタBMS100は、無線通信に使用する周波数帯域としてISM帯域に存在する複数のチャネルCH_1-CH_Nのうち周波数ホッピング方法に使用する複数のホッピングチャネルを選択し、複数のホッピングチャネルそれぞれの信号強度を計算して周波数ホッピングコードを生成することができる。
【0050】
周波数ホッピング方法は、同じ周波数帯域、すなわち、ISM帯域を使用する他の通信装置との信号干渉による通信品質低下を防止するための通信方法である。すなわち、周波数ホッピング方法は、周波数帯域を所定の大きさを有する周波数に分割して周波数が異なる複数のチャネルを置いて、チャネルを変更しながらデータを分割して伝送する通信方法である。
【0051】
例えば、ISM帯域が第1チャネルCH_1から第10チャネルCH_10まで10個のチャネルに分割されている場合、マスタBMS100は、第1チャネルCH_1、第3チャネルCH_3、第8チャネルCH_8などに既に設定されたパターンに応じてチャネルを変更しながらデータを分割して伝送することによって信号の相互干渉の問題を低減または解決することができる。この時、既に設定されたパターンは、ホッピングコードであり得る。
【0052】
まず、マスタBMS100は、周波数帯域に属する複数のチャネルのうちノイズ強度が基準値以下であるチャネルをホッピングチャネルとして選択する。例えば、ISM帯域で第1チャネルCH_1から第10チャネルCH_10まで分割された10個のチャネルのうち、マスタBMS100は、ノイズによって電力密度が高いチャネルは排除し、ノイズによる電力密度が基準値以下であるチャネルのみホッピングチャネルとして選択する。この時、ノイズはマスタBMS100とスレーブBMS200がやりとりするデータ以外のすべての信号を含み、例えば、ブルートゥース、Wi-Fi、ジグビーなどによってチャネルを介して転送される信号であり得る。
【0053】
一方、バッテリパック20のケースが金属などで製作される場合、バッテリパック20外部に存在するノイズはある程度遮断され、バッテリパック20内部にそのまま伝達されない。すなわち、バッテリパック20内部でも外部ノイズによる影響を受けるが、バッテリパック20内部では外部ノイズ種類およびノイズ強度を明確に区別し難い。一実施形態により、マスタBMS100は、バッテリパック20外部で周波数帯域をスキャンして生成された第1チャネルスキャン情報に基づいてホッピングチャネルを選択することができる。より詳しい説明は以下
図2および
図3で説明する。
【0054】
次に、マスタBMS100は、ホッピングチャネルとして選択されたチャネルのノイズ強度および既に設定された信号対ノイズ比(SNR)に基づいてホッピングチャネルでデータ送受信する際の信号強度を計算する。この時、信号強度は、信号の時間平均化した電力であり得、データを送信する装置によって決定される。例えば、設定された信号強度が大きいと、スレーブBMS200はデータをマスタBMS100に伝送するためにバッテリモジュール(module)から多くの電力の供給を受けなければならない。
【0055】
一実施形態により、マスタBMS100は、ノイズ強度および信号対ノイズ比(SNR)を数式1に代入して信号強度を計算することができる。この時、ノイズ強度はノイズ電力、そして信号強度は信号電力であり得る。例えば、マスタBMS100は、複数のホッピングチャネルごとにノイズ電力が異なる場合、複数のホッピングチャネルそれぞれに対する信号電力をそれぞれ計算することができる。
【0056】
複数のホッピングチャネルはバッテリパック20内部の無線通信に使用されるので、一実施形態により、マスタBMS100は、バッテリパック20内部で周波数帯域をスキャンして第2チャネルスキャン情報を生成し、第2チャネルスキャン情報に含まれたホッピングチャネルのノイズ電力に基づいて信号電力を計算することができる。すなわち、マスタBMS100は、無線通信が行われる環境で測定されたノイズ電力に基づいて信号電力を最適に計算することができる。すると、不要な電力消費を減らすことができる。より詳しい説明は以下
図2および
図3で説明する。
【0057】
スレーブBMS200は、バッテリモジュール(図示せず)と電気的に接続されてバッテリモジュールの状態を測定し、管理するシステムである。例えば、スレーブBMS200は、バッテリセルのバッテリ残存容量(SOC;State of Charge)を予測し、バッテリセルのバランシングを行うことができる。一実施形態により、スレーブBMS200は周波数ホッピングコードに応じてマスタBMS100と無線通信することができる。
【0058】
スレーブBMS200は、データを伝送するなどに必要な電力をバッテリモジュール(module)から供給を受ける。例えば、信号電力が大きく設定されると、スレーブBMS200がマスタBMS100にバッテリ情報を伝送するなど無線通信を行うことによる必要電力も大きくなる。すると、バッテリモジュール(module)も早く放電される。
【0059】
図2は
図1のマスタBMSの構成を説明する図である。
【0060】
図2を参照すると、マスタBMS100は、通信部110、チャネル分析部130、保存部150、そして制御部170を含む。
【0061】
通信部110は、制御装置10と通信する第1通信モジュール、スレーブBMS200と通信する第2通信モジュールを含む。
【0062】
第1通信モジュールは制御部170の制御により制御装置10と通信して第1チャネルスキャン情報を受信し、受信された第1チャネルスキャン情報を保存部150に保存する。例えば、第1通信モジュールは、車両内の通信に使用されるCAN(Controller Area Network)、LIN(Local Interconnect Network)、またはFlexRayなどの車両通信モジュールを含むことができる。
【0063】
第1チャネルスキャン情報は、バッテリパック20外部に位置する外部端末1により生成される。例えば、第1チャネルスキャン情報は、ISM帯域に含まれた第1チャネルCH_1から第10チャネルCH_10まで10個のチャネルそれぞれの第1ノイズ種類および第1ノイズ電力を含むことができる。
【0064】
第2通信モジュールは制御部170の制御により周波数ホッピングコードに応じてスレーブBMS200と無線通信する。周波数ホッピングコードは制御部170により生成されて保存部150に保存される。
【0065】
チャネル分析部130は周波数帯域の複数のチャネルをスキャンし、複数のチャネルそれぞれの第2ノイズ種類および第2ノイズ電力を測定して第2チャネルスキャン情報を生成する。例えば、チャネル分析部130は、自動車システム2がオンされると、所定周期ごとにまたはリアルタイムで第2チャネルスキャン情報を生成して制御部170に伝送する。この時、周波数帯域はISM帯域であり得る。
【0066】
第2チャネルスキャン情報は、バッテリパック20内部に位置するチャネル分析部130により生成される。例えば、第2チャネルスキャン情報は、ISM帯域に含まれた第1チャネルCH_1から第10チャネルCH_10まで10個のチャネルそれぞれの第2ノイズ種類および第2ノイズ電力を含むことができる。一実施形態により、第1チャネルスキャン情報および第2チャネルスキャン情報は生成された場所がバッテリパック20外部および内部で相異なるので、第1チャネルCH_1から第10チャネルCH_10それぞれの第1ノイズ電力と第2ノイズ電力は互いに異なる。
【0067】
一実施形態による信号は、マスタBMS100とスレーブBMS200相互間に送受信されるデータであり、ノイズはマスタBMS100とスレーブBMS200以外の他の装置が送受信するすべての信号を含むことができる。したがって、第1チャネルスキャン情報および第2チャネルスキャン情報に含まれたチャネル別の測定信号はすべてノイズであり得る。
【0068】
保存部150は、バッテリパック20内部で行われる無線通信の性能判断の基準になる基準信号対ノイズ比(SNR)値が保存される(以下、基準SNR値)。保存部150は、第1通信モジュールを介して制御装置10から受信された第1チャネルスキャン情報およびチャネル分析部130が生成した第2チャネルスキャン情報が保存される。
【0069】
一実施形態により、マスタBMS100とスレーブBMS200の相互間の送受信するデータに対する最小限の信号対ノイズ比(SNR)、すなわち、基準SNR値は制御装置10により予め設定(例えば、5dB)されることができる。例えば、制御部170は基準SNR値が最小限5dBになるようにする信号電力でデータをスレーブBMS200に送信することができる。
【0070】
制御部170は第1チャネルスキャン情報に基づいて複数のホッピングチャネルを選択し、第2チャネルスキャン情報および基準SNR値に基づいて複数のホッピングチャネルそれぞれの信号強度を計算して周波数ホッピングコードを生成する。
【0071】
まず、制御部170はISM帯域に存在する複数のチャネルCH_1-CH_Nのうち周波数ホッピング方法に使用する複数のホッピングチャネルをバッテリパック20外部で測定された第1ノイズ種類および第1ノイズ電力に基づいて選択する。
【0072】
例えば、第1チャネルスキャン情報に基づく場合、ISM帯域に存在する第1チャネルCH_1から第10チャネルCH_10のうちチャネルの第1ノイズ電力が基準値以下であるチャネルが第1チャネルCH_1、第3チャネルCH_3、および第8チャネルCH_8であり得る。制御部170は第1チャネルCH_1、第3チャネルCH_3、および第8チャネルCH_8をホッピングチャネルとして選択する。
【0073】
他の例としては、制御部170はISM帯域に存在する第1チャネルCH_1から第10チャネルCH_10のうちチャネルの第1ノイズ電力が基準値以下であり、特定のノイズ種類が含まれていないチャネルをホッピングチャネルとして選択することができる。すなわち、第1ノイズによる電力密度が低いチャネルでも所望しないノイズ(ブルートゥース、Wi-Fi、ジグビーなど)が該当チャネルを使用する場合、制御部170は該当チャネルをホッピングチャネルとして選択しない。
【0074】
次に、制御部170はバッテリパック20内部で測定された第2ノイズ電力および基準SNR値に基づいて複数のホッピングチャネルそれぞれの信号電力を計算する。
【0075】
実際伝送されるデータの信号電力が高いと、すなわち、ノイズ電力に比べて信号電力比率であるSNR数値が大きくなると、受信側は信号を明確に理解することができる。しかし、適切な信号電力以上に伝送する場合、最適な信号電力で伝送する場合と大きな差がない無線通信性能を提供するが、スレーブBMS200はデータを伝送するためにバッテリモジュール(module)の電力を多く消費する問題がある。一実施形態により、制御部170はバッテリパック20内部で送受信されるデータの信号電力を計算する場合は、バッテリパック20外部で測定された第1ノイズ電力でないバッテリパック20内部で測定された第2ノイズ電力に基づいて計算することができる。
【0076】
例えば、制御部170は第2チャネルスキャン情報に含まれたホッピングチャネルの第2ノイズ電力を抽出し、抽出された第2ノイズ電力を数式1に代入してホッピングチャネルの信号電力を計算する。ホッピングチャネルとして第1チャネルCH_1、第3チャネルCH_3、および第8チャネルCH_8が選択された場合、第1チャネルCH_1、第3チャネルCH_3、および第8チャネルCH_8それぞれの第2ノイズ電力を第2チャネルスキャン情報から抽出し、抽出された第2ノイズ電力を数式1に代入して第1チャネルCH_1、第3チャネルCH_3、および第8チャネルCH_8の信号電力を計算する。
【0077】
次に、制御部170は選択した複数のホッピングチャネルおよび各ホッピングチャネルの信号電力に基づいて周波数ホッピングコードを生成する。例えば、制御部170は第1チャネルCH_1、第3チャネルCH_3、第1チャネルCH_1、第8チャネルCH_8、第3チャネルCH_3を一つのセットで構成することができる。周波数ホッピングコードは、前記チャネルセットを繰り返す順に構成することができる。
【0078】
図3は一実施形態によるバッテリパックでの無線通信方法を説明する流れ図である。
【0079】
以下
図1から
図3を参照して、バッテリパック内部での無線通信方法およびその方法を提供するマスタBMSを説明する。
【0080】
まず、マスタBMS100は、バッテリパック20外部に位置する外部端末1が生成した第1チャネルスキャン情報を、制御装置10を介して受信する(S110)。
【0081】
外部端末1は、バッテリパック20内部の無線通信に使用される周波数帯域に属する複数のチャネルをスキャンして第1チャネルスキャン情報を生成し、制御装置10に伝送する。制御装置10は、第1チャネルスキャン情報をマスタBMS100に伝達する。
【0082】
外部端末1は自動車に搭乗した運転者が所持する携帯端末であり得る。例えば、運転者が自動車に搭乗して自動車システム2をオンさせると、外部端末1と自動車システム2は既に設定された通信モジュールで無線通信を行う。この時、通信モジュールはブルートゥース(Bluetooth)、Wi-Fi(Wi-Fi)、ジグビー(Zigbee)などの通信モジュールであり得る。
【0083】
外部端末1は、周波数帯域の複数のチャネルをスキャンして、複数のチャネルそれぞれの第1ノイズ種類および第1ノイズ強度を測定して第1チャネルスキャン情報を生成する。この時、周波数帯域はISM(Industrial Scientific Medical)帯域を含む。ISM帯域は、産業、科学、医療用に割り当てられ、別途の使用許可なしに使用できる周波数帯域である。
【0084】
例えば、第1チャネルスキャン情報は、ISM帯域に含まれた第1チャネルCH_1から第10チャネルCH_10まで10個のチャネルそれぞれの第1ノイズ種類および第1ノイズ電力を含むことができる。
【0085】
次に、マスタBMS100は、第1チャネルスキャン情報に基づいて周波数ホッピング方法に使用されるホッピングチャネルを選択する(S130)。
【0086】
一実施形態により、マスタBMS100は、第1チャネルスキャン情報に含まれた複数のチャネルそれぞれの第1ノイズ強度を基準値と比較し、複数のチャネルのうち第1ノイズ強度が第1基準値より小さいチャネルをホッピングチャネルとして選択することができる。
【0087】
例えば、第1チャネルスキャン情報に基づく場合、ISM帯域に存在する第1チャネルCH_1から第10チャネルCH_10のうちチャネルの第1ノイズ電力が基準値以下であるチャネルが第1チャネルCH_1、第3チャネルCH_3、および第8チャネルCH_8であり得る。マスタBMS100は、第1チャネルCH_1、第3チャネルCH_3、および第8チャネルCH_8をホッピングチャネルとして選択する。
【0088】
他の実施形態により、マスタBMS100は、第1チャネルスキャン情報に含まれた複数のチャネルそれぞれの第1ノイズ強度を基準値と比較し、複数のチャネルのうち第1ノイズ強度が第1基準値より小さく、第1チャネルスキャン情報に含まれた第1ノイズ種類に既に指定されたノイズが含まれないチャネルをホッピングチャネルとして選択することができる。
【0089】
例えば、第1チャネルスキャン情報に基づく場合、ISM帯域に存在する第1チャネルCH_1から第10チャネルCH_10のうちチャネルの第1ノイズ電力が基準値以下であるチャネルが第1チャネルCH_1、第3チャネルCH_3、および第8チャネルCH_8であり得る。また、既に指定されたノイズ種類がブルートゥースプロトコルであり、第1チャネルスキャン情報に基づく場合、第3チャネルCH_3をブルートゥースが使用する。マスタBMS100は、第1チャネルCH_1および第8チャネルCH_8をホッピングチャネルとして選択する。
【0090】
次に、マスタBMS100は、第2チャネルスキャン情報および無線通信に対する基準SNR(Signal to Noise Ratio)値に基づいてホッピングチャネルの信号強度を計算する(S150)。
【0091】
マスタBMS100は自らバッテリパック20内部で周波数帯域に属する複数のチャネルをスキャンして第2チャネルスキャン情報を生成する。この時、第2チャネルスキャン情報は複数のチャネルそれぞれの第2ノイズ強度を含み得る。
【0092】
マスタBMS100は第2チャネルスキャン情報に含まれたホッピングチャネルの第2ノイズ強度に対して基準SNR値を満たす信号強度を計算する。マスタBMS100は計算された信号強度をホッピングチャネルの信号強度として決定する。
【0093】
例えば、マスタBMS100はホッピングチャネルとして選択した第1チャネルCH_1の第2ノイズ強度と基準SNR値を前記数式1に代入して、第1チャネルCH_1の信号強度を計算する。また、マスタBMS100はホッピングチャネルとして選択した第3チャネルCH_3の第2ノイズ強度と基準SNR値を前記数式1に代入して、第3チャネルCH_3の信号強度を計算する。また、マスタBMS100はホッピングチャネルとして選択した第8チャネルCH_8の第2ノイズ強度と基準SNR値を前記数式1に代入して、第8チャネルCH_8の信号強度を計算する。
【0094】
次に、マスタBMS100は、ホッピングチャネルおよびホッピングチャネルの信号強度に基づいて周波数ホッピング方法のホッピングコードを生成する(S170)。
【0095】
マスタBMS100は、選択したホッピングチャネルである第1チャネルCH_1、第3チャネルCH_3、および第8チャネルCH_8が任意のパターンを有するように順序を定める。例えば、マスタBMS100は、第1チャネルCH_1、第3チャネルCH_3、第1チャネルCH_1、第8チャネルCH_8、第3チャネルCH_3をチャネルセットで構成する。マスタBMS100は、チャネルセットを繰り返す順にホッピングコードを生成する。すなわち、ホッピングコードは、第1チャネルCH_1、第3チャネルCH_3、第1チャネルCH_1、第8チャネルCH_8、第3チャネルCH_3、第1チャネルCH_1、第3チャネルCH_3、第1チャネルCH_1、第8チャネルCH_8、第3チャネルCH_3、第1チャネルCH_1、第3チャネルCH_3、第1チャネルCH_1、第8チャネルCH_8、第3チャネルCH_3のように繰り返され、各チャネル別の信号電力に応じてデータを送受信するように定めることができる。
【0096】
次に、マスタBMS100は、スレーブBMS200と同じ時間に同じホッピングチャネルに位置するようにホッピングコードに基づいてスレーブBMS200と同期化を行う(S190)。
【0097】
マスタBMS100はスレーブBMS200が伝送するデータを受信するために、スレーブBMS200がデータを送信する時使用したホッピングコードと同じホッピングコードを用いて特定時間に特定周波数にチューニングされなければならない。すなわち、マスタBMS100はホッピングコードに基づいてスレーブBMS200と同期化される場合のみスレーブBMS200が伝送したデータを元の状態に復元することができる。
【0098】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、本発明の属する分野で通常の知識を有する者が多様に変形および改良した形態もまた、本発明の権利範囲に属する。