(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】建物の給電設備
(51)【国際特許分類】
H02G 3/36 20060101AFI20240326BHJP
H02G 3/22 20060101ALI20240326BHJP
E04H 1/02 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
H02G3/36
H02G3/22
E04H1/02
(21)【出願番号】P 2020207577
(22)【出願日】2020-12-15
【審査請求日】2023-07-31
(73)【特許権者】
【識別番号】504093467
【氏名又は名称】トヨタホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【氏名又は名称】山田 強
(74)【代理人】
【識別番号】100161230
【氏名又は名称】加藤 雅博
(72)【発明者】
【氏名】内藤 智士
【審査官】遠藤 尊志
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-222827(JP,A)
【文献】特開2007-330083(JP,A)
【文献】特開2020-181684(JP,A)
【文献】特開平3-293917(JP,A)
【文献】実開平6-45270(JP,U)
【文献】実開昭59-72820(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/36
H02G 3/22
E04H 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋内と屋外とを仕切る外壁部を備え、
前記外壁部は、屋外に面して設けられる外壁材と、屋内に面して設けられる内壁材と、前記外壁材と前記内壁材との間の壁内空間に設けられる壁内断熱材とを有する建物に適用され、
前記外壁材の屋外側に取り付けられ、給電ケーブルが接続されるケーブル接続部と、
前記ケーブル接続部と前記建物内の電気機器とをつなぐ外部給電経路とを備え、
前記ケーブル接続部に外部電源装置を前記給電ケーブルを介して接続することで、前記外部電源装置より前記電気機器に前記給電ケーブル及び前記外部給電経路を通じて給電が可能となっている建物の給電設備であって、
前記ケーブル接続部は、前記給電ケーブルが着脱可能に接続される接続口と、前記外部給電経路の一部を構成する電気配線が接続されている配線接続部とを有し、
前記外壁材の屋外面には、前記ケーブル接続部を取り付けるための取付具が取り付けられ、
前記取付具は、屋外に開口された内部空間を有しており、
前記ケーブル接続部は、その一部が前記内部空間に収容された状態で前記取付具に取り付けられており、その取付状態で前記接続口が屋外に露出し、かつ前記配線接続部が前記内部空間に位置しており、
前記取付具には、前記電気配線を前記外壁材よりも屋外側で前記内部空間から引き出すための引き出し孔が設けられている、建物の給電設備。
【請求項2】
前記取付具は、
前記外壁材とは反対側に向けて開口するとともに前記内部空間を有する箱状に形成され、前記外壁材と対向する板部が前記外壁材の屋外面に固定されている本体部と、
前記本体部の開口を塞ぐように設けられた蓋部と、を有し、
前記蓋部には、前記内部空間を屋外に開口させるとともに前記ケーブル接続部が挿通される挿通孔が形成されており、
前記ケーブル接続部は、前記挿通孔に挿通された状態で前記蓋部と対向するフランジ部を有しており、
前記フランジ部は、前記蓋部との間に防水部材を介在させた状態で当該蓋部に固定されていることを特徴とする、請求項1に記載の建物の給電設備。
【請求項3】
前記引き出し孔は、前記電気配線を前記内部空間から上方又は側方に引き出し可能な位置に設けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の建物の給電設備。
【請求項4】
商用電源から送られる商用電力を前記電気機器に供給するための商用給電経路と、
前記外部給電経路の一部を構成するとともに、前記ケーブル接続部と前記商用給電経路とを接続する接続経路と、
前記接続経路と前記商用給電経路との接続部分に設けられ、前記商用電力と前記外部電源装置からの電力とのうちいずれの電力を前記電気機器に供給するか手動操作により切り替える切替部と、を備える建物の給電設備であって、
前記切替部は、前記建物内に設けられた複数の屋内空間のうち所定の屋内空間に設けられ、
前記外壁部には、当該外壁部を屋外から前記所定の屋内空間に向けて貫通する貫通孔が設けられ、
前記接続経路は、前記ケーブル接続部から前記外壁材の屋外面に沿って延びているとともに、屋外から前記貫通孔を通じて前記所定の屋内空間に入り込んでいることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の建物の給電設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の給電設備に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、電気自動車やハイブリッド自動車が実用化されており、それらの自動車に搭載された車載バッテリを用いて、自動車側から建物側に電力を供給する技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。かかる技術によれば、災害等に伴い、建物で停電が発生した場合に、自動車側から建物側に電力を供給することで、建物内の電気機器を作動させることが可能となる。
【0003】
自動車側から建物側に電力を供給する際には、自動車側と建物側とを給電ケーブルを介して接続し、その接続状態で自動車側から建物側に給電ケーブルを通じて電力を供給することになる。そのため、こうした給電が可能な建物には、給電ケーブルの一端側を接続するケーブル接続部(給電用のインレット)と、そのケーブル接続部と電気機器とをつなぐ外部給電経路とが設けられる。
【0004】
ケーブル接続部は、例えば建物の外壁部に取り付けられる。外壁部は、屋外に面した外壁材と、屋内に面した内壁材と、外壁材と内壁材との間の壁内空間に設けられるグラスウール等の壁内断熱材とを有して構成されている。ケーブル接続部は、外壁材に形成された孔部に挿通された状態で外壁材に取り付けられるようになっている。この場合、ケーブル接続部から延びる外部給電経路の電気配線は、外壁部の壁内を通じて配設される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、自動車から建物側へ給電を行うための構成は、リフォーム等により既設の建物に事後的に導入される場合がある。その場合、ケーブル接続部から延びる外部給電経路の電気配線を外壁部の壁内に通すにあたっては、既設の壁内断熱材に穴を開けたり、壁内断熱材を移動させたりといった作業が発生することが考えられる。しかしながら、このような作業は手間であるし、また、かかる作業を行うには内壁材を取り外す必要があるため、作業が大掛かりになるおそれがある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、建物に外部給電のための構成を後付けするに際し、その作業負荷を軽減することができる建物の給電設備を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明の建物の給電設備は、屋内と屋外とを仕切る外壁部を備え、
前記外壁部は、屋外に面して設けられる外壁材と、屋内に面して設けられる内壁材と、前記外壁材と前記内壁材との間の壁内空間に設けられる壁内断熱材とを有する建物に適用され、
前記外壁材の屋外側に取り付けられ、給電ケーブルが接続されるケーブル接続部と、
前記ケーブル接続部と前記建物内の電気機器とをつなぐ外部給電経路とを備え、
前記ケーブル接続部に外部電源装置を前記給電ケーブルを介して接続することで、前記外部電源装置より前記電気機器に前記給電ケーブル及び前記外部給電経路を通じて給電が可能となっている建物の給電設備であって、
前記ケーブル接続部は、前記給電ケーブルが着脱可能に接続される接続口と、前記外部給電経路の一部を構成する電気配線が接続されている配線接続部とを有し、
前記外壁材の屋外面には、前記ケーブル接続部を取り付けるための取付具が取り付けられ、
前記取付具は、屋外に開口された内部空間を有しており、
前記ケーブル接続部は、その一部が前記内部空間に収容された状態で前記取付具に取り付けられており、その取付状態で前記接続口が屋外に露出し、かつ前記配線接続部が前記内部空間に位置しており、
前記取付具には、前記電気配線を前記外壁材よりも屋外側で前記内部空間から引き出すための引き出し孔が設けられている。
【0009】
第1の発明によれば、外壁材の屋外面に取付具が取り付けられ、その取付具にケーブル接続部が取り付けられている。取付具は、屋外に開口された内部空間を有しており、ケーブル接続部は、その一部が内部空間に収容された状態で取付具に取り付けられている。この取付状態で、ケーブル接続部において電気配線が接続された配線接続部は内部空間に位置している。また、取付具には、電気配線を外壁材よりも屋外側で内部空間から引き出すための引き出し孔が設けられているため、その引き出し孔から電気配線を引き出して外壁材の屋外側(つまり外壁部の屋外側)を通じて配設することができる。この場合、ケーブル接続部から延びる電気配線の少なくとも一部については外壁部の壁内空間を通さずに済むため、リフォーム等で建物に外部給電経路を後付けする際に、壁内断熱材に穴をあけたり、壁内断熱材を移動させたりするといった作業を減らす又はなくすことができる。これにより、建物に外部給電のための構成を後付けするに際し、その作業負荷を軽減することが可能となる。
【0010】
第2の発明の建物の給電設備は、第1の発明において、前記取付具は、
前記外壁材とは反対側に向けて開口するとともに前記内部空間を有する箱状に形成され、前記外壁材と対向する板部が前記外壁材の屋外面に固定されている本体部と、
前記本体部の開口を塞ぐように設けられた蓋部と、を有し、
前記蓋部には、前記内部空間を屋外に開口させるとともに前記ケーブル接続部が挿通される挿通孔が形成されており、
前記ケーブル接続部は、前記挿通孔に挿通された状態で前記蓋部と対向するフランジ部を有しており、
前記フランジ部は、前記蓋部との間に防水部材を介在させた状態で当該蓋部に固定されていることを特徴とする。
【0011】
第2の発明によれば、取付具が、外壁材の屋外面に固定された箱状の本体部と、本体部の開口を塞ぐ蓋部とを有して構成されている。ケーブル接続部は、蓋部に形成された挿通孔に挿通されており、その挿通状態でケーブル接続部のフランジ部が蓋部との間に防水部材(例えばパッキン等)を介在させた状態で当該蓋部に固定されている。この場合、ケーブル接続部と挿通孔との間を通じて雨水等の水が、配線接続部が設けられた内部空間に入り込むのを防止できる。
【0012】
また、かかる構成では、蓋部にケーブル接続部を防水部材とともに固定して一体化することで防水処理を行うことができる。そして、その後、一体化された状態で蓋部を本体部に固定することで取付具を構成できるとともに、その取付具にケーブル接続部が取り付けられた状態を得ることができる。これにより、ケーブル接続部の防水作業と取付作業とを容易に行うことが可能となる。
【0013】
第3の発明の建物の給電設備は、第1又は第2のいずれかの発明において、前記引き出し孔は、前記電気配線を前記内部空間から上方又は側方に引き出し可能な位置に設けられていることを特徴とする。
【0014】
第3の発明によれば、電気配線を引き出し孔から上方又は側方に引き出すことができるため、電気配線を外壁材の屋外側にてケーブル接続部よりも低い位置を通らないよう配設することができる。これにより、水害時に電気配線が水に浸かってしまうのを抑制できるため、水害時に外部電源装置から電気機器に給電できなくなる事態が生じるのを抑制できる。
【0015】
第4の発明の建物の給電設備は、第1乃至3のいずれかの発明において、商用電源から送られる商用電力を前記電気機器に供給するための商用給電経路と、
前記外部給電経路の一部を構成するとともに、前記ケーブル接続部と前記商用給電経路とを接続する接続経路と、
前記接続経路と前記商用給電経路との接続部分に設けられ、前記商用電力と前記外部電源装置からの電力とのうちいずれの電力を前記電気機器に供給するか手動操作により切り替える切替部と、を備える建物の給電設備であって、
前記切替部は、前記建物内に設けられた複数の屋内空間のうち所定の屋内空間に設けられ、
前記外壁部には、当該外壁部を屋外から前記所定の屋内空間に向けて貫通する貫通孔が設けられ、
前記接続経路は、前記ケーブル接続部から前記外壁材の屋外面に沿って延びているとともに、屋外から前記貫通孔を通じて前記所定の屋内空間に入り込んでいることを特徴とする。
【0016】
第4の発明によれば、建物の外壁部に、当該外壁部を屋外から切替部が設けられた所定の屋内空間へと貫通する貫通孔が設けられている。また、ケーブル接続部と切替部とを接続する接続経路は、ケーブル接続部から外壁材の屋外面に沿って延び、その後、屋外から貫通孔を通じて所定の屋内空間に入り込んでいる。この場合、接続経路のうち、貫通孔を通る部分だけが壁内に配設され、それ以外の部分は屋外又は屋内(所定の屋内空間)に配設される。そのため、接続経路を建物に後付けする際、壁内に配線を通すことで生じる手間を大いに軽減することができる。
【0017】
また、接続経路は所定の屋内空間に入り込んだ後、当該屋内空間にて切替部まで延び接続される。この場合、屋内に配設される経路部分を短くすることができるため、接続経路の一部が屋内に配設される構成にあって、屋内の美観が損なわれるのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図2】インレットが外壁パネルに取付具を介して取り付けられた取付構成を示す側面図。
【
図3】インレットが外壁パネルに取付具を介して取り付けられた取付構成を示す縦断面図。
【
図4】
図3における取付構成を分解した状態で示す分解縦断面図。
【
図6】(a)がインレットの正面図、(b)がパッキンの正面図、(c)が当板の正面図。
【
図9】別例における屋外側での電気配線の配設状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1に示すように、建物10には分電盤11が設けられている。分電盤11には、商用電源(系統電源)から送られる商用電力が引き込み線12を介して供給される。引き込み線12は、電柱に設けられた柱上トランス(図示略)から建物10側に引き込まれている。柱上トランスでは、配電線を流れるAC6600Vの高圧電力(商用電力)がAC100/200Vの低圧電圧に変換される。そして、その変換された低圧電力が引き込み線12を介して分電盤11に供給されるようになっている。なお、柱上トランスの二次側は接地(アース)されている。
【0021】
分電盤11に供給されるAC100/200Vの商用電力は、分電盤11から建物10内の複数の回路(分岐回路)に分配供給される。これら複数の回路には、リビング用の回路であるリビング回路15が含まれている。リビング回路15は、照明16、照明SW17及びコンセント18等の電気機器と、これらの電気機器16~18に接続されたユニットケーブル19とを有している。分電盤11とリビング回路15とは給電経路22を介して接続され、その給電経路22を通じて分電盤11からリビング回路15に商用電力が供給される。また、
図1では便宜上、建物10内の各回路のうち、リビング回路15以外の回路については図示を省略している。
【0022】
建物10には、リビング回路15に外部電源装置からの給電を可能とする外部給電系統が設けられている。これにより、本建物10では、災害等により建物10に停電が発生した場合(すなわち商用電力の供給が停止された場合)に、建物10に外部電源装置を接続し、その接続状態で外部電源装置からリビング回路15に電力を供給することが可能となっている。このため、停電発生時においても、リビングの電気機器16~18を使用することが可能となっている。
【0023】
なお、リビング回路15は、非常時にも給電が可能となっていることから、非常時給電回路ということもできる。また、非常時給電回路は、必ずしもリビング回路15である必要はなく、寝室用の寝室回路等、他の回路であってもよい。また、非常時給電回路を複数設定してもよい。
【0024】
続いて、外部電源装置からリビング回路15に給電を行うための構成について説明する。
【0025】
本実施形態では、外部電源装置として、外部給電機能を有する自動車23を想定している。自動車23は、例えば車載バッテリ24を搭載したプラグインハイブリッド自動車(PHV)となっている。自動車23には、その車内にコンセント25が設けられている。コンセント25は車載バッテリ24に電気的に接続され、車載バッテリ24に蓄えられた電力をコンセント25から取り出し可能となっている。コンセント25は、建物に設けられているコンセントと同じAC100V用のコンセントとなっている。そのため、コンセント25には、ドライヤ等の電気機器(家電機器)を接続可能となっている。
【0026】
自動車23は、給電ケーブル27を介して建物10に接続可能となっている。給電ケーブル27は、その両端部に一対のコネクタ27a,27bを有している。これら各コネクタ27a,27bのうち、一方のコネクタ27aは自動車23のコンセント25に接続可能とされ、他方のコネクタ27bは、建物10のインレット31に接続可能とされている。これにより、給電ケーブル27のコネクタ27aが自動車23のコンセント25に接続され、かつ、コネクタ27bが建物10のインレット31に接続されることで、自動車23と建物10とが給電ケーブル27を介して電気的に接続されるようになっている。なお、詳しくは後述するが、インレット31は、建物10の外壁部41に取付具50を介して取り付けられている。
【0027】
建物10には、インレット31と給電経路22とを接続する接続経路35が設けられている。接続経路35は給電経路22の中間部に接続され、その給電経路22と接続経路35との接続部分には切替スイッチ21が設けられている。この場合、切替スイッチ21とインレット31とが接続経路35を介して接続されている。
【0028】
切替スイッチ21は、手動操作により、分電盤11とリビング回路15とを接続する第1位置と、インレット31(換言すると接続経路35)とリビング回路15とを接続する第2位置との間で位置切替可能となっている。切替スイッチ21が第1位置にある場合には、分電盤11からリビング回路15に給電経路22を介して商用電力が供給される。切替スイッチ21は通常、第1位置に設定され、
図1では、切替スイッチ21が第1位置に設定された状態を示している。なお、この場合、給電経路22が商用給電経路に相当する。
【0029】
一方、自動車23(詳しくはコンセント25)が給電ケーブル27を介して建物10側のインレット31に接続された状態で、切替スイッチ21が第1位置から第2位置に切り替えられると、自動車23とリビング回路15とが給電ケーブル27と接続経路35と給電経路22の一部(詳しくは、給電経路22のうち、切替スイッチ21とリビング回路15とをつなぐ経路部分)とを介して電気的に接続される。この場合、自動車23側からAC100Vの電力が給電ケーブル27を介してインレット31に供給され、その供給された電力がインレット31から接続経路35と給電経路22の上記一部とを介してリビング回路15に供給される。なお、この場合、接続経路35と給電経路22の上記一部とを含んで、インレット31とリビング回路15(電気機器16~18)とを接続する外部給電経路が構成されている。
【0030】
インレット31と切替スイッチ21とを接続する接続経路35上には、車両接続用装置29が設けられている。車両接続用装置29は、自動車23からリビング回路15に給電ケーブル27を介して給電を行う際に、給電ケーブル27における地絡やリビング回路15における漏電を検出等するものである。そして、接続経路35は、インレット31と車両接続用装置29とを電気的に接続する電気配線35aと、車両接続用装置29と切替スイッチ21とを電気的に接続する電気配線35bとを有している。
【0031】
ところで、上述したように、インレット31は、取付具50を介して外壁部41に取り付けられている。本実施形態では、インレット31が取付具50を介して外壁部41に取り付けられている点に特徴を有しており、以下では、その特徴的な構成について
図2~
図6に基づいて説明する。
【0032】
図2及び
図3に示すように、建物10には、屋内と屋外とを仕切る外壁部41が設けられている。外壁部41は、屋外側の面(屋外面)を形成する外壁材としての外壁パネル42と、屋内側の面(屋内面)を形成する内壁材としての内壁パネル43とを有する。外壁パネル42と内壁パネル43との間には、壁内空間44が形成されており、壁内空間44には、壁内断熱材45が設けられている。壁内断熱材45は、例えばグラスウールからなり、これにより建物10の外壁部41において断熱性が確保されている。
【0033】
外壁パネル42の屋外側の面には、合成樹脂製の取付具50が取り付けられている。
図2~
図5に示すように、取付具50は、本体部53と蓋部54とを有する。本体部53は、一面が開口された略直方体状(箱状)に形成され、その開口を外壁パネル42とは反対側に向けた状態で外壁パネル42に固定されている。
【0034】
本体部53は、外壁パネル42に固定された固定板部55(「外壁材と対向する板部」に相当)と、固定板部55から外壁パネル42とは反対側に向けて延びる上板部56、下板部57及び一対の側板部58とを有している。これら各板部55~58は樹脂材料により一体成形されている。固定板部55は、複数(詳しくは4つ)のビス85cにより外壁パネル42に固定されている。詳しくは、固定板部55には、当該固定板部55を厚み方向に貫通する複数の孔部85aが形成され、外壁パネル42には、各孔部85aに対応する位置に複数の孔部85bが形成されている。そして、ビス85cは、固定板部55の孔部85aを通じて外壁パネル42の孔部85bにねじ込まれている。
【0035】
本体部53の各板部55~58により囲まれた内側の空間はインレット31の一部を収容するための内部空間52となっている。上板部56と下板部57とは内部空間52を挟んで上下に対向しており、各側板部58は内部空間52を挟んで左右に対向している。また、内部空間52は、その内部空間52を挟んで固定板部55とは反対側で開口している。
【0036】
各側板部58のうち一方の側板部58a(本実施形態では、正面視にて右側の側板部58a)には、電気配線35aを外壁パネル42よりも屋外側で内部空間52から引き出すための引き出し孔59が設けられている。引き出し孔59は、側板部58aを厚み方向に貫通しており、側板部58aにおいて固定板部55に近接する部分に形成されている。
【0037】
本体部53には、本体部53の開口を塞ぐように蓋部54が取り付けられている。蓋部54は、矩形平板状に形成され、詳しくは略正方形状に形成されている。蓋部54は、その大きさが本体部53の正面視の大きさと略同じとされ、本体部53を挟んで外壁パネル42とは反対側に配置されている。そして、蓋部54は、その配置状態で四隅が外壁パネル42にビス89cにより固定されている。詳しくは、蓋部54には、当該蓋部54を厚み方向に貫通する複数の孔部89aが形成され、本体部53の開口面側には、各孔部89aに対応する位置に複数の孔部89bが形成されている。そして、ビス89cは、蓋部54の孔部89aを通じて本体部53の孔部89bにねじ込まれている。また、蓋部54の中央部付近には、インレット31を挿通するための挿通孔51が設けられている。挿通孔51は、蓋部54を貫通して設けられている。
【0038】
取付具50の蓋部54には、インレット31が取り付けられている。インレット31は、
図2~
図4及び
図6(a)に示すように、略円柱状に形成されており、その側面部から外側に向かって突出して設けられたフランジ部32を有する。フランジ部32は、インレット31の円柱軸方向から見ると、蓋部54と同じ大きさの略正方形状に形成されている。また、インレット31は、給電ケーブル27のコネクタ27bが着脱可能に接続される接続口33と、接続経路35の一部を構成する電気配線35aが接続される配線接続部34とを有する。接続口33は、インレット31の円柱軸方向の一方側に設けられ、配線接続部34は、円柱軸方向の他方側に設けられている。また、接続口33と配線接続部34とは、インレット31の内部において電気的に接続されている。
【0039】
接続口33には、円板状の平蓋36aが着脱可能に設けられている。自動車23から建物10側に給電を行わない通常時には、平蓋36aを接続口33に取り付け、平蓋36aにより接続口33を覆った状態とする。これにより、接続口33に雨等が入り込むことが防止されている。また、自動車23から建物10側に給電を行う場合には、平蓋36aを接続口33から取り外し、給電ケーブル27を接続口33に接続するようになっている。なお、平蓋36aは、チェーン36bを介してフランジ部32に連結されている。
【0040】
インレット31は、蓋部54の挿通孔51に挿通され、その挿通状態でフランジ部32が蓋部54に固定されている。フランジ部32は、蓋部54の外面側(換言すると、蓋部54を挟んで本体部53とは反対側)において蓋部54と対向して設けられている。フランジ部32と蓋部54との間には、防水部材としてのパッキン37が介在された状態で設けられている。パッキン37は、
図6(b)に示すように、ゴム材料により矩形板状に形成され、詳しくはフランジ部32及び蓋部54と同じ大きさの略正方形状をなしている。
【0041】
パッキン37には、インレット31を挿通する孔部82が形成されている。パッキン37は、その孔部82にインレット31を挿通した状態で蓋部54とフランジ部32との間に挟み込まれている。そして、かかる挟み込み状態で、フランジ部32が蓋部54にビス87eにより固定されている。これにより、蓋部54の挿通孔51とインレット31との間の隙間を通じて雨水等の水が内部空間52に入り込むのを防止することが可能となっている。
【0042】
蓋部54に対するフランジ部32の固定に関する構成について詳しくは、フランジ部32、パッキン37及び蓋部54にはそれぞれ互いに連通する孔部87a,87b,87cが形成されている。各孔部87a,87b,87cは、フランジ部32、パッキン37及び蓋部54の四隅にそれぞれ形成されている。また、蓋部54を挟んでフランジ部32とは反対側には当板38が設けられている。当板38は、
図6(c)に示すように、矩形平板状に形成され、詳しくはフランジ部32と同じ大きさの略正方形状をなしている。当板38の四隅には、内周部にめねじが形成されたねじ孔87dが設けられている。ねじ孔87dは、孔部87a~87cに対応する位置に設けられている。ビス87eは、フランジ部32、パッキン37及び蓋部54の各孔部87a~87cに挿通され、その挿通状態で当板38のねじ孔87dにねじ込まれている。これにより、フランジ部32がパッキン37を介して蓋部54に固定されている。
【0043】
インレット31が蓋部54に取り付けられた状態では、接続口33が屋外に露出し、配線接続部34が内部空間52に位置している。配線接続部34には、電気配線35aが接続されており、その電気配線35aは、引き出し孔59を通じて内部空間52から側方に引き出されている。また、図示は省略するが、インレット31における配線接続部34を含む一部には絶縁カバーが被せられており、それにより、配線接続部34と電気配線35との接続部分の防水が図られている。また、インレット31が蓋部54(取付具50)に取り付けられた状態において、インレット31は屋内に設けられたコンセント18と同じ高さ位置に配置されている。
【0044】
続いて、インレット31を取付具50を介して外壁パネル42に取り付ける際の作業手順について説明する。
【0045】
まず、取付具50の本体部53を外壁パネル42に固定する作業を行う。この作業では、本体部53の固定板部55をビス85cにより固定する。
【0046】
次に、蓋部54に対しインレット31を取り付ける作業を行う。この作業では、まずインレット31を、パッキン37の孔部82、蓋部54の挿通孔51及び当板38の孔部83に、この順で挿通し、フランジ部32と当板38とが、パッキン37及び蓋部54を挟んで対向した状態とする。そして、フランジ部32、パッキン37及び蓋部54(詳しくは、これらの孔部87a~87c)を介して当板38にビス87eをねじ込む。これにより、フランジ部32が、蓋部54との間にパッキン37を挟んだ状態で蓋部54に固定され、ひいてはインレット31が蓋部54に固定される。
【0047】
次に、電気配線35aを、本体部53の側板部58aに形成された引き出し孔59に挿通する。この際、電気配線35aの先端部が、本体部53の内部空間52側に位置するようにする。そして、内部空間52側に位置する電気配線35aの先端部を、蓋部54に取り付けられた状態のインレット31の配線接続部34に接続する。
【0048】
次に、蓋部54をビス89cにより本体部53に固定する。これにより、取付具50が構成され、その取付具50にインレット31が取り付けられた状態が得られる。
【0049】
続いて、切替スイッチ21とインレット31とをつなぐ接続経路35(電気配線35a,35b)について、
図7及び
図8に基づき説明する。
【0050】
上述したように、インレット31(詳しくは、配線接続部34)に接続された電気配線35aは、取付具50の引き出し孔59を通じて側方に引き出されている。引き出された電気配線35aは、
図7に示すように、外壁パネル42の屋外側の面に沿って横方向に延びており、その後、外壁パネル42の屋外側の面に沿って上方に延びている。これにより、電気配線35aにおいて外壁パネル42の屋外側に配設された屋外配線部分は、その全体が取付具50よりも下方に位置しないように配設されている。
【0051】
電気配線35aの屋外配線部分は、電線管74の内部に挿通されている。電線管74は、電気配線35aの屋外配設部分に沿って延びており、外壁パネル42の屋外側の面にサドル75により固定されている。電線管74は、その一端が取付具50の本体部53の側板部58aに接続され、他端が外壁パネル42の屋外側の面に設けられた屋外ボックス71に接続されている。電線管74と側板部58aとの接続部分、及び電線管74と屋外ボックス71との接続部分には、接続部分を通じた水の浸入を防止する防水処理が施されている。
【0052】
図8に示すように、電気配線35aは、外壁部41に設けられた貫通孔61を通じて屋外から屋内に入り込んでいる。具体的には、建物10内には、所定の屋内空間としての洗面室46が設けられ、その洗面室46は外壁部41により屋外と仕切られている。そして、貫通孔61は、外壁部41を屋外から洗面室46へと貫通しており、その貫通孔61を通じて電気配線35aが屋外から洗面室46に入り込んでいる。
【0053】
貫通孔61は、建物10内の天井面よりも少しだけ低い高さ位置に配置され、屋外ボックス71により屋外側から覆われた状態となっている。また、外壁部41を挟んで屋外ボックス71とは反対側には屋内ボックス72が設けられている。屋内ボックス72は、内壁パネル43の屋内側の面に設けられ、その屋内ボックス72により貫通孔61が屋内側から覆われた状態となっている。貫通孔61を通じて配設される電気配線35aは、屋外ボックス71及び屋内ボックス72の内側を通じて配設される。
【0054】
洗面室46には、分電盤11、切替スイッチ21及び車両接続用装置29が設けられている。洗面室46は、外壁部41と隣接する間仕切壁47により隣室と仕切られており、その間仕切壁47に分電盤11、切替スイッチ21及び車両接続用装置29が取り付けられている。これら各装置11,12,29は、間仕切壁47の天井部付近に配置されている。
【0055】
貫通孔61から洗面室46に入り込んだ電気配線35aは、車両接続用装置29に接続されている。車両接続用装置29は、上述したように、電気配線35bを介して切替スイッチ21と接続されている。これにより、各電気配線35a,35bを有してなる接続経路35は屋外と屋内とに跨って延びており、その接続経路35を介して屋外のインレット31と屋内(洗面室46)の切替スイッチ21とが電気的に接続されている。
【0056】
また、切替スイッチ21は、給電経路22の一部を構成する電気配線22aを介して分電盤11と接続されている。洗面室46においては、電気配線22aと、接続経路35を構成する各電気配線35a,35bとが、モール等により覆われた状態で間仕切壁47の壁面に沿って配設されている。詳しくは、電気配線35aについては、内壁パネル43の壁面(屋内側の面)と間仕切壁47の壁面とに沿って配設されている。
【0057】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
【0058】
本実施形態によれば、外壁パネル42の屋外面に取付具50が取り付けられ、その取付具50にインレット31が取り付けられている。取付具50は、挿通孔51を介して屋外に開口された内部空間52を有しており、インレット31は、挿通孔51に挿通された状態で取付具50に取り付けられている。この取付状態で、インレット31において電気配線35aが接続された配線接続部34は内部空間52に位置している。また、インレット31には、電気配線35aを外壁パネル42よりも屋外側で内部空間52から引き出すための引き出し孔59が設けられているため、その引き出し孔59から電気配線35aを引き出して外壁パネル42の屋外側(つまり外壁部41の屋外側)を通じて配設することができる。この場合、インレット31から延びる電気配線35aの少なくとも一部については外壁部41の壁内空間44を通さずに済むため、リフォーム等で建物10に外部給電経路を後付けする際に、壁内断熱材45に穴をあけたり、壁内断熱材45を移動させたりするといった作業を減らす又はなくすことができる。これにより、建物10に外部給電のための構成を後付けするに際し、その作業負荷を軽減することが可能となる。
【0059】
また、外壁部41に大きな穴を開けてしまうと、その穴を通して屋内に雨等が入り込んだり、建物10の気密性が低下したりといった不具合の発生が懸念される。ここで、本実施形態によれば、インレット31を取付具50を介して外壁部41に取り付けるようにした。このため、インレット31を取り付けるための挿通孔を、外壁部41に直接設けなくてもよい。これにより、屋内に雨等が入り込んだり、建物10の気密性が低下したりといった不具合の発生を抑制できる。
【0060】
本実施形態によれば、取付具50が、外壁パネル42の屋外面に固定された箱状の本体部53と、本体部53の開口を塞ぐ蓋部54とを有して構成されている。インレット31は、蓋部54に形成された挿通孔51に挿通されており、その挿通状態でインレット31のフランジ部32が蓋部54との間にパッキン37を介在させた状態で当該蓋部54に固定されている。この場合、インレット31と挿通孔51との間を通じて雨水等の水が、配線接続部34が設けられた内部空間52に入り込むのを防止できる。
【0061】
また、かかる構成では、蓋部54にインレット31をパッキン37とともに固定して一体化することで防水処理を行うことができる。そして、その後、一体化された状態で蓋部54を本体部53に固定することで取付具50を構成できるとともに、その取付具50にインレット31が取り付けられた状態を得ることができる。これにより、インレット31の防水作業と取付作業とを容易に行うことが可能となる。
【0062】
本実施形態によれば、電気配線35aを引き出し孔59から側方に引き出すことができるため、電気配線35aを外壁パネル42の屋外側にてインレット31よりも低い位置を通らないよう配設することができる。これにより、水害時に電気配線35aが水に浸かってしまうのを抑制できるため、水害時に自動車23から電気機器16~18に給電できなくなる事態が生じるのを抑制できる。
【0063】
また、インレット31を設ける高さは、屋内に設けられたコンセント18と同じ高さに設定されている。このため、コンセント18が水没していないにもかかわらず、インレット31及び電気配線35aが水没することで、電気機器16~18が使用できなくなることを抑制できる。
【0064】
本実施形態によれば、建物10の外壁部41に、当該外壁部41を屋外から切替スイッチ21が設けられた洗面室46へと貫通する貫通孔61が設けられている。また、インレット31と切替スイッチ21とを接続する接続経路35は、インレット31から外壁パネル42の屋外面に沿って延び、その後、屋外から貫通孔61を通じて洗面室46に入り込んでいる。この場合、接続経路35のうち、貫通孔61を通る部分だけが壁内に配設され、それ以外の部分は屋外又は屋内(洗面室46)に配設される。そのため、接続経路35を建物10に後付けする際、壁内に配線を通すことで生じる手間を大いに軽減することができる。
【0065】
また、接続経路35は洗面室46に入り込んだ後、当該洗面室46にて車両接続用装置29を経由して切替スイッチ21まで延び接続される。この場合、屋内に配設される経路部分を短くすることができるため、接続経路35の一部が屋内に配設される構成にあって、屋内の美観が損なわれるのを抑制することができる。
【0066】
(他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
【0067】
(1)上記実施形態では、インレット31を取付具50の蓋部54に設けたが、本体部53に設けてもよい。例えば、本体部53において固定板部55を除く各板部56~58のうちいずれかの板部に設けることが考えられる。この場合、当該板部にインレット31の挿通孔51を形成すればよい。
【0068】
(2)上記実施形態では、取付具として箱状の取付具50を用いたが、取付具の形状はこれに限定されない。例えば、取付具の形状を、円柱状や三角柱状としてもよい。
【0069】
また、取付具を樹脂材料により直方体状(ブロック状)に形成し、その取付具に屋外に開口した内部空間を形成してもよい。この場合、内部空間をインレット31の形状に合わせた形状で形成すればよい。
【0070】
(3)上記実施形態では、取付具50において、引き出し孔59を側板部58aに設けたが、例えば、
図9(a)に示すように、上板部56に設けてもよい。その場合、電気配線35aは、取付具50の内部空間52から引き出し孔59を通じて上方に引き出される。
図9(a)の例では、引き出された電気配線35aが、外壁パネル42の屋外側の面に沿って上方に延び、その後、上記屋外側の面に沿って側方に貫通孔61まで延びている。この場合にも、電気配線35aの屋外配設部分をインレット31よりも下方に位置しないように配設することができる。また、この場合、電気配線35aにおいて側方に延びる部分を窓や出入口等の開口部の上方を通じて配設するのがよい。
【0071】
(4)上記実施形態では、貫通孔61は、建物10の外壁部41を屋外から切替スイッチ21が設けられた洗面室46へと貫通するように設けられているが、建物10の洗面室46以外の居室空間、天井裏空間、床下空間等へと貫通するようにしてもよい。これらの場合においても、屋内の美観が損なわれるのを抑制する観点から、屋内に配設される経路部分は極力短くなるようにすることが望ましい。
【0072】
(5)
図9(b)に示すように、引き出し孔59を取付具50の下板部57に設けてもよい。この場合、電気配線35aは、取付具50の内部空間52から引き出し孔59を通じて下方に引き出される。
図9(b)の例では、引き出された電気配線35aが、取付具50の下方に設けられた貫通孔61に向けて下方へ延びている。貫通孔61は、外壁部41を屋外から建物10の床下空間まで貫通しており、電気配線35aは、その貫通孔61を通して床下空間へと導かれている。かかる構成とすることで、電気配線35aを、床下空間を経由して屋内へと導くことができるため、屋外に配設される電気配線35aを短くすることができる。そのため、電気配線35aの屋外配設部分によって建物10の美観が損なわれることを抑制できる。
【0073】
ちなみに、上記の例では、電気配線35aがインレット31よりも下方に配設されるため、水害発生時には水没する可能性が高くなる。そのため、かかる点を鑑みると、上記実施形態や上記(3)の例のように、電気配線35aをインレット31よりも下方に位置しないよう配設するのが望ましい。
【符号の説明】
【0074】
10…建物、16…電気機器としての照明、17…電気機器としての照明SW、18…電気機器としてのコンセント、22…商用給電経路としての給電経路、27…給電ケーブル、31…ケーブル接続部としてのインレット、33…接続口、34…配線接続部、35…接続経路、35a…外部給電経路及び接続経路を構成する電気配線、41…外壁部、42…外壁材としての外壁パネル、43…内壁材としての内壁パネル、44…壁内空間、45…壁内断熱材、50…取付具、51…挿通孔、52…内部空間、53…本体部、54…蓋部、59…引き出し孔。