(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】テープフィーダ段取システム
(51)【国際特許分類】
H05K 13/02 20060101AFI20240326BHJP
【FI】
H05K13/02 B
H05K13/02 Z
(21)【出願番号】P 2021041396
(22)【出願日】2021-03-15
(62)【分割の表示】P 2018556027の分割
【原出願日】2016-12-12
【審査請求日】2021-03-15
【審判番号】
【審判請求日】2022-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000604
【氏名又は名称】弁理士法人 共立特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高木 貴規
(72)【発明者】
【氏名】水野 貴幸
【合議体】
【審判長】平城 俊雅
【審判官】中屋 裕一郎
【審判官】尾崎 和寛
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/139713(WO,A1)
【文献】特開平11-177281(JP,A)
【文献】特開2016-42523(JP,A)
【文献】特開2011-199217(JP,A)
【文献】特開2016-146381(JP,A)
【文献】特開2005-347352(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00 - 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リールに巻回され、部品を複数個収容したキャリアテープを所定の供給方向へ送る駆動機構を有するテープフィーダと、
前記テープフィーダを載置可能
であり、部品装着機に対して着脱可能な載置台と、
前記部品装着機から取り外された状態の前記載置台に載置されている前記テープフィーダを対象として、所定期間に亘る複数種類の基板の生産計画に合わせて使用する前記部品の使用計画に基づいて該部品の使用予定があるか否かを判別する使用予定判別部と、
前記使用予定判別部により前記使用予定が無いと判別された場合に、該テープフィーダの前記駆動機構を制御することにより、該キャリアテープを前記所定の供給方向とは逆方向へ戻す制御部と、
を備え、
前記使用予定判別部は、判別する時点以降の前記所定期間に亘る複数種類の基板の生産計画において一度でも使用される予定がある場合は部品の使用予定が有ると判別し、判別する時点以降の前記所定期間に亘る複数種類の基板の生産計画において一度も使用される予定がない場合は部品の使用予定が無いと判別する、テープフィーダ段取システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、テープフィーダ段取システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子部品などの部品を基板に装着する装置として、部品を供給するためのテープフィーダを着脱可能に保持することが可能な部品装着機が知られている。テープフィーダは、回転可能に支持されたリールに巻回されたキャリアテープを所定の供給方向へ送る駆動モータを有する駆動機構を有している。キャリアテープには、部品が複数個一列になって収容されている。部品装着機においては、リールからキャリアテープの先端が引き延ばされ、そのキャリアテープに設けられた送り孔がテープフィーダの部品供給位置近傍にあるスプロケットに係合されている。スプロケットは、駆動モータの回転により回転駆動される。かかる状態でテープフィーダの駆動機構が駆動されると、キャリアテープがリールの回転軸を支点にして所定の供給方向へ送られて、そのキャリアテープ内の部品が順次、部品供給位置に移動される。部品装着機は、部品供給位置に移動された部品を基板に装着する。
【0003】
一般的に、生産すべき基板の種類が多いと、使用する部品種が多くなる。このため、複数種類の基板を適切に生産するためには、部品の使用計画に基づいて部品装着機に保持するテープフィーダひいては部品を交換する段取り替えを行うことが必要となる。この段取り替えでは、作業者が手作業でリールのキャリアテープとテープフィーダのスプロケットとの係合を解除してリールを取り外すことがある。このリールの取り外しは、例えば特許文献1記載のものでは、作業者が所定のスイッチ操作によりテープフィーダの駆動機構を通常の正転方向とは逆の方向に駆動させてキャリアテープをスプロケットとの係合箇所から引き抜くことにより実現されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、リールの取り外し時に、テープフィーダの駆動機構を通常の正転方向とは逆の方向に駆動させるうえで作業者による手作業を要するものとするシステムでは、部品の使用計画では取り外し不要であるリールを誤って取り外す事態が起こり得、また、その使用計画に従ってリールを取り外すべきテープフィーダの選別に多くの時間を費やすおそれがある。
【0006】
本明細書は、使用計画に基づく使用予定の無い部品を収容するリールの取り外しを、信頼性良くかつ多くの手間を費やすことなく行うことが可能なテープフィーダ段取システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書は、リールに巻回され、部品を複数個収容したキャリアテープを所定の供給方向へ送る駆動機構を有するテープフィーダと、前記テープフィーダを載置可能な載置台と、前記載置台に載置されている前記テープフィーダを対象として、所定期間に亘る複数種類の基板の生産計画に合わせて使用する前記部品の使用計画に基づいて該部品の使用予定があるか否かを判別する使用予定判別部と、前記使用予定判別部により前記使用予定が無いと判別された場合に、該テープフィーダの前記駆動機構を制御することにより、該キャリアテープを前記所定の供給方向とは逆方向へ戻す制御部と、を備える、テープフィーダ段取システムを開示する。
【0008】
本開示によれば、載置台に載置されているテープフィーダを対象として、所定期間に亘る複数種類の基板の生産計画に合わせて使用するリールの部品の使用計画に基づいて該部品の使用予定が無い場合に、そのテープフィーダの駆動機構を制御することにより、そのテープフィーダに対応するキャリアテープを所定の供給方向とは逆方向に戻すことができる。このため、作業者の手作業によることなく、キャリアテープとテープフィーダとの係合を解除することができる。すなわち、使用予定の無い部品を収容するリールのテープフィーダからの取り外し時、駆動機構を制御してキャリアテープを戻すうえで、作業者がその戻し対象のキャリアテープを認識してその戻しのために手入力を行うことを不要とすることができる。従って、使用計画に基づく使用予定の無い部品を収容するリールの取り外しを、信頼性良くかつ作業者による多くの手間を費やすことなく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の一実施形態に係るテープフィーダ段取システムによる段取り替えの対象となるテープフィーダを用いた部品装着機の上面図である。
【
図2】本実施形態のテープフィーダ及びリールの側面図である。
【
図3】本実施形態のテープフィーダ段取システムの構成図である。
【
図4】本実施形態のテープフィーダ段取システムが備えるサーバ及びコンピュータのブロック図である。
【
図5】本実施形態のテープフィーダ段取システムが備える記憶部に記憶されている載置台のIDとテープフィーダのIDとリールのIDとの一例の関連付けを表した図である。
【
図6】本実施形態のテープフィーダ段取システムが備える表示部に表示される、キャリアテープの所定の供給方向とは逆方向への戻しを開始させるための操作を作業者に要求する一例の画面を表した図である。
【
図7】本実施形態のテープフィーダ段取システムにおいて実行される一例の動作フローチャートである。
【
図8】本開示の一変形形態に係るテープフィーダの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<1.部品装着機の構成>
本開示の一実施形態に係るテープフィーダ段取システム10による段取り替えの対象となるテープフィーダを用いた部品装着機12の構成について、図を参照して説明する。部品装着機12は、基板生産ライン上に設けられる装置である。部品装着機12は、
図1に示す如く、基板搬送部14と、部品供給部16と、部品移載部18と、を備えている。
【0011】
基板搬送部14は、生産対象の回路基板などの基板20を搬送する装置である。基板搬送部14は、一対のガイドレール22,24と、コンベアベルト26と、クランプ装置28と、を有している。一対のガイドレール22,24は、間隔を空けて互いに平行に配置されている。ガイドレール22,24は、搬送方向Xに向けて基板20を案内する。コンベアベルト26は、基板20を載置可能なベルト部材であって、輪転可能に設けられている。基板20は、一対のガイドレール22,24により案内されつつコンベアベルト26により搬送方向Xに向けて搬送される。クランプ装置28は、搬送方向Xにおける所定の部品装着位置に配設されている。クランプ装置28は、基板20をクランプすることが可能である。基板20は、コンベアベルト26により所定の部品装着位置まで搬送されると、クランプ装置28によって位置決めされる。
【0012】
部品供給部16は、基板20に装着する部品30を所定の部品移載位置Lまで供給する装置である。部品供給部16は、
図2に示す如く、リール32及びテープフィーダ34を有している。リール32及びテープフィーダ34は、載置台36に載置される。リール32は、テープフィーダ34に着脱可能に保持されることで載置台36に間接的に載置される。
【0013】
載置台36は、部品装着機12に対して着脱可能であって、基板搬送部14に対して位置固定されることが可能であると共に、基板搬送部14から切り離すことが可能な台車である。載置台36は、テープフィーダ34を保持するフィーダ保持部38を有している。フィーダ保持部38は、複数のスロット40を有している。複数のスロット40は、載置台36が部品装着機12に装着されているときに搬送方向Xに並ぶように設けられている。各スロット40にはそれぞれ、相互に異なるスロット番号が付されている。各スロット40には、テープフィーダ34が一つずつ着脱可能に保持される。
【0014】
テープフィーダ34は、リール32を保持するリール保持軸42を有している。リール保持軸42は、リール32を着脱可能かつ回転可能に保持する。リール32は、部品30を複数個収容したキャリアテープ44が巻回される回転体である。キャリアテープ44は、各部品30を一つずつ収容する凹部を有している。リール32は、テープフィーダ34のリール保持軸42に回転可能に軸支されている。リール32は、部品30の種類ごとに設けられている。各リール32は、その部品種類に応じた数の部品30を収容することが可能である。
【0015】
テープフィーダ34は、リール保持軸42に保持されているリール32に巻回されているキャリアテープ44を走行させる装置である。このキャリアテープ44の走行は、所定の供給方向(具体的には、下記のテープ挿入口46側から所定の部品移載位置L側への方向)へ送ることにより実現されると共に、その所定の供給方向とは逆方向へ戻すことにより実現される。テープフィーダ34は、駆動機構として、テープ挿入口46と、ガイドレール48と、スプロケット50と、電動モータ52と、を有している。
【0016】
載置台36において、テープフィーダ34のテープ挿入口46には、リール32に巻回されているキャリアテープ44が挿入される。ガイドレール48は、テープ挿入口46から基板搬送部14側に向けて延びている。キャリアテープ44は、テープ挿入口46に挿入された後、ガイドレール48に案内されつつそのガイドレール48に沿って基板搬送部14側へ向けて送られることが可能である。キャリアテープ44は、部品30を収容する凹部とは別にスプロケット孔を有している。スプロケット50は、テープフィーダ34本体における所定の部品移載位置L側に配置されている。スプロケット50は、テープフィーダ34本体に対して回転可能に軸支されている。スプロケット50の歯は、ガイドレール48に案内されているキャリアテープ44のスプロケット孔に嵌入して係合する。
【0017】
電動モータ52は、スプロケット50の軸に連結されている。電動モータ52は、スプロケット50を、キャリアテープ44を所定の供給方向へ送る回転方向(すなわち、正転方向)に回転駆動させることが可能であると共に、キャリアテープ44を上記所定の供給方向とは逆方向へ戻す回転方向(すなわち、逆転方向)に回転駆動させることが可能である。電動モータ52は、載置台36が部品装着機12に装着されている場合、部品装着機12からの電源供給により回転可能となる。スプロケット50は、電動モータ52の回転により、正転方向及び逆転方向のいずれかに回転駆動される。
【0018】
スプロケット50が電動モータ52により正転方向に回転駆動されると、キャリアテープ44が、テープフィーダ34に軸支されたリール32から引き出されつつガイドレール48上を所定の供給方向へ送られる。尚、このキャリアテープ44の送りは、所定長さずつ行われるものとしてよい。ガイドレール48の上面におけるスプロケット50に近い位置には、テープ剥離機構54が設けられている。テープ剥離機構54は、キャリアテープ44のカバーテープを剥離することで、ベーステープに収容された部品30を部品移載部18により吸着可能とするものである。部品30は、キャリアテープ44の送りによって、ガイドレール48上の基板搬送部14側の端部における所定の部品移載位置Lに到達した後、部品移載部18により吸着されて、基板20に向けて移載される。
【0019】
部品移載部18は、所定の部品移載位置Lから部品30を、所定の部品装着位置に位置決めされる基板20に向けて移載する装置である。部品移載部18は、Y軸スライダ56と、X軸スライダ58と、装着ヘッド60と、を有している。
【0020】
Y軸スライダ56は、ガイドレール62により支持されている。ガイドレール62は、基板搬送部14による基板20の搬送方向Xに直交する方向(以下、直交方向Yと称す。)に延びており、基板搬送部14の上方に配設されている。Y軸スライダ56は、直交方向Yに向けて移動可能である。Y軸スライダ56には、Y軸サーボモータ(図示せず)が機械的に連結されている。Y軸スライダ56は、Y軸サーボモータによりガイドレール62に沿って直交方向Yへ位置移動される。
【0021】
X軸スライダ58は、Y軸スライダ56に搬送方向Xに向けて移動可能に取り付けられている。X軸スライダ58には、Y軸スライダ56に固定されたX軸サーボモータ(図示せず)が機械的に連結されている。X軸スライダ58は、X軸サーボモータにより搬送方向Xへ位置移動される。
【0022】
X軸スライダ58には、装着ヘッド60が取り付けられている。装着ヘッド60は、部品30を吸着可能な吸着ノズル64を着脱可能に保持している。尚、装着ヘッド60は、複数の吸着ノズル64を保持可能であってよい。装着ヘッド60は、搬送方向X及び直交方向Yの双方に直交する上下方向Zに位置移動可能である。装着ヘッド60の吸着ノズル64は、部品供給部16の所定の部品移載位置Lに到達した部品30を負圧などを用いて吸着すると共に、その吸着した部品30をその吸着解除により所定の部品装着位置に位置決めされた基板20に装着する。
【0023】
X軸スライダ58には、基板カメラ66が取り付けられている。基板カメラ66は、所定の部品装着位置に位置決めされている基板20の基準マークを上方から撮像して、基板位置基準情報を取得し、又は、所定の部品移載位置Lに到着した部品30を上方から撮像して、部品位置情報を取得する。部品位置情報は、装着ヘッド60の吸着ノズル64への部品30の吸着時にその吸着ノズル64の位置制御や姿勢制御に用いられる。また、基板位置基準情報は、装着ヘッド60の吸着ノズル64に吸着した部品30の基板20への装着時にその吸着ノズル64の位置制御や姿勢制御に用いられる。
【0024】
また、部品移載部18の基台には、部品カメラ68が取り付けられている。部品カメラ68は、装着ヘッド60の吸着ノズル64により吸着されている部品30を下方から撮像して、その部品30の姿勢情報などを取得する。この姿勢情報は、装着ヘッド60の吸着ノズル64に吸着した部品30の基板20への装着時にその吸着ノズル64の位置制御や姿勢制御に用いられる。
【0025】
<2.テープフィーダ段取システムの構成>
テープフィーダ段取システム10は、部品装着機12に対して着脱可能な載置台36に載置されるリール32及びテープフィーダ34を交換する段取り替えを行うためのシステムである。テープフィーダ段取システム10は、部品装着機12が設置された基板生産ライン上とは別に設けられた外段取り領域で、載置台36が部品装着機12から取り外された状態にて、上記の段取り替えを行うためのものである。テープフィーダ段取システム10は、
図3に示す如く、サーバ70と、パーソナルコンピュータ(以下、PCと称す。)72と、載置台36と、を備えている。
【0026】
サーバ70は、工場内に設置された部品装着機12(尚、複数あってよい。)を用いた生産計画や部品装着機12の稼動状況,基板20の生産,部品30の供給を管理するホストコンピュータである。生産計画には、今後所定期間(例えば、一週間や一ヶ月)に亘る複数種類の基板20の生産計画が含まれると共に、その基板20の生産計画に合わせて使用する部品30の種類や数を示した使用計画が含まれる。尚、これらの生産計画は、逐次更新されるものであってよい。サーバ70は、基板20の生産計画及び部品30の使用計画を格納している。
【0027】
サーバ70は、
図4に示す如く、記憶部70aと、使用予定判別部70bと、解除部70cと、を有している。記憶部70aは、部品装着機12に対して着脱可能な載置台36単位で管理情報を記憶することが可能である。記憶部70aは、載置台36の識別コードを示すIDと、載置台36に対して着脱可能なテープフィーダ34の識別コードを示すIDと、載置台36に対して着脱可能なリール32の識別コードを示すIDと、を記憶可能である。尚、載置台36のIDは、記憶部70aに記憶されなくてもよい。
【0028】
特に、記憶部70aは、
図5に示す如く、部品装着機12により部品30を基板20に装着するために、載置台36のIDと、その載置台36に載置されているテープフィーダ34のIDと、そのテープフィーダ34によりキャリアテープ44が所定の供給方向へ送られるリール32のIDと、を関連付けて記憶することが可能である。尚、
図5には、IDがD001である載置台36と、IDがF011であるテープフィーダ34と、IDがR101であるリール32と、が関連付けて記憶され、IDがD002である載置台36と、IDがF012であるテープフィーダ34と、IDがR102であるリール32と、が関連付けて記憶され、IDがD003である載置台36と、IDがF013であるテープフィーダ34と、IDがR103であるリール32と、が関連付けて記憶された状態が示されている。また、記憶部70aに記憶される関連付けは、少なくともテープフィーダ34のIDとリール32のIDとの関連付けであればよく、載置台36のIDを含まなくてもよい。
【0029】
使用予定判別部70b及び解除部70cは、サーバ70内のCPUにより実現される。使用予定判別部70bは、後述の如く部品30の使用予定があるか否かを判別する部位である。また、解除部70cは、後述の如く記憶部70aに記憶しているテープフィーダ34のIDとリール32のIDとの関連付けを解除する部位である。
【0030】
尚、載置台36のIDは、載置台36における読み込み可能な箇所にバーコードなどにより付されている。テープフィーダ34のIDは、テープフィーダ34における読み込み可能な箇所にバーコードなどにより付されている。また、リール32のIDは、リール32の読み込み可能な箇所にバーコードなどにより付されている。更に、リール32のIDには、そのリール32に巻回されているキャリアテープ44に収容されている部品30の種類の情報が含まれている。
【0031】
PC72は、外段取り領域に設置されたセットアップステーション76に搭載されるコンピュータである。セットアップステーション76は、電源タップ78と、通信ユニット80と、制御ボックス82と、リールセット台84と、を有している。電源タップ78は、工場電源に接続されており、例えばAC100ボルトを出力することが可能である。電源タップ78は、PC72、制御ボックス82、及びリールセット台84に電気的に接続されており、各対象に電源供給することが可能である。PC72は、電源タップ78から電源供給されることにより動作可能である。PC72は、作業者が入力操作可能な操作部72aと、作業者が視認可能な表示部72bと、中央処理装置(CPU)である制御部72cと、を有している。
【0032】
PC72の制御部72cは、LANなどを介してサーバ70に通信接続されていると共に、USBケーブルなどを介して通信ユニット80に通信接続されている。通信ユニット80は、制御ボックス82に通信接続されている。制御ボックス82には、電源線86a及び通信線86bを含むハーネス86を介してコネクタ88が接続されている。制御ボックス82は、電源タップ78からの供給電源を電源線86aを介してコネクタ88側に出力する電源中継器であると共に、PC72の制御部72c及び通信ユニット80からの通信情報を通信線86bを介してコネクタ88側に出力する信号中継器である。尚、制御ボックス82は、作業者が操作可能なスイッチを有し、そのスイッチ操作により上記の電源出力及び通信出力を実行することとしてよい。
【0033】
セットアップステーション76のコネクタ88には、載置台36に設けられているコネクタ90が着脱可能である。コネクタ88,90同士は、互いに連結可能な形状を有している。コネクタ90は、ハーネスを介して、載置台36のフィーダ保持部38のスロット40ごとに設けられたコネクタ92に接続されている。スロット40ごとのコネクタ92には、テープフィーダ34に設けられたフィーダ側コネクタ(図示せず)が着脱可能である。コネクタ92とフィーダ側コネクタとは、互いに連結可能な形状を有している。フィーダ側コネクタは、テープフィーダ34の有するフィーダ制御部94及び電動モータ52に接続されている。テープフィーダ34のフィーダ制御部94及び電動モータ52は、フィーダ側コネクタが対応のスロット40のコネクタ92に連結されることで載置台36及びセットアップステーション76に接続される。
【0034】
フィーダ制御部94は、ソフトウェアで動作するCPUを有するコンピュータ制御装置である。フィーダ制御部94は、自テープフィーダ34のIDを記憶している。フィーダ制御部94は、コネクタ88,90同士が互いに連結されかつコネクタ92とフィーダ側コネクタとが互いに連結されている状態において、電源タップ78から電源供給されると共に、PC72の制御部72cと通信接続される。フィーダ制御部94は、電動モータ52に電気的に接続されており、電動モータ52の回転制御を実行する。載置台36に載置されているテープフィーダ34の電動モータ52は、コネクタ88,90同士が互いに連結されかつコネクタ92とフィーダ側コネクタとが互いに連結されている状態において、電源タップ78からの電源供給により回転可能となり、PC72の制御部72cからフィーダ制御部94を経由した指示により回転制御される。
【0035】
尚、載置台36のコネクタ90は、その載置台36が部品装着機12に装着されている場合は、その部品装着機12に設けられたコネクタ(図示せず)に接続されてよい。この場合、フィーダ制御部94は、部品装着機12から電源供給されると共に、部品装着機12の有するコンピュータと通信接続され、そのコンピュータからの指示により電動モータ52の正転方向への回転制御を実行する。そして、電動モータ52は、部品装着機12からの電源供給により回転可能となり、部品装着機12のコンピュータからフィーダ制御部94を経由した指示により回転制御される。また、この構成に代えて、載置台36が部品装着機12に装着されている場合、フィーダ制御部94が、部品装着機12から電源供給される一方、上記した所定の部品移載位置Lにおいて部品30が無くなった際に自動的に電動モータ52を所定量だけ正転方向に回転させる回転制御を実行して、キャリアテープ44を所定ストローク量だけ所定の供給方向へ送ることとしてもよい。
【0036】
テープフィーダ34は、また、操作スイッチ96を有している。操作スイッチ96は、作業者が操作できるようにテープフィーダ34の例えば上面に設けられている。操作スイッチ96は、例えば、リール32に巻回されているキャリアテープ44を送る送りスイッチと、そのキャリアテープ44を戻す戻しスイッチと、を有する。
【0037】
操作スイッチ96は、フィーダ制御部94に電気的に接続されている。フィーダ制御部94は、操作スイッチ96の操作有無を検知する。そして、フィーダ制御部94は、例えば載置台36がセットアップステーション76に装着されていることなどにより、操作スイッチ96の操作が有効化されている場合において、そのスイッチ操作が行われていることを検知すると、そのスイッチ操作に従って、電動モータ52を回転制御することにより、そのテープフィーダ34に保持されているリール32のキャリアテープ44を所定の供給方向へ送り又は逆方向へ戻す。
【0038】
尚、フィーダ制御部94は、操作スイッチ96がオン操作されている期間中は継続してキャリアテープ44を送り又は戻して、その操作スイッチ96がオフ操作されているときはキャリアテープ44の送り又は戻しを停止させるものであってもよいし、また、操作スイッチ96の一回のオン操作でキャリアテープ44を所定量だけ送り又は戻すものであってもよい。
【0039】
PC72の制御部72cは、また、リールセット台84に通信接続されている。リールセット台84は、作業者に、キャリアテープ44が巻回されたリール32のテープフィーダ34への着脱を行わせて、交換予定のリール32を載置台36に載置可能に準備させるためのセット台である。PC72の制御部72cは、バーコードリーダ98が通信接続可能である。
【0040】
このバーコードリーダ98は、載置台36ごとに貼付されているIDを示すバーコードを読み取るため、或いは、リールセット台84にセットした交換予定のリール32やテープフィーダ34に貼付されているIDを示すバーコードを読み取るための読み取り装置である。PC72の制御部72cは、バーコードリーダ98により読み取った載置台36、リール32、及びテープフィーダ34の各IDを記憶することが可能である。PC72の制御部72cは、テープフィーダ34のフィーダ制御部94との通信によりそのフィーダ制御部94に記憶されているテープフィーダ34のIDを認識することが可能である。PC72の制御部72cは、載置台36のIDとテープフィーダ34のIDとリール32のIDとを関連付けしてサーバ70へ出力することが可能である。サーバ70は、PC72から情報として送られた載置台36のIDとテープフィーダ34のIDとリール32のIDとを関連付けて記憶部70aに記憶する。
【0041】
上記したテープフィーダ段取システム10において、部品装着機12から取り外された載置台36が作業者により外段取り領域に持ち込まれると、まず、
図7に示すルーチン中のステップS100において、その載置台36のコネクタ90がセットアップステーション76のコネクタ88に対して作業者の手作業で接続される。そして、ステップS102において、制御ボックス82による電源出力が自動的に或いは作業者による制御ボックス82でのスイッチ操作により実行される。この処理が行われると、以後、載置台36側とPC72及びサーバ70との通信が可能となる。
【0042】
セットアップステーション76のコネクタ88と載置台36のコネクタ90とが互いに接続されると、載置台36に載置されているテープフィーダ34のフィーダ制御部94及び電動モータ52が動作可能になる。上記したコネクタ88,90同士の接続後、ステップS104において、PC72の制御部72cは、載置台36のIDがバーコードリーダ98を用いて或いは自動的に読み込まれることで、その載置台36のIDを取得する。
【0043】
作業者は、セットアップステーション76に装着されている載置台36に関連する情報(尚、その載置台36の各スロット40に現に保持されているテープフィーダ34及びそのテープフィーダ34に保持されているリール32の情報を含んでよい。)を確認することが可能である。PC72の制御部72cは、セットアップステーション76に設置されている載置台36のIDを取得した後、ステップS106において、作業者による操作部72aへの情報送信要求のための所定操作が行われるか否かを判別する。そして、制御部72cは、その所定操作が行われたと判別した場合に、サーバ70に対してその載置台36のIDに関連付けられている情報を送信するように要求する。
【0044】
サーバ70は、PC72からの上記の情報送信要求を受けると、その載置台36のIDに関連付けられている情報を記憶部70aから読み出して特定する。載置台36のIDに関連付けられている情報としては、その載置台36のスロット40ごとにおけるテープフィーダ34の装着有無、スロット40に現に保持されているテープフィーダ34のID、そのテープフィーダ34に現に保持されているリール32のID、そのリール32のキャリアテープ44に収容されている部品30の使用計画、そのリール32を保持するテープフィーダ34を次に装着する予定のスロット40のスロット番号、装着するテープフィーダ34やリール32を交換する予定のスロット40のスロット番号、その載置台36を次に装着する予定の部品装着機12の情報などがある。
【0045】
サーバ70は、上記の如く載置台36のIDに関連付けられている情報を特定すると、まず、ステップS108において、使用予定判別部70bにて、部品30の使用計画に基づいて、部品30の使用予定があるか否かを判別する。この上記サーバ70による部品使用予定の判別は、載置台36のスロット40に現に保持されているテープフィーダ34を対象として行われ、そのテープフィーダ34ごとすなわちそのテープフィーダ34に現に保持されているリール32ごとにそれぞれ行われる。
【0046】
尚、「部品30の使用予定がある」とは、リール32が現に保持されているテープフィーダ34において使用される予定があることを意味し、例えば所定期間中に一度でも使用される予定があることを含んでよい。一方、「部品30の使用予定が無い」とは、リール32が現に保持されているテープフィーダ34において使用される予定が無いことを意味し、例えば部品30自体が廃棄されることや所定期間(例えば一週間)に亘って一度も使用される予定がないことを含んでよく、また、その部品30が現テープフィーダ34とは別のテープフィーダ34において将来的に使用される予定があることを含んでよい。
【0047】
テープフィーダ34に保持されているリール32の部品30がそのテープフィーダ34を用いて使用される予定があるときは、そのテープフィーダ34からそのリール32のキャリアテープ44を引き抜くことやそのリール32を取り外すことは不要であって、そのキャリアテープ44をそのテープフィーダ34のスプロケット50に係合させる状態を維持させておくことが適切である。一方、テープフィーダ34に保持されているリール32の部品30がそのテープフィーダ34を用いて使用される予定が無いときは、テープフィーダ34の効率的な使用を確保するため、そのテープフィーダ34からそのリール32のキャリアテープ44を引き抜くことやそのリール32を取り外すことが必要である。
【0048】
サーバ70は、載置台36のスロット40に現に保持されているテープフィーダ34において、そのテープフィーダ34に現に保持されているリール32の部品30の使用予定が無いと判別した場合は、上記の如く特定した載置台36のIDに関連付けられている情報に、そのテープフィーダ34に現に保持されているリール32の部品30の使用予定が無いことを示す情報を含めたうえで、PC72に対して情報送信する。一方、サーバ70は、載置台36のスロット40に現に保持されているテープフィーダ34において、そのテープフィーダ34に現に保持されているリール32の部品30の使用予定があると判別した場合は、上記の如く特定した載置台36のIDに関連付けられている情報に、そのテープフィーダ34に現に保持されているリール32の部品30の使用予定が無いことを示す情報を含めることなく、PC72に対して情報送信する。
【0049】
PC72の制御部72cは、サーバ70に対する上記の情報送信要求を行った後、ステップS110において、サーバ70からの載置台36のIDに関連する情報を受信すると、ステップS112において、その受信情報を作業者に視認可能とすべく表示部72bに表示する。この表示は、例えば、載置台36のフィーダ保持部38のスロット40ごとにおけるテープフィーダ34の装着有無、スロット40に現に装着されているテープフィーダ34のID、そのテープフィーダ34に現に保持されているリール32のID、そのリール32を保持するテープフィーダ34を次に装着する予定のスロット40のスロット番号、装着するテープフィーダ34を交換する予定のスロット40のスロット番号などを含むものである。
【0050】
このように、PC72の表示部72bに、セットアップステーション76に装着されている載置台36に関連する情報を表示すれば、作業者にその情報を確認させることができ、例えば、その載置台36に装着されるテープフィーダ34やリール32の整合確認を実施させることができる。
【0051】
PC72の制御部72cは、また、サーバ70に対する上記の送信要求を行った後、サーバ70からの載置台36のIDに関連する情報を受信した場合において、ステップS114の肯定判定により、その受信情報に、一以上のテープフィーダ34に現に保持されているリール32の部品30の使用予定が無いことを示す情報が含まれていることを検知したときは、表示部72bにて以下の表示を行う。具体的には、部品30の使用予定が無いリール32ひいてはそのリール32を保持するテープフィーダ34についてその部品30の使用予定が無い旨の表示を行うと共に、
図6に示す如く、そのリール32に巻回されるキャリアテープ44の逆方向への戻しひいてはそのリール32をそのテープフィーダ34から取り外すことを開始させるための操作を作業者に要求する表示を行う。
【0052】
このように、PC72の表示部72bにおいて、部品30の使用予定が無いリール32ひいてはテープフィーダ34について部品30の使用予定が無い旨の表示を行うと共に、そのリール32に巻回されるキャリアテープ44の戻し及びそのリール32のそのテープフィーダ34からの取り外しを開始させるための操作を作業者に要求する表示を行うこととすれば、作業者に、部品30の使用予定が無いリール32ひいてはテープフィーダ34が存在することをキャリアテープ44の戻し実施前に確認させることができ、そのリール32のキャリアテープ44が逆方向へ戻ることを事前に認識させることができる。そして、そのキャリアテープ44の戻し及びそのリール32のそのテープフィーダ34からの取り外しを作業者の操作部72aへの確認操作後に開始させることができる。
【0053】
PC72の制御部72cは、サーバ70からの受信情報に特定のテープフィーダ34に現に保持されているリール32の部品30の使用予定が無いことを示す情報が含まれている場合において、ステップS116の肯定判定により、作業者によってそのキャリアテープ44の逆方向への戻しを開始させるための操作部72aへの操作が行われたと判定したときは、ステップS118において、その使用予定が無い部品30を収容しているキャリアテープ44を逆方向へ戻すように要求するコマンドを当該テープフィーダ34のフィーダ制御部94へ送信する。
【0054】
このPC72により送信される戻し要求コマンドは、載置台36のスロット40に現に保持されているテープフィーダ34を対象としたものである。この戻し要求コマンドは、キャリアテープ44の戻しを実施すべきテープフィーダ34が複数存在するときすなわちテープフィーダ34から取り外すべきリール32が複数存在するときは、それら複数の対象を纏めて一括して送信されるものであってもよく、或いは、個別に時分割で送信されるものであってもよい。一括送信によれば、複数のテープフィーダ34におけるキャリアテープ44の戻しを同時に開始させることができるので、その戻しを短時間で完了させることが可能である。また、個別送信によれば、複数のテープフィーダ34におけるキャリアテープ44の戻しを時間差で開始させることができるので、電源負荷が過剰に大きくなるのを抑えることができ、電源に必要な容量を下げることが可能である。
【0055】
テープフィーダ34のフィーダ制御部94は、サーバ70からの自テープフィーダ34に対応するキャリアテープ44を逆方向へ戻すように要求するコマンドを受信すると、自テープフィーダ34の電動モータ52を逆転方向へ回転させる制御を実行する。この制御が実行されると、電動モータ52がスプロケット50を逆転方向に回転駆動させるように回転することで、キャリアテープ44が所定の供給方向とは逆方向に戻る。
【0056】
尚、このキャリアテープ44を逆方向へ戻す戻しストローク量は、そのキャリアテープ44のスプロケット孔とテープフィーダ34のスプロケット50との係合を解除することができれば十分である。この戻しストローク量は、上記の戻しの制御を簡素化するため、予め定められた量であればよい。また、この戻しストローク量は、スプロケット50の歯からキャリアテープ44の先端までの距離などに応じて異なっていてよく、テープフィーダ34の種類ごとに予め設定されたものであってよい。
【0057】
このように、テープフィーダ段取システム10によれば、載置台36が部品装着機12から取り外されてセットアップステーション76に装着された状態において、その載置台36のスロット40に現に保持されているテープフィーダ34のうちに、部品30の使用予定が無いリール32を保持しているテープフィーダ34が含まれていることが検知されて、そのテープフィーダ34が保持するリール32の部品30の使用予定が無いと判別された場合、サーバ70からPC72を介して載置台36の当該テープフィーダ34側に送られるコマンドに従って、そのテープフィーダ34の電動モータ52を逆転方向に回転させることにより、そのテープフィーダ34に対応するキャリアテープ44を所定の供給方向とは逆方向に戻すことができる。また、部品30の使用予定が無いリール32が複数存在するときは、そのキャリアテープ44の逆方向への戻しをそのリール32ごとすなわちそのリール32に対応するテープフィーダ34ごとに実施することができる。
【0058】
部品30の使用計画に基づくサーバ70からの指令によりキャリアテープ44が逆方向へ戻れば、作業者の手作業によることなく、そのキャリアテープ44のスプロケット孔とそのテープフィーダ34のスプロケット50の歯との係合を解除することができる。この係合が解除されていれば、作業者は容易に、そのキャリアテープ44をテープフィーダ34(具体的には、そのテープ挿入口46)から引き抜くことができ、リール32をテープフィーダ34から取り外すことができる。このため、部品30の使用予定の無いキャリアテープ44が巻回されているリール32をテープフィーダ34から取り外すうえで、作業者の作業の簡素化を図ることができる。
【0059】
また、部品30の使用予定の無いキャリアテープ44が巻回されているリール32をテープフィーダ34から取り外すうえで、その取り外し要否の判断をサーバ70が実行し、その判断に基づくサーバ70からの指令によりキャリアテープ44が逆方向へ戻る。このため、使用予定の無い部品30を保持するリール32のテープフィーダ34からの取り外し時、電動モータ52を逆転方向に回転させてキャリアテープ44を逆方向へ戻すうえで、作業者がその戻し対象のキャリアテープ44を認識してその戻しのためにPC72への手入力を行うことを不要とすることができる。
【0060】
従って、部品30の使用計画では取り外し不要であるリール32のキャリアテープ44を作業者が誤って逆方向へ戻すのを防止することができ、そのリール32を作業者が誤ってテープフィーダ34から取り外すのを防止することができる。また、部品30の使用計画に従ってリール32を取り外すべきテープフィーダ34の選別に作業者が費やす工数を削減することができる。これにより、使用計画に基づく使用予定の無い部品30を保持するリール32のテープフィーダ34からの取り外しを、信頼性良くかつ作業者による多くの手間を費やすことなく行うことができる。
【0061】
また、サーバ70が、載置台36のスロット40に現に保持されているテープフィーダ34が保持するリール32の部品30の使用予定が無いと判別した後、そのサーバ70からのコマンドに従って、そのテープフィーダ34の電動モータ52を逆転方向に回転させて、そのテープフィーダ34に対応するキャリアテープ44を所定の供給方向とは逆方向に戻すためには、PC72の表示部72bにおいて、そのキャリアテープ44の逆方向への戻しを開始させるための操作部72aへの操作を作業者に要求する表示を行い、その開始操作を作業者に行わせることが必要である。そして、その開始操作が作業者により行われた場合に、PC72から載置台36側へコマンドが送られて、電動モータ52が逆転方向に回転して、キャリアテープ44が逆方向へ戻る。
【0062】
このため、使用計画に基づく使用予定の無い部品30を収容するキャリアテープ44の逆方向への戻しが外段取り領域において作業者の認識なく行われるのを防止することができるので、その逆方向への戻しの安全性を確保することができる。
【0063】
また、サーバ70は、載置台36のスロット40に現に保持されているテープフィーダ34において、そのテープフィーダ34に現に保持されているリール32の部品30の使用予定が無いと判別した以後、その部品30を収容するキャリアテープ44の逆方向への戻しが行われる場合、ステップS120において、解除部70cにより、記憶部70aに記憶されているそのテープフィーダ34のIDとそのリール32のIDとの関連付けの記憶を記憶部70aから消去することにより、その関連付けを解除する。
【0064】
尚、上記したサーバ70による関連付けの解除は、テープフィーダ34に現に保持されているリール32の部品30の使用予定が無いと判別した以後のタイミングで行われればよい。例えば、この解除は、その判別後、キャリアテープ44の戻しが完了すると予想される所定時間が経過したとき、PC72において作業者によるキャリアテープ44の戻しの開始操作が行われたことをサーバ70が検知したとき、又はキャリアテープ44が実際に逆方向へ戻ってその戻しが完了したこと(例えば、キャリアテープ44の先端がスプロケット50との係合解除に至ったこと、或いは、作業者の手作業によりキャリアテープ44の先端がテープ挿入口46への挿入から外れたことなど)をPC72経由でサーバ70が検知したときなど、に行われればよい。
【0065】
このため、セットアップステーション76において部品30の使用計画に基づいてキャリアテープ44がテープフィーダ34から引き抜かれてリール32がテープフィーダ34から取り外される場合、そのテープフィーダ34ひいては載置台36へのリール32の装着有無に対応して、テープフィーダ34及び載置台36とリール32との関連付けを適切に管理することができ、載置台36単位でID管理を行うことができる。また、使用予定の無い部品30を保持するリール32のIDとテープフィーダ34のIDとの関連付けを解除するうえで、作業者がその関連付け解除のためにPC72への手入力を行うことを不要とすることができる。従って、使用計画に基づく使用予定の無い部品30を保持するリール32のテープフィーダ34からの取り外し時に伴うID管理を、信頼性良くかつ作業者の手間をかけることなく行うことができる。
【0066】
また、セットアップステーション76においてコネクタ88と載置台36のコネクタ90とが互いに接続されて、その載置台36に載置されているテープフィーダ34のフィーダ制御部94及び電動モータ52が動作可能となった後、作業者は、載置台36のスロット40に現に保持されているテープフィーダ34のうち任意のテープフィーダ34を選択指定して、個別にそのテープフィーダ34に保持されているリール32のキャリアテープ44を逆方向へ戻して、そのテープフィーダ34からそのリール32を取り外すことが可能である。PC72の制御部72cは、上記ステップS106において作業者の操作部72aへの情報送信要求のための所定操作が行われていないと判別した場合は、次に、ステップS130において、作業者による任意のテープフィーダ34を選択指定するための所定操作が行われるか否かを判別する。
【0067】
尚、上記した任意のテープフィーダ34の選択指定は、PC72の操作部72aへの操作により行われる。また、上記の選択指定は、キャリアテープ44を逆方向へ戻す対象となるテープフィーダ34を一つずつ選択することが可能であってもよいし、また、すべてのテープフィーダ34を一括して選択することが可能であってもよい。更に、上記の選択指定は、その選択指定するテープフィーダ34の操作スイッチ96への操作により行われることとしてもよい。
【0068】
ステップS130の肯定判定により上記したテープフィーダ34の選択指定が行われて手動戻しのための所定の開始操作が行われると、ステップS132において、PC72から当該テープフィーダ34のフィーダ制御部94へ逆方向への戻しを実施すべき指令がなされて、フィーダ制御部94が電動モータ52の回転制御によりそのテープフィーダ34に保持されているリール32のキャリアテープ44を逆方向へ戻す。尚、この際、キャリアテープ44を逆方向へ戻す戻しストローク量は、予めそのリール32に対して設定されたものであればよい。また、この戻しストローク量は、PC72の操作部72aへの入力操作などにより、各リール32に対して一つずつ変更可能であってもよいし、また、一括して変更可能であってもよい。
【0069】
作業者の選択指定に基づくフィーダ制御部94による逆方向への戻し制御が行われると、当該テープフィーダ34に保持されているリール32のキャリアテープ44が逆方向へ戻る。このため、セットアップステーション76において、作業者のPC72の操作部72aやテープフィーダ34の操作スイッチ96への手動操作により、そのキャリアテープ44のスプロケット孔とそのテープフィーダ34のスプロケット50の歯との係合を解除することができる。
【0070】
また、作業者の選択指定に基づくフィーダ制御部94による逆方向への戻し制御が行われる場合、PC72側からサーバ70へテープフィーダ34のIDとそのリール32のIDとの関連付けの解除を要求するコマンドが送られる。このコマンドがサーバ70に送られると、サーバ70は、ステップS134において、解除部70cにより、記憶部70aに記憶されているそのテープフィーダ34のIDとそのリール32のIDとの関連付けの記憶を記憶部70aから消去することにより、その関連付けを解除する。
【0071】
尚、PC72側からサーバ70への関連付け解除要求コマンドの送信は、作業者の選択指定後、キャリアテープ44の戻しが完了すると予想される所定時間が経過したとき、又はキャリアテープ44が実際に逆方向へ戻ってその戻しが完了したこと(例えば、キャリアテープ44の先端がスプロケット50との係合解除に至ったこと、或いは、作業者の手作業によりキャリアテープ44の先端がテープ挿入口46への挿入から外れたことなど)をPC72が検知したときなど、に行われればよい。
【0072】
このため、セットアップステーション76において作業者の選択指定に基づいてキャリアテープ44がテープフィーダ34から引き抜かれてリール32がテープフィーダ34から取り外される場合にも、そのテープフィーダ34ひいては載置台36へのリール32の装着有無に対応して、テープフィーダ34及び載置台36とリール32との関連付けを適切に管理することができ、載置台36単位でID管理を行うことができる。また、作業者の選択指定したテープフィーダ34のIDとそのテープフィーダ34に対応していたリール32のIDとの関連付けを解除するうえで、作業者がその関連付け解除のみのためにPC72への手入力を行うことを不要とすることができる。従って、作業者の選択指定に基づくリール32のテープフィーダ34からの取り外し時に伴うID管理を、信頼性良くかつ作業者の手間をかけることなく行うことができる。
【0073】
テープフィーダ段取システム10において、載置台36に載置されているテープフィーダ34からリール32が取り外された後は、例えば、作業者が、リールセット台84で準備されていた交換予定のリール32をそのテープフィーダ34に装着して保持させることとすればよい。この作業者の作業は、PC72の表示部72bに表示される交換予定のリール32を装着すべきスロット40のスロット番号などに従って行われることとすればよい。また、この交換予定のリール32が新たにテープフィーダ34に保持される場合、バーコードリーダ98などを用いて読み取った載置台36のIDとテープフィーダ34のIDとリール32のIDとが関連付けられてサーバ70の記憶部70aに記憶されるのがよい。
【0074】
尚、記憶部70aへの関連付けられたIDの記憶は、例えば、リール32に巻回されているキャリアテープ44がテープフィーダ34のテープ挿入口46に挿入されたとき或いはその挿入後にキャリアテープ44が自動的に所定の部品移載位置L側へ送られたときなどに行われればよい。また、作業者が古いリール32を取り外したテープフィーダ34に交換予定のリール32を新たに取り付ける際には、既に古いリール32のIDがそのテープフィーダ34のIDと関連付けられていないので、その作業者がテープフィーダ34のIDとその新たなリール32のIDとの関連付け作業を行わなかったときにも、テープフィーダ34のIDに関連付けられているリール32のIDと実際のリール32のIDとに齟齬が生じるのを防止することができる。
【0075】
PC72の制御部72cは、上記ステップ114において否定判定がなされた場合、上記ステップS120若しくはステップS134においてIDの関連付けが解除された場合、又は、上記ステップS130において否定判定がなされた場合は、次に、ステップS122において、載置台36に載置されるテープフィーダ34及びリール32のセットアップが完了したか否かを判別する。そして、そのセットアップが完了してその載置台36のサーバ70へのID登録又はID再登録が行われた後は、ステップS124において、作業者による制御ボックス82でのスイッチ操作により、その載置台36への電源供給が停止されると共に、載置台36側とPC72又はサーバ70との通信が停止される。その後、ステップS126において、載置台36は、作業者の手作業でコネクタ90とセットアップステーション76のコネクタ88との接続が解除されて、基板生産に備えて待機され、或いは、その載置台36を装着すべき部品装着機12に装着されて基板生産に供される。
【0076】
以上、説明したことから明らかなように、本実施形態のテープフィーダ段取システム10は、リール32に巻回され、部品30を複数個収容したキャリアテープ44を所定の供給方向へ送る電動モータ52を有するテープフィーダ34と、テープフィーダ34を載置可能な載置台36と、載置台36に載置されているテープフィーダ34を対象として、部品30の使用計画に基づいて該部品30の使用予定があるか否かを判別する使用予定判別部70bと、使用予定判別部70bにより使用予定が無いと判別された場合に、該テープフィーダ34の電動モータ52を制御することにより、該キャリアテープ44を所定の供給方向とは逆方向へ戻す制御部72cと、を備える。
【0077】
この構成によれば、載置台36に載置されているテープフィーダ34を対象として、リール32の部品30の使用計画に基づいて該部品30の使用予定が無い場合に、そのテープフィーダ34の電動モータ52を制御することにより、そのテープフィーダ34に対応するキャリアテープ44を所定の供給方向とは逆方向に戻すことができる。このため、作業者の手作業によることなく、キャリアテープ44とテープフィーダ34との係合を解除することができる。すなわち、使用予定の無い部品30を保持するリール32のテープフィーダ34からの取り外し時、電動モータ52を逆転方向に回転させてキャリアテープ44を戻すうえで、作業者がその戻し対象のキャリアテープ44を認識してその戻しのためにPC72への手入力を行うことを不要とすることができる。従って、使用計画に基づく使用予定の無い部品30を保持するリール32の取り外しを、信頼性良くかつ作業者による多くの手間を費やすことなく行うことができる。
【0078】
また、テープフィーダ段取システム10において、制御部72cは、使用予定判別部70bにより部品30の使用予定が無いと判別された後、操作部72aへの所定の開始操作が行われた場合に、該キャリアテープ44を所定の供給方向とは逆方向に戻す。
【0079】
この構成によれば、使用計画に基づく使用予定の無い部品30を収容するキャリアテープ44の戻しを、PC72の操作部72aへの所定の開始操作が行われたことを条件として開始することができる。このため、キャリアテープの戻しが作業者の認識なく行われるのを防止することができ、その戻しの安全性を確保することができる。
【0080】
また、テープフィーダ段取システム10は、使用予定判別部70bにより部品30の使用予定が無いと判別された場合に、キャリアテープ44の逆方向への戻しを開始させるための操作を作業者に要求する表示を行う表示部72bを更に備える。
【0081】
この構成によれば、作業者に、部品30の使用予定が無いリール32ひいてはテープフィーダ34が存在することをキャリアテープ44の戻し実施前に確認させることができ、そのリール32のキャリアテープ44が逆方向へ戻ることを事前に認識させることができる。
【0082】
また、テープフィーダ段取システム10において、制御部72cは、キャリアテープ44の逆方向への戻しを予め定められた量だけ行う。この構成によれば、キャリアテープの戻しの制御を簡素化することができる。
【0083】
また、テープフィーダ段取システム10は、部品装着機12により部品30を基板20に装着するために、テープフィーダ34のIDと該テープフィーダ34によりキャリアテープ44が送られるリール32のIDとを関連付けて記憶する記憶部70aと、制御部72cによりキャリアテープ44の逆方向への戻しが行われる場合、記憶部70aに記憶されているテープフィーダ34のIDとリール32のIDとの関連付けを解除する解除部70cと、を更に備える。
【0084】
この構成によれば、使用予定が無い部品30を収容するキャリアテープ44の戻しが行われる場合、解除部70cにより、記憶部70aに記憶されている当該テープフィーダ34のIDとそのリール32のIDとの関連付けを解除することができる。このため、使用予定の無い部品30を保持するリール32のIDとテープフィーダ34のIDとの関連付けを解除するうえで、作業者がその関連付け解除のためにPC72への手入力を行うことを不要とすることができる。従って、使用計画に基づく使用予定の無い部品30を保持するリール32のテープフィーダ34からの取り外しに伴うID管理を、信頼性良くかつ作業者の手間をかけることなく行うことができる。また、作業者が古いリール32を取り外したテープフィーダ34に新たなリール32を取り付ける際には、既に古いリール32のIDがそのテープフィーダ34のIDと関連付けられていないので、その作業者がテープフィーダ34のIDと新たなリール32のIDとの関連付け作業を行わなかったときにも、テープフィーダ34のIDに関連付けられているリール32のIDと実際のリール32のIDとに齟齬が生じるのを防止することができる。
【0085】
また、テープフィーダ段取システム10は、部品30の使用計画を格納するサーバ70と、サーバ70に通信接続されると共に、制御ボックス82を介して載置台36に載置されているテープフィーダ34の電動モータ52に通信接続されるPC72と、を更に備える。そして、上記の制御部72cは、PC72に設けられている。
【0086】
この構成によれば、テープフィーダ34の電動モータ52によりキャリアテープ44を戻す制御を行う制御部72cを、サーバとは別に設けられたコンピュータを用いて実施することができる。
【0087】
また、テープフィーダ段取システム10において、載置台36は、部品装着機12に着脱可能であり、制御部72cは、載置台36が部品装着機12から取り外されている状態にてキャリアテープ44の逆方向への戻しを行う。
【0088】
この構成によれば、載置台36が部品装着機12から取り外されている状態でも、外部から電源供給されるテープフィーダ34の電動モータ52を用いてキャリアテープ44を戻すことができる。
【0089】
また、テープフィーダ段取システム10は、リール32に巻回され、部品30を複数個収容したキャリアテープ44を所定の供給方向へ送る電動モータ52を有するテープフィーダ34と、電動モータ52を制御することにより、キャリアテープ44を所定の供給方向とは逆方向へ戻す制御部72cと、部品装着機12により部品30を基板20に装着するために、テープフィーダ34のIDと該テープフィーダ34によりキャリアテープ44が送られるリール32のIDとを関連付けて記憶する記憶部70aと、制御部72cによりキャリアテープ44の逆方向への戻しが行われる場合、記憶部70aに記憶されているテープフィーダ34のIDとリール32のIDとの関連付けを解除する解除部70cと、を備える。
【0090】
この構成によれば、部品30を保持するリール32のテープフィーダ34からの取り外し時などにおいて、その部品30を収容するキャリアテープ44の戻しが行われる場合、解除部70cにより、記憶部70aに記憶されている当該テープフィーダ34のIDとそのリール32のIDとの関連付けを解除することができる。このため、部品30を保持するリール32のIDとテープフィーダ34のIDとの関連付けを解除するうえで、作業者がその関連付け解除のためにPC72への手入力を行うことを不要とすることができる。従って、部品30を保持するリール32のテープフィーダ34からの取り外しなどに伴うID管理を、信頼性良くかつ作業者の手間をかけることなく行うことができる。また、作業者が古いリール32を取り外したテープフィーダ34に新たなリール32を取り付ける際には、既に古いリール32のIDがそのテープフィーダ34のIDと関連付けられていないので、その作業者がテープフィーダ34のIDと新たなリール32のIDとの関連付け作業を行わなかったときにも、テープフィーダ34のIDに関連付けられているリール32のIDと実際のリール32のIDとに齟齬が生じるのを防止することができる。
【0091】
ところで、上記の実施形態においては、部品30の使用予定が無いリール32のキャリアテープ44の逆方向への戻しを、その戻し制御を簡素化するために予め定められたストローク量だけ行うこととしている。しかし、本開示はこれに限定されるものではなく、その逆方向への戻しを、キャリアテープ44の先端がテープフィーダ34内における予め定められた所定位置に戻るまで行うこととしてよい。
【0092】
この変形形態においては、例えば、キャリアテープ44とテープフィーダ34のスプロケット50との係合箇所に対してテープ挿入口46側に配置されるガイドレール48におけるその係合箇所近傍に、キャリアテープ44を検知可能なセンサを配置し、そのセンサを用いてキャリアテープの有無を検出することとすれば、キャリアテープ44がテープフィーダ34のスプロケット50との係合解除に至ったときに、センサの検出結果がテープ有り判定からテープ無し判定へ変化する。従って、この変化が生じたときにキャリアテープ44の逆方向への戻しを停止させることとすれば、無駄に電動モータ52を回転させることなく、キャリアテープ44とテープフィーダ34のスプロケット50との係合を確実に解除することができる。
【0093】
また、上記の実施形態においては、リール32がテープフィーダ34に着脱可能に保持されると共に、テープフィーダ34が載置台36に着脱可能に保持される。しかし、本開示はこれに限定されるものではなく、テープフィーダ34は載置台36に着脱不能に固定保持されるものであってよい。
【0094】
また、上記の実施形態においては、キャリアテープ44を巻回するリール32が、テープフィーダ34に着脱可能に保持されることで載置台36に間接的に載置される。しかし、本開示はこれに限定されるものではなく、リール32が、テープフィーダ34に保持されることなく、載置台36の有するリール保持部に保持されてその載置台36に直接的に着脱可能に載置されるものであってもよい。
【0095】
また、上記の実施形態においては、テープフィーダ34が有するスプロケット50が、そのテープフィーダ34本体における所定の部品移載位置L側に一つだけ設けられている。しかし、本開示はこれに限定されるものではなく、テープフィーダ34が有するスプロケット50が、
図8に示す如く、そのテープフィーダ34本体における所定の部品移載位置L側に配置されたスプロケット50aと、テープ挿入口46側に配置されたスプロケット50bと、の2つ設けられることとしてもよい。尚、これら2つのスプロケット50a,50bに対応して
図8に示す如く電動モータ52a,52bが2つ設けられることとしてもよいし、また、唯一つの電動モータ52がそれら2つのスプロケット50a,50bを同時に回転駆動させることとしてもよい。
【0096】
この変形形態においては、テープ挿入口46側に配置されたスプロケット50bとキャリアテープ44との係合箇所に対するテープ挿入口46側におけるその係合箇所近傍に、キャリアテープ44を検知可能なセンサ200を配置し、そのセンサ200を用いてキャリアテープの有無を検出することとすれば、キャリアテープ44がそのスプロケット50bとの係合解除に至ったときに、センサ200の検出結果がテープ有り判定からテープ無し判定へ変化する。従って、この変化が生じたときにキャリアテープ44の逆方向への戻しを停止させることとすれば、無駄に電動モータ52を回転させることなく、キャリアテープ44とテープフィーダ34のスプロケット50a,50bの双方との係合を確実に解除することができる。また、そのキャリアテープ44が自重などによって作業者の作業によることなくテープフィーダ34のテープ挿入口46から引き抜かれるので、リール32をテープフィーダ34から取り外すうえで、作業者の作業の更なる簡素化を図ることができる。
【0097】
また、上記の実施形態においては、サーバ70が、セットアップステーション76に設置されている載置台36に載置されているテープフィーダ34に対応する部品30の使用予定があるか否かを判別する使用予定判別部70bを有することとしている。しかし、本開示はこれに限定されるものではなく、セットアップステーション76が備えるPC72が、サーバ70との通信によりその載置台36に関連する情報を取得したうえで、そのテープフィーダ34に対応する部品30の使用予定があるか否かを判別する使用予定判別部を有することとしてもよい。
【0098】
また、上記の実施形態においては、載置台36が部品装着機12から取り外された外段取り領域において、セットアップステーション76が備えるPC72が、テープフィーダ34の電動モータ52を制御することにより、キャリアテープ44を逆方向へ戻すこととしている。しかし、本開示はこれに限定されるものではなく、載置台36が部品装着機12に装着されたまま、部品装着機12の有する制御部が、サーバ70側の使用予定判別部の判別結果に基づいてテープフィーダ34の電動モータ52を制御することにより、キャリアテープ44を逆方向へ戻すこととしてもよいし、サーバ70が、使用予定判別部の判別結果に基づいてテープフィーダ34の電動モータ52を制御することにより、キャリアテープ44を逆方向へ戻すこととしてもよいし、又は、各テープフィーダ34が有するフィーダ制御部94が、サーバ70側の使用予定判別部の判別結果に基づいてテープフィーダ34の電動モータ52を制御することにより、キャリアテープ44を逆方向へ戻すこととしてもよい。
【0099】
また、上記の実施形態においては、テープフィーダ段取システム10が、テープフィーダ34を保持するスロット40を有する載置台36と、外段取り領域に設置されたセットアップステーション76と、が別体で構成されたものである。しかし、本開示はこれに限定されるものではなく、テープフィーダ段取システム10が、載置台36の機能とセットアップステーション76の機能とが一つに纏められた機能を有するテープ着脱装置を有するものであってもよい。
【0100】
尚、本開示は、上述した実施形態や変形例に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0101】
10:テープフィーダ段取システム、12:部品装着機、16:部品供給部、20:基板、30:部品、32:リール、34:テープフィーダ、36:載置台、38:フィーダ保持部、40:スロット、42:リール保持軸、44:キャリアテープ、46:テープ挿入口、50:スプロケット、52:電動モータ、70:サーバ、70a:記憶部、70b:使用予定判別部、70c:解除部、72:PC、72a:操作部、72b:表示部、72c:制御部、76:セットアップステーション、82:制御ボックス、94:フィーダ制御部。